JPH0712017Y2 - プリンタにおけるインクリボン巻取機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、印字ヘッドによって押し付けられているイ
ンクリボンにより文字等を印刷するプリンタにおけるイ
ンクリボンの巻取機構に関するものである。

［考案の概要］ 本考案のプリンタにおけるインクリボン巻取機構は、印
字ヘッド保持部に一端が係合されているリンク手段と、
このリンク手段の他端に軸支されている揺動可能な１個
の中間歯車によって、印字動作中はリボンカセットの駆
動軸と印字ヘッドを走行させるラックベルトの両者を結
合し、印字ヘッドがプラテンに圧接されているプリント
動作時にのみインクリボンが巻取られるように構成した
ので、インクリボンの巻取構造が簡易化され、小型な印
字キャリッジを作ることができる。

［従来の技術］ ワードプロセッサや、パーソナルコンコンピュータ等の
文字情報を印刷するプリンタとしては、通常感熱ヘッド
を使用したプリンタ又はドットプリンタ等が多用されて
いる。

ところで、特に感熱ヘッドを使用するプリンタでは印字
の際に熱転写型のインクリボンを使用し、このインクリ
ボンを感熱ヘッドが搭載されているキャリッジと等速で
繰り出す必要がある。

そのため、キャリッジ内にリボンカセットと共にリボン
巻取用のモータを備えたものがあるが、この種の印字ヘ
ッドは重量が大きくなり、コストアップを招くという問
題がある。

又、プリンタのフレームにラック歯車を取り付け、この
ラック歯車と連動するピニオンによってリボンカセット
の巻取動力を得るようにしたものもあるが、フレームに
ラック歯車を使用しているので、同様に重量が嵩み、コ
ストアップを招く。

さらに、印字ヘッドの傾きによってクラッチ機構でリボ
ンの巻取りを行うようにするものや、タイミングベルト
と多数の中間歯車によってリボン巻取軸を駆動する機構
も知られているが、これらはいづれも機構が複雑であ
り、小型のプリンタに適応することが困難になる ［考案が解決しようとする問題点］ 例えば、第４図に示すようにプラテン１と平行して横向
するキャリッジ２を無端のラックベルト（タイミングベ
ルト）３の一方の側に固定し、このキャリッジ２に印字
動作中は図示しない機構によってプラテン１側に押圧さ
れる印字ヘッド４と、一点鎖線で示すようなリボンカセ
ット５を搭載したものが提案されている。（特開昭60−
87086号公報） このような印字用のキャリッジは、無端のラックベルト
３の一端を矢印Ａ方向に駆動すると、キャリッジ２がＱ
方向に移動し、この移動によってラックベルト３の他方
のラックに噛合っている歯車６を矢印方向に回転する。
そしてこの回転力がさらに歯車7,8に伝達し、歯車８と
結合されているカセット５の巻取軸９を回転し、インク
リボン（Ｒ）を矢印方向に巻取るようにしたものであ
る。

又、キャリッジ走行中でも印字ヘッド４がプラテン１か
ら離間すると、図示しないレバーによって、例えば、歯
車８を中心に歯車７が矢印Ｐ方向に移動し、歯車６〜８
からなる伝達機構の結合が解除され、インクリボンの巻
取りが中断されるようになされている。

しかしながら、この機構ではキャリッジ２の移動方向Ｑ
と逆方向になるようにインクリボン（Ｒ）を巻取るため
に４個の歯車機構が使用されているため、構造が複雑に
なり、かつ印字装置の大型化になるという問題があっ
た。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、一端
が印字ヘッドに係合しているリンク部材の他端に常時リ
ボン巻取軸側に付勢されている１個の中間歯車を軸支
し、この中間歯車によって無端のラックベルトとリボン
カセットの駆動軸を結合するように構成したものであ
る。

［作用］ 印字ヘッドがプラテンに接触、又はプラテンから離間す
る動きに対応してリンク手段が常時リボン巻取軸に圧接
されている１個の中間歯車を揺動するように構成し、こ
の１個の中間歯車によって、印字動作中はラックボルト
による駆動力がリボンカセットの駆動軸に回転力として
供給され、インクリボンを巻取る作用をさせることがで
き、又、印字ヘッドがプラテンから離れたときはラック
ベルトとこの中間歯車の係合が解除されインクリボンの
巻取りが解除される。

［実施例］ 第１図は、本考案の一実施例を示す印字キャリッジの上
面の断面を示したものであり、第２図はその側面の断面
図を示している。

これらの図において、10はガイド軸11に沿って横行する
キャリッジ、12は印字ヘッド、13,13は無端のラックベ
ルトを示し、このラックベルト13,13の一方はキャリッ
ジ10に固定され、図示しない駆動モータによってラック
ベルト13を駆動しキャリッジ10をプラテン15に沿って往
復動させている。

14は第２図に示されているようにキャリッジ10の上側に
セットされたリボンカセットであって、このリボンカセ
ット14のハブ軸から引き出されたインクリボンは前述し
たように印字ヘッド12とプラテン15に狭接され、プラテ
ン15にセットされている用紙に文字等を印刷するもので
ある。

16,17はリボンカセット14の巻取軸に嵌挿される駆動軸
（スプール軸）を示し、一方の駆動軸17にのみ駆動ギヤ
18が固着されている。そしてこの駆動ギヤは、さらに２
段構成の歯車（中間歯車）20,21と噛み合い、さらに上
側の歯車20はラックベルト13の歯と噛合うように配置さ
れている。

22は、この２段構成の歯車20,21を軸19によって回転可
能に軸支しているＬ字状の第１の回動アームであって、
中央部に長孔22A、両端に係合部22B,22Cが形成され、係
合部22Cは、さらに、第２の回動アーム23に係合してリ
ンク機構を構成している。

10A,10B,10Cはこのリンク機構を回動させるためにキャ
リッジ10に形成されているダボを示し、特にダボ10Bと
第１の回動アーム22の係合部22Bにはスプリング24が張
架され、ダボ10Aを中心として反時計方向に第１の回転
アーム22を付勢して歯車10をラックベルト13に押し付け
ている。

25は前記した印字ヘッド12を保持しているヘッド保持部
であって、感熱ヘッド等からなる印字ヘッド12をプラテ
ン15に対して圧接する方向にコイルバネ26によって付勢
されている。

又、ヘッド保持部25には、第２図によく示されているよ
うに開口部25Aが設けられており、この開口部25Aに突入
しているレバー27によって印字ヘッド12が後退位置に移
動される。27Aはレバー27の回動軸、28はレバー27の突
起部27Bに係合しているレバー押え板で、このレバー押
え板はキャリッジの移動方向に延伸して図示しないプラ
ンジャ等で印刷時に傾動するように制御される。

本考案のプリンタにおける印字ヘッド部は上述したよう
に構成されているので、下側の送りローラ31A,31Bで狭
接されて上昇する用紙Ｐを上側の送りローラ32A,32Bで
狭接して引き上げ、キャリッジ10をプラテン15に沿って
横方向に往復動しながら印字を行う。

印字動作中は、レバー押え板28が傾動することによって
レバー27が反時計方向に回動し、スプリングコイル26で
付勢されているヘッド保持板25によって、印字ヘッド12
がプラテン15側に圧接される。このときヘッド保持板25
のダボ25Bが前方に移動するため、第1,及び第２の回動
アーム22,23は第１図に示した位置となり、キャリッジ1
0が右側に移動するとラックベルト13にスプリングコイ
ル24によって押圧されて噛合っている歯車20,及び歯車2
1が回転するため、リボンカセット14の巻取用駆動軸17
が反時計方向に回転して図示されていないインクリボン
を巻取り、印字ヘッド12の前面には常に未使用のインク
リボンを繰り出す。

又、キャリッジ10が走行中でも、印字ヘッドに供給され
ている印字信号がないときは、前記したレバー押え板28
がレバー27を押圧し（第２図）、ヘッド保持板25を後退
する。すると、ヘット保持板25のダボ25Bによって回動
アーム23及び22が第３図に示すように移動し、歯車20と
ラックベルト13の噛合いを解除する。

その結果、印字ヘッド12がプラテン15に圧接していない
ときはインクリボンの繰り出しが停止し、インクリボン
の無駄な消費をなくする。

なお、係合用の中間歯車20,21の歯数比は、ラックベル
トの凹凸数のピッチとリボン駆動軸の駆動ギヤ18の歯数
により、適宜選定され、インクリボンの巻取を行うよう
にすればよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案のインクリボン巻取装置
は、キャリッジに配置されているリンク機構と、１個の
リボン駆動軸に圧接されている１個の中間歯車によっ
て、ラックベルトとインクリボン巻取用の駆動軸の結合
および解除をするようにしているので、プリント動作に
対応して回転するインクリボンの巻取機構が簡単にな
り、小型軽量化をはかれることができるという効果があ
る。

さらに、弾力性のあるラックベルトに駆動軸側に付勢さ
れている１個の中間歯車を直接、押圧又は離間すること
によって巻取動力を伝達、又は解除するように構成して
いるので、キャリッジとラックベルトが相対的に少しで
も動けば、すぐに噛合状態になり、インクリボンの巻取
りが確実に行れるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のインクリボンの巻取装置の部分を示す
キャリッジの上面断面図、第２図は第１図を側方からみ
たときの断面図、第３図は巻取解除位置を示すキャリッ
ジの上面図、第４図は印字装置の従来例の説明図であ
る。 図中、10はキャリッジ、12は印字ヘッド、13ラックベル
ト（タイミングゲルト）、15はプラテン、18はインクリ
ボンの巻取駆動軸（スプール軸）、20,21は歯車、22,23
はリンク機構を形成する第１、第２の回動アーム、25は
ヘッド保持板を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも印字ヘッド（12）とインクリボ
   ンが収納されているリボンカセット（14）が搭載され、
   プラテン（15）に対して平行状態で移動するラックベル
   ト（13）に固定されて移動可能にされているキャリッジ
   （10）を備えているプリンタにおいて、 上記キャリッジには上記印字ヘッドが前進したときに一
   方の端部が上記ラックベルト側に近くなる第１の位置に
   変位し、上記印字ヘッドが後退したときに上記第１の位
   置から後退した第２の位置に変位するリンク手段（22、
   23）と、 このリンク手段の上記端部に、常時上記リボン巻取軸と
   噛合い回転可能に軸支されている１個の中間歯車（20、
   21）とを設け、 上記中間歯車は上記リンク手段が第１の位置では上記ラ
   ックベルトに圧接され、上記リボン巻取軸と上記ラック
   ベルトを結合し、第２の位置では上記ラックベルトから
   離間して上記結合が解除される位置に退避するように構
   成されていることを特徴とするプリンタにおけるインク
   リボン巻取装置。