JP3704840B2 - 充填バルブの洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は充填装置に係り、特に、充填装置の充填バルブを洗浄する洗浄装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
充填装置として、内部に充填液が貯留されるフィラボウルと、このフィラボウルの底面に昇降可能に支持され、内部に充填液の通路が形成された注液管およびメインパイプと、この注液管およびメインパイプ内に挿通されてフィラボウルに固定され、その内部に排気通路が形成されたエアパイプと、このエアパイプの下端に取付けられ、前記充填液通路に連通する注液口と排気通路に連通する排気口とが設けられたノズルとを備え、前記メインパイプを上昇させることにより、前記注液口と排気口とを開放して容器内に液体の充填を行なうものが従来から知られている。
【0003】
前記のような充填装置には、フィラボウルや、メインパイプおよびノズル等から構成される充填バルブの内部を洗浄する洗浄装置が設けられている。この洗浄装置は、通常、メインパイプの周囲に洗浄カップを装着してその内部を密封するとともに、フィラボウル内に洗浄液を満たし、その後、メインパイプを上昇させ、あるいは、フィラボウルを下降させることにより、ノズルに対してメインパイプを上昇させて前記注液口および排気口を同時に開放し、充填液の通路および排気通路内にフィラボウル内の洗浄液を流すことにより洗浄を行なうようになっている。
【0004】
以上のような従来の充填バルブの洗浄装置では、充填液の通路と排気通路とを同時に開放して洗浄を行なうようになっているが、排気通路は充填液通路に比べて断面積が小さいため圧力損失が大きく、充分な流量の洗浄液を流すことができないので、洗浄性が悪いという問題があった。そこで、エアパイプ内部の排気通路も効果的に洗浄することができる洗浄装置が提案された(特開平5−310222号公報)。
【0005】
前記公報に記載された洗浄装置(この公報中の名称は自己洗浄機能付き充填ノズル)は以下のように構成されている。すなわち、タンクケーシングの底部に孔部が形成されて固定外筒が取り付けられている。この固定外筒にはタンクケーシングの孔部に臨む流入口が形成され、その内部には可動外筒が所定範囲でスライド自在に内嵌されて、可動外筒の上昇端で可動外筒の上端閉止部が流入口を閉鎖可能に構成されている。そして、前記可動外筒を昇降させるシリンダ室に低圧の圧縮空気を供給することにより、可動外筒を所定量上昇させ外ノズル口(充填液が流出する注液口)を開放することができ、また、高圧の圧縮空気をシリンダ室に供給することにより、可動外筒をさらに上昇させて可動外筒の上端閉止部で固定外筒の流入口を閉止するようになっている。
【0006】
前記従来の装置では、洗浄を行なう際には、先ず、洗浄キャップを装着し、タンクケーシング内に洗浄水を供給する。次に、シリンダー室に低圧の圧縮空気を供給して可動外筒を所定量上昇させ、外ノズル口を開放させる。この状態では、可動外筒の上端閉止部はまだ流入口に達しておらず、洗浄水は可動外筒の内部すなわち充填液の通路内を流れるとともに、内ノズル(内部に排気通路を有するエアパイプ)内にも流れる。しかしながら、充填液の通路は排気通路よりも断面積がかなり大きいので、洗浄水は主として可動筒体内の充填液通路を流れて洗浄を行なう。次に、シリンダー室に高圧の圧縮空気を供給し、可動外筒をさらに上昇させ、上端閉止部で流入口を閉鎖する。これによって洗浄水は内ノズル(エアパイプ)内だけを流れて内部の排気通路を効果的に洗浄する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上の構成に係る従来の充填バルブの洗浄装置は、排気通路内を効果的に洗浄することができるが、低圧の圧縮空気による圧縮を受け持つ第1ばねと、高圧の圧縮空気による圧縮を受け持つ第2ばねとを必要とし、また、可動筒体の上部を大幅に延長して流入口を閉鎖可能にしなければならないので、このような洗浄機能をもたない従前の充填装置からの変更点が大きく、また、構造が複雑化するのでコスト高である。
【0008】
本発明は前記欠点を除くためになされたもので、極めて簡単な構造でエアパイプ内の排気通路を効果的に洗浄することができ、しかも、コストアップのほとんどない充填バルブの洗浄装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る充填バルブの洗浄装置は、フィラボウルの底面に摺動自在に設けられ、その内部に充填液通路が形成された筒体と、この筒体の下端に固定されたメインパイプと、この筒体およびメインパイプ内に配置され、その内部に排気通路が形成されたエアパイプと、このエアパイプの下部に固定され、前記充填液通路に連通する注液口および排気通路に連通する排気口が形成されたノズルとを備え、前記メインパイプとノズルとの相対的昇降によって注液口および排気口の開閉を行なうものであって、前記ノズルの注液口よりも下方に閉鎖部を設け、注液口の下端部を排気口の下端部よりも上方に位置させるとともに、フィラボウルを昇降させる昇降機構と、充填バルブの下方位置と後退位置との間で移動可能な洗浄カップとを備えて、洗浄時には、洗浄カップを下方位置に移動させてフィラボウルを下降させ、筒体を洗浄カップに当てて相対的に上昇させることで、注液口および排気口を開放し、フィラボウルを2段階で下降させて、前記メインパイプとノズルとの相対的昇降量を2段階に設定し、第1段階で排気口のみを開放し、第2段階で排気口に加えて注液口も開放するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態により本発明を説明する。図1は本発明の実施の形態の一例を示す図であり、充填液を貯留するフィラボウル2の底面に、円周方向等間隔で複数の充填バルブ(全体として符号4で示す)が設けられている。なお、この図1は充填バルブ4の洗浄を行なうために洗浄カップ6を装着した状態を示している。前記各充填バルブ4の下方には、それぞれ図示しないびん台が配置されて前記フィラボウル2と一体的に回転するようになっており、後に説明するように、これらが一体的に回転する間に、びん台上に供給された容器内に、前記充填バルブ4によってフィラボウル2内の液体を充填する。また、フィラボウル2は、図示しない昇降機構によって昇降できるようになっており、任意の高さに停止させることができる。
【0011】
次に、充填バルブ4の構成について詳細に説明する。フィラボウル2の底面外周寄りに円孔2aが形成され、この円孔2a内を貫通して固定筒体8が取り付けられている。この固定筒体8の内周面には、シールリング10を介して昇降筒体12が摺動自在に嵌合している。この昇降筒体12の下端には、昇降筒体12よりも小径のメインパイプ14が固定されて一体的に昇降する。昇降筒体12の下部にはフランジ12aが形成されており、このフランジ12aの上面と前記固定筒体8の上部に設けられた段部8cとの間にスプリング16が介装されて、昇降筒体12およびメインパイプ14を常時下方へ付勢している。
【0012】
前記固定筒体8、昇降筒体12およびメインパイプ14の内部に、エアパイプ18が挿通されている。このエアパイプ18は、固定筒体8の上部8aに固定されて、その上端部が前記フィラボウル2の内部上方へ延びており、通常の充填運転時には、その上端の開口部18aが充填液の液面上の空間内に突出している。固定筒体8、昇降筒体12およびメインパイプ14の内面とエアパイプ18の外面との間が充填液の通路20を、そして、エアパイプ18の内部が排気通路22を構成している。
【0013】
エアパイプ18の下端部にはノズル24が固定されている。このノズル24は前記メインパイプ14の内径にほぼ一致する外径を有しており、メインパイプ14がこのノズル24の外周面を摺動して昇降する。ノズル24には、前記固定筒体8および昇降筒体12の内部に形成された充填液の通路20を外部に連通する注液口26と、エアパイプ18の内部に形成された排気通路22を外部に連通する排気口28とが形成されている。ノズル24の下端部は一体的に形成されたプラグ30によって密封されている。このプラグ30の外周には段部30aが形成されており、前記スプリング16によって常時下方へ付勢されている昇降筒体12は、その下端に固定されたメインパイプ14がこのプラグ30の段部30aに当たることにより下降限を規制される。
【0014】
昇降筒体12の下端部に固定されているメインパイプ14の周囲に、前記びん台(図示せず)によって上昇される容器の口部に密着して容器内をシールするびん口パッキン32が取り付けられており、このびん口パッキン32を容器の口部が押し上げることにより、メインパイプ14および昇降筒体12を上昇させて前記注液口26および排気口28を開放する。メインパイプ14の上昇によってこの注液口26が開放すると、前記固定筒体8のフィラボウル2内に位置する部分に形成されている流入口8bから、フィラボウル2内の液体が充填液通路20内に流入し、さらに、この液体は注液口26を通って容器内に充填される。また、充填中に、密封された容器内に液体が充填されるのに伴って、容器内の空気は排気口28からエアパイプ18内の排気通路22を通ってフィラボウル2の上部空間に排出される。
【0015】
さらに、本実施例に係る充填装置では、前記ノズル24に形成されている注液口26が、ノズル24の下端部よりもやや上方に位置しており、注液口26の下方に、外部に開口しない閉鎖部24aが設けられている。一方、排気口28すなわちエアパイプ18の開口は、ノズル24の下端にまで達している。従って、メインパイプ14をノズル24の閉鎖部24aの範囲内で僅かに上昇させると、注液口26は開放せずに排気口28だけを開放することができる。
【0016】
また、この充填装置には、前記各充填バルブ4に対応して、それぞれ洗浄カップ6が設けられている。これら各洗浄カップ6は、洗浄カップブラケット33に取り付けられ、充填バルブ4の下方位置と、この充填バルブ4からはずれた後退位置との間で移動可能になっており、通常の充填運転を行なう際にはびん台によって昇降される容器と干渉しない位置に後退され、洗浄時には図1に示すように充填バルブ4の直下位置に移動される。各洗浄カップ6の上端部には環状のシール部材34が装着されている。この環状シール部材34は、前記昇降筒体12の下端に形成されているフランジ12aに続く円筒部12bに対応する径を有しており、洗浄カップ6の環状シール部材34と昇降筒体12の円筒部12bとを密着させることにより、洗浄カップ6の内部を密封することができる。また、前記昇降筒体12の下端の円筒部12bには、洗浄液の排出口12cが設けられており、この排出口12cは、排液ホース36を介して洗浄液マニホールド38に接続されている。
【0017】
以上の構成に係る充填装置の作動について説明する。充填運転時には、洗浄カップ6を後退位置に移動させておく。図示しないびん台上に容器が供給され、フィラボウル2およびびん台の回転に伴ってびん台が上昇し、容器を上昇させる。上昇する容器の口部がびん口パッキン32に当接し、容器内が密封された後、容器はさらに上昇し、このびん口パッキン32を介して昇降筒体12およびメインパイプ14を上昇させる。メインパイプ14はノズル24の注液口26を開放する高さまで上昇し、注液口26および排気口28の両者を開放する。すると、フィラボウル2内の液体は、固定筒体8の上部に形成された流入口8bから充填液通路20内に流入し、注液口26から容器内に充填されるとともに、容器内のエアが排気口28から排気通路22を介してフィラボウル2内の充填液の液面よりも上方の空間に排出される。容器内に充填された液体の液面が上昇し、排気口28の高さに達すると、排気口28から排気通路22内に入って上昇する。排気通路22内の液面がフィラボウル2内の液面に一致すると液体の流入が停止する。その後、びん台が下降すると、びん口パッキン32とともにメインパイプ14が下降して注液口26および排気口28が閉じられて充填が終了する。
【0018】
前記充填バルブ4の洗浄を行なう場合には、洗浄カップブラケット33に保持されている洗浄カップ6を、各充填バルブ4の直下に移動させる。また、フィラボウル2内には、充填液に代えて洗浄液を充満させる。その後、フィラボウル2を所定量下降させる。フィラボウル2およびフィラボウル2に固定されているエアパイプ18に対して昇降可能な昇降筒体12およびメインパイプ14は、スプリング16によって付勢されて、相対的に最も下降した状態にあり、フィラボウル2と一体的に下降する。下降してきた昇降筒体12の下端に設けられた円筒部12bが、洗浄カップ6の上端のシール部材34に当たると、さらに下降を続けるフィラボウル2に対して、昇降筒体12およびメインパイプ14が相対的に上昇する。
【0019】
本実施例装置では、洗浄時にはフィラボウル2を2段階で下降させるようになっており、先ず第1段階では、メインパイプ14が相対的に上昇して排気口28を開放するとともに給液口26は開放しない高さ、すなわち、メインパイプ14の下端部が、注液口26よりも下方に設けられている閉鎖部24aの外側に位置する高さになるまでフィラボウル2を下降させて停止する。ノズル24に対するメインパイプ14の相対的な上昇によって排気口28だけが開放すると、フィラボウル2内に充満されている洗浄液が、エアパイプ18の上端の開口部18aから流入し排気通路22を通過して排気口28から洗浄カップ6内に流れ出す。さらにこの洗浄液は、洗浄液の排出口12cから排液ホース36を介して洗浄液マニホールド38に送られて排出される。このように、第1段階では、洗浄液をエアパイプ18内だけに流すので、充分な流量を得ることができ、エアパイプ18内部の排気通路22を効果的に洗浄することができる。
【0020】
エアパイプ18内の洗浄が終了した後、フィラボウル2を前記位置からさらにもう一段下降させる。このときには、充填時と同様に、注液口26と排気口28の両者が開放する位置まで、メインパイプ14をノズル24に対し相対的に上昇させる。このように注液口26と排気口28の両者が同時に開放すると、フィラボウル2内の洗浄液は、前記第1段階と同様にエアパイプ18の内部を流れるとともに、固定筒体8の流入口8bから充填液通路20内にも流入し、注液口26から洗浄カップ6内に流れ出す。その後、排気口28から流出した洗浄液とともに排液ホース36を通って洗浄液マニホールド38に送られる。このように充填液通路20と排気通路22の両者内を洗浄液が流れる場合には、充填液通路20のほうが断面積がはるかに大きいので、洗浄液は主として充填液通路20側を流れ、この充填液通路20を充分な洗浄流量で効果的に洗浄する。以上のように、ノズル24に形成された注液口26の下部に閉鎖部24aを設け、注液口26の下端部が排気口28の下端部よりも上方に位置するようにするとともに、フィラボウル2を2段階に下降させることにより、極めて簡単な構造で、しかも、従来一般的に使用されている構成を僅かに改良するだけで、エアパイプ18内の排気通路22および充填液通路20を完全に洗浄することができる。
【0021】
なお、前記実施例では、フィラボウル2側から洗浄カップ6へ向かって洗浄液を流して充填バルブ4の内部を洗浄したが、逆に洗浄カップ6側からフィラボウル2側へ向かって洗浄液を流して逆洗浄を行なうこともできる。特に、注液口26を開放せずに排気口28だけを開放した状態にして、洗浄カップ6側から逆洗浄を行なうと、排気通路28は断面積が小さいので、流速が速くなり、エアパイプ18の上端開口部18aから洗浄液を吹き上げてフィラボウル2の天面まで洗浄することができる。
【0022】
図2は第2の実施例に係る充填バルブの洗浄装置を示すもので、前記実施例では、洗浄時には、フィラボウル2を昇降させて注液口26および排気口28を開放するようにしたが、この実施例では、エアシリンダによってこれら注液口26および排気口28を開放するようになっている。なお、前記実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0023】
この実施例では、洗浄カップ6を、昇降筒体12の下端部に設けられた円筒部12bに直接取り付けるようになっており、円筒部12bと洗浄カップ6の上部にそれぞれ形成された穴内に、ピン40を挿入してこれら両者12,6を連結する。洗浄カップ6のピン40を挿入する穴よりも下部側の内面にOリング42が装着されており、洗浄カップ6と昇降筒体12の円筒部12bとの間の液密が保持される。
【0024】
フィラボウル2の下面の固定筒体8が取り付けられている位置に隣接して、洗浄時に前記排気口28および注液口26を開放するエアシリンダ装置44が固定されている。このエアシリンダ装置44は上方の第1シリンダ46と下方の第2シリンダ48とを備えており、前記昇降筒体12を2段階に昇降させて充填バルブ4の洗浄を行なう。フィラボウル2の底面に固定された円柱部50に、第1のシリンダ46が気密を保持して摺動自在に嵌合しており、この円柱部50と第1シリンダ46とによって第1の圧力室52が構成されている。
【0025】
円柱部50の下面には、下端にピストン54を有するピストンロッド56が固定されており、このピストンロッド56が第1シリンダ46の底面を気密を保持して貫通している。また、第1シリンダ46の下方には第2シリンダ48が設けられており、前記ピストンロッド56が摺動自在に貫通している。この第2シリンダ48の内部に前記ピストン54が気密を保持して嵌合しており、第2シリンダ48内のピストン54の上方に第2圧力室58が構成されている。前記第1および第2の圧力室52,58は、それぞれ図示しない切換弁を介して圧力エアの供給源に接続されており、内部に圧縮エアを供給し、または大気に開放できるようになっている。
【0026】
第2シリンダ48の下端部にはフランジ部48aが形成されており、前記昇降筒体12の下部に形成されたフランジ12aの下面に係合している。従って、前記第1および第2シリンダ46,48の作動によって、昇降筒体12をスプリング16に抗して上昇させることができる。
【0027】
以上の構成に係る充填装置の作動について説明する。前記第1の圧力室52に圧縮エアを導入すると、このエアは第1シリンダ46および第2シリンダ48を下降させる方向に作用し、一方、第2の圧力室48に圧縮エアを導入すると、逆に第2シリンダ48および第1シリンダ46を上昇させる方向に作用するので、充填運転時には、第1圧力室52に圧縮エアを導入し、第2圧力室58を大気に開放しておく。これにより第1および第2シリンダ46,48が最も下降した位置になり、昇降筒体12はこれらシリンダ46,48の影響を受けることないので、メインパイプ14がノズル24に対して最も下降した位置で注液口26と排気口28とを閉じることができる。充填中の充填バルブ4の作動は前記実施例と同様である。
【0028】
次に、充填バルブ4の洗浄を行なう場合には、洗浄カップ6を昇降筒体12の下端の円筒部12bに取り付けるとともに、フィラボウル2内に洗浄液を充満させる。この状態にした後、先ず、洗浄の第1段階では、第1シリンダ46の圧力室52および第2シリンダ48の圧力室58の双方に圧縮エアを導入する。第2圧力室58のエアによって第2シリンダ48および第1シリンダ46が上昇しようとするが、第1圧力室52にも圧縮エアが導入されて、これら両シリンダ46,48を下降させようとしているので、両シリンダ46,48は所定の短かい距離だけ上昇する。第2シリンダ48のフランジ48aが昇降筒体12のフランジ12aに係合しているので、昇降筒体12も両シリンダ46,48と等しい距離だけ上昇し、排気口28だけを開放する。前記実施例と同様に排気通路22内にだけ洗浄液が流れてこの排気通路22内を洗浄する。
【0029】
排気通路22の洗浄が終了した後、前記第2圧力室58にはエアを導入したままで、第1圧力室52を大気に開放する。すると、両シリンダ46,48を下降させようとする力が除かれて、両シリンダ46,48が最も上方まで上昇する。第2シリンダ48の上昇によって昇降筒体12およびメインパイプ14が上昇し、すでに開放していた排気口28に加えて注液口26も開放する。その結果、充填液通路20および排気通路22の両通路内を充填液が流れ、前記実施例と同様に、主として充填液通路20内の洗浄が行なわれる。この実施例でも前記第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、フィラボウルの底面に摺動自在に設けられ、その内部に充填液通路が形成された筒体と、この筒体の下端に固定されたメインパイプと、この筒体およびメインパイプ内に配置され、その内部に排気通路が形成されたエアパイプと、このエアパイプの下部に固定され、前記充填液通路に連通する注液口および排気通路に連通する排気口が形成されたノズルとを備え、前記メインパイプとノズルとの相対的昇降によって注液口および排気口の開閉を行なう充填バルブにおいて、前記ノズルの注液口よりも下方に閉鎖部を設け、注液口の下端部を排気口の下端部よりも上方に位置させるとともに、フィラボウルを昇降させる昇降機構と、充填バルブの下方位置と後退位置との間で移動可能な洗浄カップとを備えて、洗浄時には、洗浄カップを下方位置に移動させてフィラボウルを下降させ、筒体を洗浄カップに当てて相対的に上昇させることで、注液口および排気口を開放し、フィラボウルを2段階で下降させて、前記メインパイプとノズルとの相対的昇降量を2段階に設定し、第1段階で排気口のみを開放し、第2段階で排気口に加えて注液口も開放するようにしたことにより、極めて簡単な構造で、エアパイプ内の排気通路も効果的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る充填バルブの洗浄装置の縦断面図である。
【図2】第2の実施例に係る充填バルブの洗浄装置の縦断面図である。
【符号の説明】
2 フィラボウル
4 充填バルブ
12 筒体(昇降筒体)
14 メインパイプ
18 エアパイプ
20 充填液通路
22 排気通路
24 ノズル
24a 閉鎖部
26 注液口
28 排気口
Claims (1)
- フィラボウルの底面に摺動自在に設けられ、その内部に充填液通路が形成された筒体と、この筒体の下端に固定されたメインパイプと、この筒体およびメインパイプ内に配置され、その内部に排気通路が形成されたエアパイプと、このエアパイプの下部に固定され、前記充填液通路に連通する注液口および排気通路に連通する排気口が形成されたノズルとを備え、前記メインパイプとノズルとの相対的昇降によって注液口および排気口の開閉を行なう充填バルブにおいて、
前記ノズルの注液口よりも下方に閉鎖部を設け、注液口の下端部を排気口の下端部よりも上方に位置させるとともに、フィラボウルを昇降させる昇降機構と、充填バルブの下方位置と後退位置との間で移動可能な洗浄カップとを備えて、
洗浄時には、洗浄カップを下方位置に移動させてフィラボウルを下降させ、筒体を洗浄カップに当てて相対的に上昇させることで、注液口および排気口を開放し、フィラボウルを2段階で下降させて、前記メインパイプとノズルとの相対的昇降量を2段階に設定し、第1段階で排気口のみを開放し、第2段階で排気口に加えて注液口も開放することを特徴とする充填バルブの洗浄装置。
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