JP2521664Y2 - 補強リブ付きプラスチックボトル - Google Patents

補強リブ付きプラスチックボトル

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JP2521664Y2 JP1990012494U JP1249490U JP2521664Y2 JP 2521664 Y2 JP2521664 Y2 JP 2521664Y2 JP 1990012494 U JP1990012494 U JP 1990012494U JP 1249490 U JP1249490 U JP 1249490U JP 2521664 Y2 JP2521664 Y2 JP 2521664Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、補強リブ付きプラスチックボトルに関し、
特に胴部の横断面形状が多角形状の二軸延伸プラスチッ
ク製ボトルの補強リブの形状に関する。
〔従来の技術〕
従来から、液状食品用の容器として、胴部が複数のパ
ネル部により形成され、その横断面形状が多角形状のプ
ラスチックボトルが広く用いられている。この種のプラ
スチックボトルは、一般に熱可塑性樹脂、例えばポリエ
チレンテレフタレート製のパリソンをブロー成形して二
軸延伸することにより製造されている。
また、このようなプラスチックボトルの胴部の強度向
上を図るため、該胴部のパネル部に垂直方向,水平方
向,あるいは斜め方向に複数の補強リブを設けることが
行われている(例えば実開平1-88807号公報参照)。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、単にプラスチックボトルのパネル部に
補強リブを形成しただけでは、所望の強度を得ることが
困難であり、例えばボトル内に液状食品を入れて密封し
た後、キャップ部のシールを行う際に座屈変形したり、
密封後の雰囲気温度の低下等でボトル内が減圧状態とな
ったときに、パネル部が不均一に変形して外観を損うこ
とがあった。また、ボトル内の液状食品を注ぐ時、パネ
ル部を持ってボトルを傾けた際に、パネル部が変形し易
いため、所望量以上の液体が注ぎ出されてしまうという
機能的な問題もあった。
そこで本考案は、特定の形状の補強リブによりパネル
部の変形を防止し、上記不均一変形による外観の悪化や
機能面での問題点を解消することのできる補強リブ付き
プラスチックボトルを提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記した目的を達成するために、本考案は、胴部がボ
トル内側に湾曲させた複数のパネル部により形成された
横断面形状が多角形状の二軸延伸プラスチック製ボトル
において、前記パネル部に、ボトル内側へ突出する周方
向の補強リブを上下複数段に形成すると共に、前記パネ
ル部の中央に最大の深さの補強リブを配し、上下方向に
離れるに従って順次浅い補強リブを配し、パネル部の上
下端に最小の深さの補強リブを配したことを特徴とする
補強リブ付きプラスチックボトルである。
〔作用〕
かかる構成によれば、パネル部の補強リブを必要充分
な肉厚として、ボトルの全体重量を軽量化しつつも、パ
ネル部の剛性を全体的に確保するので、ボトルにかかる
座屈や減圧等の圧力にも充分な強度が得られる。
〔実施例〕
以下、本考案を図面に示す一実施例に基づいて更に詳
細に説明する。
第1図は補強リブ付きプラスチックボトルの一部断面
正面図、第2図は第1図のII-II断面図である。
図に示すプラスチックボトル1の胴部2は、4つのパ
ネル部3が幅狭の隅壁4で連結されており、その横断面
形状は、四隅に小切欠部を有する正方形状を呈してい
る。胴部2の上下には、それぞれ従来と同様のキャップ
部5とボトム部6が形成されている。このプラスチック
ボトル1は、従来のプラスチックボトルと同様に、熱可
塑性合成樹脂製パリソンのブロー成形により製造され
る。
そして、本実施例のプラスチックボトル1では、前記
パネル部3をボトル内側に湾曲させるとともに、該パネ
ル部3にボトル内側へ周方向に突出する断面V字形の補
強リブ7a,7b,……7nを、上下複数段に等ピッチで形成し
ている。
これら補強リブ7a,7b,……7nは、パネル部3の中央に
配設される2条の補強リブ7a,7bの深さd1が最大に形成
され、両補強リブ7a,7bから離れるに従って順次浅くな
り、パネル部3の上下端の補強リブ7n,7nでは深さdn
最小に形成される。
次に、下記の条件で行った実験結果について説明す
る。
〈実験例〉 (本考案によるプラスチックボトル1と従来品との共通
条件) 容量……900ml 重量……32g 全高……230mm 胴径…
…73mm パネル部の高さ……167mm パネル部の幅……5
3mm 補強リブ本数……等ピッチで10本 (本考案のプラスチックボトル1と従来品との差異) 従来品……補強リブ10本の深さを全て1.5mm本考案のプ
ラスチックボトル1……パネル部3の中央に配設される
2条の補強リブ7a,7bの深さd1を最大の1.5mmに設定
し、両補強リブ7a,7bから上下方向に離れるに従って順
次浅くして行き、パネル部3の上下端の補強リブ7n,7n
では深さdnを最小の0.5mmに設定 〈結果〉 10本の補強リブの深さを一様に1.5mmとした従来品で
は、パネル部の上下端近傍の補強リブを必要以上の深さ
で形成することによって、上下方向の荷重に対する座屈
強度が逆に弱くなり、液状食品充填後に行うキャップ部
のシールの際に、座屈変形を生じ易かった。また、ボト
ル内を洗滌した際に、補強リブが堰板となって洗滌水の
排出を妨げるため、排水性が悪く時間がかかる。
一方、本考案によるプラスチックボトル1では、パネ
ル部3の各部分に形成される補強リブ7a,7b,……7nの深
さが適度で、パネル部3の座屈強度を従来品よりも強く
でき、液状食品充填後のキャップ部のシールにも座屈変
形がなくなり、同時に密封後の減圧状態にも、パネル部
3の全体で減圧を吸収するので、外観上の変形は認られ
なかった。また、補強リブ7a,7b,……7nの深さを次第に
浅く形成するので、これら補強リブ7a,7b,……7nの肉厚
が必要最小限で済み、プラスチックボトル1の全体重量
を軽減することもできる。
更に、空ボトルにおいては、これらの補強リブ7a,7b,
……7nによって、パネル部3の膨出が防止されるため、
ボトル容量のばらつきが小さく抑えられた。また、パネ
ル部3全体の剛性が上がるので、所定量の液体食品を注
ぎ出すにも充分な強度を保つことでき、しかも洗滌水の
排出も、従来品に比して短時間で速やかに行うことがで
きた。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案の補強リブ付きプラスチ
ックボトルは、胴部がボトル内側に湾曲させた複数のパ
ネル部により形成された横断面形状が多角形状の二軸延
伸プラスチック製ボトルにおいて、前記パネル部に、ボ
トル内側へ突出する周方向の補強リブを上下複数段に形
成すると共に、前記パネル部の中央に最大の深さの補強
リブを配し、上下方向に離れるに従って順次浅い補強リ
ブを配し、パネル部の上下端に最小の深さの補強リブを
配したことにより、液状食品充填後のキャップ部のシー
ルにもパネル部の座屈変形がなくなり、同時に密封後の
減圧状態にも、パネル部の全体で減圧を吸収するので、
外観上の変形を生じない。
更に、空ボトルにおいては、これらの補強リブによっ
て、パネル部の膨出が防止されるため、ボトル容量のば
らつきが小さく抑えられる。また、パネル部全体の剛性
が上がるので、所定量の液体食品を注ぎ出すにも充分な
強度を保つことができ、しかも洗滌水の排出を短時間で
速やかに行うことができる。更に、補強リブの深さをパ
ネル部の上下方向に向けて次第に浅く形成するので、必
要最小限の肉厚及び重量とすることができる。
特に、液状食品が充填される一般的な大きさ及び肉厚
のプラスチックボトルでは、パネル部中央の補強リブの
深さを、最大の1.5mm程度とし、パネル部の中央から上
下方向に離れる従って順次浅くなり、パネル部の上下端
で最小の0.5mm程度とすると、上述の各効果が高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は補強リブ付きプラスチックボトルの一部断面正
面図、第2図は第1図のII-II断面図である。 1……プラスチックボトル、2……胴部、3……パネル
部、4……隅壁、5……キャップ部、6……ボトム部、
7a,7b,……7n……補強リブ、d1……補強リブ7a,7bの深
さ=1.5mm、dn……補強リブ7nの深さ=0.5mm

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】胴部がボトル内側に湾曲させた複数のパネ
    ル部により形成された横断面形状が多角形状の二軸延伸
    プラスチック製ボトルにおいて、前記パネル部に、ボト
    ル内側へ突出する周方向の補強リブを上下複数段に形成
    すると共に、前記パネル部の中央に最大の深さの補強リ
    ブを配し、上下方向に離れるに従って順次浅い補強リブ
    を配し、パネル部の上下端に最小の深さの補強リブを配
    したことを特徴とする補強リブ付きプラスチックボト
    ル。
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