JPH0742045B2 - 精紡機の粗糸替方法 - Google Patents

精紡機の粗糸替方法

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JPH0742045B2
JPH0742045B2 JP63280746A JP28074688A JPH0742045B2 JP H0742045 B2 JPH0742045 B2 JP H0742045B2 JP 63280746 A JP63280746 A JP 63280746A JP 28074688 A JP28074688 A JP 28074688A JP H0742045 B2 JPH0742045 B2 JP H0742045B2
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功 浅井
憲吾 大橋
建美 福田
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は精紡機における粗糸替方法に係り、詳しくは精
紡機のクリールの前後2列のボビンハンガに吊下されて
いる紡出中のボビンとクリールの手前の予備レールに吊
下されている満ボビンとを交換する粗糸替作業を精紡機
機台の長手方向に沿って機台の一端から他端に向かって
移動する粗糸替機によって行う粗糸替方法に関するもの
である。
[従来の技術] 精紡機、特にリング精紡機ではクリールに吊下された粗
糸巻から粗糸を引き出し、下方のドラフトパートへ供給
するようにしている。粗糸のドラフトパートへの供給が
進み、粗糸巻が空ないしは空に近づくと新しい粗糸巻と
交換する必要があり、その際に紡出中の粗糸に新に交換
する粗糸巻の粗糸端を粗糸継ぎするか、あるいは改めて
粗糸巻の粗糸を精紡機のドラフトパートに挿入すること
が必要となる。
精紡工程の省力化を進めるため、前記粗糸継作業及び粗
糸交換作業を粗糸替機により精紡機機台の一端から順次
行う粗糸替方法(篠替方法)が提案されている(特開昭
63−57478号公報)。この従来方法では新に交換するた
めの満ボビン(予備粗糸巻)から粗糸の端部を口出しし
た後、その粗糸端部を紡出中の粗糸に粗糸継ぎする粗糸
継作業を同一の場所で行った後、次の粗糸継ぎを行う作
業位置に移動し、同位置で空に近づいた小玉ボビンを予
備レールのボビンハンガに移した後、粗糸継ぎ後の満ボ
ビンを精紡機のクリールのボビンハンガに吊下する粗糸
交換作業を行うとともに、その間に前記と同様に満ボビ
ンの粗糸の口出し作業及び粗糸継作業を行うようになっ
ている。
又、近年精紡機の紡出速度は生産性の向上を目的として
高速化されており、紡出スピードの高速化に伴ない巻取
り管糸径は紡出時のバルーンをコントロールして糸の品
質を確保するために小径になっている。このため管糸交
換サイクルは非常に短くなってきている。一方、低コス
トの糸を生産する必要性から省電力型精紡機として多数
錘機台(1000錘程度)が多くなり、従来の精紡機の2倍
以上の長さの機台が増加している。そして、精紡機の生
産性の低下を防止するため粗糸替作業は精紡機の運転中
に行う必要がある。
粗糸継ぎはバックローラの手前で空に近づいたボビンか
ら供給中の粗糸と満ボビンから口出しされた粗糸の端部
を僅に重ねて接合することにより行われる関係から重合
部が太くなり、フロントローラから重合部が送り出され
ると糸のバルーンが拡大されて糸切れが発生し易くな
る。しかし、管糸が5〜7分玉まで成長するとスネルワ
イヤとアンチノードリング及びトラベル間隔が小さくな
っているのでバルーンは小さくなり、重合部が通過する
際に糸切れが発生しにくくなる。従って、粗糸継ぎ後に
おける糸切れを防止して生産性の低下を防止するために
は、精紡機の管糸の大きさが5〜7分玉の状態で粗糸継
作業を開始する必要がある。粗糸替機による粗糸替作業
を管糸が5〜7分玉となった時点で開始した場合、粗糸
替機の交換作業の時間が長すぎると精紡機機台全部の粗
糸替作業が完了する前に管糸が満管となり、精紡機機台
が停止して管替機と粗糸替機とが干渉する状態となる。
このことを避けるためと、一台の粗糸替機が受けもつ精
紡機の台数を増加させて設備投資額を減らしたいという
要望があるため、高速の粗糸替えが要望されている。
[発明が解決しようとする課題] ここで、満ボビンは搬送中に粗糸端が解けて粗糸垂れと
いう不都合な現象が起きないようにある程度固く巻かれ
ているため、粗糸端の口出しを確実に行うためには満ボ
ビンを低速回転させて十分に粗糸端に対する口出し作動
を行う必要がある。それだけに口出し作業には時間を要
する。
加えて、口出し作業が時間を掛けて行われた後、粗糸端
は所定位置に案内されるが、これも急速に行うと粗糸切
れの原因となり、低速で案内することが好ましい。
ところが、前記公報に開示された従来装置では、満ボビ
ンから粗糸端を引き出す口出し作業と、満ボビンから引
き出された粗糸を紡出中の粗糸に粗糸継ぎする粗糸継作
業とを同一場所で行い、粗糸継作業の完了後、粗糸替機
が次の粗糸継作業位置に移動して同位置において粗糸継
作業と粗糸継後の粗糸交換作業を並行的に行うため、粗
糸替機が一カ所、特に口出し作業と粗糸継作業とを行う
箇所に停止する時間が長くなり精紡機機台全部の粗糸替
作業が完了するまでの時間が長くなるという問題があ
る。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、
その目的は粗糸継作業及び粗糸交換作業を自動的にしか
も高速で行うことができる精紡機の粗糸替方法を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため本発明においては、精紡機の
クリールのボビンハンガに前後2列に吊下されている紡
出中のボビンとクリールの手前の予備レールに吊下され
ている満ボビンとを交換する粗糸替作業を精紡機機台の
長手方向に沿って機台の一端から他端に向かって移動す
る粗糸替機によって行う粗糸替方法において、粗糸替機
の粗糸替作業を、少なくとも紡出中の前後1対の小玉ボ
ビンに対応する2個の満ボビンから粗糸端を口出しする
粗糸口出し作業セクションと、該粗糸口出し作業セクシ
ョンで口出しされた満ボビンの粗糸端を移動させて、前
後1対の紡出中の小玉ボビンの粗糸に粗糸継ぎする粗糸
継作業セクションと、粗糸継後の前後1対の小玉ボビン
を予備レールに移すとともに粗糸継ぎされて紡出中の満
ボビンをクリールのボビンハンガに移す粗糸交換作業セ
クションとの3つの作業セクションに分割し、各セクシ
ョンの作業を行う機構を粗糸替機の粗糸替作業時移動方
向前側から順に配設し、各セクションの作業を粗糸替機
の粗糸替作業中並行して行うようにした。
[作用] 本発明による粗糸替方法では、紡出中の前後2列の粗糸
ボビンが小玉となった時に粗糸替機が精紡機機台の一端
から移動してまず最初の作業位置に停止し、同位置で予
備レールに吊下されている紡出中の前後一対の小玉ボビ
ンに対応した満ボビンの粗糸端の口出し作業を行う。そ
の後、次の作業位置に移動し、前の作業位置で口出しさ
れた粗糸端を一対の紡出中の小玉ボビンの粗糸に粗糸継
ぎする粗糸継作業と、予備レールの満ボビンから粗糸端
を口出しする口出し作業とを並行して行う。その後、次
の作業位置に移動し同位置において粗糸継ぎ後の小玉ボ
ビンを予備レールに移すとともに粗糸継ぎされて紡出中
の満ボビンをクリールのボビンハンガに移す粗糸交換作
業と、口出しされた粗糸端を紡出中の粗糸に粗糸継ぎす
る粗糸継作業と、満ボビンから粗糸端を引き出す口出し
作業とが並行して行われる。以下、精紡機機台長手方向
に沿って順次移動して口出し作業、粗糸継作業及び粗糸
交換作業が同時に並行的に行われる。粗糸替作業が口出
し作業、粗糸継作業及び粗糸交換作業の3つの作業に分
割され、各作業が粗糸替機の停止状態で並行的に行なわ
れるため、粗糸替機が1カ所の作業位置で停止する停止
時間が短くなり、機台全体の粗糸替作業完了までの時間
が大幅に短縮される。
[実施例1] 以下本発明を具体化した一実施例を図面に従って説明す
る。
第2図に示すように精紡機のクリール1には機台の左右
両側(片側のみ図示)にそれぞれ内外2列の粗糸巻レー
ル2,3が機台長手方向と平行に配設され、両粗糸巻レー
ル2,3の間にはクリールレール4が機台長手方向と平行
に配設されている。粗糸巻レール2,3にはそれぞれスピ
ンドルピッチの倍の所定間隔でボビンハンガ5が装備さ
れている。クリールレール4にはスピンドルピッチの倍
の所定間隔で固定された支軸に支持ブラケット6がその
基端において回動可能に支持されている。支持ブラケッ
ト6の先端には取付けロッド7が上下方向に延びる状態
で固定され、取付けロッドの下端にはロービングガイド
8が固定されている。そして、前記ボビンハンガ5に吊
下されたボビンから引き出された粗糸Rがロービングガ
イド8を経てドラフトパート9のトランペット10へ導か
れるようになっている。支持ブラケット6は図示しない
ばねの作用により常にはクリールレール4と平行となる
位置に保持されている。ロービングガイド8は第4図に
示すように、取付けロッド7を中心として左右両側にガ
イド凹部11a,11bが形成され、前記支持ブラケット6が
クリールレール4と平行に延びる状態すなわち正常紡出
時の所定位置に配置された状態においてクリール1の外
側と対向する側にそれぞれ粗糸導入口12a,12bが形成さ
れている。又、クリール1にはさらに支持ブラケット13
が外方へ延出され、その先端には予備レールとしての搬
送レール14が前記粗糸巻レール2,3と平行に延設されて
いる。搬送レール14にはボビンハンガ15aを備えた搬送
体15が走行可能に支持されている。
粗糸巻レール2,3にナット16により固定されたボビンハ
ンガ5は第5図に示すように、公知のボビンハンガと同
様にボビンBの中空部17内に嵌合される棒状部材18と、
ボビンBとの嵌合前は棒状部材18内に没入状態にありボ
ビンBとの嵌合後に棒状部材18外部に突出するレバー19
と、ボビンBとの嵌合時にボビンBの先端と共に昇降し
て棒状部材18内部に設けられたレバー19作動用のリンク
機構(図示せず)をその昇降に伴って作動させるリング
20とから構成されている。ボビンハンガ5に対するボビ
ンBの嵌合、吊下は第5図(a)に示すようにレバー19
が没入状態で棒状部材18に向かってボビンBを上昇さ
せ、中空部17内に棒状部材18の先端を嵌合し、さらに第
5図(b)に示すように中空部17先端とともにリング20
を上昇させる。リング20がレバー反転位置より上方まで
移動した時点でレバー19の係止部が棒状部材18の外部に
突出するとともにラチェット(図示せず)が切替えら
れ、レバー19が同位置に保持される。ついでボビンBを
下降させ第5図(c)に示すようにボビンBがレバー19
に係止状態で吊下される。従来のボビンハンガでは第5
図(b)に示すレバー反転位置P1とリング20の上昇限界
位置P2との間隔dが0.5〜1mmと非常に小さい。そのため
リング20の上部に風綿が多く堆積すると、ボビンBをボ
ビンハンガ5に吊下するため下方から上昇させても風綿
の堆積により通常の押し上げ力ではリング20をレバー反
転位置P1まで上昇させることが不可能となり、レバー19
が棒状部材18から突出するボビン支持位置に切り替え作
動されずにボビンの吊下が不能となる。従って、リング
20上に風綿が多量に堆積した場合にはボビンの吊下ミス
が生じるか、あるいはボビンを通常の押し上げ力より大
きい無理な力で押し上げることによりボビンハンガ5を
破損させるという欠点があった。ところが、この実施例
のボビンハンガ5は前記間隔dを従来のものよりも大き
く(3〜15mmが好ましい)したので、風綿がリング20上
に堆積してもリング20は通常の押し上げ力でレバー反転
位置P1に到達し、確実にレバー19が突出位置に切替えら
れてボビンハンガ5に対するボビンの吊下が確実に行わ
れる。なお、搬送体15に装備されたボビンハンガ15aも
同様に構成されている。
精紡機機台の長手方向に沿って移動して粗糸替作業を行
う粗糸替機21は、第3図に示すように、その粗糸替作業
時進行方向前側(第3図の左側)から順に少なくとも2
個の満ボビンFから粗糸端を口出しする粗糸口出し作業
セクションA1と、口出しされた満ボビンFの粗糸端を前
後一対の紡出中の小玉ボビンBの旧粗糸R1に粗糸継ぎす
る粗糸継作業セクションA2と、粗糸継後の前後一対の小
玉ボビンBを予備レールとしての搬送レール14に支持さ
れた粗糸搬送体15上のボビンハンガ15aに移すとともに
粗糸継ぎされて紡出中の満ボビンFをクリール1の前後
一対のボビンハンガ5に移す粗糸交換作業セクションA3
との3セクションが設けられている。口出し作業セクシ
ョンA1には搬送体15のボビンハンガ15aに吊下された満
ボビンFを取外して口出し作業を行い易い位置まで下降
移動させるための満ボビン支持下降装置22と、吸引ノズ
ル23とが配設されている。又、粗糸継作業セクションA2
には粗糸継時に満ボビンFを支持するとともに粗糸継完
了後、当該満ボビンFを搬送体15のボビンハンガ15aに
吊下する作用をなす満ボビン支持上昇装置24と粗糸継装
置25とが配設されている。又、粗糸交換作業セクション
A3には粗糸巻レール2,3のボビンハンガ5に吊下された
小玉のボビンBを取外すとともに搬送体15のボビンハン
ガ15aに吊下する作用をなす残粗糸ボビン移載装置26
と、搬送体15のボビンハンガ15aに吊下された粗糸継完
了後の満ボビンFを取外すとともに粗糸巻レール2,3の
ボビンハンガ5に吊下する作用をなす満ボビン移載装置
27とからなる粗糸交換装置28と、粗糸交換作業時に粗糸
継完了後の満ボビンFからドラフトパート9に連なる新
粗糸R2を前記ロービングガイド8に掛ける粗糸掛け作業
を行う粗糸掛け装置29とが配設されている。
満ボビン支持下降装置22及び満ボビン支持上昇装置24は
同様に構成され、第7,8図に示すように、上下方向に延
びるスプライン軸からなるガイドシャフト30,31に支持
ブラケット32,33が摺動可能に支承されている。支持ブ
ラケット32,33の前側には支柱34,35がその基端において
嵌着固定され、支柱34,35の上端には支持部材36,37が水
平に固定されている。支持部材36,37上には一対のペッ
グ38,39が回転軸40を介して回動可能に支持されてい
る。又、支持部材36,37上にはモータ41,42が固定され、
モータ41,42の駆動軸に固定された駆動プーリ43と前記
回転軸40に固定された被動プーリ44及びガイドプーリ45
間にタイミングベルト46が巻掛けられている。両ガイド
シャフト30,31の後方にはガイドシャフト30,31の下端と
対応する位置に支持ブラケット47,48が、上端と対応す
る位置にはブラケット49,50がそれぞれ固定されてい
る。支持ブラケット47,48には回転軸51,52が支持され、
該回転軸51,52にはプーリ53,54,55,56がそれぞれ回転軸
51,52と一体回転可能に固定されている。又、ブラケッ
ト49,50にはプーリ57,58が回転自在に支承され、前記プ
ーリ54とプーリ57間及びプーリ56とプーリ58間にそれぞ
れタイミングベルト59,60が巻掛けられている。プーリ5
3,54にはモータ61,62の駆動軸に嵌着固定されたプーリ6
3,64の回転がベルト65,66を介して伝達されるようにな
っている。又、前記各支持ブラケット32,33はタイミン
グベルト59,60に対して一体移動可能に固定されてい
る。すなわち、モータ61,62の正逆回転駆動に対応した
タイミングベルト59,60の移行により、支持ブラケット3
2,33と一体的に支持部材36,37が昇降動されるようにな
っている。
第3図に示すように粗糸替機21の下部に配設された粗糸
収集ボックス67を介して吸引用ブロワ68に連結されたサ
クションホース69に基端が連結された吸引パイプ70はそ
の先端側水平に延びる状態で支持部材36と対応する位置
に配置され、該吸引パイプ70に対して各ペッグ38とほぼ
対応する位置に一対の吸引ノズル23がそれぞれ突設され
ている。吸引ノズル23の内部には吸引ノズル23内に吸引
された粗糸を切断するため公知の構成(例えば、特公昭
47−51649号公報)の粗糸切断部材(図示せず)が装備
されるとともに、粗糸切断部材の下流側には吸引された
粗糸を検知する粗糸検知センサSが装備されている。そ
して、吸引ノズル23は満ボビン支持下降装置22により搬
送体15のボビンハンガ15aから取り外されて粗糸口出し
作業位置に配置された満ボビンFの下端と対応する口出
し位置と、満ボビンFから吸引した新粗糸R2を粗糸継装
置25が把持し易い位置まで引き出すための下降位置とに
図示しない駆動機構の作動により移動配置されるように
なっている。
第7,8図に示すように、粗糸替機21の上端前記両作業セ
クションA1,A2とを対応する位置にはスプライン軸から
なる回転軸71が粗糸替機21の移動方向と平行に延びる状
態でブラケット72に支持されている。回転軸71の後方に
は回転軸71と平行にガイドシャフト73が支持されてい
る。回転軸71には第1アーム74がその基端において回転
軸71に沿って摺動可能かつ回転軸71と一体回転可能に支
持され、ガイドシャフトの73には第2アーム75がその基
端において回動可能かつガイドシャフト73に沿って摺動
可能に支持されている。両アーム74,75の先端には満ボ
ビンFのフランジ部Faと係合して満ボビンFを吊下する
一対のフォーク76がペッグ38の配置間隔と等しい間隔で
装備された満ボビン吊下部材77が回動可能に支持されて
いる。回転軸71の一端にはプーリ78が嵌着固定され、該
プーリ78とフォーク移動用モータ79の駆動軸に嵌着され
たプーリ80間にベルト81が巻掛けらており、フォーク移
動用モータ79の正逆回転駆動に伴い回転軸71が回動さ
れ、満ボビン吊下部材77がその先端に装備されたフォー
ク76がペッグ38と対応する満ボビン吊下位置と同位置か
ら後退した退避位置とに移動配置されるようになってい
る。又、ガイドシャフト73の両端部と対応する後方位置
には被動プーリ82と駆動プーリ83とが配設され、両プー
リ82,83間にガイドシャフト73と平行に延びる状態でベ
ルト84が巻掛けられている。ベルト84には前記第2アー
ム75の基端ボス部75aの外周面に形成された係合溝75bと
係合する係合部材85がベルト84と一体移動可能に固着さ
れている。駆動プーリ83が固着された回転軸86の上端に
はプーリ87が嵌着され、該プーリ87とフォーク横移動用
モータ88の駆動軸に嵌着されたプーリ89間に巻掛けられ
たベルト90を介して駆動プーリ83が回転されるようにな
っている。そして、ベルト84の移行に伴い係合部材85を
介して第2アーム75が第1アーム74とともに口出し作業
セクションA1及び粗糸継作業セクションA2間を往復移動
するようになっている。
満ボビン支持下降装置22及び満ボビン支持上昇装置24の
ガイドシャフト30,31のほぼ中央部と対応する高さの粗
糸替機21前面には、口出し作業セクションA1及び粗糸継
作業セクションA2を横断する状態で延びるスプラインシ
ャフトからなる回転軸91が支持ブラケット92により回転
自在に支持されている。回転軸91には支持アーム93がそ
の基端において一体回動可能かつ回転軸91の長手方向に
沿って摺動可能に支持されている。回転軸91の一端には
アーム駆動モータ94の駆動軸に嵌着されたピニオン95と
噛合するセクタ歯車96が嵌着固定され、アーム駆動モー
タ94の駆動により支持アーム93が粗糸継作業位置と退避
位置とに回動されるようになっている。回転軸91の両端
部と対応する後方には被動プーリ97と支持アーム横移動
用モータ98の駆動軸に嵌着された駆動プーリ99とが配設
され、両プーリ97,99間にはベルト100が回転軸91と平行
に延びる状態で巻掛けられている。ベルト100には支持
アーム93の基端ボス部101の外周部に形成された係合溝1
01aと係合する係合部材102が突設されている。そして、
支持アーム93はベルト100の移行に伴い係合部材102を介
して回転軸91に沿って口出し作業セクションA1と粗糸継
作業セクションA2との間を移動する。
支持アーム93の先端には第12図に示すようにほぼU字状
の取付部93aが形成され、取付部93aの側方に突出する状
態で回転軸103が支持されている。回転軸103の取付部93
a内と対応する位置には歯付きプーリ104が一体回転可能
に嵌着固定され、該歯付きプーリ104と支持アーム93の
基端に固定された粗糸継ヘッド駆動モータ105の駆動軸
に嵌着された歯付きプーリ106との間に歯付きベルト107
が巻掛けられている。又、取付部93aの側方に突出した
部分の回転軸103には粗糸継ヘッド108が一体回転可能に
固着され、粗糸継ヘッド駆動モータ105の駆動により粗
糸継ヘッド108が支持アーム93の先端から突出する作用
位置と、支持アーム93と平行となる収容位置とに回動配
置されるようになっている。なお粗糸継ヘッド駆動モー
タ105には可変速モータが使用されている。
粗糸継ぎヘッド108は2錘一組として構成され、第12図
に示すように2個の粗糸継ヘッツド本体109が回転軸103
に一体回転可能に嵌着されるとともに連結板110により
互いに平行状態を保持するように連結されている。粗糸
継ヘッド本体109の先端寄りには支持ピン111が粗糸継ヘ
ッド本体109の上下両側に突出する状態で回転自在に取
付けられている。各支持ピン111の下端には第1キャッ
チャ112がそのほぼ中央部において一体回転可能に取付
けられ、上端にはレバー113a,113bが第1キャッチャ112
の基端側と平行に延びる状態でその一端において一体回
転可能に固定されている。前記レバー113a,113bは一体
回動可能に連結ロッド114により互いに連結されいる。
又、一方のレバー113aの基端には被検知部113cが突設さ
れている。第1キャッチャ112にはその先端上面に粗糸
継ヘッド109の把持面109aと協同して旧粗糸R1を把持す
る把持部112aが膨出形成されている。連結ロッド114は
その長さ調節可能に構成され、両粗糸継ヘッド本体109
の把持面109aと各第1キャッチャ112の把持部112aとの
当接面の調整が容易になっている。
粗糸継ヘッド本体109には第1キャッチャ112の基端と対
応する位置にばね支持部115が形成され、ばね支持部115
と第1キャッチャ112の基端に突設されたガイドピン116
との間には第1キャッチャ112を粗糸把持方向に回動付
勢するコイルばね117が介装されている。前記一方のレ
バー113aの先端部には掛止片118が突設され、掛止片118
にはワイヤ119の一端が掛止固定されている。該ワイヤ1
19は連結板110上に一端が固定されたフレキシブルなガ
イドチューブ120に挿通されるとともに支持アーム3の
ほぼ中央部に固定されたサーボモータ121の駆動軸に取
付けられたプーリ122に他端が固着され、サーボモータ1
21の駆動により第1キャッチャ112をコイルばね117の付
勢力に抗して開放側へ回動可能となっている。
又、粗糸継ヘッド本体109には前記支持ピン111と対応す
る位置に支持ピン123が粗糸継ヘッド109の下面から突出
する状態で回動可能に支持され、その下部突出端には前
記第1キャッチャ112の先端下部に設けられた新粗糸把
持部112bと協同して新粗糸R2を把持する把持部124bを有
する第2キャッチャ124が一体回動可能に固定されてい
る。第2キャッチャ124には第1キャッチャ112と対向す
る側と反対側に収容部124aが形成され、収容部124aと粗
糸継ヘッド本体109に設けられたばね支持部125との間に
は、第2キャッチャ124をその把持部124bが第1キャッ
チャ112の新粗糸把持部112bと当接する側に回動付勢す
るコイルばね126が介装されている。コイルばね126は前
記第1キャッチャ112を把持側へ回動付勢するコイルば
ね117よりその付勢力が小さなものが使用されている。
粗糸継ヘッド本体109には前記第2キャッチャ124の回動
を規制するストップピン127が突設されている。
粗糸継ヘッド本体109の下側ほぼ中央部には、粗糸継ヘ
ッド108がその先端に把持した新粗糸R2をトランペット1
0に挿入する挿入位置に回動配置される時、粗糸継ヘッ
ド108の先端が該挿入位置に配置される前にトランペッ
ト10と係合してトランペット10に対する粗糸継ヘッド10
8の位置決めを行う位置決めガイド128が取付られてい
る。位置決めガイド128は第13図に示すようにトランペ
ット10の入口部の幅Wとほぼ等しい間隔で下方に延びる
一対の位置決め部128a、該位置決め部128aの先端から幅
が徐々に拡がるように形成されたガイド部128bとが1枚
の板を折曲形成することにより形成され、粗糸継ヘッド
本体109の一側面に固定されたほぼL字状の取付ブラケ
ット129の下面に固定されている。位置決めガイド128は
第1キャッチャ112と第2キャッチャ124とに把持された
新粗糸R2の位置がトランペット10の中心と対応するよう
に取付けられている。又、粗糸継ヘッド本体109の先端
寄りには第1キャッチャ112の新粗糸把持部112bと第2
キャッチャ124の把持部124bとの間に案内された新粗糸R
2が所定位置より奥に入るのを規制するとともに新粗糸R
2の姿勢をトランペット10への挿入に適した状態に規制
する規制部130aと、満ボビンFから引き出されて粗糸継
ヘッド108に把持されている新粗糸R2が折れ曲るのを防
止するガイド部130bとを備えた粗糸ガイド130が取付け
られている。粗糸ガイド130の規制部130aは第1キャッ
チャ112の把持部112aより後方位置において粗糸継ヘッ
ド本体109と直交する状態で配設されている。又、規制
部130aは第12図に示すように粗糸継ヘッド108の前側ほ
ど拡がるV字状をなすように形成されるとともに、第11
図に示すようにその屈曲部上端が第2キャッチャ124の
下面近傍に位置する状態に配置されている。なお、粗糸
継ヘッド本体109の後部側にはカバー109b(第11図に図
示)が取付けられている。
一方の粗糸継ヘッド本体109には第1キャッチャ112の位
置を新粗糸R2のみを把持する中間停止位置に保持するた
めのソレノイド131が取付けられ、ソレノイド131のプラ
ンジャ131aが挿通される透孔132が粗糸継ヘッド本体109
及び連結板110を貫通する状態で形成されている。ま
た、粗糸継ヘッド本体109の基端には前記一方のレバー1
13aの基端に突設された被検知部113cを検知するための
センサS1,S2,S3が、第1キャッチャ112が開放位置と、
新粗糸R2のみを把持する中間停止位置と、新旧両粗糸R
1,R2を把持する把持位置とに配置された際に前記被検知
部113cと対応する位置にそれぞれ配設されている。粗糸
継ヘッド本体109の下面にはバックローラ9aの回転速度
を検出するためのセンサS4が取付けられている。又、支
持アーム93の先端にはバックローラ9aとミドルローラ9b
間の粗糸を検知するためのセンサS5が取付けられてい
る。
前記のように構成された粗糸継ヘッド108は次のように
作動して新粗糸R2、旧粗糸R1の把持開放動作を行う。す
なわち、プーリ122からワイヤ119が繰出された状態で
は、第1キャッチャ112はコイルばね117の付勢力により
第12図に示す把持状態に保持されている。この状態から
サーボモータ121の駆動によりワイヤ119がプーリ122に
巻取られると、第1キャッチャ112がコイルばね117の付
勢力に抗して開放側(時計方向)へ回動され、被検知部
113cがセンサS1と対向する状態でセンサS1からの検知信
号によりサーボモータ121が停止し、第14図(a)に示
すように第1キャッチャの把持部112aと粗糸継ヘッド本
体109の把持面109aとの間及び第1キャッチャ112の新粗
糸把持部112bと第2キャッチャ124の把持部124bとの間
に隙間ができる状態となる。この状態では新粗糸R2は粗
糸ガイド130と係合するまで第1キャッチャ112の新粗糸
把持部112bと第2キャッチャ124の把持部124bとの隙間
に侵入可能となる。この状態からサーボモータ121を駆
動してプーリ122をワイヤ119の繰出し方向に回動させる
と、第1キャッチャ112がコイルばね117の付勢力により
把持側へ回動される。そして、センサS2からの被検知部
113cの検知信号によりサーボモータ121が停止すると、
第14図(b)に示すように第1キャッチャ112の粗糸把
持部112bと第2キャッチャ124の把持部124bとが当接す
る新粗糸把持状態となり、両者の間に新粗糸R2が把持さ
れる。次にソレノイド131が作動されてプランジャ131a
がレバー113aと係合可能な位置に突出する。この状態で
は粗糸継ヘッド108の回動操作等により、プーリ122から
掛止片118に至るワイヤ119の経路の長さが変化してワイ
ヤ119に弛みが生じても、レバー113aとプランジャ131a
との係合によりレバー113aすなわち第1キャッチャ112
の回動が規制され、第1キャッチャ112は新粗糸把持状
態に保持されるようになっている。
そして、第14図(b)に示す状態からソレノイド131の
プランジャ131aが引き込まれた後、サーボモータ121の
駆動によりプーリ122がさらにワイヤ119を繰出す方向に
回動されると、第2キャッチャ124を付勢するコイルば
ね126より第1キャッチャ112を付勢するコイルばね117
の付勢力が大きいため、第1キャッチャ112が第2キャ
ッチャ124とともにさらに把持方向に回動される。そし
て、センサS3からの被検知部113cの検知信号によりサー
ボモータ121が停止すると、第14図(c)に示すように
第1キャッチャ112の把持部112aが粗糸継ヘッド本体109
の把持面109aと当接する粗糸把持状態となる(この状態
では新旧両粗糸R2,R1の把持が可能)。
粗糸交換作業セクションA3に配設された残粗糸ボビン移
載装置26及び満ボビン移載装置27は特開昭61−119728号
公報に開示された装置とほぼ同様に構成されており、そ
れぞれ粗糸巻レール2,3のボビンハンガ5と搬送体15の
ボビンハンガ15aとの間で満ボビンFあるいは粗糸継後
の小玉ボビンBの交換作業を行うようになっている。な
お、特開昭61−119728号公報に開示された装置では残粗
糸ボビン移載装置26及び満ボビン移載装置27のペッグ13
3,134が回転不能であったが、本発明に使用される装置
では特開昭62−268829号公報に開示された装置と同様に
ペッグ133,134がモータ135,136によりベルト伝動機構
(図示せず)を介して回転駆動されるようになってい
る。
粗糸掛け装置29は粗糸替機21の粗糸替作業時の進行方向
後部寄り上部に配設されている。第15,16図に示すよう
に粗糸替機21の上面に所定配置位された支持ブラケット
137の上端には回転軸138が粗糸替機21の移動方向と平行
に延びる状態で支持され、該回転軸138の一端にはアー
ム139がその基端において一体回転可能に嵌着固定さ
れ、回転軸138の他端にはプーリ140が一体回転可能に嵌
着固定されている。支持ブラケット137の上端にはアー
ム駆動モータ141が固定され、該駆動モータ141の駆動軸
に嵌着固定された駆動プーリ142と前記プーリ140との間
にはベルト143が巻掛けられている。
第17〜19図に示すようにアーム139の先端には従動軸144
が軸受145を介して回転自在に支持されている。アーム1
39のほぼ中間部にはブラケット146を介して粗糸掛けガ
イド駆動モータ47が固定され、該モータ147の駆動軸に
嵌着固定されたプーリ148と前記従動軸144に嵌着固定さ
れたプーリ149間にはタイミングベルト150が巻掛けられ
ている。従動軸144の一端には偏平な取付部144aが突設
され、該取付部144aには先端に粗糸掛けガイド151が固
定された可動ロッド152がその基端において軸153を介し
て回動可能に支持されている。アーム139の先端には可
動ロッド152をその軸芯が従動軸144の軸芯と一致する状
態で支持するための可動ロッド支持ブラケット154が固
定されている。該支持ブラケット154には可動ロッド152
が収容される収容部155が形成されるとともに、収容部1
55の上部には上部側に向かって拡がる案内面155aが形成
されている。又、従動軸144には可動ロッド152を常にア
ーム139から離れる方向へ付勢するための板ばね156が固
定されている。
一方、粗糸替機21には前記可動ロッド152が残粗糸ボビ
ン移載装置26と干渉するのを防止するため、可動ロッド
152と係合して可動ロッド152を水平状態からアーム139
側へ回動された退避位置に移動させるためのカムロッド
157がブラケット158を介して所定位置に固定されてい
る。
前記粗糸掛けガイド151は側面『へ』の字状に屈曲され
た板材で形成されるとともに、前端に一対のV字状のガ
イド部151aを備えている。粗糸掛けガイド151には粗糸
掛け時に、粗糸掛けガイド151が粗糸掛け位置に配置さ
れる前に前記ロービングガイド8と係合してロービング
ガイド8に対する粗糸掛けガイド151の位置決めを行う
位置決め部材159が固定されている。位置決め部材159は
ロービングガイド8の幅とほぼ等しい間隔で配置された
基端から先端に向けてその間隔が拡がるように形成され
た一対の規制片159aを備えている。
次に前記のように構成された粗糸替機21による粗糸替作
業を第1,20,21図に基いて説明する。なお、第1図はそ
の最上段右側にクリール1と各作業セクショにある満ボ
ビンFおよび小玉(残粗糸)ボビンBの配置関係を示す
平面が、左側にその正面図が示され、第2段目に粗糸口
出し作業セクションA1の側面図が、第3段目に粗糸継作
業セクションA2の側面図が、最下段に粗糸交換作業セク
ションA3の側面図が示されている。
紡出中の粗糸ボビンが小玉となり粗糸替を必要とする状
態となると、粗糸替機21が精紡機機台の一端から移動し
てまず最初の作業位置すなわち口出し作業セクショA1の
満ボビン支持下降装置22が搬送体15のボビンハンガ15a
に吊下された満ボビンFと対応する位置に停止する。こ
の位置で満ボビン支持下降装置22が作動されて支持部材
36が昇降動し、第1図(b)の第2段に示すようにボビ
ンハンガ15aから満ボビンFが取外されて支持部材36の
ペッグ38上に嵌挿された状態で支持される。次に吸引ノ
ズル23が満ボビンFの下部近傍と対応する粗糸替作業位
置に上昇移動された後、吸引用ブロワ68が駆動されると
ともにモータ41が駆動されて満ボビンFがペッグ38とと
もに新粗糸R2を繰出す方向に回転される。そして、満ボ
ビンFの回転に伴い新粗糸R2の粗糸端が吸引ノズル23に
吸引される。そして、両吸引ノズル23に設けられた各粗
糸検知センサSが新粗糸R2を検知した時、その検知信号
に基きモータ41が停止されて口出し作業が完了して第1
図(e)の第2段に示す状態となる。
満ボビンFは粗紡工程で玉揚げされる際、粗糸の終端が
満ボビンFの所定高さ位置となるようになっているた
め、吸引ノズル23の入口部と対応する高さ位置に粗糸の
終端は存在するが、満ボビンFの外周面のどこにあるか
は粗紡工程から精紡工程への搬送途中でのボビンハンガ
15aの回動等により一定ではない。従って、粗糸検知セ
ンサSを設けずに粗糸終端を確実に引き出すためには、
満ボビンFを一回転以上回転させる必要が生じる。とこ
ろが、常に満ボビンFを一回転以上回転させると、粗糸
を必要以上に吸引ノズル23内に吸引することが多くな
り、その結果粗糸収集ボックス67に収集される粗糸量が
多くなり、大型の粗糸収集ボックス67を必要とすること
になる。この実施例の装置では両満ボビンFから新粗糸
R2が吸引ノズル23に吸引されて終端が引き出されたこと
を確認した時点でモータ41の駆動が停止するため、吸引
ノズル23が不必要な粗糸を吸引することがない。
次に支持アーム横移動用モータ98が駆動されて粗糸継装
置25の支持アーム93がベルト100に突設された係合部材1
02を介して粗糸継作業セクションA2から口出し作業セン
ションA1に移動され、粗糸継ヘッド108が吸引ノズル23
と対応する位置で停止して第1図(f)の第2段及び第
20図(a)に示す状態となる。次に吸引ノズル23が第20
図(a)に実線で示す粗糸継ヘッド108の下方位置まで
新粗糸R2を満ボビンFから引出しながら下降移動する。
この時モータ41は満ボビンFが新粗糸R2を繰出す方向に
駆動される。この状態で粗糸継ヘッド駆動モータ105が
正転駆動され、粗糸継ヘッド108が第14図(a)に示す
開放状態のまま反時計方向へ回動されて第20図(b)に
示すように新粗糸R2が粗糸継ヘッド108内に導かれる。
この状態で第1キャッチャ112が新粗糸把持位置まで回
動されて新粗糸R2が粗糸継ヘッド108に把持される。次
に粗糸継ヘッド駆動モータ105が逆転駆動され、粗糸継
ヘッド108は第20図(c)に示すようにその先端が吸引
ノズル23に近づく位置まで時計方向に回動される。次に
粗糸継ヘッド駆動モータ105が正転駆動され、粗糸継ヘ
ッド108はその先端が吸引ノズル23から離れるように反
時計方向へ回動される。これにより吸引ノズル23内に吸
引された新粗糸R2は吸引ノズル23の内部に装備された粗
糸切断部材の作用により切断されて第20図(d)に示す
状態となり、満ボビンFから吸引ノズル23に連なってい
た新粗糸R2の粗糸継ヘッド108への受渡しが完了する。
次に粗糸継ヘッド駆動モータ105が逆転駆動されて第20
図(e)及び第1図(h)に示すように粗糸継ヘッド10
8が支持アーム93と平行となる位置まで時計方向に回動
される。
次にフォーク移動用モータ79が駆動されて回転軸71が第
8図の時計方向に回動され、フォーク76がペッグ38に嵌
挿された満ボビンFのフランジ部Faと係合可能な位置ま
で前進移動する。次に満ボビン支持下降装置22のモータ
61が駆動されて部材36が下降移動され、ペッグ38が満ボ
ビンFの下端から離間するとともに満ボビンFがフォー
ク76に吊下されて第1図(h)の第2段に示す状態とな
る。次にフォーク横移動用モータ88及び支持アーム横移
動用モータ98が同時に駆動され、フォーク76が満ボビン
Fを吊下した状態で粗糸継作業セクションA2の満ボビン
支持上昇装置24と対応する位置まで移動されるととも
に、粗糸継ヘッド108がトランペット10と対応する位置
まで移動されて第1図(i)の第3段に示す状態とな
る。次に満ボビン支持上昇装置24のモータ62が駆動され
て支持部材37が上昇移動されてペッグ39が満ボビンFの
下端に嵌挿されて満ボビンFのフランジ部Faがフォーク
76の上面から若干浮き上がる位置で停止する。ついでフ
ォーク移動用モータ79が駆動されてフォーク76が後退移
動し、第1図(j)の第3段に示すように満ボビンFが
満ボビン支持上昇装置24のペッグ39に嵌挿された状態で
保持される。この状態で粗糸替機21が精紡機機台に沿っ
て移動し、粗糸替機21は第1図(k)の最上段に示すよ
うに口出し作業セクションA1が次の口作業を必要とする
満ボビンFと対応する位置で停止する。粗糸替機21の移
動中にフォーク横移動用モータ88が逆転駆動されてフォ
ーク76は満ボビン支持下降装置22と対応する元の位置に
復帰する。そして、口出し作業セクションA1では前記と
同様な作業が再び開始される。
一方、粗糸継作業セクションA2では粗糸継装置25による
粗糸継作業が開始される。満ボビン支持上昇装置24のペ
ッグ39上に満ボビンFが載置された第20図(e)に示す
状態でまず粗糸継ヘッド駆動モータ105が正転駆動さ
れ、粗糸継ヘッド108が反時計方向に回動されて第20図
(f)に示す状態となる。次にこの状態からアーム駆動
モータ94が正転駆動されると、ピニオン95及びセクタ歯
車96を介して回転軸91が第20図(f)の時計方向に回動
され、支持アーム93の先端がドラフトパート9の上方近
傍の作業位置に配置された時点でアーム駆動モータ94の
駆動が停止されて第1図(b)の第3段及び第20図
(g)に示す状態となる。この状態では第11図に示すよ
うにセンサS5がバックローラ9aとミドルローラ9b間に対
応する位置に配置され、両ローラ9a,9b間を走行する粗
糸の有無の検知が可能となる。一方、アーム駆動モータ
94の駆動時に粗糸継ヘッド駆動モータ105も正転駆動さ
れ、歯付きプーリ106,歯付きベルト107及び歯付きプー
リ104を介して回転軸103とともに粗糸継ヘッド108が反
時計方向に回動され、第20図(g)に示すように粗糸継
ヘッド108の先端に紡出中の旧粗糸R1が導かれた状態と
なる。支持アーム93の傾動に伴い粗糸継ヘッド108がド
ラフトパート9に近づく方向へ移動する際に、満ボビン
Fから粗糸継ヘッド108に連なる新粗糸R2に張力が作用
するのを防止するため、粗糸継ヘッド108の移動と同期
してモータ42が駆動されてペッグ39は満ボビンFから新
粗糸R2が送出される方向に回転される。
第20図(g)に示す状態でサーボモータ121が駆動され
て旧粗糸R1が粗糸継ヘッド108に把持された後、粗糸継
ヘッド駆動モータ105が正転駆動され、第20図(h)に
示すように粗糸継ヘッド108が反時計方向に回動されて
旧粗糸R1が切断される。これによりトランペット10を経
てドラフトパート9に連なる旧粗糸R1の端部がトランペ
ット10の後方へ落下する。トランペット10は第6図に示
すように、その出口部10aの形状が通常紡出時に粗糸が
通過する幅狭部と、その幅狭部から下方に連続する幅広
部とを有する形状に形成されているので、切断された旧
粗糸R1は幅広部に移行する。そして、トランペット10上
に落下した旧粗糸R1には粗糸張力がなくなるため、その
断面が平坦な状態となる。このとき、粗糸継ヘッド本体
109に装備されたノズル(図示せず)から空気を噴出す
ると旧粗糸R1が確実に平坦になり後記する粗糸挿入時に
新粗糸R2が確実に旧粗糸R1の上に乗った状態でバックロ
ーラ9aへ導かれる。そして、旧粗糸R1の切断完了後、粗
糸継ヘッド108は旧粗糸R1の把持を解除する。この状態
ではセンサS4がバックローラ9aと対応する状態にあり、
センサS4からの検出信号に基きマイクロコンピュータを
備えた制御装置(図示せず)がバックローラ9aの回転速
度すなわち粗糸の送り速度を演算する。
旧粗糸R1の切断後、制御装置は前記粗糸の送り速度に基
づき紡出条件に対応した粗糸継ヘッド108の回動タイミ
ングと回動速度とを演算する。そして、紡出中の旧粗糸
R1の粗糸端の長さが粗糸継ぎに好適な長さとなる所定時
間経過後、粗糸継ヘッド駆動モータ105が逆転駆動され
て粗糸継ヘッド108が時計方向へ回動され、第20図
(i)に示すように粗糸継ヘッド108に把持されている
新粗糸R2の端部がトランペット10に挿入される。粗糸継
ヘッド108は新粗糸R2の端部がバックローラ9aに当接す
るまで、好ましくはその一部がバックローラ9a間に把持
されるまで回動が継続される。粗糸継ヘッド108の回動
速度は新粗糸R2の端部がバックローラ9aのわずか手前に
達する時点までは速く、その後は前記旧粗糸R1の送り速
度よりやや速めとなるように制御される。新粗糸R2の端
部がバックローラ9aにフィードされた時点で粗糸継ヘッ
ド108による新粗糸R2の把持が解除され、その後は満ボ
ビンFの新粗糸R2により紡出が継続される。
粗糸継ヘッド108による新粗糸R2の把持解除後、所定時
間経過する間にセンサS5がバックローラ9aとミドルロー
ラ9b間を走行する粗糸の切断を検知しないことを確認し
た後、アーム駆動モータ94が逆転駆動されて、支持アー
ム93が反時計方向に回動されて第20図(j)に示す退避
位置に配置される。次に粗糸継ぎヘッド駆動モータ105
が逆転駆動され、第20図(k)に示すように粗糸継ヘッ
ド108が支持アーム93と平行な収納状態に回動配置され
る。
なお、前記所定時間経過する間にセンサS5がバックロー
ラ9aとミドルローラ9b間を走行する粗糸の切断を検知し
た場合、すなわち粗糸継が失敗した場合には、サーボモ
ータ121が駆動されて粗糸継ヘッド108により新粗糸R2が
直に把持される。次にアーム駆動モータ94が逆転駆動さ
れ、支持アーム93が反時計方向に回動されて新粗糸R2が
切断される。これにより粗糸がバックローラ9aに巻付く
ことによるバックローラ9aの破損に至るという事態が防
止される。
粗糸継ヘッド108が収納状態に回動配置された後、支持
アーム横移動用モータ98が駆動されて支持アーム93は口
出し作業セクションA1へと移動され、粗糸継ヘッド108
が吸引ノズル23と対応する位置に到達した時点で停止し
て第1図(f)の第2段に示す状態となる。
次に満ボビン支持上昇装置24のモータ62が駆動されて支
持部材37とともにペッグ39が上昇移動され、満ボビンF
が搬送体15のボビンハンガ15aに吊下される。その後、
モータ62が逆転駆動され、支持部材37が最下降位置まで
移動されて第1図(h)の第3段に示す状態となり、同
位置で待機する。この状態で前記と同様にして新に口出
しされた満ボビンFを吊下したフォーク76がペッグ39と
対応する位置に移動し、ペッグ39への満ボビンFの受渡
しが行われる。そして、その後粗糸替機21が再い精紡機
機台長手方向に沿って次の作業位置まで移動する。
粗糸継完了後、搬送体15のボビンハンガ15aに吊下され
た満ボビンFと、ドラフトパート9に供給されていた粗
糸が切断された後の残粗糸ボビンBとの交換作業が粗糸
交換作業セクションA3で行われる、残粗糸ボビン移載装
置26の一対のペッグ133は粗糸替機21が精紡機機台長手
方向に沿って移動する間に精紡機機台長手方向とほぼ直
交する方向に1列となるように移動配置され、粗糸替機
21が停止した時点では第1図(a)の最下段に示す状態
となっている。この状態でまず粗糸ボビン移載装置26が
作動されて両ペッグ133が前進移動し、クリール1に吊
下された一対のボビンBの真下に各ボビンBがそれぞれ
配置された第1図(b)最下段に示す状態となる。この
状態で残粗糸ボビン移載装置26及び満ボビン移載装置27
が同時に作動されてペッグ133,134が昇降動され、第1
図(c)の最下段に示すように空に近づいたボビンBが
ボビンハンガ5から取外されてペッグ133上に載置さ
れ、満ボビンFがボビンハンガ15aから取外されてペッ
グ134上に載置された状態となる。この状態でモータ135
が駆動されてペッグ133はボビンBからロービングガイ
ド8を経て垂れ下がっている残粗糸を巻取る方向に回転
されるとともに、残粗糸ボビン移載装置26の作動により
ペッグ133が粗糸替機21の上方まで後退して第1図
(d)の最下段に示す状態となる。次に満ボビン移載装
置27が作動されてペッグ134が精紡機機台の長手方向と
平行に配置された状態から第1図(e)の最下段に示す
精紡機機台長手方向とほぼ直交する位置に配置され、こ
の状態で粗糸掛け装置29による粗糸掛け作業が行われ
る。
第15図に示す状態でアーム駆動モータ141が正転駆動さ
れ、駆動プーリ142、ベルト143及びプーリ140を介して
回転軸138とともにアーム139が第15図の反時計方向へと
回動される。アーム139の回動に伴い、可動ロッド152と
カムロッド157との係合位置が下方へ移動し、カムロッ
ド157の作用により板ばね156の付勢力に抗して水平位置
からアーム139側へ回動された状態に保持されていた可
動ロッド152が、軸153を中心に第16図の反時計方向に回
動されて可動ロッド支持ブラケット154の収容部155へ案
内される。収容部155の上部に案内面155aがあるため、
可動ロッド152が多少収容部155とずれた状態にある場合
でも案内面155aの作用により円滑に収容部155内に導か
れる。そして、第21図(a)に示すように可動ロッド15
2とカムロッド157との係合状態が解除される位置まで可
動ロッド152が回動された時点でアーム駆動モータ141の
駆動が停止される。
この状態で粗糸掛けガイド駆動モータ147が正転駆動さ
れ、プーリ148、タイミングベルト150及びプーリ149を
介して従動軸144が可動ロッド152と一体的に第21図
(a)の時計方向に回動される。これによりそれまで鎖
線で示すようにアーム139とほぼ平行に延びる状態にあ
った粗糸掛けガイド151が、第21図(a)に実線で示す
位置に回動配置される。次にアーム駆動モータ141がさ
らに正転駆動されてアーム139が反時計方向へさらに回
動される。この回動途中において粗糸掛けガイド151の
一対のガイド部151aに、2個の満ボビンFからドラフト
パート9に連なる新粗糸R2がそれぞれ導かれて粗糸掛け
ガイド151と係合する状態となる。そして、粗糸掛けガ
イド151が新粗糸R2をロービングガイド8に掛ける作用
をなす作用位置に配置される第21図(b)に示す位置ま
でアーム139が回動配置された時点で、アーム駆動用モ
ータ141の駆動が停止される。この状態で粗糸掛けガイ
ド駆動モータ147が再び正転駆動され、粗糸掛けガイド1
51が鎖線で示す位置から時計方向へと回動される。これ
により粗糸掛けガイド151はそのガイド部151aがロービ
ングガイド8の上面と対応する位置に配置され、その回
動途中においてガイド部151aを経てドラフトパート9に
連なる新粗糸R2がロービングガイド8の粗糸導入口12a,
12bからガイド凹部11a,11bへと案内される。
ロービングガイド8の位置と粗糸掛け装置29の位置とが
精紡機機台の長手方向にずれていた場合には、粗糸掛け
ガイド151が第21図(b)に鎖線で示す位置から時計方
向に回動される途中で位置決め部材159の規制片159aが
まずロービングガイド8と係合し、その後、粗糸掛けガ
イド151の回動に伴いロービングガイド8と粗糸掛けガ
イド151との相対位置が精紡機機台長手方向に沿って移
動し、粗糸掛けガイド151が所定の位置に回動した時点
ではガイド部151aがロービングガイド8と所定の位置で
対応するようになる。従って、粗糸掛けガイド151のガ
イド部151aからドラフトパート9に連なる新粗糸R2は確
実にロービングガイド8のガイド凹部11a,11bへと案内
される。次に粗糸掛けガイド駆動モータ147が逆転駆動
され、粗糸掛けガイド151が第21図(b)の反時計方向
へ回動されてアーム139とほぼ平行に延びる退避位置へ
と移動配置される。これにより粗糸掛けガイド151と新
粗糸R2との係合が解除され、新粗糸R2がロービングガイ
ド8に掛けられる。
次にアーム駆動モータ141が逆転駆動され、アーム139が
第21図(b)に示す位置から第15図に示す退避位置へと
回動される。回動途中において可動ロッド152がカムロ
ッド157と係合を開始し、可動ロッド152とカムロッド15
7との係合状態でアーム139が回動されることにより、可
動ロツド152が軸153を中心に水平位置からアーム139側
へと回動されて残粗糸ボビン移載装置26の作動に支障と
ならない位置に配置される。なお、粗糸掛けガイド151
のガイド部151aに満ボビンFからドラフトパート9に連
なる新粗糸R2が係合した状態から粗糸掛けガイド151が
粗糸掛け位置まで移動される間、満ボビンFからドラフ
トパート9に至る新粗糸R2に張力が加わるのを防止する
ため、満ボビンFは粗糸掛けガイド151の移動に伴い紡
出速度より速い速度で新粗糸R2を送り出す方向に回動さ
れる。
次に残粗糸ボビン移載装置26が作動されてペッグ133が
第1図(g)の最下段に示すように搬送体15と平行とな
るように配置される。この状態で満ボビン移載装置27が
作動されて満ボビンFが嵌挿されたペッグ134が前進移
動し、第1図(h)の最下段に示すように満ボビンFが
粗糸巻レール2,3のボビンハンガ5と対応する位置に配
置される。次に残粗糸ボビン移載装置26及び満ボビン移
載装置27の各ペッグ133,134が同時に昇降動され、残粗
糸ボビンBがボビン搬送体15のボビンハンガ15aに、満
ボビンFが粗糸巻レール2,3のボビンハンガ5にそれぞ
れ吊下されて第1図(i)の最下段に示す状態となる。
次に満ボビン移載装置27のペッグ134が後退移動されて
第1図(j)の最下段に示す状態となり、粗糸交換作業
が完了する。この時点では口出し作業セクションA1にお
ける口出し作業はもちろん粗糸継作業セクションA2にお
ける粗糸継作業も完了しており、第1図(j)の第3段
に示すように口出し作業セクションA1で口出しされた満
ボビンFが粗糸継作業セクションA2の満ボビン支持上昇
装置24のペッグ39に載置された状態となっている。
次に粗糸替機21が精紡機機台に沿って次の作業位置まで
移動する。粗糸替機21の移動中に残粗糸ボビン移載装置
26のペッグ133は精紡機機台長手方向と平行な位置から
精紡機機台長手方向とほぼ直交する状態に、満ボビン移
載装置27のペッグ134は精紡機機台長手方向とほぼ直交
する状態から精紡機機台長手方向とほぼ平行となる状態
にそれぞれ移動配置される。以下同様にして粗糸替機21
が作業位置で停止している間に、各作業セクションA1,A
2,A3で口出し作業、粗糸継作業及び粗糸交換作業がほぼ
同時に平行的に行われる。
なお、各作業セクションA1,A2,A3における作業手順のタ
イミングは第1図に示したようにそれぞれ対応させる必
要はない。
[実施例2] 次に第2の実施例を第22〜25図に従って説明する。前記
実施例では粗糸継作業時に旧粗糸R1を粗糸継前に切断
し、その後ドラフトパート9に供給されつつある旧粗糸
R1の端部に新粗糸R2の端部をトランペット10に挿入して
追継ぎする方式について述べたが、この実施例の装置で
は新粗糸R2をロービングガイド8からドラフトパート9
へ連なる状態にある旧粗糸R1の上側からトランペット10
内に挿入する追継を行う点が前記実施例と異なってい
る。
この実施例の粗糸継ヘッド108は第1キャッチャ112を駆
動する構成として、サーボモータ121により回動される
プーリ122に連結されたワイヤ119を使用する代わりに、
リンク機構を採用した点と、新旧両粗糸R1,R2が粗糸継
ヘッド108に把持された状態から粗糸の把持を解除する
場合、旧粗糸R1の解放を後にして、新粗糸R2の解放を先
に行うことが可能に構成されている点とが前記実施例と
大きく異なっている。
連結板110には両支持ピン111の中間部と対応する位置に
モータ160が固定され、モータ160の駆動軸160aに駆動レ
バー161が一体回動可能に固定されている。前記両レー
バ113a,113bの基端には連結レバー162a,162bがその一端
においてピン163を介して回動可能に連結されている。
連結レバー162a,162bの他端側には長孔164a,164bが形成
され、前記駆動レバー161の先端に突設された駆動ピン1
65が長孔164a,164bに嵌挿されてリンク機構が形成され
ている。
両第2キャッチャ124はその基端にピン166が突設され、
連結レバー167の端部が各ピン166に回動可能に連結され
ている。又、一方の粗糸継ヘッド本体109の基端にはロ
ータリソレノイド168が固定され、該ロータリソレノイ
ド168の駆動軸に第2キャッチャ作動レバー169の基端が
一体回動可能に固定されている。第2キャッチャ作動レ
バー169の先端は、該一方の粗糸継ヘッド本体109側に設
けられた第2キャッチャ124のピン166に回動可能に連結
されている。なお、粗糸ガイド130に代えて、第1キャ
ッチャ112の把持部112aの後方には、新粗糸把持部112b
と第2キャッチャ124の把持部124bとの間に案内された
新粗糸R2が所定位置より奥に入るのを規制する規制部材
170が固定されている。又、位置決めガイド128は省略し
た。
この実施例の粗糸継ヘッド108による新粗糸R2及び旧粗
糸R1の把持順序は前記実施例と同様に新粗糸R2、旧粗糸
R1の順に行われる。そして、この装置ではモータ160の
駆動による駆動レバー161の回動にともない、連結レバ
ー162a,162b及びレバー113a,113bを介して両第1キャッ
チャ112が互いに同一方向に回動される。駆動レバー161
の停止位置はモータ160の停止状態で定まるため、前記
実施例のようにワイヤ119を用いた場合と異なる粗糸継
ヘッド108が回動されても両第1キャッチャ112の開口位
置関係が一定に保持される。従って、第1キャッチャ11
2を中間把持位置に保持するためのソレノイド131が不要
となり、ワイヤ119が無くなったことと相俟って構成が
シンプルになる。
そして、第24図(a)に示すように両粗糸R1,R2が粗糸
継ヘッド108に把持された状態でロータリソレノイド168
が駆動されると、第2キャッチャ作動レバー169が同図
の時計方向に回動され、第2キャッチャ124が第1キャ
ッチャ112と独立して反時計方向に回動される。これに
より第24図(b)に示すように第1キャッチャ112の新
粗糸把持部112bと第2キャッチャ124の把持部124bとが
離間し、両把持部112b,124b間に把持されていた新粗糸R
2が解放される。次にモータ160の駆動により駆動レバー
161が反時計方向に回動されると、連結レバー162a,162b
を介して第1キャッチャ112が時計方向に回動され、第2
4図(c)に示すように把持部112aと把持面109aとが離
間して旧粗糸R1が解放される。
従って、この実施例の粗糸継ヘッド108を使用すると、
第1実施例で説明した旧粗糸R1を切断した後、新粗糸R2
の端部をトランペット10に挿入する粗糸継方法ではな
く、旧粗糸R1を切断する前に新粗糸R2の端部をトランペ
ット10に挿入し、その後旧粗糸R1を切断する粗糸継方法
を行うことができる。この場合第25図(a)に示すよう
に、粗糸継ヘッド108に新粗糸R2が把持されるとともに
旧粗糸R1がその先端部に導入された状態で粗糸継ヘッド
108が時計方向に回動され、第25図(b)に示すように
トランペット10に新粗糸R2が挿入される。新粗糸R2の先
端がほぼバックローラ9aに噛み込まれる時点にモータ16
0が駆動され、旧粗糸R1が把持された後、ただちにロー
タリソレノイド168が作動されて新粗糸R2が解放され
る。そして、その後粗糸継ヘッド108が反時計方向に回
動され、第25図(c)に示すように旧粗糸R1の切断が行
われる。
なお、本発明は前記両実施例に限定されるものではな
く、例えば、粗糸交換装置として残粗糸ボビン移載装置
26と満ボビン移載装置27とを設けずに、特開昭63−5747
8号公報に開示された装置のように1組のペッグを使用
して満ボビンF及び残粗糸ボビンの交換作業を行うよう
にしてもよい。又、第1実施例の粗糸継ヘッドの第1キ
ャッチャ112の駆動に第2実施例と同様なリンク機構を
採用してもよい。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、精紡機における粗
糸交換と粗糸継作業を全て自動的に行い、その口出し作
業、粗糸継作業及び粗糸交換作業を3カ所に分割された
それぞれ別の作業セクションでほぼ同時に並行的に行う
ので、粗糸替機の各作業位置における停止時間が短くな
り、精紡機機台全錘の粗糸替作業に要する時間を大幅に
短縮することができる。又、作業セクションが3カ所に
分割されているので、口出し作業、粗糸継作業及び粗糸
交換作業を行う各装置の粗糸替機への組込み、保全が容
易となる。
【図面の簡単な説明】
第1〜21図は本発明を具体化した一実施例を示すもので
あって第1図は粗糸替方法を示す概略図、第2図は粗糸
替機の概略側面図、第3図は同じく概略背面図、第4図
はロービングガイドの斜視図、第5図(a)〜(c)は
ボビンハンガの作用を示す正面図、第6図はトランペッ
トの出口部の形状を示す図、第7図は口出し作業セクシ
ョンと粗糸継作業セクションとを示す背面図、第8図は
同じく側面図、第9図は満ボビン支持下降装置の一部破
断部分側面図、第10図は同じく平面図、第11図は粗糸継
装置の側面図、第12図は粗糸継ヘッドの平面図、第13図
は粗糸継ヘッドとトランペットとの関係を示す要部正面
図、第14図(a)〜(c)は粗糸継ヘッドの作用を示す
平面図、第15図は粗糸掛け装置の側面図、第16図は粗糸
交換作業セクションの部分背面図、第17図は可動ロッド
の支持状態を示す要部断面図、第18図は第17図のA−A
線断面図、第19図は第17図のB−B線断面図、第20図
(a)〜(k)は口出し及び粗糸継作用を示す概略側面
図、第21図(a),(b)は粗糸掛け作用を示す側面
図、第22〜25図は第2実施例を示すものであって第22図
は粗糸継ヘッドの平面図、第23図は側面図、第24図
(a)〜(c)は粗糸継ヘッドの作用を示す平面図、第
25図(a)〜(c)は粗糸継作用を示す概略側面図であ
る。 クリール1、ボビンハンガ5、予備レールとしての搬送
レール15、粗糸替機21、粗糸継装置25、粗糸交換装置2
8、粗糸掛け装置29、口出し作業セクションA1、粗糸継
作業セクションA2、粗糸交換作業セクションA3、満ボビ
ンF、(小玉)ボビンB、旧粗糸R1、新粗糸R2。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01H 15/013 (56)参考文献 特開 昭63−57478(JP,A) 特開 昭58−119562(JP,A) 特開 昭59−22862(JP,A) 特開 昭61−238666(JP,A) 実開 昭54−158036(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精紡機のクリールのボビンハンガに前後2
    列に吊下されている紡出中のボビンとクリールの手前の
    予備レールに吊下されている満ボビンとを交換する粗糸
    替作業を精紡機機台の長手方向に沿って機台の一端から
    他端に向かって移動する粗糸替機によって行う粗糸替方
    法において、 粗糸替機の粗糸替作業を、少なくとも紡出中の前後1対
    の小玉ボビンに対応する2個の満ボビンから粗糸端を口
    出しする粗糸口出し作業セクションと、該粗糸口出し作
    業セクションで口出しされた満ボビンの粗糸端を移動さ
    せて、前後1対の紡出中の小玉ボビンの粗糸に粗糸継ぎ
    する粗糸継作業セクションと、粗糸継後の前後1対の小
    玉ボビンを予備レールに移すとともに粗糸継ぎされて紡
    出中の満ボビンをクリールのボビンハンガに移す粗糸交
    換作業セクションとの3つの作業セクションに分割し、
    各セクションの作業を行う機構を粗糸替機の粗糸替作業
    時移動方向前側から順に配設し、各セクションの作業を
    粗糸替機の粗糸替作業中並行して行う精紡機の粗糸替方
    法。
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