JP2878945B2 - 屋根構造物及びその構築方法 - Google Patents
屋根構造物及びその構築方法Info
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- JP2878945B2 JP2878945B2 JP5291272A JP29127293A JP2878945B2 JP 2878945 B2 JP2878945 B2 JP 2878945B2 JP 5291272 A JP5291272 A JP 5291272A JP 29127293 A JP29127293 A JP 29127293A JP 2878945 B2 JP2878945 B2 JP 2878945B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、野球場や運動場等の
大規模施設における屋根構造物及びその構築方法に関す
る。
大規模施設における屋根構造物及びその構築方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】競技場等では、グランドを囲む観客収容
用スタンドのみを屋根版で覆う頂部開口式の屋根構造物
が多く使用されている。
用スタンドのみを屋根版で覆う頂部開口式の屋根構造物
が多く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記屋根構造物は、屋
根版が躯体や地上等の基礎に連結支持されたいわば片持
梁のようなものとなっている。このため、自重により屋
根版の頂部側が下がるように大きく湾曲変形し、屋根版
の構成部材には大きな応力が、支持点には大きな反力が
各々発生することとなる。この結果、基礎から支柱を建
てて屋根版の頂部側を支持することや、屋根版の構成部
材を補強すること等が必要になると共に、下部構造に相
当の剛性が要求されることとなるので、屋根構造物全体
が高重量化する。また、前記支柱を建てた場合には、観
覧席からの視界が妨げられるという不都合もあった。
根版が躯体や地上等の基礎に連結支持されたいわば片持
梁のようなものとなっている。このため、自重により屋
根版の頂部側が下がるように大きく湾曲変形し、屋根版
の構成部材には大きな応力が、支持点には大きな反力が
各々発生することとなる。この結果、基礎から支柱を建
てて屋根版の頂部側を支持することや、屋根版の構成部
材を補強すること等が必要になると共に、下部構造に相
当の剛性が要求されることとなるので、屋根構造物全体
が高重量化する。また、前記支柱を建てた場合には、観
覧席からの視界が妨げられるという不都合もあった。
【0004】この発明は上記課題を解決するためになし
たもので、その第1の目的とするところは、屋根構造物
にプレストレスを導入して、構造部材の断面縮小と屋根
構造物全体の軽量化を図ることにある。
たもので、その第1の目的とするところは、屋根構造物
にプレストレスを導入して、構造部材の断面縮小と屋根
構造物全体の軽量化を図ることにある。
【0005】また、この発明の第2の目的とするところ
は、従来の施工技術を用いて容易に施工できるようにす
ることにある。
は、従来の施工技術を用いて容易に施工できるようにす
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、この発明に係る屋根構造物は、請求項1に記
載された通り、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に開
口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根版
の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠を
取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、前
記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介し
て結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部を
支持金物で支持すると共に、前記開口部枠における前記
主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主梁
端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合
し、前記各主ケーブルを緊張することにより前記屋根版
の外郭部に圧縮力が予め導入され、また前記開口部枠に
引張力が予め導入されてあるものである。
るために、この発明に係る屋根構造物は、請求項1に記
載された通り、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に開
口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根版
の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠を
取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、前
記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介し
て結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部を
支持金物で支持すると共に、前記開口部枠における前記
主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主梁
端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合
し、前記各主ケーブルを緊張することにより前記屋根版
の外郭部に圧縮力が予め導入され、また前記開口部枠に
引張力が予め導入されてあるものである。
【0007】また、上記第2の目的を達成するために、
第2の発明に係る屋根構造物の構築方法は、請求項5に
記載された通り、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に
開口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根
版の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠
を取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、
前記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介
して結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部
を支持金物で支持すると共に、前記開口部枠における前
記主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主
梁端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合
した後、前記各主ケーブルを同時に緊張するものであ
る。
第2の発明に係る屋根構造物の構築方法は、請求項5に
記載された通り、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に
開口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根
版の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠
を取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、
前記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介
して結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部
を支持金物で支持すると共に、前記開口部枠における前
記主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主
梁端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合
した後、前記各主ケーブルを同時に緊張するものであ
る。
【0008】
【作用】上記請求項1記載の構成によれば、屋根版を組
み立てて該屋根版の外郭部を支持金物で支持した後、全
ての主ケーブルを同時に緊張させることにより前記屋根
版を支持金物上に立て起す。その際、開口部枠に引張力
が、屋根版の外郭部に圧縮力が導入される。
み立てて該屋根版の外郭部を支持金物で支持した後、全
ての主ケーブルを同時に緊張させることにより前記屋根
版を支持金物上に立て起す。その際、開口部枠に引張力
が、屋根版の外郭部に圧縮力が導入される。
【0009】使用状態において開口部枠に圧縮力が、屋
根版の外郭部に引張力が各々働くが、これらを、上記主
ケーブルの緊張で開口部枠と屋根版の外郭部に予め導入
した引張力と圧縮力で各々相殺して、開口部枠及び屋根
版の外郭部の各々の負担する力を小さくする。
根版の外郭部に引張力が各々働くが、これらを、上記主
ケーブルの緊張で開口部枠と屋根版の外郭部に予め導入
した引張力と圧縮力で各々相殺して、開口部枠及び屋根
版の外郭部の各々の負担する力を小さくする。
【0010】また、上記請求項5記載の構成によれば、
屋根版の組立て,開口部枠の取付け,支持金物による屋
根版の支持,主ケーブルの取付け及び緊張をいずれも従
来公知の施工技術をもって行い、また上記主ケーブルを
屋根版の外方方向に同時に緊張することで屋根版を支持
金物を支点として立て起す。その結果、開口部枠に引張
力が、屋根版の外郭部に圧縮力が導入される。
屋根版の組立て,開口部枠の取付け,支持金物による屋
根版の支持,主ケーブルの取付け及び緊張をいずれも従
来公知の施工技術をもって行い、また上記主ケーブルを
屋根版の外方方向に同時に緊張することで屋根版を支持
金物を支点として立て起す。その結果、開口部枠に引張
力が、屋根版の外郭部に圧縮力が導入される。
【0011】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
説明する。
【0012】図1は屋根構造物を示す斜視図、図2は同
屋根構造物の平面図、図3は図2のA−A線に沿う断面
図、図4は図2の要部を拡大して示す平面図、図5は図
4のB−B線に沿う断面図、図6(1)は図5のC矢視
図である。
屋根構造物の平面図、図3は図2のA−A線に沿う断面
図、図4は図2の要部を拡大して示す平面図、図5は図
4のB−B線に沿う断面図、図6(1)は図5のC矢視
図である。
【0013】これらの図において1は屋根版で、該屋根
版1は形鋼よりなる梁11 と斜材12 を複数組み合わせ
て網目状に構成され、頂部に開口部2を有する錐台形状
となっている。図では、屋根版1は平面視でほぼ楕円形
状となっているが、円形状、多角形状等であっても良
い。
版1は形鋼よりなる梁11 と斜材12 を複数組み合わせ
て網目状に構成され、頂部に開口部2を有する錐台形状
となっている。図では、屋根版1は平面視でほぼ楕円形
状となっているが、円形状、多角形状等であっても良
い。
【0014】前記屋根版1の開口部には、屋根版1の内
郭部を構成する補強リング3及び開口部枠4が取り付け
られている。前記屋根版1の外郭部は補強リング5で構
成され、該補強リング5と前記開口部枠4との間には繋
ぎ材6が複数設けられている。前記開口部枠4はトラス
構造等よりなる大梁で形成されている。
郭部を構成する補強リング3及び開口部枠4が取り付け
られている。前記屋根版1の外郭部は補強リング5で構
成され、該補強リング5と前記開口部枠4との間には繋
ぎ材6が複数設けられている。前記開口部枠4はトラス
構造等よりなる大梁で形成されている。
【0015】また、前記屋根版1には開口部枠4に沿っ
て間隔をおいて主梁71 が複数配置され、該主梁71 間
には主梁72 が複数配置されている。これらの主梁
71 ,72 は屋根版1の開口部2の放射方向に延在して
おり、該主梁71 ,72 の一端部7aは外方に凸となる
ように下方に湾曲して形成されている。
て間隔をおいて主梁71 が複数配置され、該主梁71 間
には主梁72 が複数配置されている。これらの主梁
71 ,72 は屋根版1の開口部2の放射方向に延在して
おり、該主梁71 ,72 の一端部7aは外方に凸となる
ように下方に湾曲して形成されている。
【0016】そして、前記補強リング3及び開口部枠4
と前記補強リング5と前記繋ぎ材6は前記主梁71 ,7
2 を介して結合されている。
と前記補強リング5と前記繋ぎ材6は前記主梁71 ,7
2 を介して結合されている。
【0017】前記屋根版1の外郭部は、グランド8を囲
む観客収容用スタンドを構成する支持構造体の躯体9
(或いは地上等の基礎でも良い。)上に前記主梁71 の
結合部位にて支持金物10で支持されている。また、前
記補強リング3と開口部枠4は前記主梁71 ,72 の他
端部7bに結合されている。
む観客収容用スタンドを構成する支持構造体の躯体9
(或いは地上等の基礎でも良い。)上に前記主梁71 の
結合部位にて支持金物10で支持されている。また、前
記補強リング3と開口部枠4は前記主梁71 ,72 の他
端部7bに結合されている。
【0018】前記主梁71 の一端部7aは前記支持金物
10の近傍に位置していて、該一端部7aには、ほぼ主
梁71 の長手方向に沿って主ケーブル11の一端部11
aを挿通させるシース12が設けられている。一方、前
記主梁71 の他端部7bには前記開口部枠4の上部が回
転可能にピン結合され、該開口部枠4における前記主梁
71 の結合部位下部には、前記主ケーブル11の他端部
11bを結合する結合金物13が回転可能にピン結合さ
れている。
10の近傍に位置していて、該一端部7aには、ほぼ主
梁71 の長手方向に沿って主ケーブル11の一端部11
aを挿通させるシース12が設けられている。一方、前
記主梁71 の他端部7bには前記開口部枠4の上部が回
転可能にピン結合され、該開口部枠4における前記主梁
71 の結合部位下部には、前記主ケーブル11の他端部
11bを結合する結合金物13が回転可能にピン結合さ
れている。
【0019】前記主ケーブル11の一端部11aには、
前記シース12から突出するねじ棒14が固定され、該
ねじ棒14の突出端部にはナット15が螺合され、該ナ
ット15と前記シース12の端部との間には座金16が
介装されている。そして、主ケーブル11は図外の緊張
装置により緊張されて主梁71 の下方に張架された状態
で前記ナット15により定着されている。
前記シース12から突出するねじ棒14が固定され、該
ねじ棒14の突出端部にはナット15が螺合され、該ナ
ット15と前記シース12の端部との間には座金16が
介装されている。そして、主ケーブル11は図外の緊張
装置により緊張されて主梁71 の下方に張架された状態
で前記ナット15により定着されている。
【0020】このように、各主梁71 の下方には主ケー
ブル11が張架され、該主ケーブル11を介して主梁7
1 の一端部7aと開口部枠4の下部とが互いに結合され
ている。また、前記開口部枠4の下部には、屋根版1の
内郭部を構成する環状の副ケーブル17が配置され、該
副ケーブル17は前記結合金物13に固定されて張架さ
れている。そして、前記主ケーブル11の張架により前
記副ケーブル17を介して前記補強リング5には圧縮力
が、補強リング3及び開口部枠4には引張力が各々予め
導入してある。
ブル11が張架され、該主ケーブル11を介して主梁7
1 の一端部7aと開口部枠4の下部とが互いに結合され
ている。また、前記開口部枠4の下部には、屋根版1の
内郭部を構成する環状の副ケーブル17が配置され、該
副ケーブル17は前記結合金物13に固定されて張架さ
れている。そして、前記主ケーブル11の張架により前
記副ケーブル17を介して前記補強リング5には圧縮力
が、補強リング3及び開口部枠4には引張力が各々予め
導入してある。
【0021】更に、前記シース12の下方の前記躯体9
上には支柱18が立設され、該支柱18の上端部には上
下方向に沿う図外のルーズホールが形成されている。前
記シース12の下部には、前記ルーズホールに係合する
図外のピンが固定され、該ピンは上記主ケーブル11の
緊張後の状態で前記支柱18の上端部に例えばキープレ
ートやボルト等で固定されている。
上には支柱18が立設され、該支柱18の上端部には上
下方向に沿う図外のルーズホールが形成されている。前
記シース12の下部には、前記ルーズホールに係合する
図外のピンが固定され、該ピンは上記主ケーブル11の
緊張後の状態で前記支柱18の上端部に例えばキープレ
ートやボルト等で固定されている。
【0022】上記構成において、屋根版1の組立て,開
口部枠4の取付け,支持金物10による屋根版1の支
持,主ケーブル11の取付け及び緊張をいずれも従来公
知の施工技術をもって行った後、全ての主ケーブル11
を図1に矢印で示すように屋根版1の外方方向に同時に
緊張して、各支持金物10の下部体10aを躯体9に設
けた支持プレート20に対して屋根版1の内方方向に摺
動させ、図3に想像線で示すように屋根版1を立て起こ
し、開口部枠5を拡大したら摺動の後、前記各支持金物
10の下部体10aを支持プレート20に溶接やボルト
等で移動しないように固定する。しかる後、シース12
の下部に設けたピンを支柱18の上端部に固定し、該支
柱18を介して屋根版1を躯体9に結合する。上記屋根
版1の立起しで補強リング3及び開口部枠4には引張力
が、屋根版1の外郭部には圧縮力が導入される。
口部枠4の取付け,支持金物10による屋根版1の支
持,主ケーブル11の取付け及び緊張をいずれも従来公
知の施工技術をもって行った後、全ての主ケーブル11
を図1に矢印で示すように屋根版1の外方方向に同時に
緊張して、各支持金物10の下部体10aを躯体9に設
けた支持プレート20に対して屋根版1の内方方向に摺
動させ、図3に想像線で示すように屋根版1を立て起こ
し、開口部枠5を拡大したら摺動の後、前記各支持金物
10の下部体10aを支持プレート20に溶接やボルト
等で移動しないように固定する。しかる後、シース12
の下部に設けたピンを支柱18の上端部に固定し、該支
柱18を介して屋根版1を躯体9に結合する。上記屋根
版1の立起しで補強リング3及び開口部枠4には引張力
が、屋根版1の外郭部には圧縮力が導入される。
【0023】使用状態において、補強リング3及び開口
部枠4の全体に圧縮力が、補強リング5に引張力が各々
働くが、これらを、補強リング3及び開口部枠4と補強
リング5に予め導入した上記引張力と圧縮力で各々相殺
して、補強リング3,開口部枠4及び補強リング5の各
々の負担する力を小さくする。また、屋根版1の開口部
2に風による吹上げ力が働いた場合、開口部枠4をカウ
ンタウエイトとして作用させると共に、支柱18によっ
て屋根版1のあおり止めを行う。
部枠4の全体に圧縮力が、補強リング5に引張力が各々
働くが、これらを、補強リング3及び開口部枠4と補強
リング5に予め導入した上記引張力と圧縮力で各々相殺
して、補強リング3,開口部枠4及び補強リング5の各
々の負担する力を小さくする。また、屋根版1の開口部
2に風による吹上げ力が働いた場合、開口部枠4をカウ
ンタウエイトとして作用させると共に、支柱18によっ
て屋根版1のあおり止めを行う。
【0024】尚、この実施例では、屋根版1を形鋼より
なる梁11 と斜材12 を複数組み合わせて網目状とした
一般鉄骨としたが、上弦材と下弦材を腹材を介して連結
してなるトラス枠材を複数組み合わせて網目状としても
良いことは言うまでもない。
なる梁11 と斜材12 を複数組み合わせて網目状とした
一般鉄骨としたが、上弦材と下弦材を腹材を介して連結
してなるトラス枠材を複数組み合わせて網目状としても
良いことは言うまでもない。
【0025】また、開口部枠4をトラス構造等よりなる
大梁で形成したが、図6(2)に示すようにボックス桁
等の大梁で形成しても良い。この場合には、開口部枠4
の下部に垂設した束材21の下部に、副ケーブル17を
張架する結合金物13を固定する。
大梁で形成したが、図6(2)に示すようにボックス桁
等の大梁で形成しても良い。この場合には、開口部枠4
の下部に垂設した束材21の下部に、副ケーブル17を
張架する結合金物13を固定する。
【0026】更に、主ケーブル11の一端部11aを主
梁71 の一端部7aに結合したが、図7に示すように、
支持金物10の下部体10aに、シース12に相当する
挿通孔19を設け、該挿通孔19に一端部11aを挿通
させた主ケーブル11を図外の緊張装置により緊張して
座金16を介してナット15により定着しても良い。
梁71 の一端部7aに結合したが、図7に示すように、
支持金物10の下部体10aに、シース12に相当する
挿通孔19を設け、該挿通孔19に一端部11aを挿通
させた主ケーブル11を図外の緊張装置により緊張して
座金16を介してナット15により定着しても良い。
【0027】更に、主ケーブル11の緊張で副ケーブル
17を介して補強リング3及び開口部枠4に引張力を導
入したが、前記副ケーブル17は設けなくても良い。こ
の場合には、図8に示すように、開口部枠4の下部に主
ケーブル11の他端部11bを直接結合する。
17を介して補強リング3及び開口部枠4に引張力を導
入したが、前記副ケーブル17は設けなくても良い。こ
の場合には、図8に示すように、開口部枠4の下部に主
ケーブル11の他端部11bを直接結合する。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、この発明は、請求項1記載
のものにあっては、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部
に開口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋
根版の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部
枠を取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成
し、前記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁
を介して結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外
郭部を支持金物で支持すると共に、前記開口部枠におけ
る前記主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍
の主梁端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで
結合し、前記各主ケーブルを緊張することにより前記屋
根版の外郭部に圧縮力が予め導入され、また前記開口部
枠に引張力が予め導入されてあるため、開口部枠に働く
圧縮力を予め導入した引張力で相殺し、屋根版の外郭部
に働く引張力を予め導入した圧縮力で相殺することがで
きる。このため、開口部枠及び屋根版の外郭部の各々の
負担する力は小さくて済むので、開口部枠及び屋根版の
外郭部に十分な強度を持たせながら構造部材を断面の縮
小化と屋根構造物全体の軽量化を同時に図ることができ
る。従って、簡単な構造で屋根版の軽量化が確実に図れ
る。
のものにあっては、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部
に開口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋
根版の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部
枠を取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成
し、前記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁
を介して結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外
郭部を支持金物で支持すると共に、前記開口部枠におけ
る前記主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍
の主梁端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで
結合し、前記各主ケーブルを緊張することにより前記屋
根版の外郭部に圧縮力が予め導入され、また前記開口部
枠に引張力が予め導入されてあるため、開口部枠に働く
圧縮力を予め導入した引張力で相殺し、屋根版の外郭部
に働く引張力を予め導入した圧縮力で相殺することがで
きる。このため、開口部枠及び屋根版の外郭部の各々の
負担する力は小さくて済むので、開口部枠及び屋根版の
外郭部に十分な強度を持たせながら構造部材を断面の縮
小化と屋根構造物全体の軽量化を同時に図ることができ
る。従って、簡単な構造で屋根版の軽量化が確実に図れ
る。
【0029】また、この発明は、請求項5記載のものに
あっては、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に開口部
を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根版の前
記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠を取り
付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、前記開
口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介して結
合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部を支持
金物で支持すると共に、前記開口部枠における前記主梁
の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主梁端部
とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合した
後、前記各主ケーブルを同時に緊張するため、屋根版の
組立て,開口部枠の取付け,支持金物による屋根版の支
持,ケーブルの取付け及び緊張をいずれも従来公知の施
工技術をもって行い、また上記ケーブルを屋根版の外方
方向に同時に緊張することで、主ケーブルにより屋根版
の外郭部に圧縮力を、開口部枠に引張力を蓄えながら屋
根版を立て起すことができる。従って、従来の施工技術
を用いて屋根構造物の構築施工が容易に行えるので、施
工能率の向上が図れる。
あっては、形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に開口部
を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根版の前
記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠を取り
付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、前記開
口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介して結
合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部を支持
金物で支持すると共に、前記開口部枠における前記主梁
の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主梁端部
とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合した
後、前記各主ケーブルを同時に緊張するため、屋根版の
組立て,開口部枠の取付け,支持金物による屋根版の支
持,ケーブルの取付け及び緊張をいずれも従来公知の施
工技術をもって行い、また上記ケーブルを屋根版の外方
方向に同時に緊張することで、主ケーブルにより屋根版
の外郭部に圧縮力を、開口部枠に引張力を蓄えながら屋
根版を立て起すことができる。従って、従来の施工技術
を用いて屋根構造物の構築施工が容易に行えるので、施
工能率の向上が図れる。
【図1】この発明の一実施例になる屋根構造物を示す斜
視図である。
視図である。
【図2】同屋根構造物の平面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図2の要部を拡大して示す平面図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】(1) 図5のC矢視図である。 (2) この発明の他の実施例になる屋根構造物の開口
部枠を示す図5のC矢視図である。
部枠を示す図5のC矢視図である。
【図7】この発明の更に他の実施例になる屋根構造物を
示す図5の一部に対応した図である。
示す図5の一部に対応した図である。
【図8】この発明の更に他の実施例になる屋根構造物を
示す図5の一部に対応した図である。
示す図5の一部に対応した図である。
1 屋根版 2 開口部 4 開口部枠(屋根版の内郭部) 5 補強リング(屋根版の外郭部) 71 ,72 主梁 7a 一端部 10 支持金物 11 主ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川添 俊之 東京都中央区銀座6−2−10 株式会社 巴コーポレーション内 (72)発明者 仁保 良敬 東京都中央区銀座6−2−10 株式会社 巴コーポレーション内 (56)参考文献 特開 昭62−236933(JP,A) 実開 平3−58507(JP,U) 実公 平3−43283(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/342 E04B 7/14 E04B 1/34 102
Claims (5)
- 【請求項1】 形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に開
口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根版
の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠を
取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、前
記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介し
て結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部を
支持金物で支持すると共に、前記開口部枠における前記
主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主梁
端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合
し、前記各主ケーブルを緊張することにより前記屋根版
の外郭部に圧縮力が予め導入され、また前記開口部枠に
引張力が予め導入されてあることを特徴とする屋根構造
物。 - 【請求項2】 前記屋根版を形鋼よりなる梁と斜材を複
数組み合わせて網目状としたことを特徴とする請求項1
記載の屋根構造物。 - 【請求項3】 前記屋根版を、上弦材と下弦材を腹材を
介して連結してなるトラス枠材を複数組み合わせて網目
状としたことを特徴とする請求項1記載の屋根構造物。 - 【請求項4】 前記開口部枠の下部に、屋根版の内郭部
を構成する環状の副ケーブルを配置し、該副ケーブルを
前記主ケーブルの結合部位に固定して張架し、該主ケー
ブルの緊張で前記副ケーブルを介して前記開口部枠に引
張力が予め導入されてあることを特徴とする請求項1,
請求項2又は請求項3記載の屋根構造物。 - 【請求項5】 形鋼を網目状に組み合わせて、頂部に開
口部を有するほぼ錐台形状の屋根版を構成し、該屋根版
の前記開口部に、屋根版の内郭部を構成する開口部枠を
取り付け、該開口部枠を形鋼よりなる大梁で形成し、前
記開口部枠と前記屋根版の外郭部とを複数の主梁を介し
て結合し、該主梁の結合部位にて前記屋根版の外郭部を
支持金物で支持すると共に、前記開口部枠における前記
主梁の結合部位下部と前記支持金物又はその近傍の主梁
端部とを、主梁の下方に張架された主ケーブルで結合し
た後、前記各主ケーブルを同時に緊張することを特徴と
する屋根構造物の構築方法。
Priority Applications (1)
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JP5291272A JP2878945B2 (ja) | 1993-10-27 | 1993-10-27 | 屋根構造物及びその構築方法 |
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JPH07119209A JPH07119209A (ja) | 1995-05-09 |
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-
1993
- 1993-10-27 JP JP5291272A patent/JP2878945B2/ja not_active Expired - Fee Related
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