JPH0749358B2 - 高所作業車 - Google Patents

高所作業車

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JPH0749358B2
JPH0749358B2 JP34791891A JP34791891A JPH0749358B2 JP H0749358 B2 JPH0749358 B2 JP H0749358B2 JP 34791891 A JP34791891 A JP 34791891A JP 34791891 A JP34791891 A JP 34791891A JP H0749358 B2 JPH0749358 B2 JP H0749358B2
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hydraulic expansion
contraction
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rod
cylinder
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光宏 岸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速道路、高層建築の
建設、組立、塗装等のように高所での作業のために用い
られ、作業員や資材を上方に持ち上げたり、不要となっ
た資材を高い位置から積降ろしするために用いる高所作
業車に関し、特に、昇降台の揺れを少なくして昇降させ
ることのできる高所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路、高層ビル等の建築では、その
建設、組立、塗装の作業に昇降台を上下に昇降させる高
所作業車が多く用いられていた。また、高所にある信号
機や照明灯等の修理にも盛んに用いられていた。この高
所作業車では、昇降台に作業員、資材等を搭載させて持
ち上げたり、高所の作業現場から不要となった資材を積
み下ろす作業ができるものであった。
【0003】この従来の高所作業車においては、一対の
アームとその中央で軸着して1組とし、複数組アームを
上下方向に連結したパンタグラフ状の伸縮機構いわゆる
(シザースタイプ)が従来から盛んに用いられていた。
この機構おいて昇降台の最大上昇能力を高くするために
は、各組のアームの長さを長くするか、連結するアーム
の組数を多くしなければならないものであった。このた
め、上昇高さを高くできる昇降機構を設計するとなれ
ば、多数組のパンタグラフをもちいなければならないも
のであった。このような機構では、パンタグラフを折り
畳んだ状態での昇降機構の高さが高くなり、作業員が昇
降台に乗り降りしたり、資材を積込み、積降ろしする作
業が煩わしくなるものであった。
【0004】こういった欠点を解消するため、従来より
各種の提案がなされており、例えば英国特許38206
31号明細書のような構造も提案されている。この提案
された構造では、中段ブームの中にその中段ブームに対
して直線方向に移動できる下段ブームと上段ブームを抜
き差し自在に挿通しておき、下段ブームの下端の車体側
にピンで軸支し、上段ブームの上端をプラットホームに
ピンで軸支してX字形を構成するように組み立てられて
いる。この構造ではブーム自体の長さが長くなるため、
折り畳んだ状態の時、プラットホームの高さを低くでき
ると共に、プラットホームを高い位置に持ち上げること
が出来るものである。
【0005】しかしながら、この発明では中段ブームよ
り下段ブーム、上段ブームを伸ばす機構はスクリューと
これに噛み合うメネジによって構成されているため、中
段ブームに対する下段ブームと上段ブームの伸縮移動速
度が遅く、迅速にプラットホームを応動させることがで
きないものであった。また、各中段ブームの中央に設け
たスクリューによって下段ブームと上段ブームを摺動さ
せているため、下段ブームと上段ブームの全長は中段ブ
ームの長さの半分程度の長さしか設定することができな
いものである。このため、中段ブームから伸縮させる下
段ブーム、上段ブームの長さを中段ブームの半分程度の
長さしか設定させることができず、プラットホームをよ
り高く持ち上げることが出来ない欠点があった。
【0006】また、ブームの中に他のブームを挿入し、
伸縮させるブームの自体の全長を長くさせる構造も提案
されている。例えば、特許公開公報昭和53年1195
56号の図面中第4図においては、太い径の中段ブーム
に細い径の多段ブーム、上段ブームを挿通しておき、内
部に挿入したブームを中段ブームより引き出させること
でブームの全長を長くし、それによりプラットホームを
高く持ち上げる構造が提案されている。
【0007】しかしながら、この発明においては中段ブ
ームより引き出される下段ブームと上段ブームの間には
伸縮量を同期させる機構は無く、それぞれが個別に移動
するものであり、移動量はバーによるリンク機構によっ
て規制させるものである。このため、プラットホームを
水平に保持させたまま垂直方向に持ち上げることが出来
ず、目的とする垂直上方の位置に持ち上げることが出来
ないものであった。また、中段ブームに収納した下段ブ
ーム、上段ブームが伸縮する際に、それらの移動量の規
制はバーによって形成されたリンク機構によって行って
いるため、両者の移動量の完全な同期が不可能であっ
た。このため、下段ブームを車体に、上段ブームをプラ
ットホームにピン等により連結することができず、同期
させることができない誤差は車体及びプラットホームに
接触させたコロによって行わなければならないものであ
った。この構造のため、プラットホームはリンク機構に
よる転動をそのまま受け、揺れやすい構造となり、風等
によって容易に揺動して極めて不安定なものであり、作
業員に不安感を与えるものであった。
【0008】また、その図面中第4図において、X字形
となった中段ブームは外部に取り付けられた油圧シリン
ダーによって回動させられており、この中段ブームの回
動によって下段ブームと上段ブームが引き出される構成
が示されている。そして、上段ブームと下段ブームはそ
れぞれリンク機構によってその引き出し量が規制されて
いる。このため、油圧シリンダーの作動力は上段ブーム
と下段ブームに直進的に作用し、油圧シリンダーを最大
限に引き出した時に上段ブームと下段ブームの長さは中
段ブームの全長ほど引き出されない。従って伸長するブ
ーム全体の最大伸長長さを極めて長くすることは出来な
いものであった。
【0009】次に、その折り畳んだブームをその長さ方
向に渡って全長を伸ばす構成としては、例えば特願昭5
2年18492号のような構成も提案されている。
【0010】この構成では、車体の一部にアウトリガー
ボックスを水平に固定し、アウトリガーボックス内を隔
壁によって区分しておき、それぞれの収納室内にアウト
リガービームを摺動自在に挿通させたものであり、一方
の収納室内には作動シリンダーが収納させてある。そし
て、両アウトリガービームはロープによって連結されて
いる。この構成では作動シリンダーを作動させることに
よりアウトリガーボックス内よりアウトリガービームが
出没し、両アウトリガービームがそれぞれ反対方向に移
動することができ、アウトリガーボックス内より引き出
される各アウトリガービームはアウトリガーボックスの
長さ程度に伸長させることができものである。この構成
では、アウトリガービームをアウトリガーボックスから
長く引き出させるために効果的なものである。
【0011】しかし、この構成は車体を浮き上がらせて
地面に固定するためのアウトリガーのための構成が示さ
れているものであり、高所作業車にそのまま転用しても
昇降台を上下動させることが出来ないものであった。ま
た、この公報における図面記載中においては両アウトリ
ガービームの両端をそれぞれいずれの構造物にも連結さ
れておらず、単にアウトリガービームを左右水平方向に
対して自由に伸縮させるだけの構成が示されているに過
ぎないものである。
【0012】このような観点から、アームの内部に複数
のブームを伸縮自在に挿通し、1つのアームをその長さ
方向に伸長できるように構成した昇降機構も多数案出さ
れている。例えば、特願昭56年134487号、特願
昭56年191065等が挙げられる。
【0013】これらの新しく提案された昇降機構では、
3段となったブームがそれぞれその長さ方向に伸び、X
字形に中央が軸で連結された中段ブームが相互に回動す
ることにより側面から視て車体と昇降台がX字形になる
ように構成されるものである。この構造では下段ブーム
と上段ブームがそれぞれ中段ブームの長さ程度伸びるた
め、昇降台を高い位置にまで上昇させることができるも
のである。また、下段ブーム、上段ブームのそれぞれの
先端はピンによって車体または昇降台に連結させてある
ため、ガタツキが少なく、揺れに対して強固に保持する
ことができるものである。
【0014】このような複数段に伸縮できる伸縮ブーム
体を使用した昇降機構では、中段ブームより下段ブーム
及び上段ブームを伸縮させるためには、車体と中段ブー
ムの中央との間に介在された油圧シリンダーで中段ブー
ム自体を持ち上げるか、中段ブーム内に挿入させた油圧
シリンダーによって下段ブームもしくは上段ブームをそ
れぞれ押し出すことによって伸長させる構成が採られて
いた。
【0015】この構成では、中段ブームを持ち上げた
り、下段ブームと上段ブームを伸長させるために油圧シ
リンダーを必ず用いなければならないため、上段ブーム
と下段ブームの伸長量の同期を行わなければならないも
のである。この同期には、チェーンまたはワイヤー等で
構成された同調機構を設けなければならず、構成が複雑
となり、組立てが複雑となると共に、昇降機構自体の重
量がかさむむ欠点が生じていた。
【0016】このような欠点を解消するため、油圧伸縮
機構を油圧シリンダーに似た構成とし、構造が簡易な高
所作業車も提案されている。この新しい構造の高所作業
車を図1、図2により説明する。この図1は新しく提案
された高所作業車の昇降台を最大高さ位置に上昇させた
状態を背面から視た斜視図であり、図2は昇降台を最低
の高さに昇降台を下げた状態の背面図である。
【0017】先ず、これらの図において原動機、油圧発
生機構等を内蔵した車体1の下部の前後にはそれぞれ前
輪2、後輪3が軸支されている。この前輪2は左右に方
向を転換することができ、後輪3を駆動することで車体
1は自由にその位置を移動できるようになっている。こ
の車体1の上面にはX字形に組み立てられた昇降機構4
が連結してあり、この昇降機構4の上端には人や資材を
搭載するための昇降台5が連結してある。この昇降台5
の上面の周囲には作業員が落下しないように、作業員の
腰の高さ程度にパイプ製の手摺り6が固着してある。ま
た、手摺り6の前面には操作レバーやスイッチ等を収納
し、この高所作業車の全体の操作を行うための制御箱7
が固定してある。さらに、車体1の上面中央の左右には
ガススプリングで構成されて、常時上方に付勢されたキ
ック機構8が2組設けられている。
【0018】次に、前記昇降機構4は車体1の左右に配
置した2組の油圧伸縮機構11、12から構成されてい
る。これらの油圧伸縮機構11、12が一対に組み合わ
されてその中央で回転自在に連結され、X字形になるよ
うに構成されている。これらの油圧伸縮機構11と12
はその構造は全く同じであるが、油圧伸縮機構11と1
2の両者は構造上において上下に反転して配置させてあ
る。すなわち、油圧伸縮機構11では、下部に外径の大
きい太シリンダー13が、上部に外径の小さい細シリン
ダー14とが上下に組み合わせてある。両者は平行にな
るように配置され、それらの中央には四角い箱状をした
結合体18が挿通してあり、この結合体18と太シリン
ダー13、細シリンダー14とは溶接等によって一体と
なるように結合されている。また、太シリンダー13と
細シリンダー14の上下端においては、薄肉鋼板の補助
板を溶接してあり、両者が離れないように固着してあ
る。また、他方の油圧伸縮機構12では、上部に外径の
大きい太シリンダー15が、下部に外径の小さい細シリ
ンダー16とが上下に組み合わせてある。両者は平行に
なるように配置され、それらの中央には四角い箱状をし
た結合体19が挿通してあり、この結合体19と太シリ
ンダー15、細シリンダー16とは溶接等によって一体
となるように結合されている。また、太シリンダー15
と細シリンダー16の上下端においては、薄肉鋼板の補
助板を溶接してあり、両者が離れないように固着してあ
る。
【0019】そして、太シリンダー13の下端開口には
太ロッド20が摺動自在に挿入してあり、細シリンダー
14の上端開口にはには細ロッド21が摺動自在に挿入
してある。また、太シリンダー15の上端開口には太ロ
ッド22が摺動自在に挿入してあり、細シリンダー16
の下端開口には細ロッド23が摺動自在に挿入してあ
る。この構成によって、油圧伸縮機構11は太シリンダ
ー13と細シリンダー14によって太ロッド20、細ロ
ッド21がそれぞれ平行となり、反対方向に摺動するよ
うに組み立てられている。同様に、油圧伸縮機構12は
太シリンダー15と細シリンダー16によって太ロッド
22、細ロッド23がそれぞれ平行となり、反対方向に
摺動するように組み立てられている。こうして、油圧伸
縮機構11、12は油圧シリンダーに似た構造となって
いる。
【0020】さらに、結合体18の側面には水平方向に
突起したキックピン32が固着してあり、結合体19の
側面には水平方向に突起したキックピン33が固着して
ある。これらのキックピン32、33は前記キック機構
8の上端と接触し、昇降機構4の初期上昇を助けるもの
である。
【0021】この車体1の上面の前方(図1において左
側)には軸支体24が固着してあり、車体1の上面の後
部(図1において右側)には軸支体25が固着してあ
る。また、昇降台5の下面の前方には軸支体26が固着
してあり、昇降台5の下面の後方には軸支体27が固着
してある。これらの軸支体24、25、26、27はそ
れぞれ薄肉鋼板を折り曲げることで形成されており、や
や台形にブロック状の構造をしている。これらの軸支体
24と25の間隔と、軸支体26と27の間隔はほぼ同
一となるように設定してある。そして、この軸支体24
には太ロッド20の先端にある連結リングが挿入され、
太ロッド20と軸支体24はピン28によって回動自在
に連結されている。また、軸支体25には細ロッド23
の下端にある連結リングが挿入されて、細ロッド23と
軸支体25はピン29によって回動自在に連結されてい
る。同様に、軸支体26には太ロッド22の先端にある
連結リングが挿入されて、太ロッド22と軸支体26は
ピン30によって回動自在に連結されている。また、軸
支体27には細ロッド21の先端にある連結リングが挿
入され、細ロッド21と軸支体27はピン31によって
回動自在に連結されている。なお、軸支体24と軸支体
25は、車体1の中心軸に対して左右に偏位した位置に
固定してあり、軸支体26と軸支体27も同様に、昇降
台5の下面の中心軸に対して左右に偏位した位置に固定
されている。
【0022】この新しく提案された高所作業車では、太
シリンダー13、15、細シリンダー14、16から太
ロッド20、22、細ロッド21、23がそれぞれ同一
の伸長速度で押し出されると、昇降機構4はややX字形
の形状となって放射状に拡大する。しかし、各太ロッド
20、22、細ロッド21、23の先端が軸支体24、
25、26、27に連結されているため、水平方向への
移動は拘束されており、昇降機構4の拡大する力は上方
に向けられ、昇降台5は上方に持ち上げられることにな
る。各太シリンダー13、15、細シリンダー14、1
6に供給する圧力油の供給量を制御し、それぞれ適正な
圧力油で太ロッド20、22、細ロッド21、23の移
動量を同一にすることにより、油圧伸縮機構11、12
は相対的に反対方向に回動し、昇降台5は車体1の上方
に向けて垂直に持ち上げることができる。
【0023】この構成は、昇降機構4を構成する各部材
を油圧シリンダーに似た簡単な構成とすることができる
ので、部品点数が少なくなるために製造が容易となる特
徴がある。また、従来のように各ブームの移動量をチェ
ーン等で同期する必要が無くなるため、保守点検も容易
となる優れた特徴を持つものである。
【0024】しかしながら、この高所作業車では昇降機
構4が折り畳まれて、昇降台5が最下位置にあるとき
(図2で示す状態のとき)より昇降台5を持ち上げよう
とする際には各太シリンダー13、15、細シリンダー
14、16の応力だけでは初期動作ができない欠点があ
った。各太シリンダー13、15、細シリンダー14、
16が並列に配置された昇降台5が最下位置にある状態
では、太シリンダー13、15、細シリンダー14、1
6より押し出される太ロッド20、22、細ロッド2
1、23は一直線状に伸長することになる。しかし、太
ロッド20、22、細ロッド21、23の先端は軸支体
24、25、26、27に連結されているため、作用力
はこの軸支体24、25、26、27で押さえられ、昇
降台5を持ち上げる分力とはならないものであった。こ
のため、昇降機構4が初期の段階で上下からつぶれた変
形のX字形となるように、キック機構8により油圧伸縮
機構11、12を少し持ち上げる初期応動の力を与えな
ければならないものであった。
【0025】また、この構成において、図2に示すよう
に昇降台5が最下位置にある状態では、太シリンダー1
3、15、細シリンダー14、16のそれぞれが平行と
なって収納され、太シリンダー13、15、細シリンダ
ー14、16および太ロッド20、22、細ロッド2
1、23の軸線は平行となっている。もともと各太ロッ
ド20、22、細ロッド21、23はそれぞれ太シリン
ダー13、15、細シリンダー14、16に対して回転
できるように挿通してあり、しかも各軸線が平行に配列
されているため、各部材間に少しの遊びが存在すれば、
その遊びが累積して軸線の周方向に廻る自由度が発生す
ることになる。このため、昇降台5は非常に不安定な状
態で保持されることになる。この図2の状態で昇降台5
に作業員が搭乗して重心の位置を少しでも移動させる
と、昇降台5は太シリンダー13、15、細シリンダー
14、16の中央を揺動の軸芯とし、図2におけるYで
示す範囲でぐらぐらと揺れることになる。このような揺
れは搭乗した作業員にとって不安感をいだかせるととも
に、重心の移動によって昇降台5が傾斜すると、作業
員、資材が昇降台5より落下して極めて危険なものであ
った。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】このような昇降台5の
揺動の発生は高所作業車にとって致命的な欠陥であり、
昇降台5が低い位置であっても防止しなければならない
ものである。また、初期動作のためのキック機構は高所
作業車の構成部品を増加させ、保守、点検が煩雑となる
ものであるため、なるべくならば使用しない方が好まし
いものである。このような観点から、油圧シリンダーに
似た構成を採ることによって構成を簡易にしながら、昇
降台5を安定して保持し、しかもキック機構を不要とし
た高所作業車の開発が望まれていた。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、移動出来る車
体と、この車体に上方に位置して上下に昇降できる昇降
台と、車体と昇降台の間に介在されて上下に伸縮できる
昇降機構とを有する高所作業車において、昇降機構は少
なくとも一対の油圧伸縮機構から成り、各油圧伸縮機構
はそれぞれが逆方向にロッドを摺動できる一対のシリン
ダーを平行に配置して組立て、両油圧伸縮機構の中央を
回動自在に連結し、各油圧伸縮機構の一方のロッドを車
体に連結し、他方のロッドを昇降台に連結させ、昇降機
構をX字形となるように構成し、昇降台が最下位置の時
に下側の両ロッドの先端間を結ぶ直線より上方に両油圧
伸縮機構の回動中心を位置させるようにしたことを特徴
とする高所作業車を提供するものである。
【0028】
【作用】本発明では、昇降機構はX字形に組み合わされ
た一対の油圧伸縮機構によって構成され、各油圧伸縮機
構は油圧シリンダーに似た構成となっていて、構造が極
めて簡単となる。各油圧伸縮機構からは太ロッドと細ロ
ッドが上下に伸縮自在に挿入されており、太シリンダー
と細シリンダーの圧力断面積を同一に形成しているの
で、太ロッドと細ロッドの伸長量が同期することにな
る。また、昇降台が最下位置にある時にも各シリンダー
が直線状に並ばず、昇降機構はX字形を上下から押しつ
ぶした形状となっているので、各ロッドが伸長する作用
力は昇降台を持ち上げる分力となる。このため、初期動
作のためのキック機構が不要となり、油圧回路が簡単と
なる。また、昇降台を最下位置に降ろした場合であって
も、昇降機構の各シリンダーが並列に並ばないため、昇
降台は左右に揺動することなく強固に保持され、搭乗す
る作業員に不安感を懐かせない。
【0029】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。この実施例においては、図3は高所作業車の昇降台
を最大高さ位置に上昇させた状態を背面から視た斜視図
であり、図4は昇降台を最大高さに上昇させた状態の側
面図であり、図5は最低の高さに昇降台を下げた状態の
側面図であり、図6は最低の高さに昇降台を下げた状態
の背面図である。
【0030】先ず、これらの図において原動機、油圧発
生機構等を内蔵した車体41の下部の前後にはそれぞれ
前輪42、後輪43が軸支されている。この前輪42は
車体41を左右に方向を転換することができ、後輪43
を駆動することで車体41は自由にその位置を移動でき
るようになっている。この車体41の上面にはX字形に
組み立てられた昇降機構44が連結してあり、この昇降
機構44の上端には人や資材を搭載するための昇降台4
5が連結してある。この昇降台45の上面の周囲には作
業員が落下しないように、作業員の腰の高さ程度にパイ
プ製の手摺り46が固着してある。また、手摺り46の
前面には操作レバーやスイッチ等を収納し、この高所作
業車の全体の操作を行うための制御箱47が固定してあ
る。
【0031】次に、前記昇降機構44は水平方向の左右
に配置した2組の油圧伸縮機構51、52から構成され
ている。これらの油圧伸縮機構51、52が一対に組み
合わされてその中央で回転自在に連結され、X字形にな
るように構成されている。これらの油圧伸縮機構51と
52はその構造は全く同じであるが、油圧伸縮機構51
と52の両者は構造上において上下に反転して配置させ
てある。すなわち、油圧伸縮機構51では、下部に外径
の大きい太シリンダー53が、上部に外径の小さい細シ
リンダー54とが上下に組み合わせてある。両者は平行
になるように配置され、それらの中央には四角い箱状を
した結合体58が挿通してあり、この結合体58と太シ
リンダー53、細シリンダー54とは溶接等によって一
体となるように結合されている。また、太シリンダー5
3と細シリンダー54の上下端においては、薄肉鋼板の
補助板を溶接してあり、両者は離れないように固着され
ている。また、他方の油圧伸縮機構52では、上部に外
径の大きい太シリンダー55が、下部に外径の小さい細
シリンダー56とが上下に組み合わせてある。両者は平
行になるように配置され、それらの中央には四角い箱状
をした結合体59が挿通してあり、この結合体59と太
シリンダー55、細シリンダー56とは溶接等によって
一体となるように結合されている。また、太シリンダー
55と細シリンダー56の上下端においては、薄肉鋼板
の補助板を溶接してあり、両者は離れないように固着さ
れている。
【0032】そして、太シリンダー53の下端開口には
太ロッド60が摺動自在に挿入されており、細シリンダ
ー54の上端開口にはには細ロッド61が摺動自在に挿
入されている。また、太シリンダー55の上端開口には
太ロッド62が摺動自在に挿入されており、細シリンダ
ー56の下端開口には細ロッド63が摺動自在に挿入さ
れている。この構成によって、油圧伸縮機構51は太シ
リンダー53と細シリンダー54によって太ロッド6
0、細ロッド61がそれぞれ平行となり、反対方向に摺
動するように組み立てられている。同様に、油圧伸縮機
構52は太シリンダー55と細シリンダー56によって
太ロッド62、細ロッド63がそれぞれ平行となり、反
対方向に摺動するように組み立てられている。こうし
て、油圧伸縮機構51、52は油圧シリンダーに似た構
造となっている。
【0033】この車体41の上面には、前述した昇降機
構44の下半分を収めることのできる収納溝48が形成
してある。この収納溝48は、その断面形状がややコ字
形の溝状をしたものであり、車体41の上面でZ字形に
折れ曲がって配置してある。この収納溝48の幅は、前
記の外径の大きい太シリンダー53、59および結合体
58、59の水平断面が確実に収納できる程度の大きさ
に設定してある。また、収納溝48の内部には中央が盛
り上がり、台形状をした支持台49が固定してある。こ
の支持台49の上面には、昇降機構44の下面が接触す
るものであり、昇降台45が最下位置に下降した状態の
ときには、昇降機構44などはこの支持台49によって
保持されることになる。
【0034】この収納溝48の底であって、車体41の
前方(図3、図4、図5において左側)には軸支体64
が固着してあり、収納溝48の底であって、車体41の
後部(図3、図5、図5において右側)には軸支体65
が固着してある。また、昇降台45の下面の前方には軸
支体66が固着してあり、昇降台45の下面の後方には
軸支体67が固着してある。これらの軸支体64、6
5、66、67はそれぞれ薄肉鋼板を折り曲げることで
形成されており、やや台形にブロック状の構造をしてい
る。これらの軸支体64と65の間隔と、軸支体66と
67の間隔はほぼ同一となるように配置させてある。そ
して、この軸支体64には太ロッド60の先端にある連
結リングが挿入され、太ロッド60と軸支体64はピン
68によって回動自在に連結されている。また、軸支体
65には細ロッド63の下端にある連結リングが挿入さ
れて、細ロッド63と軸支体65はピン69によって回
動自在に連結されている。同様に、軸支体66には太ロ
ッド62の先端にある連結リングが挿入されて、太ロッ
ド62と軸支体66はピン70によって回動自在に連結
されている。また、軸支体67には細ロッド61の先端
にある連結リングが挿入され、細ロッド61と軸支体6
7はピン71によって回動自在に連結されている。な
お、軸支体64と軸支体65は、車体41の中心軸に対
して左右に偏位した位置に固定してあり、軸支体66と
軸支体67も同様に、昇降台45の下面の中心軸に対し
て左右に偏位した位置に固定されている。
【0035】次に、図7は前記昇降機構44を構成する
2組の油圧伸縮機構51、52の内の一方の油圧伸縮機
構51の内部の構造を示したものである。この油圧伸縮
機構51の断面構造は油圧伸縮機構52と同じである
が、他方の油圧伸縮機構52ではこの図7の構造を上下
に反転した構造となっている。そして、油圧伸縮機構5
2の構造の説明は省略してあるが、その構造は図7に示
す油圧伸縮機構51の構造と全く同一である。
【0036】この図7において、太シリンダー53、細
シリンダー54はそれぞれの軸線が平行となるように配
置されており、これらは箱状をした結合体58に貫通し
ていて、太シリンダー53、細シリンダー54の中央外
周は結合体58と溶接して固着されている。そして、太
シリンダー53の終端(図7において右側)には閉鎖キ
ャップ77が気密となるように噛み合わされており、細
シリンダー54の終端(図7において左側)にも閉鎖キ
ャップ78が気密となるようになるように噛み合わされ
ている。そして、閉鎖キャップ77の側面には、太シリ
ンダー53の内部と連通するポート79が設けてあり、
閉鎖キャップ78の側面には、細シリンダー54の内部
と連通するポート80が設けてある。
【0037】次に、太シリンダー53の先端(図7にお
いて左側)の周囲には補強のための補強パイプ81が巻
き付けてあり、細シリンダー54の先端(図7において
右側)の周囲にも補強のための補強パイプ82が巻き付
けてある。そして、補強パイプ81の側面には太シリン
ダー53の内部と連通するポート83が設けてあり、補
強パイプ82の側面には細シリンダー54の内部と連通
するポート84が設けてある。また、太シリンダー53
の先端には、その中央に開口を形成した摺動リング85
が気密に固着してあり、細シリンダー54の先端にも中
央が開口した摺動リング86が気密に固着してある。
【0038】そして、太シリンダー53の内部には、そ
の外径をこの太シリンダー53の内径とほぼ同一とした
ピストン87が摺動自在でかつ気密に挿入されており、
このピストン87によって太シリンダー53の内部が二
分されている。そして、摺動リング85の開口から太シ
リンダー53の内部に向けて、パイプ状をした太ロッド
60が摺動自在で気密に挿入されている。この太ロッド
60の終端にはネジが形成してあり、このネジをピスト
ン87の中央に開けた開口に挿通した後、このネジにナ
ット89をネジ込むことによってピストン87は太ロッ
ド60の終端に固着してある。このような構成により、
太シリンダー53は油圧シリンダーとほぼ同様の構造が
形成されている。なお、太ロッド60の先端には軸支体
64とピン連結するための連結リング91が嵌め込み固
着されている。
【0039】また、細シリンダー54の内部には、その
外径をこの細シリンダー54の内径とほぼ同一としたピ
ストン88が摺動自在でかつ気密に挿入されており、こ
のピストン88によって細シリンダー54の内部が二分
されている。そして、摺動リング86の開口から細シリ
ンダー54の内部に向けて、パイプ状をした細ロッド6
1が摺動自在でかつ気密に挿入されている。この細ロッ
ド61の終端にはネジが形成してあり、このネジをピス
トン88の中央に開けた開口に挿通した後、このネジに
ナット90をネジ込むことによってピストン88は細ロ
ッド61の終端に固着してある。このような構成によ
り、細シリンダー54は油圧シリンダーとほぼ同様の構
造が形成されている。なお、細ロッド61の先端には軸
支体65とピン連結するための連結リング92が嵌め込
み固着されている。
【0040】この油圧伸縮機構51における、太シリン
ダー53、細シリンダー54、太ロッド60の形状の関
係を示したのが図8である。この図8では、図7中にお
けるXーXの矢視断面を示すものである。この図8にお
いて、太シリンダー53の内周と太ロッド60の外周に
よって形成された空間の断面積Aは、細シリンダー54
の内周によって形成された空間の断面積Bと一致させて
ある。
【0041】次に、図9は前記図3における一対の油圧
伸縮機構51、52を回動自在かつ左右に外れないよう
に両者を連結するための回動機構75の内部構造を示し
たものである。
【0042】この回動機構75では、結合体58の内側
面には内部が円形に開口した外固定リング95が固着し
てあり、対応する結合体59の内側面には円筒形をした
内固定リング96が固着してある。この外固定リング9
5と内固定リング96はそれぞれ円筒形をしており、内
固定リング96の外径は外固定リング95の内径よりも
少し小さく設定してある。そして、内固定リング96の
先端には、その全体がキャップ状をしており、かつ外周
の端部が外方に向けてフランジ状に拡大した内キャップ
97が被せてある。この内キャップ97の外周には、例
えばMCナイロンのような滑り易い材料で形成した円筒
形の摺動体100を挿通してあり、この摺動体100の
内径は内キャップ97の外径とほぼ同一とし、その外径
は外固定リング95の内径とほぼ同一に設定してある。
そして、内キャップ97の側面には外径が摺動体100
の内径より少し大きい円盤形をした押え板98が密着さ
せてあり、内キャップ97、押え板98はボルト99に
よって内固定リング96に締め付け固定されている。ま
た、外固定リング95の側面には、その両終端を内側と
外側にそれぞれフランジ状に形成した円筒形状の外キャ
ップ101が密着させてあり、外キャップ101はボル
ト62によって外固定リング95にネジ止めされてい
る。この外キャップ101の内径は摺動体100の外径
とほぼ同一に設定してあり、摺動体100は内キャップ
97の外周終端で突起したフランジと、外固定リング9
5の側面と、外キャップ101の内周に形成したフラン
ジによって嵌め込まれている。この構造により、摺動体
100が滑りやすい材料で形成してあるので、内固定リ
ング96、内キャップ97、押え板98が同時に回転す
ると、外固定リング95、外キャップ101は相対的に
回転し、摺動体100が潤滑剤の作用をするため、外固
定リング95と内固定リング96にはそれぞれ遊びがな
く、円滑に摺動しながら連結することになる。
【0043】次に、図10は本実施例における昇降機構
44を組み立てた場合において、油圧伸縮機構51と5
2の間の油圧の配管接続の状況を示すものである。
【0044】この場合、油圧伸縮機構51の太シリンダ
ー53の圧力側のポート79は油圧回路に接続されるも
のであり、太シリンダー53の排出側のポート83には
油圧ホース108の一端が接続してある。また、油圧伸
縮機構52における細シリンダー56の圧力側のポート
104には前記油圧ホース108の他端が接続してあ
る。そして、油圧伸縮機構51の細シリンダー54の排
出側のポート84は油圧回路に接続されるものであり、
この細シリンダー54の圧力側のポート80には油圧ホ
ース109の一端が接続してある。また、油圧伸縮機構
52の太シリンダー55の圧力側のポート103は油圧
回路に接続されるものであり、この太シリンダー55の
排出側のポート105には前記油圧ホース109の他端
が接続してある。このような配管によって、昇降機構4
4が上下に、かつ垂直に伸長するための同期回路が形成
されている。
【0045】次に、図11は本実施例における油圧回路
である。
【0046】車体41に内蔵したモーター、エンジン等
の原動機112には油圧ポンプ111が接続してあり、
この油圧ポンプ111の吸引側には圧力油を貯留した油
タンク113を連通させてあり、油圧ポンプ111の吐
出側には三方に回路を切換える切換弁114を接続して
ある。この切換弁114の戻り側は前記油タンク113
に連通させてある。そして、切換弁114の一方にはポ
ート79と103が並列に接続してあり、切換弁114
の他方にはポート84と106が並列に接続してある。
そして、前述したようにポート80と105とは油圧ホ
ース109によって連結してあり、ポート83と104
は油圧ホース108によって連結してある。
【0047】次に、本実施例の作用に付いて説明する。
【0048】まず、この高所作業車を作動させるために
は、車体41に収納した原動機112をバッテリーある
いはガソリンにより始動し、原動機112によって油圧
ポンプ111を従動させる。この油圧ポンプ111が油
タンク113より圧力油を吸引し、高所作業車の各部に
圧力油を供給することで動作できることになる。この高
所作業車の動作を操作するには、昇降台45に搭乗した
作業員が制御箱47のレバー等を操作することによって
行われる。
【0049】まず、昇降台45を図5、図6のように最
下位置に降下した状態から、図3、図4のように昇降台
45を最大高さにまで伸長させるためには、切換弁11
4を「正側」に切換える。すると油圧ポンプ111から
供給された圧力油はそれぞれ油路を経由して、ポート7
9と103に同時に供給される。ポート79より太シリ
ンダー53の内部に供給された圧力油は図7におけるピ
ストン87を図中左方向に押動し、太ロッド60を摺動
リング85の開口から太シリンダー53の外部に押し出
す作用をする。同様に太シリンダー55内の太ロッド6
2にも押し出しの作用力が働く。このため、太ロッド6
0と62はそれぞれ同時に太シリンダー53、55より
押し出され、太シリンダー53と太ロッド60の全長、
および太シリンダー55と太ロッド62の全長は長くな
る。
【0050】このように、圧力油がポート79と103
に同時に供給されると、ピストン87が太シリンダー5
3、55内で移動するため、図7中で太シリンダー53
のピストン87で区切られた左側の空間に貯留していた
圧力油はポート83、105より同時に吐出される。こ
のポート83より吐出された圧力油は油圧ホース108
を介しポート104に伝えられ、細シリンダー56の圧
力側に供給される。また、ポート105から吐出された
圧力油は油圧ホース109を介してポート80に伝えら
れ、細シリンダー54の圧力側に供給される。この供給
された圧力油が細シリンダー54内のピストン88を図
7中で右側に移動させるため、細ロッド61、63は摺
動リング86の開口から細シリンダー54、56の外部
に押し出される。このため、細ロッド61、63はそれ
ぞれ同時に細シリンダー54、56より押し出され、細
シリンダー54と細ロッド61の全長、および細シリン
ダー56と細ロッド63の全長も長くなる。
【0051】すでに図8で示したように、太シリンダー
53、55における排出側の環状形をした空間の断面積
Aは細シリンダー54、56の圧力側の断面積Bと同じ
である。このため、各断面積A、Bに供給される油圧量
が同じであれば、太シリンダー53から押し出される太
ロッド60の移動量と、細シリンダー54から細ロッド
61が押し出される移動量が同一となる。同様に、太シ
リンダー55から押し出される太ロッド62の移動量
と、細シリンダー56から押し出される細ロッド63の
移動量とは一致することになる。すると、太シリンダー
53、55、細シリンダー54、56よりそれぞれ押し
出される太ロッド60、62、細ロッド61、63の移
動量は何れも同一となる。このような同期作用により、
油圧伸縮機構51、52は回動機構75を中心としてそ
れぞれ放射状に同一の伸長量で伸びることになる。
【0052】この初期の段階では、昇降機構44はその
下半分が収納溝48に収められた状態にあり、太シリン
ダー53と細シリンダー56の下面は支持台49の上面
に接触していて、X字形を上下からつぶしたような状態
で待機している。このため、太ロッド60と細ロッド6
1とが伸長し、太ロッド62と細ロッド61とが伸長す
る作用力は軸支体64と67の間隔、および軸支体6
5、66の間隔を拡大するように作動する。軸支体64
と65、軸支体66と67はそれぞれ車体41か昇降台
45に固定しているので、これらの間隔を拡大する水平
方向への応力は作用せず、軸支体66と67を上方に持
ち上げる分力となって作用する。このように、昇降台4
5はこれらの油圧伸縮機構51、52の分力の作用で車
体41から除々に上方に持ち上げられることになる。こ
のとき、回動機構75では、その中央に円筒形をした潤
滑性のある摺動体100が外固定リング95と内固定リ
ング96の間に挟み込ませてあるため、外固定リング9
5と内固定リング96はその周方向の回転を円滑に保持
させる。従って、油圧伸縮機構51と油圧伸縮機構52
は相対的に逆方向に回動し、油圧伸縮機構51と油圧伸
縮機構52がX字形を維持したまま伸長するのを妨げる
ことがない。
【0053】このように油圧伸縮機構51と油圧伸縮機
構52の作用により、両油圧伸縮機構51と52が最大
限に伸長すると昇降台45は最大高さに持ち上げられ、
図3、図4で示す状態まで上昇することになる。そし
て、細シリンダー54の排出側であるポート84から吐
き出された圧力油と、細シリンダー56の排出側から吐
き出された圧力油はそれぞれ切換弁114に戻り、油タ
ンク113によって回収される。
【0054】このような順序により、油圧伸縮機構5
1、52における太ロッド60と細ロッド61の両端の
間隔、及び太ロッド62と細ロッド63両端の間隔は、
太シリンダー53、55、細シリンダー54、56の長
さのほぼ三倍の長さに伸長することになる。この結果、
昇降台45は車体41よりも高い位置に持ち上げられる
ことになる。所定の高さまで昇降台45が持ち上げられ
たならば、作業員が切換弁114を「中立」の位置に復
帰させると、太シリンダー53、55の圧力側に供給さ
れた圧力油はその流動を停止し、昇降台45をその高さ
位置に維持することになる。この状態を維持すること
で、昇降台45に搭乗した作業員が高所における各種の
作業を行うことができる。
【0055】また、昇降台45を下降させるためには、
前述とは逆に切換弁114を「逆」側に切換え、圧力油
を細シリンダー54、56のポート84、106に供給
させる。すると、圧力油は前述とは逆の方向に流れ、ピ
ストン88を図7中において左方向に移動させ、細ロッ
ド61を細シリンダー54内に引き込める作用をする。
同様に、細ロッド63も細シリンダー56内に引き込め
られる。このピストン88の移動により、細シリンダー
54の図7中左側の空間にある圧力油はポート80より
排出される。このポート80から排出された圧力油は、
油圧ホース109、ポート105を介して太シリンダー
55の排出側の空間に供給され、同時にポート104か
ら排出された圧力油は油圧ホース108、ポート83を
介して太シリンダー53の排出側の空間に供給される。
このため、太ロッド60、62、細ロッド61、63は
それぞれ太シリンダー53、55、細シリンダー54、
56内に引き込まれる。そして、太ロッド60と細ロッ
ド61の先端間の距離、および太ロッド62と細ロッド
63の先端間の距離が縮小され、しかも、太ロッド6
0、62、細ロッド61、63の各移動量は同期するこ
とになる。すると、昇降機構44はX字形を保持したま
まその高さを縮小させ、昇降台45は車体41に向かっ
て除々に下降する。そして、最終的には太シリンダー5
3、細シリンダー56の下半分は収納溝48内に嵌め込
まれ、太シリンダー53、細シリンダー56の下面は支
持台49の上面と接触し、この支持台49によって昇降
機構44は支えられる。この図5、図6の状態が昇降台
45が最下位置に降下して収納溝48、支持台49によ
って昇降機構44が安定して保持されている状態を示す
ものである。
【0056】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、昇
降機構は油圧シリンダーに似た複数個の油圧伸縮機構で
構成することができ、構造が極めて簡単となる。そし
て、これらの太シリンダーと細シリンダーの圧力断面積
を同一とすることで、チェーン等の部材を使用せずとも
太ロッドと細ロッドの速度を同期させることができる。
また、昇降機構が最下位置に降下しても、油圧伸縮機構
51、52は上下からX字形をつぶした状態を維持して
おり、各ロッドの軸線が平行とならないために、昇降台
が左右方向に揺動することなく安定して保持される。ま
た、各ロッドがX字形を維持しているため、初期動作の
ためのキック機構が不要となり、各シリンダーに油圧を
供給するだけで昇降台を上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高所作業車の一例を示す斜視図である。
【図2】従来の高所作業車の昇降台を持ち上げた状態を
示す側面図である。
【図3】本発明の一実施例の高所作業車の全体を示す斜
視図である。
【図4】高所作業車の昇降台を最大高さ位置に持ち上げ
た状態を示す側面図である。
【図5】高所作業車の昇降台を最低高さ位置に降ろした
状態を示す側面図である。
【図6】高所作業車の昇降台を最低高さ位置に降ろした
状態を示す背面図である。
【図7】昇降機構を構成する1組の油圧伸縮機構の構造
を示す断面図である。
【図8】図7中における油圧伸縮機構のXーX矢視の断
面図である。
【図9】2組の油圧伸縮機構を連結するための回動機構
の縦断面図である。
【図10】2組の油圧伸縮機構の間での配管接続を示す
説明図である。
【図11】本実施例における昇降作用のための油圧回路
図である。 41 車体 44 昇降機構 45 昇降台 48 収納溝 49 支持台 51 油圧伸縮機構 52 油圧伸縮機構 53 太シリンダー 54 細シリンダー 55 太シリンダー 56 細シリンダー 58 結合体 59 結合体 60 太ロッド 61 細ロッド 62 太ロッド 63 細ロッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動出来る車体と、この車体に上方に位
    置して上下に昇降できる昇降台と、車体と昇降台の間に
    介在されて上下に伸縮できる昇降機構とを有する高所作
    業車において、昇降機構は少なくとも一対の油圧伸縮機
    構から成り、各油圧伸縮機構はそれぞれが逆方向にロッ
    ドを摺動できる一対のシリンダーを平行に配置して組立
    て、両油圧伸縮機構の中央を回動自在に連結し、各油圧
    伸縮機構の一方のロッドを車体に連結し、他方のロッド
    を昇降台に連結させ、昇降機構をX字形となるように構
    成し、昇降台が最下位置の時に下側の両ロッドの先端間
    を結ぶ直線より上方に両油圧伸縮機構の回動中心を位置
    させるようにしたことを特徴とする高所作業車。
  2. 【請求項2】 各油圧伸縮機構のシリンダーをそれぞれ
    太径と細径の形状に形成し、一方の油圧伸縮機構の太径
    のシリンダーから出没するロッドの先端を車体の一方に
    連結し、他方の油圧伸縮機構の細径のシリンダーから出
    没するロッドの先端を車体の他方に連結し、一方の油圧
    伸縮機構の細径のシリンダーから出没するロッドの先端
    を昇降台の他方に連結し、他方の油圧伸縮機構の太径の
    シリンダーから出没するロッドの先端を昇降台の一方に
    連結したことを特徴とする請求項1記載の高所作業車。
  3. 【請求項3】 各油圧伸縮機構の太径のシリンダーの排
    出側の断面積と細径のシリンダーの圧力側の断面積をほ
    ぼ同一とし、一方の油圧伸縮機構の太径のシリンダーの
    排出側と他方の油圧伸縮機構の細径のシリンダーを連通
    させ、他方の油圧伸縮機構の太径のシリンダーの排出側
    と一方の油圧伸縮機構の細径のシリンダーを連通させた
    ことを特徴とする請求項2記載の高所作業車。
  4. 【請求項4】 移動出来る車体と、この車体に上方に位
    置して上下に昇降できる昇降台と、車体と昇降台の間に
    介在されて上下に伸縮できる昇降機構とを有する高所作
    業車において、昇降機構は少なくとも一対の油圧伸縮機
    構から成り、各油圧伸縮機構はそれぞれが逆方向にロッ
    ドを摺動できる一対のシリンダーを平行に配置して組立
    て、両油圧伸縮機構の中央を回動自在に連結し、各油圧
    伸縮機構の一方のロッドを車体に連結し、他方のロッド
    を昇降台に連結させ、昇降機構をX字形となるように構
    成し、車体には昇降機構を収納できる溝状をした収納溝
    を形成し、両油圧伸縮機構の下方のロッドを収納溝の下
    部に連結したことを特徴とする高所作業車。
  5. 【請求項5】 移動出来る車体と、この車体に上方に位
    置して上下に昇降できる昇降台と、車体と昇降台の間に
    介在されて上下に伸縮できる昇降機構とを有する高所作
    業車において、昇降機構は少なくとも一対の油圧伸縮機
    構から成り、各油圧伸縮機構はそれぞれが逆方向にロッ
    ドを摺動できる一対のシリンダーを平行に配置して組立
    て、両油圧伸縮機構の中央を回動自在に連結し、各油圧
    伸縮機構の一方のロッドを車体に連結し、他方のロッド
    を昇降台に連結させ、昇降機構をX字形となるように構
    成し、車体の上面には昇降機構を支える支持台を固定し
    たことを特徴とする高所作業車。
  6. 【請求項6】 支持台は中央が隆起して山形状をしてお
    り、支持台の上面で各油圧伸縮機構の下部を支えるよう
    にしたことを特徴とする請求項5記載の高所作業車。
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