JPH0243301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は飲料水などを収容するための液体容
器、特に容器の下部に液体通路を有する蛇口本体
を設けると共に操作レバーにて液体通路を開閉す
る弁体を設けた液体容器に関するものである。

〈従来の技術〉 従来、液体容器は内容器を囲んだ外装ケースの
上端に水切部材を結合し、下端に底部材を結合
し、内容器と外装ケースとの間に断熱材を充填し
た容器本体を設け、容器本体の内容器内下部より
外装ケースに向けて貫通孔を穿設し、この貫通孔
に液体通路を有する蛇口本体を装着し、蛇口本体
内に液体通路を開閉する弁体を設け、弁体にて液
体通路を常時閉弁状態に維持するスプリングを設
け、弁体を支える軸棒を蛇口本体より突出し、軸
棒の突端に操作レバーを当接し、操作レバーの操
作にてスプリングに抗し弁体を摺動して液体通路
を開放していたが、この種の液体容器では、スプ
リングが蛇口本体の液体通路に内蔵されていたた
めに、液体通路内を流れる液体と弁体を常時閉弁
状態に維持するスプリングとが直接液体通路内で
接触することとなり、長期使用に際し、スプリン
グに液滴が付着し、極めて非衛生となつていた。

又、液体通路内を流れる液体がスプリングに規
制されて乱流となりスムーズに流出できないとい
う欠点があつた。

〈考案の目的〉 本考案は上記の点に鑑みてなされたものであつ
て、長期使用に際しても衛生的であると共に液体
をスムーズに流出することのできる液体容器を提
供するにある。

〈考案の構成〉 本考案によれば、弁体が液体の流れ方向と逆方
向より液体通路口を閉鎖し、軸棒の一端が常に操
作レバーに当接し、他端が蛇口本体の液体通路上
壁を貫通し、液体通路口周りの液体通路下壁下面
に当接する弁体に固着されると共に液体通路上壁
の軸棒上部と操作レバーに当接する軸棒突端との
間に傘状の接当部を設ける一方、スプリングの一
端を軸棒の接当部下面に当接し、他端を蛇口本体
の液体通路上壁上面に当接する構成だけで目的を
達成しようとするものである。

〈考案の実施例〉 以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

液体容器１は内容器２と、内容器を囲む外装ケ
ース３と、外装ケースの上端に結合した水切部材
４と、外装ケースの下端に結合した底部材５と、
内容器内の液体を注出する注出機構６とから構成
されている。

８は内容器の周りを囲んだ発泡スチロール等の
断熱材、９は把手、１０は折りたたみ式の脚であ
る。

内容器２はアルミニウム又は合成樹脂材料にて
広口の有底筒状に形成されている。

外装ケース３は薄い鉄板を円筒状にはぜ折り
し、上、下端を内側へ折り曲げている。

水切部材４は外装ケースの上端と無理嵌め結合
しており、中央に内容器の口元と連通する開口を
穿設している。

１１は蓋体で有底筒状に形成されており、逆位
にして水切部材の中央開口に着脱自在に被さつて
いる。

１２は枠体で外装ケース下端と底部材との間に
嵌め込み結合しており、中央部を内容器よりの内
側へ大きく凹ませ、その中央に後述の蛇口本体後
端を貫通する貫通孔を穿設している。

注出機構６は液体通路を備えた蛇口本体１３
と、液体通路を開閉する弁体１４と、弁体を支え
る軸棒１５と、弁体を常時押上げているスプリン
グ１６と、蛇口本体下端に装着したキヤツプ体１
７と、軸棒突端に当接した操作レバー１８とから
なつている。

蛇口本体１３は内部を中空成形し、この中空部
を液体通路としている。蛇口本体１３は液体通路
を内容器２内水面と平行な前後通路部分１９ａ
と、前後通路部分先端に連通しかつ内容器内水面
と直角な上下通路部分１９ｂとに分割しており、
前後通路部分を形成する第１筒部１３ａと上下通
路部分を形成する第２筒部１３ｂとを一体成形し
ている。蛇口本体の前後通路部分１９ａより上下
通路部分１９ｂに至る液体通路個所は狭い口径の
液体通路口となつている。蛇口本体１３は第１筒
部１３ａ後部外周にネジを刻設しており、この第
１筒部は内容器２及び枠体１２の相対した位置に
穿設の貫通孔を枠体外側より挿入し、内容器内側
よりパツキン、ワツシヤ、及びナツト２０を介し
て固定されている。

弁体１４は後述のスプリング１６にてシールパ
ツキンを介し第２筒部１３ａ内側上端に常時密に
当接し、液体通路口を閉鎖している。

弁体を支える軸棒１５は第４図に示すように、
弁体と別体に成形されており、一端が操作レバー
１８に当接し、他端が前後通路部分１９ａの第１
筒部１３ａの上壁を貫通して液体通路口を貫通し
弁体の中央上面にビス止めされて上下摺動自在に
装着している。この軸棒１５の上部には第２図乃
至第４図に示すように傘部２１を一体又は別体成
形しており、この傘部よりもさらに上部の突端を
操作レバー１８の下面に当接している。

スプリング１６は一端を軸棒の傘部２１内側に
当接し、他端を蛇口本体の第１筒部１３ａ上壁に
当接して軸棒に連動した弁体１４を常時押上げて
液体通路口を閉鎖している。

キヤツプ体１７は内部中空な筒状に形成され
て、上端を蛇口本体の第２筒部１３ｂ下端に結合
し、下端を注ぎ口としている。

操作レバー１８は後端の左右側壁に突片を設け
ており、蛇口本体の上部両側壁に設けた横溝内に
突片を遊嵌し、この突片を操作レバーの上下動自
在な枢支点としている。

〈考案の効果〉 本考案に於いて、弁体が液体の流れる方向と逆
方向より液体通路口を閉鎖しているので、液体通
路口の開放が液体の流れを利用してスプリングに
抗するだけとなり軽いタツチでしかもレバー式な
のでより軽いタツチで液体を流出させることがで
きる。

又、構造が非常に簡単で、弁体、スプリング、
操作レバー等全て狭い液体通路内に存在せず、し
かも前後左右にスペースの少い蛇口本体に対し液
体通路外で組立られるために、組立作業が非常に
容易であると共に部品点数も極めて少くて、コス
トの大巾な軽減をはかることができる。

更に又、液体通路内を流れる液体とスプリング
との接触が全くなりなり、長期使用に際し極めて
衛生的であると共に液体通路内を流れる液体がス
プリングによつて流れを邪魔されることがないの
で、乱流による飛び散りが発生することなく、ス
ムーズに流出することができて、受器等に確実に
注ぎ得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の正面図、第２図は本考
案実施例の液体停止状態を示す一部縦断面図、第
３図は本考案実施例の液体注出状態を示す一部縦
断面図、第４図は本考案実施例の注出機構を示す
拡大縦断面図である。 １……液体容器、２……内容器、３……外装ケ
ース、６……注出機構、１３……蛇口本体、１５
……軸棒、１６……スプリング、１８……操作レ
バー、２１……傘部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内容器を囲んだ外装ケースの上端に肩部材を結
   合し、下端に底部材を結合し、内容器と外装ケー
   スとの間に断熱材を充填した容器本体を設け、容
   器本体の内容器内下部より外装ケースに向けて貫
   通孔を穿設し、この貫通孔に液体通路を有する蛇
   口本体を装着し、蛇口本体内に液体通路の液体通
   路口を開閉する弁体を設け、弁体にて液体通路を
   常時閉弁状態に維持するスプリングを設け、弁体
   を支える軸棒を設け、軸棒の突端に操作レバーを
   設けて、操作レバーの操作にてスプリングに抗し
   弁体を摺動して液体通路を開放する液体容器に於
   いて、上記弁体が液体の流れ方向と逆方向より液
   体通路口を閉鎖し、軸棒の一端が常に操作レバー
   に当接し、他端が蛇口本体の液体通路上壁を貫通
   し、液体通路口周りの液体通路下壁下面に当接す
   る弁体に固着されると共に液体通路上壁の軸棒上
   部と操作レバーに当接する軸棒突端との間に傘状
   の接当部を設ける一方、スプリングの一端を軸棒
   の接当部下面に当接し、他端を蛇口本体の液体通
   路上壁上面に当接したことを特徴とする液体容
   器。