JPH0749684B2 - 張弦梁構造の張力導入方法 - Google Patents

張弦梁構造の張力導入方法

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JPH0749684B2
JPH0749684B2 JP63078947A JP7894788A JPH0749684B2 JP H0749684 B2 JPH0749684 B2 JP H0749684B2 JP 63078947 A JP63078947 A JP 63078947A JP 7894788 A JP7894788 A JP 7894788A JP H0749684 B2 JPH0749684 B2 JP H0749684B2
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chord
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良弘 高浜
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隆之 西谷
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Shimizu Corp
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、張弦梁構造の張力導入方法に係り、例え
ば、建築構造物の屋根等に用いられる円形あるいは長円
形張弦梁構造のように中央リングガータを有する張弦梁
構造の張力導入方法に関する。
「従来の技術及びその課題」 従来のこの種の張弦梁構造の張力導入方法について、第
8図,第9図を用いて説明する。
第8図は、建築物の長円形張弦梁構造の屋根を地上側か
ら見上げた状態の平面図を示すものである。そして、こ
の張弦梁構造は、屋根を形成するために中央上部が盛り
上がった円弧状の梁材1を構築すると共に、その中央部
に長円形の中央リングガータ2を設け、さらに、上記梁
材1の周縁部付近1aと中央リングガータ2の底部のテン
ションリング2aとの間に、周方向に所定の間隔で複数の
弦材(ケーブル)3,3,・・・を設けた後、上記弦材3の
内の何本かを同時に引っ張って、これらに張力を導入す
る。そして、上記の弦材への張力導入が終了した後に
は、さらに、順次、新たな何本かの弦材3,3,・・に同時
に張力を導入していく方法が知られている。
ここで、第9図(a)〜(h)は、中央リングガータ2
の底部のテンションリング2aを平面リングにモデル化
し、これに連結された弦材に張力を導入した場合の、テ
ンションリング2aの変形及び応力分布を示す図である。
この際の、自重に対する最適張力T(PM)=159ton,鉄
骨重量に対する導入張力TO=91tonである。
第9図(a)のように平面リングの1方向の反対側に位
置する弦材に同時に張力(TO=91t)を導入した場合に
は、第9図(b)のように平面リングが変形(cm)し、
第9図(c)に示すように平面リングに曲げモーメント
(t・m)が生じると共に、第9図(d)に示すように
軸力(t)が生じる。
また、第9図(e)のように平面リングの3方向の反対
側に位置する弦材に同時に張力(TO=91t)を導入した
場合には、第9図(f)のように平面リングが変形(c
m)し、第9図(g)に示すように平面リングに曲げモ
ーメント(t・m)が生じると共に、第9図(h)に示
すように軸力(t)が生じる。
このように、円形張弦梁や長円形張弦梁等の中央リング
ガータを有する張弦梁では、弦材3に張力を導入する際
に、弦材3に大きな引張力を作用させるため、上記テン
ションリング2aには過大な変形や応力が生じることとな
る。
そして、上記従来の張弦梁構造の張力導入方法にあって
は、テンションリングにかかる曲げモーメントが非常に
大きなものとなり、通常は引張力のみで設計されている
テンションリング2aが変形して使用不可能となったり、
施工管理が困難になるという問題点があった。
また、長円形張弦梁の場合には、中央リングガータ2の
底部のテンションリング2aの直線部分に連結された弦材
3a,3aに先に張力を導入するような方法を取って、張力
導入方法に工夫を凝らしても、弦材は高強度であり、か
つ断面積が非常に小さく、この場合、ヤング率もE=1.
4〜1.6×106kg/cm2と鉄鋼と比較して小さい。
したがって、伸び剛性Eが小さく、さらに、弦材の部材
長さは、なるべく長く使用されるのが、経済的であるこ
とから、弦材の導入方法に工夫を凝らしたとしても、テ
ンションリングの変形を拘束することができないという
問題点があった。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、テ
ンションリングに過大な変形や応力を発生させることな
く、弦材に張力を導入することができ、施工管理の容易
な張弦梁構造の張力導入方法の提供を目的としたもので
ある。
「課題を解決するための手段」 本発明は、上記目的を達成するために、中央リングガー
タの底部のテンションリングの内側に仮設切梁を該テン
ションリングの直径又は短径に沿うように設けた後、上
記弦材に所定の順番で張力を導入するようにしている。
「作用」 本発明は、中央リングガータの底部のテンションリング
の内側にその直径(テンションリングが円形の場合)又
は短径(テンションリングが長円形の場合)に沿うよう
に仮設切梁を設けたので、該テンションリングの曲げ抵
抗系が軸力抵抗系に変化する。即ち、アーチ効果を奏す
る。
「実施例」 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。第1図
ないし第7図は本発明の一実施例を示す図であり、これ
らの図において、上記従来の技術に示した構成要素と同
一の要素については、同一符号を付すこととする。
図中符号Aは建築物の張弦梁構造の屋根を示すものであ
り、該張弦梁構造の屋根は、平面が長円形となるように
配置されると共に、中央上部が盛り上がって側断面が円
弧状に形成された梁材1と、その梁材1の中央部に設け
られて平面長円に形成された中央リングガータ2と、上
記梁材1の周縁部付近1aと中央リングガータ2の底部の
テンションリング2aとの間に、上記梁材1と平面形状が
略同形の長円となるように、周方向に所定の間隔で設け
られた複数の弦材(ケーブル)3,3,・・・とからなって
おり、上記テンションリング2aの直線部と曲線部との交
点間には、このテンションリング2aの短径に沿うような
2本の仮設切梁2b,2bが固定された構成となっている
(第2図参照)。
つぎに、第3図ないし第7図を用いて、上記構成の張弦
梁構造に張力導入する方法について、その作用とともに
説明する。
*まず、第3図に示すように、クレーンによって建築物
の側壁部5となる鉄骨建方を行うと共に、建築物の略中
央部に中央リングガータ用構台6を組み立てる。
*つぎに、第4図に示すように、上記構築された鉄骨の
側壁部5に鉄筋コンクリートの躯体工事を施すと共に、
側壁部5の上端部間に張弦梁の梁材1をクレーンによっ
て架設することにより側断面円弧状に組み立てる。さら
に、前記梁材1の中央部分に上記構台6を用いて中央リ
ングガータ2を組み立てると共に、該中央リングガータ
2の底部のテンションリング2aと上記張弦梁1の周縁部
との間に弦材3を取り付ける。上記、テンションリング
2aの直線部と曲線部との交点間には仮設切梁2b,2bを取
り付ける。本実施例において、仮設切梁はH300×300×1
0×15で長さ12m程度の鋼材を用いるようにしている。な
お、縮み量を小さくする場合には、上記鋼材を2枚重ね
にすれば良い。
*つぎに、第5図に示すように、組み立てた張弦梁に引
張力を導入する。なお、鉄筋コンクリート躯体にはタイ
ルを打ち込むと共に、客席部7にはPC板段床取付けを行
う。
ここで、第6図を用いて、弦材に張力を導入する順番に
ついて説明する。
まず、中央リングガータ2の釣合の最も安定した直線平
行部に連結された弦材3aに、第6図中1〜3の順番で張
力を導入する。
ついで、直線部に位置する弦材3aに対して直角方向に位
置する弦材3b(第6図中4番)に張力を導入する。
最後に、4個に分けた1/4円放射部の各々に均等に釣合
う様、5〜9の順番で弦材3cに張力を導入する。
このように、隣接梁に影響を与えず、左右対称に釣合の
とれた加力を行う。特に、放射方向の加力には、中央リ
ングガータ2の底部のテンションリング2aに変形を与え
ぬことを原則とする。
ここで、第7図(a)〜(h)は、本実施例の仮設切梁
2bを備えた中央リングガータ2の底部のテンションリン
グ2aを、平面リングにモデル化し、これに連結された弦
材3に張力を導入した場合の、テンションリング2aの変
形及び応力分布を示す図である。この際の、自重に対す
る最適張力T(PM)=159ton,鉄骨重量に対する導入張
力TO=91tonである。
第7図(a)のように平面リングの1方向の互いに反対
側に位置する弦材3に同時に張力(TO=91t)を導入し
た場合には、第7図(b)のように平面リングが変形
(cm)し、第7図(c)に示すように平面リングに曲げ
モーメント(t・m)が生じると共に、第7図(d)に
示すように軸力(t)が生じる。
また、第7図(e)のように平面リングの互いに3方向
の反対側に位置する弦材3に同時に張力(TO=91t)を
導入した場合には、第7図(f)のように平面リングが
変形(cm)し、第7図(g)に示すように平面リングに
曲げモーメント(t・m)が生じると共に、第7図
(h)に示すように軸力(t)が生じる。
このように、本実施例の張弦梁構造の張力導入方法によ
れば、中央リングガータ2の底部のテンションリング2a
にその短径に沿うように仮設切梁2bを設けた後に、所定
の順番で弦材3に張力を導入するようにしたので、曲げ
抵抗系が軸力抵抗系に変化し(即ち、テンションリング
にアーチ効果が生じ)、張力導入時においても、テンシ
ョンリング2aの全体に略均一な軸力が生じ、変形と曲げ
モーメントが非常に小さくなる。即ち、張力導入時にお
いても、完成時の応力モードと非常に近い状態で張力を
導入することができる。
なお、上記以外の他の実施例あるいは技術的事項につい
て以下に記載する。
(i)上記実施例では、本発明の張力導入方法を、長円
形張弦梁に適用したが、円形張弦梁に適用することがで
きるのは勿論であり、その場合は、仮設切梁2bを円形の
テンションリング2aの内側にその直径に沿うように(す
なわち第7図に示すような形態で)設ければ良い。
(ii)上記実施例における、弦材に張力を導入する順番
は、情況に応じて適宜変更することができる。
(iii)本発明の張弦梁構造の張力導入方法は、前記実
施例に示した建築物の屋根以外の構造物についても適用
することができるのは勿論である。
「発明の効果」 以上、詳細に説明したように、本発明の張弦梁構造の張
力導入方法によれば、中央リングガータの底部のテンシ
ョンリングの内側にその直径又は短径に沿うように仮設
切梁を設けた後に、所定の順番で弦材に張力を導入する
ようにしたので、曲げ抵抗系が軸力抵抗系に変化し、即
ち、中央リングガータの底部のテンションリングにアー
チ効果が生じ、張力導入時においても、テンションリン
グの全体に略均一な軸力が生じ、テンションリングに過
大な変形や曲げモーメントを発生させることなく、弦材
に張力を導入することができ、施工管理を容易とするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の一実施例を示すものであ
り、第1図は張弦梁構造の屋根を有する建築物の側断面
図、第2図は第1図の張弦梁を地上側から見た状態の斜
視図、第3図ないし第5図は張弦梁構造の組み立て方法
を説明するための説明図、第6図は張弦梁に張力を導入
する順番を説明するための説明図、第7図(a)〜
(d)は1方向の反対側に位置する弦材に張力を導入し
た状態の平面リングに発生する変形及び応力分布を示す
図、第7図(e)〜(h)は3方向の反対側に位置する
弦材に張力を導入した状態の平面リングに発生する変形
及び応力分布を示す図、第8図,第9図は従来の技術を
示す図であり、第8図は張弦梁を地上側から見た状態の
平面図、第9図(a)〜(d)は1方向の反対側に位置
する弦材に張力を導入した状態の平面リングに発生する
変形及び応力分布を示す図、第9図(e)〜(h)は3
方向の反対側に位置する弦材に張力を導入した状態の平
面リングに発生する変形及び応力分布を示す図である。 1……梁材、2……中央リングガータ、2a……テンショ
ンリング、2b……仮設切梁、3……弦材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物の屋根を形成するために平面円形又
    は長円形状に配置された梁材の周縁部と、該梁材の中央
    部に設けられた円形又は長円形の中央リングガータの底
    部のテンションリングとの間に、平面円形又は長円形状
    に弦材を配置した張弦梁構造の張力導入方法であって、
    上記テンションリングの内側に仮設切梁を該テンション
    リングの直径又は短径に沿うように設けた後、上記弦材
    に所定の順番で張力を導入することを特徴とする張弦梁
    構造の張力導入方法。
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