JP7288835B2 - 大空間構造物及びその構築方法 - Google Patents

大空間構造物及びその構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、内部に大空間を有する大空間構造物及びその構築方法に関する。
従来、大空間構造物としては、耐震性に優れるドーム構造物やアーチ構造物などがある。大空間構造物の施工方法として、例えば、アーチ用組立部材を多数の仮設構台で支持しながら連続的に接合する施工方法が提案されている(特許文献1)。
特開2004-156388号公報
しかしながら、従来の構築方法においては、多数の仮設構台を設置・撤去しなければならないため、コスト面でも工期の面でもさらなる改善が求められている。
そこで、本発明は、耐震性に優れると共に、コスト低減及び工期短縮が可能な大空間構造物及びその構築方法を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[1]本発明に係る大空間構造物の一態様は、
内部に大空間を有する大空間構造物であって、
前記大空間構造物は、前記大空間の上方を覆う屋根構造体と、前記屋根構造体を支持する下部構造体と、を備え、
前記下部構造体は、基礎から立設し、かつ、前記大空間構造物の外周に沿って環状に連続するトラス架構を備え、
前記屋根構造体は、前記屋根構造体の中央で上下に延びる支持体と、前記支持体の上端から前記トラス架構へ向かって放射状に延びる複数の大梁と、前記支持体の下端と前記大梁とを接続する弦材と、を備え、
前記大梁は、前記大梁の外端付近で前記トラス架構の上端に支持され、
前記支持体の上端は、前記弦材に加えられた張力によって前記トラス架構の上端よりも高い位置に維持され
前記支持体は、前記大梁が固定される環状の第1支持部と、前記弦材が固定される環状の第2支持部と、前記第2支持部上で前記第1支持部を支持する複数の束材と、を備え、
前記大梁は、前記環状の第1支持部材の内側に配置される第1部分と、前記第1支持部と前記トラス架構の前記上端との間に延在する第2部分と、を含み、
前記第1部分は、前記屋根構造体の中央で他の前記第1部分と連結し、かつ、前記第2部分と前記第1支持部上で一体に接続することを特徴とする。
前記大空間構造物の一態様によれば、中央の支持体から放射状に延びる大梁と弦材による自己釣合型の張弦梁構造を採用することによって、下部構造体の設計の自由度を向上することでコストを低減することができ、また、支持体のために仮設架台を設ければ従来のような多数の仮設構台を準備することがないため工期を短縮することができる。そして、前記大空間構造物の一態様によれば、環状に閉じたトラス架構を下部構造体に採用することによって、地震時にはブレース型の柱として機能するため、耐震性にも優れる。
前記大空間構造物の一態様によれば、上下に配置された2つの環状の支持部により放射状に配置された大梁と弦材とをそれぞれ固定しているので、束材が圧縮束として機能すると共に束材で大梁と弦材とを所定の間隔に配置することができる。
]前記大空間構造物の一態様において、
前記屋根構造体は、隣り合う前記大梁の間に複数の小梁をさらに備え、
複数の前記小梁がトラス構造を構成することができる。
前記大空間構造物の一態様によれば、トラス構造の小梁によって屋根面の剛性を向上すると共に、内部から屋根構造体を見上げた時に屋根構造体が花弁のような美しい印象を利用者に与えることができる。
]前記大空間構造物の一態様において、
前記大梁は、前記トラス架構より外方に延びる第3部分をさらに備え、
前記第3部分の一端は、前記トラス架構の前記上端上で前記第2部分の端部に接合し、
前記第3部分の他端は、前記大梁の前記外端であり、
前記下部構造体は、前記基礎より高い位置において前記トラス架構から外方へ突出する片持ち床と、前記トラス架構よりも外方にある前記第3部分の前記他端と前記片持ち床とを接続する複数の連結柱と、をさらに備えることができる。
前記大空間構造物の一態様によれば、連結柱によって片持ち床を屋根構造体のカウンターウェイトととして作用させることで各大梁の中ほどに働く曲げ応力の軽減と、大梁の外端の上方への変形を抑制することができる。
[5]本発明に係る大空間構造物の構築方法の一態様は、
大空間構造物の外周に沿って環状に連続するトラス架構を基礎上に立設し、
前記大空間構造物の中央に設置された仮設架台上に支持体を配置し、
前記支持体の上端と前記トラス架構の上端との間に複数の大梁を架け渡し、
前記支持体の下端と前記大梁の外端付近とを接続する弦材に張力を導入し、
前記仮設架台を解体して大空間の上方を覆う屋根構造体と前記屋根構造体を支持する下部構造体とを構築し、
前記支持体は、前記大梁が固定される環状の第1支持部と、前記弦材が固定される環状の第2支持部と、前記第2支持部上で前記第1支持部を支持する複数の束材と、を備え、
前記大梁は、前記環状の第1支持部材の内側に配置される第1部分と、前記第1支持部と前記トラス架構の前記上端との間に延在する第2部分と、を含み、
前記第1部分は、前記屋根構造体の中央で他の前記第1部分と連結し、かつ、前記第2部分と前記第1支持部上で一体に接続することを特徴とする。
前記大空間構造物の構築方法の一態様によれば、支持体のために仮設架台を設ければ従来のような多数の仮設構台を準備することがないため工期を短縮することができる。また、中央の支持体から放射状に延びる大梁と弦材による自己釣合型の張弦梁構造を採用することによって、下部構造体の設計の自由度を向上することでコストを低減することができる。さらに、環状に閉じたトラス架構を下部構造体に採用することによって、地震時にはブレース型の柱として機能するため、耐震性に優れる大空間構造物を構築することができる。
本発明に係る大空間構造物によれば、耐震性に優れると共に、大空間構造物の構築のためのコストを低減し、かつ工期短縮が可能である。
一実施形態に係る大空間構造物の図3のA-A断面図である。 一実施形態に係る大空間構造物の分解斜視図である。 一実施形態に係る大空間構造物の屋根平面図である。 一実施形態に係る大空間構造物の一部を示す斜視図である。 支持体の斜視図である。 一実施形態に係る大空間構造物の構築方法のフローチャートである。 一実施形態に係る大空間構造物の構築方法を説明する図である。 一実施形態に係る大空間構造物の構築方法を説明する図である。 一実施形態に係る大空間構造物の構築方法を説明する図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
本発明の一実施形態に係る大空間構造物は、内部に大空間を有する大空間構造物であって、前記大空間構造物は、前記大空間の上方を覆う屋根構造体と、前記屋根構造体を支持する下部構造体と、を備え、前記下部構造体は、基礎から立設し、かつ、前記大空間構造物の外周に沿って環状に連続するトラス架構を備え、前記屋根構造体は、前記屋根構造体の中央で上下に延びる支持体と、前記支持体の上端から前記トラス架構へ向かって放射状に延びる複数の大梁と、前記支持体の下端と前記大梁とを接続する弦材と、を備え、前記大梁は、前記大梁の外端付近で前記トラス架構の上端に支持され、前記支持体の上端は、前記弦材に加えられた張力によって前記トラス架構の上端よりも高い位置に維持されることを特徴とする。
また、本発明の一実施形態に係る大空間構造物の構築方法は、大空間構造物の外周に沿って環状に連続するトラス架構を基礎上に立設し、前記大空間構造物の中央に設置された仮設架台上に支持体を配置し、前記支持体の上端と前記トラス架構の上端との間に複数の大梁を架け渡し、前記支持体の下端と前記大梁の外端付近とを接続する弦材に張力を導入し、前記仮設架台を解体することを特徴とする。
1.大空間構造物
図1~図5を用いて一実施形態に係る大空間構造物1について詳細に説明する。図1は一実施形態に係る大空間構造物1の図3のA-A断面図であり、図2は一実施形態に係る大空間構造物1の分解斜視図であり、図3は一実施形態に係る大空間構造物1の屋根平面図であり、図4は一実施形態に係る大空間構造物1の一部を示す斜視図であり、図5は支持体40の斜視図である。図1~図5における大空間構造物1は、仕上げ材やスラブなどを省略して柱や梁などの構造材で示す。
図1~図4に示すように、大空間構造物1は、内部に大空間を有する。大空間構造物1は、内部の大空間を例えば野球場、サッカー場、スケート場などのスポーツ施設、コンベンションホール、倉庫などに利用することができる。
大空間構造物1は、大空間の上方を覆う屋根構造体4と、屋根構造体4を支持する下部構造体2と、を備える。
下部構造体2は、大空間構造物1の外周に沿って基礎3上に構築される。下部構造体2は、平面視において環状の構造物である。
下部構造体2は、基礎3から立設するトラス架構20と、トラス架構20から大空間構造物1の外方へ突出する片持ち床30と、トラス架構20から大空間の内側に延びる客席部32と、片持ち床30から上方へ延びる連結柱70と、を備える。
トラス架構20は、大空間構造物1の外周に沿って環状に連続する。トラス架構20は、大空間構造物1の外郭の一部を構成する。トラス架構20は、多角形(例えば略二十角形)の基礎3の外周の頂部に各斜材の下端が固定され、隣り合う斜材は上端22で互いに
接合する。トラス架構20の上弦材となるトラス用大梁24は、トラス架構20の斜材を上端22で連結して環状に構成される。また、隣り合う大梁50間に配置されたトラス架構20の上弦材となるトラス用大梁24は、その両端が当該隣り合う大梁50にそれぞれ接合する。環状に閉じたトラス架構20は、地震時には斜材がブレース型の柱として機能するため、水平力に対して効率的に抵抗し、耐震性に優れる。
片持ち床30は、基礎3より高い位置例えばトラス架構20の高さの略半分の位置においてトラス架構20の斜材に接合される。片持ち床30の構造材は、トラス架構20の内側まで延在して客席部32の2階床を構成する。客席部32は、2階床から大空間の内側へ向かって下方に傾斜して設けられ、その下端が基礎3に固定される。片持ち床30及び客席部32は、基礎3から上方へ延びる図示しない複数の柱に支持される。また、片持ち床30及び客席部32は、図示しないスラブによって形成された床面を有する。
屋根構造体4は、屋根構造体4の中央にあって上下に延びる支持体40と、支持体40の上端からトラス架構20へ向かって放射状に延びる複数の大梁50と、支持体40の下端と大梁50とを接続する弦材60と、を備える。
屋根構造体4は、中央の支持体40から放射状に延びる大梁50と弦材60による自己釣合型の張弦梁構造を採用する。支持体40の上端は、弦材60に加えられた張力によってトラス架構20の上端22よりも高い位置に維持される。屋根構造体4は、大梁50が大梁50の外端52付近でトラス架構20の上端22に支持されることで、下部構造体2に支持される。
このように、屋根構造体4が自己釣合型の屋根架構であることで、下部構造体2の応力負担を減らすことができるため、下部構造体2の設計の自由度が向上し、結果として、下部構造体2の省部材化によりコストを低減することができる。また、下部構造体2における応力負担が少ないため、上記のようなシンプルなトラス架構20を採用することができ、デザイン性も向上する。
図5に示すように、支持体40は、大梁50の一部である第1部分54の外端が固定される環状の第1支持部42と、弦材60の一端が固定される環状の第2支持部44と、第2支持部44上で第1支持部42を支持する複数の第1束材46と、を備える。第1支持部42と第2支持部44は、平面視で多角形(例えば略二十角形)であって、各頂部に第1束材46が固定される。第2支持部44は、弦材60の張力に抗する剛性を有し、第1束材46は、大梁50を支える軸耐力を有する。第1支持部42、第2支持部44及び第1束材46は、例えば建築構造用の鋼材で構成される。
2つの環状の第1支持部42及び第2支持部44によって、放射状に配置された大梁50と弦材60とをそれぞれ固定しているので、第1束材46が圧縮束として機能すると共に、第1束材46で大梁50と弦材60とを上下に所定の間隔で配置することができる。
大梁50は、第1支持部42の内側に配置される第1部分54と、第1支持部42とトラス架構20の上端22との間に延在する第2部分56と、上端22から外端52まで延びる第3部分57と、を含む。第1部分54と第2部分56とは第1支持部42上で一体に接続され、第2部分56と第3部分57とは上端22上で一体に接続される。
大梁50の第1部分54は、屋根構造体4の中央で他の第1部分54と連結し、他方の端部が第1束材46上で第1支持部42に固定される。大梁50の第2部分56は、一方の端部が第1束材46上で第1支持部42に固定されると共に第1部分54と一体に接続される。第2部分56の他方の端部は、外端52の内側でトラス架構20の上端22に固
定・支持される。第3部分57の一方の端部は第2部分56の他方の端部に接合され、第3部分57の他方の端部は大梁50の外端52としてトラス架構20の外側にあって連結柱70の上端に固定される。大梁50は、例えばH型鋼で構成される。
複数の小梁58は、隣り合う大梁50の間に配置されて大梁50同士を連結する。複数の小梁58は、トラス構造を構成する。小梁58によるトラス構造は、図3に示すように、中央から外周に向けて多段(例えば3段)のトラス構造を備え、大梁50と合わせて花弁様に形成される。そのため、トラス構造の小梁58による屋根面の剛性を向上すると共に、内部から屋根構造体4を見上げた時に屋根構造体4が花弁のような美しい印象を利用者に与えることができる。
弦材60は、その一端が支持体40の第2支持部44に固定され、他端が大梁50のトラス架構20との連結部分に固定される。弦材60には張力が付与されており、支持体40を圧縮束とする張弦梁構造とすることで、支持体40と大梁50とを所定位置に保持する。弦材60としては、建築物の張弦梁構造に採用される構造用ワイヤロープなどを用いることができる。
大梁50と弦材60との間には、第2束材48をさらに備えてもよい。第2束材48は、大梁50における第1支持部42とトラス架構20の上端22との間の所定位置(例えば第2部分56の中点)から弦材60に向かって垂下する。第2束材48は、圧縮束として機能し、弦材60の張力により第2束材48に圧縮力が加わるように、その下端が弦材60をわずかに下方に押し下げる長さに設定される。
複数の連結柱70は、トラス架構20よりも外方にある大梁50の外端52と片持ち床30とを接続する。連結柱70の下端は、片持ち床30の外周端部に固定される。大梁50の中ほどでは鉛直荷重により下方へ湾曲する応力が発生し、大梁50の外端52には上方へ反る応力が発生するが、片持ち床30が屋根構造体4のカウンターウェイトとして作用する。この作用によって、各大梁50の中ほどに働く曲げ応力の軽減と、大梁50の外端52の上方への変形を抑制することができる。
2.大空間構造物の構築方法
図6~図9を用いて一実施形態に係る大空間構造物1の構築方法について詳細に説明する。図6は一実施形態に係る大空間構造物1の構築方法のフローチャートであり、図7~図9は一実施形態に係る大空間構造物1の構築方法を説明する図である。図7~図9では各構造材の端面を簡略化して示す。
図6に示すように、大空間構造物1の構築方法は、基礎梁の構築工程(S10)、外郭トラス架構鉄骨建方工程(S20)、仮設架台80の設置工程(S30)、大梁50の設置工程(S40)、弦材60に張力を導入する工程(S50)、仮設架台80を解体する工程(S60)を含む。
以下、各工程を図7~図9を用いて説明する。まず、図7を用いてS10~S30について説明する。
S10:基礎梁の構築工程は、基礎梁として基礎3を構築する。基礎3の構築に先立って複数の杭を打設してもよい。
S20:外郭トラス架構鉄骨建方工程は、大空間構造物1の外周に沿って環状に連続するトラス架構20を基礎3上に立設する。環状に閉じたトラス架構20を下部構造体2に採用することによって、地震時には斜材がブレース型の柱として機能するため、耐震性に
優れる大空間構造物1を構築することができる。
S30:仮設架台80の設置工程は、大空間構造物1の中央に仮設架台80を設置する。そして、仮設架台80上に支持体40を所定位置に配置して仮固定する。支持体40には仮設架台80上への設置に先立ってあらかじめ第1支持部42上に大梁50の第1部分54が固定される。S30は、S10またはS20と並行して施工してもよい。
次に、図8を用いてS40について説明する。
S40:大梁50の設置工程は、仮設架台80上に設置された支持体40の上端(第1支持部42)とトラス架構20の上端22との間に複数の大梁50の第2部分56を架け渡す。大梁50の第1部分54はすでに第1支持部42に固定されているので、第2部分56を第1部分54及び第1支持部42に固定し、かつ、トラス架構20の上端22と固定する。そして、大梁50の第3部分57の一方の端部を上端22で第2部分56に固定する。
次に、図9を用いてS50及びS60について説明する。
S50:弦材60に張力を導入する工程は、支持体40の下端(第2支持部44)と大梁50の外端52付近とを接続する弦材60に張力を導入する。弦材60への張力の導入は、弦材60の一方の端部を支持体40の第2支持部44または大梁50との接続部(上端22)に固定した後、弦材60の他端を図示しない張力導入機器により弦材60を緊張することで行う。なお、張力の導入は、複数の弦材60に対して段階的にバランスよく行うことが望ましい。弦材60に張力を導入することで、支持体40が圧縮束として作用し、支持体40及び大梁50を上方へ持ち上げる力が働き、支持体40を所定高さに保持することができる。このように、支持体40のための仮設架台80を設ければ従来のような多数の仮設構台を準備することがないため工期を短縮することができる。また、中央の支持体40から放射状に延びる大梁50と弦材60による自己釣合型の張弦梁構造を採用することによって、下部構造体2の設計の自由度を向上することでコストを低減することができる。
S60:仮設架台80を解体する工程は、支持体40を支持している仮設架台80を解体する。S50で弦材60に張力が導入されているので、仮設架台80を解体しても、支持体40の第1支持部42はトラス架構20の上端22よりも高い位置に維持される。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…大空間構造物、2…下部構造体、20…トラス架構、22…上端、24…トラス用大梁、3…基礎、30…片持ち床、32…客席部、4…屋根構造体、40…支持体、42…第1支持部、44…第2支持部、46…第1束材、48…第2束材、50…大梁、52…外端、54…第1部分、56…第2部分、57…第3部分、58…小梁、60…弦材、70…連結柱、80…仮設架台

Claims (5)

  1. 内部に大空間を有する大空間構造物であって、
    前記大空間構造物は、前記大空間の上方を覆う屋根構造体と、前記屋根構造体を支持する下部構造体と、を備え、
    前記下部構造体は、基礎から立設し、かつ、前記大空間構造物の外周に沿って環状に連続するトラス架構を備え、
    前記屋根構造体は、前記屋根構造体の中央で上下に延びる支持体と、前記支持体の上端から前記トラス架構へ向かって放射状に延びる複数の大梁と、前記支持体の下端と前記大梁とを接続する弦材と、を備え、
    前記大梁は、前記大梁の外端付近で前記トラス架構の上端に支持され、
    前記支持体の上端は、前記弦材に加えられた張力によって前記トラス架構の上端よりも高い位置に維持され
    前記支持体は、前記大梁が固定される環状の第1支持部と、前記弦材が固定される環状の第2支持部と、前記第2支持部上で前記第1支持部を支持する複数の束材と、を備え、
    前記大梁は、前記環状の第1支持部材の内側に配置される第1部分と、前記第1支持部と前記トラス架構の前記上端との間に延在する第2部分と、を含み、
    前記第1部分は、前記屋根構造体の中央で他の前記第1部分と連結し、かつ、前記第2部分と前記第1支持部上で一体に接続することを特徴とする、大空間構造物。
  2. 請求項において、
    前記屋根構造体は、隣り合う前記大梁の間に複数の小梁をさらに備え、
    複数の前記小梁がトラス構造を構成することを特徴とする、大空間構造物。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記大梁は、前記トラス架構より外方に延びる第3部分をさらに備え、
    前記第3部分の一端は、前記トラス架構の前記上端上で前記第2部分の端部に接合し、
    前記第3部分の他端は、前記大梁の前記外端であり、
    前記下部構造体は、前記基礎より高い位置において前記トラス架構から外方へ突出する片持ち床と、前記トラス架構よりも外方にある前記第3部分の前記他端と前記片持ち床と
    を接続する複数の連結柱と、をさらに備えることを特徴とする、大空間構造物。
  4. 請求項3において、
    前記片持ち床は、前記トラス架構の高さの略半分の位置において前記トラス架構の斜材に接合され、
    前記連結柱の下端は、前記片持ち床の外周端部に固定されることを特徴とする、大空間構造物。
  5. 大空間構造物の外周に沿って環状に連続するトラス架構を基礎上に立設し、
    前記大空間構造物の中央に設置された仮設架台上に支持体を配置し、
    前記支持体の上端と前記トラス架構の上端との間に複数の大梁を架け渡し、
    前記支持体の下端と前記大梁の外端付近とを接続する弦材に張力を導入し、
    前記仮設架台を解体して大空間の上方を覆う屋根構造体と前記屋根構造体を支持する下部構造体とを構築し、
    前記支持体は、前記大梁が固定される環状の第1支持部と、前記弦材が固定される環状の第2支持部と、前記第2支持部上で前記第1支持部を支持する複数の束材と、を備え、
    前記大梁は、前記環状の第1支持部材の内側に配置される第1部分と、前記第1支持部と前記トラス架構の前記上端との間に延在する第2部分と、を含み、
    前記第1部分は、前記屋根構造体の中央で他の前記第1部分と連結し、かつ、前記第2部分と前記第1支持部上で一体に接続することを特徴とする、大空間構造物の構築方法。
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