JP2513447B2 - 篠継ぎ装置 - Google Patents

篠継ぎ装置

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JP2513447B2
JP2513447B2 JP22968794A JP22968794A JP2513447B2 JP 2513447 B2 JP2513447 B2 JP 2513447B2 JP 22968794 A JP22968794 A JP 22968794A JP 22968794 A JP22968794 A JP 22968794A JP 2513447 B2 JP2513447 B2 JP 2513447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は篠継ぎ装置に関し、特
に、精紡機においてクリールに装着されるボビンが消費
された小玉になったときその篠に満ボビンからの篠を継
ぐのに使用される篠継ぎ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】精紡機においてクリールのボビンハンガ
ーに吊り下げられている篠巻きボビンが空になったり小
玉になったときはその篠巻きボビンを満ホビンに交換
し、満ボビンの篠を小玉ボビンの篠に継ぐ必要がある。
満ボビンの篠を小玉ボビンの篠に継ぐ場合、作業員は交
換の前に小玉ボビンからの篠を適当な長さ残して切断
し、クリールの小玉ボビンを満ボビンに交換し、満ボビ
ンからの篠の先端をトランペットに導入されている小玉
ボビンの篠の端部に割り込ませると共にもみ合わせ、満
ボビンの篠を小玉ボビンの篠と共にトランペットに引き
込ませるようにしている。
【0003】紡績工場における省力を図るために各種の
自動化機が要求されており、本出願人によって篠継ぎの
自動化機械が開発されいてる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】篠の導入を自動機で行
う場合、篠の先端を機械的に把持してトラッペットの入
口上方へ導き、その篠先端を小玉ボビンの篠と共にトラ
ンペットに導入させることが試みられているが、その
際、篠はその先端から或る程度の距離を隔てて把持する
ことになる。ところが、篠は比較的に短い繊維を極度に
甘い撚りで集合させただけであり、剛性に著しく欠如し
ている。そのため、篠を機械的に把持してトランペット
に導く際にその先端が屈曲し、この屈曲状態でローラパ
ートに導入されてドラフトミスによる糸切れを招き、安
定した篠継ぎが行い難い問題がある。
【0005】この発明は篠を機械的に把持してトランペ
ットに導入する際の篠の先端の屈曲を防止し、確実な篠
継ぎを行うようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、満ボビ
ンから口出しした篠端をトランペットに導入されている
小玉ボビンの篠に篠継ぎする篠継ぎ装置はトランペット
に対して遠近移動可能な篠継ヘッドを備え、その篠継ぎ
ヘッドの先端にトランペットに対する近接位置において
上下方向となる篠案内溝が形成され、篠継ヘッドに、篠
案内溝に導入された満ボビンの篠を把持可能な把持部材
と、その把持部材に把持された状態の篠端を延ばす気流
を噴出可能なノズルとを設け、そのノズルは空気供給源
に連通されることを特徴とする。
【0007】
【作用】篠継ヘッドはトランペットに対して遠近移動可
能であり、通常はトランペットから離間した位置にあ
る。満ボビンから口出しされた篠端は篠継ヘッドの案内
溝に案内され、その篠端の先端から或る程度上方の部分
は把持部材により把持される。篠継ぎのための篠継ヘッ
ドがトランペットに対して近接位置したとき、案内溝は
上下方向となり、把持部材により把持されている篠端が
トランペットの入口方向へ指向される。篠端をトランペ
ットに挿入するに先立ち、ノズルから気流が噴出される
ことにより篠継ヘッドに把持された満ボビンからの篠の
先端は伸ばされる。
【0008】
【実施例】以下添付図面に示した実施例に基づいて本発
明を詳述する。本実施例による精紡機における篠継ぎ
は、精紡機のスピンドル列に沿って配置されたボビンハ
ンガーに装着されている篠巻ボビンが小玉になった際
に、その小玉ボビンを精紡機のクリールの前列ボビンハ
ンガーの手前上方に配設された予備レールに支持された
予備ボビンハンガーに吊下された満ボビンと交換する際
に行われる。したがって篠継作業は広義の篠交換作業の
一部であり、広義の篠交換作業は満ボビンと小玉ボビン
の交換作業、満ボビンの篠の紡出中の小玉ボビンの篠へ
の篠継作業、さらに前記作業に関連した満ボビンの篠の
ロービングガイドへの引掛け作業等を含んで構成され
る。
【0009】前記広義の篠交換作業は図1(正面図)お
よび図2(側面図)に示す篠交換機50を用いて行われ
る。篠交換機50は図3に示すように、精紡機の機台の
両側に精紡機のスピンドル列に沿って移動可能に配設さ
れる。図3に示すように、精紡機の機台3の中央部に機
台長手方向に適宜な間隔で精紡クリールのクリールピラ
ー4が樹立され、精紡機のドラフトパート5上方には、
上記クリールピラー4に支持ブラケット18、支持ブラ
ケット13および吊下杆14を用いて支持された前・後
2本のレール11,12に夫々ボビンハンガー19,2
0が支承されている。これらボビンハンガー19,20
には小玉ボビン1cと中玉ボビン1bが吊下されてい
る。これら前後レール11,12のボビンハンガー1
9,20は図4で小玉ボビン1cと中玉ボビン1bの位
置として示すように、ドラフトパート5の2ピッチ毎す
なわち2スピンドルピッチ毎に夫々前後に対向するよう
に配設されている。この前レール11のボビンハンガー
19を前列ボビンハンガー、後レール12のボビンハン
ガー20を後列ボビンハンガーと記す。前記前・後列ボ
ビンハンガー19,20の中間部下方に略リング状のロ
ービングガイド2が図3に示すようにクリールピラー4
に支持杆9を用いて支持されている。このロービングガ
イド2は図20(A)に示すように開口部2cを有する
リング形状に作られ且つ開口部2cに対向する側に内側
に突出する隆起部2aが、開口部2cに隣接する両側に
図20(B)に示すように上方に突出する爪部2bが設
けられている。この爪部2bは内方へ突出するように設
けてあっても良い。前記隆起部2aは前列のボビン1c
と後列のボビン1bから供給される篠を分離するのに役
立ち、前記爪部2bはロービングガイド2に篠継ぎされ
た後の満ボビンの篠を篠掛けするのに役立つ。
【0010】前記前列ボビンハンガー19の手前上方に
は前記支持ブラケット13の先端部に取付けられた予備
レール15が機台長手方向に沿って配設されている。こ
の予備レール15は下面にその全長にわたって連続的に
幅の狭いスリットが開口した矩形断面形状の管体として
形成されており、その開口端からボビンキャリッヂ17
が出入り自在に挿入され、予備レール15に沿って移動
可能である。ボビンキャリッヂ17は予備ボビンハンガ
ー24を有し、このボビンハンガー24には図3に示す
ように、満ボビン1aが吊下されると共に後述の広義の
篠換作業の後には小玉ボビン1cを吊下させることがで
きる。
【0011】篠継ぎを伴う篠換作業は図3に示すよう
に、前列ボビンハンガー19の小玉ボビン1cと予備ボ
ビンハンガー15の満ボビン1aとの間で行われる。篠
換作業終了後には前列ボビンハンガー19の満ボビン1
aの篠Rはロービングガイド2、トランペット6を経て
ドラフトパート5のバックローラ5aに供給され、スピ
ンドル25によって加撚されて糸に形成される。糸の紡
出が進むにつれて前列ボビンハンガー19の満ボビン1
aはその篠が消費されて中玉ボビンとなり、一方後列ボ
ビンハンガー20の中玉ボビン1bもその篠が消費され
て小玉ボビンとなる。その際図3に示す篠入換機10を
用いて前列ボビンハンガー19と後列ボビンハンガー2
0を夫々の中玉ボビンと小玉ボビンを吊下させたまま入
換え、その結果図3に示したボビン配列にし、その後に
再び篠継ぎを伴う篠交換を行う。前記篠入換えは夫々の
ボビンハンガー19,20を夫々のレール11,12か
ら外した後に180°旋回させることによって達成され
る。その詳細な構成は本発明と同一の出願人による特公
昭60−14848号公報に開示されており、且つ篠入
換作業は本願発明の主要部でないのでその詳細な説明は
省略する。一方満ボビンの予備ボビンハンガー24への
供給は粗紡機位置で満ボビンを挿着し、これをキャリッ
ヂバー17と共に精紡機の予備レール15上の所定位置
に移動させることによって達成される。
【0012】前述のように篠交換機50は精紡機の機台
前面に沿って、すなわちスピンドル25の列に沿って移
動可能である。篠交換機50の本体51の下側には図1
〜図3に示すように、車輪51a、本体51の精紡機に
対向する側面にガイドローラ29、本体51の中に走行
用モータ21と走行用モータ21と協働するスクロール
カム22が設けられている。一方精紡機のスピンドルレ
ール26には取付ブラケット27を介してガイドレール
28が付設され、そのガイドレール28の外側表面には
前列ボビンハンガー19のピッチ間隔と等しい間隔を置
いてガイドピン30が多数植設されている。前記ガイド
ローラ29はガイドレール28上を回動可能であり、し
たがってスクロールカム22にガイドピン30を係合さ
せながらスクロールカム22を回転させることによっ
て、篠交換機50を精紡機のスピンドル列に沿って移動
させ、且つ所定位置に停止させることができる。
【0013】次に篠交換機50の構成について説明す
る。篠交換機50には篠継ぎと篠交換を所定の順序で行
うための各種機構とこれら機構の駆動機構が装備されて
いる。すなわち図1に例示した1度に6本の前列ボビン
ハンガー19上の小玉ボビン1cを6本の予備ボビンハ
ンガー24上の満ボビン1aと交換して篠継ぎする篠交
換機50において、中央に1個配置された昇降機構31
によって昇降運動されると共に前後動し、且つ6個のペ
ッグを回転可能に支承する満ボビン交換ヘッド52と、
前記満ボビン交換ヘッド昇降機構31の両側に配置され
且つ昇降機構41a,41bによって昇降運動されると
共に前後動し、夫々3個のペッグを回転可能に支承する
小玉ボビン交換ヘッド55と、篠交換機本体51内に収
容されたブロア23からホース23aを経て連結されて
その吸引作用によって満ボビンの篠端を引出す6個の口
出しノズル62と、篠ボビンの篠端を紡出中の小ボビン
の篠に重合させる6個の篠継ぎヘッド60と、満ボビン
の篠をロービングガイド2に篠掛けする篠掛けプレート
58と、前記各部材を所定のサイクルで移動させるそれ
ぞれの駆動手段が配設されている。以下図1から図20
を参照して前記夫々の構成要素の説明を行う。
【0014】先ず満ボビン交換ヘッド52について説明
する。この満ボビン交換ヘッド52のチェンジバー71
には6個の満ボビン交換ヘッド用ペッグ53が回動可能
に配設されている(図11)。前記ペッグ53を用いて
図3に示した位置の満ボビン1aを小玉ボビン1cの位
置に移動させるためにはペッグ53を上下動し、且つ前
後動させることが必要である。6個のペッグ53が配設
されているチェンジバー71は図5に示すように内側リ
ンク75と外側リンク76を主要部とするリンク機構を
介して図1に示す満ボビン交換ヘッド昇降機構31の昇
降体37の上部に配設される。昇降体37には垂直方向
に平行している2本のチェイン36a,36bが連結さ
れており、このチェイン36a,36bを篠交換機50
内に配設された満ボビン交換ヘッド昇降機構用モータ3
2を用いて上下両方向に移動させることにより昇降体3
7は上下動される。すなわちモータ32の軸33にはチ
ェインホィール33aが取付けられ、このチェインホィ
ール33aの回転はチェイン33bとチェインホィール
34aを介して篠交換機50の本体51に回動可能に支
承された軸34に伝達される。軸34の両端にはチェイ
ンホィール35a,35bが取付けられ、このチェイン
ホィール35a,35bに掛けられた前述のチェイン3
6a,36bはその一端が昇降体37の下方に直接連結
され、他方は本体51の上方に回動可能に配設されたチ
ェインホィール39a,39bを経て昇降体37の上方
に連結されており、したがって軸34の回転によって昇
降体37の上下移動が達成される。その際昇降体37は
本体51に垂直に設けたガイド部材38a,38bに摺
動自在に嵌装されているので垂直方向での正確な移動が
確保される。次に満ボビン交換ヘッド52の前後動運動
は図5に示す満ボビン交換ヘッド前後動機構によって行
われる。昇降体37の上方にはハウジング77が設けら
れ、ハウジング77内のモータ86の回転は減速機8
5、歯車84,83を経てアーム82を揺動し、その揺
動運動はアーム82の先端に設けられた摺動ピン81、
摺動ピン81が係合する揺動アーム80の長孔80aを
介して揺動アーム80に伝えられる。ハウジング77に
枢着されたピン79には外側リンク76の下端と揺動ア
ーム80が固着されている。それによって駆動歯車84
の矢印方向の往復回転運動は揺動アーム80と外側リン
ク76の矢印方向の揺動運動を生ずる。外側リンク76
の上端には枢着ピン74を介してチェンジバー支持部材
72の一端が連結され、支持部材72の他端にはチェン
ジバー71が固着されている。一方チェンジバー支持部
材72の中間部分には枢着ピン73が設けられ、この枢
着ピン73を介して内側リンク75の上端が連結され
る。内側リンク75の下端は枢着ピン78を介してハウ
ジング77に連結される。したがって外側リンク76の
矢印方向の揺動運動によってチェンジバー71上のペッ
グ53を垂直方向に姿勢を保った状態で精紡機に対して
前後動させ、予備ボビンハンガー24の直下位置と前列
ボビンハンガー19の直下位置とに移動させ得るように
なっている。
【0015】次に満ボビン交換ヘッド52における満管
ボビン用ペッグ53とその回転機構を図10〜図13を
参照して説明する。図1および図11に示すように満ボ
ビン交換ヘッド52のチェンジバー71には2スピンド
ルピッチの間隔で6個のペッグ53(53a,53b,
53c,53d,53e,53f)が配設される。これ
らペッグ53は後述の篠交換の作動について詳細に説明
されるように、篠交換の諸ステップにおいて満ボビンか
ら篠を巻戻したり、巻取ったりするために回転されるよ
うになっている。さらにこれらペッグ53は篠交換作動
の当初において1本置きのものを図10に示すように、
他のペッグ53に対して別個に180°回転させ得るよ
うになっている。その理由は次に示すように本実施例に
おける満ボビンの篠端の口出しを良好に行う為である。
すなわち粗紡機で巻取られた満ボビンの篠の篠端は粗紡
機におけるフライヤーのプレッサー位置が前列と後列と
で180°位相が異なっているので、前列のものが後列
のものに対して180°反対側に配置される。従って、
粗紡機で玉揚した前後列の満ボビンを1つ置きに間に入
れて一列に並び換え、その一列状の満ボビンをボビンキ
ャリッヂ17を用いて予備レール15に吊下させると、
これらの満ボビンの篠1aの篠端1aeは図10(A)に
示すように1つ置きに180°反対側に位置される。す
なわち図10(A)において(a),(c),(e)の
位置にある満ボビンの篠の篠端1aeが口出しノズル62
に対向した位置にある場合には、(b),(d),
(f)の位置にある満ボビンの篠の篠端1aeは口出しノ
ズル62の反対側にある。このままの状態で口出しノズ
ル62によって口出しする為に6個の満ボビンを一斉に
戻し回転させると、満ボビン相互の間隔が一般に小さい
ので口出しノズル62と反対側に位置していた篠端が口
出しノズル62に到る迄の間にその篠端が隣の満ボビン
の周面に付着してその満ボビンに巻付けられ、口出し不
能になることがある。そこで篠交換の作動の当初に
(b),(d),(f)の位置にある満ボビン1aを予
め巻取り方向へ180°回転させて図10(B)に示す
ように6本の満ボビンの篠端1aeを口出しノズル62に
対向するように揃え、然る後6個の満ボビンを巻戻し方
向へ回転させるようにしてある。なお、満ボビン相互の
間隔が大きいときには、予め巻取り方向へ回転させるこ
となく最初から巻戻し方向へ一斉に回転させれば良い。
前記のように6本のペッグ53を1本置きに回転可能に
するために、図11および図12に示すように各ペッグ
53をチェンジバー71に回転自在に支持させ、それら
のペッグ53の内3つのペッグ53a,53c,53e
をそれぞれのペッグの下方に設けたプーリ162a,1
62c,162eを介してベルト163で回転可能に
し、また他の3つのペッグ53b,53d,53fを同
じくプーリ162b,162d,162fを介してベル
ト164で回転可能にしてある。そして、前記ベルト1
63,164を駆動プーリ57a,54aを介して駆動
するモータ57,54をチェンジバー71上に取着して
ある。図中161a〜161iはそれぞれのベルト16
3,164を案内するガイドプーリである。図10に示
すように(b),(d),(f)位置の1本置きの満ボ
ビン1aを予め巻取り方向(時計方向)へ180°回転
するにはモータ54を図11において反時計方向へ回転
し、満ボビン1a全体を巻戻し方向(反時計方向)へ回
転するためにはモータ54,57を図11において時計
方向へ同時に回転すればよい。
【0016】満管ボビン用ペッグ53は図13(図12
のペッグ53a,53c,53eに対応する)に示すよ
うに、チェンジバー71に取付けた軸受によって支持軸
166を回転自在に支承させてこの支持軸166の上端
部にボビンの下部孔に嵌脱可能な嵌合部166aを設
け、その支持軸166の中間部には外周に鍔状の受部1
67aを有する筒形のボビン受止体167を上下動可能
に嵌合させると共に、そのボビン受止体167を支持軸
166の基部に嵌着されたばね受板168との間に介在
したばね169で嵌合部166aに当接するように上向
きに付勢して構成してある。前記ボビン受止体167の
受部167aはボビンの下部孔より大きい径に形成して
ボビンを支持し得るようになっており、ボビン受止体1
67の筒状部外周は前記嵌合部166aと同じか或いは
小さい外径に形成され、ボビンの下部孔に嵌合させ得る
ようになっている。
【0017】次に小玉ボビン交換ヘッド55について説
明する。小玉ボビン交換ヘッド55もまた精紡機に対し
て上下動と前後動させるように構成させることが必要で
ある。そのための機構は前記満ボビン交換ヘッドの場合
と略同様であり、上下動を与えるための機構が図1に示
す如く満ボビン交換ヘッド昇降機構31の両側に夫々3
個の小玉ボビン用ペッグ56に対して上下動を与える小
ボビン交換ヘッド昇降機構41a,41bが設けられて
いる。それぞれの昇降機構41a,41bの昇降体47
a,47bには垂直方向に平行して延びる夫々2本のチ
ェイン46a,46bと46c,46dが連結され、こ
のチェイン46a,46b,46c,46dを篠交換機
50の本体51内に配設された小玉ボビン交換ヘッド昇
降機構用モータ42を用いて上下両方向に移動させるこ
とによって昇降体47a,47bは上下動される。チェ
イン46a,46b,46c,46dの移動をチェイン
46aを例にして示せばモータ42の回転をモータ出力
軸43に固着したチェインホィール43a、チェイン4
3b、通軸44に固着したチェインホィール44aを介
して通軸44に伝え、通軸44の回転をチェインホィー
ル45aによってチェイン46aに伝達することによっ
て行われる。一方小玉ボビン交換ヘッド55の前後動運
動は図5を参照として示した満ボビン交換ヘッド52の
前後動運動機構と同様な機構を用いて行えるようにし、
ペッグ56を図3に示す待機位置と、予備ボビンハンガ
ー24の直下位置と前列ボビンハンガー19の直下位置
とに夫々移動させ得るようにしてある。
【0018】小玉ボビン交換ヘッド55におけるペッグ
56の構成は図13に示した満管ボビン用ペッグ53の
構成と同じであり、一方それぞれのペッグ56を回転さ
せる機構は図11および図12に示した満ボビン用ペッ
グ53の回転機構と類似する。ただし小玉ボビン交換ヘ
ッド55のそれぞれ3個のペッグ56は常に同一方向に
同時に回転させればよく、したがってペッグ56を駆動
するためのベルトおよびそのためのモータは左右の小玉
ボビン交換ヘッド55毎に1個設ければよい。
【0019】なお、前記小玉ボビン交換ヘッド55には
篠継後ロービングガイド2から垂れ下がっている残篠を
巻とる残篠巻取装置が付設されているが、これは後述す
る。次に口出しノズル作動機構、篠継ヘッド作動機構お
よび篠掛けプレート作動機構を順次説明するが図1に示
した篠交換機においては前記3種類の作動機構の作動が
同一の軸に3枚の動作カムを併設させている左右一対の
口出しノズル・篠継ヘッド、篠掛けプレート動作機構6
5によって与えられているので先ずこの動作機構65を
図6を参照して説明する。図6に示すように1本の回動
可能なカム軸93に篠継ぎ動作カム66、口出し動作カ
ム67、篠掛け動作カム68が並べて固定されている。
それぞれのカム66,67,68に対応してカムフォロ
ワ94とカムフォロワ94を支持するカムレバー95が
夫々設けられ、カムレバー95の一端は篠交換機50の
本体51にピン96を介して枢着され、他端には動作用
ロッド97,98,99が夫々回動可能に連結されてい
る。図6においてはカムフォロワ94とカムレバー95
は1個しか図示していないが、それぞれの動作カム6
6,67,68に対応してカムフォロワとカムレバーが
設けられ、篠継ぎヘッド動作用ロッド97、口出しノズ
ル動作用ロッド98および篠掛けプレート動作用ロッド
99が上方、又は下方に伸びるように配置される。左右
一対のカム軸93の回転は篠交換機50の本体51内に
配置されたモータ87の回転を減速機88、チェインホ
ィール89、チェイン91、を経てチェインホィール9
0の回転とし、その回転を通しの長い中間軸90a及び
互いに噛合う歯車92a,92b,92c(図1におい
て右側のものは図示省略)を経て左右のカム軸93に伝
達することによって達成される。
【0020】次に図7を参照して口出しノズル62及び
口出しノズル作動機構を説明する。この口出しノズル作
動機構は左右に一対対称的に設けられているが、図1に
おいて右側のもののみ説明し、左側のものは説明を省略
する。口出しノズル62はその下端のノズル取付ブラケ
ット138を介して口出しノズル支持パイプ139に固
定的に連結され、ブロア23からホース23aを介して
口出しノズル支持パイプ139の両端に達した吸引気流
によって口出しノズル62の先端から満ボビン1aの篠
端を引出す役割を果す。口出しした篠端を篠継ヘッド6
0に導くために口出しノズル62の先端を図7に軌跡1
40で示す曲線で移動させるようになっている。
【0021】なお図1に示した篠交換機50においては
2スピンドルピッチの間隔をあけて6個の口出しノズル
62が支持パイプ139に固着されている。図6で説明
した動作機構65の口出し動作カム67による口出しノ
ズル動作用ロッド98の運動はピン123を介してセク
ターギヤ121にピン122を中心とした揺動運動を与
え、この揺動運動は歯車124、セクターギヤ125を
介して昇降アーム127にピン126を中心とした揺動
運動を与える。篠交換機50の本体51には直線状の2
本のロッド133を有する平行ガイド132が配設され
ており、スライダ128の上方部分128aには長孔1
29が設けられ、この長孔129の中に昇降アーム12
7が先端に設けられた摺動ピン131が摺動自在に嵌込
まれ、それによって昇降アーム127を矢印方向に揺動
させるとスライダ128を平行ガイド132に沿って上
下動させることができるようになっている。スライダ下
方部分128bの右端は口出しノズル支持パイプ139
の一端部を回動自在に支持している。篠交換機50の本
体51には口出しノズル62の先端の軌道を規定する湾
曲ガイド孔135を有する案内プレート134が配設さ
れ、この湾曲ガイド孔135に係合する摺動ピン136
が連結アーム137の一端に設けられ、連結アーム13
7の他端は口出しノズル支持パイプ139に一体に連結
されている。従ってスライダ128が上昇すると口出し
ノズル62自体が上昇すると共に、摺動ピン136が湾
曲ガイド孔135に沿って案内されることによって口出
しノズル62をパイプ139を中心として回動させ、口
出しノズル62の先端を140で示す軌跡に沿って移動
させることになる。口出しノズル62の先端内部に特公
昭47−51649号公報のように篠を切断するのに役
立つコームを設けておくとよい。
【0022】次に図8を参照して篠継ヘッド60及び篠
継ヘッド作動機構を説明する。この篠継ヘッド作動機構
も左右に一対対称に設けられている。篠継ヘッド60は
前記口出しノズル62によって満ボビンから引出された
篠端を紡出中の小玉ボビンの篠に重合し、重合後に小玉
ボビンの篠を切断する装置である。なお、図1に示した
篠交換機50においては6個の篠継ヘッド60が前述の
口出しノズル62に対応して篠継ヘッド支持バー148
(図19参照)に配設されている。篠継ヘッド60は口
出しノズル62が篠端を吸引している時には図8に示す
ように、篠継ヘッド支持バー148から垂直下方に向い
て口出しノズル62との干渉を避けるようになってお
り、次に篠端を把持してその篠端を紡出中の小玉ボビン
の篠と重合させるために反時計方向に回動させたり、図
8において右方に移動させなければならない。篠継ヘッ
ド60にこのような運動を与える篠継ヘッド作動機構は
図6で示した動作機構65の篠継動作カム66による篠
継ヘッド動作用ロッド97の下向きの移動を揺動アーム
141を介して内側リンク146と外側リンク147に
時間差を与えて時計方向に回動させる機構である。内側
リンク146と外側リンク147は枢着軸145によっ
て篠交換機50の本体51に回動可能に支持され、同時
に夫々引張スプリング152,153によって反時計方
向に引張られており、内側リンク146はストッパー5
1hに受止められている。前記枢着軸145は本体51
に固着した左右一対の支持体51e,51eによって回
動自在でかつ長手方向(図1の左右方向)へ僅かに移動
自在に支承され、この枢着軸145に内側リンク146
の下端部が遊嵌され、外側リンク147の下端部が固着
されている。枢着軸145の端部にはセクターギヤ14
4が固着されており、このセクターギヤ144は揺動ア
ーム141と一体のギヤ141aと噛合っている。外側
リンク147の上端にはピン151が設けられ、連結リ
ンク150の長孔150aに係合している。
【0023】前記内側リンク146の上端は篠継ヘッド
支持バー148の端面に一体に突設したピン149を回
動自在に支持しており、そのピン149に前記連結リン
ク150の上端が固着され、これにより篠継ヘッド支持
バー148は連結リンク150の揺動によりピン149
を中心として回動可能である。したがって篠継ヘッド動
作用ロッド97の下向きの移動によって揺動アーム14
1がピン143を中心として反時計方向に回動すると、
外側リンク147はセクターギヤ144及び枢着軸14
5を介してスプリング153の引張力に抗して時計方向
に揺動して外側リンク147の上端のピン151を右方
に押し連結リンク150をピン149を中心として反時
計方向に回す。その結果篠継ヘッド支持バー148は篠
継ヘッド60と共に反時計方向に回る。この回動運動は
連結リンク150が図8に示された位置からピン149
を通過する垂直線に対して対称の反対側の位置迄続き、
その結果篠継ヘッド60はほぼ水平位置になる。さらに
篠継ヘッド動作用ロッド97が下方に移動して外側リン
ク147が時計方向にさらに回動するとピン151が長
孔150aの下端に当接し、その後はピン149が連結
リンク150によって右方に引かれて内側リンク146
を軸145を中心として回動させ、それに伴って水平方
向に向いた篠継ヘッド60は154で示した軌跡に沿っ
て紡出中の小玉ボビン1cからの篠Rに向けて進むこと
になる。
【0024】精紡機における満ボビンの配置位置とドラ
フトパート5の位置は通常図4に示すように精紡機のス
ピンドルの1/2ピッチだけずれている。そこで満ボビ
ンの篠を口出し、その篠を篠継ヘッド60に把持してド
ラフトパート5に移動するに際しては、篠継ヘッド60
を篠継すべき小玉ボビンの篠が導入されているドラフト
パート5側に1/2スピンドルピッチだけ横移動される
必要がある。そのために図1に示すように篠継ヘッド横
移動機構61が設けられ、枢着軸145を移動させるよ
うにしてある。篠継ヘッド横移動機構61は本体51に
止着された減速機付モータ217と、そのモータ217
によって回転させられるウォーム218と、ウォーム2
18と噛合するウォームホィールを有し、ピン155a
を中心として揺動されるアーム155とから成り、その
アーム155の揺動によってロッド145を図1におい
て右又は左へ選択的に移動させるようになっている。
【0025】次に図14から図19を参照して篠継ヘッ
ド60の構造とその作動方法を説明する。図14〜図1
6に篠継ヘッドの一実施例の平面図を示し、図17にそ
の側面図を示す。図14〜図17に示す篠継ヘッド60
はその先端部に篠案内溝173が形成された篠継ヘッド
本体171とその本体171の上側表面に平行な平面内
で前記篠案内溝173を横切って往復動可能な篠把持レ
バー174(ニップピース176とで本発明の篠把持部
材を構成する)とから成る。本体171は断面コの字形
状の篠継ヘッド支持バー148に固定されている。篠把
持レバー174は本体171に固定された枢着ピン17
8にその中央付近で回動可能に支持され、一方その後端
にはピン179が突設されている。図17に示すよう
に、篠継ヘッド支持バー148には摺動可能に篠把持レ
バー作動バー182が配設され、その作動バー182に
は先端にピン179を収容する開口部を有する作動部材
181が固定されている。篠把持レバー174の先端の
篠把持部175の両側面の篠把持面175a,175b
に対向する篠把持面176a,177aをそれぞれ有す
るニップピース176,177が篠案内溝173の両側
の位置で本体171の上側表面に固定して配設される。
本体171の先端には篠案内溝173に篠を案内するた
めの三角形状の篠案内開口部172が形成され、その篠
案内開口部172の片側側面には導管184(本発明の
空気供給源)を経て送られる空気を篠案内溝173の奥
部下方向に噴出させるノズル183の開口部を設けてあ
る。
【0026】このノズル183から噴出する空気流は紡
出中の小玉ボビンの篠に重合させる満ボビンの篠端の折
れ曲がりを延ばすのに役立つ。即ち、ノズル183から
図17の矢印のように空気流が噴出され、その空気流が
篠案内溝173の底面に沿って下方へ流れ、満ボビンか
らの篠の先端は篠案内溝173の底面に沿うように下方
へ真っ直ぐに伸ばされ、篠端の折れ曲がりがあってもそ
れは解消される。
【0027】図14で示す状態Aは作動バー182が右
側に移動して篠把持レバー174の篠把持面175aと
ニップピース177の篠把持面177aとの間に小玉ボ
ビンの篠(図示せず)を把持する場合及び満ボビンの篠
を篠案内溝173に導く為の待機状態の篠把持レバー1
74の位置を示す。篠継ヘッド60が図8を参照して説
明した篠継ヘッド60の垂直位置に位置された状態にお
いて満ボビン1cと口出しノズル62間を延びる篠は篠
案内開口部172を経て篠案内溝173に導入された上
で篠把持レバー174が図16で示す状態Cのように篠
把持部175が右側に回動して篠把持レバー174とニ
ップピース176によって把持され、その後篠継ヘッド
60が垂直位置から水平位置へ移動される間に、口出し
ノズル62との間の篠は篠把持レバー174による把持
点の下流側で筆先状に切断され、その結果篠案内溝17
3中に紡出中の小玉ボビンの篠と重合されることになる
筆先状の篠端が位置されることになる。尚、この垂直位
置から水平位置への移動を繰り返して行うと、篠の先端
に絡まっている単繊維が除去されて筆先状形状が均一と
なる。この状態で篠継ヘッド60は図8に実線154で
示す軌跡に沿って紡出中の小玉ボビンの篠Rに近づけら
れると共に篠継ヘッド横移動機構61によって図1にお
いて右又は左へ1/2スピンドルピッチ横移動され、こ
れによりトランペット6に導入されている紡出中の小玉
ボビンの篠Rが篠案内溝173の中に導入され、前記満
ボビンの篠端はその小玉ボビンの篠Rに重合される。次
に図15の状態Bに示すように篠把持レバー174の篠
把持部175が左側に回動して中立の位置に移動され、
これにより満ボビンの篠端は小玉ボビンの篠Rに誘導さ
れてトランペット6内に重合状態で導入される。ノズル
183(図17)からの空気の噴出により満ボビンから
の篠端は伸ばされているため、小玉ボビンからトランペ
ット6に供給されている篠との均整な重合状態を得るこ
とができ、ミスの少ない篠継作動が実現される。その
後、前記満ボビンの篠端がドラフトパート5のバックロ
ーラ5aに導入された時点で図14の状態Aに示すよう
に篠把持部175が左側へ最大限回動されて篠把持レバ
ー174の篠把持部175の左側の把持面175aと左
側のニップピース177の把持面177aとの間に小玉
ボビンの篠Rを把持する。かくして篠継ヘッド60の下
流側の篠はドラフトパート5に向けて紡出するので篠継
ぎされた部分は下流に進み、その篠継部分の上流の篠R
は篠把持レバー174と左側のニップピース177で把
持されているので引っ張り切断されて篠継ぎが完了す
る。其後、篠把持レバー174が中立位置に回動し、篠
Rの把持は解放される。
【0028】次に図19を参照して篠把持レバー174
の回動運動を作動する作動レバー182の摺動運動を説
明する。図19に示すように、篠継ヘッド支持バー14
8に収容されている作動バー182には6個の篠継ヘッ
ド60のそれぞれの作動部材181が固定されている。
作動バー182には篠継ヘッド支持バー148に止着さ
れた4個の作動バー摺動用ソレノイド185のプランジ
ャ189がL形部材188、ピン200及び孔186を
介して夫々連結される。それぞれのソレノイド185は
通電されない時にはプランジャ189は自由に動くこと
ができ、通電されるとプランジャ189が没入されるよ
うになっている。前記ピン200は孔186を介して作
動バー182に係合して作動バー182にプランジャの
運動を伝達する。その際にピン200が係合する孔18
6の形状はソレノイド185a,185dに対応する孔
186a,186dは作動バー182の移動方向へ長い
長孔とし、ソレノイド185b,185cに対応する孔
186b,186cは作動バー182の移動方向と直交
する方向へ長い長孔に形成されている。図19(A)に
示すように、ソレノイド185cに通電(ON)する
と、プランジャ189がソレノイド185cに引込まれ
てピン200cは右側に矢印Cで示すように移動して作
動バー182を矢印X1 で示すように右側に移動し、そ
の結果篠把持レバー174の先端175は左側に回動し
てニップピース176に当接し満ボビンの篠を把持する
ことになる(図16の状態C)。次に篠把持レバー17
4を図15で示す中立状態Bにするためには、図19
(B)に示すようにソレノイド185dに通電(ON)
し、ピン200dを矢印Dの方向に移動することによっ
て、作動バー182を矢印X2 の方向に移動させる。同
時にソレノイド185aにも通電し、ソレノイド185
aのプランジャ189が引込まれたままの位置を保って
いるので、作動バー182は長孔186aの右端がピン
200aに当接して中立位置に位置決めされる。
【0029】さらに篠把持レバー174を図14(A)
に示した紡出中の小玉ボビンの篠を把持する位置に移動
するためには、図19(C)に示すように、ソレノイド
185bを通電(ON)し、プランジャ189を引込む
ことによってピン200bを矢印Bの方向に移動し、作
動バー182を矢印X3 の方向に移動する。前記工程を
繰返すことによって篠継ヘッド60における篠把持レバ
ー174の往復回動運動を所定の計画に基づいて達成す
ることができる。
【0030】図18に篠継ヘッド60の他の実施例を示
す。この篠継ヘッド60では図18(B)で示す側面図
から容易に判るように篠把持レバーとして満ボビン篠用
のレバー174aと小玉ボビンから紡出中の篠R用のレ
バー174bの2本が用いられていることが図17の篠
継ヘッド60と異なる。したがって作動バーもそれに対
応して、満ボビン篠用の作動バー182aと篠R用の作
動バー182bとが用いられ、篠Rを重合予定部より上
流で切断すると共に、図14〜図17で示した篠継ヘッ
ド60の場合と同様に作動して満ボビンの篠端を小玉ボ
ビンの篠Rに重合して篠継ぎを完了する。
【0031】次に図9を参照して篠掛けプレート作動機
構を説明する。この篠掛けプレート作動機構も左右に一
対対称に設けられている。篠掛けプレート58は篠継の
終了した満ボビンの篠をロービングガイド2に掛けるた
めのプレートであり、そのためには図9で曲線116で
示した軌跡に沿って篠掛けプレート58を移動させなけ
ればならない。なお図1に示した篠交換機50において
は篠掛けプレート58は篠交換機50の長手方向に延び
る一枚のプレートとして形成されている。篠掛けプレー
ト作動機構は図6で示した動作機構65の篠掛け動作カ
ム68による篠掛けプレート動作用ロッド95の下向き
の移動を外側リンク101と内側リンク102とを併合
したリンク機構の運動によって篠掛けプレート58に所
期の移動軌跡を与えるものである。すなわちセクターギ
ヤ104は本体51にピン109を介して枢着してあ
り、篠掛けプレート動作用ロッド95の下向きの移動に
よってピン109を中心として時計方向に回動し、その
運動はセクターギヤ105の反時計方向の回動をもたら
す。このセクターギヤ105は本体51に取着された支
持体103によって回動自在でかつ長手方向へ摺動自在
に支承されている軸112に固着され、この軸112に
前記外側リンク101の上端が固着されている。外側リ
ンク101の下端は連結リンク107に植設したピン1
14aと支持バー108の後端に植設したピン115a
に回動自在に枢着されている。支持体103に回動自在
でかつ軸方向へ移動自在に軸117を支承し、連結リン
ク106の一端を軸117に他端を前記軸112に夫々
回動自在でかつ前記112の軸方向の移動を軸117に
伝達するようになっている。そしてこの軸117に内側
リンク102の上端を固着し、内側リンク102の下端
は前記の連結リンク107とピン113で連結されてい
る。連結リンク107に植設したピン114aに小歯車
114を楔着し、支持バー108に植設した115aに
小歯車115に楔着し、小歯車114と115が噛合っ
ている。両側の支持バー108の先端部に板状の篠掛け
プレート58が懸架固着されている(図1参照)。図示
は省略したが篠継ぎの終わった満ボビンの篠をロービン
グガイド2に導く際、篠の左右方向の位置を規制するた
めに篠掛けプレートの先端側には(図9の右側)6個の
V状のガイド用切欠きが形成されている。かかる構成に
つきセタクーギヤ105の反時計方向の回動に伴い外側
リンク101と内側リンク102は共に反時計方向に回
動し、外側リンク101の揺動端に近づいてくると外側
リンク101と内側リンク102、連結リンク107の
連結長さの関係で連結リンク107がピン114aを支
点にして反時計方向に回され、これに伴い小歯車114
に噛合っている小歯車115が時計方向に回されるので
篠掛けプレート58の先端は図9の軌跡116のように
移動し、外側リンク101の揺動端に来たときにはロー
ビングガイド2の上方において篠掛けプレート58が機
台側へ傾いて、満ボビンの篠をロービングガイド2内へ
導くようになっている。
【0032】次に篠掛けプレート58を横移動させる機
構を説明する。篠掛けプレート58は図20に示したロ
ービングガイド2の爪部2bに満管ボビン1aの篠を掛
けるために例えば20mm移動させるために図1に示した
篠掛けプレート横移動機構59によって移動させられ
る。篠掛けプレート横移動機構59は本体51に止着さ
れた減速機付モータ117と、そのモータ117によっ
て歯車117aを介して回転させられるウォーム118
と、ウォーム118と噛合するウォームホィールを一端
に有し、ピン119aを中心として図1において右又は
左へ選択的に揺動して篠掛けプレート作動機構の軸11
2を横移動させるアーム119から成る。図9に示す軸
112の横移動によって外側リンク101および連結リ
ンク106を経て内側リンク102が同時に横移動さ
れ、それによって満ボビンの篠を保持した篠掛けプレー
ト58もまた横移動される。この篠掛けプレート58の
横移動は篠掛けプレート58が上昇されて篠をロービン
グガイド2内に導いた状態で行われ、その結果ロービン
グガイド2の爪部2bに篠がかけられる。
【0033】次に図21〜図23を参照して小玉ボビン
の残篠巻取装置について説明する。後述の篠交換機50
の作動の説明において詳述するように、篠継ヘッド60
によって篠継ぎされた後に切断された小玉ボビンの残篠
は小玉ボビン1cから垂れ下がっている。垂れ下がった
残篠を巻取った後の小玉ボビン1cは、予備レール15
上の予備ボビンハンガー24に移された後に、通常は小
玉ボビン1cを吊下状態で予備レール15から次の篠巻
き作業のために残篠処理工程に移動される。その際小玉
ボビン1cに残篠を確実に巻付けておかないと、移動中
に小玉ボビン1cから残篠が再度垂れ下がり、時には垂
れ下がった残篠自体の重量によって小玉ボビン1c上の
残篠全部が小玉ボビン1cから脱落し、通路上や稼動中
の精紡機等の上に落下して紡出中の糸等に絡まる等の好
ましくない現象が発生する。このような小玉ボビン1c
から残篠が再度垂れ下がる現象を回避するために、本実
施例では小玉ボビンを小玉ボビン交換ヘッド55の回転
可能なペッグ56に載置した後、持上げプレート204
で小玉ボビンの近くに垂れ下がっている篠の途中を小玉
ボビンの側方まですくい上げるとともに小玉ボビンの外
周をなで付けプレート211に接触させ、この状態で小
玉ボビンを巻取方向に回転させて垂れ下がっている篠を
小玉ボビンに確実に巻付けて巻取るようにしてある。
【0034】図21に前記持上げプレート204および
なで付けプレート211の小玉ボビン交換ヘッド前後動
機構に対する配置状態を示す。小玉ボビン交換ヘッド前
後動機構は図5を参照して説明した満ボビン交換ヘッド
前後動機構と同様に構成されており、3個の小玉ボビン
用ペッグ56が2スピンドルピッチの間隔で配置されて
いる小玉ボビン用チェンジバー70が内側リンク201
と外側リンク202を用いて図21で実線で示した位置
と二点鎖線で示した精紡機上の小玉ボビン1cに係合可
能な位置間を移動可能である。前述のように小玉ボビン
交換ヘッド昇降機構は満ボビン交換ヘッド昇降機構31
の両側に設けられているので、前記小玉ボビン用チェン
ジバー70は前記小玉ボビン交換ヘッド昇降機構に対応
してそれぞれ設けられ、従って持上げプレート204も
小玉ボビン用チェンジバー70に対してそれぞれ1枚設
けられる。前記持上げプレート204は図21および図
22に示すように、チェンジバー70に平行に延びるプ
レート状に作られ且つその上方に残篠を案内する切込部
204aを有し、この持上げプレート204は2本の支
持レバー203の先端に固定されている。前記支持レバ
ー203はその後端にローラ205が回転可能に付設さ
れ、その中間位置でチェンジバー70から上方に延びる
支持ブラケット210にピン206によって回転可能に
取付けられる。支持レバー203の支持ブラケット21
0への取付位置は、図21右側の二点鎖線で示されるよ
うなチェンジバー70が精紡機上の小玉ボビン1cの下
方にある時には持上げプレート204および支持レバー
203の取付位置より右側部分の重量によって図示の如
くピン206を中心として時計方向に回転し、支持ブラ
ケット210の上方に設けたピン209によってその傾
斜位置が定められている。一方篠交換機50の本体51
には、ストッパ207がストッパ支持部材208を介し
て固定的に配設される。ストッパ207は図21左側の
実線で示される位置にチェンジバー70が移動した時に
支持レバー203の後端のローラ205がストッパ20
7に当接して支持レバー203をピン206を中心とし
て反時計方向に回動して持上げプレート204を小玉ボ
ビン1cの側方に移動するように構成される。
【0035】一方なで付けプレート211は図21およ
び図23に示すように、小玉ボビン1cの篠表面に接触
するように篠交換機50の本体51に支持ブラケット2
12を介して本体に取付けられる。なで付けプレート2
11は小玉ボビン1cの軸線に平行な平板状の形状を有
し且つゴム等の弾性材料から作られるとよい。なで付け
プレート211はそれぞれ小玉ボビン1c毎に設けら
れ、その小玉ボビン1cの篠表面との相対位置は、小玉
ボビン1cが最も後方の位置(図21で左側の位置)に
達した時に持上げプレート204で小玉ボビン1cの側
方に持上げられて小玉ボビン1cの回転によって小玉ボ
ビン1cに巻取られる残篠を小玉ボビン1cの篠層の表
面になで付けながら巻付けるように調節ボルト213を
用いて位置調節される。かくして残篠が垂れ下がってい
る小玉ボビン1cが図21の右側の位置から左側の位置
へ小玉ボビン前後動機構によってチェンジバー70と共
に移動すると、前述のように持上げプレート211が反
時計方向に回って小玉ボビン1cの近くに垂れ下がって
いる篠の途中を小玉ボビン1cの側方迄すくいあげ、同
時に残篠を巻取るように回転する小玉ボビン1cの外周
になで付けプレート211が接触するので、垂れ下がっ
ている残篠は小玉ボビン1cに確実に巻付けられること
になる。
【0036】篠交換機には前述のようにそれぞれモータ
を有する各種の作動機構が設けられている。後述の篠交
換機の作動の説明で明らかなように口出しノズル、篠継
ヘッド、篠掛けプレート、満(小玉)ボビン交換ヘッド
の移動はそれぞれ所定順序にしたがって行われる。この
ために前記各種の作動機構中のモータは篠交換機50の
本体51内に配設されたコントローラ300からの指令
に基づいて所定の順序にしたがって作動され、それによ
って満ボビンと小玉ボビンの交換が行われると共に満ボ
ビンの篠の紡出中の小玉ボビンの篠への篠継ぎが行われ
る。前記コントローラの構成およびその作用は公知の技
術によって容易に理解し得るものであるので、詳細な説
明は省略する。
【0037】次に、前記構成の篠交換機50を用いて広
義の篠交換すなわち満ボビンと小玉ボビンの交換と篠継
ぎの作業を行う場合について説明する。先ず図3に示す
ように、紡出が進んで精紡機のクリールの前列のボビン
ハンガー19に吊下されたボビンが小玉ボビン1cにな
り、後列のボビンハンガー20に吊下されたボビンが中
玉ボビン1bになった時、篠交換機50のガイドローラ
29を精紡機のガイドレール28上に載せ、篠交換機5
0を精紡機に接台させる。この時迄には予め精紡機の予
備レール15上に精紡機の前列のボビンハンガー19の
位置に対面して配置された予備ボビンハンガー24に満
ボビン1aを吊下させておく。なお後列のボビンハンガ
ー20に吊下されているボビンが小玉ボビンとなって篠
交換が必要となった場合には、予め前述の篠入換機10
を用いて前列に小玉ボビンが配置されるようにしてお
く。
【0038】篠交換機50は走行モータ21でスクロー
ルカム22を駆動することによって精紡機の前面に沿っ
て走行し、小玉ボビン1cの6本に対応する位置に停止
する。この位置において一連の篠交換と篠継ぎの作業が
順次行われる。以下その作業を図24〜図27を参照し
て説明する。先ず前列の小玉ボビン1cは残存する篠が
少なくなり、篠交換を必要とする状態となっている(図
24(1))。この状態になったときに図24(2)に
示すように予備レール15のボビンハンガー24に吊り
下がった満ボビン1aの直下に対応した満ボビン交換ヘ
ッド52が昇降機構31によって上昇し、満ボビン交換
ヘッド52のペッグ53が満ボビン1a下部に嵌合して
満ボビン1aをボビンハンガー24から外す。満ボビン
1aをのせた満ボビン交換ヘッド52は下降して図24
(1)に示した元の位置に戻り、また満ボビン交換ヘッ
ド52の下降に合わせて口出しノズル62が口出しノズ
ル作動機構により上昇し、下降した満ボビン1aの篠端
の高さ位置に口出しノズル62の吸込口が対応する位置
で口出しノズル62は停止する(図24(3))。次
に、満ボビン交換ヘッド52に内蔵されたペッグ回転機
構のモータ54が上方からみて反時計方向に回転し、篠
端が口出しノズル62とは反対側にある1つ置きの満ボ
ビンを予め巻取り方向へ180°回転させ、それらの満
ボビンの篠端を口出しノズル62側へ移動させる。その
後モータ54,57を時計方向に回転して6個の満ボビ
ンを巻戻し方向へ回転させると共に、口出しノズル62
にブロア23による吸引力が作用する。これにより口出
しノズル62の吸引口は夫々対応する満ボビンの篠端を
確実に吸引して満ボビン1aの篠を口出しする(図24
(4))。満ボビン1aの回転と口出しノズル62の吸
引を継続しながら口出しノズル62は下降して元の位置
に戻り、その際口出しされた篠は篠継ヘッド60の篠案
内溝173に入る(図25(5))。篠継ヘッド60の
ソレノイド185cに通電し、篠把持レバーが作動して
篠把持部175とニップピース176間に満ボビン篠を
把持し、同時に下向きの垂直状態にあった篠継ヘッドが
篠継ヘッド作動機構により横向きの略水平状態になり、
その際に満ボビン1aの篠は口出しノズル62の先端内
部に装着されたコームに引掛かり、篠継ヘッド60にお
ける把持点と口出しノズル62との間で切断されて篠端
が形成される(図25(6))。ノズル183からの気
流により篠端は篠案内溝173の底面に沿うように伸ば
され、篠端の折れ曲がりが真っ直ぐに伸ばされる。次
に、篠端が形成された満ボビンの篠を把持したまま篠継
ヘッド60は篠継ヘッド作動機構により精紡機のドラフ
トパート5に向けて前進する。篠継ヘッド60は前進す
る途中で一旦前進を停止し、小玉ボビンの篠が導入され
ているトランペット6側(図4の場合は右側)へ篠継ヘ
ッド横移動機構61により1/2スピンドルピッチ分だ
け横移動して精紡機のドラフトパート5上流のトランペ
ット6に対応する精紡機の長手方向の位置を取り、その
後前進を再開して満ボビンの篠の篠端はトランペット6
の上部に達する迄進む。その際紡出中の小玉ボビンの篠
は篠継ヘッド60の篠案内溝173に入り、満ボビンの
篠に重なる。なお篠継ヘッド60が前進する際、満ボビ
ン交換ヘッド52のペッグ回転機構によって満ボビンは
反時計方向に回転して、篠を巻きほどき篠継ヘッド60
の前進によって生ずる篠の切断を防止し、同時に巻きほ
どいた篠のたるみを保持させるために、篠掛けプレート
58は篠掛けプレート作動機構により少し上昇する。篠
継ヘッド60が前進を停止した後、篠継ヘッド60のソ
レノイド185a,185bに通電し、篠把持レバーが
中立位置に回って満ボビンの篠の把持を解放し、解放さ
れた満ボビン1aの篠は紡出中の小玉ボビンの篠に誘導
されてその篠と共に重合状態でトランペット6に挿入さ
れ、満ボビン1aの篠端がドラフトパート5のバックロ
ーラ5aに把持された後、篠継ヘッド60のソレノイド
185bに通電し、篠把持レバー174がさらに回って
篠把持部175とニップピース177との間で小玉ボビ
ンの篠を把持する。小玉ボビンの篠は篠継ヘッド60で
把持されているのでバックローラとの間でドラフトされ
て切断される(図25(7))。篠継ぎを終わった満ボ
ビン1aは満ボビン交換ヘッド52によって予備ボビン
ハンガー24へ装着しない限度近く迄再上昇して停止す
る。その際満ボビン交換ヘッド52のペッグ回転機構に
よって満ボビン1aが反時計方向に回転して篠を巻きほ
どき、満ボビン1aの上昇によって生ずる篠の切断を防
止し、同時に篠掛けプレート58がさらにロービングガ
イド2の近くまで上昇して巻きほどかれた満ボビン1a
の篠のたるみを保持する。この間に篠継ヘッド60のソ
レノイド185a,185dに通電して篠把持レバー1
74を中立位置に移動させ、これにより篠把持レバー1
74による小玉ボビンの篠の把持が開放されると共に満
ボビン1aの篠が篠継ヘッド60から外れる位置迄篠継
ヘッド60は後退して停止する(図25(8))。小玉
ボビン交換ヘッド55が前後動機構及び昇降機構により
クリールの前列の小玉ボビンの直下まで前進して上昇
し、前列のボビンハンガー19から小玉ボビン1cを外
す(図26(9))。小玉ボビンをのせた小玉ボビン交
換ヘッド55は下降し(図26(10))、後退して元
の位置に戻り、その結果小玉ボビンの外周はなで付けプ
レート211に接触される(図26(11))。小玉ボ
ビン交換ヘッド55に内蔵されたペッグ回転機構によっ
て小玉ボビンが上部から見て時計方向に回転して切断さ
れた篠を巻取る。巻取る際持上げプレート204で小玉
ボビンの近くに垂れ下がっている篠の途中を小玉ボビン
の側方まですくい上げる。これにより小玉ボビンから垂
れ下がっていた残篠はなで付けプレート211と持上げ
プレート204の働きによって小玉ボビンの外周に確実
に巻取られる。小玉ボビン交換ヘッド55が元に戻ると
共に、満ボビン交換ヘッド52が下降して元に戻る。そ
の際満ボビン交換ヘッド52のペッグ回転機構によって
満ボビン1aが時計方向に適量回転して篠を巻取り、満
ボビン交換ヘッド52の下降によって生ずる篠のたるみ
を適正に保つ。篠掛けプレート58が最大限上昇した後
篠掛けプレート横移動機構59により横移動して満ボビ
ン1aの篠を精紡機に設置されたロービングガイド2に
通して掛ける。同時に篠継ヘッド60が後退して元に戻
る。後退途中で篠継ヘッド60は後退を停止し、横移動
して精紡機の長手方向に見てクリールのボビンに対応す
る位置まで戻される(図26(12))。後退し終わっ
た篠継ヘッド60は略水平状態から垂直状態に戻される
(図27(13))。満ボビン交換ヘッド52が前列の
ボビンハンガー19の直下まで前進し、上昇してボビン
ハンガー19に満ボビン1aを装着する。その際満ボビ
ン交換ヘッド52のペッグ回転機構によって満ボビン1
aが時計方向に適量回転して満ボビン交換ヘッド52の
前進・上昇によって生じる篠のたるみを適正に保つ。其
後小玉ボビン交換ヘッド55が予備レール15の予備ボ
ビンハンガー24の直下まで前進し、上昇してボビンハ
ンガー24に小玉ボビンを装着する。篠掛けプレート5
8が下降および途中で横移動して元に戻る(図27(1
4))。小玉ボビン交換ヘッド55が下降、後退して元
に戻り、満ボビン交換ヘッド52が下降、後退して元に
戻る(図27(15))。
【0039】かくして一サイクルの篠交換作業が終了
し、篠交換機50は前列のボビンハンガー19の6個分
だけ横移動して停止し、前記篠交換作業を精紡機の一端
から他端へ順次繰返す。篠交換機50は次の手順で篠交
換、篠継ぎ作業を行ってもよい。満ボビン交換ヘッド5
2を上昇して満ボビン1aをペッグ53に嵌着した後
(図24(2))小玉ボビン交換ヘッド55を前進、上
昇させて小玉ボビン1cを前列ボビンハンガーから外し
て元位置へ戻る。満ボビン1aと小玉ボビン1cは図2
6(11)の位置関係で小玉ボビン1cの篠が紡出され
ている。次いで満ボビン交換ヘッド52を下降して前記
同様に満ボビン1aから篠端を口出しした後その篠端を
篠継ヘッド60に把持してトランペット上方に導いて篠
継ぎを行う。篠継ぎが終わった後は満ボビン1aを前列
ボビンハンガー19に吊下し、小玉ボビン1cはロービ
ングガイド22から垂れ下がっている篠を巻き取った後
予備レールの予備ボビンハンガー24に吊下させる。
【0040】このように紡出中の小玉ボビン1cを小玉
ボビン交換ヘッド55のペッグ56に載置して篠継ぎを
行う場合には、小玉ボビン1cからロービングガイド2
に渡っている紡出中の篠が小玉ボビン1cの前方の満ボ
ビン1aと干渉しないように小玉ボビン1cを反時計方
向に回転して適量のたるみを持たせ、篠継ぎ作業が終わ
るまで篠の紡出量に相当する速さで小玉ボビン1cの巻
きほどき回転を続ける必要がある。しかしこの方法によ
ると、前記図24〜図27の実施例における篠継完了後
満ボビン1aと小玉ボビン1cの交換の際両ボビンの干
渉を避けるために満ボビン1aを上方へ退避させる動作
(図26(9)〜(11)の満ボビン1aの動作)を省
略することができる。
【0041】本実施例において篠継ヘッド60が満ボビ
ン1aの中心に対応するように設けてあるので篠継ヘッ
ド60の前進途中で1/2スピンドルピッチ分だけ横移
動を行ってトランペット6と対応させるようにしている
がこの1/2スピンドルピッチ分の横移動は同一精紡機
で最初左側へ横移動したら次の篠交換の際には右側へ横
移動させる。即ち左横移動右横移動を交互に行って小玉
ボビン1cが紡出している側のトランペット6の上方へ
篠継ヘッド60を導いて行くようにすることは云うまで
もない。篠継ヘッド60と口出しノズル62をスピンド
ルピッチ分だけ横移動できるよう設計し、トランペット
6と対応する位置で満ボビン1aの篠端を口出しするよ
うにすれば篠継ヘッド60の前進途中における横移動の
動作を行わなくても良くなる。此の場合は満ボビン1a
から篠端を口出しする前に篠継ヘッド60と口出しノズ
ル62を小玉ボビン1cが紡出しているトランペット6
に対応する位置に予め移動させておくことになる。又口
出しノズル62をトランペット6に対応する位置に設け
篠継ヘッド60をスピンドルピッチ分移動できるように
位置させたときには篠継ヘッド60の前進途中の横移動
をスピンドルピッチ分横移動と横移動無しを交互に行う
ことになる。又口出しノズル62の吸引気流を篠の撚り
と逆方向の旋回気流を発生するようにすると満ボビン1
aから口出しノズル62内に吸引された篠端が撚り戻さ
れて分離して行く。尚満ボビン1aからの篠端の口出し
はブラシ、モケット等に篠端を付着させるようにしても
良い。そして、この口出し用のブラシや口出しノズル6
2の吸引口を篠交換機50の待機位置から予備レールに
吊下っている満ボビン1aの外周に対向する位置まで昇
降可能に設計すると予備レールに吊下げたままで満ボビ
ン1aの篠端を口出しして篠継ぎを行い、篠継ぎが終わ
ってから小玉ボビン1cを取外して篠交換をすれば良い
ことになるが、口出し用ブラシや口出しノズルの昇降量
を大きくしなければならないので篠交換機50が大型と
なる。
【0042】更に本実施例においては、満ボビン1aを
予備レール15に装着されているボビンキャリッヂ17
の予備ボビンハンガー24に吊下されている場合につい
て説明したが、周知のように精紡機の上方の棚に載置状
態で保留する場合には例えば公知の特許第702337
号のように満ボビン交換ヘッド52と、小玉ボビン交換
ヘッド55のペッグが垂直向きから水平向きに変換させ
る首振り機構を満ボビン、小玉ボビン交換ヘッド52,
55に付設することにより載置状態に保留されている満
ボビンとの交換が容易に行われる。
【0043】尚上記実施例では6個ずつ篠交換を行った
場合を例示したが4個・8個等実用上好ましい複数個単
位で行えば良いことは云うまでもない。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば篠継ヘッドにより把持
された満ボビンからの篠端を真っ直ぐに延ばすような気
流を発生するノズルを具備させることにより、満ボビン
からの篠端をトランペットに導入する際に後端の折れ曲
がりを真っ直ぐに延ばすことができ、その結果、篠端を
真っ直ぐに延ばした状態でドラフトパートに供給でき、
小玉ボビンからの篠に対して、ミスの少ない確実な篠継
ぎを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は篠交換機正面図である。
【図2】図2は篠交換機の主要部を示す側面図である。
【図3】図3は篠交換機と精紡機との関係を示す断面図
である。
【図4】図4は篠交換機のボビン交換ヘッドと精紡機の
対応関係を示す平面図である。
【図5】図5は満ボビン交換ヘッド前後動機構を示す篠
交換機の一部断面図である。
【図6】図6は口出し・篠継ぎ・篠掛け動作機構を示す
篠交換機の一部断面図である。
【図7】図7は口出しノズル作動機構を示す篠交換機の
一部断面図である。
【図8】図8は篠継ヘッド作動機構を示す篠交換機の一
部断面図である。
【図9】図9は篠掛けプレート作動機構を示す篠交換機
の一部断面図である。
【図10】図10は満ボビンの篠端の位置について粗紡
機上がりと篠交換機で交換される場合との関係を示す説
明図である。
【図11】図11は満ボビン交換ヘッドのペッグ回転機
構を示す平面図である。
【図12】図12は図11の線XII −XII による正面図
である。
【図13】図13は篠交換機のペッグを示す軸断面図で
ある。
【図14】図14は篠継ヘッドの一つの状態Aを示す平
面図である。
【図15】図15は篠継ヘッドの別の一つの状態Bを示
す平面図である。
【図16】図16は篠継ヘッドの更に別の一つの状態C
を示す平面図である。
【図17】図17は図14に示した篠継ヘッドの側面図
である。
【図18】図18は篠継ヘッドの他の実施例を示す正面
部(A)と側面図(B)である。
【図19】図19は篠継ヘッドの篠把持レバーの作動機
構を説明する平面図である。
【図20】図20はロービングガイドを示す平面図
(A)と正面図(B)である。
【図21】図21は持ち上げ機構及びなで付け機構を示
す篠交換機の一部断面図である。
【図22】図22は持ち上げ機構及びなで付け機構と小
玉ボビンとの関係を示す正面図である。
【図23】図23はなで付け機構と小玉ボビンとの関係
を示す正面図である。
【図24】図24は篠交換機の作動を順に示す説明図で
ある。
【図25】図25は図24に継続する篠交換機の作動を
順に示す説明図である。
【図26】図26は図25に継続する篠交換機の作動を
順に示す説明図である。
【図27】図27は図26に継続する篠交換機の作動を
順に示す説明図である。示す篠交換機の一部断面図であ
る。
【符号の説明】
1a…満ボビン 1c…小玉ボビン 5…ドラフトパート 6…トランペット 19…小玉ボビン用ボビンハンガー 24…予備ボビンハンガー 50…篠交換機 53…満管ボビン用ペッグ 56…小玉ボビン用ペッグ 58…篠掛けプレート 60…篠継ヘッド 62…口出しノズル 173…篠案内溝 174…篠把持レバー(篠把持部材) 183…ノズル 184…導管(空気供給源)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−71724(JP,A) 特公 昭48−22848(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 満ボビンから口出しした篠端をトランペ
    ットに導入されている小玉ボビンの篠に篠継ぎする篠継
    ぎ装置において、 トランペットに対して遠近移動可能な篠継ヘッドを備
    え、その篠継ぎヘッドの先端にトランペットに対する近
    接位置において上下方向となる篠案内溝が形成され、篠
    継ヘッドに、篠案内溝に導入された満ボビンの篠を把持
    可能な把持部材と、その把持部材に把持された状態の篠
    端を延ばす気流を噴出可能なノズルとを設け、そのノズ
    ルは空気供給源に連通されることを特徴とする篠継ぎ装
    置。
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