JPH031431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は充填装置の充填バルブを洗滌する充填
バルブ洗滌装置に関するものである。

容器の上昇によつて充填バルブを開放して、そ
の容器内に内容液を充填する充填装置において充
填バルブを洗滌する場合には、充填バルブに洗滌
カツプを取り付けて洗滌液の循環回路を形成した
後、上記充填バルブの液出口を開放することによ
り行なつていた。そしてこの液出口を開放するた
めに、従来は、壜等の容器を乗せて上昇させる壜
台の上昇を利用して洗滌カツプを押し上げ、又は
充填バルブと全く別個に設けられたエアシリンダ
等の昇降機構によつて洗滌カツプを持ち上げる構
成としていた。

このような従来の洗滌装置は、洗滌カツプの組
付け（センタリング）、操作等が困難であり、ま
た、作業に手間がかかるという欠点があつた。し
かも、別個に昇降機構を設けるタイプでは、本来
の充填工程には不要の構成であり無駄であるとと
もに装置も大型化するという欠点があつた。

〔考案の概要〕

本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、容器
のセンタリングを行なう容器案内具の昇降をガイ
ドするために従来から設けられているガイドロツ
ドに昇降機構を設けるとともに、洗滌カツプを容
器案内具と交換してガイドロツドに取り付けるこ
とを可能にすることにより、組付け、操作の容易
な充填バルブの洗滌装置を提供するものである。

〔考案の実施例〕

以下図示実施例に基づいて本考案を説明する。
第１図は本考案の一実施例に係る充填バルブの洗
滌装置を示し、第２図は第１図の装置の充填時の
状態を示す図であり、図において、１はフイラボ
ウル２の底板に固定された筒状部材、３はこの筒
状部材１内に摺動自在に嵌合された昇降スリーブ
である。この昇降スリーブ３の下部には、充填レ
ベルを調整するアジヤスタ４及びシール部材５が
設けられ、さらに、これらアジヤスタ４とシール
部材５の軸心を貫通して下方へ伸びるメインパイ
プ６が取り付けられている。そして、昇降スリー
ブ３とメインパイプ６の内部には、筒状部材１の
上端に固定されたエアーパイプ７が配設されてお
り、さらにこのエアーパイプ７の下端に、注液口
８を有するノズル９が連結されている。上記昇降
スリーブ３及びメインパイプ６は、筒状部材１の
下端面と昇降スリーブ３の周囲に連設された傘状
部１０の上面との間に弾装されたスプリング１１
によつて下方へ付勢されており、図示しない壜台
上の容器の上昇によつて上記シール部材５がスプ
リング１１に抗して押し上げられたとき、昇降ス
リーブ３及びメインパイプ６がともに上昇し、ノ
ズル９の注液口８が開放されて容器内に充填液が
充填されるようになつている。

上記充填バルブＡの通常の充填時には、第２図
に示すように、メインパイプ６下方に環状の容器
案内具１２が設けられており、壜台によつて上昇
される容器のセンタリングを行なう。この容器案
内具１２は充填バルブＡに隣接して鉛直に配設さ
れたエアシリンダ装置１３のピストンロツド１４
及びガイドロツド１５によつて、その昇降が案内
される。なお、本実施例は２本のガイドロツドを
有する従来の装置について、１本のガイドロツド
をエアシリンダ装置に代えたものである。エアシ
リンダ装置１３は、フイラボウル２の下面に固定
されたシリンダ１６とこのシリンダ１６内を上下
に往復動するピストン１７とこのピストン１７に
連結された上記ピストンロツド１４とからなり、
このピストンロツド１４の下端に上記容器案内具
１２を取り付ける支持部材１８が設けられてい
る。容器案内具１２はその上部外周に形成された
環状溝１９に嵌着されたクリツプ２０を介して支
持部材１８の一端に取り付けられており、容易に
取外すことができるように構成されている。上記
ガイドロツド１５はシリンダ１６の側部に設けら
れたブラケツト２１に固定されており、このガイ
ドロツド１５に上記支持部材１８の一端が摺動自
在に嵌合されている。

以上の如く構成された充填装置によつて容器内
の充填液を充填する場合には、容器が図示しない
壜台によつて上昇され、その開口部が容器案内具
１２を押し上げ、容器開口部が上方のシール部材
５に接触し、その後、さらにこのシール部材５を
押し上げ、上記ノズル９の注液口８を開放する。
その結果、フイラボウル２内の充填液は筒状部材
１上端の流入口２４から流入し、筒状部材１昇降
スリーブ３及びメインパイプ６を経て注液口８か
ら容器内に充填され、一方、容器内のエアは、エ
アパイプ７及び筒状部材１上方に設けられた通路
２５を介してフイラボウル２内の液面上に排出さ
れる。上記容器案内具１２の上昇時には、エアシ
リンダ装置１３の両圧力室２６，２７を大気に連
通しておけば、ピストンロツド１４は支持部材１
８と共に上昇することができる。また、支持部材
１８をピストンロツド１４に対して摺動可能に装
着しておくことにより、ピストン１７が作動しな
い状態で自由に昇降させることもできる。

上記構成に係る充填バルブＡを洗滌する場合に
は、容器案内具１２を支持部材１８から取り外
し、ここに第１図に示すような有底筒状の洗滌カ
ツプ３０を取り付ける。洗滌カツプ３０は上記昇
降スリーブ３の下部に設けられた傘状部１０の内
径と略等しい外径を有しており、開口部外周には
シール３１が嵌着されている。また、長手方向中
央部には厚肉部３２が設けられており、さらにこ
の厚肉部３２には下部の環状凸部３３と上部側の
環状溝３４とが形成されている。この環状凸部３
３の上側段部３５と環状溝３４との間隔は、上記
支持部材１８の上下の幅と略等しく設定されてい
る。

この洗滌カツプ３０を支持部材１８に取り付け
る場合には、ピストンロツド１４を第２図に示す
下降位置において、上述の如く、容器案内具１２
を支持部材１８から取り外し、その後、支持部材
１８内に洗滌カツプ３０の開口部を下方から挿入
し、環状凸部３３が支持部材１８に当接したとこ
ろで環状溝３４にクリツプ３６を嵌着することに
より行なう。

次いで、充填バルブの洗滌開始時にシリンダ１
６の下側圧力室２７にエアを導入してピストン１
７を上昇させ、これにより洗滌カツプ３０を上記
傘状部１０に密着させ、さらにこの洗滌カツプ３
０によつて昇降スリーブ３及びメインパイプ６を
上昇させて注液口８を開放する。その結果、充填
液に代えてフイラボウル２内に満たされていた洗
滌液が、筒状部材１の流入口２４から、筒状部材
１内に流入し、昇降スリーブ３、メインパイプ６
内、注液口８、洗滌カツプ３０及び傘状部１０内
の環状空間を経て排出口３７から回収マニホール
ド（図示せず）へ排出され、充填バルブ内部の洗
滌が行なわれる。

このように、従来容器案内具１２の昇降を案内
するために設けられていたガイドロツドの１本を
エアシリンダ装置１３にするとともに、容器案内
具１２を洗滌カツプ３０と容易に交換しうるよう
に構成したので、洗滌カツプ３０の組付け、セン
タリング及び洗滌時の操作を容易に行なうことが
でき、また、洗滌カツプ３０を上昇させるための
昇降機構を別個に設ける必要がないという効果が
得られる。

なお、上記実施例では、従来ガイドロツドを２
本有していたもののうち１本をエアシリンダ装置
に代えたものについて説明したが、ガイドロツド
が１本のタイプでもこれをエアシリンダ装置に代
えることは可能である。また、ガイドロツドにエ
アシリンダ装置以外の昇降機構を設けても良い。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、充填バルブ
の洗滌装置の組付け（センタリング）、操作を容
易に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る充填バルブの
洗滌装置を示す縦断面図、第２図は第１図の装置
の充填時の構成を示す縦断面図である。 Ａ……充填バルブ、１２……容器案内具、１３
……昇降機構（エアシリンダ装置）、３０……洗
滌カツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器の上昇によつて開放され、その容器内に充
   填液を充填する充填バルブと、上昇する容器のセ
   ンタリングを行なう容器案内具と、この容器案内
   具が取り付けられその昇降を案内するガイドロツ
   ドとを備えた充填装置において、上記ガイドロツ
   ドに取り付けられた容器案内具を有底筒状の洗滌
   カツプと交換可能に構成するとともに、ガイドロ
   ツドにこの洗滌カツプを昇降させる昇降機構を設
   け、この昇降機構によつて洗滌カツプを上昇させ
   た時に上記充填バルブを開放させることを特徴と
   する充填装置の充填バルブ洗滌装置。