以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1〜図5に、本発明に係る油圧作動装置を搭載した作業車の一例としての穴掘建柱車1を示しており、まず、これらの図を用いて穴掘建柱車1の全体構成について概要説明する。なお、本実施形態では、動力源としてエンジンEのみを搭載する構成を実施例1として説明し、動力源としてエンジンEおよび電動モータMを搭載する構成を実施例2として説明し、さらに、実施例2の構成の変形例を実施例3として説明する。
穴掘建柱車1は、図1に示すように、タイヤ車輪11,11,…を備えて運転キャブ12から走行運転操作が可能なトラック式車両の車体10と、車体10上に設けられた旋回台20と、この旋回台20に基端部が枢結されて上下揺動自在に取り付けられた伸縮ブーム(以下、単に「ブーム」と称する)25と、ブーム25の基端側に取り付けられてワイヤロープ32の巻き上げ・巻き下げを行うウインチ装置30と、ブーム25の側部に取り付けられて建柱穴の掘削を行うアースオーガ装置40とを有して構成される。この穴掘建柱車1を走行させるときには、図5に示すように、エンジンEの動力をトランスミッションTMにより変速してタイヤ車輪11に伝達する。
旋回台20は、図1に示すように、車体10の後部に上下軸まわり360度回動自在に取り付けられており、車体10に搭載された旋回モータ21を油圧駆動することにより図示しないギヤを介して水平旋回作動させることができる。ブーム25は、基端ブーム25a、中間ブーム25bおよび先端ブーム25cが入れ子式に組み立てられて構成され、その内部に設けられた伸縮シリンダ26を油圧駆動することにより各ブーム25a,25b,25cを相対的に移動させて、ブーム25全体を軸方向に伸縮作動させることができる。
基端ブーム25aと旋回台20との間には起伏シリンダ22が跨設されており、この起伏シリンダ22を油圧駆動することによりブーム25全体を上下面内で起伏作動させることができる。運転キャブ12の後方に、全縮状態で倒伏させたブーム25の下面に当接してブーム25を格納保持するブームレスト29が上方に突出して配設されている。なお、ここでは、ブーム25を三段伸縮構成としているが、二段もしくは四段以上の多段伸縮構成としてもよい。
ウインチ装置30は、基端ブーム25aの基端部上面に取り付けられており、ウインチドラム31から繰り出されたワイヤロープ32が回転自在なシーブ(図示せず)に掛け回されて先端ブーム25cの下方に垂れ下がり、その先端にフック(図示せず)が取り付けられている。このウインチ装置30の側部にはウインチモータ33が設けられており、このウインチモータ33を油圧駆動することによりワイヤロープ32の巻き上げ・巻き下げ作動を行って、ワイヤロープ32先端のフックの引き上げ・引き下げができるようになっている。なお、ブーム25の上端部には、このブーム25の軸方向に沿ってワイヤロープ32を保護するためのワイヤーガード34が配設されている。
アースオーガ装置40は、基端ブーム25aおよび先端ブーム25cに選択的に連結可能なオーガ支持枠41を介してブーム25に取り付けられている。このアースオーガ装置40は、オーガ支持枠41に枢結されたオーガ支持アーム42と、オーガ支持アーム42に取り付けられた基枠43と、基枠43の先端に取り付けられた減速機付きのオーガモータ44と、オーガモータ44を油圧駆動することにより回転駆動されるオーガスクリュー45とを有して構成される。また、基端ブーム25aの側面には、アースオーガ装置40を格納状態で保持するオーガ格納装置46が配設されている。アースオーガ装置40はオーガ支持アーム42を中心として垂直面内で上下に揺動可能であり、より詳細には、アースオーガ装置40をオーガ格納装置46により基端ブーム25aの側方に沿って格納した格納位置と、アースオーガ装置40をオーガ格納装置46から外してオーガスクリュー45を地面に対して略垂直姿勢にした作業位置との間で揺動させることが可能である。
アースオーガ装置40を使用するとき(すなわち、建柱穴の掘削を行うとき)には、オーガ支持枠41を先端ブーム25aに連結させて、アースオーガ装置40を下方の作業位置まで揺動させる。これにより、アースオーガ装置40は、先端ブーム25cとともに所望の位置まで移動し得るようになる。そして、オーガモータ44を駆動させてオーガスクリュー45を回転させながらブーム25の倒伏作動と縮小作動とを連動させて行い、オーガスクリュー45(ブーム先端部)を直線的に下方に移動させて建柱穴の掘削作業が行われる。
一方、アースオーガ装置40を使用しないときには、ブーム25を全縮にした状態でアースオーガ装置40を基端ブーム25aの側方に沿った格納位置まで揺動させてオーガ格納装置46により格納保持するとともに、オーガ支持枠41を基端ブーム25aに連結させる。アースオーガ装置40を格納保持させた状態では、ウインチ装置30によるワイヤロープ32の巻き上げ・巻き下げ作業が可能である。
車体10の前後左右4箇所にはアウトリガジャッキ13が設けられており、これらアウトリガジャッキ13を下方に張り出して接地させることにより、車体10を持ち上げ支持させることができる。各アウトリガジャッキ13は車体10の側方(車幅方向)に張り出すことも可能であり、これにより車体10を一層安定支持することができる。このアウトリガジャッキ13の作動操作は、車体10の後部に設けられたアウトリガ操作装置14(図2参照)の操作により行われる。
図2および図3に示すように、旋回台20の側部には、旋回台20、ブーム25、ウインチ装置30およびアースオーガ装置40の操作を行う操作席50が設けられている。操作席50は、旋回台20の側部に取り付けられて旋回台20とともに旋回動するベース部51と、ベース部51の上部に配設されて作業者がブーム25の先端側へ向いた姿勢で座る椅子52と、椅子52の前方に設けられた操作レバー53とからなり、作業者は椅子52に座った姿勢で操作レバー53にアクセス可能になっている。なお、以下の説明においては、旋回台20(旋回モータ21)、ブーム25(起伏シリンダ22、伸縮シリンダ26)、ウインチ装置30(ウインチモータ33)およびアースオーガ装置40(オーガモータ44)を、まとめて作動装置69と称する(図5参照)。
操作レバー53は、旋回台20の旋回操作を行うための旋回操作レバーL1と、ブーム25の起伏操作を行うための起伏操作レバーL2と、ブーム25の伸縮操作を行うための伸縮操作レバーL3と、ウインチ装置30の巻き上げ・巻き下げ操作を行うためのウインチ操作レバーL4と、アースオーガ装置40の回転操作を行うためのオーガ操作レバーL5とを備えて構成される。また、旋回操作レバーL1に隣接して、抜柱機(図示せず)による電柱の引き抜き操作や、オプションとして装着されるアタッチメントの作動操作を行うためのアタッチメント操作レバーL6が設けられている。
各操作レバーL1〜L5は、図4に示す中立位置から前後に向けて傾動操作可能に配設されている。例えば、旋回操作レバーL1を前後に傾動操作することで、操作方向および操作量に対応させて旋回モータ21を回転駆動させて、旋回台20を旋回作動させることができる。また、起伏操作レバーL2を前後に傾動操作することで、操作方向および操作量に対応させて起伏シリンダ22を伸縮作動させて、ブーム25を起仰作動させることができる。伸縮操作レバーL3を前後に傾動操作することで、操作方向および操作量に対応させて伸縮シリンダ26を伸縮作動させて、ブーム25を伸縮作動させることができる。ウインチ操作レバーL4を前後に傾動操作することにより、操作方向および操作量に対応させてウインチモータ33を回転駆動させて、ワイヤロープ32を巻き上げ・巻き下げ作動させることができる。オーガ操作レバーL5を前後に傾動操作することにより、操作方向および操作量に対応させてオーガモータ44を回転駆動させて、オーガスクリュー45を回転作動させることができる。
図2および図4に示すように、ベース部51には、椅子52に座った作業者が足で踏込操作可能なアクセルペダル54が設けられている。このアクセルペダル54の踏込操作位置は、ペダル踏込位置検出器S6により検出されてアクセル信号としてコントローラ66に出力される(図5参照)。コントローラ66は、ペダル踏込位置検出器S6からのアクセル信号に対応した回転速度となるようにエンジンEの回転駆動を制御する。
以上、穴掘建柱車1の全体構成について概要説明した。次に、この穴掘建柱車1において、各操作レバーL1〜L5の操作に応じて、上述した作動を行わせるための油圧作動装置70の構成について、図4〜図6を参照しながら説明する。油圧作動装置70は、図5に示すように、エンジンE、油圧ポンプP1、操作レバー53、コントローラ66、操作検出器67、油圧供給ユニット68および作動装置69から構成される。
図5に示すように、トランスミッションTMにはパワーテイクオフ機構PTOが組み込まれており、運転キャブ12内にあるPTO操作レバー15がオン操作されるとパワーテイクオフ機構PTOの機構部が作動し、エンジンEの駆動力出力先がタイヤ車輪11から油圧ポンプP1に切り換わる。このように、穴掘建柱車1を停車させた状態でPTO操作レバー15をオン操作することにより、油圧ポンプP1を回転駆動させてオイルタンクTに貯留された作動油を吸い上げて油圧供給ユニット68に供給することができる。
操作レバー53および操作検出器67の構成について、図4を参照しながら説明する。ここでは、オーガ操作レバーL5およびオーガ操作検出器S5を例に説明する。操作検出器67は、操作レバー53(操作レバーL1〜L5)のそれぞれに対応させて設けられた旋回操作検出器S1、起伏操作検出器S2、伸縮操作検出器S3、ウインチ操作検出器S4およびオーガ操作検出器S5から構成される。図4に示すように、オーガ操作レバーL5は枢結部51aにおいてベース部51に枢結され、枢結部51aを中心として前後に揺動可能となっている。ベース部51の内部にはオーガ制御バルブV5が配設されており、このオーガ制御バルブV5とオーガ操作レバーL5とが棒状の連結部材60により連結されている。この連結部材60は、オーガ操作レバーL5の下端部61においてオーガ操作レバーL5と枢結されている。このため、オーガ操作レバーL5が前後に傾動操作されて枢結部51aを中心に揺動されると、これに応じて連結部材60が前後にスライド移動されてオーガ制御バルブV5が作動される。
連結部材60には部分的に凹んだ検出用凹部62が形成されており、この検出用凹部62に対応させて例えばリミットスイッチからなるオーガ操作検出器S5が配設されている。オーガ操作検出器S5は、検出本体部63と、この検出本体部63に上下に突出可能に設けられたローラ部64とから構成され、オーガ操作レバーL5が中立位置に位置するときにはローラ部64が検出用凹部62に嵌り、検出本体部63からコントローラ66に非操作信号が出力される。一方、オーガ操作レバーL5が中立位置から前後に傾動操作されると、ローラ部64が検出用凹部62から外れて検出本体部63側に押圧されて、検出本体部63からコントローラ66に操作信号が出力される。
図4においてはオーガ操作レバーL5を示しているが、旋回操作レバーL1、起伏操作レバーL2、伸縮操作レバーL3およびウインチ操作レバーL4もそれぞれ連結部材を介して、旋回制御バルブV1、起伏制御バルブV2、伸縮制御バルブV3およびウインチ制御バルブV4に機械的に連結されている。また、旋回操作レバーL1の操作、起伏操作レバーL2の操作、伸縮操作レバーL3の操作およびウインチ操作レバーL4の操作が、旋回操作検出器S1、起伏操作検出器S2、伸縮操作検出器S3およびウインチ操作検出器S4により検出され、これらの検出結果はコントローラ66に出力される。
油圧供給ユニット68は、図6に示すように、旋回モータ21への作動油供給制御を行う旋回制御バルブV1、起伏シリンダ22への作動油供給制御を行う起伏制御バルブV2、伸縮シリンダ26への作動油供給制御を行う伸縮制御バルブV3、ウインチモータ33への作動油供給制御を行うウインチ制御バルブV4、オーガモータ44への作動油供給制御を行うオーガ制御バルブV5、優先供給制御部80、および操作レバーL1〜L5の操作に応じて作動される供給油路切換バルブ90を備えて構成される。図6には、オーガ制御バルブV5の上流側(油圧ポンプP1側)に起伏制御バルブV2が配設された例を示しているが、実際には、オーガ制御バルブV5の上流側に旋回制御バルブV1、伸縮制御バルブV3およびウインチ制御バルブV4も配設されている。
油圧供給ユニット68は、油圧ポンプP1の吐出口に繋がる吐出油路71、供給油路切換バルブ90と起伏制御バルブV2とを繋ぐ第1供給油路72、起伏制御バルブV2とオーガ制御バルブV5とを繋ぐ余剰油供給油路73、および供給油路切換バルブ90と余剰油供給油路73とを繋ぐ第2供給油路75も備える。油圧ポンプP1からの作動油が供給される吐出油路71には調圧バルブ71aが設けられており、この調圧バルブ71aにより吐出油路71に供給される作動油が所定圧に調圧される。なお、図6に示す「第1供給油路72と余剰油供給油路73とから構成される供給油路」が特許請求の範囲における「第1供給油路」に対応し、また、「第2供給油路75と余剰油供給油路73とから構成される供給油路」が特許請求の範囲における「第2供給油路」に対応する。
供給油路切換バルブ90は、吐出油路71を第1供給油路72に接続して第1供給油路72に作動油を供給させる第1切換位置91aと、吐出油路71を第2供給油路75に接続して第2供給油路75に作動油を供給させる第2切換位置91bとに切り換えられる構成となっている。供給油路切換バルブ90は、第1切換位置91a側の端部に圧縮ばね92を備え、この圧縮ばね92のばね力により図面左側に押圧されて第1切換位置91aに切り換えられた状態に保持される。供給油路切換バルブ90は、第2切換位置91b側の端部に駆動ソレノイド93を備え、この駆動ソレノイド93にコントローラ66からの駆動信号が入力される。
起伏制御バルブV2は、第1供給油路72を介して供給油路切換バルブ90に接続されており、油圧ポンプP1から吐出される作動油を起伏シリンダ22に供給する制御を行う。起伏制御バルブV2は、起伏操作レバーL2が中立位置に位置するときには中立位置83nに切り換えられ、起伏操作レバーL2が中立位置から前後に傾動操作されると操作方向に応じて第1切換位置83a,第2切換位置83bに切り換えられる構成となっている。
オーガ制御バルブV5は、余剰油供給油路73を介して起伏制御バルブV2に接続されるとともに、余剰油供給油路73および第2供給油路75を介して供給油路切換バルブ90に接続されており、油圧ポンプP1から吐出される作動油をオーガモータ44に供給する制御を行う。オーガ制御バルブV5は、オーガ操作レバーL5が中立位置に位置するときには中立位置85nに切り換えられ、オーガ操作レバーL5が中立位置から前後に傾動操作されると操作方向に応じて第1切換位置85a,第2切換位置85bに切り換えられる構成となっている。オーガ制御バルブV5からオーガモータ44に供給されることなく余剰となった作動油は、戻り油路74を介してオイルタンクTに戻される。
旋回制御バルブV1、伸縮制御バルブV3およびウインチ制御バルブV4は、余剰油供給油路73と第2供給油路75との接続部分よりも上流側において、起伏制御バルブV2に直列的に接続されて配設されている。また、これら旋回制御バルブV1、伸縮制御バルブV3およびウインチ制御バルブV4は、起伏制御バルブV2と同様に、レバー操作に応じて中立位置、第1切換位置および第2切換位置に切り換えられる構成となっている。なお、ウインチ装置30とアースオーガ装置40とを同時に作動させる使用形態は想定されないので、図6の油圧回路構成に代えて、余剰油供給油路73と第2供給油路75との接続部分よりも下流側にウインチ制御バルブV4およびオーガ制御バルブV5を配設する構成も可能である。
優先供給制御部80は、第2供給油路75に設けられた絞り部80aと、絞り部80aの上流側において第2供給油路75に接続された流路開閉バルブ80bとから構成される。流路開閉バルブ80bは、第2供給油路75における絞り部80aの前後圧力が入力されるように構成されており、絞り部80aの前後圧力差が所定値となるように、第2供給油路75における余剰分の作動油をバイパス油路76を介して第1供給油路72に供給する制御を行う。
以上ここまでは、油圧作動装置70の構成について説明したが、次に、この油圧作動装置70による作動制御について説明する。穴掘建柱車1は、操作席50の椅子52に座った作業者が、操作レバー53等を操作して油圧作動装置70の作動制御が行われる。まず、いずれか一つのレバー操作のみが行われる単動作動制御について、起伏操作レバーL2を操作してブーム25を起伏させる場合を例に説明する。
起伏操作レバーL2が中立位置から前後に傾動操作されると、操作方向に応じて起伏制御バルブV2が第1切換位置83a、または第2切換位置83bに切り換えられる。この起伏操作レバーL2の操作が起伏操作検出器S2により検出されて、その操作信号がコントローラ66に送られる。このように、いずれか一つのレバー操作のみが行われる単動作動においては、コントローラ66には操作検出器S1〜S5のうちの一つ(この例では、起伏操作検出器S2)から操作信号が入力され、他の四つからは非操作信号が入力される。コントローラ66は、操作検出器S1〜S5のうちの一つから操作信号が入力されることに基づいて、供給油路切換バルブ90を第1切換位置91aに切り換える制御を行い、油圧ポンプP1から吐出される作動油を吐出油路71、供給油路切換バルブ90および第1供給油路72を介して起伏制御バルブV2に供給させる。これにより、油圧ポンプP1からの作動油が起伏制御バルブV2により供給制御され、起伏操作レバーL2の傾動操作に応じた供給方向および供給量で起伏シリンダ22に供給される。この結果、起伏シリンダ22は、起伏操作レバーL2の操作量に対応した速度で操作方向に対応して伸長または縮小作動され、ブーム25が起伏操作レバーL2の傾動操作に対応して作動する。
次に、いずれか一つのレバー操作のみが行われる単動作動制御について、オーガ操作レバーL5を操作してオーガスクリュー45を回転させる場合を例に説明する。
オーガ操作レバーL5が中立位置から前後に傾動操作されると、操作方向に応じてオーガ制御バルブV5が第1切換位置85a、または第2切換位置85bに切り換えられる。このオーガ操作レバーL5の操作がオーガ操作検出器S5により検出されて、その操作信号がコントローラ66に送られる。このとき、コントローラ66は、上述の起伏操作レバーL2のみが操作される場合と同様に、供給油路切換バルブ90を第1切換位置91aに切り換える制御を行う。これにより、油圧ポンプP1から吐出される作動油が吐出油路71、供給油路切換バルブ90、第1供給油路72、起伏制御バルブV2等および余剰油供給油路73を介してオーガ制御バルブV5に供給される。この結果、オーガスクリュー45は、オーガ操作レバーL5の操作方向および操作量に対応した方向および速度で回転作動される。
次に、複数のレバー操作が同時に行われる複動作動制御について、まず、オーガ操作レバーL5と他の操作レバーとが同時に操作される場合を説明する。ここでは、起伏操作レバーL2、伸縮操作レバーL3およびオーガ操作レバーL5を同時に操作して、オーガスクリュー45を回転させながらブーム25を倒伏および縮小させて、真っ直ぐに建柱穴を掘削する場合を例に説明する。この場合、オーガスクリュー45の回転を停止させた状態でブーム25を倒伏または縮小させるとオーガスクリュー45が損傷する虞があるので、オーガスクリュー45を回転させたままでブーム25を倒伏および縮小させることが求められる。なお、図5に示す「オーガ操作レバーL5」が特許請求の範囲における「第1操作手段」に対応し、「操作レバーL1〜L4のそれぞれ」が特許請求の範囲における「第2操作手段」に対応する。
起伏操作レバーL2が中立位置から前後に傾動操作されると、操作方向に応じて起伏制御バルブV2が第1切換位置83a、または第2切換位置83bに切り換えられる。この起伏操作レバーL2の操作が起伏操作検出器S2により検出されて、その操作信号がコントローラ66に送られる。伸縮操作レバーL3が中立位置から前後に傾動操作されると、操作方向に応じて伸縮制御バルブV3が第1切換位置、または第2切換位置に切り換えられる。この伸縮操作レバーL3の操作が伸縮操作検出器S3により検出されて、その操作信号がコントローラ66に送られる。オーガ操作レバーL5が中立位置から前後に傾動操作されると、操作方向に応じてオーガ制御バルブV5が第1切換位置85a、または第2切換位置85bに切り換えられる。このオーガ操作レバーL5の操作がオーガ操作検出器S5により検出されて、その操作信号がコントローラ66に送られる。その結果、コントローラ66には、起伏操作検出器S2、伸縮操作検出器S3およびオーガ操作検出器S5から操作信号が入力され、残りの旋回操作検出器S1およびウインチ操作検出器S4から非操作信号が入力される。
コントローラ66は、操作検出器S1〜S5のうちでオーガ操作検出器S5および他のいずれかの操作検出器から操作信号が入力されることに基づいて、供給油路切換バルブ90の駆動ソレノイド93に駆動信号を出力して第2切換位置91bに切り換える制御を行う。これにより、油圧ポンプP1から吐出される作動油は、吐出油路71および供給油路切換バルブ90を介して第2供給油路75に供給され、第2供給油路75に設けられた絞り部80aを通ってオーガ制御バルブV5に供給される。このとき、優先供給制御部80の作用により、絞り部80aの前後圧力差が所定値となる流量の作動油がオーガ制御バルブV5に優先的に供給され、一方、第2供給油路75における余剰分の作動油がバイパス油路76を介して第1供給油路72に供給される。これにより、起伏操作レバーL2、伸縮操作レバーL3およびオーガ操作レバーL5が同時に操作された場合でも、油圧ポンプP1からの作動油が起伏シリンダ22および伸縮シリンダ26に対してオーガモータ44に優先的に供給され、オーガスクリュー45の回転作動が確保される。
建柱穴を掘削する際、一般に起伏シリンダ22および伸縮シリンダ26においては多量の作動油が要求されない(ブーム25を高速で倒伏および縮小させる要求がない)ため、オーガモータ44への作動油を確保した上で余剰分の作動油を起伏シリンダ22および伸縮シリンダ26に供給することで、レバー操作に応じた速度でブーム25を倒伏および縮小させることができる。このとき、起伏制御バルブV2および伸縮制御バルブV3において余剰となった作動油が、余剰油供給油路73を介してオーガ制御バルブV5に供給されるので、オーガ制御バルブV5への供給作動油が十分に確保される。以上説明したように、穴掘建柱車1においては、オーガスクリュー45を回転させながらブーム25を倒伏および縮小させて建柱穴を掘削する際に、オーガスクリュー45の回転を停止させないように起伏操作レバーL2および伸縮操作レバーL3を慎重に操作しなくても、オーガモータ44の回転を確保するために必要とされる作動油を優先的にオーガ制御バルブV5へ供給することができ、作業者の作業負担が軽減される。
次に、操作レバーL1〜L4(特許請求の範囲の「第2操作手段」に対応)のうちの複数が同時に操作される場合の作動制御を説明する。ここでは、起伏操作レバーL2および伸縮操作レバーL3が同時に操作される場合を例に説明する。
起伏操作レバーL2および伸縮操作レバーL3が中立位置から前後に傾動操作されると、起伏制御バルブV2および伸縮制御バルブV3は操作方向に応じて第1切換位置または第2切換位置に切り換えられる。このとき、起伏操作レバーL2の操作および伸縮操作レバーL3の操作は、起伏操作検出器S2および伸縮操作検出器S3により検出されて、これらの操作信号がコントローラ66に送られる。この場合、コントローラ66には複数の操作信号が入力されるもののオーガ操作検出器S5からは操作信号が入力されない(非操作信号が入力される)ので、コントローラ66は、供給油路切換バルブ90を第1切換位置91aに切り換える制御を行う。これにより、油圧ポンプP1から吐出される作動油が吐出油路71、供給油路切換バルブ90および第1供給油路72を介して、起伏制御バルブV2および伸縮制御バルブV3に供給される。この結果、ブーム25は、起伏操作レバーL2の操作に対応して起伏作動されるとともに、伸縮操作レバーL3の操作に対応して伸縮作動される。
以下においては、動力源としてエンジンEに、さらに電動モータMが追加されて構成された穴掘建柱車について、図7および図8を参照しながら説明する。なお、以下においては、実施例1で説明した構成部材と同一の構成部材については、同一の番号を付してその説明を省略する。また、実施例2に係る穴掘建柱車も、図1〜図4に示す全体構成を有している。
実施例2に係る穴掘建柱車は、図7に示すように、エンジンE、電動モータM、油圧ポンプP2〜P4、操作レバー53、操作検出器67、作動装置69、コントローラ166および油圧供給ユニット168から構成される油圧作動装置170を備える。コントローラ166には、電動モータMおよびエンジンEの駆動制御に関する複数の駆動モード(電動モードDM、エンジンモードEMおよびハイブリッドモードHM)が予め記憶されている。これらのモードは、運転席50に設けられた動力源選択スイッチ158を操作することで選択できる。
電動モードDMは、エンジンEを停止させたままの状態で電動モータMを駆動させ、油圧ポンプP4のみから作動油を吐出させるモードである。このため、電動モードDMを選択すると、比較的騒音の大きいエンジンEを停止させて、作業に伴う騒音を低減させることができる。エンジンモードEMは、電動モータMを停止させたままの状態でエンジンEを駆動させ、油圧ポンプP2および油圧ポンプP3から作動油を吐出させるモードである。このため、エンジンモードEMを選択すると、油圧ポンプP2および油圧ポンプP3から多量の作動油を吐出させて、作動装置69の作動速度を確保しやすくなる。ハイブリッドモードHMは、電動モータMおよびエンジンEを組み合わせて駆動させるモードである。このハイブリッドモードHMが選択されると、例えば、原則として電動モータMを駆動させて油圧ポンプP4のみから作動油を吐出させ、油圧ポンプP4からの作動油だけでは不足する場合にエンジンEを追加して駆動させ、油圧ポンプP2および油圧ポンプP3からも作動油を吐出させる制御が行われる。コントローラ166はペダル踏込位置検出器S6からのアクセル信号に基づいて、ハイブリッドモードHMにおけるエンジンEの追加駆動制御を行う。
油圧供給ユニット168は、図8に示すように、旋回制御バルブV1、起伏制御バルブV2、伸縮制御バルブV3、ウインチ制御バルブV4、オーガ制御バルブV5、優先供給制御部80、および操作レバーL1〜L5の操作に応じて作動される供給油路切換バルブ190を備えて構成される。油圧供給ユニット168は、油圧ポンプP2の吐出口に繋がる第1吐出油路171、油圧ポンプP3の吐出口に繋がる第2吐出油路172、油圧ポンプP4の吐出口に繋がる第3吐出油路173、供給油路切換バルブ190と第1吐出油路171とを繋ぐ供給油路174、第1吐出油路171と起伏制御バルブV2とを繋ぐ供給油路175、起伏制御バルブV2とオーガ制御バルブV5とを繋ぐ余剰油供給油路176、供給油路切換バルブ190と余剰油供給油路176とを繋ぐ供給油路178、および供給油路切換バルブ190と供給油路178とを繋ぐ供給油路179も備える。
供給油路174にはチェック弁174aが設けられており、このチェック弁174aにより第1吐出油路171から供給油路切換バルブ190への作動油の供給が規制される。供給油路178にはチェック弁178aが設けられており、このチェック弁178aにより余剰油供給油路176から供給油路切換バルブ190への作動油の供給が規制される。油圧ポンプP2からの作動油が供給される第1吐出油路171には、調圧バルブ171aが設けられており、この調圧バルブ171aにより第1吐出油路171に供給される作動油が所定圧に調圧される。また、油圧ポンプP3および油圧ポンプP4からの作動油が供給される第3吐出油路173には、調圧バルブ173aが設けられており、この調圧バルブ173aにより第3吐出油路173に供給される作動油が所定圧に調圧される。なお、図8に示す「供給油路174と供給油路175とから構成される供給油路」が特許請求の範囲における「第1供給油路」に対応し、また、「供給油路179と供給油路178と余剰油供給油路176とから構成される供給油路」が特許請求の範囲における「第2供給油路」に対応する。
供給油路切換バルブ190は、第3吐出油路173を供給油路178に接続する第1切換位置191aと、第3吐出油路173を供給油路174に接続する第2切換位置191bと、第3吐出油路173を供給油路179に接続する第3切換位置191cとに切り換えられる構成となっている。供給油路切換バルブ190の両端部には駆動ソレノイド192a,192bを備えられ、これら駆動ソレノイド192a,192bにコントローラ166からの駆動信号が入力される。
優先供給制御部80は、供給油路179に設けられた絞り部80aと、絞り部80aの上流側において供給油路179に接続された流路開閉バルブ80bとから構成される。流路開閉バルブ80bは、供給油路179における絞り部80aの前後圧力が入力されるように構成されており、絞り部80aの前後圧力差が所定値となるように、供給油路179における余剰分の作動油をバイパス油路180を介して供給油路174に供給する制御を行う。
以上ここまでは、油圧作動装置170の構成について説明したが、次に、この油圧作動装置170による作動制御について説明する。油圧作動装置170は、操作レバー53の操作および動力源選択スイッチ158における駆動モード選択に基づいて作動制御される。まず、動力源選択スイッチ158によりエンジンモードEMが選択され、コントローラ166においてエンジンモードEMが設定された場合の作動制御について説明する。
この場合、コントローラ166は、エンジンEを駆動させて油圧ポンプP2および油圧ポンプP3から作動油を吐出させるとともに、供給油路切換バルブ190の駆動ソレノイド192a,192bに駆動信号を出力して、供給油路切換バルブ190を第1切換位置191aに切り換える制御を行う。これにより、油圧ポンプP2から吐出された作動油は、第1吐出油路171および供給油路175を介して起伏制御バルブV2等に供給され、さらに余剰油供給油路176を介してオーガ制御バルブV5にも供給される。一方、油圧ポンプP3から吐出された作動油は、第2吐出油路172、第3吐出油路173、供給油路切換バルブ190、供給油路178および余剰油供給油路176を介してオーガ制御バルブV5に供給される。エンジンモードEMが設定された上でレバー操作がされると、いずれか一つのレバー操作のみが行われるか複数のレバー操作が同時に行われるかに拘らず、供給油路切換バルブ190は第1切換位置191aに保持される。これにより、油圧ポンプP2から吐出される作動油の全量を制御バルブV1〜V4に供給しつつ、油圧ポンプP3から吐出される作動油の全量をオーガ制御バルブV5に供給できるので、例えば起伏操作レバーL2、伸縮操作レバーL3およびオーガ操作レバーL5が同時に操作される場合であってもレバー操作に対応させて作動装置69を支障なく作動させることができる。なお、オーガ制御バルブV5からオーガモータ44に供給されることなく余剰となった作動油は、戻り油路177を介してオイルタンクTに戻される。
次に、動力源選択スイッチ158により電動モードDMが選択された上で、いずれか一つのレバー操作のみが行われる場合(例えば起伏操作レバーL2のみがレバー操作される場合や、オーガ操作レバーL5のみがレバー操作される場合等)の作動制御について説明する。
この場合、コントローラ166は、電動モードDMが設定された上で上記一つのレバー操作に対応する操作信号が入力されると、供給油路切換バルブ190を第2切換位置191bに切り換える制御を行う。これにより、油圧ポンプP4から吐出された作動油は、第3吐出油路173、供給油路切換バルブ190、供給油路174および供給油路175を介して起伏制御バルブV2等に供給され、さらに余剰油供給油路176を介してオーガ制御バルブV5にも供給される。よって、レバー操作に対応させて作動装置69を支障なく作動させることができる。
次に、電動モードDMが設定された上で、複数のレバー操作が同時に行われる場合の作動制御について、オーガ操作レバーL5と他の操作レバーとが同時に操作される場合を説明する。ここでは、起伏操作レバーL2、伸縮操作レバーL3およびオーガ操作レバーL5が同時に操作される場合を例に説明する。
この場合、コントローラ166は、電動モードDMが設定された上で、操作検出器S1〜S5のうちでオーガ操作検出器S5および他のいずれかの操作検出器から操作信号が入力されることに基づいて、供給油路切換バルブ190を第3切換位置191cに切り換える制御を行う。これにより、油圧ポンプP4から吐出された作動油は、第3吐出油路173、供給油路切換バルブ190、供給油路179、供給油路178および余剰油供給油路176を介してオーガ制御バルブV5に供給される。このとき、優先供給制御部80の作用により、絞り部80aの前後圧力差が所定値となる流量の作動油がオーガ制御バルブV5に優先的に供給され、一方、供給油路179における余剰分の作動油がバイパス油路180を介して供給油路174に供給される。これにより、起伏操作レバーL2、伸縮操作レバーL3およびオーガ操作レバーL5が同時に操作された場合でも、油圧ポンプP4からの作動油が、起伏シリンダ22および伸縮シリンダ26に対してオーガモータ44に優先的に供給され、オーガスクリュー45の回転作動が確保される。また、優先供給制御部80における余剰分の作動油を、バイパス油路180、供給油路174および供給油路175を介して起伏シリンダ22および伸縮シリンダ26に供給することにより、ブーム25を支障なく倒伏および縮小させることができる。なお、電動モードDMが設定された上で、複数のレバー操作が同時に行われる場合であっても、オーガ操作レバーL5が操作されない(オーガ操作検出器S5からの操作信号が入力されない)場合には、コントローラ166は供給油路切換バルブ190を第2切換位置191bに切り換える制御を行う。
ハイブリッド型作業車に駆動源として搭載される電動モータMは、エンジンEと比較して一般に回転駆動力が小さいため、電動モードDMにおいては油圧ポンプP4から多量の作動油を吐出させることが難しい。このため、電動モードDMが設定された上で複数の操作レバーが同時に操作されると、作動油の要求量に対して作動油の吐出量が不足し、レバー操作に対応させて作動装置69を作動させることが困難になる場合があり得る。建柱穴の掘削時において、オーガスクリュー45の回転作動と他の作動とを同時に行わせる場合にオーガスクリュー45の回転が停止すると、オーガスクリュー45が破損する虞がある。そこで、優先供給制御部80および供給油路切換バルブ190を備えた油圧供給ユニット168によれば、複数の操作レバーが同時に操作されたときに自動でオーガモータ44に作動油を優先して供給することができ、起伏操作レバーL2および伸縮操作レバーL3を従来のように慎重に操作しなくてもオーガスクリュー45の回転作動が確保される。
次に、ハイブリッドモードHMが設定された場合の作動制御について説明する。上述したように、ハイブリッドモードHMでは原則として電動モータMを駆動させ、必要に応じてエンジンEが追加駆動される。そこで、電動モータMのみが駆動される場合の作動制御と、電動モータMに加えてエンジンEが駆動される場合の作動制御とに分けて説明する。まず、ハイブリッドモードHMにおいて電動モータMのみが駆動される場合には、上述した電動モードDMが設定された場合と同様の作動制御が行われる。また、ハイブリッドモードHMにおいて電動モータMに加えてエンジンEが駆動される場合にも、上述した電動モードDMが設定された場合と同様の作動制御が行われる。
上述の実施例1および2では、各制御バルブのセンターバイパスV1〜V5を介して余剰油を下流側に供給する構成を例示して説明したが、この構成に代えて例えば図9に示すように、圧力補償弁で生じた余剰油をオーガモータ44に供給してオーガモータ44の回転を確保するように構成しても良い。なお、実施例2と同一部材には同一番号を付して、ここでの説明を省略する。
供給油路171および供給油路174の作動油は、供給油路201を介して起伏制御バルブV2´に供給され、供給油路202および供給油路203を介して伸縮制御バルブV3´に供給され、供給油路202を介して旋回制御バルブV1´に供給される。各制御バルブV1´〜V3´を介した各油圧アクチュエータからの戻り油は、戻り油路204および戻り油路216を介してオイルタンクTに戻される。一方、供給油路178を介してオーガ制御バルブV5´に作動油が供給されるとともに、供給油路215を介してウインチ制御バルブV4´に作動油が供給される。ウインチ制御バルブV4´およびオーガ制御バルブV5´を介した各油圧アクチュエータからの戻り油は、戻り油路216を介してオイルタンクTに戻される。
旋回モータ21の負荷圧と伸縮シリンダ26の負荷圧とがシャトルバルブ211に入力され、さらに、シャトルバルブ211に入力される負荷圧のうちで高い方の負荷圧と起伏シリンダ22の負荷圧とがシャトルバルブ212に入力される。そして、シャトルバルブ212に入力される負荷圧のうちで高い方の負荷圧が、供給油路201と供給油路178とに跨って配設される上流側圧力補償バルブ213に入力される。上流側圧力補償バルブ213においては、油圧アクチュエータの負荷圧変動に拘らず、制御バルブV1´〜V3´の下流側圧力(油圧アクチュエータの負荷圧)と制御バルブV1´〜V3´の上流側圧力(油圧ポンプの吐出圧)との差が一定になるように、供給油路201における余剰分の作動油を供給油路214を介して供給油路178に供給する制御が行われる。
一方、ウインチモータ33の負荷圧とオーガモータ44の負荷圧とがシャトルバルブ221に入力され、シャトルバルブ221に入力される負荷圧のうちで高い方の負荷圧が下流側圧力補償バルブ222に入力される。下流側圧力補償バルブ222においては、制御バルブV4´,V5´の下流側圧力と制御バルブV4´,V5´の上流側圧力との差が一定になるように、供給油路178における余剰分の作動油を戻り油路216に供給する制御が行われる。
この図9に示す油圧回路構成においては、上流側圧力補償バルブ213によって、供給油路201における余剰分の作動油が供給油路214を介して供給油路178に供給されるので、余剰分の作動油を無駄にすることなくオーガモータ44に供給してオーガモータ44の回転を確保することができる。なお、ここでは、実施例2の構成(駆動源が二つの構成)に適用した例を説明したが、実施例1の構成(駆動源が一つの構成)に適用することも可能である。
上述の実施形態では、オーガ制御バルブV5を最も下流に配設して、オーガモータ44に優先的に作動油を供給する構成例を説明したが、本発明はこの構成例に限定されない。オーガ制御バルブV5に代えて例えば伸縮制御バルブV3を最も下流に配設すると、複数のレバー操作が同時にされた場合に、ブーム25の伸縮作動を他の作動に優先させて行わせることができる。
上述の実施形態では、制御バルブV1〜V5を操作レバーL1〜L5に機械的に連結し、操作レバーL1〜L5の操作に応じて制御バルブV1〜V5を機械的に作動させる構成を例示して説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、制御バルブV1〜V5を電磁弁(比例電磁式の方向流量制御バルブ)で構成し、操作レバーの操作により出力される駆動信号に基づいて、制御バルブV1〜V5を電気的に作動させるものでもよい。
上述の実施形態においては、操作レバーL1〜L5と制御バルブV1〜V5とを連結する連結部材60のスライド移動を検出して、操作レバーL1〜L5の操作を検出する構成を例示したが、操作レバーL1〜L5の操作を検出する方法はこれに限定されない。例えばリミットスイッチ等を用いて、制御バルブV1〜V5におけるスプールの移動を検出して、操作レバーL1〜L5の操作を検出する方法も可能である。
上述の実施形態においては、タイヤ車輪式の穴掘建柱車1に本発明を適用した例について説明をしたが、例えばクローラ装置等により走行する車両にも本発明を適用可能である。また、軌道走行用車輪を備えて軌道上を走行する軌道走行用の作業車や、タイヤ車輪と軌道走行用車輪との両方を備えた軌陸両用の作業車等にも本発明を適用できる。
上述の実施形態では、本発明に係る油圧作動装置を穴掘建柱車に搭載した例について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。油圧作動式のアクチュエータを搭載して構成される種々の作業車、例えば高所作業車、軌陸車、クレーン車等の他の作業車にも同様に本発明に係る油圧作動装置を搭載可能である。