JP2023167734A - 把持式穴掘建柱車の安全装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】把持した対象物の落下を防止することのできる把持式穴掘建柱車の安全装置を提供する。【解決手段】把持式穴掘建柱車の安全装置は、把持部開閉操作レバー32gの操作に応じてグリッパシリンダ99への圧油の給排を制御する作動制御部101と、グリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力を検出するグリッパシリンダ圧力検出器141と、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力が第1設定圧力以上である場合に、把持部が対象物を把持していることを判定する把持判定部103と、把持判定部103において把持部が対象物を把持していることが判定され、且つ、把持部開閉操作レバー32gの操作が行われていない状態で、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力が第1設定圧力よりも大きい第2設定圧力以下となる場合に、ロッド側油室に圧油を供給する制御を実行する把持力制御部104とを備えている。【選択図】図9

Description

本発明は、例えば電柱等の対象物を把持する把持部を備えた把持式穴掘建柱車の安全装置に関する。
作業車の一つである穴掘建柱車として、車体上に旋回動自在に設けられた旋回台と、旋回台に起伏動および伸縮動自在に設けられたブームと、ブームに装着されて電柱を建て入れるための建柱穴を掘削するオーガ装置と、ブームの先端部に設けられて電柱などの柱状物を把持する把持装置とを備えた把持式の穴掘建柱車が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この把持式の穴掘建柱車を用いて地面に建柱穴を掘削する際には、オーガ装置をブームの先端部から吊り下げた状態でブームを適宜作動させ、そのオーガ装置を所定の掘削位置で回転作動させることで、所定の深さの建柱穴を形成することができる。この建柱穴の掘削が終了した後は、オーガ装置を引き上げてブームの側面に格納するとともに、ブームの先端部に設けられた把持装置により電柱を把持し、この電柱を把持した状態でブームを適宜作動させることで上記掘削された建柱穴に当該電柱を直接建て入れることができるようになっている。このような把持式の穴堀建柱車では、電柱をウィンチやクレーンなどを用いて吊り下げて作業を行う場合と比べて、一連の建柱作業を効率的に行うことができるようになっている。
特開平2‐81892号公報
ところで、上記従来技術では、把持装置に電柱が把持された状態において、把持装置の油圧回路にリーク(油圧リーク)等が発生した場合には、把持装置の把持力が時間の経過とともに低下して、その把持力不足によって把持装置から電柱が落下するおそれがあるという課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、把持した対象物の落下を防止することのできる把持式穴掘建柱車の安全装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る把持式穴掘建柱車の安全装置は、車体上に少なくとも起伏動可能に設けられたブームと、開閉可能な把持爪を有して閉じ状態で対象物を把持可能な把持部と、前記ブームの先端部と前記把持部との間に設けられて、前記ブームの先端部に対する前記把持部の姿勢を変化させる支持機構と、前記把持爪を開閉させる把持シリンダと、前記把持シリンダの作動を操作する把持操作装置と、前記把持操作装置の操作に応じて前記把持シリンダのロッド側油室およびボトム側油室への圧油の給排を制御する圧油供給制御部と、前記ロッド側油室および前記ボトム側油室のうち、前記把持爪を閉方向に作動させるときに作動油が供給される側の油室である閉じ側油室の圧力を検出する圧力検出部と、前記圧力検出部において検出される圧力が第1設定値以上である場合に、前記把持部が対象物を把持していることを判定する把持判定部とを備え、前記圧油供給制御部は、前記把持判定部において前記把持部が対象物を把持していることが判定され、且つ、前記把持操作装置の操作が行われていない状態で、前記圧力検出部において検出される圧力が前記第1設定値よりも大きい第2設定値以下となる場合に、前記閉じ側油室に
圧油を供給する制御を実行することを特徴とする。
上記構成の把持式穴掘建柱車の安全装置において、前記圧油供給制御部は、前記把持判定部において前記把持部が対象物を把持していることが判定され、且つ、前記把持操作装置の操作が行われていない状態で、前記圧力検出部において検出される圧力が前記第2設定値以下となる場合に、前記圧力検出部において検出される圧力が前記第2設定値よりも大きい第3設定値に到達するまで前記閉じ側油室に圧油を供給する制御を実行することが好ましい。
本発明に係る把持式穴掘建柱車の安全装置によれば、把持部が対象物を把持している状態において、油圧リーク等が発生して把持シリンダの閉じ側油室の圧力が低下した場合であっても、圧力検出部において検出される圧力が第2設定値まで低下したときに、把持シリンダの閉じ側油室に圧油を供給して自動的に加圧する制御を行うことで、対象物を把持できるだけの必要な把持力を確実に維持することができるため、把持力不足により把持部から対象物が落下する事態を未然に防止することができ、安全性の向上を図ることが可能となる。さらに、本発明では、把持部に対象物を把持した直後に把持操作装置の操作が解除された場合(最初に把持したときの検出圧力が第2設定値以下となる場合)であっても、把持シリンダの閉じ側油室に圧油を供給して自動的に加圧する制御が行われることで、把持操作装置に対する付加的な操作を要することなく十分な把持力を発生させることができるようになるため、操作の利便性と安全性とを両立させることが可能となる。
また、本発明に係る把持式穴掘建柱車の安全装置では、把持部が対象物を把持している状態において、圧力検出部において検出される圧力が第2設定値まで低下した場合には、その検出圧力が第3設定値に達するまで、把持シリンダの閉じ側油室に圧油を供給して自動的に加圧することで、この第2設定値の近傍の領域において頻繁に加圧制御の実行と停止とが繰り返される現象(チャタリング現象)が発生することを回避できるとともに、常に十分な把持力を発生させることが可能となる。
本実施形態に係る把持式穴掘建柱車の側面図である。 上記把持式穴掘建柱車の平面図である。 上記把持式穴掘建柱車の使用状態を示す側面図である。 上記把持式穴掘建柱車に設けられた把持装置の斜視図である。 上記把持装置の要部を右方から見た斜視図である。 上記把持装置の要部を左方から見た斜視図である。 上記把持装置の横断面図である。 上記把持装置の縦断面図である。 上記把持式穴掘建柱車の機能ブロック図である。 上記把持装置の油圧回路を示す図である。 電柱の把持状態において油圧リークが発生したときのグリッパシリンダ圧力検出器の検出圧力の推移を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る把持式穴掘建柱車1の全体構成について図1~図3を参照して説明する。
把持式穴掘建柱車1は、図1に示すように、車体2の前部に運転キャビン7を有し、車体2の前後に配設された左右一対のタイヤ車輪5により走行可能なトラック車両をベースに構成されている。車体2の前後左右の四箇所には、車体2を持ち上げ支持するためのジ
ャッキ9が配設されている。各ジャッキ9は、その内部に設けられたジャッキシリンダ(図示せず)を駆動させて下方に伸長させることで車体2を持ち上げ支持し、それにより車体2全体を安定させた状態とする。ジャッキ9の作動操作は、車体2の後部に設けられたジャッキ操作装置(図示せず)の操作により行われる。
車体2における運転キャビン7後方の架装領域には、旋回モータ14(図9を参照)により駆動されて上下軸回りに水平旋回動自在に構成された旋回台12が設けられている。この旋回台12には、ブーム13の基端部が上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。
ブーム13は、旋回台12側から順に、基端ブーム13a、中間ブーム13bおよび先端ブーム13cが入れ子式に組み合わされた構成を有しており、その内部に設けられた伸縮シリンダ15(図9を参照)の伸縮駆動により、ブーム13を軸方向(長手方向)に伸縮動させることができる。また、基端ブーム13aと旋回台12との間には起伏シリンダ16が跨設されており、この起伏シリンダ16を伸縮駆動させることにより、ブーム13全体を上下面(垂直面)内で起伏動させることができる。
ブーム13には、基端ブーム13aと先端ブーム13cとに選択的に連結可能なオーガサポート17を介して、建柱穴の掘削を行うためのオーガ装置20が取り付けられている。オーガ装置20は、減速機付きのオーガモータ21と、オーガモータ21を回転駆動させることにより軸周りに回転されるアースオーガ22とを有して構成される。また、基端ブーム13aの側面には、オーガ装置20を格納状態で保持するオーガ格納装置18が配設されている。オーガ装置20は、オーガサポート17に垂直面内で上下に揺動可能に取り付けられており、オーガ装置20をオーガ格納装置18により基端ブーム13aの側方に沿って格納した格納位置と、オーガ装置20をオーガ格納装置18から外してアースオーガ22を地面に対して略垂直姿勢にした作業位置との間で揺動させることが可能である。
オーガ装置20を使用するときは、図3のIに示すように、オーガサポート17を先端ブーム13cに連結させて、オーガ格納装置18から外したオーガ装置20を作業位置に揺動させた状態(アースオーガ22を地面に対して略垂直姿勢にした状態)で、アースオーガ22を回転させながらブーム13の倒伏動と縮小動とを連動させて直線的に下方へ移動させることで、建柱穴の掘削作業が可能である。一方、オーガ装置20を使用しないときは、図3のIIに示すように、オーガサポート17を基端ブーム13aに連結させて、オーガ装置20をオーガ格納装置18により基端ブーム13aの側方に沿った格納位置に格納保持する。オーガ装置20が格納位置にある状態においては、後述の把持装置50を用いて、電柱(図3に符号Dで示す:以下同様)の建柱作業や障害物の移設作業などの各種の作業を行うことができるようになっている。
先端ブーム13cの先端部には、ブームヘッド19が固定されている。このブームヘッド19には、例えば電柱Dなどの対象物(柱状物)を把持する把持装置50が取り付けられている。この把持装置50の構成について図4~図8を追加参照して説明する。なお、図7~図8では、図を見易くするために、断面を示すハッチングを省略している。また、以下では、説明の便宜上、図4に示す把持装置50の姿勢を基準として、図示する前後、左右、上下の矢印方向を、前後方向、左右方向、上下方向と呼称して説明する。
把持装置50は、ブームヘッド19に上下方向に揺動(屈伸動)可能に取り付けられたアーム51と、アーム51の先端部に上下方向に揺動(縦首振り)可能に取り付けられた第1ジョイント部材60と、第1ジョイント部材60に左右方向に揺動(横首振り)可能に取り付けられた第2ジョイント部材70と、第2ジョイント部材70に回転可能に取り
付けられたグリッパ80とを備えて構成される。なお、本実施形態では、アーム51、第1ジョイント部材60、第2ジョイント部材70、後述の縦首振りシリンダ62、横首振りシリンダ71、グリッパモータ79などにより、グリッパ80の把持部81の姿勢を変化させる支持機構が構成されている。
アーム51は、軸方向(長手方向)の一端部が連結ピン52を介してブームヘッド19に枢結され、軸方向(長手方向)の他端部が連結ピン53を介して第1ジョイント部材60に枢結されている。ブームヘッド19と第1ジョイント部材60との間には、アームシリンダ55が取り付けられている。アームシリンダ55のロッド側端部は、ブームヘッド19に連結ピン56を介して枢結されている。アームシリンダ55のボトム側端部は、第1ジョイント部材60に連結ピン57を介して枢結されている。このアームシリンダ55を伸縮作動させることで、アーム51をブームヘッド19に対して連結ピン52を中心に上下方向に揺動自在(屈伸動自在)に構成されている。
第1ジョイント部材60は、先端側が開放された上下二股状に形成されており、この二股状の両端部に第2ジョイント部材70が上下一対の連結ピン61を介して枢結されている。第1ジョイント部材60とアーム51との間には、縦首振りシリンダ62が設けられている。縦首振りシリンダ62のボトム側端部は、アーム51の基端側に連結ピン63を介して枢結されている。縦首振りシリンダ62のロッド側端部は、第1ジョイント部材60の上端側に連結ピン64を介して枢結されている。この縦首振りシリンダ62を伸縮作動させることで、第1ジョイント部材60をアーム51に対して連結ピン53を中心に上下方向に揺動自在(縦首振り自在)に構成されている。
第2ジョイント部材70は、第1ジョイント部材60によって上下から挟まれるように支持されている。また、第1ジョイント部材60の上端部には、横首振りシリンダ71が設けられている。横首振りシリンダ71は、ボトム側端部が第1ジョイント部材60の先端部に枢結され、ロッド側端部が第2ジョイント部材70の後端部に枢結されている。この横首振りシリンダ71を伸縮作動させることで、第2ジョイント部材70を第1ジョイント部材60に対して連結ピン61を中心に左右方向に揺動自在(横首振り自在)に構成されている。
グリッパ80は、対象物を把持する把持部81と、把持部81を支持して第2ジョイント部材70に回転自在に設けられたグリッパハウジング86と、把持部81を開閉作動する開閉機構93とを備えて構成される。
把持部81は、一対の把持爪82と、この一対の把持爪82を互いに接近又は離反する方向(開閉方向)に開閉自在に支持する上下一対の支持板部83とを備えている。把持爪82は、例えば電柱Dなどの種々の対象物(柱状物)を把持可能に構成されている。この把持爪82の基端部は、上下の支持板部83に連結ピン84を介して枢結されている。把持爪82の先端部には、互い違いに切欠き82a,82bが形成されており、この先端部同士が互いに交差(オーバーラップ)可能に構成されている。支持板部83には、不図示のアタッチメント(例えば樹木を伐採するための伐採装置)を着脱自在に装着するための平板状の上側ブラケット85が設けられている。
グリッパハウジング86は、上下の支持板部83に連結されて第2ジョイント部材70に回転自在に支持された支持筒部87と、この支持筒部87の基端側に固定されて第1ジョイント部材60と第2ジョイント部材70との間に配設されたシリンダブラケット部92とを備えている。
支持筒部87は、中空の角筒状に形成された内側筒部88と、この内側筒部88の外周
側に設けられて中空の円筒状に形成された外側筒部89とを有した二重構造となっている。内側筒部88の内周側には、後述の開閉機構93の摺動部材95が前後方向にスライド自在に取り付けられている。外側筒部89の外周側には、この外側筒部89と同心状にウォームホイール90が取り付けられている。このウォームホイール90は、第2ジョイント部材70の内側に回転自在に支持されたウォームピニオン91と噛合している。第2ジョイント部材70の上端部には、グリッパモータ79が取り付けられており、このグリッパモータ79の出力軸にウォームピニオン91が減速機を介して連結されている。このグリッパモータ79を正転方向に回転作動すると、ウォームピニオン91およびウォームホイール90を介して、グリッパ80全体が回転軸線X(図7を参照)を中心に所定方向に回転する。一方、グリッパモータ79を逆転方向に回転作動すると、ウォームピニオン91およびウォームホイール90を介して、グリッパ80全体が回転軸線X(図7を参照)を中心に所定方向とは逆方向に回転する。なお、図4に示した把持装置50の姿勢においては、グリッパ80(把持部81)の回転軸線X方向は前後方向に対応し、把持部81の開閉方向(把持方向)は左右方向に対応する。
開閉機構93は、一対のリンク部材94と、この一対のリンク部材94にリンク結合される摺動部材95と、この摺動部材95を前後にスライドさせるグリッパシリンダ99とを備えている。各リンク部材94の一端部は、把持爪81の中間部に連結ピン96を介して枢結されている。また、一対のリンク部材94は、各リンク部材94の他端部同士が上下に重なった状態で摺動部材95の先端部に連結ピン97を介して枢結されている。この摺動部材95は、内側筒部88の中空部に挿入されて、当該内側筒部88の内周面に沿って摺動自在(往復動自在)に取り付けられている。この摺動部材95の外周面と内側筒部88の内周面との間には、摺動部材95のスライド(往復移動)を案内するための合成樹脂製のスライダ98が取り付けられている。この摺動部材95の基端部には、グリッパシリンダ99のロッド側端部が連結されている。なお、このグリッパシリンダ99のボトム側端部は、グリッパハウジング86のシリンダブラケット部92に連結されている。このグリッパシリンダ99を伸長作動すると、当該伸長方向に摺動部材95が摺動してリンク部材94が互いに離反する方向に揺動する。それにより、把持爪82が連結ピン84を支点として開方向に揺動することで(把持爪82が開方向に作動(開作動)することで)対象物の把持を解放することができる。一方、グリッパシリンダ99を縮小作動すると、当該縮小方向に摺動部材95が摺動してリンク部材94が互いに接近する方向に揺動する。それにより、把持爪82が連結ピン84を支点として閉方向に揺動することで(把持爪82が閉方向に作動(閉作動)することで)対象物を把持することができる。なお、開閉機構93は、左右対称に構成されているため、一対の把持爪82は左右対称に開閉作動するようになっている。
車体2における旋回台12の側部には、各作業装置(旋回台12、ブーム13、オーガ装置20、把持装置50)の作動を操作するための操作席30が設けられている。この操作席30の前方には、作業者が座ったままの姿勢で操作が可能な操作装置31が配設されている。操作装置31には、図9に示すように、ブーム13の旋回操作および起伏操作を行うためのブーム旋回起伏操作レバー32a、ブーム13の伸縮操作およびアーム51の屈伸操作を行うためのブーム伸縮屈伸操作レバー32b、オーガスクリュー25の回転操作を行うためのオーガ操作レバー32c、把持部81の縦首振り操作を行うための把持部縦首振り操作レバー32d、把持部81の横首振り操作を行うための把持部横首振り操作レバー32e、把持部81の回転操作を行うための把持部回転操作レバー32f、把持部81の開閉操作を行うための把持部開閉操作レバー32gなどが設けられている。なお、各操作レバー32a~32gには、各操作レバー32a~32gの操作状態(操作方向および操作量)を検出する操作検出器が設けられており、各操作レバー32a~32gの操作状態に応じた操作信号が後述のコントローラ100に出力されるようになっている。
ここで、旋回台12,ブーム13、オーガ装置20、把持装置50などの作動機構は、図9に示すように、操作装置31からの操作信号を受けて、旋回モータ14、伸縮シリンダ15、起伏シリンダ16、オーガモータ22、アームシリンダ55、縦首振りシリンダ62、横首振りシリンダ71、グリッパモータ79、グリッパシリンダ99(以下、まとめて「油圧アクチュエータ」とも呼称する)を制御するコントローラ100と、この油圧アクチュエータを駆動するための作動油(圧油)を供給する油圧ユニット110とを備えて構成される。
操作装置31の操作により出力された操作信号は、コントローラ100に入力される。コントローラ100は、その操作信号に応じた指令信号を油圧ユニット110(制御バルブ113)に出力する。
油圧ユニット110は、油圧タンク112に貯留された作動油を吐出する油圧ポンプ111と、油圧ポンプ111から各油圧アクチュエータに供給する作動油の供給方向及び供給量を制御する制御バルブ113を有して構成される。油圧ポンプ111は、車両のエンジンからPTO機構(図示せず)を介して取り出した動力により駆動される。制御バルブ113は、旋回モータ14に対応する電磁比例制御バルブV1、伸縮シリンダ15に対応する電磁比例制御バルブV2、起伏シリンダ16に対応する電磁比例制御バルブV3、オーガモータ22に対応する電磁比例制御バルブV4、アームシリンダ55に対応する電磁比例制御バルブV5、縦首振りシリンダ62に対応する電磁比例制御バルブV6、横首振りシリンダ71に対応する電磁比例制御バルブV7、グリッパモータ79に対応する電磁比例制御バルブV8、グリッパシリンダ99に対応する電磁比例制御バルブV9を有している。この制御バルブ113は、コントローラ100からの指令信号に基づき、各電磁比例制御バルブV1~V9のスプールを電磁駆動して、油圧ポンプ111から各油圧アクチュエータに供給される作動油の供給方向及び供給量を制御し、各油圧アクチュエータの作動方向及び作動速度を制御する(旋回台12、ブーム13、オーガ装置20、把持装置50の作動方向及び作動速度を制御する)。
次に、本実施形態の把持装置50の油圧回路について説明する。図10は、本実施形態の把持装置50の油圧回路を示す図である。
把持装置50の油圧回路には、図10に示すように、アームシリンダ55に対する作動油の給排を制御する電磁比例制御バルブV5と、縦首振りシリンダ62に対する作動油の給排を制御する電磁比例制御バルブV6と、横首振りシリンダ71に対する作動油の給排を制御する電磁比例制御バルブV7と、グリッパモータ79に対する作動油の給排を制御する電磁比例制御バルブV8と、グリッパシリンダ99に対する作動油の給排を制御する電磁比例制御バルブV9とが設けられている。各電磁比例制御バルブV5~V9は、中立復帰型の3ポジションの電磁比例制御バルブから構成されている。各電磁比例制御バルブV5~V9は、油路L1を介して油圧ポンプ111に接続され、油路L2を介して油圧タンク112に接続されている。また、油路L1と油路L2とを繋ぐ油路L3には、5つの電磁比例制御バルブV5~V9と並列に接続された圧力補償バルブ120が設けられている。また、油路L1から分岐する油路L4~L8には、油圧ポンプ111から吐出した作動油の圧力を減圧する減圧バルブ121~125が設けられている。
アームシリンダ55と電磁比例制御バルブV5とを繋ぐ2本の油路L11,L12には、ダブルホールディングバルブ131が接続されている。また、縦首振りシリンダ62と電磁比例制御バルブV6とを繋ぐ2本の油路L13,L14には、ダブルホールディングバルブ132が接続されている。また、横首振りシリンダ71と電磁比例制御バルブV7とを繋ぐ2本の油路L15,L16には、ダブルホールディングバルブ133が接続されている。また、グリッパモータ79と電磁比例制御バルブV8とを繋ぐ2本の油路L17
,L18には、ダブルホールディングバルブ134が接続されている。各ダブルホールディングバルブ131~134は、2つのホールディングバルブを一体に組み込んだバルブであり、油圧アクチュエータ55,62,71,79と電磁比例制御弁V5~V8とを繋ぐ油路が損傷等してこれらから作動油が急激に漏れ出したとしても、油圧アクチュエータ55,62,71,79から電磁比例制御弁V5~V8への作動油の流れを規制して、油圧アクチュエータ55,62,71,79が急に作動する事態を未然に防止するためのものである。
電磁比例制御バルブV9は、中立復帰型の3ポジションの電磁比例制御バルブであり、コントローラ100からの指令信号に応じた移動方向および移動量でバルブスプールを変位させて、4つのポート(ポートP、ポートT、ポートA、ポートB)間の作動油の流れを制御する。この電磁比例制御バルブV9は、グリッパシリンダ99の作動を停止させる中立位置aと、グリッパシリンダ99を縮小作動させる右位置bと、グリッパシリンダ99を伸長作動させる左位置cとに切り替えられる。また、この電磁比例制御バルブV9のポートA,Bとグリッパシリンダ99とを繋ぐ油路L19,L20には、パイロットチェックバルブ135a,135bが接続されている。パイロットチェックバルブ135a,135bは、相手方の油路からのパイロット圧を受けて自身の油路を開放するダブルパイロットチェックバルブ135を構成している。なお、油路L19,L20における電磁比例制御バルブV9とダブルパイロットチェックバルブ135との間には、二重安全装置としてのパイロットチェックバルブ136が設けられている。また、油路L19におけるパイロットチェックバルブ135aとグリッパシリンダ99のロッド側油室との間には、当該ロッド側油室の圧力(当該ロッド側油室に供給される作動油の圧力)を検出する後述のグリッパシリンダ圧力検出器141が設けられている。
電磁比例制御バルブV9のスプールが中立位置aにあるときは、ポートPとポートA,Bとが遮断されることで油圧ポンプ111からグリッパシリンダ99への作動油の供給が停止されるとともに、ポートTとポートA,Bとが接続されることで残圧が解放される。このとき、各パイロットチェックバルブ135a,135bは、相手方の油路からのパイロット圧を受けず自身の油路を閉じることで、グリッパシリンダ99側から油圧タンク112側への作動油の抜け出しを防止する。それにより、把持部81に対象物が把持された後、電磁比例制御バルブV9のスプールを中立位置aに戻しても(把持部開閉操作レバー32gを中立位置に戻しても)、グリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力が維持されるため、対象物は落下しない。
電磁比例制御バルブV9のスプールが右位置bに切り換えられると、ポートPとポートAとが接続されるとともに、ポートTとポートBとが接続されることで、油圧ポンプ111からの作動油がグリッパシリンダ99のロッド側油室に供給されて、グリッパシリンダ35が縮小作動する(それにより把持爪82が閉方向に作動する)。このとき、ダブルパイロットチェックバルブ135は、ポートPからグリッパシリンダ99のロッド側油室へ向かう方向の作動油の流れを許容するとともに、グリッパシリンダ99のボトム側油室からポートTへ向かう方向の作動油の流れを許容する。
電磁比例制御バルブV9のスプールが左位置cに切り換えられると、ポートPとポートBとが接続されるとともに、ポートTとポートAとが接続されることで、油圧ポンプ111からの作動油がグリッパシリンダ99のボトム側油室に供給されて、グリッパシリンダ99が伸長作動する(それにより把持爪82が開方向に作動する)。このとき、ダブルパイロットチェックバルブ135は、ポートPからグリッパシリンダ99のボトム側油室へ向かう方向の作動油の流れを許容するとともに、グリッパシリンダ99のロッド側油室からポートTへ向かう方向の作動油の流れを許容する。
次に、本実施形態の把持式穴掘建柱車1に設けられた安全装置について説明する。本実施形態の安全装置は、図9に示すように、電磁比例制御バルブV9と、グリッパシリンダ圧力検出器141と、コントローラ100とを主体に構成されている。
グリッパシリンダ圧力検出器141は、電磁比例制御バルブV9とグリッパシリンダ99のロッド側油室とを結ぶ油路に設けられており、グリッパシリンダ99のロッド側油室に供給される作動油の圧力(ロッド側油室の圧力)を検出する。このグリッパシリンダ圧力検出器141は、グリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力を検出して、その検出した圧力に応じた電圧信号(検出信号)をコントローラ100に出力する。以下の説明では、このグリッパシリンダ圧力検出器141において検出される圧力を「検出圧力Pr」と呼称する。ここで、このグリッパシリンダ圧力検出器141において検出される検出圧力Prは、把持部81の把持力(把持部81が対象物を把持する力)と比例関係にある。そのため、詳細後述するが、コントローラ100の把持判定部103は、この検出圧力Prに基づき、把持部81が対象物を把持しているか否かを判定する。
なお、グリッパシリンダ99のロッド側油室の最大圧力(上限圧力)は、不図示のリリーフバルブで規定されるリリーフ圧Pmax(例えば170[kg/cm2])となる。つまり、対象物を把持することでグリッパシリンダ99の縮小方向の作動がほぼ停止した後(把持爪82の閉方向の動作が止まった後)も、把持部開閉操作レバー32gの前方(把持方向)への操作を継続すると、電磁比例制御バルブV9から供給される作動油によってグリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力は上昇するが、その圧力の最大値(上限値)はリリーフ圧Pmaxとなる。そのため、把持部81で発揮される最大把持力は、このリリーフ圧Pmaxに対応する把持力となる。ここで、作業者は把持部81に対象物を把持させる場合に、対象物を把持したときのタイミングを認識することが難しいため、把持爪82の閉方向の動作が止まった後もある程度余裕をもって把持部開閉操作レバー32gの前方への操作を継続するため、通常の操作においては、対象物を把持しているときのグリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力は最大圧力(リリーフ圧Pmax)となっている。なお、このリリーフ圧Pmaxは、対象物(被把持物)の強度やグリッパシリンダ99の耐圧力などを考慮して適宜に設定される。
コントローラ100は、作動制御部101と、操作判定部102と、把持判定部103と、把持力制御部104とを備えている。
作動制御部101は、操作装置31の各操作レバー32a~32gからの操作信号に基づいて、制御バルブ113(電磁比例制御バルブV1~V9)を電磁駆動して各油圧アクチュエータを作動させることで、各作業装置(ブーム13、オーガ装置20,把持装置50)などの作動を制御する。具体的には、ブーム旋回起伏操作レバー32aが前方(操作しているオペレータを基準とした前後左右方向:以下同様)に傾倒操作されたときは、起伏シリンダ16を縮小作動させてブーム13を倒伏作動させ、ブーム旋回起伏操作レバー32aが後方に傾倒操作されたときは、起伏シリンダ16を伸長作動させてブーム13を起仰作動させる。また、ブーム伸縮屈伸操作レバー32bが前方に傾倒操作されたときは、伸縮シリンダ15を伸長作動させてブーム13を伸長作動させ、ブーム伸縮屈伸操作レバー32bが後方に傾倒操作されたときは、伸縮シリンダ15を縮小作動させてブーム13を縮小作動させる。また、ブーム旋回起伏操作レバー32aが左方に傾倒操作されたときは、旋回モータ14を正回転作動させてブーム13を左回り方向に旋回作動させ、ブーム旋回起伏操作レバー32aが右方に傾倒操作されたときは、旋回モータ14を逆回転作動させてブーム13を右回り方向に旋回作動させる。また、オーガ操作レバー32cが前方に傾倒操作されたときは、オーガモータ22を逆回転作動させてオーガスクリュー25を逆転方向に回転作動させ、オーガ操作レバー32cが後方に傾倒操作されたときは、オーガモータ22を正回転作動させてオーガスクリュー25を正転方向に回転作動させる。
また、ブーム伸縮屈伸操作レバー32bが左方に傾倒操作されたときは、アーム51をブーム13の先端部に対して下方に屈伸作動させ、ブーム伸縮屈伸操作レバー32bが右方に傾倒操作されたときは、アーム51をブーム13の先端部に対して上方に屈伸作動させる。また、把持部縦首振り操作レバー32dが前方に傾倒操作されたときは、縦首振りシリンダ62を伸長作動させて把持部81を下方に揺動(縦首振り動)させ、把持部縦首振り操作レバー32dが後方に傾倒操作されたときは、縦首振りシリンダ62を縮小作動させて把持部81を上方に揺動(縦首振り動)させる。また、把持部横首振り操作レバー32eが左方に傾倒操作されたときは、横首振りシリンダ71を伸長作動させて把持部81を左方に揺動(横首振り動)させ、把持部横首振り操作レバー32eが右方に傾倒操作されたときは、横首振りシリンダ71を縮小作動させて把持部81を右方に揺動(横首振り動)させる。また、把持部回転操作レバー32fが前方に傾倒操作されたときは、グリッパモータ79を正回転作動させて把持部81を右回りに回転作動させ、把持部回転操作レバー32fが後方に傾倒操作されたときは、グリッパモータ79を逆転作動させて把持部81を左回りに回転作動させる。また、把持部開閉操作レバー32gが前方に傾倒操作されたときは、グリッパシリンダ99を縮小作動させて把持部81を閉方向(対象物を把持する方向:「把持方向」とも呼称する)に作動させ、把持部開閉操作レバー32gが後方に傾倒操作されたときは、グリッパシリンダ99を伸長作動させて把持部81を開方向(対象物の把持を解放する方向:「把持解除方向」とも呼称する)に作動させる。
操作判定部102は、把持部開閉操作レバー32gに設けられた操作検出器からの操作情報に基づき、把持部開閉操作レバー32gが操作されているか否か、すなわち、グリッパシリンダ99を縮小作動させて把持部81を閉方向(把持方向)に作動させる操作、または、グリッパシリンダ99を伸長作動させて把持部81を開方向(把持解放方向)に作動させる操作が行われているか否かを判定する。
把持判定部103は、グリッパシリンダ圧力検出器141において検出される検出圧力Prが予め定められた第1設定圧力P1以上である場合に、把持部81が対象物を把持していること(把持部81が把持状態であること)を判定する。本実施形態では、第1設定圧力(対象物を把持できるだけの把持力を発生する油圧)P1として、例えば150[kg/cm]が設定されているが、これに限定されるものではなく、対象物(被把持物)の強度等に応じて適宜に設定可能である。
把持力制御部104は、把持部81が対象物を把持している状態において、当該把持部81の把持力が所定の把持力(後述の第2設定圧力P2に対応する把持力)以下となる場合に、把持部開閉操作レバー32gの操作の如何に関らず、グリッパシリンダ99のロッド側油室を自動的に加圧して、当該把持部81の把持力を上昇させる自動加圧制御を実行する。具体的には、把持力制御部104は、把持判定部103において把持部81に対象物が把持されていることが判定され、且つ、操作判定部102において把持部開閉操作レバー32gが操作されていないことが判定されているときに、グリッパシリンダ圧力検出器141において検出される検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となる場合、自動加圧制御として、電磁比例制御バルブV9のスプールを中立位置aから右位置bに切換えて、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給することで、その検出圧力Prが第3設定圧力P3に達するまでの間、グリッパシリンダ99のロッド側油室を加圧する。本実施形態では、第2設定圧力P2として、例えば160[kg/cm]が設定され、第3設定圧力P3として、例えば165[kg/cm2]が設定されている。そして、把持力制御部104は、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力Prが第3設定圧力P3に達したとき、電磁比例制御バルブV9のスプールを右位置bから中立位置aに切換えて、グリッパシリンダ99のロッド側油室への作動油の供給を遮断する(自動加圧制御を停止する)。
なお、把持部81が対象物を把持している状態(検出圧力Prが第2設定圧力P2を超えている状態)において、把持部開閉操作レバー32gを後方(把持解放方向)に操作した場合には、その操作によって検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となったとしても、グリッパシリンダ99のロッド側油室を自動的に加圧する制御は行われず、把持部開閉操作レバー32gの後方(把持解放方向)への操作に応じて把持爪82を開方向に作動させることができる。つまり、本実施形態では、グリッパシリンダ99のロッド側油室を自動的に加圧する制御は、把持部開閉操作レバー32gの後方(把持解放方向)への操作が行われていない状態において検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となる場合に実行されるものであり、把持部開閉操作レバー32gの後方(把持解放方向)への操作が行われた結果として検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となる場合には実行されず、作業者の操作意図(対象物の把持を解放しようとする意図)に反してグリッパシリンダ99のロッド側油室が加圧されてしまう事態を防止している。なお、本実施形態の変形例として、操作装置31に専用の解除スイッチを設けて、この解除スイッチを操作したときのみ、自動加圧制御を解除して、把持部開閉操作レバー32gが後方(把持解除方向)へ操作されることで検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となった場合でも、グリッパシリンダ99のロッド側油室を自動的に加圧する制御が行われないように構成してもよい。
次に、本実施形態の安全装置の作用として、把持部81が電柱Dを把持した状態において油圧リークが発生した場合について説明する。図11は、電柱Dの把持状態において油圧リークが発生したときの検出圧力Prの推移を示す図である。図11のグラフにおいて、縦軸は検出圧力Prを示し、横軸は時間(時間軸)を示している。
まず、時点t1において、把持部81は電柱Dを把持した状態であり、且つ、把持部開閉操作レバー32gは中立位置にある状態(非操作状態)であるものとする。このとき、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力Pr(グリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力)はリリーフ圧Pmaxに保持されているものとする。
時点t2において、把持装置50の油圧回路内に油圧リークが発生することで、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力Prが徐々に低下することになる。
時点t3において、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力Prが第2設定圧力P2まで低下する。それにより、コントローラ100の把持力制御部104は、検出圧力Prが第2設定圧力P2まで低下したことを判定し、電磁比例制御バルブV9のスプールを中立位置aから右位置bに切換えて、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給することで、グリッパシリンダ99のロッド側油室を加圧する(自動加圧制御を開始する)。
時点t4において、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力Prが第3設定圧力P3まで上昇する。それにより、コントローラ100の把持力制御部104は、グリッパシリンダ圧力検出器141の検出圧力Prが第3設定圧力P3まで上昇したことを判定し、電磁比例制御バルブV9のスプールを中立位置aに復帰させ、グリッパシリンダ99のロッド側油室への作動油の供給を停止する(自動加圧制御を終了する)。このようにグリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力が第3設定圧力P3まで上昇することで、この圧力に応じた把持力で対象物を把持することができるため、油圧リーク等が発生した場合であっても、グリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力が第2設定圧力P2以下まで低下することを防止して、把持部81に把持した電柱Dが落下することを抑止することができる。
なお、本実施形態では、把持部開閉操作レバー32gの前方(把持方向)への操作によって、最初に対象物を把持したときの検出圧力Prが第2設定圧力P2を超えず、その検
出圧力Prが第2設定圧力P2に至る前に把持部開閉操作レバー32gの前方(把持方向)への操作が解除された場合(把持部開閉操作レバー32gが中立位置に戻された場合)であっても、自動加圧制御が実行されて、その検出圧力Prが第3設定圧力P3に達するまでの間、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給して、グリッパシリンダ99のロッド側油室を加圧するようになっている。そのため、本実施形態では、把持判定部103が対象物の把持を判定している状態においては、把持部開閉操作レバー32gの操作の如何に関らず、把持力制御部104による自動加圧制御のもと、グリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力は常に第2設定圧P2以上に保持されるようになっている。
以上、本実施形態に係る安全装置によれば、把持部81が対象物を把持している状態において、油圧リーク等が発生してグリッパシリンダ99のロッド側油室の圧力が低下した場合であっても、検出圧力Prが第2設定圧力P2まで低下したときに、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給して自動的に加圧する制御を行うことで、対象物を把持できるだけの必要な把持力を確実に維持することができるため、把持力不足により把持部81から対象物が落下する事態を未然に防止することができ、安全性の向上を図ることが可能となる。さらに、本実施形態の安全装置では、把持部81に対象物を把持した直後に把持部開閉操作レバー32gに対する前方(把持方向)への操作が解除された場合(最初に把持したときの検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となる場合)であっても、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給して自動的に加圧する制御が行われることで、把持部開閉操作レバー32gに対する付加的な操作を要することなく十分な把持力を発生させることができるようになるため、操作の利便性と安全性とを両立させることが可能となる。
また、本実施形態に係る安全装置では、把持部81が対象物を把持している状態において、検出圧力Prが第2設定圧力P2まで低下した場合には、検出圧力Prが第3設定圧力P3に達するまで、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給して自動的に加圧することで、この第2設定圧力P2の近傍の領域において頻繁に加圧制御の実行と停止とが繰り返される現象(チャタリング現象)が発生することを回避できるとともに、常に十分な把持力を発生させることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上記実施形態では、グリッパシリンダ99が縮小作動することにより把持爪82が閉方向(電柱Dを把持する方向)に作動したが、この構成に限定されるものではなく、グリッパシリンダ99が伸長作動することにより把持爪82が閉方向(電柱Dを把持する方向)に作動するように構成してもよい。その場合には、グリッパシリンダ99のボトム側油室の圧力(ボトム側油室に供給される作動油の圧力)が把持部81の把持力と比例することになるため、グリッパシリンダ圧力検出器141によりボトム側油室の圧力を検出することになる。
上記実施形態では、把持部81が開閉式の一対の把持爪82を有して構成されていたが、この構成に限定されるものではなく、把持部81が開閉式の可動爪と固定式の固定爪とを有して構成されていてもよい。
上記実施形態では、検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となった場合に、その検出圧力Prが第3設定圧力P3となるまで、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給する構成であったが、この構成に限定されるものではなく、検出圧力Prが第2設定圧力P2以下となった場合に、その検出圧力Prがリリーフ圧Pmaxとなるまで、グリッパシリンダ99のロッド側油室に作動油を供給するように構成してもよい。
上記実施形態では、車体2上の操作席30に操作装置31が設けられているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、操作装置31を有線式または無線式のリモコン操作装置(可搬型の操作装置)により構成してもよい。
また、上記実施形態では、エンジンの動力をPTO機構(パワーテイクオフ機構)によって取り出して油圧ポンプを駆動するPTO駆動型の穴堀建柱車を例示したが、この構成に限定されるものではなく、電気駆動型(バッテリ駆動型)の穴掘建柱車や、その両者を具備して動力源を選択的に切り替えるハイブリッド型の穴掘建柱車であってもよい。
1 把持式穴掘建柱車
2 車体
13 ブーム
31 操作装置
32g 把持部開閉操作レバー(把持操作装置)
50 把持装置
51 アーム(支持機構)
60 第1ジョイント部材(支持機構)
70 第2ジョイント部材(支持機構)
80 グリッパ
81 把持部
82 把持爪
99 グリッパシリンダ(把持シリンダ)
100 コントローラ
101 作動制御部(圧油供給制御部)
102 操作判定部
103 把持判定部
104 把持力制御部(圧油供給制御部)
141 グリッパシリンダ圧力検出器(圧力検出部)
V9 電磁比例制御バルブ(圧油供給制御部)

Claims (2)

  1. 車体上に少なくとも起伏動可能に設けられたブームと、
    開閉可能な把持爪を有して閉じ状態で対象物を把持可能な把持部と、
    前記ブームの先端部と前記把持部との間に設けられて、前記ブームの先端部に対する前記把持部の姿勢を変化させる支持機構と、
    前記把持爪を開閉させる把持シリンダと、
    前記把持シリンダの作動を操作する把持操作装置と、
    前記把持操作装置の操作に応じて前記把持シリンダのロッド側油室およびボトム側油室への圧油の給排を制御する圧油供給制御部と、
    前記ロッド側油室および前記ボトム側油室のうち、前記把持爪を閉方向に作動させるときに作動油が供給される側の油室である閉じ側油室の圧力を検出する圧力検出部と、
    前記圧力検出部において検出される圧力が第1設定値以上である場合に、前記把持部が対象物を把持していることを判定する把持判定部とを備え、
    前記圧油供給制御部は、前記把持判定部において前記把持部が対象物を把持していることが判定され、且つ、前記把持操作装置の操作が行われていない状態で、前記圧力検出部において検出される圧力が前記第1設定値よりも大きい第2設定値以下となる場合に、前記閉じ側油室に圧油を供給する制御を実行することを特徴とする把持式穴掘建柱車の安全装置。
  2. 前記圧油供給制御部は、前記把持判定部において前記把持部が対象物を把持していることが判定され、且つ、前記把持操作装置の操作が行われていない状態で、前記圧力検出部において検出される圧力が前記第2設定値以下となる場合に、前記圧力検出部において検出される圧力が前記第2設定値よりも大きい第3設定値に到達するまで前記閉じ側油室に圧油を供給する制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の把持式穴掘建柱車の安全装置。
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