JP3595652B2 - ブームの伸縮構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮自在に構成され、高所作業車等に取り付けられるブームの伸縮構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
高所作業車の車体上には、ブームが旋回・起伏自在に取り付けられている。この種のブームは、概して伸縮自在に構成されており、例えば、第1(基端)〜第3(先端)ブームを入れ子式に伸縮自在に構成してなる。第3ブームの先端には、作業者搭乗用の作業台が取り付けられ、ブームを適宜旋回、起伏、伸縮作動させて作業台を所望高所に移動し、作業台に搭乗した作業者により高所作業を行わせることができるようになっている。ところで、この種の高所作業車は、電線等の配電設備の工事等の高所作業に用いられることが多いため、第3ブームをFRP等の絶縁性部材から構成することにより、作業台(電線)側と車体(大地)側の電気的な絶縁を図り、安全に電線等の配電設備の工事等を行えるようにしている。
【0003】
このような構成では、第3ブーム(絶縁ブーム)が伸長して外側の絶縁部の長さが長くなるにつれて絶縁性が高まり安全性が向上する。ところが、従来では一般的にブームの伸縮作動は、第2ブームの第1ブームに対する伸縮および第3ブームの第2ブームに対する伸縮を同時、且つ同じ割合で行わせるようになっており、第3ブームを伸長させて高い絶縁性を得るためには、ブーム全体を大きく伸長させなければならない。このようなことから、第2ブームの第1ブームに対する伸縮と、第3ブームの第2ブームに対する伸縮を、別々の伸縮シリンダによって行わせるように構成し、それぞれの伸縮シリンダを伸縮制御することにより、第3ブームから伸長し、第3ブームが全伸長した後に第2ブームが伸長するように構成したものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、伸縮シリンダが複数取り付けられるため、
ブームが太くなったり、重量が増加するという問題がある。また、この場合、第3ブームの第2ブームに対する伸縮を行うためこれらに結合した伸縮シリンダが、第3ブーム内に固定されることになる。このため、作業台側と車体側の間における絶縁部の距離が短くなり、絶縁効率が低下するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、一本の伸縮シリンダを用いて、先端の絶縁ブームから順次伸長作動させることのできるブームの伸縮構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のブームの伸縮構造は、第1ブームと、この第1ブーム内に格納位置からブーム先端方向に伸長自在に取り付けられた第2ブームと、この第2ブーム内に格納位置からブーム先端方向に伸長自在に取り付けられた第3ブームとからなるブームの伸縮構造であり、第3ブーム内には、シリンダチューブ、このシリンダチューブにブーム基端側に伸長自在に設けられた基端側ロッド、このシリンダチューブにブーム先端側に伸長自在に設けられた先端側ロッドからなる伸縮シリンダが、基端側ロッドの伸側端部(先端部)が第1ブーム基端部に枢結され、ブーム先端側に延びて配設される。
【0007】
そして、先端側ロッドと第3ブームは、第1連結手段により連結され、シリンダチューブと第2ブームは、第2連結手段により連結される。これにより、先端側ロッドの伸縮作動により第3ブームが伸縮作動し、基端側ロッドの伸縮作動により第2ブームが伸縮作動するが、基端側ロッドの伸縮作動は、先端側ロッドが全伸長した状態においてのみ行われるようにその作動が制御される。
【0008】
このような構成によれば、先端側ロッドが全伸長しない限りは、基端側ロッドの伸縮作動が行われないので、伸長時には、初めに先端側ロッドが伸長作動し、先端側ロッドが全伸長した後に基端側ロッドが伸長作動する。縮小時には、先端側ロッドを全伸長させた状態のまま基端側ロッドが縮小作動し、基端側ロッドが格納位置に位置した後に先端側ロッドが縮小作動する。このため、第3ブームから順次伸長作動し、第2ブームから順次縮小作動する。
【0009】
そして、伸縮シリンダは、具体的には、油圧シリンダから構成し、先端側ロッドが、第1ボトム側油室および第1ロッド側油室に油が給排されて伸縮作動するように構成し、基端側ロッドが、第2ボトム側油室および第2ロッド側油室内に油が給排されて伸縮作動するように構成し、基端側ロッド内には、第1油路、第2油路および第3油路を形成し、この第1油路は、常時第2ロッド側油室に繋がり、第2および第3油路は、基端側ロッドが全縮小した状態においては、その一方が第1ボトム側油室に繋がるとともにその他方が第1ロッド側油室に繋がり、先端側ロッドが全伸長した状態においては、その両方が第2ボトム側油室に繋がるように構成することが好ましい。
【0010】
この場合、伸縮制御手段は、基端側ロッドが全縮小した状態において、第2油路および第3油路を介して第1ボトム側油室および第1ロッド側油室への作動油の給排を行って、先端側ロッドのみを伸縮作動させる。また、先端側ロッドが全伸長した状態において、第1油路と、第2油路または第3油路の一方とを介し、第2ボトム側油室および第2ロッド側油室への作動油の給排を行って、基端側ロッドのみを伸縮作動させる。
【0011】
このような構成によれば、基端側ロッドが全縮小しない限りは基端側ロッドが伸縮作動されないので、先端側ロッドの伸縮作動時には、確実に基端側ロッドを全縮小した状態とすることができる。また、先端側ロッドが全伸長しない限りは、基端側ロッドが伸縮作動されないので、基端側ロッドの伸縮作動時には、確実に先端側ロッドを全伸長した状態とすることができる。
【0012】
なお、第1連結手段は、具体的には、第2ブームの基端部に取り付けられた第1シーブと、第2ブームの先端部に取り付けられた第2シーブと、先端側ロッドの伸側端部に取り付けられてブーム基端部に延び、先端側ロッドの伸縮に伴ってシリンダチューブに沿ってスライド移動するスライド手段と、スライド手段のブームの基端側の端部に取り付けられた第3シーブと、先端側ロッドの伸側端部に取り付けられた第4シーブと、一端が第1ブームの基端部に結合され、第4シーブに掛け回されて延び、他端が第3ブームの基端部に結合される第1伸長用ワイヤと、一端が第1ブームの先端部に結合され、第1シーブ、第2シーブ、第3シーブにこの順に掛け回されて延び、他端が第3ブームの基端部に結合される第1縮小用ワイヤとから構成することが好ましい。なお、上記の先端側ロッドの伸側端部は、先端側ロッドの先端だけでなく、スライド手段におけるブームの先端側の端部も含む。
【0013】
第2連結手段は、シリンダチューブのブーム基端側の端部に取り付けられた第5シーブと、シリンダチューブのブーム先端側の端部に取り付けられた第6シーブと、
一端が第1シーブの基端部に結合され、第6シーブに掛け回されて延び、他端が第2ブームの基端部に結合される第2伸長用ワイヤと、一端が第1ブームの先端部に結合され、第5シーブに掛け回されて延び、他端が第2ブームの基端部に結合される第2縮小用ワイヤとから構成することが好ましい。
【0014】
このように構成した場合、第2および第3ブームをそれぞれ格納位置に位置させた状態からブームの伸長操作を行うと、まず、伸縮シリンダにおいて先端側ロッドが伸長作動し、第1伸長用ワイヤによってブーム先端側へ引っ張られて第3ブームのみが伸長作動する。そして、先端側ロッドが全伸長し、まず第3ブームが全伸長状態となる。この後、基端側ロッドが伸長作動してシリンダチューブがブーム先端側へ移動し、第2伸長用ワイヤによってブーム先端側へ引っ張られて第2ブームが伸長作動する。このとき、シリンダチューブの移動に伴って先端側ロッドもブーム先端側へ移動し、第1伸長用ワイヤに引っ張られて第2ブームの伸長量と同じだけ第3ブームが伸長するため、第2ブームは、第3ブームを全伸長させた状態のまま伸長作動する。
【0015】
このような状態から、ブームの縮小操作を行うと、まず、伸縮シリンダにおいて基端側ロッドが縮小作動してシリンダチューブがブーム基端側へ移動し、第2縮小用ワイヤによってブーム基端側へ引っ張られて第2ブームが縮小作動する。このとき、第1縮小用ワイヤに引っ張られて第2ブームの縮小量と同じだけ第3ブームが縮小するため、第2ブームは、第3ブームを全伸長させたまま縮小作動する。そして、基端側ロッドが全縮小し、まず第2ブームが格納状態となる。この後、先端側ロッドが縮小作動し、第1縮小用ワイヤによってブーム基端側へ引っ張られて第3ブームが縮小作動する。
【0016】
伸縮シリンダの非作動時においては、第1伸長用ワイヤおよび第1縮小用ワイヤにより、第3ブームの伸縮作動が規制され、第2伸長用ワイヤおよび第2縮小用ワイヤにより、第2ブームの伸縮作動が規制される。また、伸縮時においても、この第1伸長用ワイヤおよび第1縮小用ワイヤにより、伸縮シリンダの作動と無関係に第3ブームが伸縮することが規制され、第2伸長用ワイヤ及び第2縮小用ワイヤにより、伸縮シリンダの作動とは無関係に第2ブームが伸縮することが規制される。
【0017】
このような構成によれば、ブームを伸長させることにより、第3ブームが伸縮シリンダに対してブーム先端方向へ相対移動する。このため、伸縮シリンダを配設可能な限り大きく形成して、全縮状態におけるその全長を各ブーム長と同程度とした場合でも、これは、第3ブームのみが全伸長した状態においては第3ブーム内に半分程度しか残らず、ブーム全体が全伸長した状態となれば第3ブーム内にほとんど残らない。
【0018】
なお、上述した、第2油路および第3油路と、第1ボトム側油室および第1ロッド側油室、第2ボトム側油室との接続切換は、具体的には、以下のような構成により達成することができる。
【0019】
まず、第1ボトム側油室と第2ボトム側油室とを第4油路により繋げるとともに、この第4油路には第1チェックバルブを設け、第1ロッド側油室と第2ボトム側油室とを第5油路により繋げるとともに、この第5油路には第2チェックバルブを設ける。この第1および第2チェックバルブは、それぞれ、ポペットが第2ボトム側油室側に付勢されて弁が閉じ、弁が閉じた状態においては、ポペットが第2ボトム側油室内まで突出するように構成する。
【0020】
そして、基端側ロッドが全縮小した状態においては、ポペットにおける突出部が基端側ロッドに押し込められて弁が開き、第2油路が第4油路を介して第1ボトム側油室と繋がり、第3油路が第5油路を介して第1ロッド側油室と繋がるように構成する。また、先端側ロッドが全伸長した状態においては、第2および第3油路が第2ボトム側油室に繋がるようにする。この場合、上述したように、第2ボトム側油室に作動油が供給されるとともに第2ロッド側油室内の油が排出されることにより基端側ロッドが伸長する。このため、第2油路と第4油路、第3油路と第5油路における接続が、それぞれ解除されてポペットが第2ボトム側油室内に突出して弁が閉じることになり、第1および第2チェックバルブにより第1ボトム側油室および第1ロッド側油室内の油の流出が阻止されて先端側ロッドの全伸長状態が保持される。
【0021】
このような構成によれば、第2油路および第3油路と、第1ボトム側油室および第1ロッド側油室、第2ボトム側油室との接続切換が機械的に行われるので、確実である。
【0022】
なお、第3ブームを、絶縁性部材により構成すれば、各ブームを同時且つ均等に伸長させる場合と比較して、同一ブーム全長における外側の絶縁部の長さが長くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照して説明する。図14には、本発明の伸縮構造を有するブーム10を備えた高所作業車の構成を示している。図に示すように、この高所作業車の車体1上には、旋回台2が旋回自在に取り付けられている。この旋回台2の上部には、ブーム10が起伏自在に取り付けられており、起伏シリンダ4により起伏作動するように構成されている。ブーム10は、第1ブーム11、第2ブーム12、第3ブーム13からなり、これら3段のブームは入れ子式に伸縮自在に構成されている。第3ブーム13の先端には、垂直ポスト6が揺動自在に取り付けられており、この垂直ポスト6には、作業者搭乗用の作業台7が首振り(旋回)自在に取り付けられている。垂直ポスト6は、レベリングシリンダ8により常時垂直に保持されており、これにより作業台7が常時水平に保持されるようになっている。
【0024】
このような高所作業車によれば、作業台7に搭乗した作業者は操作装置9を操作して、ブーム10を適宜旋回、起伏、伸縮作動させて作業台7を所望高所に移動し、電線等の配電設備の工事等、高所作業を行うことができる。ここで、ブーム10は、本発明の伸縮構造を有しており、第3ブーム13から先に伸長作動し、第3ブーム13が全伸長した後に第2ブーム12が伸長作動するように構成されている。
【0025】
以下、このブーム10の伸縮構造について図1〜図4を加えて説明する。なお、図1〜図4においては、説明の都合上、各ブームの太さの比を実際よりも大きく示している。第1および第2ブーム11,12は、ともに金属製の中空の角柱状部材から構成されている。第3ブーム13は、作業台7(電線)側と車体1(大地)側の電気的な絶縁を図るために、FRP等の絶縁性部材からなる中空の角柱状部材から構成されている。なお、これら第1〜第3ブーム11〜13の全長は同程度となっている。
【0026】
作業を行わない状態においては、図1に示すように、第2ブーム12は、第1ブーム11に対して完全に縮小して格納位置に位置しており、第3ブーム13は、第2ブーム12に対して完全に縮小して格納位置に位置している。
【0027】
第3ブーム13内には、伸縮シリンダ(油圧シリンダ)20が配設されている。この伸縮シリンダ20は、シリンダチューブ21と、このシリンダチューブ21に対してブーム先端側に伸縮自在な先端側ロッド(シリンダロッド)22と、シリンダチューブ21に対してブーム基端側に伸縮自在な基端側ロッド(シリンダロッド)23とからなり、両ロッド22,23を完全に縮小した状態におけるその全長は、各ブーム11〜13と同程度となっている。
【0028】
先端側ロッド22の先端部(伸側端部)には、図4からもわかるように、連結板24の一方の端部が枢結している。この連結板24はブーム基端側に延び、その他端がスライド部材25に結合している。このスライド部材25はシリンダチューブ21に長手方向にスライド移動自在に取り付けられており、このスライド部材25は、先端側ロッド22の伸縮作動に伴って、スライド移動するようになっている。なお、これら連結板24およびスライド部材25が請求項のスライド手段に相当する。
【0029】
そして、この伸縮シリンダ20は、基端側ロッド23の先端(伸側端部)を、枢結ピン14を介して第1ブーム11の基端部に取り付け、先端側ロッド22側をブーム先端方向へ向けて配設されている。先端側ロッド22の先端部には、さらにガイドローラ15が取り付けられており、伸縮シリンダ20の伸縮時には、これが第3ブーム13内面に沿って転がり、ガイドをなすようになっている。なお、第3ブーム13の先端部内には、レベリングシリンダ8が揺動自在に取り付けられている。
【0030】
第2ブーム12におけるその基端部には、第1シーブ12aが回転自在に取り付けられており、先端部内には、第2シーブ12bが回転自在に取り付けられている。また、伸縮シリンダ20においてシリンダチューブ21のブーム基端側端部(図1における左側の端部)には、第5シーブ21aが回転自在に取り付けられており、シリンダチューブ21のブーム先端側端部(図1における右側の端部)には、第6シーブ21bが回転自在に取り付けられている。さらに、スライド部材25には、第3シーブ24aが回転自在に取り付けられており、先端側ロッド22の先端部には、第4シーブ24bが回転自在に取り付けられている。なお、第3シーブ24aは連結板24におけるブーム基端側の端部に取り付けてもよく、第4シーブ24bは連結板24におけるブーム先端側の端部に取り付けてもよい。
【0031】
第1ブーム11の基端部には、第1伸長用ワイヤ(以下、伸1ワイヤという)31aの一端および第2伸長用ワイヤ(以下、伸2ワイヤという)31bの一端が結合している。伸1ワイヤ31aの他端は、ブーム先端側(図1における右側)へ延び、第4シーブ24bに掛け回されてブーム基端側(図1における左側)へ延び、第3ブーム13の基端部に結合している。伸2ワイヤ31bの他端は、ブーム先端側へ延び、第6シーブ21bに掛け回されてブーム基端側へ延び、第2ブーム12の基端部に結合している。
【0032】
第1ブーム11の先端部には、第1縮小用ワイヤ(以下、縮1ワイヤという)32aの一端および第2縮小用ワイヤ(以下、縮2ワイヤという)32bの一端が結合している。縮1ワイヤ32aの他端は、ブーム基端側へ延び、第1シーブ12aに掛け回されてブーム先端側へ延び、第2シーブ12bに掛け回されてブーム基端側へ延び、第3シーブ24aに掛け回されてブーム先端側へ延び、第3ブーム13の基端部に結合している。
【0033】
縮2ワイヤ32bの他端は、ブーム基端側へ延び、第5シーブ21aに掛け回されてブーム先端側へ延び、第2ブーム12の基端部に結合している。なお、図において、伸ワイヤ31a,31bは、縮ワイヤ32a,32bと区別するために破線で示している。また、説明の都合上、各ワイヤがたるんで取り付けられているように示しているが、実際は各ワイヤはたるみのないように掛け回されている。
【0034】
このようなワイヤ掛け回し構成により、伸縮シリンダ20の伸縮作動によりブーム10が伸縮作動するようになっており、図6〜図11には、この伸縮シリンダ20の内部の概略構成およびこの伸縮シリンダ20への作動油の給排経路を示している。図に示すように、伸縮シリンダ20は、オイルポンプPから供給される作動油により作動するが、第1ソレノイドバルブ(以下、第1バルブという)60aまたは第2ソレノイドバルブ(以下、第2バルブという)60bにより油の経路が切り換えられてその伸縮作動が制御されるようになっている。
【0035】
図8からもわかるように、伸縮シリンダ20は、その内部が中間ブロック40により仕切られている。そのブーム先端側(図8における右側)は、先端側ロッド22のピストン22aにより第1ボトム側油室52aと第1ロッド側油室52bとに分けられており、そのブーム基端側(図8における左側)は、基端側ロッド23のピストン23aにより第2ボトム側油室53aと第2ロッド側油室53bとに分けられている。
【0036】
基端側ロッド23内には、第1ロッド内油路(第1油路)23b、第2ロッド内油路(第2油路)23c、第3ロッド内油路(第3油路)23dの3つの油路が形成されている。そして、第1バルブ60aから延びる油路61,62のうち、一方の油路61は、油路65、第2ロッド内油路23cを介して第2ボトム側油室53aに繋がっており、他方の油路62は第1ロッド内油路23bを介して第2ロッド側油室53bに繋がっている。油路61には、パイロットチェックバルブ61aが設けられ、油路62には、パイロットチェックバルブ62aが設けられている。これらは、いわゆるダブルパイロットチェックバルブを構成しており、チェックバルブ61aは油路62の油圧により弁が開くようになっており、チェックバルブ62aは油路61の油圧により弁が開くようになっている。
【0037】
また、第2バルブ60bから延びる油路63,64のうち、一方の油路63は、油路65、第2ロッド内油路23cを介して第2ボトム側油室53aに繋がっており、他方の油路64も第3ロッド内油路23dを介して第2ボトム側油室53aに繋がっている。油路63には、パイロットチェックバルブ63aが設けられ、油路64には、パイロットチェックバルブ64aが設けられている。これらは、いわゆるダブルパイロットチェックバルブを構成しており、チェックバルブ63aは油路64の油圧により弁が開くようになっており、チェックバルブ64aは油路63の油圧により弁が開くようになっている。
【0038】
中間ブロック40内には、チェックバルブ40a,40bが設けられており、チェックバルブ40aを介して、第2ボトム側油室53aが第1ボトム側油室52aに繋がっており、チェックバルブ40bを介して、第2ボトム側油室53aが第1ロッド側油室52bに繋がっている。
【0039】
図5に示すように、チェックバルブ40a,40bは、それぞれポペット41とスプリング42とからなり、通常時にはスプリング42によりブーム基端側に付勢されて弁が閉じ、油室52a,52b内の油の流出がそれぞれ阻止されるようになっている。両チェックバルブ40a,40bにおいて、ポペット41の先端(図5における左側の端部)は第2ボトム側油室53a内まで突出しており、この突出部41aの周囲における中間ブロック40のブーム基端側の端部(図5における左側の端部)には、オイルシール43が取り付けられている。
【0040】
ここで、上述した第2ロッド内油路23cにおける油室53a側の開口部位置は、チェックバルブ40aにおけるポペット41の突出部41aの位置に合うようになっており、第3ロッド内油路23dにおける油室53a側の開口部位置は、チェックバルブ40bにおけるポペット41の突出部41aの位置に合うようになっている。これにより、基端側ロッド23が全縮した状態においては(図7参照)、ピストン23aがオイルシール43に密着するとともにポペット41がピストン23aに押されてチェックバルブ40a,40bの両方が開放状態となり、第2ロッド内油路23cが第1ボトム側油室52aと繋がり、第3ロッド内油路23dが第1ロッド側油室52bと繋がるようになっている。
【0041】
したがって、基端側ロッド23が全縮した状態においては、図7に示すように、油路61および油路63は油路65を介して第1ボトム側油室52aに繋がり、油路64は第1ロッド側油室52bに繋がるようになっている。
【0042】
図12には、バルブ60a,60bの作動制御を行う装置構成を示しており、コントローラ71には、操作装置9からの操作信号、第1伸縮センサ72、第2伸縮センサ73からの信号が入力する。これらの信号に基づき、コントローラ71から、第1または第2バルブ60a,60bに作動信号が出力され、これらの作動が制御されるようになっている。
【0043】
ここで、第1伸縮センサ72は、第3ブーム13が第2ブーム12に対して全伸長した位置にあるか否かを検出するものであり、第2伸縮センサ73は、第2ブーム12が格納位置にあるか否かを検出するものである。なお、その検出方法としては、ブームの伸長位置を直接検出するようにしても、伸縮シリンダ20におけるロッド22,23の伸長状態からこれを検出するようにしてもどちらでもよい。
【0044】
ブーム10の伸縮構造は以上の構成からなり、次に、その作動について、まず、伸長作動から説明する。上述したように、作動前においては、図1に示すように、第2、第3ブーム12,13は、それぞれ格納位置に位置している。この状態においては、図6に示すように、第1、第2バルブ60a,60bはともに中立位置に位置している。基端側ロッド23は、全縮した状態となっており、チェックバルブ40a,40bの両方が開放状態となって、油路61および油路63は油路65を介して第1ボトム側油室52aに繋がり、油路64は第1ロッド側油室52bに繋がっている。
【0045】
油室52a内の油はパイロットチェックバルブ61a,63aにより、油室52b内の油はパイロットチェックバルブ64aにより止められているため、先端側ロッド22は全縮状態においてその伸縮が規制されている。また、第2ロッド側油室53b内の油は、パイロットチェックバルブ62aにより止められているため、基端側ロッド23はその伸長作動が規制され、基端側ロッド23は全縮状態で保持されている。
【0046】
伸縮シリンダ20の非作動時においては、伸1ワイヤ31aおよび縮1ワイヤ32aにより、第3ブーム13の伸縮作動が規制され、伸2ワイヤ31bおよび縮2ワイヤ32bにより、第2ブーム12の伸縮作動が規制されるため、ブーム10は、全縮状態においてその伸縮作動が規制されている(図1参照)。
【0047】
操作装置9を伸操作すると、操作信号がコントローラ71に入力し、第2バルブ60bに右動信号が出力され(図12参照)、図7に示すように、第2バルブ60bが右動する。このとき、第2ロッド側油室53b内の油はパイロットチェックバルブ62aにより止められているので、基端側ロッド23の全縮状態は保持されたままである。
【0048】
このため、チェックバルブ40a,40bが開放状態となっているので、オイルポンプPからの作動油は油路63、油路65、第2ロッド内油路23cを通って第1ボトム側油室52aに流入する。油路63の油圧により、パイロットチェックバルブ64aが開くので、第1ロッド側油室52b内の油は第3ロッド内油路23d、油路64を通ってタンクTに戻される。これにより、先端側ロッド22が伸長作動し、伸1ワイヤ31aによってブーム先端側へ引っ張られて第3ブーム13のみが伸長作動する(図1、図2参照)。
【0049】
さらに、伸操作を続行して、先端側ロッド22が、図7に示すように全伸長すると、第3ブーム13が第2ブーム12に対して全伸長した位置となる(図2参照)。すると、これが第1伸縮センサ72により検出され、この検出信号がコントローラ71に入力し、第2バルブ60bへの右動信号の出力が停止されるとともに第1バルブ60aへ右動信号が出力される(図12参照)。これにより、第2バルブ60bの右動が解除されてこれが中立位置に戻るとともに、第1バルブ60aが右動する(図8参照)。
【0050】
この場合、油路61の油圧によりパイロットチェックバルブ62aが開くので、オイルポンプPからの作動油は、油路61、油路65、第2ロッド内油路23cを通って第2ボトム側油室53aに流入し、ロッド側油室53b内の油は油路62を通ってタンクTに戻される。このとき、第1ボトム側油室52aおよびロッド側油室52b内の油は、チェックバルブ40a,40bによって止められているため、先端側ロッド22の全伸長状態が保持される。
【0051】
このため、先端側ロッド22を全伸長状態としたまま基端側ロッド23が伸長作動する。これにより、シリンダチューブ21がブーム先端側へ移動し、伸2ワイヤ31bによってブーム先端側へ引っ張られて第2ブーム12が伸長作動する。このとき、シリンダチューブ21の移動に伴って先端側ロッド22もブーム先端側へ移動し、伸1ワイヤ31aに引っ張られて第2ブーム12の伸長量と同じだけ第3ブーム13が伸長する。このため、第2ブーム12は、第3ブーム13を全伸長させた状態のまま伸長作動する(図2、図3参照)。そして、基端側ロッド23が、図8に示すように全伸長すると、第2ブーム12が第1ブーム11に対して全伸長し、ブーム10は、図3に示すように完全に伸長した状態となる。
【0052】
そして、操作装置9の伸操作を止めると、操作信号の入力が停止し、第1バルブ60aへの右動信号の出力が停止される(図12参照)。これにより、第1バルブ60aの右動が解除されてこれが中立状態となり、第1、第2バルブ60a,60bがともに中立状態となる(図9参照)。この状態においては、第2ボトム側油室53a内の油はパイロットチェックバルブ61a,63aにより、第2ロッド側油室53b内の油はパイロットチェックバルブ62aにより止められるため、基端側ロッド23の全伸長状態が保持される。このため、ブーム10は完全に伸長した状態で保持される。
【0053】
なお、上述した第2ブーム12の伸長作動時には、第2ボトム側油室53a内の圧力がブーム先端側の両油室52a,52b内の圧力よりも大きくなり、チェックバルブ40a,40bが開放状態となる可能性がある(図8参照)。しかし、この場合、第1両油室52a,52b内の圧力が第2ボトム側油室53a内の圧力と等しくなり、ピストン22a前後の面積差により先端側ロッド22には伸長方向に力が作用することになるため、その全伸長状態が保持される。
【0054】
ここで、ブーム10を伸長させることにより、第3ブーム13が伸縮シリンダ20に対してブーム先端方向へ相対移動し、伸縮シリンダ20は、図2に示す状態においては第3ブーム13内に半分程度しか残らず、図3に示す状態においては第3ブーム13内にほとんど残らない状態となる。このため、作業台7側に繋がるレベリングシリンダ8と、車体1側に繋がる伸縮シリンダ20との間の距離が長くなり、絶縁効率が向上する。
【0055】
さらに、第3ブーム13から伸長することにより、各ブームを同時且つ均等に伸長させる場合と比較して、同一ブーム全長における外側の絶縁部(第3ブーム)の長さが長くなり、安全性が高い。また、重量の重い第2ブーム12が、重量の軽い第3ブーム13が全伸長した後に伸長するので、同一ブーム全長におけるブーム10の重心位置が車体1の重心に近づくため、作業範囲を拡大することができる。
【0056】
次に、ブーム10の縮小作動について、図3に示すように全伸長した状態から縮小作動させる場合について説明する。まず、操作装置9を縮操作すると、操作信号がコントローラ71に入力し、第1バルブ60aに左動信号が出力され(図12参照)、図10に示すように、第1バルブ60aが左動する。この場合、油路62の油圧によりパイロットチェックバルブ61aが開くので、オイルポンプPからの作動油は、油路62、第1ロッド内油路23bを通って第2ロッド側油室53bに流入し、第2ロッド側油室53b内の油は、第2ロッド内油路23c、油路61を通ってタンクTに戻される。このとき、第1ボトム側油室52aおよびロッド側油室52b内の油は、チェックバルブ40a,40bによって止められているため、先端側ロッド22の全伸長状態が保持される。
【0057】
このため、先端側ロッド22を全伸長状態としたまま基端側ロッド23が縮小作動する。これにより、シリンダチューブ21がブーム基端側へ移動し、縮2ワイヤ32bによってブーム基端側へ引っ張られて第2ブームが縮小作動する。このとき、シリンダチューブ21の移動に伴って先端側ロッド22もブーム基端側へ移動し、縮1ワイヤ32aに引っ張られて第2ブーム12の伸長量と同じだけ第3ブーム13が縮小する。このため、第2ブーム12は、第3ブーム13を全伸長状態としたまま縮小作動する。(図2、図3参照)。
【0058】
さらに、縮操作を続行して、基端側ロッド23が、図10に示すように全縮小すると、第2ブーム12が格納位置に位置して格納状態となる(図2参照)。すると、これが第2伸縮センサ73により検出され、この検出信号がコントローラ71に入力し、第1バルブ60aへの左動信号の出力が停止されるとともに第2バルブ60bへ左動信号が出力される(図12参照)。これにより、第1バルブ60aの左動が解除されてこれが中立位置に戻るとともに、第2バルブ60bが左動する(図11参照)。
【0059】
このとき、第2ロッド側油室53b内の油はパイロットチェックバルブ62aにより止められているので、基端側ロッド23の全縮小状態は保持されたままである。このため、チェックバルブ40a,40bが開放状態となっているので、オイルポンプPからの作動油は油路64、第3ロッド内油路23dを通って第1ロッド側油室52bに流入する。油路64の油圧により、パイロットチェックバルブ63aが開くので、ボトム側油室52a内の油は第2ロッド内油路23c、油路65を通ってタンクTに戻される。
【0060】
これにより、先端側ロッド22が縮小作動し、縮1ワイヤ32aによってブーム基端側へ引っ張られて第3ブーム13が縮小作動する(図1、図2参照)。そして、先端側ロッド22が、図11に示すように全縮小すると、第3ブーム13が格納位置に位置し、ブーム10は、図1に示すように格納状態となる。
【0061】
途中でブーム10の伸縮作動を止めた場合、例えば第3ブーム13のみを伸縮作動させている途中でその伸縮作動が止められた場合には、図6に示す伸長前の状態と同様に、第1ボトム側油室52a内の油はパイロットチェックバルブ61a,63aにより、第1ロッド側油室52b内の油はパイロットチェックバルブ64aにより止められるため、先端側ロッド22はその伸長状態においてその伸縮が規制される。この状態においては基端側ロッド23の伸縮は規制されているため、ブーム10はその伸長状態において伸縮が規制される。
【0062】
第2ブーム12を伸縮作動させている途中でその伸縮作動が止められた場合には、図9に示す全伸長後の状態と同様に、第2ボトム側油室53a内の油はパイロットチェックバルブ61a,63aにより、第2ロッド側油室53b内の油はパイロットチェックバルブ62aにより止められるため、基端側ロッド23はその伸長状態においてその伸縮が規制される。この状態においては先端側ロッド22の伸縮は規制されているため、ブーム10はその伸長状態において伸縮が規制される。
【0063】
なお、伸縮時においては、伸1ワイヤ31aおよび縮1ワイヤ32aにより、伸縮シリンダ20の作動と無関係に第3ブームが伸縮することが規制され、伸2ワイヤ31bおよび縮2ワイヤ32bにより、伸縮シリンダ20の作動と無関係に第2ブーム12が伸縮することが規制される。
【0064】
なお、当該例においては、第1および第2バルブ60a,60bの作動制御により、伸縮シリンダ20の伸縮作動を制御するように構成したが、図13に示すように、第3〜第5バルブ60c〜60eの作動制御によりそれを行うように構成してもよい。この場合、油路61、油路62が第4バルブ60dに繋げられ、油路63、油路64が第5バルブ60eに繋げられ、これら第4および第5バルブ60d,60eは第3バルブ60cを介してオイルポンプP、タンクTに繋げられる。
【0065】
そして、第3バルブ60cは、操作装置9において、伸操作が行われると右動し、縮操作が行われると左動する。このとき、第2伸縮センサ72において第2ブーム12が格納位置に位置していることが検出されている場合には、第5バルブ60eが右動する。第1伸縮センサ71において第3ブーム13が全伸長した状態にあることが検出されている場合には、第4バルブ60dが右動する。このような構成によれば、第1および第2バルブ60a,60bの作動による油路の切換と同じように油路を切り換えることができ、同様に伸縮シリンダ20の伸縮作動を制御することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、本発明のブームの伸縮構造によれば、伸縮シリンダが、ブーム基端側に伸長自在な基端側ロッドと、ブーム先端側に伸長自在な先端側ロッドとを有して構成され、基端側ロッドの伸側端部が第1ブームの基端部に枢結され、先端側ロッドが第1連結手段により第3ブームに連結され、シリンダチューブが第2連結手段により第2ブームに連結されことにより、先端側ロッドの伸縮作動により第3ブームが伸縮作動し、基端側ロッドの伸縮作動により第2ブームが伸縮作動するように構成され、且つ基端側ロッドの伸縮作動が、先端側ロッドが全伸長した状態においてのみ行われるので、一本の伸縮シリンダの伸縮作動により、第3ブームから順次伸長作動させ、第2ブームから順次縮小作動させることができる。このため、複数の伸縮シリンダにより、ブームが太くなったり、重量が増加したりするといったことがない。
【0067】
さらに、第1および第2連結手段をワイヤ掛け回し構成にして、ブームの伸長に伴って第3ブームが伸縮シリンダに対してブーム先端方向へ相対移動するように構成することにより、ブーム伸長時には、大地に繋がる伸縮シリンダと電線側との間の絶縁部の距離が長くなり、絶縁効率が向上する。
【0068】
また、伸縮シリンダにおいて、基端側ロッド内に3つの油路を形成し、これらのうちの2つの油路は、基端側ロッドが全縮小した状態においては、先端側ロッド側の油室に繋がり、先端側ロッドが全伸長した状態においては、基端側ロッド側の油室に繋がるように構成することにより、先端側ロッドの伸縮作動時には、確実に基端側ロッドを全縮小した状態とすることができ、基端側ロッドの伸縮作動時には、確実に先端側ロッドを全伸長した状態とすることができる。また、これにより、この伸縮シリンダへの作動油の給排を行うための送油管は、基端側ロッドに接続すればよいことになるが、この基端側ロッドは第1ブームの基端部に枢結されており、伸縮シリンダの伸縮作動に伴って送油管の接続部が移動するといったことがないので、移動長さを考慮して送油管を長くする必要がない。さらに、この送油管は3本あればよいため、送油管の配設スペースを節約することができる。
【0069】
上記のような油路の接続切換は、先端側ロッド側の油室と基端側ロッド側の油室との間に設けられ、基端側ロッドが全縮小すると、この基端側ロッドにポペットが押し込められて弁が開くように構成されたチェックバルブを用いて行うことにより、機械的に行うことができ、確実である。
【0070】
なお、第3ブームが絶縁性部材により構成されていれば、第3ブームから伸長することによって、各ブームを同時且つ均等に伸長させる場合と比較して、同一ブーム全長における絶縁部の長さが長くなり、安全性が高まる。さらに、重量の重い第2ブームが、重量の軽い第3ブームが全伸長した後に伸長するので、各ブームを同時且つ均等に伸長させる場合と比較して、同一ブーム全長におけるブームの重心位置がブーム基端側に近づくため、作業範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伸縮構造を有するブーム10の構成を、格納状態で示す側断面図である。
【図2】図1のブーム10において、第3ブーム13を第2ブーム12に対して全伸長させた状態を示す側断面図である。
【図3】図1のブーム10において、第3ブーム13および第2ブーム12を全伸長させた状態を示す側断面図である。
【図4】本発明の伸縮構造を有するブーム10の構成を示す斜視図である。
【図5】伸縮シリンダ20における中間ブロック40近傍の構成を示す断面図である。
【図6】伸縮シリンダ20への作動油の給排系路を、伸縮操作が行われないで、伸縮シリンダ20が全縮した状態で示す油圧回路図である。
【図7】伸縮シリンダ20への作動油の給排経路を、伸長操作が行われ、先端側ロッド22が全伸長した状態で示す油圧回路図である。
【図8】伸縮シリンダ20への作動油の給排経路を、伸長操作が行われ、先端側ロッド22および基端側ロッド23が全伸長した状態で示す油圧回路図である。
【図9】伸縮シリンダ20への作動油の給排経路を、先端側ロッド22および基端側ロッド23が全伸長し、伸縮操作を止めた状態で示す油圧回路図である。
【図10】伸縮シリンダ20への作動油の給排経路を、縮小操作が行われ、図9の状態から基端側ロッド23が全縮小した状態で示す油圧回路図である。
【図11】伸縮シリンダ20への作動油の給排経路を、縮小作動が行われ、図10の状態から先端側ロッド22が全縮小した状態で示す油圧回路図である。
【図12】第1および第2ソレノイドバルブ60a,60bの作動制御を行う装置構成を示すブロック図である。
【図13】伸縮シリンダ20の伸縮作動制御を行うための他のソレノイドバルブ構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の伸縮構造を有するブーム10を備えた高所作業車の構成を示す側面図である。
【符号の説明】
10 ブーム
11 第1ブーム
12 第2ブーム
12a 第1シーブ
12b 第2シーブ
13 第3ブーム
20 伸縮シリンダ
21 シリンダチューブ
21a 第5シーブ
21b 第6シーブ
22 先端側ロッド
23 基端側ロッド
24 連結板(スライド手段)
24a 第3シーブ
24b 第4シーブ
25 スライド部材(スライド手段)
31a 第1伸長用ワイヤ
31b 第2伸長用ワイヤ
32a 第1縮小用ワイヤ
32b 第2縮小用ワイヤ
Claims (4)
- 第1ブームと、この第1ブーム内に格納位置からブーム先端方向に伸長自在に取り付けられた第2ブームと、この第2ブーム内に格納位置からブーム先端方向に伸長自在に取り付けられた第3ブームとからなるブームの伸縮構造であって、
シリンダチューブ、前記シリンダチューブにブーム基端側に伸長自在に設けられた基端側ロッド、前記シリンダチューブにブーム先端側に伸長自在に設けられた先端側ロッドからなり、前記基端側ロッドの伸側端部が前記第1ブーム基端部に枢結され、ブーム先端側に延びて前記第3ブーム内に配設された伸縮シリンダと、
前記先端側ロッドおよび前記第3ブームを連結する第1連結手段と、
前記シリンダチューブおよび前記第2ブームを連結する第2連結手段と、
前記先端側ロッドを伸縮作動させて前記第3ブームを伸縮作動させ、前記基端側ロッドを伸縮作動させて前記第2ブームを伸縮作動させ、前記基端側ロッドの伸縮作動は、前記先端側ロッドが全伸長した状態においてのみ行わせる伸縮制御手段とからなり、
前記伸縮シリンダが油圧シリンダからなり、
前記先端側ロッドが、第1ボトム側油室および第1ロッド側油室に油が給排されて伸縮作動するように構成され、前記基端側ロッドが、第2ボトム側油室および第2ロッド側油室内に油が給排されて伸縮作動するように構成され、
前記基端側ロッド内には、第1油路、第2油路および第3油路が形成され、前記第1油路は、常時前記第2ロッド側油室に繋がり、前記第2および第3油路は、前記基端側ロッドが全縮小した状態においては、その一方が前記第1ボトム側油室に繋がるとともにその他方が前記第1ロッド側油室に繋がり、前記先端側ロッドが全伸長した状態においては、両方が前記第2ボトム側油室に繋がるように構成されてなり、
前記伸縮制御手段は、
前記基端側ロッドが全縮小した状態において、前記第2油路および前記第3油路を介して前記第1ボトム側油室および前記第1ロッド側油室への作動油の給排を行って、前記先端側ロッドのみを伸縮作動させ、
前記先端側ロッドが全伸長した状態において、前記第1油路と、前記第2油路または第3油路の一方とを介し、前記第2ボトム側油室および前記第2ロッド側油室への作動油の給排を行って、前記基端側ロッドのみを伸縮作動させることを特徴とするブームの伸縮構造。 - 前記第1連結手段が、
前記第2ブームの基端部に取り付けられた第1シーブと、
前記第2ブームの先端部に取り付けられた第2シーブと、
前記先端側ロッドの伸側端部に取り付けられてブーム基端部に延び、前記先端側ロッドの伸縮に伴って前記シリンダチューブに沿ってスライド移動するスライド手段と、
前記スライド手段のブームの基端側の端部に取り付けられた第3シーブと、
前記先端側ロッドの伸側端部に取り付けられた第4シーブと、
一端が前記第1ブームの基端部に結合され、前記第4シーブに掛け回されて延び、他端が前記第3ブームの基端部に結合される第1伸長用ワイヤと、
一端が前記第1ブームの先端部に結合され、前記第1シーブ、前記第2シーブ、前記第3シーブにこの順に掛け回されて延び、他端が前記第3ブームの基端部に結合される第1縮小用ワイヤとからなり、
第2連結手段が、
前記シリンダチューブのブーム基端側の端部に取り付けられた第5シーブと、
前記シリンダチューブのブーム先端側の端部に取り付けられた第6シーブと、
一端が前記第1シーブの基端部に結合され、前記第6シーブに掛け回されて延び、他端が前記第2ブームの基端部に結合される第2伸長用ワイヤと、
一端が前記第1ブームの先端部に結合され、前記第5シーブに掛け回されて延び、他端が前記第2ブームの基端部に結合される第2縮小用ワイヤとからなることを特徴とする請求項1に記載のブームの伸縮構造。 - 前記第1ボトム側油室と前記第2ボトム側油室とが第4油路により繋げられるとともに、この第4油路には第1チェックバルブが設けられ、前記第1ロッド側油室と前記第2ボトム側油室とが第5油路により繋げられるとともに、この第5油路には第2チェックバルブが設けられ、
前記第1および第2チェックバルブは、それぞれ、ポペットが前記第2ボトム側油室側に付勢されて弁が閉じ、弁が閉じた状態においては、前記ポペットが前記第2ボトム側油室内まで突出するように構成されてなり、
前記基端側ロッドが全縮小した状態においては、前記ポペットにおける突出部が前記基端側ロッドに押し込められて弁が開き、前記第2油路が前記第4油路を介して前記第1ボトム側油室と繋がり、前記第3油路が前記第5油路を介して前記第1ロッド側油室と繋がり、
前記先端側ロッドが全伸長した状態においては、前記第2および第3油路が前記第2ボトム側油室側に繋がるとともに、前記第1および第2チェックバルブにより前記第1ボトム側油室および前記第1ロッド側油室内の油の流出が阻止されて前記先端側ロッドの全伸長状態が保持されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブームの伸縮構造。 - 前記第3ブームは、絶縁性部材からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のブームの伸縮構造。
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