JPH0749573B2 - ホットメルト接着剤 - Google Patents

ホットメルト接着剤

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JPH0749573B2
JPH0749573B2 JP16506290A JP16506290A JPH0749573B2 JP H0749573 B2 JPH0749573 B2 JP H0749573B2 JP 16506290 A JP16506290 A JP 16506290A JP 16506290 A JP16506290 A JP 16506290A JP H0749573 B2 JPH0749573 B2 JP H0749573B2
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和夫 土山
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信 大須賀
章博 仁木
寅之助 斉藤
博記 角町
大志郎 岸本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ホットメルト接着剤に関する。
(従来の技術) ホットメルト接着剤とは、一般に塗布機の中で加熱溶融
させ、溶融状態のまま直接被着体に塗布して被着体を圧
着し、その後の冷却後の固化によって接着を行うもので
ある。近年、生産ラインの省力化、無公害化、安全性等
の社会的要請を満たす接着剤として、ホットメルト接着
剤の需要が高まっている。
ホットメルト接着剤を形態別に分類すると、EVA系(エ
チレン・酢酸ビニル共重合体)、ポリオレフィン系、ゴ
ム系などの非晶タイプと、ポリエステル系、ナイロン系
などの結晶タイプに分かれる。
非晶タイプのホットメルト接着剤は、結晶タイプのホッ
トメルト接着剤に比べてアプリケーターへの適用性は優
れているが、耐熱、耐寒性、および接着強度に劣ってい
る。逆に結晶タイプのホットメルト接着剤は、非晶タイ
プのホットメルト接着剤に比べて耐熱性、耐溶剤性に優
れており、その用途は電気部品、自動車部品などの高性
能が要求される分野に広がっている。
特に、ポリエステル系ホットメルト接着剤は、金属、塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどに対する接
着性に優れ、各種アプリメーター特性にも優れているこ
とから注目をあびている。
ポリエステル系ホットメルト接着剤は、特開昭50−1605
62号公報、特公昭58−55166号公報等に開示されている
ように、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レウタレートをハードセグメントとし、ポリエーテルも
しくは脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブ
ロック共重合体が主である。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記公報で開示されたポリエステルブロック共
重合体からなるホットメルト接着剤は、低温及び高温時
の接着性が不十分であった。すなわち、接着剤の高温時
の接着性(耐熱性)を上げるために、芳香族ポリエステ
ルの配合割合を多くすればポリエステハードセグメント
の結晶領域が多くなるために低温時での接着性が低下す
るという欠点があり、耐寒性と耐熱性がともに優れたホ
ットメルト接着剤が望まれていた。
本発明は上記実情に着目してなされたものであり、その
目的とするところは、耐寒性および耐熱性に優れたホッ
トメルト接着剤を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明のホットメルト接着剤は、一般式が下式〔I〕で
表わされる脂肪族ジカルボン酸;脂肪族ジオール;およ
び一般式が下式〔II〕で表わされるジヒドロキシ化合物
と下式〔III〕で表わされるモノヒドロキシ化合物のう
ち少なくともいずれか一方を構成成分とする脂肪族ポリ
エステルを主成分として含有し、そのことにより上記目
的が達成される。
HOOC−(CH2)n−COOH 〔I〕 (式中、nは0〜10の整数を示す。) (式中、R1、R2は独立的にアルキレン基を示し、pは3
または4であり、q、rは独立的に0または1以上の整
数を示す。) (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3であ
り、mは0または1以上の整数を示す。) 上記した本発明の脂肪族ポリエステルは耐寒性および耐
熱性に優れたホットメルト接着剤として使用できる。
耐熱性と耐寒性とをさらに向上させるために、上記脂肪
族ポリエステル100重量部に、オキサゾリン化合物0.1〜
20重量部を配合して接着剤を調製してもよく、また、上
記脂肪族ポリエステル100重量部に、エポキシ化合物0.1
〜30重量部および酸無水物0.1〜20重量部を配合して接
着剤を調製してもよい。このホットメルト接着剤は反応
型接着剤であり、次の3段階の過程を経て被着体に接着
するものである。
加熱による固体から液体への状態変化。
被着体へ塗布後、液状から固化への状態変化。
液状から固化状態へ変化する段階において、接着剤が
上記化合物と反応して架橋密度が上がる。
従って、その固化物は再び加熱しても液状に戻らないた
めに、低温での接着性を損なうことなく接着剤の耐熱性
を向上させることができ、それに加えて耐溶剤性、耐薬
品性も向上させることができる。
上記脂肪族ジカルボン酸において、炭素数が10を越える
ジカルボン酸を用いると、接着剤の室温付近での接着強
度が低下する。上記ジカルボン酸としては、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリ
ン酸、およびセバチン酸が好適に用いられる。
上記脂肪族ジオールとしては、グリコール及びポリアル
キレンオキシドがあげられる。上記グリコールとして
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、シ
クロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−
ジオール、シクロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘ
キサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール等があげられ、これらは単独で使用されてもよ
く、二種以上が併用されてもよい。
上記ポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオ
キシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレン
オキシド、ポリヘキサメチレンオキシド等があげられ、
これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用され
てもよい。ポリアルキレンオキシドの数平均分子量は、
小さくなると生成する脂肪族ポリエステルに柔軟性を付
与する能力が低下し、大きくなりすぎると得られた脂肪
族ポリエステルの熱安定性等の物性が低下するので、10
0〜20,000が好ましく、より好ましくは500〜5,000であ
る。
上記式〔II〕で表されるジヒドロキシ化合物は液晶性を
示す低分子化合物であって、アルキレン基R1およびR2
エチレン基又はプロピレン基が好ましく、q及びrは0
又は1が好ましく、4,4″−ジヒドロキシ−p−ターフ
ェニル、4,4−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニ
ル、4,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォ
ーターフェニル等が好適に使用される。
4,4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニルの液晶状態か
ら液晶状態への転移温度は260℃で、4,4−ジヒドロキ
シ−p−クォーターフェニルのそれは336℃、そして4,4
−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフ
ェニルのそれは403℃である。尚、液晶状態とは、化合
物が溶融状態であって、また分子が配向状態を保持して
いる状態をいう。上記各ジヒドロキシ化合物〔II〕はそ
れぞれ単独で使用しても良く、あるいは併用しても良
い。
液晶性の分子は一般に結晶性が高く、上記したように4,
4″−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、4,4−ジヒド
ロキシ−p−クォーターフェニル及び4,4−ジ(2−
ヒドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニルはその
結晶から液晶状態への転移点が高いために、これらのジ
ヒドロキシ化合物〔II〕がポリマー鎖中に組み込まれた
場合、そのポリマーは特異な性質を示す。
すなわち、ジヒドロキシ化合物〔II〕が結晶性を示し、
しかもその転移点が高いので、ジヒドロキシ化合物〔I
I〕の配合量が少量の場合でも強固で耐熱性の高い物理
的架橋を形成する。その結果、ソフトセグメントに由来
する柔軟性を損なうことなく耐熱性の高い熱可塑性エラ
ストマーが得られるものと推察される。
上式〔III〕で示されるモノヒドロキシ化合物は、パラ
フェニレン骨格を有する剛直性の低分子化合物であり、
その特徴ある分子構造を反映してこれらの化合物の融点
は極めて高い。さらにパラフェニレン骨格は低分子液晶
化合物のメソゲンとして有効であることが知られてお
り、これは該骨格が固体状態のみならず高温状態(溶融
状態)においても、強い凝集力を有していることを示す
ものである。従って、上記のモノヒドロキシ化合物〔II
I〕をポリマー末端に組み込んだ場合、非常に強固で耐
熱性の高い物理的架橋をもたらし、耐熱性に優れたホッ
トメルト接着剤に適した熱可塑性エラストマーが生成す
る。
上式〔III〕で示されるモノヒドロキシ化合物において
は、R3はエチレン基またはプロピレン基が好ましく、n
は0まは1が好ましい。上記モノヒドロキシ化合物とし
ては、例えば、4−ヒドロキシ−p−ターフェニル、4
−ヒドロキシ−p−クォーターフェニル、4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−p−ターフェニル、4−(2−ヒ
ドロキシエトキシ)−p−クォーターフェニル等があげ
られる。モノヒドロキシ化合物〔III〕は、それぞれ単
独で使用しても良く、あるいはそれらを併用しても良
い。
上記脂肪族ジカルボン酸〔I〕、脂肪族ジオールおよび
ジヒドロキシ化合物〔II〕と、モノヒドロキシ化合物
〔III〕のうち少なくともいずれか一方よりなる脂肪族
ポリエステルに、2個の水酸基を有するポリシリコー
ン、ラクトン、および芳香族ヒドロキシカルボン酸を構
成成分として含有させてもよい。
上記ポリシリコーンは、2個の水酸基を有するものであ
り、2個の水酸基が分子末端にあるポリシリコーンが好
ましく、たとえば、分子の両末端に2個の水酸基を有す
るジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、
ジフェニルポリシロキサン等があげられる。ポリシリコ
ーンの数平均分子量は、小さくなると、生成する脂肪族
ポリエステルに柔軟性を付与する能力が低下し、大きく
なると、脂肪族ポリエステルの生成が困難になるので、
100〜20,000が好ましく、より好ましくは500〜5,000で
ある。
上記ラクトンは、開環して酸及び水酸基と反応し、脂肪
族鎖を付加するものであって、脂肪族ポリエステルに柔
軟性を付与するものであり、環の中に4個以上の炭素原
子を有するものが好ましく、より好ましくは5員環〜8
員環であり、例えばε−カプロラクトン、δ−バレロラ
クトン、γ−ブチロラクトン等があげられる。
上記芳香族ヒドロキシカルボン酸は、脂肪族ポリエステ
ルに剛性や液晶性を付与するものであり、サリチル酸、
メタヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、3
−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒドロキシ安
息香酸、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−フ
ェニル−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6
−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4′−カルボキシビフ
ェニルなどがあげられ、好ましくは、パラヒドロキシ安
息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロ
キシ−4′−カルボキシビフェニルである。
さらに、上記脂肪族ポリエステルに、脂肪族ポリエステ
ルの機械的物性等を向上させるために、ジヒドロキシ化
合物〔II〕以外の芳香族ジオールや芳香族ジカルボン酸
を構成成分として含有させてもよい。
上記芳香族ジオールとしては、ヒドロキノン、レゾルシ
ン、クロロヒドロキノン、ブロモヒドロキノン、メチル
ヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒドロ
キノン、フェノキシヒドロキノン、4,4′−ジヒドロキ
シブフェニル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルメタン、ビスフェノールA、1,1−ジ(4−ジヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、1,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェノキシ)エタン、1,4−ジヒドロキシナフタ
リン、2,6−ジヒドロキシナフタリンなどがあげられ
る。
上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソ
フタル酸、5−スルホイソフタル酸の金属塩、4,4′−
ジカルボキシビフェニル、4,4′−ジカルボキシジフェ
ニルエーテル、4,4′−ジカルボキシジフェニルサルフ
ァイド、4,4′−ジカルボキシジフェニルスルホン、3,
3′−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4′−ジカルボキ
シベンゾフェノン、1,2−ビス(4−カルボキシフェノ
キシ)エタン、1,4−ジカルボキシナフタリン、または
2,6−ジカルボキシナフタリンなどがあげられる。
上記ジヒドロキシ化合物〔II〕と脂肪族ジオールと脂肪
族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステルは、ジヒド
ロキシ化合物〔II〕の含有量が、少なくなると接着剤の
軟化点が低下し、多くなると接着剤の融点が高くなる傾
向にある。
従って、上記ジヒドロキシ化合物〔II〕の含有量は脂肪
族ポリエステルを構成する全モノマー中の0.1〜30モル
%が好ましく、より好ましくは0.5〜20モル%であり、
さらに好ましくは1.0〜10モル%である。尚、芳香族以
外のジオールとしてポリアルキレンオキシドやポリシリ
コーンを使用する場合、その構成単位を1モノマーとし
て数える。即ち、重合度10のポリエチレンオキシドは10
モノマーとして数える。
また、上記モノヒドロキシ化合物〔III〕と脂肪族ジオ
ールと脂肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ポリエステル
は、モノヒドロキシ化合物〔III〕の含有量が少なくな
ると接着剤の軟化点が低下し、多くなると脂肪族ポリエ
ステルの分子量が十分に上昇せず、物性的に劣ったもの
となるので脂肪族ポリエステルを構成する全モノマー中
の0.1〜20モル%とするのが好ましい。
また、上記ジヒドロキシ化合物〔III〕とモノヒドロキ
シ化合物〔III〕と脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン
酸より成る脂肪族ポリエステルは、ジヒトロキシ化合物
〔II〕とモノヒドロキシ化合物〔III〕とを合せたヒド
ロキシ化合物の含有量が少なくなると耐熱性が低下し、
多くなると接着剤の融点が高くなりすぎて作業性が低下
する傾向にあるので、脂肪族ポリエステルを構成する全
モノマー中の0.1〜30モル%とするのが好ましい。この
際のジヒドロキシ化合物〔II〕とモノヒドロキシ化合物
〔III〕の割合は 0<〔III〕/〔II〕+〔III〕<2/3 を満たす範囲が好ましい。
以上のような構成成分から成る脂肪族ポリエステルは、
一般に知られている任意の重縮合方法を用いて製造する
ことができる。例えば、 ジカルボン酸とジオール成分(脂肪族ジオール、ジヒ
ドロキシ化合物、モノヒドロキシ化合物等を含めるもの
とする)とを直接反応させる方法、 ジカルボン酸の低級エステルとジオール成分とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、 ジカルボン酸のハロゲン化物とジオール成分をピリジ
ンなどの適当な溶媒中で反応させる方法、 ジオール成分の金属アルコラートをジカルボン酸のハ
ロゲン化物と反応させる方法、 ジオール成分のアセチル化物とジカルボン酸とをエス
テル交換を利用して反応させる方法、等があげられる。
また、重合中ジヒドロキシ化合物〔II〕の添加順序を変
えることによって得られる脂肪族ポリエステルの構造を
規制することも可能である。例えば、ジヒドロキシ化合
物〔II〕をジカルボン酸および他のジオール成分と一括
して仕込んだ場合は、ランダム共重合体が得られ易くな
り、重合後期にジヒドロキシ化合物〔II〕を仕込んだ場
合にブロック共重合体が得られ易くなる。また、予め合
成した脂肪族ポリエステルに上記ジヒドロキシ化合物
〔II〕あるいはジヒドロキシ化合物のアセチル化合物を
減圧加熱下で混練し、脱エチレングリコールあるいはエ
ステル交換反応によって分子鎖にジヒドロキシ化合物
〔II〕に基づくセグメントを導入することも可能であ
る。
重縮合する際には、一般に脂肪族ポリエステルを製造す
る際に使用されている触媒が使用されてよい。この触媒
としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウ
ム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチ
ウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマ
ニウム、錫、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、ホウ
素、カドミウム、マンガンなどの金属、その有機金属化
合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物等があ
げられる。
特に好ましい触媒は、酢酸カルシウム、ジアシル第一
錫、テトラアシル第二錫、ジブチル錫オキサイド、ジブ
チル錫ジラウレート、ジメチル錫マレート、錫ジオクタ
ノエート、錫テトラアセテート、トリイソブチルアルミ
ニウム、テトラブチルチタネート、二酸化ゲルマニウ
ム、および三酸化アンチモンである。これらの触媒は二
種以上併用してもよい。また、重合とともに副生する水
や、アルコール、グリコールなどを効率よく留出させ、
高分子量ポリマーを得るためには、反応系を重合後期に
1mmHg以下に減圧することが好ましい。反応温度は一般
に150〜350℃である。
ホットメルト接着剤の耐熱性と耐寒性とをさらに向上さ
せるために、上記脂肪族ポリエステルにオキサゾリン化
合物が添加されてもよい。
本発明に使用されるオキサゾリン化合物とは、同一分子
内に1個以上のオキサゾリン環を有するものであればそ
の構造は特に制限されない。例えば、モノオキサゾリン
化合物としては、2−オキサゾリン、2−メチル−2−
オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2,5
−ジメチル−2−オキサゾリン、2,4−ジフェニル−2
−オキサゾリン等があげられる。また、ジオキサゾリン
化合物としては、2,2′−(1,3−フェニレン)−ビス
(2−オキサゾリン)、2,2′−(1,2−エチレン)−ビ
ス(2−オキサゾリン)、2,2′−(1,4−ブチレン)−
ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−(1,4−フェニレ
ン)−ビス(2−オキサゾリン)等があげられる。
オキサゾリン化合物の添加量は、脂肪族ポリエステル10
0重量部に対して0.1〜20重量部である。より好ましい添
加量は0.2〜10重量部である。添加量が0.1重量部未満で
は架橋速度が遅く、また架橋密度も小さくなる。20重量
部より多いと接着性が低下し好ましくない。
また、架橋を促進させるためにめに触媒を添加してもよ
い。触媒としては、例えば、トリフェニルフォスファイ
トなどの有機フォスファイト、p−トルエンスルフォン
酸、ジメチル硫酸、三フッ化ほう素エーテレート、有機
ハロゲン化物等である。触媒の添加量は脂肪族ポリエス
テル100重量部に対して3重量部以下が好ましい。
オキサゾリン化合物の配合方法は、脂肪族ポリエステル
にオキサゾリン化合物、必要に応じて触媒等を混合した
後、押出機を用いて溶融混合する方法など均一に溶融物
を混合できる方法であれば特に制限されない。混合温度
は150℃〜250℃の範囲が好ましい。
また、ホットメルト接着剤の耐熱性と耐寒性とをさらに
向上させるために、上記脂肪族ポリエステルにエポキシ
化合物および酸無水物が添加されてよい。
本発明に使用されるエポキシ化合物は、同一分子内に2
個のエポキシ基を有するものであればよく、その構造は
特に制限されない。エポキシ化合物の具体例としては、
下記一般式(1)、(2)で示される化合物があげられ
る。
式(1)、式(2)において、Rはアルキレン基、二価
の脂環族基、二価の芳香族基または一般式:−(R4O)t
R4−で示されるポリエーテル基(R4は炭素数2〜6のア
ルキレン基またはフェニレン基を示し、tは1〜20の整
数を示す)を示す。
また、エポキシ化合物として低重合度のエポキシ樹脂を
使用してもよい。
エポキシ化合物の添加量は、脂肪族ポリエステル100重
量部に対して0.1重量部〜30重量部である。より好まし
い添加量は0.2〜10重量部である。エポキシ化合物の添
加量が0.1重量部未満では架橋速度が遅くまた架橋密度
も小さい。30重量部より多いと接着剤の接着性が低下し
好ましくない。
本発明に使用される酸無水物とは、分子内にカルボキシ
ル基を2個以上有するカルボン酸の無水物であり、例え
ば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリ
ット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸酸等があ
げられる。
酸無水物の添加量は脂肪族ポリエステル100重量部に対
して0.1〜20重量部である。より好ましい添加量は0.2〜
10重量部である。0.1重量部未満では十分な架橋密度が
得られず、20重量部を超えると接着性が低下する。
さらにエポキシ化合物および酸無水物と脂肪族ポリエス
テルとの反応を促進させるために触媒を添加してもよ
い。使用される触媒としては、エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ジエチレントリアミン、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジシアンジアミ
ド、ピペリジンなどのアミン化合物があげられる。
ホットメルト接着剤がエポキシ化合物と酸無水物とを含
む場合には、該ホットメルト接着剤を製造するには、脂
肪族ポリエステルにエポキシ化合物および酸無水物、必
要に応じて触媒等を混合した後、押出機、プラストグラ
フ等を用い、溶融混合する方法が採用できる。溶融混合
温度は混合中での架橋反応を抑制するため、また樹脂の
分解を避けるために混合可能な最低温度で行うことが望
ましい。
このようにして得られた樹脂は、単独でホットメルト接
着剤として使用することができるが、必要に応じて相溶
性のよいタッキファイヤー、ワックス類を配合してもよ
いし、下記の添加剤を加えることもできる。
熱安定剤:トリフェニルホスファイト、トリラウリル
ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、2
−tert−ブチル−α−(3−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)−p−クメニルビス(p−ノニルフェニ
ル)ホスファイト等 難燃剤:ヘキサブロモシクロドデカン、トリス−(2,
3−ジクロロプロピル)ホスフェート、ペンタブロモフ
ェニルアリルエーテル等 紫外線吸収剤:p−tert−ブチルフェニルサリシレー
ト、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾ
フェノン、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン等 酸化防止剤:ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒ
ドロキシトルエン、ジステアリルチオジプロピオネー
ト、ジラウリルチオジプロピオネート、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤等 帯電防止剤:N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アルキル
アミン、アルキルアリルスルホネート、アルキルスルフ
ォネート等 ホットメルト接着剤の形状はペレット、フィルム、シー
ト、粉末等どのような形態を有してもよい。
被着体には、各種金属、プラスチック、木材、スレー
ト、繊維、紙、皮革などがあるが、本発明の接着剤は、
特に軟質塩化ビニル、ポリエステルの接着に好適であ
る。接着方法は、一般に行われている方法のいずれを用
いても差し支えない。例えば、ホットメルトアプリケー
ターや熱ロールコーターを用いて接着剤を被着体に塗布
した後、加圧接着する方法、または被着体間にフィルム
状接着剤をはさみ加熱加圧して接着する方法があげられ
る。
(実施例) 以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。
なお、物性は以下の方法に従って測定した。
極限粘度[η]:ウベローデ粘度管を用い、o−クロロ
フェノール溶媒中30℃で測定した。
ガラス転移温度:DSC法により測定した(JIS K7121)。
軟化点:JIS K7206に従いビカット軟化点を測定した。
T型剥離強度:島津製オートグラフAG5000Bを用い、所
定の温度でJIS K6854に従い測定した。剥離速度は50mm/
minとした。
また、以下の実施例で「部」は「重量部」を意味する。
実施例1 (A)ポリエステル樹脂の製造方法 撹拌機、温度計、ガス吹き込み口及び蒸留口を備えた内
容積1のガラス製フラスコに、アジピン酸ジメチル26
8.2g、エチレングリコール313.6、および4,4−ジヒド
ロキシ−p−クォーターフェニル(以下、DHQという)6
0.9gのモノマー混合物、並びに触媒として酢酸カルシウ
ム0.4g及び酸化ゲルマニウム0.13gを入れた。フラスコ
内を窒素で置換した後、180℃に昇温してエステル交換
反応を行った。反応とともに、フラスコからメタノール
が留出した。エステル交換反応が終了するまでに約2時
間かかり、その間中、撹拌を続けた。次いで、このフラ
スコ内を300℃まで昇温し、その状態で30分間撹拌する
とエチレングリコールが留出して反応混合液が均一にな
った。このフラスコ内を1mmHg以下に減圧した状態で2
時間重縮合反応を行った。極めて粘稠な白色樹脂が得ら
れた。
得られた樹脂の極限粘度[η]は1.2、ガラス転移温度
は−40℃、軟化点は167℃であった。
(B)ホットメルト接着剤の調製 上記(A)項で得られた樹脂100部およびイルガノック
ス1010(フェノール系安定剤、チバガイギー社製)0.5
部を混合し、これをブラベルダープラストグラフ押出機
を用いて200℃にて押し出した。得られたストランドを
粉砕機を用いて1mm3程度に粉砕し、ホットメルト接着剤
を得た。
得られた接着剤を、2枚のアルミ板(厚さ2mm)の間に
配置し(接着剤量150g/m2)、このものをプレス機によ
り圧着してT型剥離用のアルミニウム板試料を作成し
た。プレス機では、予熱2分および加熱圧着5分(圧力
5Kg/cm2、温度200℃)の条件で2枚のアルミ板を接着さ
せた。
次に、アルミニウム板試料のT型剥離強度を、表1に示
す測定温度でそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
実施例2 実施例1の(A)項で得られた樹脂100部、2,2′−(1,
3フェニレン)−ビス(2−オキサゾリン)2部、トリ
フェニルフォスファイト1.8部、およびイルガノックス1
010(フェノール系安定剤、チバガイガー社製)0.5部を
混合し、これをブラベルダープラストグラフ押出機を用
いて195℃にて押し出した。得られたストランドを粉砕
機を用いて1mm3程度に粉砕し、ホットメルト接着剤を得
た。
得られた接着剤を用い、実施例1と同様にしてアルミニ
ウム板試料を作成し、そのT型剥離強度を測定した。結
果を表1に示す。
実施例3 実施例1の(A)項で得られた樹脂100部、以下に示す
構造のエポキシ化合物3.0部、無水ピロメリット酸1.0
部、および安定剤としてイルガノックス1010(フェノー
ル系安定剤、チバガイガー社製)0.5部を混合し、これ
をブラベルダープラストグラフ押出機を用いて195℃に
て押し出した。得られたストランドを粉砕機を用いて1m
m3程度に粉砕し、ホットメルト接着剤を得た。
得られた接着剤を用い、実施例1と同様にしてアルミニ
ウム板試料を作成し、そのT型剥離強度を測定した。結
果を表1に示す。
比較例1 ホットメルト接着剤として、ポリエステル系ホットメル
ト接着剤(東亜合成化学工業(株)、アロンメルトPES
−140H、融点140〜150℃、軟化点110℃、ガラス転移点
−5℃)を用い、プレス機による接着温度を170℃とし
た以外は、実施例1と同じ方法でアルミニウム板試料を
得、そのT型剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
表1より、特定の脂肪族ポリエステルからなるホットメ
ルト接着剤は耐寒性及び耐熱性に優れていることがわか
る。特に、オキサゾリン化合物を配合したホットメルト
接着剤(実施例2)やエポキシ化合物および酸無水物を
配合したホットメルト接着剤(実施例3)では、脂肪族
ポリエステル単独からなる接着剤(実施例1)に比べて
低温接着性を維持しながら耐熱性が向上していることが
わかる。
(発明の効果) 本発明によれば、耐寒性と耐熱性がともに優れたホット
メルト接着剤を提供することができる。特に、脂肪族ポ
リエステルに所定量のオキサゾリン化合物を添加し、ま
たはエポキシ化合物および酸無水物を添加することによ
り、アプリケーターを用いて接着剤を被着体へ塗布する
際の加熱溶融時に樹脂がそれらの化合物と反応して架橋
するために、低温での接着性を損なうことなく固形物の
耐熱性、耐溶剤性および耐薬品性を向上させることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仁木 章博 大阪府高槻市城南町1丁目5番16号 ベル メゾン301 (72)発明者 斉藤 寅之助 大阪府茨木市山手台5丁目17番21号 (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市南春日丘1丁目11番3号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号 ウメ ヤママンション102 (56)参考文献 特開 昭50−160562(JP,A) 特公 昭58−55166(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式が下式〔I〕で表わされる脂肪族ジ
    カルボン酸;脂肪族ジオール;および一般式が下式〔I
    I〕で表わされるジヒドロキシ化合物と下式〔III〕で表
    わされるモノヒドロキシ化合物のうち少なくともいずれ
    か一方を構成成分とする脂肪族ポリエステルを主成分と
    して含有するホットメルト接着剤: HOOC−(CH2)n−COOH 〔I〕 (式中、nは0〜10の整数を示す。) (式中、R1、R2は独立的にアルキレン基を示し、pは3
    または4であり、q、rは独立的に0または1以上の整
    数を示す。) (式中、R3はアルキレン基を示し、lは2または3であ
    り、mは0または1以上の整数を示す。)。
  2. 【請求項2】請求項1記載の脂肪族ポリエステル100重
    量部とオキサゾリン化合物0.1〜20重量部とを含有する
    ホットメルト接着剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載の脂肪族ポリエステル100重
    量部、エポキシ化合物0.1〜30重量部、および酸無水物
    0.1〜20重量部を含有するホットメルト接着剤。
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