JPH0430107Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はスクイズ容器に関する。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 従来、キヤツプを僅かに引き上げることで注出
孔が開口されて胴部圧搾によつて液体を注出で
き、また、キヤツプを下げることで再び注出孔を
水密に閉塞可能とした容器が知られている。これ
ら容器はキヤツプを締め忘れて放置すると、注出
孔は開いたままであるから、容器が倒れると容器
体内液体は無駄に流出してしまう。このような欠
点を改良するために本出願人は先に液体注出容器
を提案している（実開昭56−24655号）。該容器は
容器体口頚部内面へ水密に嵌合させた嵌合周壁の
中間部内面に、周縁部に流通孔を有する仕切板を
設けて、該仕切板の上面中心からは弁体を上方へ
突出させ、更に切込み線形成面が相互に水密に接
する交叉切込み線を有する弾性板を上記仕切板と
の間に適宜間隔を介して仕切り板下方の嵌合周壁
下部内面へ水密に嵌合させた口栓を有している。
この容器は、キヤツプを引き上げた状態で容器体
が倒れてもその弾性板により阻止されて容器体内
液体が無駄に流出することはなく、又容器体胴部
を圧搾すると、上記の交叉切込み線が形成する弾
性突片が弾性湾曲するため、切込み線交叉部分が
開孔して液体流通孔及び注出孔を通つて注出出
来、又、胴部を離すと弾性突片は内方向へ弾性湾
曲して上記と反対に外気を胴部内に吸入させるこ
とが出来、キヤツプを深く嵌合させることで容器
体を完全に密封することもできるという優れた利
点を有するものであるが、水密に接する交叉切込
み線を介して液体を流出するため、液体の一度の
注出量に制限を生じ、大量の液を注出する場合に
は時間がかかる不都合が若干存在する。

又、交叉切込み線が形成する弾性突片が上下に
弾性湾曲するため、度重なる使用で各突片間に若
干の隙間が生じる場合があり、そのため、液の流
出阻止作用が若干衰える場合がある。

又、この種の容器として、通液孔及び通気孔を
有する弁座部と、該弁座部と一体に形成され、前
記通液孔と係合する弁突起と、通気孔と係合する
弁突起とをおのおの有する２個の弁部を有する並
列弁を容器体口頚部上面に注出キヤツプにより固
定したスクイズ容器も提案されている（実公昭43
−6471号）。

しかしながら、この容器は、平板状の弁座部に
２個の透孔を穿設し、各々通液孔、通気孔とな
し、弁座部の両端より一体に突出形成した平板棒
状の弁部を弁座部の上面及び下面に各々回動可能
に延設させ、上方の弁部の下面より通液孔に離脱
可能に嵌合する通液用の弁突起を、下方の弁部上
面より通気孔に離脱可能に嵌合する通気用の弁突
起を各々突出形成して構成している。

従つて、通気用の弁部は常時下方に重力が加わ
り、度重なる使用によつて弁部が下方へ垂れ下が
り、弁機能を果たさなくなる虞がある。又、小さ
な通液孔が一つしかないため、液体の一度の注出
量に制限を生じる不都合がある。

本考案は上記従来技術の欠点を解消するととも
に、構造が簡単でしかも使勝手の良い優れたスク
イズ容器を提案することを目的とするものであ
る。

「課題を解決するための手段」 本考案容器は上記課題を解決するため、圧搾可
能な胴部５を有する容器体１と、該容器体１の口
頚部７内周に嵌合する周壁１０の下端より陥没し
た頂壁１２を内方へ延設するとともに、該頂壁１
２中央を筒状に隆起した隆起部１３の上端に棒栓
１４を形成してなる内蓋２と、上記内蓋２の隆起
部１３外周にドーナツ円盤状の基部１６の内周面
を嵌合して取り付けた弁部材３と、上記容器体口
頚部７外周に周壁２１内周を嵌合して装着される
キヤツプ４とからなり、上記弁部材３の基部１６
外周縁より上記内蓋２の周壁１０内周に至る鍔状
吐出弁体１７を一体に延設するとともに、基部１
６下面より筒状吸気用弁体１８を一体に垂設し、
上記弁部材３の基部１６には吸気口２０を、内蓋
２の頂壁１２には吐出口１５を各々穿設し、上記
吸気用弁体１８と吸気口２０とで吸気弁を構成す
るとともに、上記吐出弁体１７と吐出口１５とで
吐出弁を構成し、上記キヤツプ４の頂壁２４中央
に上記棒栓１４で閉栓される注出口２６を設け、
かつ頂壁２４裏面から上記吐出弁体１７の外周縁
上端に当接する弁押え周壁２５を垂設し、上記キ
ヤツプ４を緩めた際に上記注出口２６が開栓する
とともに、吐出弁体１７を弁押え周壁２５による
押えから開放する如く構成した。

「作用」 液を注出するには、まずキヤツプ４をその係止
用突条２３が突条９に当接するまでゆるめて注出
口２６を棒栓１４から開栓し、かつ弁押え周壁２
５による吐出弁体１７の押えを開放し、こののち
容器体１を把持した手で胴部５を圧搾すればよ
い。すると、この圧搾により加圧された液体は吐
出口１５，１５から押出され、その液圧により吐
出弁体１７を押広げ開弁して注出口２６から外部
に注出される。この液注出により容器体１内が負
圧化すると、気圧差により吸気用弁体１８が開弁
し吸気口２０，２０を開口するので、注出された
液量に見合つた量の空気が吸気口２０，２０から
内蓋２の吐出口１５，１５を通して容器体１内に
吸気される。

「実施例」 以下添付図面を参照して本考案実施例を説明す
る。第１図ａ，ｂにおいて、１はスクイズ容器
体、２は該容器体１口頚部に装着された栓取付用
の内蓋、３は内蓋２に取付けられた弁部材、４は
キヤツプである。

スクイズ容器体１は軟質合成樹脂等にて形成さ
れ、その胴部５を把持した手で圧搾すれば、収容
液体を加圧してこれを口部６から注出できる。７
は口頚部で、その下半部外周には螺条８を、上部
には係止用突条９をそれぞれ形成している。

栓取付用の内蓋２は、前記容器体１の口頚部７
内周に嵌合する周壁１０を有し、該周壁１０の上
端から口頚部７頂面上へ延びる外向きフランジ１
１を延設し、又周壁１０の下端より陥没した頂壁
１２を内方へ延設するとともに、該頂壁１２中央
を筒状に隆起した隆起部１３を有し、該隆起部１
３の先端に棒栓１４を形成している。

そして、頂壁１２の例えば左右両側に吐出口１
５，１５を穿設している。弁部材３は上記内蓋２
の隆起部１３外周にその内周面を嵌合して取り付
けられるドーナツ円盤状の基部１６を有してお
り、該基部１６外周縁からは肉薄として弾性を付
与された斜め上向きの鍔状の吐出弁体１７を内蓋
２の周壁１０内周にわたつて設けており、又、基
部１６下面より同様に肉薄として弾性を付与され
た筒状の吸気用弁体１８を垂設しており、この弁
体１８下端を内蓋２の隆起部１３下端外周面に設
けた突条１９外周に嵌合している。又、弁部材３
の基部１６には２ケ所の吸気口２０，２０を穿設
している。

この様に構成した弁部材３の吸気用弁体１８と
上記吸気口２０とで吸気弁を吐出体１７と上記内
蓋２に設けた吐出口１５とで吐出弁を各々構成し
ている。

キヤツプ４は、その周壁２の下半部内周に前記
螺条８に螺合する螺溝２２を、上部内周に前記係
止用突条９に係止される係止用突条２３を設け、
また頂壁２４裏面から前記吐出弁体１７周縁部を
上面から押える弁押え周壁２５を垂設し、そして
頂壁２４中央部に前記棒栓１４で閉栓される注出
口２６を穿設している。

「考案の効果」 以上説明した如く、本考案容器は、弁部材３の
基部１６下面より筒状吸気用弁体１８を垂設し、
弁部材基部１６に吸気口２０を穿設して、吸気用
弁体１８と吸気口２０とで吸気弁を構成している
ため、吸気用弁体１８にかかる重力は開閉方向に
殆ど働かないため、長期にわたつて使用しても吸
気弁の機能が損なわれる虞はない。

一方、弁部材３の基部１６外周縁より内蓋２の
周壁１０内周に至る鍔状吐出弁体１７を延設する
ともに、内蓋２の陥没した頂壁１２に吐出弁口１
５を穿設し、吐出弁体１７と、吐出口１５とで吐
出弁を構成し、又、キヤツプ頂壁２４裏面より吐
出弁体１７の外周縁上端に当接する弁押さえ周壁
２５を垂設しているため、キヤツプ４を下降させ
れば吐出弁体１７を確実に内蓋周壁１０内周に圧
接させられるため、吐出弁が内容液により上方に
押し上げられて、そのままの状態になり弁機能を
失う虞はない。又、その構造上、吐出口１５を複
数設けることができるので、一度の注出量をある
程度大量とすることも可能である。

又、弁部材３に吐出弁体１７と吸気用弁体１８
の両弁体を形成したので、この他に容器体１と内
蓋２とキヤツプ４があればよく少数部品で済み、
しかもこれら各部品はいずれも単純な形状なの
で、構造は著しく簡素化できる。従つて、加工、
組み立てが容易となり、低コストで提供できる。
また液注出のための操作はキヤツプを弛めればす
み、何の面倒もなく、しかもキヤツプを弛めない
限り圧搾しても液注出は行われないので、不用意
に液を漏出させる心配がない。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案スクイズ容器の一実施例
を示し、ａ図は主要部の右半部縦断面図、ｂ図は
倒立させた液注出時の図である。 １……容器体、２……内蓋、３……弁部材、４
……キヤツプ、１７……吐出弁体、１８……吸気
用弁体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧搾可能な胴部５を有する容器体１と、該容器
   体１の口頚部７内周に嵌合する周壁１０の下端よ
   り陥没した頂壁１２を内方へ延設するとともに、
   該頂壁１２中央を筒状に隆起した隆起部１３の上
   端に棒栓１４を形成してなる内蓋２と、上記内蓋
   ２の隆起部１３外周にドーナツ円盤状の基部１６
   の内周面を嵌合して取り付けた弁部材３と、上記
   容器体口頚部７外周に周壁２１内周を嵌合して装
   着されるキヤツプ４とからなり、上記弁部材３の
   基部１６外周縁より上記内蓋２の周壁１０内周に
   至る鍔状吐出弁体１７を一体に延設するととも
   に、基部１６下面より筒状吸気用弁体１８を一体
   に垂設し、上記弁部材３の基部１６には吸気口２
   ０を、内蓋２の頂壁１２には吐出口１５を各々穿
   設し、上記吸気用弁体１８と吸気口２０とで吸気
   弁を構成するとともに、上記吐出弁体１７と吐出
   口１５とで吐出弁を構成し、上記キヤツプ４の頂
   壁２４中央に上記棒栓１４で閉栓される注出口２
   ６を設け、かつ頂壁２４裏面から上記吐出弁体１
   ７の外周縁上端に当接する弁押え周壁２５を垂設
   し、上記キヤツプ４を緩めた際に上記注出口２６
   が開栓するとともに、吐出弁体１７を弁押え周壁
   ２５による押えから開放する如く構成してなるこ
   とを特徴とするスクイズ容器。