JPH04358671A - ボビンハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボビンハンガーに関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】精紡機、特にリング精紡機ではクリール
に吊下された粗糸巻から粗糸を引き出し、下方のドラフ
トパートへ供給するようにしている。粗糸のドラフトパ
ートへの供給が進み、粗糸巻が空ないしは空に近づくと
新しい粗糸巻と交換する必要があり、その際に紡出中の
粗糸に新たに交換する粗糸巻の粗糸端を粗糸継ぎするか
、あるいは改めて粗糸巻の粗糸を精紡機のドラフトパー
トに挿入することが必要となる。

【０００３】精紡工程の省力化を進めるため、前記粗糸
継作業及び粗糸交換作業を粗糸替機により精紡機機台の
一端から順次行う粗糸替方法（篠替方法）が提案されて
いる（特開昭６３ー５７４７８号公報）。この従来方法
では新たに交換するための満ボビン（予備粗糸巻）から
粗糸の端部を口出しした後、その粗糸端部を紡出中の粗
糸に粗糸継ぎする粗糸継作業を同一の場所で行った後、
次の粗糸継ぎを行う作業位置に移動し、同位置で空に近
づいた小玉ボビンを予備レールのボビンハンガーに移し
た後、粗糸継ぎ後の満ボビンを精紡機のクリールのボビ
ンハンガーに吊下する粗糸交換作業を行うとともに、そ
の間に前記と同様に満ボビンの粗糸の口出し作業及び粗
糸継作業を行うようになっている。

【０００４】又、図６に示すように、ボビンハンガー５
０はボビンＢの中空部５１内に嵌合される棒状部材５２
と、全体が棒状部材５２内に収容される没入状態と先端
の掛止部が棒状部材５２の外部に突出する支持状態とに
切り替え配置される一対のボビン支持レバー５３と、ボ
ビンＢとの嵌合時にボビンＢの先端と共に上昇して棒状
部材５２の内部に設けられたレバー作動用のリンク機構
（図示せず）をその上昇に伴って作動させるリング５４
とから構成されている。そして、リンク機構は図６（ｂ
）に示すようにリング５４が棒状部材５２の所定位置（
レバー切替え位置）Ｐ１まで上昇移動した際に作動され
、ボビン支持レバー５３が没入状態にあった場合は支持
状態に、支持状態にあった場合は没入状態にそれぞれ切
り替えられるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のボビンハンガー
は前記レバー切替え位置Ｐ１とリング５４の上昇限界位
置Ｐ２との間隔ｄが０．５〜１ｍｍと非常に小さい。そ
のためリング５４の上部に風綿が多量に堆積すると、ボ
ビンＢをボビンハンガー５０に吊下するため下方から上
昇させても風綿の堆積により通常の押し上げ力ではリン
グ５４を所定位置まで上昇させることが不可能となり、
没入状態にあるボビン支持レバー５３はその掛止部が棒
状部材５２から突出するボビン支持位置に切り替え作動
されず、ボビンＢの吊下が不能となる。又、吊下されて
いるボビンＢを取り外す場合にも同様にボビン支持レバ
ー５３の切り替え作動が不能となる。従って、リング５
４上に風綿が多量に堆積した場合にはボビンの吊下ミス
や取り外しミスが生じたり、あるいはボビンＢを通常の
押し上げ力より大きい無理な力で押し上げることにより
ボビンハンガー５０を破損させるという欠点があった。 前記の不都合を防止するためにはリング上に堆積した風
綿を常に除去しなければならず、面倒であった。

【０００６】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は風綿が堆積してもボビン支持レ
バーの切り替え作動を無理な力を加えることなく確実に
行うことができるボビンハンガーを提供することにある
。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め本発明においては、ボビンの中空部に挿入される棒状
部材と、棒状部材の上部に形成された規制部と、全体が
前記棒状部材内に収容される没入状態と掛止部が棒状部
材の外部に突出する支持状態とに切り替え配置されるボ
ビン支持レバーと、前記棒状部材の外周沿って昇降可能
に装備されるとともにその上昇移動時に前記棒状部材内
部に設けられたレバー作動用リンク機構を作動させるリ
ングとを備え、前記リングが前記レバー作動用リンク機
構を前記ボビン支持レバーの状態を切り替え作動させる
レバー切替え位置と前記規制部の下面との間隔を３〜１
５ｍｍとした。

【０００８】

【作用】リングが棒状部材に沿って下方からレバー切替
え位置まで移動すると、ボビン支持レバーを没入状態と
支持状態とに切り替え配置させるレバー作動用リンク機
構が作動される。リングの上面に風綿が多量に堆積した
場合、レバー切替え位置と規制部の下面との間隔が小さ
いと、堆積した風綿がリングの上面と規制部の下面との
間に詰まってリングがレバー切替え位置まで移動できな
い場合が生じる。しかし、レバー切替え位置と前記規制
部の下面との間隔が３〜１５ｍｍに設定されている場合
は、風綿がリングの上面に多量に堆積してもリングはレ
バー切替え位置まで円滑に移動し、レバー作動用リンク
機構が確実に作動される。そして、ボビン支持レバーが
ボビン吊下時には没入状態から支持状態に、ボビン取り
外し時には支持状態から没入状態にそれぞれ確実に切り
替えられる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図１〜
図５に従って説明する。図４に示すように精紡機のクリ
ール１には機台の左右両側（片側のみ図示）にそれぞれ
内外２列の粗糸巻レール２，３が機台長手方向と平行に
配設され、両粗糸巻レール２，３の間にはクリールレー
ル４が機台長手方向と平行に配設されている。粗糸巻レ
ール２，３にはそれぞれスピンドルピッチの倍の所定間
隔でボビンハンガー５が装備されている。クリールレー
ル４にはスピンドルピッチの倍の所定間隔で固定された
支軸に支持ブラケット６がその基端において回動可能に
支持されている。支持ブラケット６の先端には取付けロ
ッド７が上下方向に延びる状態で固定され、取付けロッ
ドの下端にはロービングガイド８が固定されている。そ
して、前記ボビンハンガー５に吊下されたボビンから引
き出された粗糸がロービングガイド８を経てドラフトパ
ート９のトランペット１０へ導かれるようになっている
。支持ブラケット６は図示しないばねの作用により常に
はクリールレール４と平行となる位置に保持されている
。又、クリール１にはさらに支持ブラケット１３が外方
へ延出され、その先端には予備レールとしての搬送レー
ル１４が前記粗糸巻レール２，３と平行に延設されてい
る。搬送レール１４にはボビンハンガー１５ａを備えた
搬送体１５が走行可能に支持されている。

【００１０】ボビンハンガー５は図１〜図３に示すよう
に粗糸巻レール２にナット１６により固定され、公知の
ボビンハンガーと同様にボビンＢの中空部１７内に挿入
される棒状部材１８と、棒状部材１８の上部に棒状部材
１８より大径に形成された規制部１８ａと、全体が棒状
部材１８内に収容される没入状態と先端の掛止部が棒状
部材１８の外部に突出する支持状態とに切り替え配置さ
れる一対のボビン支持レバー１９と、前記棒状部材１８
の外周沿って昇降可能に装備されるとともにその上昇移
動時に前記棒状部材１８の内部に設けられたレバー作動
用リンク機構（図示せず）を作動させるリング２０とを
備えている。そして、リング２０が前記レバー作動用リ
ンク機構を前記ボビン支持レバー１９の状態を切り替え
作動させるレバー切替え位置（レバー反転位置）Ｐ１と
、前記規制部１８ａの下面との間隔ｄが３〜１５ｍｍに
設定されている。又、搬送体１５に装備されたボビンハ
ンガー１５ａも同様に構成されている。

【００１１】精紡機機台の長手方向に沿って移動して粗
糸替作業を行う粗糸替機２１は、図５に示すように、そ
の粗糸替作業時進行方向前側（図５の左側）から順に少
なくとも２個の満ボビンＦから粗糸端を口出しする粗糸
口出し作業セクショクＡ１と、口出しされた満ボビンＦ
の粗糸端を前後一対の紡出中の小玉ボビンＢの旧粗糸に
粗糸継ぎする粗糸継作業セクションＡ２と、粗糸継後の
前後一対の小玉ボビンＢを予備レールとしての搬送レー
ル１４に支持された粗糸搬送体１５上のボビンハンガー
１５ａに移すとともに粗糸継ぎされて紡出中の満ボビン
Ｆをクリール１の前後一対のボビンハンガー５に移す粗
糸交換作業セクションＡ３との３セクションを備えてい
る。口出し作業セクションＡ１には搬送体１５のボビン
ハンガー１５ａに吊下された満ボビンＦを取外して口出
し作業を行い易い位置まで下降移動させるための満ボビ
ン支持下降装置２２と、吸引ノズル２３とが配設されて
いる。又、粗糸継作業セクションＡ２には粗糸継時に満
ボビンＦを支持するとともに粗糸継完了後、当該満ボビ
ンＦを搬送体１５のボビンハンガー１５ａに吊下する作
用をなす満ボビン支持上昇装置２４と粗糸継装置２５と
が配設されている。又、粗糸交換作業セクションＡ３に
は粗糸巻レール２，３のボビンハンガー５に吊下された
小玉のボビンＢを取外すとともに搬送体１５のボビンハ
ンガー１５ａに吊下する作用をなす残粗糸ボビン移載装
置２６と、搬送体１５のボビンハンガー１５ａに吊下さ
れた粗糸継完了後の満ボビンＦを取外すとともに粗糸巻
レール２，３のボビンハンガー５に吊下する作用をなす
満ボビン移載装置２７とからなる粗糸交換装置２８と、
粗糸交換作業時に粗糸継完了後の満ボビンＦからドラフ
トパート９に連なる新粗糸を前記ロービングガイド８に
掛ける粗糸掛け作業を行う粗糸掛け装置２９とが配設さ
れている。

【００１２】満ボビン支持下降装置２２及び満ボビン支
持上昇装置２４は同様に構成され、上下方向に延びるガ
イドシャフト３０，３１に支持ブラケット３２，３３が
摺動可能に支承されている。支持ブラケット３２，３３
の前側に固定された支柱３４，３５の上端には支持部材
３６，３７が水平に固定され、支持部材３６，３７上に
は一対のペッグ３８，３９が支持されている。各ガイド
シャフト３０，３１の後方にはモータ４０，４１により
駆動されるベルト伝動機構４２，４３が設けられ、支持
ブラケット３２，３３はベルト伝動機構４２，４３の一
部を構成し上下方向に延びるように配設されたタイミン
グベルト４４，４５に対して一体移動可能に固定されて
いる。そして、モータ４０，４１の正逆回転駆動に対応
したタイミングベルト４４，４５の移行により、支持ブ
ラケット３２，３３と一体的に支持部材３６，３７が昇
降動されるようになっている。

【００１３】粗糸交換作業セクションＡ３に配設された
残粗糸ボビン移載装置２６及び満ボビン移載装置２７は
特開昭６１−１１９７２８号公報に開示された装置とほ
ぼ同様に構成されており、それぞれ粗糸巻レール２，３
のボビンハンガー５と搬送体１５のボビンハンガー１５
ａとの間で満ボビンＦあるいは粗糸継後の小玉ボビンＢ
の交換作業を行うようになっている。

【００１４】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。紡出中の粗糸ボビンが小玉となった時に粗糸
替機２１が精紡機機台の一端から移動してまず最初の作
業位置に停止し、同位置で搬送レール１４に吊下されて
いる満ボビンＦの粗糸端の口出し作業を行う。その後、
次の作業位置に移動し、前の作業位置で口出しされた粗
糸端を一対の紡出中の小玉ボビンＢの粗糸に粗糸継ぎす
る粗糸継作業と、搬送レール１４の満ボビンＦから粗糸
端を口出しする口出し作業とを並行して行う。その後、
次の作業位置に移動し同位置において粗糸継ぎ後の小玉
ボビンＢを搬送レール１４に移すとともに粗糸継ぎされ
て紡出中の満ボビンＦをクリール１のボビンハンガーに
移す粗糸交換作業と、口出しされた粗糸端を紡出中の粗
糸に粗糸継ぎする粗糸継作業と、満ボビンＦから粗糸端
を引き出す口出し作業とが並行して行われる。以下、粗
糸継機２１が精紡機機台長手方向に沿って順次移動して
口出し作業、粗糸継作業及び粗糸交換作業が同時に並行
的に行われる。

【００１５】前記口出し作業、粗糸継作業及び粗糸交換
作業を行う際、満ボビン支持下降装置２２、満ボビン支
持上昇装置２４、残粗糸ボビン移載装置２６及び満ボビ
ン移載装置２７はボビンハンガー１５ａあるいはボビン
ハンガー５に対する満ボビンＦ及び小玉ボビンＢの装着
あるいは取り外し作業を行う。

【００１６】ボビンハンガー５を例にボビンＢの装着作
用を説明すると、ボビンハンガー５にボビンが装着され
ていない状態では図１に示すように、ボビン支持レバー
１９は棒状部材１８内に没入状態にある。この状態から
ボビンＢが棒状部材１８に向かって上昇されると、上昇
途中で中空部１７内に棒状部材１８の先端が挿入される
とともにリング２０が中空部１７に嵌合される。その状
態からさらにボビンＢが上昇されると、中空部１７の先
端とともにリング２０が上昇される。そして、リング２
０が棒状部材１８内に装備されたレバー作動用リンク機
構を前記ボビン支持レバー１９の状態を切り替え作動さ
せる図２に示すレバー切替え位置（レバー反転位置）Ｐ
１より上方まで移動した時点でレバー作動用リンク機構
が切り替え作動され、ボビン支持レバー１９の掛止部が
棒状部材１８の外部に突出するとともにラチェット（図
示せず）が切替えられ、ボビン支持レバー１９が同位置
に保持される。ついでボビンＢが下降され、図３に示す
ようにボビンＢが掛止部に掛止されてボビン支持レバー
１９に支持された状態でボビンハンガー５に吊下される
。

【００１７】又、図３に示すようにボビンハンガー５に
吊下されているボビンＢを取り外す場合は、図３の状態
からボビンＢがリング２０をレバー切替え位置Ｐ１より
上方に移動させる位置まで上昇され、リング２０がレバ
ー切替え位置Ｐ１まで移動した時点でレバー作動用リン
ク機構が切替え作動され、ボビン支持レバー１９の掛止
部が棒状部材１８内に没入されるとともにラチェット（
図示せず）が切替えられ、ボビン支持レバー１９が同位
置に保持される。ついでボビンＢが下降され、ボビンＢ
がボビンハンガー５から取り外される。

【００１８】リング２０はその上面が規制部１８ａの下
端と当接する位置まで上昇可能であり、規制部１８ａの
下端がリング２０の上昇限界位置Ｐ２となっている。従
来のボビンハンガーではレバー切替え位置Ｐ１とリング
２０の上昇限界位置Ｐ２との間隔ｄが０．５〜１ｍｍと
非常に小さい。そのためリング２０の上部に風綿が多く
堆積すると、ボビンＢをボビンハンガー５に吊下するた
め、あるいはボビンハンガー５から取り外すため、ボビ
ンＢを下方から上昇させても堆積風綿がリング２０の上
面と規制部１８ａの下面との間に強固に圧縮された状態
で挟まれる。従って、通常の押し上げ力ではリング２０
をレバー切替え位置Ｐ１まで上昇させることが不可能と
なり、ボビン支持レバー１９の掛止部が棒状部材１８か
ら突出するボビン支持状態への切替え、あるいはボビン
支持レバー１９の掛止部が棒状部材１８内に没入する没
入状態への切替えが行われず、ボビンＢの吊下あるいは
取り外しが不能となる。従って、リング２０上に風綿が
多量に堆積した場合には、前記残粗糸ボビン移載装置２
６等によるボビンハンガー５へのボビンＢの装着あるい
は取り外し作業時に、ボビンＢの吊下ミスや取り外しミ
スが生じたり、あるいはボビンを通常の押し上げ力より
大きい無理な力で押し上げることによりボビンハンガー
５を破損させる事態が生じる。

【００１９】ところが、本発明のボビンハンガー５は前
記間隔ｄが３〜１５ｍｍと従来のものよりも大きく設定
されているため、風綿がリング２０上に多量に堆積して
も、堆積風綿はリング２０の上面と規制部１８ａの下面
との間に強固に圧縮された状態で挟まれることがない。 従って、リング２０は通常の押し上げ力でレバー切替え
位置Ｐ１に到達し、確実にボビン支持レバー１９の切替
え動作が行われ、ボビンハンガー５に対するボビンＢの
吊下あるいはボビンハンガー５からの取り外しが確実に
行われる。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、風
綿が多量に堆積してもボビン支持レバーの切り替え作動
を無理な力を加えることなく確実に行うことができるた
め、粗糸替機によるボビンハンガーへのボビンの装着及
びボビンハンガーからのボビンの取り外しを確実に行う
ことができるとともに、ボビンハンガーの破損を招くこ
ともない。又、いうまでもなく人手によるボビン交換時
にも確実にボビンの脱着ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した一実施例のボビンハンガー
の正面図である。

【図２】ボビンの装着動作の途中状態を示す正面図であ
る。

【図３】ボビンが吊下された状態を示す正面図である。

【図４】粗糸替機とクリールの関係を示す概略側面図で
ある。

【図５】粗糸替機とクリールの関係を示す概略背面図で
ある。

【図６】従来のボビンハンガーの正面図である。

【符号の説明】

５，１５ａ…ボビンハンガー、１７…中空部、１８…棒
状部材、１８ａ…規制部、１９…ボビン支持レバー、２
０…リング、Ｐ１…レバー切替え位置、Ｐ２…上昇限界
位置、Ｂ…ボビン、ｄ…間隔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ボビンの中空部に挿入される棒状部材
   と、棒状部材の上部に形成された規制部と、全体が前記
   棒状部材内に収容される没入状態と掛止部が棒状部材の
   外部に突出する支持状態とに切り替え配置されるボビン
   支持レバーと、前記棒状部材の外周沿って昇降可能に装
   備されるとともにその上昇移動時に前記棒状部材内部に
   設けられたレバー作動用リンク機構を作動させるリング
   とを備え、前記リングが前記レバー作動用リンク機構を
   前記ボビン支持レバーの状態を切り替え作動させるレバ
   ー切替え位置と前記規制部の下面との間隔を３〜１５ｍ
   ｍとしたボビンハンガー。