JPH0749523B2 - 芳香族ポリイミド系重合体成形物 - Google Patents

芳香族ポリイミド系重合体成形物

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JPH0749523B2
JPH0749523B2 JP62029760A JP2976087A JPH0749523B2 JP H0749523 B2 JPH0749523 B2 JP H0749523B2 JP 62029760 A JP62029760 A JP 62029760A JP 2976087 A JP2976087 A JP 2976087A JP H0749523 B2 JPH0749523 B2 JP H0749523B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属酸化物が均一に配合されてなる芳香族ポ
リイミド系重合体成形物に関するものである。
[従来の技術] 芳香族ポリイミド系重合体は広範な温度領域において優
れた物性を有し、しかも電気的特性も良好であることか
ら、電気・電子部品における電気絶縁材料として例えば
フレキシブルプリント基板、トランスの層間絶縁材ある
いは電線・ケーブルの電気絶縁用フィルムなどに実用化
されている。
しかしながら、一般に有機系重合体は無機物に比して熱
膨張率が大きいという欠点があり、芳香族ポリイミド系
重合体においても、その例外ではない。それ故に、例え
ば、フレキシブルプリント基板としての使用において、
ポリイミドフィルムに金属箔を接着する際、熱膨張率の
差に起因して発生するカールを防ぐためにポリイミドフ
ィルムと金属箔との間に他の材料からなる接着層を設け
ることを必要としている。而して、かかる接着層に用い
られる材料は一般的に耐熱性に劣り、ポリイミドフィル
ムの有する耐熱性を充分に活かすことができないという
問題点がある。
したがって、ポリイミド系重合体の熱膨張率の改善につ
いて多くの試みが行なわれ、種々の構造のポリイミドが
提案されている。例えば特開昭60−250031号公報には低
膨張性を有するものとして から選ばれるジアミン成分を用いたポリイミドが開示さ
れている。また、他の例として、ポリイミドの構成成分
である酸二無水物、あるいはジアミン成分に特殊な構造
の化合物を用いて寸法安定性を改善する試みもある。
しかしながら、上記の如く、特殊な構造の化合物の使用
は原料の入手難や毒性について問題点を残している。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は、前記の如き問題点に鑑みなされたものであっ
て、入手の容易なジアミンと酸無水物とからなる芳香族
ポリイミド系重合体あるいは、その前駆体であるポリア
ミック酸系重合体の分解温度以下の加熱温度下におい
て、シランカップリング剤存在下に金属酸化物となりう
る金属アルコキシドまたはその部分縮合物と芳香族ポリ
イミド系重合体あるいは、その前駆体であるポリアミッ
ク酸系重合体とを含む組成物を加熱処理して成形した成
形物は、単に金属酸化物の粉末を配合してなる成形物に
比して金属酸化物の分散性が著しく向上し、しかも耐熱
性、機械的強度、寸法安定性などの特性が優れるという
知見を得て本発明を完成するに至ったものである。
したがって、本発明は、応用、用途面において、電気・
電子部品あるいは構造材料として好適に使用し得る特性
を有する芳香族ポリイミド系重合体成形物を提供するこ
とを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は、SiO2,TiO2およびZrO2から選ばれる少
くとも1種の金属酸化物を芳香族ポリイミド系重合体10
0重量部に対し10〜100重量部有する芳香族ポリイミド系
重合体のフィルム状成形体であり、芳香族ポリイミド系
重合体の分解温度以下の加熱処理温度下において、シラ
ンカップリング剤存在下に上記金属酸化物となりうる金
属アルコキシドまたはその部分縮合物と芳香族ポリイミ
ド系重合体あるいは、その前駆体であるポリアミック酸
系重合体とを含む溶液ないしは分散液からなる溶媒組成
物を金属酸化物が生成しうる加熱処理温度下でフィルム
状にキャスト成形してなる金属酸化物含有芳香族ポリイ
ミド系重合体成形物である。
本発明において、芳香族ポリイミド系重合体あるいはそ
の前駆体としてのポリアミック酸系重合体は特に限定さ
れるものではないが、前記の如く、入手容易なジアミン
及び酸無水物とからなるものとして、一般式[I] (但し、式中Ar1より選ばれ;Ar2 より選ばれ;Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲンを示し;Xは単結合、−O−,−S−,−SO
2−, 炭素数1〜6のアルキレン基、パーフルオロアルキレン
基のいずれかを示し;nは0〜2の整数を示す。) で表わされる繰返し単位を有する芳香族ポリイミド系重
合体あるいは、その前駆体であるポリアミック酸系重合
体であるのが好適である。
上記の芳香族ポリイミド系重合体あるいはポリアミック
酸系重合体は公知の方法によって酸無水物とジアミンよ
り調製されるが、その重合度は対数粘度として、N,N−
ジメチルアセトアミド中、30℃において0.3〜4のもの
が好ましい。また、ポリイミド系あるいはポリアミック
酸系の重合体は2種以上を併用してもよい。かかる重合
体はワニスの形態で使用される。
本発明における芳香族ポリイミド重合体の分解温度以下
においてSiO2,TiO2およびZrO2から選ばれる少なくとも
1種の金属酸化物となりうる金属アルコキシドとして
は、例えば、シリコンテトラメトキシド、シリコンテト
ラエトキシドなどのSiのアルコキシド化合物、ジルコニ
ウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシ
ドなどのZrのアルコキシド化合物、チタンテトライソプ
ロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのTiのアルコ
キシド化合物、が挙げられる。これらは予備縮合させた
部分縮合物を用いることができる。また部分縮合物と金
属アルコキシドとを併用することもできる。(以下、金
属アルコキシドとは部分縮合物をも含む) 本発明の金属酸化物含有芳香族ポリイミド系重合体成形
物において、含まれる金属アルコキシドに由来する金属
酸化物の量は、ポリイミド成分100重量部に対して10〜1
00重量部の割合である。溶媒組成物としては、重合体の
粘度にもよるが、固形分濃度を5〜50重量%とするのが
好適である。成形物中の金属酸化物の量に対応して耐熱
性、寸法安定性は向上するが、少なすぎる場合は効果は
発現され難く、多過ぎる場合は脆くなる傾向が認められ
る。
一般に、有機重合体の寸法安定性を改善するために無機
酸化物を配合することは公知である。例えばポリイミド
のフィルムにおいて、特開昭60−228557号公報には次式 で表わされる芳香族ポリエーテルイミドに無機質充填剤
を配合し、フィルム化してなる、表面平滑性に優れたフ
ィルムの製造方法が提案されている。しかしながら、か
かるポリエーテルイミドのフィルムにおいて配合されて
いる無機質充填剤の配合量はポリエーテルイミド成分10
0重量部に対して10重量部以下に限定されていて、フィ
ルムの表面平滑性のためには10重量部以下であることが
望ましいと述べられている。
而して、芳香族ポリイミド系重合体よりなるフィルムに
おいては、無機質充填剤の配合量が10重量%以下では実
用上の寸法安定性は充分でない。これは無機質充填剤を
10重量%以上配合すると、通常二次粒子として存在して
いる粉体を完全に一次粒子化することができず、その結
果として粒子自身がフィルムの欠陥点となることによる
ものであり、フィルムの強度は低下したり、脆くなっ
て、極端な場合にはフィルム化そのものが困難となる。
本願発明は、金属アルコキシドと芳香族ポリイミド系重
合体あるいは、ポリアミック酸とを含む溶媒組成物を前
記加熱条件下でキャスト成形されてなる金属酸化物を含
有する芳香族ポリイミド系重合体成形物であり、上記の
如く金属酸化物が多量配合されてなるものは知られては
いない。したがって、かかる成形物を得る手法も未知で
ある。
本発明においては、金属酸化物は無機フィラーとしての
配合はされず、金属アルコキシドの形態で芳香族ポリイ
ミド系重合体あるいはポリアミック酸系重合体のワニス
中に配合されて溶媒組成物とされ、これによって完全に
均一な状態に分散される。混合方法としては次の方法が
採用される。
重合体と金属アルコキシドあるいは、その部分縮合物
との直接混合。
重合体懸濁液と金属アルコキシドあるいは、その部分
縮合物との混合。
重合体溶液と金属アルコキシドあるいは、その部分縮
合物との混合。
上記のにおいては、重合体がブロックもしくはペレッ
トの如く比較的大きな形状であるときは、重合体が混合
系中で溶解されるのが望ましく、また重合体が微粉末で
あるときは、重合体は混合系中で必ずしも溶解されなく
とも均一に混合された溶媒組成物が得られる。
においては、重合体は通常微粉末で存在するため、上
記で述べた如く、混合する金属アルコキシドあるい
は、その部分縮合物との混合系が重合体を溶解しうるも
のでも溶解しないものであっても均一に混合された溶媒
組成物が得られる。
の重合体溶液に金属アルコキシドあるいは、その部分
縮合物を混合する方法が最も均一に分散された溶媒組成
物を得ることができる。また、ポリアミック酸のワニス
において適応し得る。
ここで用いられる金属アルコキシドあるいは、その部分
縮合物は、特に他の処理を要することなく使用しうる
が、混合性分散性を向上させる目的から適当な溶媒を添
加することもできる。また、水、触媒の添加、あるいは
加熱処理などによって、さらに縮合させておいてもよ
い。水を添加する場合の添加量は特に限定されないが、
金属アルコキシドのアルコキシ1当量に対し0.1〜4当
量が好ましく、これより多いとポリイミドあるいは、ポ
リアミック酸の組成物としての安定性が低下する。ま
た、触媒は加水分解触媒として公知の酸、例えば、塩
酸、硫酸、硝酸、酢酸、トルエンスルホン酸など、ま
た、例えば、水酸化ナトリウムの如き無機塩基、アルキ
ルアミンの如き有機塩基が挙げられる。
さらに、分散性、混合性を向上させるためにシランカッ
プリング剤を添加する。この混合のシランカップリング
剤は重合体と分散された物質の単なる分散改良剤、分散
安定剤としての作用のみならず、適当な官能基を有する
ものを選択することによって重合体の有する官能基と結
合させることが可能となり、得られる成形物の物性を著
しく向上させることができる。かかるシランカップリン
グ剤として使用し得るものは例えば、メチルトリメトキ
シシランの如きアルキル系シランカップリング剤、γ−
クロロプロピルトリメトキシシランの如きハロゲン系シ
ランカップリング剤、ビニルトリエトキシシランの如き
ビニル系シランカップリング剤、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランの如きメタクリル系シランカ
ップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランの如きエポキシ系シランカップリング剤、γ−メ
ルカプトプロピルトリエトキシシランの如きメルカプト
シランカップリング剤、γ−(ジエタノールアミン)プ
ロピルトリエトキシシランの如きヒドロキシ系シランカ
ップリング剤、γ−イソシアナートプロピルトリメトキ
シシランの如ききイソシアネート系シランカップリング
剤、γ−アミノプロピルトリメトキシシランの如きアミ
ン系シランカップリング剤あるいはその塩タイプ等が挙
げられ、これらは単独でも二種類以上を併用してもよ
い。かかるシランカップリング剤は重合体に金属アルコ
キシドの配合時、あるいは製膜時に単に添加混合するの
みで良いが、重合体が官能基を有し、シランカップリン
グ剤と何らかの相互作用あるいは結合形成が期待され得
る場合は、あらかじめ重合体に混合したり、加熱等の前
処理を施すことも効果的である。その他、金属アルコキ
シドの種類に応じてチタネート系カップリング剤、アル
ミニウム系カップリング剤を使用することもできる。ま
た、金属アルコキシドや溶媒組成物の安定化、反応調整
を目的として、アセチルアセトンの如きキレート化合物
を用いることも効果がある。
金属アルコキシドと芳香族ポリイミド系重合体あるいは
ポリアミック酸系重合体とを含む溶媒組成物のキャスト
成形法は、公知の方法、例えば平板ガラス上に流延して
キャスト製膜することができる。また、金属アルコキシ
ドあるいはその部分縮合物が前記の如く加水分解または
加熱処理によって縮合されている場合も同様にキャスト
製膜により成形物を得ることができる。成形における加
熱処理条件としては、50℃〜500℃に加熱して、イミド
化と金属アルコキシドの重縮合を行なわせる。加熱温度
が低温にすぎると上記の反応に対する加熱の寄与が少な
く、また高温にすぎると熱分解を生ずるために好ましく
は100℃〜400℃である。かかる方法によって得られた成
形物は延伸、硬化処理などの後処理を行なうことによっ
て、さらに物性を向上させることができる。
本発明における成形物として、例えば、フィルムは耐熱
性、高強度を有し、金属箔との積層によりプリント配線
基板としたり、各種モーター用絶縁フィルム、変圧器・
発電機用絶縁フィルムなどの電気絶縁用フィルムとして
使用することができる。また、金属アルコキシドと芳香
族ポリイミド系重合体あるいはポリアミド酸系重合体と
を含む組成物の溶液または懸濁液を金属箔に直接キャス
トしたフレキシブル配線基板、液晶配向膜、LSI用パッ
シベーション膜、α線遮蔽膜、シリコン・ガリウム砒素
チップ用多層配線層間絶縁膜などとすることができる。
[作用] 本発明における芳香族ポリイミド系重合体あるいはポリ
アミック酸系重合体の分解温度以下の加熱処理温度下に
金属酸化物となりうる金属アルコキシドと芳香族ポリイ
ミド系重合体あるいはポリアミック酸系重合体とを含む
溶媒組成物を加熱処理するとともに成形されてなる成形
物が高耐熱性、高強度、寸法安定性に優れることに関す
る作用機構については必ずしも明確ではないが、金属ア
ルコキシドがモノマー状態または部分縮合物でポリイミ
ド成分に混合されて溶媒組成物とされるため成形時の加
熱処理による縮合によって生成される金属酸化物が極め
て均一な状態で分散されること、しかも、この際金属酸
化物がポリイミド成分との間で何らかの相互作用を呈す
るかあるいは化学結合を形成するか、これらのいずれか
によるものと推測される。
[実施例] 次に本発明を実施例によって、さらに具体的に説明する
が、これら実施例のみによって本発明が限定されるもの
でないことは勿論である。
調製例1 金属アルコキシド(1)の調製 撹拌機および滴下ロートを装着した反応器内にN,N−ジ
メチルアセトアミド80gとシリコンテトラエトキシド
(東京化成社品)69.4gを仕込み激しく撹拌しながら、
ρ−トルエンスルホン酸0.69gと水24.0gとの混合物を室
温にて30分を要して滴下した。
さらに、一昼夜撹拌を継続して、均質透明なシリコンテ
トラエトキシドの部分縮合物(SiO2換算濃度11.5%)を
調製した。
調製例2 金属アルコキシド(2)の調製 調製例1と同様の反応器内にN,N−ジメチルアセトアミ
ド80gとチタンテトラ−i−プロポキシド(日本曹達社
品)71.4gを仕込み、撹拌しながら、アセチルアセトン2
5.1gと水4.5gとを室温で加え、さらに一昼夜撹拌を継続
して、均質透明なチタンテトラ−i−プロポキシドの部
分縮合物(TiO2換算度12.8%)を調製した。
調製例3 金属アルコキシド(3)の調製 調製例1と同様の反応器内にN,N−ジメチルアセトアミ
ド67.6gとジルコニウムテトラ−n−ブチロキシド(松
本交商社品)49.4gを仕込み、撹拌しながら、アセチル
アセトン12.9gと水2.32gを室温で加え、さらに一昼夜撹
拌を継続して、均質透明なジルコニウムテトラ−n−ブ
チロキシドの部分縮合物(ZrO2換算度12.0%)を調製し
た。
調製例4 ポリアミック酸溶液(1)の調製 撹拌機、滴下ロートおよび還流器を装着した反応器内に
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル20.02gとN,N−ジメ
チルアセトアミド213gを仕込み、窒素ガスを通じて激し
く撹拌しながら、10℃の温度にてピロメリット酸二無水
物21.81gを2時間を費やして滴下した。その後反応温度
を室温として撹拌を継続しピロメリット酸二無水物を完
全に溶解させ、さらに、室温にて6時間撹拌することに
よって、対数粘度1.86d/のポリアミック酸のワニスを
得た。尚、対数粘度の測定は、0.5g/N,N−ジメチルアセ
トアミド100ml、30℃で測定(以下同じ)。
調製例5 ポリアミック酸溶液(2)の調製 調製例4におけるN,N−ジメチルアセトアミドを263gと
し、ピロメリット酸二無水物に代えて3,3′,4,4′−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物30.26gを用いた
他は調製例3と同様にして、対数粘度1.38d/のポリア
ミック酸のワニスを得た。
調製例6 ポリアミック酸溶液(3)の調製 調製例4における4,4′−ジアミノジフェノールエーテ
ルに代えて2,2,−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン41.05gとN−メチルピロリドン332g
を用いた他は調製例4と同様にして、対数粘度1.02d/
のポリアミック酸のワニスを得た。
比較例4 撹拌機、滴下ロートおよび還流器を装着した反応器内に
調製例4で得られたポリアミック酸溶液(1)100.2gを
仕込み、窒素ガスを通じて激しく撹拌しながら室温にて
調製例1で調製された金属アルコキシド(1)(シリコ
ンテトラエトキシド)32.58gを30分を費やして滴下し、
褐色の均一な粘稠液を得た。
このようにして得られた粘稠液をガラス板上にナイフコ
ーターを使用してキャストし、50℃、100℃、170℃、32
0℃、に順次昇温して、それぞれの温度で1時間加熱処
理し、冷却後、フィルム状の成形物をガラス板より剥
し、次いで鉄枠に固定して、さらに320℃にて加熱する
ことによって、厚さ50μのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、機械的強度として引張強度
をASTM D882−64にしたがい、また、耐屈曲性(MIT)を
ASTM D2176−63Tにしたがって測定し、さらに線膨張率
をTMA法にしたがって測定した。これらの結果を第1表
に示す。
実施例2 比較例4により調製された粘稠液に3−アミノプロピル
トリエトキシシラン0.19gを添加した他は比較例4と同
様にして厚さ50μのフィルムを得た。
このようにして得られたフィルムの特性を比較例4と同
様にして測定した。その結果を第1表に示す。
実施例3 比較例4における金属アルコキシド(1)(シリコンテ
トラエトキシド)を14.63gとした他は比較例4と同様に
して粘稠液を得た。この粘稠液に3−アミノプロピレト
リエトキシシラン0.19gを添加して比較例4と同様にし
て厚さ50μのフィルムを得た。
このようにして得られたフィルムの特性を比較例4と同
様にして測定した。その結果を第1表に示す。
実施例4 実施例3における金属アルコキシド(1)(シリコンテ
トラエトキシド)を56.42gとした他は実施例3と同様に
して厚さ50μのフィルムを得た。
このフィルムの特性を比較例4と同様にして測定し、そ
の結果を第1表に示す。
実施例5 実施例3における金属アルコキシド(1)(シリコンテ
トラエトキシド)を16.46gとし、さらに調製例(2)で
調製された金属アルコキシド(2)(チタンテトラ−i
−プロポキシド)14.78gとを混合して用いた他は実施例
3と同様にして厚さ50μのフィルムを得た。
このフィルムの特性を比較例4と同様にして測定し、そ
の結果を第1表に示す。
実施例6 実施例5における金属アルコキシド(2)(チタンチト
ラ−i−プロポキシド)を15.77gとした他は実施例5と
同様にして厚さ50μのフィルムを得た。
このフィルムの特性を比較例4と同様にして測定し、そ
の結果を第1表に示す。
実施例7 実施例3における金属アルコキシド(1)(シリコンテ
トラエトキシド)に代えて調製例3で調製された金属ア
ルコキシド(3)(ジルコニウムテトラ−n−ブチロキ
シド)31.25gを用いた他は実施例3と同様にして厚さ50
μのフィルムを得た。
このフィルムの特性を比較例4と同様に測定し、その結
果を第1表に示す。
実施例8〜9 比較例4におけるポリアミック酸溶液(1)に代えて、
調製例5〜6で得られたポリアミック酸溶液(2)〜
(3)を用いて比較例4と同様にして粘稠液を得た。こ
の粘稠液に3−アミノプロピルトリエトキシシラン0.19
gを添加して比較例4と同様にしてそれぞれ厚さ50μの
フィルムを得た。
これらのフィルムの特性を比較例4と同様にして測定
し、その結果を第1表に示す。
比較例1 比較例4において、調製例4にて得られたポリアミック
酸溶液(1)を用い、金属アルコキシドを配合しない他
は比較例4と同様にして厚さ50μのフィルムを得た。
このフィルムの特性を比較例4と同様にして測定し、そ
の結果を第1表に示す。
比較例2〜3 比較例1において用いたポリアミック酸溶液(1)に代
えて調製例5〜6にて得られたポリアミック酸溶液
(2)〜(3)を用いた他は比較例1と同様にしてそれ
ぞれ厚さ50μのフィルムを得た。
これらフィルムの特性を比較例4と同様にして測定し、
その結果を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明は、芳香族ポリイミド系重合体あるいは、その前
駆体であるポリアミック酸に金属酸化物を配合した溶媒
組成物とする際に金属アルコキシドを巧みに利用するこ
とに特徴があり、かかる手段によって得られる成形物は
金属酸化物が均一に分散されている。
本発明のフィルムは、単なるポリイミド系重合体のフィ
ルムに比して耐熱性、機械的強度、寸法安定性などに優
れているという効果が認められる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2,TiO2およびZrO2から選ばれる少くと
    も1種の金属酸化物を芳香族ポリイミド系重合体100重
    量部に対し10〜100重量部有する芳香族ポリイミド系重
    合体のフィルム状成形体であり、芳香族ポリイミド系重
    合体の分解温度以下の加熱処理温度下において、シラン
    カップリング剤存在下に上記金属酸化物となりうる金属
    アルコキシドまたはその部分縮合物と芳香族ポリイミド
    系重合体あるいは、その前駆体であるポリアミック酸系
    重合体とを含む溶液ないしは分散液からなる溶媒組成物
    を金属酸化物が生成しうる加熱処理温度下でフィルム状
    にキャスト成形してなる金属酸化物含有芳香族ポリイミ
    ド系重合体成形物。
  2. 【請求項2】芳香族ポリイミド系重合体が一般式[I] (但し、式中Ar1より選ばれ;Ar2 より選ばれ;Rは炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ
    基、ハロゲンを示し;Xは単結合、−O−,−S−,−SO
    2−, 炭素数1〜6のアルキレン基、パーフルオロオアルキレ
    ン基のいずれかを示し;nは0〜2の整数を示す。) で表わされる繰返し単位を有する芳香族ポリイミド系重
    合体である特許請求の範囲第1項記載の成形物。
JP62029760A 1987-02-13 1987-02-13 芳香族ポリイミド系重合体成形物 Expired - Lifetime JPH0749523B2 (ja)

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