JPH0740009Y2 - 壁パネル支持部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、２階が１階よりも張り出した建物の２階外
壁を形成する際に用いる壁パネル支持部構造に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、２階が１階の外壁よりも張り出した建物において
２階の外壁を支持する支持部の構造として、第４図およ
び第５図に示すものがあった。第５図は第４図の側面図
である。すなわち、壁パネル３の屋外側に設置した梁１
の下フランジには、あらかじめ設定された間隔で断面Ｌ
形に形成されたパネル連結具８が固定されている。パネ
ル連結具８の水平材は梁１の下フランジ下面にボルト等
の固着具７で固定され、水平材の屋外側の端部から垂下
された垂直材は、垂直断面Ｌ形のパネル受け具４の垂直
材に溶接で固定してある。また、壁パネル３の内部に
は、中央にボルト孔（図示せず）を形成した壁パネル固
定用部材3aが埋め込んであり、このボルト孔と連通して
壁パネル３の屋内側には固着具挿通孔が形成してある。
また、壁パネル３を支持するパネル受け具４の垂直材の
側面には、壁パネル固定用部材3aの位置に合わせて上部
に固着具挿通孔を形成した連結板５の下部が固着されて
いる。したがって、連結板５の固着具連通孔を壁パネル
３の固着具挿通孔に合わせた状態で固着具６を挿通し螺
合することにより、壁パネル３をパネル受け具４に固定
することができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この構造では、モデュール寸法によって形成さ
れた壁パネル３を用いて壁を形成する場合に、使用する
壁パネル３のモデュールが異なると壁パネル固定用部材
3aの位置も異なるので、壁パネル３をパネル受け具４に
固定するための連結板５の取付け位置を変えなければな
らなかった。その場合、連結板５がパネル連結具８の位
置と重ならなければ問題はないが、連結板５とパネル連
結具８が近接した場合には（第５図）、パネル連結具８
が邪魔になって壁パネル３をパネル受け具４に固定する
ことができなかった。また、パネル連結具８の垂直材の
幅を小さくすると、連結板５で壁パネル３を固定できる
範囲が広がるが、強度不足でパネル連結具８が曲がる虞
れがあるためこのような構成にはできなかった。

したがって、この考案の目的は、連結板とパネル連結具
が近接した場合でも壁パネルを固定することができる壁
パネル支持部構造を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案の壁パネル支持部構造は、水平材が屋外側に突
出した状態で梁の下端にパネル連結具を介して配置され
た垂直断面Ｌ形のパネル受け具と、このパネル受け具の
水平材に載置され内部に壁パネル固定用部材を設けた壁
パネルと、上部が前記壁パネル固定用部材にボルト固定
され下部と前記壁パネルの間に前記パネル受け具の垂直
材を挟み込んで固定した連結板とを備えた壁パネル支持
部構造において、前記パネル連結具が、前記梁の下端に
ボルト固定された水平材と、この水平材の下面に垂設さ
れ一方のフランジが前記連結板から離隔する向きで前記
パネル受け具の垂直材に固着した水平断面Ｚ形の垂下材
とからなることを特徴とするものである。

〔作用〕

この考案の構成によれば、パネル連結具の垂下材を水平
断面Ｚ形にしたことにより、そのウェブおよび他方のフ
ランジが補強となるので、パネル受け具に固着する一方
のフランジの幅を小さくできる。これとともに一方のフ
ランジを連結板から離隔する向きとしたので、連結板が
パネル連結具に近接する場合でも、パネル連結具がじゃ
まにならず連結板で壁パネルを固定できる範囲が広が
る。

〔実施例〕

この考案の一実施例を第１図ないし第３図に基づいて説
明する。

梁１は、Ｈ形鋼等からなり、外壁（図示せず）から突出
した複数の片持梁（図示せず）の先端を連結している。

パネル連結具２は、上端に設けた水平材2aと、この水平
材2aの下面に設けた垂下材2bとからなる。水平材2aには
固着具挿通孔2c（第３図）が設けてあり、梁１の下フラ
ンジにボルト等の固着具７で固定される。この場合、固
着具挿通孔2cは、あらかじめ梁１に形成された一対の固
着具挿通孔（図示せず）のうちの一方に合わせ、この状
態で固着具７により連結する。垂下材2bは水平材2aの下
面に溶接により固定されている。この垂下材2bは、水平
断面Ｚ形に形成してある。垂下材2bの一方のフランジ2d
は、ウェブ2eを挟んで連結板５と反対側に、かつ連結板
５と離隔した状態で設けられ、そのフランジ2dの下部
は、パネル受け具４の垂直材の屋内側の側面に溶接によ
り固定されている。このパネル連結具２は、パネル受け
具４の垂直材に所定の間隔で複数設けてある。

壁パネル３は、モデュール寸法により形成されたコンク
リート板等からなり、内部には所定の位置に壁パネル固
定用部材3aが埋め込んである。壁パネル固定用部材3a
は、鋼板からなり、中央にボルト孔（図示せず）が形成
してある。また、壁パネル３の屋内側の側面には固着具
挿通孔（図示せず）が形成してあり、この固着具挿通孔
は壁パネル固定用部材3aのボルト孔と連通している。

パネル受け具４は、山形鋼等からなり、水平材が屋外側
に突出した状態で設けてある。この水平材の上面には壁
パネル３が載置される。

連結板５は鋼板からなるもので、壁パネル３をパネル受
け具４に載置した状態で上部が壁パネル３の屋内側の側
面に当接し、下部がパネル受け具４の垂直材の屋内側の
側面に当接するように折曲げて形成してある。連結板５
の上部には固着具挿通孔（図示せず）が形成してあり、
この固着具挿通孔を壁パネル３の固着具挿通孔に合わせ
た状態で固着具６を螺合することにより壁パネル３を固
定することができる。この連結板５は、壁パネル３の壁
パネル固定用部材3aの位置にしたがってパネル受け具４
に複数固着してある。

この実施例による壁パネル３の施工手順を説明する。パ
ネル受け具４の垂直材の所定の位置にはパネル連結具２
の垂下材2bの一方のフランジ2dを固定しておく。このパ
ネル受け具４を現場に搬入し、パネル連結具２の水平材
2aを梁１の下フランジに固着具７で固定する。パネル受
け具４に壁パネル３を載置する。連結板５の固着具挿通
孔から壁パネル３の固着具挿通孔に固着具６を挿通し、
壁パネル３の内部の壁パネル固定用部材3aに螺合して、
連結板５の下部と壁パネル３の間にパネル受け具４の垂
直材を挟み込んで固定する。以上で壁パネル３が固定さ
れる。

この実施例の構成によれば、パネル連結具２の垂下材2b
を水平断面Ｚ形にしたことにより、そのウェブ2eおよび
他方のフランジ2fが補強となるので、パネル受け具４に
固着する一方のフランジ2dの幅を小さくできる。これと
ともに一方のフランジ2dを連結板５から離隔する向きと
したので、連結板がパネル連結具２に近接する場合で
も、パネル連結具２がじゃまにならず連結板５で壁パネ
ル３を固定できる範囲が広がる。

〔考案の効果〕

この考案の壁パネル支持部構造によれば、パネル連結具
の垂下材を水平断面Ｚ形にしたことにより、そのウエブ
および他方のフランジが補強となるので、パネル受け具
に固着する一方のフランジの幅を小さくできる。これと
ともに一方のフランジを連結板から離隔する向きとした
ので、連結板がパネル連結具に近接する場合でも、パネ
ル連結具がじゃまにならず連結板で壁パネルを固定でき
る範囲が広がる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の部分垂直断面図、第２図
は第１図のII−II断面図、第３図はその部分斜視図、第
４図は従来例の部分垂直断面図、第５図はその部分側面
図である。 １……梁、２……パネル連結具、３……壁パネル、3a…
…壁パネル固定用部材、４……パネル受け具、５……連
結板、６……固着具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平材が屋外側に突出した状態で梁の下端
   にパネル連結具を介して配置された垂直断面Ｌ形のパネ
   ル受け具と、このパネル受け具の水平材に載置され内部
   に壁パネル固定用部材を設けた壁パネルと、上部が前記
   壁パネル固定用部材にボルト固定され下部と前記壁パネ
   ルの間に前記パネル受け具の垂直材を挟み込んで固定し
   た連結板とを備えた壁パネル支持部構造において、 前記パネル連結具が、前記梁の下端にボルト固定された
   水平材と、この水平材の下面に垂設され一方のフランジ
   が前記連結板から離隔する向きで前記パネル受け具の垂
   直材に固着した水平断面Ｚ形の垂下材とからなることを
   特徴とする壁パネル支持部構造。