JPH0747294Y2 - 合成樹脂容器の底部構造 - Google Patents
合成樹脂容器の底部構造Info
- Publication number
- JPH0747294Y2 JPH0747294Y2 JP1990005016U JP501690U JPH0747294Y2 JP H0747294 Y2 JPH0747294 Y2 JP H0747294Y2 JP 1990005016 U JP1990005016 U JP 1990005016U JP 501690 U JP501690 U JP 501690U JP H0747294 Y2 JPH0747294 Y2 JP H0747294Y2
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- JP
- Japan
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- container
- synthetic resin
- annular
- resin container
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Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は合成樹脂容器の底部構造に係り、特に容器内部
に発生した負圧を吸収して容器の変形を防止する構造に
関する。
に発生した負圧を吸収して容器の変形を防止する構造に
関する。
一般に、サーモフォーム成形法、またはブロー成形法に
より成形した容器は弾性に富むことから、種々の要因に
より容器に変形を来すことが知られている。この変形の
原因の一つとして、内容物を熱充填した場合の熱収縮に
よるものが挙げられる。
より成形した容器は弾性に富むことから、種々の要因に
より容器に変形を来すことが知られている。この変形の
原因の一つとして、内容物を熱充填した場合の熱収縮に
よるものが挙げられる。
これは、清涼飲料水等の内容物を高温状態で容器に充填
し、内容物自体の殺菌と容器の殺菌とを同時に行おうと
するものである。この充填方法によると、充填後容器が
常温状態に戻るにしたがって、液体である内容物と容器
内の空間部分(所謂ヘッドスペース)との夫々の体積が
収縮し、その負圧によって容器に凹みが生ずることとな
る。このような変形を防止するためには容器自体に圧力
吸収機能をもたせるのが一般的である。
し、内容物自体の殺菌と容器の殺菌とを同時に行おうと
するものである。この充填方法によると、充填後容器が
常温状態に戻るにしたがって、液体である内容物と容器
内の空間部分(所謂ヘッドスペース)との夫々の体積が
収縮し、その負圧によって容器に凹みが生ずることとな
る。このような変形を防止するためには容器自体に圧力
吸収機能をもたせるのが一般的である。
従来、このような圧力吸収機能をもたせるには容器の側
面に凹みが易い圧力吸収パネルを設けたり、容器の底部
に凹凸を形成して凹み易くし、負圧を吸収するようにし
ていた。
面に凹みが易い圧力吸収パネルを設けたり、容器の底部
に凹凸を形成して凹み易くし、負圧を吸収するようにし
ていた。
ところが、容器の側面は最も目立つ部分であることか
ら、ここを圧力吸収パネルとした場合、デザイン上の制
約を受けるという問題がある。また、容器側面が凹み易
くなるため容器を持ったときの安定感が悪化する虞れも
ある。
ら、ここを圧力吸収パネルとした場合、デザイン上の制
約を受けるという問題がある。また、容器側面が凹み易
くなるため容器を持ったときの安定感が悪化する虞れも
ある。
一方、容器の底部に凹凸を形成して圧力を吸収する方法
では前記した問題はないものの、容器底部を利用する以
上大きな面積は得られず、圧力吸収能力に限界がある。
一例として、満注容量250mlで、ヘッドスペースを10mm
に設定した容器では、10ml以上の体積変化が生じると、
容器側面が凹むことが確認された。
では前記した問題はないものの、容器底部を利用する以
上大きな面積は得られず、圧力吸収能力に限界がある。
一例として、満注容量250mlで、ヘッドスペースを10mm
に設定した容器では、10ml以上の体積変化が生じると、
容器側面が凹むことが確認された。
本考案は前記事項に鑑みてなされたもので、容器底部に
大きな圧力吸収能力を持たせた合成樹脂容器の底部構造
を提供することを技術的課題とする。
大きな圧力吸収能力を持たせた合成樹脂容器の底部構造
を提供することを技術的課題とする。
本考案は前記技術的課題を解決するために、合成樹脂容
器1の底部2に、環状の屈曲部を形成した合成樹脂容器
の底部構造において以下のような構成とした。
器1の底部2に、環状の屈曲部を形成した合成樹脂容器
の底部構造において以下のような構成とした。
即ち、底部2に、外周部の近くに配された平板状の環状
接地部3と、環状接地部3の内周縁から上方に立ち上が
る平板状の環状起立壁部3aと、環状起立壁部3aの上端を
接続する平板状の底板10とを設ける。
接地部3と、環状接地部3の内周縁から上方に立ち上が
る平板状の環状起立壁部3aと、環状起立壁部3aの上端を
接続する平板状の底板10とを設ける。
環状接地部3及び底板10は、径方向内側に進むにしたが
って下方に突出するテーパーに形成し、底板10は環状接
地部3よりも上位に配す。
って下方に突出するテーパーに形成し、底板10は環状接
地部3よりも上位に配す。
容器内が減圧状態になると、環状接地部3と底部10が容
器の内方へ、即ち上方へ引っ張り上げられるように弾性
変形し、これらの弾性変形を支援すべく環状起立壁部3a
も弾性変形する。このようにして、容器底部の変形スト
ロークを大きくとることができる。これにより、従来製
品に比較して容積比約1.5倍増の容積変化があっても容
器が変形することはない。
器の内方へ、即ち上方へ引っ張り上げられるように弾性
変形し、これらの弾性変形を支援すべく環状起立壁部3a
も弾性変形する。このようにして、容器底部の変形スト
ロークを大きくとることができる。これにより、従来製
品に比較して容積比約1.5倍増の容積変化があっても容
器が変形することはない。
本考案の実施例を第1図ないし第5図に基づいて説明す
る。
る。
〈第1実施例〉 合成樹脂容器1はポリプロピレン(PP)製のシートをサ
ーモフォーム成形することにより缶形に形成したもの
で、この合成樹脂容器1の底部2の周囲には底縁傾斜部
2aが形成され、この底縁傾斜部2aの外周は容器側面1aに
連続している。
ーモフォーム成形することにより缶形に形成したもの
で、この合成樹脂容器1の底部2の周囲には底縁傾斜部
2aが形成され、この底縁傾斜部2aの外周は容器側面1aに
連続している。
この合成樹脂容器1の外径は66.7mm,高さ80mm、また、
底縁傾斜部2aの高さは6mmとしてある。
底縁傾斜部2aの高さは6mmとしてある。
前記底縁傾斜部2aの内側には平板状の環状接地部3が設
けられており、環状接地部3の内周縁から平板状の環状
起立壁部3aが上方に立ち上がり、環状起立壁部3aの上端
は平板状の底板10によって接続されている。
けられており、環状接地部3の内周縁から平板状の環状
起立壁部3aが上方に立ち上がり、環状起立壁部3aの上端
は平板状の底板10によって接続されている。
環状接地部3は径方向内側に進むにしたがって下方に突
出するテーパー5に形成されており、環状接地部3の最
外周縁と最内周縁とでは1.5mmの高低差(T)が設けら
れている。
出するテーパー5に形成されており、環状接地部3の最
外周縁と最内周縁とでは1.5mmの高低差(T)が設けら
れている。
底板10はその中央に接近するにしたがって下方に突出す
る緩やかなテーパー面となっており、底板10は環状接地
部3よりも上位に位置している。
る緩やかなテーパー面となっており、底板10は環状接地
部3よりも上位に位置している。
この構成の合成樹脂容器1においては、容器1内が減圧
状態になると、環状接地部3と底板10が上方へ引っ張り
上げられるように弾性変形し、これらの弾性変形を支援
すべく環状起立壁部3aも弾性変形する。したがって、底
部2の変形ストロークを大きくでき、負圧吸収能力が高
い容器となる。
状態になると、環状接地部3と底板10が上方へ引っ張り
上げられるように弾性変形し、これらの弾性変形を支援
すべく環状起立壁部3aも弾性変形する。したがって、底
部2の変形ストロークを大きくでき、負圧吸収能力が高
い容器となる。
次に、この容器の負圧吸収能力測定のための実験方法と
実験結果につき説明する。
実験結果につき説明する。
まず、容器の側面に小孔を穿設し、この小孔にゴム栓
(セプタム)を嵌入し、このゴム栓に注射器Jの注射針
Nを刺し、注射器JのピストンPを引くことによって容
器内を減圧できるようにした。
(セプタム)を嵌入し、このゴム栓に注射器Jの注射針
Nを刺し、注射器JのピストンPを引くことによって容
器内を減圧できるようにした。
また、これとは別に容器内部に連通した減圧計(マノメ
ータ)Mを設けた。合成樹脂容器1の容量は250ml、内
容液水面と容器蓋体との間のヘッドスペースEは10mmと
した。
ータ)Mを設けた。合成樹脂容器1の容量は250ml、内
容液水面と容器蓋体との間のヘッドスペースEは10mmと
した。
以上の条件下で容器内を減圧し、底板10の変位距離Dを
1mmから0.5mm刻みで3mmまで変化させたところ下表に示
す結果を得た。
1mmから0.5mm刻みで3mmまで変化させたところ下表に示
す結果を得た。
また底板10を最大に変位させたところ、従来品が3.4mm
であるのに対し、実施例の製品では4.6mmとなった。ま
たそのときの吸収容量は従来品が11.35mlであるのに対
し、実施例の製品では16.32mlとなった。このように、
本考案では底板10の変位量で35%増し、容量で43%増の
結果を得た。これらの結果を第5図中Aに示す。また、
容器の内圧を−93.0mmHgとしたときの吸収容量は16.09m
l、そのときの底板10の変位は3.72mmとなった。
であるのに対し、実施例の製品では4.6mmとなった。ま
たそのときの吸収容量は従来品が11.35mlであるのに対
し、実施例の製品では16.32mlとなった。このように、
本考案では底板10の変位量で35%増し、容量で43%増の
結果を得た。これらの結果を第5図中Aに示す。また、
容器の内圧を−93.0mmHgとしたときの吸収容量は16.09m
l、そのときの底板10の変位は3.72mmとなった。
〈第2実施例〉 前記第1実施例では、環状接地部3の最外周端と最内周
端とで1.5mmの差(T)を設けたが、この第2実施例で
はこれを2.5mmとした。
端とで1.5mmの差(T)を設けたが、この第2実施例で
はこれを2.5mmとした。
そして第1実施例と同様に、容器内を減圧し、底板10の
変位距離Dを1mmから0.5mm刻みで3mmまで変化させたと
ころ下表に示す結果を得た。
変位距離Dを1mmから0.5mm刻みで3mmまで変化させたと
ころ下表に示す結果を得た。
また、底板10の最大変位は従来品が3.4mmであるのに対
し、本実施例の製品では4.3mmとなった。またそのとき
の吸収容量は従来品が11.35mlであるのに対し、実施例
の製品では17.17mlとなった。このように第2実施例で
は底板10の変位量で26%増し、容量で51%増しの結果を
得た。これらの結果を第5図中Bに示す。また、容器の
内圧が−82.0mmHgのときの吸収容量は15.29ml、そのと
きの底板10の変位は3.62mmとなった。第5図中Bはこの
結果をグラフ化したものである。
し、本実施例の製品では4.3mmとなった。またそのとき
の吸収容量は従来品が11.35mlであるのに対し、実施例
の製品では17.17mlとなった。このように第2実施例で
は底板10の変位量で26%増し、容量で51%増しの結果を
得た。これらの結果を第5図中Bに示す。また、容器の
内圧が−82.0mmHgのときの吸収容量は15.29ml、そのと
きの底板10の変位は3.62mmとなった。第5図中Bはこの
結果をグラフ化したものである。
以上の実験結果は、従来品は12個、本考案品は5個につ
いて実験し、それらの平均をとったものである。
いて実験し、それらの平均をとったものである。
本考案によれば、容器の底部に高容量の負圧吸収能力を
持たせることができるため、従来のように容器側面に負
圧吸収パネルを設ける必要がなく、デザインの自由度が
増す。しかも、容器側面の強度を低下させる虞れはなく
容器を把持した際の安定感が損なわれることはない。
持たせることができるため、従来のように容器側面に負
圧吸収パネルを設ける必要がなく、デザインの自由度が
増す。しかも、容器側面の強度を低下させる虞れはなく
容器を把持した際の安定感が損なわれることはない。
第1図ないし第5図は本考案の実施例を示し、第1図は
全体の断面図、第2図は底部の斜視図、第3図は要部の
断面図、第4図は負圧吸収能力の実験方法を示す略図、
第5図は底部深度変位と吸収容量との関係を示すグラフ
図である。 1…合成樹脂容器、2…底部、3…環状接地部、3a…環
状起立壁部、10…底部。
全体の断面図、第2図は底部の斜視図、第3図は要部の
断面図、第4図は負圧吸収能力の実験方法を示す略図、
第5図は底部深度変位と吸収容量との関係を示すグラフ
図である。 1…合成樹脂容器、2…底部、3…環状接地部、3a…環
状起立壁部、10…底部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−178932(JP,A) 実開 昭58−67719(JP,U) 実公 昭62−29377(JP,Y2)
Claims (1)
- 【請求項1】合成樹脂容器1の底部2に、環状の屈曲部
を形成した合成樹脂容器の底部構造において、 底部2は、外周部の近くに配された平板状の環状接地部
3と、環状接地部3の内周縁から上方に立ち上がる平板
状の環状起立壁部3aと、環状起立壁部3aの上端を接続す
る平板状の底板10とを備え、環状接地部3及び底板10
は、径方向内側に進むにしたがって下方に突出するテー
パーに形成されており、底板10は環状接地部3よりも上
位に配されていることを特徴とする合成樹脂容器の底部
構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990005016U JPH0747294Y2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 合成樹脂容器の底部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990005016U JPH0747294Y2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 合成樹脂容器の底部構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0397013U JPH0397013U (ja) | 1991-10-04 |
JPH0747294Y2 true JPH0747294Y2 (ja) | 1995-11-01 |
Family
ID=31508741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990005016U Expired - Fee Related JPH0747294Y2 (ja) | 1990-01-23 | 1990-01-23 | 合成樹脂容器の底部構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0747294Y2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4570019B2 (ja) * | 2003-11-17 | 2010-10-27 | 大日本印刷株式会社 | 2軸延伸吹込成形壜 |
JP4570020B2 (ja) * | 2003-11-17 | 2010-10-27 | 大日本印刷株式会社 | 2軸延伸吹込成形壜 |
JP4553641B2 (ja) * | 2004-06-28 | 2010-09-29 | 大日本印刷株式会社 | プラスチック容器 |
JP5602347B2 (ja) * | 2008-08-01 | 2014-10-08 | 大日本印刷株式会社 | プラスチックボトル |
JP5206745B2 (ja) * | 2010-07-14 | 2013-06-12 | 大日本印刷株式会社 | 2軸延伸吹込成形壜 |
JP5206744B2 (ja) * | 2010-07-14 | 2013-06-12 | 大日本印刷株式会社 | 2軸延伸吹込成形壜 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5867719U (ja) * | 1981-11-02 | 1983-05-09 | 株式会社吉野工業所 | 合成樹脂製2軸延伸壜体の底部 |
JPS6229377U (ja) * | 1985-08-06 | 1987-02-21 | ||
JPH0729650B2 (ja) * | 1987-01-16 | 1995-04-05 | 三菱樹脂株式会社 | 延伸合成樹脂製ボトル |
-
1990
- 1990-01-23 JP JP1990005016U patent/JPH0747294Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0397013U (ja) | 1991-10-04 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |