JPS6228244Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電熱ヒータとエアポンプとをそな
えた電気ポツトに関する。

液体容器の下部に電熱ヒータを、また液体容器
の上部には受皿状の下口部材を設けたポツト本体
の上部をエアポンプを内蔵する蓋体で覆蓋し、こ
のエアポンプによつて加圧空気を液体容器内へ圧
送し、圧送された加圧空気によつて液体容器内の
液体を液体通路を介して注出口から注出させるよ
うにしたエアポンプ式電気ポツトが実用されてい
る。このような電気ポツトに液体容器内の液量を
表示する液量計を設ける場合において、該液量計
の上下両端部を液体容器に連通させるようにすれ
ば、透明な水位表示管を含む液量計の管路が屈曲
するため、液量計内部の洗浄が困難となり、水位
表示管の内壁に水垢などが付着して水位の表示が
不明確なものとなりやすく、また衛生的にも好ま
しいものではなかつた。水位表示管内部の洗浄を
容易にするため、水位表示管の上端部を液体容器
に連通させず、液体容器外に開放しておく場合
は、ポツトの転倒時や運搬途上における揺動の際
にその上端部から液体が流出して電源部に侵入す
るという虞があつた。

この考案は上記事情に鑑みなされたもので、内
部の洗浄が容易で、かつ溢水したときに液体が電
源部などに侵入することのないような液量計をそ
なえた電気ポツトを提供するものであり、これに
ついて以下に説明する。

この考案にかかるエアポンプ式電気ポツトは、
上記液量計の下端部を液体容器の底部または容器
側面下部に連通させ、その上端部はポツト本体の
上部に設けられた受皿状の下口部材内に開放する
とともに、該開放上端部に液体の流出を防止する
弁をそなえた着脱自在な弁ユニツトを設けたこと
を特徴としている。以下、図面にあらわされた実
施例について具体的に説明する。

第１図はこの考案にかかる電気ポツトの１例を
あらわす断面図である。この電気ポツトは、ポツ
ト本体１の内部に液体容器２をそなえ、該液体容
器２の下部外周部には電熱ヒータ３が、また液体
容器２の上部の開口部には中栓４が１体に設けら
れた内蓋４ａがそれぞれ配設されている。内蓋４
ａはパツキン４ｂを介して液体容器上に配設され
ている。電熱ヒータ３にはマグネツト式差込プラ
グ５を通して電流が供給され、これにより液体容
器内の液体が加熱される。

ポツト本体１の上部には受皿状の下口部材６が
設けられ、その上面がポツト本体１にピン７ａに
より枢着された蓋体７によつて覆蓋されている。
この蓋体７の内部にはエアポンプ８が収納されて
いる。エアポンプ８の押圧部９をばね９ａに抗し
て押圧すれば、加圧空気が通気孔１０および中栓
通路４ｃを通つて液体容器２内に圧送され、液体
容器内の気圧が上昇するため内部の液体がパイプ
１１および下口部材６の内部に配設された注液管
１２を通つて注出口１３から注出される。

ポツト本体１の外ケース１４と液体容器２との
間には透明な水位表示管１６が設けられ、該水位
表示管１６の下端部はエルボ１７および液体容器
２に溶接された口金１５を介して液体容器２の内
部に連通されている。エルボ１７の上下両端部に
はスプリング１７ａ，１７ｂが配設され、エルボ
と口金１５および水位表示管１６の接合を強固な
ものにしている。水位表示管１６と液体容器２の
間には目盛板３０が設けられている。また、水位
表示管１６の外側には化粧板３１が設けられてい
るが、この化粧板３１は水位表示管１６の直前部
が縦に切り欠かれ、この切欠部に透明板３２が嵌
め込まれている。上記水位表示管１６，口金１
５，エルボ１７等は液量計を構成する。

水位表示管１６の上端部は下口部材６の内部に
向つて開口しているが、この部分には第２図に示
すように、着脱自在な筒状の弁ユニツト１８が設
けられている。弁ユニツト１８は外周部にねじ１
８ａをそなえ、パツキン１９を介して水位表示管
１６の上端部に押し付けられた状態で、下口部材
６のねじソケツト６ａに設けられたねじ６ｂに螺
着されている。弁ユニツト１８の上端部は下口部
材６の内部に開口している。弁ユニツト１８の内
部のほゞ中間部にはフランジ状の中板２０が１体
に設けられ、該中板２０に穿設された通孔２１に
弁２２が上下動自在に遊嵌されている。弁２２は
上下にフランジ２３，２３′をそなえ、上側のフ
ランジ２３の下面には適当な数の小突起２４が設
けられている。従つて、弁２２と中板２０との間
には通気用の隙間が常時形成されている。なお、
ポツトが転倒したときには弁２２の下部フランジ
２３′が中板２０の下面に密着し、多量の液体が
流出することが防がれる。また、エアポンプを押
圧したときには空気圧によつて弁２２の下部フラ
ンジ２３′が押し上げられて中板２０に密着する
ので、この部分から溢水することがない。なお、
弁の形式は図示例のものに限らず他の適当な形式
の弁を採用することができる。

この弁ユニツト１８は、下口部材６に対し着脱
自在に螺着されているので、容易にこれを取り外
すことができ、これを取り外した状態では直管状
の水位表示管１６が上向きに開口するので、その
内部の洗浄がきわめて容易となる。また、使用状
態においては、弁ユニツト１８の働きにより水位
表示管１６の上端部からの多量の液体の流出が効
果的に防止される。ポツトの揺動など、使用条件
によりかりに多少の液体がこの部分から流出した
としても、その流出した液体は下口部材６内に溜
められるので電源部などに侵入することがなく、
きわめて安全である。なお、上記図示例では水位
表示管１６が下口部材６のねじソケツト６ａにパ
ツキン１９を介して嵌着されているが、場合によ
つてはこれをねじソケツトに直に圧入しておくだ
けでもよく、またゴム管などの中間部材を介して
両者を接続しておいてもよい。

つぎに、第３図は注液管１２に筒状のボス２５
を設け、その外周部に設けられているねじ２５ａ
に弁ユニツト１８′を螺着した例をあらわすもの
で、第４図はその要部拡大図である。この例では
液体容器２′の側壁が真空部２ａをそなえた２重
壁として形成され、水位表示管１６の上端部をこ
の２重壁を通して容器内部に連通させるのがきわ
めて困難であるので、このように上端部を下口部
材６内に開口させておくのがとくに有利である。
水位表示管１６は下口部材６に設けられた筒状部
２６に水密的に圧入嵌着され、該筒状部２６の開
口部に第２図の実施例と同様な弁２２および中板
２０をそなえた弁ユニツト１８′がパツキン２７
を介して接続されている。ボス２５の付根には、
孔２８が設けられている。この孔２８は、液量計
の表示を正確にするための通気孔であるが、溢水
した液体を下口部材６内へ逃がすためにも働くも
のである。

この実施例では、内ねじ１８a′をそなえた弁ユ
ニツト１８′が注液管１２に螺着されているので
下口部材６に対する弁ユニツト１８′の着脱が容
易である。蓋体７を閉めたときに該蓋体７によつ
て中栓４が押圧され、これによつて弁ユニツト１
８′がパツキン２７を押圧するので、漏水が効果
的に防止される。水位表示管内部の洗浄が容易で
あること、および電源部などへの液体の侵入が効
果的に防止されることは前述の実施例の場合と同
様である。

第５図は注液管１２にボス２５′を設けるとと
もに、連通孔４１を設けて該ボス２５′の内部を
注液管１２の内部に連通させた例をあらわす。ボ
ス２５′の外周部にはねじ２５a′が設けられ、こ
れに上部内側にねじ１８a″をそなえた弁ユニツト
１８″が螺着されている。弁ユニツト１８″はその
内側中間部に受板４０をそなえ、その中心部に通
孔２１′が形成されている。ボス２５′の内部には
ボール弁２９が上記受板４０上に載置された状態
で収納されており、ボス２５′の内側付根部には
稜線が円弧状を呈する複数個のリブ２５b′が設け
られている。転倒時にはボール弁２９がこのリブ
２５b′に沿つて移動し、連通孔４１を閉塞する。
下口部材６の筒状部２６′の上部開口部には段部
２６a′が設けられ、この部分に弁ユニツト１８″
に当接するパツキン２７′が配されている。水位
表示管１６は、下口部材６の筒状部２６′の位置
決め用張出部４３の下側に水密的に嵌着されてい
る。なお、弁ユニツト１８″の通孔２１′の周縁に
は通気用の部分的な切欠き４２が設けられてい
る。この例では、水位表示管１６の上端部が下口
部材６内に直接開口しておらず、下口部材６内に
保持されている注液管１２内に開口していること
になる。したがつて、水位表示管１６の上端部か
ら溢れた液体は、下口部材６内に溜められずに、
ポツトの中心側がいくらか低くなるように傾斜さ
せて設けられている注液管１２を伝つて液体容器
２内へ還流する。この場合にも電源部などへの液
体の侵入が防がれる点は前記他の実施例の場合と
同様である。また、弁ユニツト１８″の着脱が容
易であるため、水位表示管１６内部の洗浄が容易
であることも前記他の実施例の場合と同様であ
る。

以上に説明したようにこの考案にかかる電気ポ
ツトでは、水位表示管の上端部が下口部材の内部
に開口し、この部分に弁ユニツトが設けられてい
るので、水位表示管の上端開口部から多量の液体
が流出することが効果的に防止されるとともに、
かりにいくらか流出した場合にも電源部などへの
侵入が防止されるのである。

また、上記弁ユニツトは着脱自在に設けられて
いるので、これを取り外すことによつて水位表示
管の内部をきわめて容易に洗浄することができる
ようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる電気ポツトの１例を
あらわす断面図、第２図から第５図までは要部の
断面図である。 １……ポツト本体、２……液体容器、３……電
熱ヒータ、４……中栓、５……差込プラグ、６…
…下口部材、７……蓋体、８……エアポンプ、１
２……注液管、１３……注出孔、１４……外ケー
ス、１５……口金、１６……水位表示管、１７…
…エルボ、１８……弁ユニツト、１９……パツキ
ン、２２……弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体容器の下部に電熱ヒータを、また液体容器
   の上部には受皿状の下口部材を設けたポツト本体
   の上部をエアポンプを内蔵する蓋体で覆蓋し、こ
   のエアポンプによつて加圧空気を液体容器内へ圧
   送し、圧送された加圧空気によつて液体容器内の
   液体を１連の液体通路を介して注出口から注出さ
   せるようにしたエアポンプ式電気ポツトにおい
   て、下端部が内容器の下部に連通し、上端部が上
   記下口部材内に連通する水位表示管を設けるとと
   もに、該水位表示管の開放上端部に液体の流出を
   防止する弁をそなえた着脱自在な弁ユニツトを設
   けたことを特徴とするエアポンプ式電気ポツト。