JPH03199436A - 自動糸通し装置及び自動糸継装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、人間が手作業によって行う各種作業に、例え
ば対向する糸継対象物が糸切れを生じた際に、糸通しや
糸継を正確で可及的速やかに行い得る代替機構として使
用できるようにした人間類似型ハンド機構を具備したリ
ング精紡機用の自動糸通し装置及び自動糸継装置に関す
るものである。

〔従来技術〕

従来、リング精紡機における糸通しゃ糸継はその殆どが
人間の手作業で行われているが、各作業に要する時間が
操業条件や個人差の影響が大きく、オートメ化を図って
実用に供することが困難である。ちなみに、従来のこの
種装置として本縫装置には糸条を吸引ノズルより保持し
吸引ノズルを押し上げた後、糸条を先端Ｖ字状のピーシ
ング部分およびスネールワイヤー挿入部材で押出し、紡
機本体に設けた糸条ガイドでフロントゴムローラーの側
面に移行させた後、該フロントゴムローラーの外周外端
に設けた切込部に把持させたフロントローラーとのニッ
プ点に移行させてフリースに接続させる本継手法がある
（特開昭４９−６２７３４号）。

しかしながら、従来の糸継ぎ作業（本継ぎや追継ぎ）は
、約ｌＯ〜２０の基本動作に分解でき、従来の装置では
それぞれの基本動作毎に専用のアクチュエータを設けて
いた。

このような従来の装置は、構成が複雑で信頼性が低く、
リング径やリフト等、精紡機等の機種変更に十分対応で
きないという実用上解決すべき問題点がある。

〔発明の目的〕

本発明は、上記問題点を解決すべくなされたもので、そ
の目的とするところは、糸継ぎに必要な基本動作をより
単純な一般的動作のシーケンスに置き換え、より汎用的
な動作を行う数個のアクチュエータで対応することによ
って、装置を簡単化し、信頼性を高める自動糸通し装置
と自動糸継装置を提供することにある。

〔第１発明の説明〕 第１発明の自動糸通し装置は、基台に対し上下往復動可
能に設けるハンド構造体と、該ハンド構造体に対向部位
の糸継対象物方向に進退自在に設けると共に電動機に回
転連絡し長手方向面内で回動可能に装備しかつ対向部位
における糸継対象物の部材を所定位置に設定する位置調
整用空気と該糸継対象物の部位の位置設定ののち該糸継
対象物にエジェクタから供給された糸を搬送する搬送用
空気とを噴射供給する一方の指部材と、該ハンド構造体
に対向部位の糸継対象物方向に進退自在に設けると共に
電動機に回転連絡し長手方向面内で回動可能に装備しか
つ前記一方の指部材と対向部位の糸継対象物との間に受
け渡された糸に当接し当該糸を引掛ける係止部を有し該
一方の指部材と゛相俟って当該糸を把持しハンド構造体
の移動により前記糸継対象物の部材に対して糸通しを行
う他方の指部材と、ハンド構造体に設けられ前記一方の
指部材に糸一定速度で供給し当該糸の過大張力発生時ニ
ップ点でスリップを生じさせるフィード装置とから成る
構成である。

上記構成からなる第１発明の自動糸通し装置は、一方の
指部材により空気を噴射し、しかもその噴射方向を電動
機の駆動により変化させることによって、対向部位の糸
継対象物における糸切後、具体的にはリング上の任意の
位置に停止しているトラベラに対し、空気を噴射し、次
工程で扱い易い位置へマニピュレータにより移動させる
。しかる後、指部材より糸を空気と共に噴射し、対向部
位の糸継対象物である木管に対し、糸を巻き付ける作業
と、木管に巻き付けた糸をトラベラに通す作業と、トラ
ベラに糸を通した後バルニングコントロールリング、ス
ネルワイヤに糸を通す作業を実奏する。

トラベラの位置決め作業に関しては、空気噴射方向を任
意に変更可能なため、トラベラがリング上のどのような
位置にあっても常にトラベラを必要な位置へ移動させる
ような空気噴射方向を決定できる。また、リングの大き
さが異なるリング精紡機に対しても容易に対応できる特
徴がある。

一方の指部材は、前記のように空気噴射を行うのみでな
く、種糸の噴射や他方の指部材と協調してトラベラへ糸
を通す作業、バルニングコントロールリング、スネルワ
イヤへの糸通し作業等に利用できる。このように、第１
発明の装置は、比較的簡単な機構で多種の作業を行うこ
とができるという特徴がある。

また、木管へ種糸を巻き付ける際およびトラベラへ糸通
しを行う際、木管の糸巻付部の太さが一定でないため、
糸の巻き取り速度が変化し、種糸に過大張力が加わるお
それがあるが、第１発明の装置では種糸に過大張力が発
生した際、種糸を把持しているフィード装置の部分でス
リップが生じる機構を内蔵しているため、木管の回転数
や種糸の送り出し速度を特に制御しなくても、比較的容
易に糸切れを防止できるという特徴がある。

以上のように、第１発明の装置は、比較的簡単な機構で
糸継ぎに必要な数多くの作業を行えるため、装置全体を
低コストにしかも小型に製作できるという作用効果を有
する。また、一方の指部材と他方の指部材の動作は位置
決めモータによって、自由に動作位置を変更できるため
、仕様の異なるリング精紡機に対しても動作プログラム
の変更のみで容易に対応できるという実用上多大の作用
効果を有する。

〔第２発明の説明〕 第２発明の自動糸継装置は、基台に対し上下往復動可能
に設けるハンド構造体と、該ハンド構造体に対向部位の
糸継対象物方向に進退自在に設けると共に電動機に回転
連絡し長手方向面内で回動可能に装備しかつ対向部位に
おける糸継対象物の部材を所定位置に設定する位置調整
用空気と該糸継対象物の部位の位置設定ののち該糸継対
象物にエジェクタから供給された糸を搬送する搬送用空
気とを噴射供給する第１指部材と、該ハンド構造体に対
向部位の糸継対象物方向に進退自在に設けると共に電動
機に回転連絡し長手方向面内で回動可能に装備しかつ前
記第１指部材と対向部位の糸継対象物との間に受け渡さ
れた糸に当接し当該糸を引掛ける係止部を有し該第■指
部材と相俟って当該糸を把持しハンド構造体の移動によ
り前記糸継対象物の部材に対して糸通しを行う第２指部
材と、該ハンド構造体に対向部位の糸継対象物方向に進
退自在に設けると共にハンド構造体の移動によるフリー
スの糸継時に、フリースと糸との位置合わせを行うガイ
ド部材を設けると共に、フリースと糸を重ね合わせかつ
糸を糸継対象物へ送り出す転動部材を有し、外部から供
給される糸を切断する切断部材を取り付け、当該切断さ
れた糸を把持する保持部材を装備する第３指部材と、前
記第１指部材に糸を一定速度で供給し当該糸の過大張力
発生時ニップ点でスリップを生じさせるフィード装置と
から成る構成である。

上記構成からなる第２発明の自動糸継装置は、主に糸継
対象物への対向位置、距離を、例えば上下左右の任意の
位置に位置決めできるハンド構造体と、該ハンド構造体
に対し、水平方向の任意の位置に移動可能な少なくとも
２本の指部材と、糸継動作のための転動部材と切断部材
とを備えた少なくとも１本の指部材と、前記指部材に糸
を一定速度で供給し当該糸の過大張力発生時、ニップ点
でスリップを生じさせるフィード装置により構成される
。３本の指は、腕機構に取り付けられているため、リン
グレール追従動作、トラベラへの糸挿入動作、フリース
への糸移動等の上下方向動作を全て１つのアクチュエー
タで行うことが可能であり、実用上有意義な作用効果を
奏する。また、本第２発明の自動糸継装置は、複雑な動
作を必要とする糸継作用をより一般的な動作のシーケン
スに置き換えているので、本装置の構造が簡単化し、信
頼性が向上する。さらに、各動作は自由にプログラム可
能なので、汎用性が高く、リング精紡機の機種変更等に
も容易に対応できるという特徴を有する。

〔その他の発明の説明〕

その他の発明の自動糸継装置は、中央部が中空で一端に
エジェクタを有し、他端より空気と糸を噴射できる構造
で、かつ、空気と糸の噴射方向を任意に変更できる第１
指部材と、先端に糸を引っ掛ける切欠を有し、第１指部
材が動く軌道の少し外側を移動し、任意位置で停止でき
る構造の第２指部材と、全体を前後に動かすためのアク
チュエータと、種糸を切断するためのカッタと、種糸を
把持するためのグリッパと、カッタとグリッパを操作す
るためのモータと、糸継ぎの際、種糸とフリースを重ね
合わせ、かつ、種糸を送り出すためのローラと、糸継時
、リング精紡機のフロントローラと前記ローラおよびリ
ング精紡機のニューマを取り囲む形状で、はぼ中央部に
、種糸とフリースとの位置合わせを行うための溝を有す
るハウジングとからなる第３指部材と、２個のローうで
構成され、一方のローラがモータにより一定速度で回転
し、他方のローラがバネにより適当な接圧でもう一方の
ローラに押し付けられており、これにより、ローラ間の
種糸を一定速度で送り出すことができ、かつ、種糸に過
大張力が加わった際には、ローラ間の糸ニップ点でスリ
ップが生じることにより糸切れを防止するようになって
いるフィード装置とからなる構成である。

上記構成からなる本発明の自動糸継装置は、ハンド機構
における上記第１指部材、第２指部材、第３指部材およ
びフィード装置をたくみに組み合わせて用いることによ
り、 （１）トラベラの探索・位置決め、（２）種糸の木管へ
の巻付け、（３）種糸のトラベラへの糸通し、（４）種
糸の切断、（５）種糸のフリース部への糸継ぎ動作が可
能である。

すなわち、その他の発明の自動糸継（連継）装置は、中
心部より空気を噴射し、しかもその噴射方向を変化させ
ることができる第１指部材の作用によって、糸切後、リ
ング上の任意の位置に停止しているトラベラに対し、空
気を噴射し、次工程で扱い易い位置へ移動させる作業と
、第１指部材の中心部より種糸を空気と共に噴射し、木
管に対し種糸を巻き付ける作業と、木管に巻き付けた種
糸をトラベラに通す作業と、トラベラに種糸を通した後
、バルニングコントロールリング、スネルワイヤに糸を
通す作業と、第１指部材から第３指部材に種糸を受け渡
し、受け渡された種糸を把持し切断する作業と、切断し
た種糸をフリースに接続する作業を行う。

トラベラの位置決め作業に関しては、空気噴射方向を任
意に変更可能なため、トラベラがリング上のどのような
位置にあっても常にトラベラを必要な位置へ移動させる
ような空気噴射方向を決定できる。また、リングの大き
さが異なるリング精紡機に対しても容易に対応できる特
徴がある。

第１指部材は、前記のように空気噴射を行うのみでなく
、種糸の噴射や第２指部材と強調してトラベラへ糸を通
す作業、バルニングコントロールリング、スネルワイヤ
への糸通し作業等に利用できる。このように、その他の
発明の装置は、比較的簡単な機構で多種の作業を行うこ
とができるという特徴がある。

また、木管へ種糸を巻き付ける際およびトラベラへ糸通
しを行う際、木管の糸巻付部の太さが一定でないため、
糸の巻き取り速度が変化し、種糸に過大張力が加わるお
それがあるが、その他の発明の装置では、種糸に過大張
力が発生した際、種糸を把持しているフィード装置の部
分でスリップが生じる機構を内蔵しているため、木管の
回転数や種糸の送り出し速度を特に制御しなくても、比
較的容易に糸切れを防止できるという特徴がある。

以上のように、その他の発明の装置は、比較的簡単な機
構で糸継ぎに必要な数多くの作業を行えるため、装置全
体を低コストにしかも小型に製作できるという作用効果
を有する。また、第１指部材、第２指部材の動作は位置
決めモータによって、自由に動作位置を変更できるため
、仕様の異なるリング精紡機に対しても動作プログラム
の変更のみで容易に対応できるといる実用上多大の作用
効果を有する。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例装置の基本構成を図面に基づき
説明する。

本実施例の自動糸継装置における糸操作ノ＼ンド機構は
、第１図乃至第８図図示のように、ハンド全体を前後上
下に動かすためのアーム機構Ａに固定的に接続されたベ
ース１６と、中心軸が鉛直方向でベースに対して回転自
在に軸支された回転軸１９と、内部が中空で一端が上記
回転軸の下部に固定され、固定された側には側面から空
気が供給される構造のエジェクタを有し、エジェクタ側
から供給された種糸Ｙを空気と共に他端より噴射する構
造の第１指部材１と、上記回転軸の上端部とタイミング
ベルトを介して回転連絡され、第１指部材１の回転角度
を制御するための位置決めモータ１０と、第１指部材１
の種糸を噴射する側に設けたリングＲの前後方向位置検
出器１７と、前記位置検出器とほぼ同位置に設けたトラ
ベラＴを停止させるための突起１８と、一端が上記回転
軸のほぼ中央部に回転軸およびベース１６に対して回転
自在に軸支され、軸支された側とは反対の側には種糸Ｙ
を引っ掛けるための切欠きを有する第２指部材２と、第
２指部材２とタイミングベルトを介して回転連絡され、
第２指部材２の回転角度を制御するための位置決めモー
タ１１と第１指部材ｌおよび第２指部材２より下部に位
置し、ベース１６に固定された直動装置の固定されてい
ない側に糸継時フリースＦと種糸との左右のずれを規制
するための溝を有するハウジング５とフリースＦと種糸
Ｙを重ね合わせ種糸を送り出すためのローラ６と、種糸
を切断するためのカッタ８と、切断された種糸を把持し
ておくためのグリッパ７と、カッタ８とグリッパ７を駆
動するためのＤＣモータ１３と、カッタ８とグリッパ７
の停止位置を決定するためのリミットスイッチ（図示せ
ず）とを有する構造の第３指部材３と、種糸を第１指部
材ｌに一定速度で供給し、かつ、過大張力が作用した際
には、ニップ点で種糸を滑らせること、によって、糸切
れを防止する機構を有するフィード装置９と、から構成
される。

上記実施例装置において、第１指部材ｌと第２指部材２
の構造について、第４図、第５図に基づき説明する。前
記したように、第１指部材１、第２指部材２は回転軸■
９を中心として回転するが、その回転軸１９は、その中
央部でベース１６に固着された軸受ケース２６に軸受２
７を介して回転自在に取り付けられている。回転軸１９
の下端部にはプーリ２４が軸受２８を介して回転軸１９
およびベースに対して回転自在に軸支されており、タイ
ミングベルト３０により位置決めモータｌＯと回転連絡
されている。プーリ２４には、ノズルホルダ２０が固着
されている。ノズルホルダ２０には、ノズルボディ２２
が固着され、ノズルボディ２２の精紡機側には中空パイ
プ状のノズルパイプ２１が固着され、他端部には中央部
が中空で先端部がテーパ状に細くなった形状のニードル
ノズル２３が固着されている。ノズルボディ２２の側面
には空気流入孔３２が設けてあり、ノズルホルダ２０よ
り空気を供給するとノズルボディ２２とニードルノズル
２３のエジェクタ作用により、ニードルノズル２３より
空気および種糸を吸い込みノズルパイプ２１の先端より
噴射する構造となっている。ニードルノズル２３の端部
側面には、溝が切ってあり、ここにはソレノイド１５に
よって駆動される種糸ニッパ−３１が取り付けられてお
り、ノズルより空気を噴射しないとき種糸がノズルより
抜けるのを防止している。ノズルパイプ２１の先端には
、リング位置を検出するためのセンサ１７とトラベラを
停止させるための突起１８が取り付けである。

回転軸１９のほぼ中央部には、第２指部材２が固着され
、回転軸１９と共に回転するようになつている。回転軸
１９の上端部にはタイミングプーリ２５が固着され、タ
イミングベルト２９を介して位置決めモータ１１と回転
連絡されている。

以上のように第１指部材ｌおよび第２指部材２は回転軸
１９を中心として回転可能になっている。

次に第３指部材３の構造について、第６図、第７図に基
つき説明する。

ベース１６には水平にエアシリンダ１４が固着され、エ
アシリンダ１４のスライダ３４の先端部にはハウジング
５が固着されている。ハウジング５はほぼ中央部に凹部
を有し、ここにはローラ６が軸受３５を介して取り付け
られている。また、ハウジングの先端部の形状は、リン
グ精紡機側の部品のフロントローラ３６とニューマ３７
を覆うような形状になっている。先端のほぼ中央部には
溝３８が切ってあり、前記凹部と連絡している。

ハウジンク５側面にはカッタ８が取り付けられ、ギヤを
介して位置決めモータ１３と回転連絡している。カッタ
８には、板バネ３３を介してグリッパ７がローラ６のほ
ぼ真上にくるように取り付けられている。

次にフィード装置について、第８図に基づき説明する。

ベース１６に固着されたフィードケース３９には、モー
タ４５が固着され、モータ回転軸にはフィードローラ４
０が取り付けである。フィードローラ４０と接するよう
に従動ローラ４２がある。

従動ローラ４２は、軸受を介してシャフト４４に取り付
けられ、シャフト４４の両端部の板バネ４３の作用によ
りフィードローラ４０に押し付けられている。種糸は、
両ローラの間に供給され送り出される。

上記横取からなる本実施例装置の動作について説明する
。

まず、第９図に示すように、第１指部材１をリングの右
端からほぼ中央部に至る間の数カ所で停止させ、第１指
部材１先端部よりエアを噴射させる。この操作により、
糸切り時トラベラがリングのほぼ右側にある場合、トラ
ベラをリングの左側へ移動させる。糸切り時、トラベラ
がリングの左側にある場合には、この操作によりトラベ
ラは移動しない。

次に、ノズルパイプ２１の先端部のセンサＩ７を利用し
第１指部材１およびハンド機構全体を第９図の位置まで
移動させ、ノズルパイプ２１より電磁弁の作用で空気を
噴射する。この際、ノズルパイプ２１の位置・方向は、
噴射空気流がリング精紡機部品のリング内周面に沿うよ
うに設定する。

この空気噴射の作用により、リング上のトラベラを常に
ａ　−＞　ｂへ移動させることができる。なお、ｂ位置
では、ノズルバイブ２１先端部に設けた突起１８の作用
によりトラベラを停止させる。

以上の操作によりトラベラを所定の位置を１０図中す位
置へ移動させる。

この後、第１０図々示の状態（第１指部材ｌの位置）を
保ったままで、ソレノイド３１を駆動し、ニッパ３１を
はずし、フィード装置９を駆動することによって種糸を
木管に向けて定速で噴射する。

なお、このとき同時に、ブレーキ装置（図示せず）のス
ピンドル駆動モータにより木管を一定回転速度で駆動し
ておく。フィード装置からの種糸供給速度はこのときの
全木管の周速度以下とする。

このような操作を行うと、種糸と供に噴射する空気がリ
ング内周面に沿って流れるため、木管周囲に旋回気流が
発生し、噴射した種糸が、木管に巻き付く。木管自身回
転しているので、このとき、種糸は木管に巻き取られる
。この際、前記したように、種糸の木管によって巻き取
られる速度がフィード装置の供給速度より速いため、種
糸には、張力が作用する。しかし、フィード装置は、前
記したように、フィードローラ４０に対し、従動ローラ
４２が板バネ４３によって押し付けられているだけなの
で、板バネ力を適切に設定しておけば、この両ローラ間
より送り出される種糸に張力が作用しても、その張力が
設定値以上のときには、ローラと種糸との接触点におい
てスリップが発生し、糸切れが防止される。また、この
機構によって、種糸には常に適当な張力が与えられるた
め、糸のゆるみを防止でき、スナールやからみ付きによ
るトラブルを回避できる。

次に、フィード装置９とエアの噴射を停止しハンド全体
を第１１図に示すように第１指部材１、第２指部材２を
動かしても、画描が精紡機と干渉しない位置へ移動させ
る。この後、第１指部材１、第２指部材２を位置決めモ
ータ１Ｏ１１１の作用により第１２図の位置へ移動させ
る。このとき、第１２図に示すように第２指部材２の先
端部に設けた切欠で第１指部材ｌと木管の間の種糸を引
っかけ、第１指部材１、第２指部材２で種糸を把持する
。この操作時にも種糸には過大張力が発生するが前記フ
ィード装置９の作用により糸切れを回避できる。

第１２図の状態を保ったまま、ハンド全体を第１３図よ
り第１８図となる位置へ移動させる。なお、この作業開
始と同時に、スピンドル駆動モータ（図示なし）によっ
て、木管を回転し種糸を巻き取る。この操作とフィード
装置９の作用によって、種糸に適当な張力が作用しつづ
け、第１指部材１、第２指部材２間の糸がたるむのを防
止する。

この状態でハンド全体を上方へ少し移動させれば、種糸
がトラベラとリングの隙間よりトラベラ内へ移動し、ト
ラベラへの糸通しが完了する。

トラベラへの糸通し完了後、木管の種糸巻き取りを停止
させ、第１５図の位置へ第１指部材１、第２指部材２、
ハンド全体を移動させる。

第１５図の状態を保ったまま、ハンド全体をフロントロ
ーラと同じ高さ位置まで移動する。この際、途中のリン
グ精紡機部品のバルニングコントロールリングおよびス
ネルワイヤへ糸通しを行う。

（第１６図） ハンド全体をフロントローラ位置へ移動させた後第１７
図、第１８図に示すように、エアシリンダー４の作用に
より第３指部材３、全体をフロントローラ方向へ移動さ
せ第１８図の状態にする。

なお、このとき、カッタ８、およびグリッパ７は、第１
９図の位置へあらかじめ移動させておく。第１！；Ｉ−
図のように、第１指部材１から第３指部材３へ種糸を受
け渡した後、モーター３の作用によって、カッタ８とグ
リッパ７を駆動し、第２１図のように移動させる。この
カッタ８とグリッパ７の移動が完了すると、種糸はカッ
タによって切断され、木管側の種糸は、ローラ３３とグ
リッパ７とによって把持される。

次に、ブレーキ装置（図示せず）をはずし、木管を運転
状態にすると同時に、ハンド全体を第２２図の位置まで
（ローラ６がフロントローラと接触するまで）移動させ
、種糸とフロントローラから出るフリースを重ね合わせ
る。このとき、ハウジング５に設けた溝３８により、種
糸とフリース部の位置合わせが正確に行われる。ローラ
６がフロントローラに接触すると、ローラ６はフロント
ローラによって駆動され、把持している種糸を送り出す
。この操作時、フリースと種糸は常に接触し、しかも、
種糸には、木管Ｐの作用によってよりか加えられている
ため、種糸がフリース部を巻き込み糸継ぎが行われる。

以上のように、本装置では、第１指部材ｌ、第２指部材
２、第３指部材３をたくみに組合わせて、（１）トラベ
ラの探索、位置決め、（２）種糸の木管への巻き付け、
（３）種糸のトラベラへの糸通し、（４）スネルワイヤ
、バルニングコントロールリングへの糸通し、（５）種
糸の切断、（６）種糸のフリースへの接続等多種の作業
を行うことができる。また、スリップ機構を備えたフィ
ード装置により、種糸操作時に加わる過大張力による糸
切れを防止すると同時に種糸のゆるみ、スナール等も防
止でき、常に確実に糸継ぎができる。

【図面の簡単な説明】 第１図乃至第２２図は本発明の一実施例装置をそれぞれ
示すもので、第１図及び第２図は装置全体の正面図、第
３図は装置全体の側面図、第４図及び第５図は第１指部
材、第２指部材の側面図及び平面図、第６図及び第７図
は第３指部材の側面図及び平面図、第８図は第３指部材
の要部拡大断面図、第９図、第１Ｏ図は第１指部材の動
作態様をそれぞれ示す平面図、第１１図乃至第１３図は
第１指部材と第２指部材の動作態様をそれぞれ示す平面
図、第１４図は第１３図の側面図、第１５図は第１指部
材と第２指部材の動作態様を示す平面図、第１６図乃至
第２２図は第１指部材と第３指部材との動作態様をそれ
ぞれ示す概要図である。 図中 ｌ・・・第１指部材 ２・・・第２指部材 ３・・・第３指部材 ４・・・ノズル ５・・・ハウジング ６・・・ローラ ７・・・グリッパ ８・・・カッタ ９・・・フィード装置 １０・・・ステップモータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）基台に対し上下往復動可能に設けるハンド構造体
   と、該ハンド構造体に対向部位の糸継対象物に進退自在
   に設けると共に電動機に回転連絡し長手方向面内で回動
   可能に装備しかつ対向部位における糸継対象物の部材を
   所定位置に設定する位置調整用空気と該糸継対象物の部
   材の位置設定ののち該糸継対象物にエジェクタから供給
   された糸を搬送する搬送用空気とを噴射供給する一方の
   指部材と、 該ハンド構造体に対向部位の糸継対象物方向に進退自在
   に設けると共に電動機に回転連絡し長手方向面内で回動
   可能に装備しかつ前記一方の指部材と対向部位の糸継対
   象物との間に受け渡された糸に当接し当該糸を引掛ける
   係止部を有し該一方の指部材と相俟って当該糸を把持し
   ハンド構造体の移動により前記糸継対象物の部材に対し
   て糸通しを行う他方の指部材と、 ハンド構造体に設けられ前記一方の指部材に糸を一定速
   度で供給し当該糸の過大張力発生時ニップ点でスリップ
   を生じさせるフィード装置とから成ることを特徴とする
   自動糸通し装置。
2. （２）基台に対し上下往復動可能に設けるハンド構造体
   と、該ハンド構造体に対向部位の糸継対象物に進退自在
   に設けると共に電動機に回転連絡し長手方向面内で回動
   可能に装備しかつ対向部位における糸継対象物の部材を
   所定位置に設定する位置調整用空気と該糸継対象物の部
   位の位置設定ののち該糸継対象物にエジェクタから供給
   された糸を搬送する搬送用空気とを噴射供給する第１指
   部材と、 該ハンド構造体に対向部位の糸継対象物方向に進退自在
   に設けると共に電動機に回転連絡し長手方向面内で回動
   可能に装備しかつ前記第１の指部材と対向部位の糸継対
   象物との間に受け渡された糸に当接し当該糸を引掛ける
   係止部を有し該第１の指部材と相俟って当該糸を把持し
   ハンド構造体の移動により前記糸継対象物の部材に対し
   て糸通しを行う第２指部材と、 該ハンド構造体に対向部位の糸継対象物方向に進退自在
   に設けると共にハンド構造体の移動によるフリースの糸
   継時に、フリースと糸との位置合わせを行うガイド部材
   を設けると共に、フリースと糸を重ね合わせかつ糸を糸
   継対象物へ送り出す転動部材を有し、外部から供給され
   る糸を切断する切断部材を取り付け、当該切断された糸
   を把持する保持部材を装備する第３指部材と、 前記第１指部材に糸を一定速度で供給し当該糸の過大張
   力発生時ニップ点でスリップを生じさせるフィード装置
   とから成ることを特徴とする自動糸継装置。