JPH07399B2 - インクリボン色切換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、幅方向に複数色に分けたインクリボンを用い
て複数色に印字することができるプリンタにおけるイン
クリボン色切換え装置に関する。

〔従来の技術〕

幅方向に色分けされたインクリボンを有するインクリボ
ンカセツトをプリンタに装着し、このインクリボンカセ
ツトをインクリボンの幅方向へ適宜移動させてリボン色
切換を行なうようになつている機構では、インクリボン
を印字ヘツドと被印字体との僅かな隙間でリボン幅方向
へ移動し、正確に位置決めすることは、リボンが引掛つ
たり、しわ寄りが生じたりまたガイドから離脱したりす
る等の問題があつて非常に困難な技術とされている。

そのため、従来よりこの種のシリアルプリンタではこの
問題を解消するため第６図の斜視図に示すようにリボン
カセツト23を幅方向へ移動させた後に、リボン24を長さ
方向へ移動させる動作を行ない、リボン24の印字色が印
字ヘツド25先端の所定の位置に移動した時点で印字を開
始する手段にするかあるいはキヤリツジユニツトを片方
向さらには両方向へ反復走行させ、リボン位置を定めて
から印字するという手段を用いている。

〔本発明が解決しようとする問題点〕

さらにプリンタとしての印字実効速度の向上をはかるた
めには、上記したような位置決め動作を短縮するすなわ
ちリボンの幅方向と長さ方向の移動を同時に行なうこと
が必要であり、かつ効果的だと考えられる。

そこで、現行のプリンタではリボンを幅方向へ移動させ
る手段として例えば特開昭58−126183号や第７図に示す
ようなプランジヤマグネツトの吸引力を利用したものが
あるが、これ等は切換速度が急激であり、上記したリボ
ンの引掛けやしわ寄り等の事故が発生し易く所期の目的
を実現することは困難である。

また、リボンの長さ方向への移動手段としては特開昭58
−78791号つまり第８図に示す如くキヤリツジの走行駆
動源を共用しているものがあるが、上述のようにリボン
の幅方向と長さ方向とを同時に移動させるためには印字
動作を伴なわない無駄なキヤリツジ走行が必要となる問
題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、幅方向に色分けされたインクリボンを有する
インクリボンカセットを装着し、このインクリボンカセ
ットをインクリボン幅方向へ移動させてリボン色切換え
を行うシリアルプリンタのインクリボン色切換装置にお
いて、１個の正逆回転可能な駆動モータと、この駆動モ
ータに、互いに噛合う２個の遊星ギヤを回動自在に支持
し、その一方のギヤは、インクリボンを幅方向に移動さ
せるシフトカムを設けたシフトギヤとインクリボンを走
行方向に送るドライブギヤと選択的に噛合い、他方のギ
ヤはモータギヤに常時噛合い上記ドライブギヤと選択的
に噛合うようにしたことを特徴とする。

〔作用〕

以上の構成によると、モータの正方向回転によりインク
リボンの長さ方向にリボンを移動させ、モータの逆方向
回転によつてインクリボンの幅方向へリボンを移動させ
ると共に長さ方向への移動を同時に行なわせ、上記駆動
モータの回転方向の違いによる動作を選択することによ
り、高速かつ確実なインクリボンの色切換えを行なうも
のである。

〔実施例〕 以下に本発明の実施例を図面に従つて説明する。

第２図はシリアルプリンタの斜視図であり、図において
１は印字ヘツド、２はプラテン、３はキヤリツジであ
り、プラテン２に対して平行に移動し、リボンプロテク
タ４が固着されているもので、印字ヘツド１先端部とリ
ボンプロテクタ４の間隙をインクリボン５が幅方向に移
動し、リボンの色を切換えるように構成してある。

上記インクリボン５は幅方向に多色に色分けされてお
り、このインクリボン５を収納するリボンカセツト６は
上記プラテン２およびキヤリツジ３を案内するガイド軸
７とを支持するフレーム８にインクリボン幅方向へ回動
自在に枢着され、かつ常時所定の方向へばね９により弾
性保持されている。

第１図は本実施例であるリボン送りおよびリボン色切換
機構の斜視図であり、上記リボンカセツト６の底部には
上記フレーム８に回動自在に支持された軸10に装着され
たカム11が当接しており、この軸10が回転することによ
り、カム11がリボンカセツト６を回転させてリボン色を
切換える。この軸10の回転力は軸10に連結されたカムフ
オロワレバ12を介してシフトカム13の回転により伝達さ
れる。

このカムフオロワレバ12の先端にはローラ22が回動自在
に支持されており、シフトカム13面にばね21により常時
当接し、シフトカム13の回転に応じてローラ22も回転
し、かつカムフオロワレバ12も軸10を中心に回転する。
さらにシフトカム13面は階段状になつており各リボン色
毎に水平な面をもちこの水平な面に上記ローラ22が位置
することにより印字中のリボン色を保持することができ
る。

リボンの長さ方向への送りは既知の通り、リボンカセツ
ト６の内部に装備された圧接する２個の図示しないドラ
イブローラおよびドリブンローラの回転によりリボンが
送出されるものであるが、このドライブローラを回転さ
せるために上記ドライブローラと軸係合するドライブギ
ヤ14が装着されている。

さらにこのドライブギヤ14と上記のシフトカム13を回転
させるために正逆回転可能な駆動モータ15があり、モー
タ軸に固着されたモータギヤ16と噛合う２個の遊星ギヤ
17a,17bにより駆動力が伝達される。この遊星ギヤ17a,1
7bは第３図に示す如く回動自在に軸支されたクランプ18
上に装着されており、駆動モータ15の正逆回転方向に関
係なく上記ドライブギヤ14を一方向に回転させる手段と
して配置してある。

次に上記構成の作用を第４図および第５図に従つて説明
する。第４図および第５図は遊星ギヤの動作を示す平面
図であり、駆動モータ15が第４図の矢印方向（反時計方
向）に回転を始めるとモータギヤ16と連結された遊星ギ
ヤ17a,17bがクランプ18と共に軸19を支点として時計方
向に回転し遊星ギヤ17bがドライブギヤ14と噛合う。同
時に駆動モータ15の回転力が遊星ギヤ17a,17bを介して
ドライブギヤ14に伝わりドライブギヤ14を時計方向に回
転させリボン送り動作が開始させる。以上のギヤ連結を
第１の連結手段とする。

次に、駆動モータ15が第５図矢印方向（時計回り方向）
に回転を始めると遊星ギヤ17a,17bがクランプ18と共に
軸19を支点に反時計回り方向に回転し、遊星ギヤ17bは
ドライブギヤ14から噛合が外れ、逆にシフトカム13と同
軸で一体化されたシフトギヤ20に噛合て回転させる。ま
た、同時に遊星ギヤ17aはドライブギヤ14と噛合い、上
記第１の連結手段と同様ドライブギヤ14を時計方向に回
転させる。すなわち駆動モータ15の時計回り方向の回転
で同時にドライブギヤ14とシフトギヤ20とを回転させる
ことができる。このシフトギヤ20によつてシフトカム13
が回転し、さらに軸10を回動してカム11がリボンカセツ
ト６を回動させてリボン色を切換えることができ、同時
にドライブギヤ14によつてリボンを送ることができる。
以上のギヤ連結を第２の連結手段とする。

以上のように駆動モータ15の回転方向により第１の連結
手段であるリボン送り動作と、第２の連結手段であるリ
ボン色切換え動作およびリボン送り動作を同時に行なう
ことを選択することができる。

また、第２の実施例として、インクリボンカセツトがキ
ヤリツジに直接接着された場合においても上記実施例と
同様に第１および第２の連結手段をキヤリツジに搭載す
ることにより容易に実現することができる。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明によると、正逆回転可能な駆動モー
タとこの駆動モータと離隔して回動自在に支持された互
いに噛合う２個の遊星ギヤとで構成して、モータの正方
向回転によつてリボンの長さ方向にリボンを移動させる
第１の連結手段と、モータの逆方向回転によつてリボン
の幅方向への移動によるリボン色切換え動作とリボンの
長さ方向への移動を同時に行なう第２の連結手段とを備
えたことにより、リボンの幅方向とリボンの長さ方向の
移動を同時に行なえることになり、印字ヘツドの被印字
体とのわずかな隙間でもリボンが引掛つたりしわ寄せを
生じさせたりあるいはガイドからの脱離等の無い確実な
リボン色切換動作が可能となる効果を有する。

また、駆動モータは１個でリボン色切換えおよびリボン
送り動作を兼用するために低コストでかつ簡潔な機構で
所期の目的を達成することができることになる。

さらに、リボン送りを専用のモータで行なうようにした
ことにより、キヤリツジ駆動源に負担をかけることが無
く、印字品位および印字実効速度の向上をはかることが
できることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す斜視図、第２図はシリア
ルプリンタの斜視図、第３図はリボン色切換え機構の斜
視図、第４図はギヤの動作説明図、第５図はギヤの動作
説明図、第６図は従来例のリボンを移動したときにリボ
ンが引掛つた状態の斜視図、第７図は従来例の側面図、
第８図は他の従来例の斜視図である。 １……印字ヘツド、２……プラテン、３……キヤリツ
ジ、５……インクリボン、６……インクリボンカセツ
ト、10……軸、11……カム、13……シフトカム、14……
ドライブギヤ、15……駆動モータ、17a,17b……遊星ギ
ヤ、20……シフトギヤ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】幅方向に色分けされたインクリボンを有す
   るインクリボンカセットを装着し、このインクリボンカ
   セットをインクリボン幅方向へ移動させてリボン色切換
   えを行うシリアルプリンタのインクリボン色切換装置に
   おいて、 １個の正逆回転可能な駆動モータと、 この駆動モータに、互いに噛合う２個の遊星ギヤを回動
   自在に支持し、その一方のギヤは、インクリボンを幅方
   向に移動させるシフトカムを設けたシフトギヤと、イン
   クリボンを走行方向に送るドライブギヤとの一方と選択
   的に噛合い、他方のギヤはモータギヤに常時噛合い上記
   ドライブギヤと選択的に噛合うようにし、 駆動モータの一方向の回転によって一方の遊星ギヤがド
   ライブギヤに噛合い、そのとき他方の遊星ギヤはモータ
   ギヤと噛合っており、 駆動モータの他方向の回転の切換えによって上記一方の
   遊星ギヤがシフトギヤに噛合い、そのとき他方の遊星ギ
   ヤはドライブギヤとモータギヤに噛合っているようにし
   たことを特徴とするインクリボン色切換装置。