JP4163886B2 - クレーンのフック水平移動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮ブームの伸縮動と起伏動の連動駆動により伸縮ブーム先端部から吊下げたフックブロックをブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるよう構成したクレーンのフック水平移動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、図2に基づきフック水平移動制御装置が装備されるクレーンの構成を、トラックの運転室後部位置に搭載され荷台等への荷物の積降し作業に用いられる車輌搭載型クレーンを例に説明する。
【0003】
当該車輌搭載型クレーンAは、図2に示す如くトラックの車輌フレーム(図示せず)上に搭載された基台1、当該基台1上に旋回自在に搭載した旋回ポスト2、当該旋回ポスト2の上部に起伏自在に枢支され基端側ブームセクション3a内に順次先端側ブームセクション3b,3cを伸縮自在に嵌挿した伸縮ブーム3、前記旋回ポスト2あるいは伸縮ブーム3基端部に取付けたウインチ装置4から繰出したワイヤロープ5によって当該伸縮ブーム先端部3dから巻上げ巻下げ自在に吊下げたフックブロック6、伸縮ブーム3の基端側ブームセクション3aと先端側ブームセクション3b間に介装され伸縮制御弁7からの制御油で駆動されて伸縮ブーム3を伸縮駆動する伸縮シリンダ8、及び起伏制御弁9からの制御油で駆動されて伸縮ブーム3を起伏駆動する起伏シリンダ10とで構成されている。なお、11は前記ウインチ装置4に圧油を給排して巻上げ巻下げ駆動するウインチ制御弁である。また、12は圧油を発生する油圧ポンプ、13は駆動圧を規制するリリーフ弁である。
【0004】
このように構成した車輌搭載型クレーンAは、フックブロック6に荷物を吊持した状態で旋回ポスト2を旋回駆動し、伸縮制御弁7を切換制御して伸縮ブーム3を伸縮駆動すると共に起伏制御弁9を切換制御して伸縮ブーム3を起伏駆動し、更にウインチ制御弁11を切換制御してウインチ装置4を巻上げ巻下げ駆動することで、フックフロック6を任意な位置に移動させ荷物の積降し作業を行うようになっている。
【0005】
ところで、この種のクレーンを用いた荷役作業の1つに、フックブロック6に吊持した荷物を伸縮ブーム3の伸縮あるいは起伏動により作業半径増減方向に移動させる作業がある。通常伸縮ブーム3を伸縮あるいは起伏動させた場合、ブーム先端部3dの変移に伴ってフックブロック6が昇降動(伸縮動の場合は図2一点鎖線図示、起伏動の場合は二点鎖線図示)する。この際フックブロック6が必要以上に上昇すれば周辺の作業者が危険となり、必要以上に下降すれば荷物が地面等に接触して損傷する恐れがある。このため、この種の荷役作業ではフックブロック6の吊下げ高さHをあまり変化させずに地面等に沿って略水平方向に移動させるのが望ましい(図2実線図示)。そして、このようなフックブロック6の移動制御を、一般にフック水平移動制御と呼んでいる。
【0006】
しかしながら、このように伸縮ブーム3の駆動に連動してフックブロック6を地面等に沿って略水平方向に移動させるためには、作業者が伸縮ブーム3の伸縮あるいは起伏動に連動してフックブロック6が略水平方向に移動するようウインチ装置4を駆動制御する必要があり、熟練した高度な操作技術が必要であった。このため、このような高度な操作技術を必要とする制御を自動化して一般の作業者でも容易に制御可能にしたフック水平移動制御装置が開発されていた(例えば、特公昭57-29394号公報記載の技術)。
【0007】
当該公報記載の技術は、図2に示す如く起伏制御弁9と起伏シリンダ10の2つの油室(起仰側油室10aと倒伏側油室10b)とを接続する油路9a,9bに夫々分流弁14a,14bを介装すると共に、起伏シリンダ10の起仰側油路9aに設けた分流弁14aの2次側をウインチ装置4の巻下げ側油路4aに、また起伏シリンダ10の倒伏側油路9bに設けた分流弁14bの2次側をウインチ装置4の巻上げ側油路4bに夫々接続し、更に当該両分流弁14a,14bの分流比率を伸縮ブーム3が起伏動した際にフックブロック6の吊下げ高さHが略一定で水平方向に移動する如き値に制御するよう構成している。なお、16は伸縮ブーム3のブーム長さLを検出するブーム長さ検出手段、17は伸縮ブーム3のブーム起伏角Θを検出するブーム起伏角検出手段、18はウインチ装置4から繰出されるワイヤロープ5の繰出長さWを検出するワイヤ繰出長さ検出手段、15はこれら各検出手段16,17,18が検出したブーム長さL、ブーム起伏角Θ、ワイヤ繰出長さWに基づき両分流弁14a,14bを所定の分流比率、すなわちフック水平移動制御を達成し得る比率に制御するためのコントローラである。
【0008】
このように構成した従来のフック水平移動制御装置は、起伏制御弁9を操作して伸縮ブーム3を起仰駆動すれば、分流弁14aが起伏制御弁9から起伏シリンダ10の起仰側油室10aに供給される制御油の一部(フック水平移動制御を達成し得る如きウインチ装置4の駆動油量)を分流してウインチ装置4の巻下げ側油路4aに供給するので、伸縮ブーム3の起仰動に連動してウインチ装置4が巻下げ駆動されフックブロック6が水平方向に移動制御されるのである。また、同様に起伏制御弁9を操作して伸縮ブーム3を倒伏駆動すれば、分流弁14bが起伏制御弁9から起伏シリンダ10の倒伏側油室10bに供給される制御油の一部(フック水平移動制御を達成し得る如きウインチ装置4の駆動油量)を分流してウインチ装置4の巻上げ側油路4bに供給するので、伸縮ブーム3の倒伏動に連動してウインチ装置4が巻上げ駆動されフックブロック6が水平方向に移動制御されるのである。このため、作業者は特に連動制御を意識せずとも起伏制御弁9を切換操作するだけで伸縮ブーム3の起伏動に連動してウインチ装置4が自動的に巻下げ巻上げ駆動されるので、簡単に起伏連動のフック水平移動制御を行えるものであった。
【0009】
また、19a,19bは、伸縮制御弁7と伸縮シリンダ8の2つの油室(伸長側油室8aと縮小側油室8b)とを接続する油路7a,7bに夫々介装した分流弁であり、前記起伏連動用の分流弁14a,14bと同様に機能して伸縮連動のフック水平移動制御を行うようになっている。すなわち、分流弁14aで伸縮制御弁7から伸縮シリンダ8の伸長側油室8aに供給される制御油の一部(フック水平移動制御を達成し得る如きウインチ装置4の駆動油量)を分流してウインチ装置4の巻下げ側油路4aに供給し伸縮ブーム3の伸長動に連動してウインチ装置4を巻下げ駆動すると共に、分流弁14bで伸縮制御弁7から伸縮シリンダ8の縮小側油室8bに供給される制御油の一部(フック水平移動制御を達成し得る如きウインチ装置4の駆動油量)を分流してウインチ装置4の巻上げ側油路4bに供給し伸縮ブーム3の縮小動に連動してウインチ装置4を巻上げ駆動するようになっている。このため、作業者は特に連動制御を意識せずとも伸縮制御弁7を切換操作するだけで伸縮ブーム3の伸縮動に連動してウインチ装置4が自動的に巻下げ巻上げ駆動されるので、簡単に伸縮連動のフック水平移動制御を行えるものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフック水平移動制御装置は、伸縮ブーム3を伸縮あるいは起伏動させた際に生じるフックブロック6の上下方向変移をウインチ装置4で補正制御することでフック水平移動制御を行うよう構成されていたため、次のような問題があった。すなわち、例えば図2においてフック水平移動制御により荷物をC1からC2に移動させようとした場合、従来のものは伸縮ブーム3の伸縮あるいは起伏動のみで荷物を水平方向に変移させる必要があるため、伸縮連動制御の場合には伸縮ブーム3の伸縮駆動量(Lo1からLo2への駆動)が、また起伏連動制御の場合には伸縮ブーム3の起伏駆動量(Θo1からΘo2への駆動)が大きく、更にこの伸縮ブーム3の駆動に伴い発生するブーム先端部3dの上下方向変移を相殺するためのウインチ装置4の修正駆動量(伸縮連動制御の場合はWo1からWo2への駆動、起伏連動制御の場合はWo3からWo2への駆動)も大きくなるため、油圧ポンプ12の吐出油量に余裕のないこの種の車輌搭載型クレーンAでは、制御速度が遅くなり迅速な作業が行えないという問題である。
【0011】
また、従来のフック水平移動制御装置は、ウインチ装置4を高精度に駆動制御する必要があり、ワイヤロープ5の繰出し長さWを検出するワイヤ繰出し長さ検出手段18を設けてフイードバック制御を行っていた。このため、ロータリーエンコーダや複数の近接スイッチ等で構成したワイヤ繰出し長さ検出手段18が必要となり、その分コストが高くなるという問題である。
【0012】
本発明は、上記従来のフック水平移動制御装置の持つ問題点を解決することを目的とし、フック水平移動制御を伸縮ブームの伸縮動と起伏動の連動制御により行うよう構成して制御全体の駆動量を減らし、これにより制御を高速化して迅速な作業を可能にすると共に、高精度な制御が可能なものでありながらワイヤ繰出し長さ検出手段を不要にしてコストを低減したクレーンのフック水平移動制御装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、次の如き構成を有している。
【0014】
すなわち、本発明のクレーンのフック水平移動制御装置は、基台上に旋回自在に搭載した旋回ポスト、当該旋回ポストの上部に起伏自在に枢支した伸縮ブーム、当該伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮シリンダ、伸縮ブームを起伏駆動する起伏シリンダ、前記旋回ポストあるいは伸縮ブーム基端部に取付けたウインチ装置から繰出したワイヤロープにより当該伸縮ブーム先端部から吊下げたフックブロック、及び前記伸縮シリンダと起伏シリンダに制御油を給排するブーム制御弁とで構成したクレーンのフック水平移動制御装置を対象にしている。
【0015】
そして、本発明のフック水平移動制御装置は、ブーム制御弁のアクチュエータ側油路に外部信号によって分集流比率を連続的に変更可能でその2次側油路を伸縮シリンダの伸長側油室と起伏シリンダの倒伏側油室に、あるいは伸縮シリンダの縮小側油室と起伏シリンダの起仰側油室に接続した分集流弁を設け、ブーム制御弁からの制御油を当該分集流弁で任意な比率に分集流して伸縮シリンダと起伏シリンダに給排し伸縮ブームの伸縮動と起伏動を連動して駆動するよう構成すると共に、
伸縮ブームのブーム長さを検出してブーム長さ信号を出力するブーム長さ検出手段、
伸縮ブームのブーム起伏角を検出してブーム起伏角信号を出力するブーム起伏角検出手段、
及びこれら各手段からのブーム長さ信号とブーム起伏角信号を受取り、前記分集流弁の分集流比率を制御する分集流比率制御信号を生成して当該分集流弁に出力するコントローラとを備え、
当該コントローラは、ブーム長さ信号とブーム起伏角信号に基づき、ブーム制御弁からの制御油で伸縮ブームの伸縮動と起伏動を連動駆動した際に伸縮ブームの伸縮動により生じる前記フックブロックの上下方向変移を相殺しつつ当該フックブロックをブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるために必要な分集流弁の分集流比率を求め、分集流弁を当該分集流比率に制御するための分集流弁制御信号を生成して分集流弁に出力するよう構成している。
【0016】
このように構成したことにより、作業者がブーム制御弁を切換制御すれば、当該ブーム制御弁からの制御油が分集流弁で所定の分集流比率に制御されて伸縮シリンダの伸長側油室と起伏シリンダの倒伏側油室に供給され伸縮ブーム3の伸長動と倒伏動が連動して駆動、あるいは伸縮シリンダの縮小側油室と起伏シリンダの起仰側油室に供給され伸縮ブーム3の縮小動と起仰動が連動して駆動されるようになっている。
【0017】
一方、コントローラは、この連動駆動に際しブーム長さ検出手段が検出したブーム長さ信号とブーム起伏角検出手段が検出したブーム起伏角信号に基づき、ブーム制御弁からの制御油で伸縮ブームの伸縮動と起伏動を連動駆動した際に伸縮ブームの伸縮動により生じるフックブロックの上下方向変移を相殺しつつ当該フックブロックをブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるために必要な分集流弁の分集流比率を求め、分集流弁を当該分集流比率に制御するための分集流弁制御信号を生成して当該分集流弁に出力するようになっている。このため、分集流弁は、当該分集流弁制御信号によって伸縮ブームの駆動に係わらずフックブロックがブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動、すなわちフック水平移動制御が行える如き分集流比率になるよう連続的に制御され、結果として伸縮ブームの伸縮と起伏動の連動制御によるフック水平移動制御が行えるのである(図1参照)。
【0018】
そして、この連動制御における伸縮ブームの駆動量、すなわち伸縮駆動量(L1からL2への駆動)と起伏駆動量(Θ1からΘ2への駆動)の合計値は、従来のフック水平移動制御における駆動量、すなわち伸縮連動制御の場合は伸縮駆動量(Lo1からLo2への駆動)とこれに連動するウインチ駆動量(Wo1からWo2への駆動)の合計値、あるいは起伏連動制御の場合は起伏駆動量(Θo1からΘo2への駆動)とこれに連動するウインチ駆動量(Wo3からWo2への駆動)の合計値より大幅に少なくなり、このため制御が高速化され迅速な作業が可能になるのである。また、この連動制御は、図1に示す如く伸縮ブーム先端部の上下方向変移が少なく建物内での荷役作業の如く障害物の多い作業環境でも障害物に邪魔されないで効率的に作業を行うことができるのである。更に、この連動制御は、伸縮ブームの伸縮動と起伏動のみで行われるので、ワイヤロープの繰出し長さを検出するワイヤ繰出し長さ検出手段が不要となり、その分コストを低減することができるのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図1に基づき本発明の具体的な実施形態について説明する。
なお、本発明のフック水平移動制御装置は、図2に基づき従来技術として説明したフック水平移動制御装置に比し、連動制御における制御対象を伸縮ブームの伸縮動と起伏動に変更すると共に、伸縮ブーム3の単独駆動を選択可能なモード切換弁を付加して構成したものであり、以下の説明ではこの変更点を中心に説明するものとする。このため、従来技術の説明で用いたA,1〜13及び16,17の各符号は、以下の説明でも同義のものとして援用するものとする。
【0020】
図1において、7は3位置切換弁で構成された伸縮制御弁であり、伸長位置aへの操作で制御油が伸縮シリンダ8の伸長側油室8aに供給されて伸縮ブーム3が伸長動し、縮小位置bへの操作で制御油が伸縮シリンダ8の縮小側油室8bに供給されて伸縮ブーム3が縮小動するようになっている。また、9は3位置切換弁で構成された起伏制御弁であり、起仰位置aへの操作で制御油が起伏シリンダ10の起仰側油室10aに供給されて伸縮ブーム3が起仰動し、倒伏位置bへの操作で制御油が起伏シリンダ10の倒伏側油室10bに供給されて伸縮ブーム3が倒伏動するようになっている。また、11は3位置切換弁で構成されたウインチ制御弁であり、巻上げ位置aへの操作で制御油がウインチ装置4の巻上げ側油路4bに供給されてフックブロック6が巻上げ動し、巻下げ位置bへの操作で制御油がウインチ装置4の巻下げ側油路4aに供給されてフックブロック6が巻下げ動するようになっている。なお、当該伸縮制御弁7と起伏制御弁9は、請求項1におけるブーム制御弁を構成している。また、伸縮制御弁7と起伏制御弁9の他にフック水平移動制御専用の制御弁を設け、この制御弁をブーム制御弁としてもよいこと勿論である。この場合には、後述するモード切換弁が不要になることは言うまでもないことである。
【0021】
20は、伸縮制御弁7と伸縮シリンダ8の伸長側油室8aとを接続する伸長側油路7aに介装した伸縮用モード切換弁である。当該伸縮用モード切換弁20は、単独駆動位置aと連動駆動位置bとを備えた2位置弁で構成されており、単独駆動位置aに切換えれば伸長側油路7aの前段油路7a1と後段油路7a2が接続され、伸縮制御弁7を切換操作すれば伸縮シリンダ8が単独で伸縮駆動するようになっている。
【0022】
一方、連動駆動位置bに切換えれば、伸長側油路7aの前段油路7a1と後段油路7a2との接続が絶たれ、前段油路7a1が後述する分集流弁21の1次側ポート21aに、縮小側油路7bが起伏シリンダ10の起仰側油路9aに連通した連通油路22に夫々接続されるようになっている。
【0023】
分集流弁21は、外部信号により分集流比率(1次側ポート21aに供給された制御油を一対の2次側ポート21b,21cに分流する分流比率と、一対の2次側ポート21b,21cからの戻り油を1次側ポート21aに集流する集流比率)を連続的に変更可能な圧力補償機能付きの一対の可変絞りで構成されており、一方の2次側ポート21bは前記後段油路7a2を介して伸縮シリンダ8の伸長側油室8aに接続され、他方の2次側ポート21cは倒伏側油路9bを介して起伏シリンダ10の倒伏側油室10bに接続されている。このため、伸縮用モード切換弁20を連動駆動位置bに切換えた状態で伸縮制御弁7を伸長位置aに操作すれば、伸縮制御弁7からの制御油が当該モード切換弁20を介して分集流弁21に供給され、当該分集流弁21で所定の分流比(外部信号によって制御された分流比)に分流制御されて、一方の分流油が2次側ポート21bから後段油路7a2を経て伸縮シリンダ8の伸長側油室8aに供給され、他方の分流油が2次側ポート21cから倒伏側油路9bを経て起伏シリンダ10の倒伏側油室10bに供給されるようになっている。一方、伸縮シリンダ8の縮小側油室8bの油は縮小側油路7bを経て伸縮制御弁7に還流し、起伏シリンダ10の起仰側油室10aの油は起仰側油路9a,連通油路22,モード切換弁20,縮小側油路7bを経て伸縮制御弁7に還流するようになっている。このため、伸縮制御弁7を伸長位置aに操作すれば、伸縮ブーム3の伸長動と倒伏動が連動して駆動されるのである。
【0024】
また、伸縮制御弁7を縮小位置bに操作すれば、伸縮制御弁7からの制御油の一部が縮小側油路7bを経て伸縮シリンダ8の縮小側油室8bに供給され、残りの制御油がモード切換弁20,連通油路22,起仰側油路9aを経て起伏シリンダ10の起仰側油室10aに供給されるようになっている。一方、伸縮シリンダ8の伸長側油室8aの油は後段油路7a2を経て分集流弁21の一方の2次側ポート21bに、また起伏シリンダ10の倒伏側油室10bの油は倒伏側油路9bを経て分集流弁21の他方の2次側ポート21cに夫々戻り、当該分集流弁21で所定の集流比(外部信号によって制御された集流比)に基づき集流されて、モード切換弁20,伸長側油路7aを経て伸縮制御弁7に還流するようになっている。このため、伸縮制御弁7を縮小位置bに操作すれば、伸縮ブーム3の縮小動と起仰動が連動して駆動されるのである。
【0025】
23は、起伏制御弁9と起伏シリンダ10の起仰側油室10aとを接続する起仰側油路9aに介装した起伏用モード切換弁である。当該起伏用モード切換弁23は、前記伸縮用モード切換弁20と同様に単独駆動位置aと連動駆動位置bとを備えた2位置弁で構成されており、単独駆動位置aに切換えれば起仰側油路9aの前段油路9a1と後段油路9a2が接続され、起伏制御弁9を切換操作すれば起伏シリンダ10が単独で起伏駆動するようになっている。
【0026】
一方、連動駆動位置bに切換えれば、起仰側油路9aの前段油路9a1と後段油路9a2との接続が絶たれ、前段油路9a1が後述する分集流弁24の1次側ポート24aに、倒伏側油路9bが伸縮シリンダ8の伸長側油路7aに連通した連通油路25に夫々接続されるようになっている。
【0027】
分集流弁23は、前記分集流弁20と同様に外部信号により分集流比率(1次側ポート24aに供給された制御油を一対の2次側ポート24b,24cに分流する分流比率と、一対の2次側ポート24b,24cからの戻り油を1次側ポート24aに集流する集流比率)を連続的に変更可能な圧力補償機能付きの一対の可変絞りで構成されており、一方の2次側ポート24bは前記後段油路9a2を介して起伏シリンダ10の起仰側油室10aに接続され、他方の2次側ポート24cは縮小側油路7bを介して伸縮シリンダ8の縮小側油室8bに接続されている。このため、起伏用モード切換弁23を連動駆動位置bに切換えた状態で起伏制御弁9を起仰位置aに操作すれば、起伏制御弁9からの制御油が当該モード切換弁23を介して分集流弁24に供給され、当該分集流弁24で所定の分流比(外部信号によって制御された分流比)に分流制御されて、一方の分流油が2次側ポート24bから後段油路9a2を経て起伏シリンダ10の起仰側油室10aに供給され、他方の分流油が2次側ポート24cから縮小側油路7bを経て伸縮シリンダ8の縮小側油室8bに供給されるようになっている。一方、起伏シリンダ10の倒伏側油室10bの油は倒伏側油路9bを経て起伏制御弁9に還流し、伸縮シリンダ8の伸長側油室10aの油は伸長側油路7a,連通油路25,モード切換弁23,倒伏側油路9bを経て起伏制御弁9に還流するようになっている。このため、起伏制御弁9を起仰位置aに操作すれば、伸縮ブーム3の起仰動と縮小動が連動して駆動されるのである。
【0028】
また、起伏制御弁9を倒伏位置bに操作すれば、起伏制御弁9からの制御油の一部が倒伏側油路9bを経て起伏シリンダ10の倒伏側油室10bに供給され、残りの制御油がモード切換弁23,連通油路25,伸長側油路7aを経て伸縮シリンダ8の伸長側油室8aに供給されるようになっている。一方、起伏シリンダ10の起仰側油室10aの油は後段油路9a2を経て分集流弁23の一方の2次側ポート23bに、また伸縮シリンダ8の縮小側油室8bの油は縮小側油路7bを経て分集流弁23の他方の2次側ポート23cに夫々戻り、当該分集流弁23で所定の集流比(外部信号によって制御された集流比)に基づき集流されて、モード切換弁23,起仰側油路9aを経て起伏制御弁9に還流するようになっている。このため、起伏制御弁9を倒伏位置bに操作すれば、伸縮ブーム3の倒伏動と伸長動が連動して駆動されるのである。
【0029】
29は、開閉弁である。当該開閉弁29は、前記分集流弁21,23の内部洩れが大きい場合、単独駆動時に例えば伸縮制御弁7の伸長側油路7aの油が分集流弁21の2次側ポート21bから分集流弁21の内部洩れにより2次側ポート21cに洩れ出して起伏シリンダの倒伏側油室10bに供給され、起仰側油室10aの油が分集流弁24の2次側ポート24bから分集流弁24の内部洩れにより2次側ポート24cに洩れ出して伸縮制御弁7の縮小側油路7bに還流して、作業者が意図しない伸縮ブーム3の駆動(この場合は、起伏シリンダ10の倒伏駆動)が生じることがあるが、このような分集流弁21,23の内部洩れによる意図しない伸縮ブーム3の駆動を防止するため前記両モード切換弁20,23が単独駆動位置aに切換えられた時に上記経路を遮断し、連動駆動位置bに切換えられた時に上記経路を連通するように構成されている。このため、伸縮ブーム3の単独駆動時に分集流弁21,23の内部洩れによる意図しない伸縮ブーム3の駆動を未然に防止することができるのである。なお、当該開閉弁29は、分集流弁21,23の内部洩れが少ない場合には、省略し得ること勿論である。
【0030】
26は、モード選択スイッチであり、当該モード選択スイッチ26を伸縮連動位置sに選択すれば伸縮用モード切換弁20が連動駆動位置bに切換えられ、起伏連動位置eに選択すれば起伏用モード切換弁23が連動駆動位置bに切換えられるようになっている。なお、n位置は単独駆動モードの選択位置である。また、27はバッテリである。
【0031】
28は、前記分集流弁21,23に分集流弁制御信号を出力して分集流比率を制御するコントローラである。当該コントローラ28は、伸縮ブーム3のブーム長さを検出するブーム長さ検出手段16(従来のものと同構造のものでよい)からのブーム長さ信号Lとブーム起伏角を検出するブーム起伏角検出手段17(同)からのブーム起伏角信号Θに基づき、次の如き分集流弁制御信号Vqを生成して各分集流弁21,23に出力するよう構成されている。すなわち、当該コントローラ28は、ブーム長さ検出手段16からのブーム長さ信号Lとブーム起伏角検出手段17からのブーム起伏角信号Θに基づき、前記伸縮制御弁7あるいは起伏制御弁9を切換制御して当該制御弁からの制御油で伸縮ブーム3を伸縮並びに起伏駆動した際に伸縮ブーム3の伸縮動(例えば、図1においてL1からL2への伸長動)により生じる前記フックブロック6の上下方向変移h(当該変移hは、伸縮ブーム3を伸縮させた際に繰出し量が変化しないワイヤロープ5との間で生じる相対的位置変化に起因したフックブロック6の上下方向変移であり、h=(L2−L1)/Nで算出される。但し、(L2−L1)は伸縮ブーム3のブーム長さ変化量、Nはフックブロック6のワイヤ掛け数である)を相殺しつつ当該フックブロック6をブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動(図1参照)させるために必要な各分集流弁21,23の分集流比率を連続的に求め、各分集流弁21,23を当該分集流比率に制御するための分集流弁制御信号Vqを生成して各分集流弁21,23に出力するよう構成している。具体的には、伸縮ブーム3のブーム基準面fとブーム先端滑車3eとのオフセット量gを便宜上0と仮定した場合、
L1×sinΘ1=L2×sinΘ2+(L2−L1)/N
但し、L1;制御開始時のブーム長さ
Θ1;制御開始時のブーム起伏角
L2;制御後のブーム長さ
Θ2;制御後のブーム起伏角
N ;フックブロック6のワイヤ掛け数
の演算式を満足する如き伸縮ブーム3の伸縮駆動量と起伏駆動量の比を連続的に求め、各分集流弁21,23の分集流比率を当該比に制御するための分集流弁制御信号Vqを生成して各分集流弁21,23に出力するよう構成すればよい。このように構成したコントローラ28は、ブーム長さ信号Lとブーム起伏角信号Θに基づき、伸縮制御弁7あるいは起伏制御弁9を切換制御して当該制御弁からの制御油を分集流弁21,23で分集流制御して伸縮ブーム3の伸縮動と起伏動を連動駆動している際に、当該分集流弁21,23の分集流比率をフックブロック6がブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動し得る如き比率に制御可能な分集流弁制御信号Vqを生成して各分集流弁21,23に出力するようになっているので、当該分集流弁制御信号Vqで制御された分集流弁21,23は分集流油をフック水平移動制御が達成し得る油量に制御することができるのである。このため、当該分集流油の給排を受けて駆動される伸縮ブーム3は、ブーム先端部3dが移動軌跡I(伸縮ブーム3を伸縮させた際に生じるフックブロック6の上下方向変移hを相殺し得る量だけ水平面Sから偏寄した移動軌跡I)に沿って移動するよう例えばL1からL2への伸長動とΘ1からΘ2への倒伏動が連動して駆動されるのである。このため、ブーム伸縮動により生じるフックブロック6の上下方向変移hが相殺され、フックブロック6がブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動し、フック水平移動制御を行なうことができるのである。
【0032】
なお、この実施形態の場合には、各分集流弁21,23に同時に分集流弁制御信号Vqを出力して分集流比率を制御するよう構成したが、前記モード選択スイッチ26の選択信号を取込み、対応する分集流弁21,23のみに分集流弁制御信号Vqを出力するよう構成してもよいこと勿論である。
【0033】
次に、作動について説明する。
まず、伸縮ブーム3を単独で駆動する場合について説明する。
この場合は、モード選択スイッチ26を単独駆動位置nに選択して、伸縮及び起伏用モード切換弁20,23を単独駆動位置aに切換えればよい。モード切換弁20,23を単独駆動位置aに切換えれば、伸縮用モード切換弁20が伸長側油路7aの前段油路7a1と後段油路7a2を連通し伸縮制御弁6を切換制御すれば制御油が伸縮シリンダ8に供給されて伸縮ブーム3が単独で伸縮駆動すると共に、起伏用モード切換弁23が起仰側油路9aの前段油路9a1と後段油路9a2を連通し起伏制御弁9を切換制御すれば制御油が起伏シリンダ10に供給されて伸縮ブーム3が単独で起伏駆動するのである。
【0034】
次に、伸縮ブーム3を駆動してフックブロック6を略水平方向に移動制御する場合について説明する。
この場合は、伸縮連動制御を行う時はモード選択スイッチ26を伸縮連動位置sに選択して伸縮用モード切換弁20を連動駆動位置bに切換え、起伏連動制御を行う時はモード選択スイッチ26を起伏連動位置eに選択して起伏用モード切換弁23を連動駆動位置bに切換えればよい。伸縮用モード切換弁20を連動駆動位置bに切換えれば、伸長側油路7aの前段油路7a1が分集流弁21の1次側ポート21aに接続されるので、伸縮制御弁7を伸長位置aに操作すれば当該制御弁7からの制御油が当該モード切換弁20を介して分集流弁21に供給され、当該分集流弁21で所定の分流比に分流制御されて一方の分流油が2次側ポート21bから伸縮シリンダ8の伸長側油室8aに、また他方の分流油が2次側ポート21cから起伏シリンダ10の倒伏側油室10bに供給されて伸縮ブーム3の伸長動と倒伏動が連動駆動されるようになっている。そして、この連動駆動に際しコントローラ28は、ブーム長さ信号Lとブーム起伏角信号Θに基づき、伸縮ブーム3の伸縮動により生じるフックブロック6の上下方向変移hを相殺しつつ当該フックブロック6をブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるために必要な分集流弁21の分流比率を求め、分集流弁21を当該分流比率に制御するための分集流弁制御信号Vqを生成して当該分集流弁21に出力するようになっている。このため、当該分集流弁制御信号Vqで制御された分集流弁21は、分流油をフック水平移動制御が達成し得る油量に制御して伸縮シリンダ7と起伏シリンダ9に供給するようになっており、この分流油の供給を受けて駆動される伸縮ブーム3は、ブーム先端部3dが移動軌跡Iに沿って移動するよう例えばL1からL2への伸長動とΘ1からΘ2への倒伏動が連動して駆動され、フック水平移動制御を行なうことができるのである。
【0035】
また、伸縮制御弁7を縮小位置bに操作すれば当該制御弁7からの制御油の一部が伸縮シリンダ8の縮小側油室8bに供給され、伸長側油室8aの油が分集流弁21の一方の2次側ポート21bに戻ると共に、残りの制御油がモード切換弁20を経て起伏シリンダ10の起仰側油室10aに供給され、倒伏側油室10bの油が分集流弁21の他方の2次側ポート21cに戻るようになっている。そして、両2次側ポート21b,21cに戻った戻り油は、当該分集流弁21で所定の集流比になるよう集流制御されてモード切換弁20を経て伸縮制御弁7に還流し、伸縮ブーム3の縮小動と起仰動が連動駆動されるようになっている。そして、この連動駆動に際しコントローラ28は、伸長操作時と同様にブーム長さ信号Lとブーム起伏角信号Θに基づき、伸縮ブーム3の伸縮動により生じるフックブロック6の上下方向変移hを相殺しつつ当該フックブロック6をブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるために必要な分集流弁21の集流比率を求め、分集流弁21を当該集流比率に制御するための分集流弁制御信号Vqを生成して当該分集流弁21に出力するようになっている。このため、当該分集流弁制御信号Vqで制御された分集流弁21は、両2次側ポート21b,21cの戻り油をフック水平移動制御が達成し得る油量に制御して伸縮制御弁7に還流させるようになっており、この集流制御によって駆動される伸縮ブーム3は、ブーム先端部3dが移動軌跡Iに沿って移動するよう例えばL2からL1への縮小動とΘ2からΘ1への起仰動が連動して駆動され、フック水平移動制御を行なうことができるのである。
【0036】
また、モード選択スイッチ26を起伏連動位置eに選択して起伏用モード切換弁23を連動駆動位置bに切換えれば、起仰側油路9aの前段油路9a1が分集流弁24の1次側ポート24aに接続されるので、起伏制御弁9を起仰位置aに操作すれば当該制御弁9からの制御油が当該モード切換弁23を介して分集流弁24に供給され、当該分集流弁24で所定の分流比に分流制御されて一方の分流油が2次側ポート24bから起伏シリンダ10の起仰側油室10aに、また他方の分流油が2次側ポート24cから伸縮シリンダ8の縮小側油室8bに供給されて伸縮ブーム3の起仰動と縮小動が連動駆動されるようになっている。そして、この連動駆動に際しコントローラ28は、ブーム長さ信号Lとブーム起伏角信号Θに基づき、伸縮ブーム3の伸縮動により生じるフックブロック6の上下方向変移hを相殺しつつ当該フックブロック6をブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるために必要な分集流弁24の分流比率を求め、分集流弁24を当該分流比率に制御するための分集流弁制御信号Vqを生成して当該分集流弁24に出力するようになっている。このため、当該分集流弁制御信号Vqで制御された分集流弁24は、分流油をフック水平移動制御が達成し得る油量に制御して起伏シリンダ9と伸縮シリンダ7に供給するようになっており、この分流油の供給を受けて駆動される伸縮ブーム3は、ブーム先端部3dが移動軌跡Iに沿って移動するよう例えばΘ2からΘ1への起仰動とL2からL1への縮小動が連動して駆動され、フック水平移動制御を行なうことができるのである。
【0037】
また、起伏制御弁9を倒伏位置bに操作すれば当該制御弁9からの制御油の一部が起伏シリンダ10の倒伏側油室10bに供給され、起仰側油室10aの油が分集流弁24の一方の2次側ポート24bに戻ると共に、残りの制御油がモード切換弁23を経て伸縮シリンダ8の伸長側油室8aに供給され、縮小側油室8bの油が分集流弁24の他方の2次側ポート24cに戻るようになっている。そして、両2次側ポート24b,24cに戻った戻り油は、当該分集流弁24で所定の集流比になるよう集流制御されてモード切換弁23を経て起伏制御弁9に還流し、伸縮ブーム3の倒伏動と伸長動が連動駆動されるようになっている。そして、この連動駆動に際しコントローラ28は、起仰操作時と同様にブーム長さ信号Lとブーム起伏角信号Θに基づき、伸縮ブーム3の伸縮動により生じるフックブロック6の上下方向変移hを相殺しつつ当該フックブロック6をブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるために必要な分集流弁24の集流比率を求め、分集流弁24を当該集流比率に制御するための分集流弁制御信号Vqを生成して当該分集流弁24に出力するようになっている。このため、当該分集流弁制御信号Vqで制御された分集流弁24は、両2次側ポート24b,24cの戻り油をフック水平移動制御が達成し得る油量に制御して起伏制御弁9に還流させるようになっており、当該集流制御によって駆動される伸縮ブーム3は、ブーム先端部3dが移動軌跡Iに沿って移動するよう例えばΘ1からΘ2への倒伏動とL1からL2への伸長動とが連動して駆動され、フック水平移動制御を行なうことができるのである。
【0038】
なお、このフック水平移動制御時における伸縮ブーム3の駆動量、すなわち伸縮駆動量(L1からL2への駆動)と起伏駆動量(Θ1からΘ2への駆動)の合計値は、従来のフック水平移動制御における駆動量、すなわち伸縮駆動量(Lo1からLo2への駆動)とこれに連動するウインチ駆動量(Wo1からWo2への駆動)あるいは起伏駆動量(Θo1からΘo2への駆動)とこれに連動するウインチ駆動量(Wo3からWo2への駆動)の合計値より大幅に少なくなり、このため制御が高速化され迅速な作業が可能になるのである。また、この連動制御は、図1に示す如く伸縮ブーム先端部3dの上下方向変移が少なく建物内での荷役作業の如く障害物の多い作業環境でも障害物に邪魔されないで効率的な作業を行うことができるのである。更に、この連動制御は、伸縮ブームの伸縮動と起伏動のみで行われるので、ワイヤロープの繰出し長さを検出するワイヤ繰出し長さ検出手段が不要となり、その分コストを低減することができるのである。
【0039】
【発明の効果】
以上の如く構成した本発明のクレーンのフック水平移動制御装置は、フック水平移動制御を伸縮ブーム3の伸縮動と起伏動の連動制御により行うよう構成したので、従来のフック水平移動制御に比して連動制御時における伸縮ブーム3の駆動量を少なくすることができ、このため制御が高速化されて迅速な作業が可能になるのである。また、連動制御中の伸縮ブーム先端部3dは上下方向変位が少なく障害物の多い作業環境でも障害物に邪魔されないで効率的な作業を行うことができるのである。更に、ワイヤロープ5の繰出し長さを検出するワイヤ繰出し長さ検出手段が不要となり、その分コストを低減することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーンのフック水平移動制御装置の説明図である。
【図2】従来のクレーンのフック水平移動制御装置の説明図である。
【符号の説明】
A;車輌搭載型クレーン、
1;基台、
2;旋回ポスト、
3;伸縮ブーム、
3a;基端側ブームセクション、
3b,3c;先端側ブームセクション、
3d;ブーム先端部、
3e;ブーム先端滑車、
4;ウインチ装置、
5;ワイヤロープ、
6;フックブロック、
7;伸縮制御弁、
7a;伸長側油路、
7b;縮小側油路、
8;伸縮シリンダ、
9;起伏制御弁、
9a;起仰側油路、
9b;倒伏側油路、
10;起伏シリンダ、
11;ウインチ制御弁、
12;油圧ポンプ、
13;リリーフ弁、
14a,14b,19a,19b;分流弁、
15,28;コントローラ、
16;ブーム長さ検出手段、
17;ブーム起伏角検出手段、
18;ワイヤ繰出長さ検出手段、
20;伸縮用モード切換弁、
21,24;分集流弁、
21a,24a;1次側ポート、
21b,21c,24b,24c;2次側ポート、
22,25;連通油路、
23;起伏用モード切換弁、
26;モード選択スイッチ、
29;開閉弁、
L;ブーム長さ信号、
Θ;ブーム起伏角信号、
I;移動軌跡、
S;水平面、
f;ブーム基準面、
g;オフセット量、
h;上下方向変移、
Claims (1)
- 基台上に旋回自在に搭載した旋回ポスト、当該旋回ポストの上部に起伏自在に枢支した伸縮ブーム、当該伸縮ブームを伸縮駆動する伸縮シリンダ、伸縮ブームを起伏駆動する起伏シリンダ、前記旋回ポストあるいは伸縮ブーム基端部に取付けたウインチ装置から繰出したワイヤロープにより当該伸縮ブーム先端部から吊下げたフックブロック、及び前記伸縮シリンダと起伏シリンダに制御油を給排するブーム制御弁とで構成したクレーンのフック水平移動制御装置であって、
前記ブーム制御弁のアクチュエータ側油路に外部信号によって分集流比率を連続的に変更可能でその2次側油路を前記伸縮シリンダの伸長側油室と起伏シリンダの倒伏側油室に、あるいは伸縮シリンダの縮小側油室と起伏シリンダの起仰側油室に接続した分集流弁を設け、ブーム制御弁からの制御油を当該分集流弁で任意な比率に分集流して伸縮シリンダと起伏シリンダに給排し伸縮ブームの伸縮動と起伏動を連動して駆動するよう構成すると共に、
伸縮ブームのブーム長さを検出してブーム長さ信号を出力するブーム長さ検出手段、
伸縮ブームのブーム起伏角を検出してブーム起伏角信号を出力するブーム起伏角検出手段、
及びこれら各手段からのブーム長さ信号とブーム起伏角信号を受取り、前記分集流弁の分集流比率を制御する分集流比率制御信号を生成して当該分集流弁に出力するコントローラとを設け、
当該コントローラは、ブーム長さ信号とブーム起伏角信号に基づき、ブーム制御弁からの制御油で伸縮ブームの伸縮動と起伏動を連動駆動した際に伸縮ブームの伸縮動により生じる前記フックブロックの上下方向変移を相殺しつつ当該フックブロックをブーム起伏軌跡面に沿って略水平方向に移動させるために必要な分集流弁の分集流比率を求め、分集流弁を当該分集流比率に制御するための分集流弁制御信号を生成して当該分集流弁に出力するよう構成したことを特徴とするクレーンのフック水平移動制御装置。
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