JPH05238684A - 高所作業車 - Google Patents

高所作業車

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JPH05238684A
JPH05238684A JP7838892A JP7838892A JPH05238684A JP H05238684 A JPH05238684 A JP H05238684A JP 7838892 A JP7838892 A JP 7838892A JP 7838892 A JP7838892 A JP 7838892A JP H05238684 A JPH05238684 A JP H05238684A
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JP
Japan
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hydraulic expansion
contraction
cylinder
rod
hydraulic
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JP7838892A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Kishi
光宏 岸
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Japanic Corp
Original Assignee
Japanic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速道路、高層建築の建設、組立、塗装等に
用いられ、作業員や資材を地上から上方に持ち上げた
り、不要となった資材を高い位置から積降ろしするため
に用いる高所作業車であり、油圧回路を昇降機構の内部
に収納させ、油圧ホースを不要にして、製造、保守を容
易にするよう改良している。 【構成】 移動出来る車体1と、この車体1に上方に位
置して上下に昇降できる昇降台5と、車体1と昇降台5
の間に介在されて上下に伸縮できる昇降機構4とを有す
る高所作業車において、昇降機構4は少なくとも一対の
油圧伸縮機構11、12から成り、各油圧伸縮機構1
1、12はそれぞれが逆方向にロッド20〜23を摺動
できる一対のシリンダーを平行に配置して組立て、各油
圧伸縮機構11、12の一方のロッド20、23を車体
1に連結し、他方のロッド21、22を昇降台5に連結
させて昇降機構4をX字形となるように構成し、車体1
に連結した側のロッド20、23を中空に形成し、この
ロッド20、23と油圧発生源121と連通させ、油圧
回路の一部に利用させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速道路、高層建築の
建設、組立、塗装等のように高所での作業のために用い
られ、作業員や資材を上方に持ち上げたり、不要となっ
た資材を高い位置から積降ろしするために用いる高所作
業車に関し、特に、昇降台を昇降させるための昇降機構
を全体を油圧シリンダーと似た簡易な構造で形成した高
所作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路、高層ビル等の建築では、その
建設、組立、塗装の作業に昇降台を上下に昇降させる高
所作業車が多く用いられていた。また、高所にある信号
機や照明灯等の修理にも盛んに用いられていた。この高
所作業車では、昇降台に作業員、資材等を搭載させて持
ち上げたり、高所の作業現場から不要となった資材を積
み下ろす作業ができるものであった。
【0003】この従来の高所作業車においては、一対の
アームとその中央で軸着して1組とし、複数組アームを
上下方向に連結したパンタグラフ状の伸縮機構いわゆる
(シザースタイプ)が従来から盛んに用いられていた。
この機構おいて昇降台の最大上昇能力を高くするために
は、各組のアームの長さを長くするか、連結するアーム
の組数を多くしなければならないものであった。このた
め、上昇高さを高くできる昇降機構を設計するとなれ
ば、多数組のパンタグラフをもちいなければならないも
のであった。このような機構では、パンタグラフを折り
畳んだ状態での昇降機構の高さが高くなり、作業員が昇
降台に乗り降りしたり、資材を積込み、積降ろしする作
業が煩わしくなるものであった。
【0004】こういった欠点を解消するため、従来より
各種の提案がなされており、例えば英国特許38206
31号明細書のような構造も提案されている。この提案
された構造では、中段ブームの中にその中段ブームに対
して直線方向に移動できる下段ブームと上段ブームを抜
き差し自在に挿通しておき、下段ブームの下端の車体側
にピンで軸支し、上段ブームの上端をプラットホームに
ピンで軸支してX字形を構成するように組み立てられて
いる。この構造ではブーム自体の長さが長くなるため、
折り畳んだ状態の時、プラットホームの高さを低くでき
ると共に、プラットホームを高い位置に持ち上げること
が出来るものである。
【0005】しかしながら、この発明では中段ブームよ
り下段ブーム、上段ブームを伸ばす機構はスクリューと
これに噛み合うメネジによって構成されているため、中
段ブームに対する下段ブームと上段ブームの伸縮移動速
度が遅く、迅速にプラットホームを応動させることがで
きないものであった。また、各中段ブームの中央に設け
たスクリューによって下段ブームと上段ブームを摺動さ
せているため、下段ブームと上段ブームの全長は中段ブ
ームの長さの半分程度の長さしか設定することができな
いものである。このため、中段ブームから伸縮させる下
段ブーム、上段ブームの長さを中段ブームの半分程度の
長さしか設定させることができず、プラットホームをよ
り高く持ち上げることが出来ない欠点があった。
【0006】また、ブームの中に他のブームを挿入し、
伸縮させるブームの自体の全長を長くさせる構造も提案
されている。例えば、特許公開公報昭和53年1195
56号の図面中第4図においては、太い径の中段ブーム
に細い径の多段ブーム、上段ブームを挿通しておき、内
部に挿入したブームを中段ブームより引き出させること
でブームの全長を長くし、それによりプラットホームを
高く持ち上げる構造が提案されている。
【0007】しかしながら、この発明においては中段ブ
ームより引き出される下段ブームと上段ブームの間には
伸縮量を同期させる機構は無く、それぞれが個別に移動
するものであり、移動量はバーによるリンク機構によっ
て規制させるものである。このため、プラットホームを
水平に保持させたまま垂直方向に持ち上げることが出来
ず、目的とする垂直上方の位置に持ち上げることが出来
ないものであった。また、中段ブームに収納した下段ブ
ーム、上段ブームが伸縮する際に、それらの移動量の規
制はバーによって形成されたリンク機構によって行って
いるため、両者の移動量の完全な同期が不可能であっ
た。このため、下段ブームを車体に、上段ブームをプラ
ットホームにピン等により連結することができず、同期
させることができない誤差は車体及びプラットホームに
接触させたコロによって行わなければならないものであ
った。この構造のため、プラットホームはリンク機構に
よる転動をそのまま受け、揺れやすい構造となり、風等
によって容易に揺動して極めて不安定なものであり、作
業員に不安感を与えるものであった。
【0008】また、その図面中第4図において、X字形
となった中段ブームは外部に取り付けられた油圧シリン
ダーによって回動させられており、この中段ブームの回
動によって下段ブームと上段ブームが引き出される構成
が示されている。そして、上段ブームと下段ブームはそ
れぞれリンク機構によってその引き出し量が規制されて
いる。このため、油圧シリンダーの作動力は上段ブーム
と下段ブームに直進的に作用し、油圧シリンダーを最大
限に引き出した時に上段ブームと下段ブームの長さは中
段ブームの全長ほど引き出されない。従って伸長するブ
ーム全体の最大伸長長さを極めて長くすることは出来な
いものであった。
【0009】次に、その折り畳んだブームをその長さ方
向に渡って全長を伸ばす構成としては、例えば特願昭5
2年18492号のような構成も提案されている。
【0010】この構成では、車体の一部にアウトリガー
ボックスを水平に固定し、アウトリガーボックス内を隔
壁によって区分しておき、それぞれの収納室内にアウト
リガービームを摺動自在に挿通させたものであり、一方
の収納室内には作動シリンダーが収納させてある。そし
て、両アウトリガービームはロープによって連結されて
いる。この構成では作動シリンダーを作動させることに
よりアウトリガーボックス内よりアウトリガービームが
出没し、両アウトリガービームがそれぞれ反対方向に移
動することができ、アウトリガーボックス内より引き出
される各アウトリガービームはアウトリガーボックスの
長さ程度に伸長させることができものである。この構成
では、アウトリガービームをアウトリガーボックスから
長く引き出させるために効果的なものである。
【0011】しかし、この構成は車体を浮き上がらせて
地面に固定するためのアウトリガーのための構成が示さ
れているものであり、高所作業車にそのまま転用しても
昇降台を上下動させることが出来ないものであった。ま
た、この公報における図面記載中においては両アウトリ
ガービームの両端をそれぞれいずれの構造物にも連結さ
れておらず、単にアウトリガービームを左右水平方向に
対して自由に伸縮させるだけの構成が示されているに過
ぎないものである。
【0012】このような観点から、アームの内部に複数
のブームを伸縮自在に挿通し、1つのアームをその長さ
方向に伸長できるように構成した昇降機構も多数案出さ
れている。例えば、特願昭56年134487号、特願
昭56年191065等が挙げられる。
【0013】これらの新しく提案された昇降機構では、
3段となったブームがそれぞれその長さ方向に伸び、X
字形に中央が軸で連結された中段ブームが相互に回動す
ることにより側面から視て車体と昇降台がX字形になる
ように構成されるものである。この構造では下段ブーム
と上段ブームがそれぞれ中段ブームの長さ程度伸びるた
め、昇降台を高い位置にまで上昇させることができるも
のである。また、下段ブーム、上段ブームのそれぞれの
先端はピンによって車体または昇降台に連結させてある
ため、ガタツキが少なく、揺れに対して強固に保持する
ことができるものである。
【0014】このような複数段に伸縮できる伸縮ブーム
体を使用した昇降機構では、中段ブームより下段ブーム
及び上段ブームを伸縮させるためには、車体と中段ブー
ムの中央との間に介在された油圧シリンダーで中段ブー
ム自体を持ち上げるか、中段ブーム内に挿入させた油圧
シリンダーによって下段ブームもしくは上段ブームをそ
れぞれ押し出すことによって伸長させる構成が採られて
いた。
【0015】この構成では、中段ブームを持ち上げた
り、下段ブームと上段ブームを伸長させるために油圧シ
リンダーを必ず用いなければならないため、上段ブーム
と下段ブームの伸長量の同期を行わなければならないも
のである。この同期には、チェーンまたはワイヤー等で
構成された同調機構を設けなければならず、構成が複雑
となり、組立てが複雑となると共に、昇降機構自体の重
量がかさむむ欠点が生じていた。
【0016】このため、昇降機構自体を少なくとも2つ
の油圧伸縮機構とし、各油圧伸縮機構は2本の油圧シリ
ンダーを互い違いに平行に組み立てた構造の高所作業車
も提案されている(例えば、特許出願平成3年第336
283号など)。この場合、油圧伸縮機構より上下にロ
ッドが伸長するため、油圧発生源を搭載した車体と各油
圧伸縮機構とは柔軟性のある高圧ホースで接続しておか
なければならないものであった。この高圧ホースはロッ
ドの伸縮によって移動するため、予め取回しのために余
裕を持たせて配置しておかねばならず、油圧伸縮機構が
縮小している状態ではこの高圧ホースが邪魔となるもの
であった。また、高圧ホースは比較的太い形状であり、
高所作業車の外部に露出してているため外観上から見栄
えが悪いものであった。そして、昇降台の上下に従っ
て、この高圧ホースは曲げられながら従動するため、材
料の疲労原因となって破断などの故障も生じやすいもの
であった。
【0017】さらに、車体の左右に2組の油圧伸縮機構
を配置しており、昇降台を垂直に上昇させるためには両
油圧伸縮機構の間で圧力油の流動を行って伸長量を同期
させなければならないものである。この同調のためには
左右の油圧伸縮機構の間を高圧ホースで接続しなければ
ならず、しかも、これらの高圧ホースは油圧伸縮機構の
回動で捩じれるように応力が加えられるものであった。
このような応力は高圧ホースの故障の原因となり、長期
の使用を妨げ、保守に手数が掛かる欠点となっていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】このように、各昇降機
構を油圧シリンダーに似た構造とすると、構成が極めて
単純となり、各油圧シリンダーのロッドにより昇降台を
持ち上げることで昇降の能力を向上させることができる
が、昇降機構を構成する複数の油圧伸縮機構と圧力油発
生源を長い高圧ホースで接続しなければならず、さら
に、両油圧伸縮機構間を同期のために高圧ホースで接続
しなければならない欠点も生じてきた。このような高圧
ホースの取回しは見栄えが悪いばかりか、長期の使用に
おいてゴムや樹脂が疲労し、定期的な保守、点検が必要
とされ、管理の面からも好ましいものではなかった。従
って、従来の高所作業車の欠点を改良した油圧シリンダ
ーに似た構成をとり、しかも、油圧伸縮機構と圧力発生
源の間、及び両油圧伸縮機構の間を結ぶ高圧ホースが不
要な高所作業車の開発が望まれていた。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、移動出来る車
体と、この車体に上方に位置して上下に昇降できる昇降
台と、車体と昇降台の間に介在されて上下に伸縮できる
昇降機構とを有する高所作業車において、昇降機構は少
なくとも一対の油圧伸縮機構から成り、各油圧伸縮機構
はそれぞれが逆方向にロッドを摺動できる一対のシリン
ダーを平行に配置して組立て、各油圧伸縮機構の一方の
ロッドを車体に連結し、他方のロッドを昇降台に連結さ
せて昇降機構をX字形となるように構成し、車体に連結
した側のロッドを中空に形成し、このロッドにより車体
上に搭載した油圧発生源と各油圧伸縮機構の間で圧力油
を流動させることを特徴とする高所作業車を提供するも
のである。
【0020】
【作用】本発明では、昇降機構はX字形に組み合わされ
た一対の油圧伸縮機構によって構成され、各油圧伸縮機
構は油圧シリンダーに似た構成となっていて、構造が極
めて簡単となる。各油圧伸縮機構からは太ロッドと細ロ
ッドが上下に伸縮自在に挿入されており、太シリンダー
と細シリンダーの圧力断面積を同一に形成しているの
で、太ロッドと細ロッドの伸長量が同期することにな
る。また、一対の油圧伸縮機構はその中央が回転自在に
連結されているので、両油圧伸縮機構はその中央でX字
形に回動し、車体と昇降台と油圧伸縮機構は側面から視
て全体がX字形となるように作動し、昇降台を常に水平
の状態を維持したまま垂直方向に上昇させることができ
る。そして、車体に接続した側のロッドを中空に形成
し、このロッドにより圧力油の供給、排出を行わせるこ
とができるので、高圧ホースを車体と油圧伸縮機構の間
で取り廻す必要が無くなる。このため、外部からは高圧
ホースが見えず外観が簡素となるばかりか、弛ませた高
圧ホースが無くなるので故障の原因が少なくなる。ま
た、複数の油圧伸縮機構の中央で両者を連結する回動導
通機構をスイベルジョイントに似た構成とし、油圧伸縮
機構を相対的に回動させながら、一方の油圧伸縮機構か
ら他方の油圧伸縮機構に圧力油を流動させることができ
るようにしてある。この回動導通機構により、従来のよ
うな高圧ホースを油圧伸縮機構の間に介在させる必要が
無くなり、高圧ホースを捩じるような無理な作用力が発
生しなくなり、保守、点検が容易となり、長期の使用が
可能となるものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。この実施例においては、図1は高所作業車の昇降台
を最大高さ位置に上昇させた状態を背面から視た斜視図
であり、図2は昇降台を最大高さに上昇させた状態の側
面図であり、図3は最低の高さに昇降台を下げた状態の
側面図であり、図4は最低の高さに昇降台を下げた状態
の背面図である。
【0022】先ず、これらの図において原動機、油圧発
生機構等を内蔵した車体1の下部の前後にはそれぞれ前
輪2、後輪3が軸支されている。この前輪2は左右に方
向を転換することができ、後輪3を駆動することで車体
1は自由にその位置を移動できるようになっている。こ
の車体1の上面にはX字形に組み立てられた昇降機構4
が連結してあり、この昇降機構4の上端には人や資材を
搭載するための昇降台5が連結してある。この昇降台5
の上面の周囲には作業員が落下しないように、作業員の
腰の高さ程度にパイプ製の手摺り6が固着してある。ま
た、手摺り6の前面には操作レバーやスイッチ等を収納
し、この高所作業車の全体の操作を行うための制御箱7
が固定してある。さらに、車体1の上面中央の左右には
ガススプリングで構成されて、常時上方に付勢されたキ
ック機構8が2組設けられている。
【0023】次に、前記昇降機構4は水平方向の左右に
配置した2組の油圧伸縮機構11、12から構成されて
いる。これらの油圧伸縮機構11、12が一対に組み合
わされてその中央で回転自在に連結され、X字形になる
ように構成されている。これらの油圧伸縮機構11と1
2はその構造は全く同じであるが、油圧伸縮機構11と
12の両者は構造上において上下に反転して配置させて
ある。すなわち、油圧伸縮機構11では、下部に外径の
大きい太シリンダー13が、上部に外径の小さい細シリ
ンダー14とが上下に組み合わせてある。両者は平行に
なるように配置され、それらの中央には四角い箱状をし
た結合体18が挿通してあり、この結合体18と太シリ
ンダー13、細シリンダー14とは溶接等によって一体
となるように結合されている。また、太シリンダー13
と細シリンダー14の上下端においては、薄肉鋼板の補
助板を溶接してあり、両者は離れないように固着されて
いる。また、他方の油圧伸縮機構12では、上部に外径
の大きい太シリンダー15が、下部に外径の小さい細シ
リンダー16とが上下に組み合わせてある。両者は平行
になるように配置され、それらの中央には四角い箱状を
した結合体19が挿通してあり、この結合体19と太シ
リンダー15、細シリンダー16とは溶接等によって一
体となるように結合されている。また、太シリンダー1
5と細シリンダー16の上下端においては、薄肉鋼板の
補助板を溶接してあり、両者は離れないように固着され
ている。
【0024】そして、太シリンダー13の下端開口には
太ロッド20が摺動自在に挿入されており、細シリンダ
ー14の上端開口にはには細ロッド21が摺動自在に挿
入されている。また、太シリンダー15の上端開口には
太ロッド22が摺動自在に挿入されており、細シリンダ
ー16の下端開口には細ロッド23が摺動自在に挿入さ
れている。この構成によって、油圧伸縮機構11は太シ
リンダー13と細シリンダー14によって太ロッド2
0、細ロッド21がそれぞれ平行となり、反対方向に摺
動するように組み立てられている。同様に、油圧伸縮機
構12は太シリンダー15と細シリンダー16によって
太ロッド22、細ロッド23がそれぞれ平行となり、反
対方向に摺動するように組み立てられている。こうし
て、油圧伸縮機構11、12は油圧シリンダーに似た構
造となっている。
【0025】さらに、結合体18の側面には水平方向に
突起したキックピン32が固着してあり、結合体19の
側面には水平方向に突起したキックピン33が固着して
ある。これらのキックピン32、33は前記キック機構
8の上端と接触し、昇降機構4の初期上昇を助けるもの
である。
【0026】この車体1の上面の前方(図1、図2、図
3において左側)には軸支体24が固着してあり、車体
1の上面の後部(図1、図2、図3において右側)には
軸支体25が固着してある。また、昇降台5の下面の前
方には軸支体26が固着してあり、昇降台5の下面の後
方には軸支体27が固着してある。これらの軸支体2
4、25、26、27はそれぞれ薄肉鋼板を折り曲げる
ことで形成されており、やや台形にブロック状の構造を
している。これらの軸支体24と25の間隔と、軸支体
26と27の間隔はほぼ同一となるように配置させてあ
る。そして、この軸支体24には太ロッド20の先端に
ある連結リングが挿入され、太ロッド20と軸支体24
はピン28によって回動自在に連結されている。また、
軸支体25には細ロッド23の下端にある連結リングが
挿入されて、細ロッド23と軸支体25はピン29によ
って回動自在に連結されている。同様に、軸支体26に
は太ロッド22の先端にある連結リングが挿入されて、
太ロッド22と軸支体26はピン30によって回動自在
に連結されている。また、軸支体27には細ロッド21
の先端にある連結リングが挿入され、細ロッド21と軸
支体27はピン31によって回動自在に連結されてい
る。なお、軸支体24と軸支体25は、車体1の中心軸
に対して左右に偏位した位置に固定してあり、軸支体2
6と軸支体27も同様に、昇降台5の下面の中心軸に対
して左右に偏位した位置に固定されている。
【0027】次に、図5は前記昇降機構4を構成する一
方の油圧伸縮機構11の内部の構造を示したものであ
る。この図5において、太シリンダー13、細シリンダ
ー14はそれぞれの軸線が平行となるように配置されて
おり、これらは箱状をした結合体18に貫通していて、
太シリンダー13、細シリンダー14の中央外周は結合
体18と溶接して固着されている。そして、太シリンダ
ー13の終端(図5において右側)には閉鎖キャップ3
7が気密となるように噛み合わされており、細シリンダ
ー14の終端(図5において左側)にも閉鎖キャップ3
8が気密となるようになるように噛み合わされている。
そして、閉鎖キャップ37の側面には、太シリンダー1
3の内部と連通するポート39が固着してあり、閉鎖キ
ャップ38の側面には、細シリンダー14の内部と連通
するポート40が固着してある。
【0028】次に、太シリンダー13の先端(図5にお
いて左側)の周囲には補強のための補強パイプ41が巻
き付けてあり、細シリンダー14の先端(図5において
右側)の周囲にも補強のための補強パイプ42が巻き付
けてある。そして、補強パイプ41の側面には太シリン
ダー13の内部と連通するポート43が固着してあり、
補強パイプ42の側面には細シリンダー14の内部と連
通するポート44が固着してある。また、太シリンダー
13の先端には、その中央に開口を形成した摺動リング
45が気密に固着してあり、細シリンダー14の先端に
も中央が開口した摺動リング46が気密に固着してあ
る。
【0029】そして、太シリンダー13の内部には、そ
の外径をこの太シリンダー13の内径とほぼ同一とした
ピストン47が摺動自在でかつ気密に挿入されており、
このピストン47によって太シリンダー13の内部が二
分されている。そして、摺動リング45の開口から太シ
リンダー13の内部に向けて、パイプ状をした太ロッド
20が摺動自在で気密に挿入されている。この太ロッド
20の終端には貫通ボルト49が固着してあり、この貫
通ボルト49をピストン47の中央に開けた開口に挿通
した後、貫通ボルト49にナット51をネジ込むことに
よってピストン47は太ロッド20の終端に固着してあ
る。また、貫通ボルト49の中央軸線には細径の導油穴
50が開口してあり、この導油穴50によって太シリン
ダー13の圧力室(図5中右側の部屋)と太ロッド20
の内部空間とは連通されている。また、前記太ロッド2
0はパイプ状をしており、その先端は閉鎖されており、
先端側面にはポート54が固着してあり、太ロッド2
0、導油穴50を介してポート54と太シリンダー13
の圧力室とが連通されている。このような構成により、
太シリンダー13は油圧シリンダーとほぼ同様の構造が
形成されている。なお、太ロッド20の先端にはピン連
結するための連結リング59が嵌め込み固着されてい
る。
【0030】また、細シリンダー14の内部には、その
外径をこの細シリンダー14の内径とほぼ同一としたピ
ストン48が摺動自在でかつ気密に挿入されており、こ
のピストン48によって細シリンダー14の内部が二分
されている。そして、摺動リング46の開口から細シリ
ンダー14の内部に向けて、パイプ状をした細ロッド2
1が摺動自在で気密に挿入されている。この細ロッド2
1の終端にはボルト52が固着してあり、このボルト5
2をピストン48の中央に開けた開口に挿通した後、ボ
ルト52にナット53をネジ込むことによってピストン
48は細ロッド21の終端に固着される。このような構
成により、細シリンダー14は油圧シリンダーとほぼ同
様の構造が形成されている。なお、細ロッド21の先端
にはピン連結するための連結リング60が嵌め込み固着
されている。
【0031】前記結合体18の側面には回動導通機構3
5が固定してあり、この回動導通機構35と前記ポート
39とは金属製の細パイプ状をした同期パイプ55で、
回動導通機構35と前記ポート40とは金属製の細パイ
プ状をした同期パイプ57で、回動導通機構35と前記
ポート43とは金属製の細パイプ状をした同期パイプ5
6で、回動導通機構35と前記ポート44とは金属製の
細パイプ状をした同期パイプ58でそれぞれ接続してあ
る(なお、この図5における同期パイプ55、56、5
7、58の位置は展開した状態で平面的に示してある
が、実際は図9に示すようにポート39、40、43、
44、同期パイプ55、56、57、58は図5におけ
る背面側に設置されている。この図5では、同期パイプ
55、56、57、58と回動導通機構35の説明のた
めに、中央部は断面で示してあり、左右両側は展開した
作図となっている)。
【0032】次に、図6は前記昇降機構4を構成する他
方の油圧伸縮機構12の断面構造を示すものであり、図
5における油圧伸縮機構11の構造を上下に反転した構
造となっている。このため、油圧伸縮機構12では、太
シリンダー15が上側となり、細シリンダー16が下側
となっている。
【0033】この図5において、太シリンダー15、細
シリンダー16はそれぞれの軸線が平行となるように配
置されており、これらは箱状をした結合体19に貫通し
ていて、太シリンダー15、細シリンダー16の中央外
周は結合体19に溶接して固着されている。そして、太
シリンダー15の終端(図6において右側)には閉鎖キ
ャップ61が気密となるように噛み合わされており、細
シリンダー16の終端(図6において左側)にも閉鎖キ
ャップ62が気密となるようになるように噛み合わされ
ている。そして、閉鎖キャップ61の側面には、太シリ
ンダー15の内部と連通するポート63が固着してあ
り、閉鎖キャップ62の側面には、細シリンダー16の
内部と連通するポート64が固着してある。
【0034】次に、太シリンダー15の先端(図6にお
いて左側)の周囲には補強のための補強パイプ65が巻
き付けてあり、細シリンダー16の先端(図6において
右側)の周囲にも補強のための補強パイプ66が巻き付
けてある。そして、補強パイプ65の側面には太シリン
ダー15の内部と連通するポート67が固着してあり、
補強パイプ66の側面には細シリンダー16の内部と連
通するポート68が固着してある。また、太シリンダー
15の先端には、その中央に開口を形成した摺動リング
69が気密に固着してあり、細シリンダー16の先端に
も中央が開口した摺動リング70が気密に固着してあ
る。
【0035】そして、太シリンダー15の内部には、そ
の外径をこの太シリンダー15の内径とほぼ同一とした
ピストン71が摺動自在でかつ気密に挿入されており、
このピストン71によって太シリンダー15の内部が二
分されている。そして、摺動リング69の開口から太シ
リンダー15の内部に向けて、パイプ状をした太ロッド
22が摺動自在で気密に挿入されている。この太ロッド
22の終端にはボルト73が固着してあり、このボルト
73をピストン71の中央に開けた開口に挿通した後、
ボルト73にナット74をネジ込むことによってピスト
ン71は太ロッド22の終端に固着してある。このよう
な構成により、太シリンダー15は油圧シリンダーとほ
ぼ同様の構造が形成されている。なお、太ロッド22の
先端にはピン連結するための連結リング82が嵌め込み
固着されている。
【0036】また、細シリンダー16の内部には、その
外径をこの細シリンダー16の内径とほぼ同一としたピ
ストン72が摺動自在でかつ気密に挿入されており、こ
のピストン72によって細シリンダー16の内部が二分
されている。そして、摺動リング70の開口から細シリ
ンダー16の内部に向けて、パイプ状をした細ロッド2
3が摺動自在で気密に挿入されている。この細ロッド2
3の終端にはボルト75が固着してあり、このボルト7
5をピストン72の中央に開けた開口に挿通した後、ボ
ルト75にナット76をネジ込むことによってピストン
72は細ロッド23の終端に固着されている。この細ロ
ッド23は長さ方向に導通したパイプ状をしており、そ
の下端(図6において右側)は閉鎖され、細ロッド23
の下端であって摺動リング70より外側には細ロッド2
3の内部と通じるポート84が固着してある。そして、
細ロッド23の先端の側面には細径の導油口77を開口
させてあり、細ロッド23、導油口77を介してポート
84と細シリンダー16の排出室(図6において細シリ
ンダー16の内部右側の空間)とが連通されている。こ
のような構成により、細シリンダー16は油圧シリンダ
ーとほぼ同様の構造が形成されている。なお、細ロッド
23の先端にはピン連結するための連結リング83が嵌
め込み固着されている。
【0037】前記結合体19の側面には回動導通機構3
5が固定してあり、この回動導通機構35と前記ポート
63とは金属製の細パイプ状をした同期パイプ78で、
回動導通機構35と前記ポート64とは金属製の細パイ
プ状をした同期パイプ80で、回動導通機構35と前記
ポート67とは金属製の細パイプ状をした同期パイプ7
9で、回動導通機構35と前記ポート68とは金属製の
細パイプ状をした同期パイプ81でそれぞれ接続してあ
る(なお、この図6における同期パイプ78、79、8
0、81の位置は展開した状態で平面的に示してある
が、実際は図9に示すようにポート63、64、67、
68、同期パイプ78、79、80、81は図6におけ
る背面側に設置されている。この図6では、同期パイプ
78、79、80、81と回動導通機構35の説明のた
めに、中央部は断面で示してあり、左右両側は展開した
作図となっている)。
【0038】次に、図7は、図5における前記油圧伸縮
機構11の太シリンダー13、細シリンダー14、太ロ
ッド20の形状の関係を示したものである。この図7で
は、図5中におけるXーXの矢視断面を示すものであ
る。この図7において、太シリンダー13の内周と太ロ
ッド20の外周によって形成された空間の断面積Aは、
細シリンダー14の内周によって形成された空間の断面
積Bと一致させておく。なお、油圧伸縮機構12の太シ
リンダー15、細シリンダー16、太ロッド22の形状
の関係も同様である。
【0039】次に、図8は前記図1における一対の油圧
伸縮機構11、12を回動自在かつ左右に外れないよう
に両者を連結するための回動導通機構35の内部構造を
示したものであり、この回動導通機構35は同時に圧力
油を油圧伸縮機構11から油圧伸縮機構12へ、あるい
は油圧伸縮機構12から油圧伸縮機構11へ供給させる
ことができるものであり、従来から油圧の供給機構に用
いられているスイベルジョイントと似た構成となってい
る。
【0040】この回動導通機構35では、結合体18の
内側面には内部が円形に開口した外固定リング体91が
固着してあり、結合体19の内側面には円筒形をした内
固定リング体92が固着してある。この外固定リング体
91と内固定リング体92はそれぞれ円筒形をしてお
り、内固定リング体92の外径は外固定リング体91の
内径よりも少し小さく設定してあり、外固定リング体9
1の開口に内固定リング体92を挿入することで両者は
相対的に回動できるようになっている。そして、外固定
リング体91の内周には4条の環油溝98、99、10
0、101が間隔を置いて形成してあり、内固定リング
体92の外周にも4条の環油溝94、95、96、97
が間隔を置いて形成してある。この内外の環油溝94〜
101の間隔は同一としてあり、環油溝98には環油溝
94が、環油溝99には環油溝95が、環油溝100に
は環油溝96が、環油溝101には環油溝97が対向す
るように配置してある。また、外固定リング体91には
この環油溝98と導通したポート110が固定してあ
る。同様に、外固定リング体91には、環油溝99と連
通するポート111が、環油溝100と連通するポート
112が、環油溝101と連通するポート113が固定
してある。
【0041】次に、内固定リング体92には環油溝94
と外周を結ぶ導油路103がL字形に穿孔してあり、導
油路103の末端には内固定リング体92の外周にある
ポート115が接続してある。同様に、内固定リング体
92には、環油溝95と外周を結ぶ導油路102が、環
油溝96と外周を結ぶ導油路105が、環油溝97と外
周を結ぶ導油路104がそれぞれL字形に穿孔してあ
る。この導油路102の末端は内固定リング体92の外
周にあるポート114に、導油路104の末端は内固定
リング体92の外周にあるポート116に、導油路10
5の末端は内固定リング体92の外周にあるポート11
7にそれぞれ接続してある。この構成により、ポート1
10は環油溝98、94、導油路103を介してポート
115と、ポート111は環油溝99、95、導油路1
02を介してポート114と、ポート112は環油溝1
00、96、導油路105を介してポート117と、ポ
ート113は環油溝101、97、導油路104を介し
てポート116とそれぞれ連通させられている。
【0042】なお、、内固定リング体92の側面にはリ
ング状をした押え板93がネジなどで固定してあり、こ
の押え板93の内周が外固定リング体91の先端に形成
したフランジに係合することにより、外固定リング体9
1と内固定リング体92はその周方向には回転するが左
右方向には外れないように保持している。また、外固定
リング体91と内固定リング体92との摺動面であっ
て、各環油溝94〜101の両側には両者を気密に保持
するためのパッキングが介在させてある。
【0043】次に、図9は本実施例における昇降機構4
を組み立てた場合において、油圧伸縮機構11と12の
間の配管接続の状況を示すものである。なお、この図9
においては、ポート39〜42、63、64、67、6
8は図示されていないが、ポート39〜42の位置は図
5、図8を参照し、ポート63、64、67、68の位
置は図6、図8を参照すると理解し易い。
【0044】この場合、油圧伸縮機構11の太ロッド2
0のポート39は油圧回路に接続してあり、太シリンダ
ー13の圧力側のポート39には同期パイプ55が、排
出側のポート43には同期パイプ56が接続してあり、
両同期パイプ55、56の終端は外固定リング体91に
接続してある。また、細シリンダー14の圧力側のポー
ト40には同期パイプ57が接続してあり、排出側のポ
ート44は同期パイプ58が接続してあり、両同期パイ
プ57、58の終端は外固定リング体91に接続してあ
る。そして、油圧伸縮機構12の細ロッド23のポート
84は油圧回路に接続してあり、細シリンダー16の圧
力側のポート64には同期パイプ80が接続してあり、
排出側のポート68には同期パイプ81が接続してあ
り、両同期パイプ80、81の終端は内固定リング体9
2に接続してある。また、太シリンダー15の圧力側の
ポート63には同期パイプ78が接続してあり、排出側
のポート67には同期パイプ67には同期パイプ79が
接続してあり、両同期パイプ78、79の終端は内固定
リング体92に接続してある。このような構成により、
外固定リング体91と内固定リング体92を介して、同
期パイプ55と同期パイプ78が連通し、同期パイプ5
6と同期パイプ80が連通し、同期パイプ57と同期パ
イプ79が連通し、同期パイプ58と同期パイプ81が
連通している。このような配管によって、昇降機構4が
上下に、かつ垂直に伸長するための同期回路が形成され
ている。
【0045】また、図10は図9で示した外固定リング
体91と内固定リング体92における結合関係を示すも
のである(それぞれの同期パイプ55〜58、78〜8
1の接続関係は図8を参照されると理解し易い)。
【0046】前記外固定リング体91の外周には同期パ
イプ55〜58が接続してあり、同期パイプ55には環
油溝96が、同期パイプ56には環油溝95が、同期パ
イプ57には環油溝98が、同期パイプ58には環油溝
97が連通させてある。そして、内固定リング体92の
外周には同期パイプ78〜81が接続してあり、同期パ
イプ78には環油溝96が、同期パイプ79には環油溝
94が、同期パイプ80には環油溝95が、同期パイプ
81には環油溝97が連通させてある。このため、外固
定リング体91と内固定リング体92はその周方向には
自由に回転することができ、同時に環油溝94〜97、
98〜101よって同期パイプ55〜58、及び同期パ
イプ78〜81の間で圧力油が自由に流通できるように
接続している。
【0047】次に、図11は本実施例における油圧回路
である。
【0048】車体1に内蔵した、モーター、エンジン等
の原動機122には油圧ポンプ121が接続してあり、
この油圧ポンプ121の吸引側には圧力油を貯留した油
タンク123を連通させてあり、油圧ポンプ121の吐
出側には三方に回路を切換える切換弁124を接続して
ある。切換弁124の戻り側は前記油タンク123に連
通させてある。そして、切換弁124の一方にはポート
54が接続してあり、切換弁124の他方にはポート8
4が接続してある。そして、前述したように回動導通機
構35によって、油圧伸縮機構11と12は同期パイプ
55〜58、78〜81により油圧回路を形成するよう
に接続されている。すなわち、太シリンダー13と15
の圧力側が並列に接続され、細シリンダー14と16の
排出側が並列に接続されている。また、太シリンダー1
3の排出側と細シリンダー16の圧力側が接続され、太
シリンダー15の排出側と細シリンダー14の圧力側が
接続されている。このようにして、回動導通機構35を
介して油圧伸縮機構11と12のそれぞれの太シリンダ
ー13、15、細シリンダー14、16の圧力側と排出
側の空間は相互に連通されている。
【0049】次に、本実施例の作用に付いて説明する。
【0050】まず、この高所作業車を作動させるために
は、車体1に収納した原動機122をバッテリーあるい
はガソリンにより始動し、原動機122によって油圧ポ
ンプ121を従動させる。この油圧ポンプ121が油タ
ンク123より圧力油を吸引し、高所作業車の各部に圧
力油を供給することで動作できることになる。この高所
作業車の動作を操作するには、昇降台5に搭乗した作業
員が制御箱7のレバー等を操作することによって行われ
る。
【0051】まず、昇降台5を図3のように最下位置に
降下した状態から、図2のように昇降台5を最大高さに
まで持ち上げるには、切換弁124を「正側」に切換え
る。すると油圧ポンプ121から供給された圧力油は油
路を経由して、ポート54に供給される。圧力油は太ロ
ッド20の内部空間を通過し、太ロッド20の先端にあ
る導油穴50より太シリンダー13の圧力側の部屋に供
給される。このため、図5におけるピストン47を図中
左方向に押動し、太ロッド20を摺動リング45の開口
から太シリンダー13の外部に押し出す作用をする。同
時に、圧力油はポート39より同期パイプ55に流れ、
ポート112、環油溝100、96、導油路105、ポ
ート117、同期パイプ78、ポート63を通過して太
シリンダー15の圧力側の部屋にも供給される。太シリ
ンダー15の圧力側に供給された圧力油は、ピストン7
1を図6中で左方向に押動し、太ロッド22を摺動リン
グ69の開口から太シリンダー15の外部に押し出す作
用をする。この太ロッド20、22の移動速度は、ピス
トン47、71の断面積が同一であれば、同一の速度と
なり、両者の伸長量は同期することになる。
【0052】このように、圧力油が太シリンダー13、
15に供給されると、ピストン47、71が太シリンダ
ー13、15内で移動するため、図5、図6中で太シリ
ンダー13、15のピストン47、71で区切られた左
側の空間に貯留していた圧力油はポート43、67より
同時に吐出される。先ず、ポート43より吐出された圧
力油は同期パイプ56に流動し、ポート111、環油溝
99、95、導油路102、ポート114、同期パイプ
80、ポート64を通過して、細シリンダー16の圧力
側の部屋に供給される。また、同時に、ポート67より
吐出された圧力油は同期パイプ79に流動し、ポート1
15、導油路103、環油溝94、98、ポート11
0、同期パイプ57、ポート40を通過して、細シリン
ダー14の圧力側の部屋に供給される。このため、細シ
リンダー14の内部にあるピストン53は図5中で右方
向に移動し、同時に細シリンダー16の内部にあるピス
トン72は図6中で右方向に移動することになる。各ピ
ストン53、72に連結した細ロッド21、23はそれ
ぞれ図5、図6中で右方向に移動し、細ロッド21、2
3は摺動リング46、70の開口から細シリンダー1
4、16の外部に押し出される。
【0053】このため、細ロッド21、23はそれぞれ
同時に細シリンダー14、16より押し出され、細シリ
ンダー14と細ロッド21の全長、および細シリンダー
16と細ロッド23の全長は長くなる。このピストン5
3の移動により、細シリンダー14の排出側にある空間
は縮小し、収納されていた圧力油はポート44より同期
パイプ58に流動し、ポート113、環油溝101、9
7、導油路104、ポート116、同期パイプ81、ポ
ート68を通過して、細シリンダー16の排出側の空間
に流入する。この細シリンダー16の排出側においても
ピストン72が図6中で右方向に移動しているため、こ
の内部にある圧力油と流入した圧力油は導油口77より
細ロッド23内に流入し、細ロッド23の内部を通過し
てポート84より外部に流出することになる。このポー
ト84より流出した圧力は油圧回路を通じて切換弁12
4より油タンク123に回収される。
【0054】さて、図7で示したように、太シリンダー
13、15における吐出側の環状形をした空間の断面積
Aは細シリンダー14、16の圧力側の断面積Bと同じ
である。このため、各断面積A、Bに供給される油圧量
が同じであれば、太シリンダー13から押し出される太
ロッド20の移動量と、細シリンダー14から細ロッド
21が押し出される移動量が同一となる。同様に、太シ
リンダー15から押し出される太ロッド22の移動量
と、細シリンダー16から押し出される細ロッド23の
移動量とは一致することになる。すると、太シリンダー
13、15、細シリンダー14、16よりそれぞれ押し
出される太ロッド20、22、細ロッド21、23の移
動量は何れも同一となる。このような連動により、油圧
伸縮機構11、12は回動導通機構35を中心としてそ
れぞれ放射状に同一の伸長量で伸びることになる。
【0055】しかしながら、図3に示すように、昇降台
5が最下位置にあるときには、油圧伸縮機構11と12
は平行に配置しており、太ロッド20、22、細ロッド
21、23は間隔を置いて平行に位置している。そし
て、太ロッド20、22、細ロッド21、23のそれぞ
れの先端は軸支体24、25、26、27に連結されて
いる。このため、油圧伸縮機構11と12に油圧が供給
され、太ロッド20、22、細ロッド21、23が太シ
リンダー13、15、細シリンダー14、16より押し
出されても、その作用力は軸支体24、25、26、2
7方向に与えられ、全ての伸長力が昇降台5を上昇させ
る作用力とはならない。しかし、初期作動では油圧伸縮
機構11と12が平行に位置しているが、太シリンダー
13、15、細シリンダー14、16の軸線が上下に離
れているので、この距離分が上方に向かう分力となって
作用し、昇降台5を持ち上げる作用をすることになる。
さらに、キック機構8は常時上方に付勢していて、キッ
ク機構8の上面にはそれぞれキックピン32、33が接
触しているため、キック機構8の付勢力でキックピン3
2、33及び油圧伸縮機構11と12を持ち上げるよう
に作用する。このようにして、太ロッド20、22、細
ロッド21、23から発生して上下方向の分力とキック
機構8の補助力の合計により、油圧伸縮機構11、12
は少し上方に持ち上げられ、上下から潰した変形のX字
形に変化する。このとき、回動導通機構35では、外固
定リング体91と内固定リング体92によって軸周の方
向には回転自在に組み合わせてあるため、結合体18と
19は相互に逆方向に自由に回動することができる。従
って、油圧伸縮機構11と油圧伸縮機構12は相対的に
逆方向に回動し、油圧伸縮機構11と油圧伸縮機構12
がX字形となるのを妨げることがない。
【0056】このように油圧伸縮機構11と油圧伸縮機
構12が少しX字形と変化すると、太シリンダー13、
15、細シリンダー14、16より押し出される太ロッ
ド20、22、細ロッド21、23の伸長力は上下方向
の分力となり、昇降台5を上方に持ち上げる作用をする
ことになる。こうして、昇降機構4を構成する油圧伸縮
機構11と油圧伸縮機構12は平行に折り畳んだ状態か
ら上下が潰れたX字形となり、次いでX字形に変化し、
昇降台5は最大に伸長して図1、図2で示す状態まで上
昇することになる。
【0057】このような順序により、油圧伸縮機構1
1、12における太ロッド20と細ロッド21の両端の
間隔、及び太ロッド22と細ロッド23の両端の間隔
は、太シリンダー13、15、細シリンダー14、16
の長さのほぼ三倍の長さに伸長することになる。この結
果、昇降台5は車体1よりも高い位置に持ち上げられる
ことになる。所定の高さまで昇降台5が持ち上げられた
ならば、作業員が切換弁124を「中立」の位置に保持
すると、太シリンダー13、15の圧力側に供給された
圧力油はその流動を停止し、昇降台5をその高さ位置に
維持することになる。この状態を維持することで、昇降
台5に搭乗した作業員が高所における各種の作業を行う
ことができる。
【0058】また、昇降台5を下降させるためには、前
述とは逆に切換弁124を「逆」側に切換え、圧力油を
ポート84に供給する。この圧力油は、細ロッド23の
内部を流動し、導油口77より細シリンダー16の排出
側に供給され、ピストン72を図6において左方向に移
動させる。流入した圧力油は、同時にポート68より前
述とは逆の流路を辿り、ポート44に伝えられて細シリ
ンダー14の排出側に供給され、ピストン48を図5中
で左方向に押動する。このピストン72、48の移動に
より、細ロッド23は細シリンダー16内に、細ロッド
21は細シリンダー14内に引き込められる。これらの
ピストン72、48の移動により、細シリンダー14、
16の図5中左側の空間にある圧力油はポート64、4
0より排出され、排出された圧力油は前述とは逆の流路
でポート43、67に供給される。このため、太ロッド
20、22はそれぞれ太シリンダー13、15内に引き
込まれることになる。こうして、太ロッド20と細ロッ
ド21の両端間の距離、および太ロッド22と細ロッド
23の両端間の距離が縮小され、しかも、断面積Aと断
面積Bが同一であることから、太ロッド20、22、細
ロッド21、23の移動量は同期することになる。する
と、昇降機構4はX字形を保持したままその高さを縮小
させ、昇降台5は車体1に向かって除々に下降する。そ
して、最終的にはキックピン32、33がキック機構8
の上端と接触し、昇降機構4はキック機構8を圧縮しな
がら、太シリンダー13、15、細シリンダー14、1
6が平行となる状態にまで折り畳まれる。こうして、図
2ののように昇降台5が伸長した状態から、図3に示す
ような昇降台5が車体1の上面に載置された状態に変化
して降下の動作を終了する。
【0059】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、昇
降機構は油圧シリンダーに似た複数個の油圧伸縮機構で
構成することができ、構造が極めて簡単となる。各油圧
伸縮機構に圧力油を供給あるいは排出する回路はロッド
に内部空間により行うことができるので、昇降機構の外
部に高圧ホースを取り廻す必要が無くなるので外観が簡
素になると共に製造、保守が簡易となる。また、各油圧
伸縮機構の間で両者を回動自在に連結する回動導通機構
は圧力油の流通を行うことができるので、この回動導通
機構を介して一方の油圧伸縮機構から他方の油圧伸縮機
構へ圧力油を供給することができる。さらに、この回動
導通機構を使用して各油圧伸縮機構間の圧力油の流動を
可能とすため、各油圧伸縮機構における油圧シリンダー
の同期を取り易くなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の高所作業車の全体を示す斜
視図である。
【図2】高所作業車の昇降台を最大高さ位置に持ち上げ
た状態を示す側面図である。
【図3】高所作業車の昇降台を最低高さ位置に降ろした
状態を示す側面図である。
【図4】高所作業車の昇降台を最低高さ位置に降ろした
状態を示す背面図である。
【図5】昇降機構を構成する一方の1組の油圧伸縮機構
の構造を示す断面図である。
【図6】昇降機構を構成する他方の1組の油圧伸縮機構
の構造を示す断面図である。
【図7】図5中における油圧伸縮機構のXーX矢視断面
図である。
【図8】2組の油圧伸縮機構を連結する回動導通機構を
示す縦断面図である。
【図9】2組の油圧伸縮機構を結ぶ配管の接続状況を示
す説明図である。
【図10】回動導通機構を分離して内部を示した分解斜
視図である。
【図11】本実施例における油圧回路図である。 1 車体 4 昇降機構 5 昇降台 11 油圧伸縮機構 12 油圧伸縮機構 13 太シリンダー 14 細シリンダー 15 太シリンダー 16 細シリンダー 18 結合体 19 結合体 20 太ロッド 21 細ロッド 22 太ロッド 23 細ロッド 35 回動導通機構 50 導油穴 54 ポート 55 同期パイプ 56 同期パイプ 57 同期パイプ 58 同期パイプ 77 導油口 78 同期パイプ 79 同期パイプ 80 同期パイプ 81 同期パイプ 84 ポート 91 外固定リング体 92 内固定リング体 94 環油溝 95 環油溝 96 環油溝 97 環油溝 98 環油溝 99 環油溝 100 環油溝 101 環油溝 102 導油路 103 導油路 104 導油路 105 導油路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動出来る車体と、この車体に上方に位
    置して上下に昇降できる昇降台と、車体と昇降台の間に
    介在されて上下に伸縮できる昇降機構とを有する高所作
    業車において、昇降機構は少なくとも一対の油圧伸縮機
    構から成り、各油圧伸縮機構はそれぞれが逆方向にロッ
    ドを摺動できる一対のシリンダーを平行に配置して組立
    て、各油圧伸縮機構の一方のロッドを車体に連結し、他
    方のロッドを昇降台に連結させて昇降機構をX字形とな
    るように構成し、車体に連結した側のロッドを中空に形
    成し、このロッドにより車体上に搭載した油圧発生源と
    各油圧伸縮機構の間で圧力油を流動させることを特徴と
    する高所作業車。
  2. 【請求項2】 移動出来る車体と、この車体に上方に位
    置して上下に昇降できる昇降台と、車体と昇降台の間に
    介在されて上下に伸縮できる昇降機構とを有する高所作
    業車において、昇降機構は少なくとも一対の油圧伸縮機
    構から成り、各油圧伸縮機構はそれぞれが逆方向にロッ
    ドを摺動できる一対のシリンダーを平行に配置して組立
    て、各油圧伸縮機構の一方のロッドを車体に連結し、他
    方のロッドを昇降台に連結させて昇降機構をX字形とな
    るように構成し、車体に連結した側のロッドを中空に形
    成し、このロッドにより車体上に搭載した油圧発生源と
    各油圧伸縮機構の間で圧力油を流動させ、両油圧伸縮機
    構の中央の間にはその周方向に回動自在で、かつ、一方
    の油圧伸縮機構から他方の油圧伸縮機構へ圧力油を流動
    させることのできる複数の油路を形成した回動導通機構
    を設けたことを特徴とする高所作業車。
  3. 【請求項3】 各油圧伸縮機構のシリンダーをそれぞれ
    太径と細径の形状に形成したことを特徴とする請求項
    1、2記載の高所作業車。
  4. 【請求項4】 各油圧伸縮機構のシリンダーをそれぞれ
    太径と細径の形状に形成し、一方の油圧伸縮機構の太径
    のシリンダーから出没するロッドの先端を車体の一方に
    連結し、他方の油圧伸縮機構の細径のシリンダーから出
    没するロッドの先端を車体の他方に連結し、一方の油圧
    伸縮機構の細径のシリンダーから出没するロッドの先端
    を昇降台の他方に連結し、他方の油圧伸縮機構の太径の
    シリンダーから出没するロッドの先端を昇降台の一方に
    連結したことを特徴とする請求項1、2記載の高所作業
    車。
  5. 【請求項5】 一方の油圧伸縮機構の太径のシリンダー
    の排出側と他方の油圧伸縮機構の細径のシリンダーの圧
    力側を回動導通機構の油路を介して接続し、他方の油圧
    伸縮機構の太径のシリンダーの排出側と一方の油圧伸縮
    機構の細径のシリンダーの圧力側を回動導通機構の油路
    を介して接続したことを特徴とする請求項4記載の高所
    作業車。
  6. 【請求項6】 一方の油圧伸縮機構の太径のシリンダー
    の圧力側と他方の油圧伸縮機構の太径のシリンダーの圧
    力側を回動導通機構の油路を介して接続し、一方の油圧
    伸縮機構の細径のシリンダーの排出側と一方の油圧伸縮
    機構の細径のシリンダーの排出側を回動導通機構の油路
    を介して接続したことを特徴とする請求項4記載の高所
    作業車。
  7. 【請求項7】 車体に連結した太径のシリンダーのロッ
    ドを介して油圧発生源とその太径のシリンダーの圧力側
    を連通させ、車体に連結した細径のシリンダーのロッド
    を介して油圧発生源とその細径のシリンダーの排出側を
    連通させたことを特徴とする請求項4、6記載の高所作
    業車。
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