JPH0737436A - 自己融着性絶縁電線 - Google Patents

自己融着性絶縁電線

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JPH0737436A
JPH0737436A JP18424793A JP18424793A JPH0737436A JP H0737436 A JPH0737436 A JP H0737436A JP 18424793 A JP18424793 A JP 18424793A JP 18424793 A JP18424793 A JP 18424793A JP H0737436 A JPH0737436 A JP H0737436A
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JP
Japan
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layer
fusion
fusable
electric cable
insulated electric
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Pending
Application number
JP18424793A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideo Doshita
日出夫 堂下
Masahiro Koyano
正宏 小谷野
Makoto Tai
誠 田井
Junichiro Watabe
潤一郎 渡部
Tsuguhisa Yano
嗣久 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Optec Dai Ichi Denko Co Ltd
Original Assignee
Optec Dai Ichi Denko Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Optec Dai Ichi Denko Co Ltd filed Critical Optec Dai Ichi Denko Co Ltd
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Publication of JPH0737436A publication Critical patent/JPH0737436A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的低温で熱融着でき、アルコール融着が
可能であり、高い耐熱性を具備し、長期安定性に優れて
融着層のベタツキもなく、安価に製造できる自己融着性
絶縁電線を提供する。 【構成】 絶縁電線の絶縁層上に下記構造式で示される
ポリマーからなる融着層が形成されてなるもの、自己融
着性絶縁電線。 【化4】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モーター、トランス、
コイル等の巻線に使用される自己融着性絶縁電線に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器や通信機器等の製造工程
の簡略化及び省力化により、モーター、トランス、コイ
ル等の巻線に使用する絶縁電線として、表面に融着層を
備えた自己融着性絶縁電線が汎用されている。すなわ
ち、この自己融着性絶縁電線によれば、隣接する融着層
相互の融着により巻線形態を自己保持できるため、巻線
製作におけるワニス含浸工程が省略され、テープ巻きや
縛り紐も不要となり、もって生産性が大きく向上すると
共に、ワニス含浸に付随する作業環境上の問題も解消さ
れるという利点がある。
【0003】しかして、最近では上記機器類の小型化及
び高性能化が進展し、これに伴って自己融着性絶縁電線
の耐熱性を高める要求が高まっており、このような要求
に対処するために融着層に熱硬化型樹脂やポリエーテル
スルフォン等の高融点樹脂、アルコール可溶型のポリア
ミド樹脂等を用いたものが登場している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、熱硬化型樹
脂の融着層を有する絶縁電線では、融着層形成時の条件
設定や制御操作に困難を伴い製造コストが高く付く上、
経時的に融着層の硬化が進行して保存安定性が悪いとい
う問題があった。また高融点樹脂の融着層を有する絶縁
電線では、融着時の熱処理温度が非常に高いため、熱エ
ネルギーコスト及び設備コストが高くなると共に、周辺
器材に熱的悪影響を及ぼす懸念もある。更に、これらの
熱硬化型樹脂や高融点樹脂はアルコールに不溶であるた
め、巻線状態での仮止め等に便利なアルコール融着を採
用できず、複雑な形状のコイル等を製作する場合に不向
きであり、用途的な制約が大きいという難点がある。
【0005】一方、従来のアルコール可溶型ポリアミド
樹脂の融着層を有する絶縁電線では、耐熱性が充分とは
言えず、しかも融着層の吸水率が高いため、ベタツキを
生じ易い上、経時的な融着特性の劣化が大きく長期安定
性に欠けるという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の状
況に鑑みて鋭意検討を重ねた結果、融着層に特定のポリ
アミド系樹脂を用いた場合に、比較的低温で熱融着でき
ると共にアルコール融着も可能であり、しかも高い耐熱
性を具備し、また長期安定性に優れて融着層のベタツキ
もなく、安価に製造できる自己融着性絶縁電線が得られ
ることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明に係る自己融着性絶縁電
線は、絶縁電線の絶縁層上に下記構造式で示されるポリ
マーからなる融着層が形成されてなるものである。
【0008】
【化2】
【0009】
【発明の細部構成と作用】本発明の自己融着性絶縁電線
は、既述のように、融着層が下記構造式で示されるポリ
アミド系ポリマーより構成されており、後述する実施例
の融着試験結果から明らかなように、210℃程度の比
較的低温の熱融着により大きな融着力を発揮すると共
に、アルコール融着が可能であり、しかも高温下でも融
着力の低下が少なく高い耐熱性を具備する上、長期間保
存しても融着特性の劣化を生じにくく品質の安定性に優
れると共に、融着層のベタツキもなく作業性が良好であ
り、安価に製造できるという特徴がある。
【0010】
【化3】
【0011】なお、上記構造式で示すポリアミド系ポリ
マーの好適な市販品としては、ドイツ国ダイナミッド・
ノーベル社製の商品名トロガミドがある。
【0012】本発明の自己融着性絶縁電線を製造するに
は、上記構造式で示すポリアミド系ポリマーを適当な溶
剤中に溶解させて塗料化し、この塗料を常法に従って絶
縁電線の絶縁層上に塗布、焼付けして融着層を形成すれ
ばよい。この融着層の厚さは一般に5〜30μm程度で
あり、通常は上記の塗布・焼付けを複数回繰り返すこと
によって必要な厚さに設定される。
【0013】融着層の下地となる絶縁層の構成材料とし
ては、特に制限はなく、例えばポリエステル系、ポリエ
ステルイミド系、ポリウレタン系、ポリビニルホルマー
ル系、ポリイミド系、ポリアミドイミド系、ポリアミド
系、ポリアクリル系等の従来より絶縁電線の絶縁層用と
して知られる種々のポリマーをいずれも使用可能であ
る。しかして、この絶縁層は、融着層と同様に、上記ポ
リマー成分を含む絶縁塗料を軟銅線等の導体上に複数回
の塗布・焼付けを行って形成される。
【0014】
【実施例】
実施例1 クレゾール酸600gとナフサ200gの混合液中にト
ロガミド(前出)200gを添加し、160℃にて1時
間加熱して融着層用塗料を調製した。次いで、この融着
層用塗料をポリエステル絶縁電線上に複数回塗布、焼付
けして厚さ10μmの融着層を形成し、自己融着性絶縁
電線を製造した。
【0015】比較例1 市販のアルコール可溶型ポリアミド系塗料A(東特塗料
社製の商品名TCV−U3)をポリエステル絶縁電線上
に複数回塗布、焼付けして厚さ10μmの融着層を形成
し、自己融着性絶縁電線を製造した。
【0016】比較例2 N−メチル−2−ピロリドン600gとナフサ200g
の混合液中にポリエーテルスルブォン樹脂(住友化学社
製の商品名VICTREX)200gを添加し、160
℃にて1時間加熱して融着ワニスを調製した。次いで、
この融着ワニスをポリエステル絶縁電線上に複数回塗
布、焼付けして厚さ10μmの融着層を形成し、自己融
着性絶縁電線を製造した。
【0017】比較例3 市販のアルコール可溶型ポリアミド系塗料B(BASF
社製の商品名ウルトラミット1C)をポリエステル絶縁
電線上に複数回塗布、焼付けして厚さ10μmの融着層
を形成し、自己融着性絶縁電線を製造した。
【0018】以上の実施例及び比較例の自己融着性絶縁
電線について、アルコール融着ならびに加熱融着におけ
る融着特性、長期安定性を調べた。その結果を電線のベ
タツキの有無と共に後記表1に示す。なお、各項目の測
定方法と評価は次の通りである。
【0019】〔アルコール融着〕 融着力・・・自己融着性絶縁電線を直径5mmの巻付け
棒に隣接する線同士が密接する状態に20回巻き付けて
ヘリカルコイルを作製し、このコイルをメタノール中に
1秒間浸漬し、室温で30分放置したのち、室温下で線
間接着力を測定した。 半減温度・・・上記方法で作製したヘリカルコイルを上
記同様にメタノール中に1秒間浸漬し、室温で30分放
置したのち、種々の雰囲気温度で線間接着力を測定し、
接着力が上記室温下での接着力から半減する温度を調べ
た。
【0020】〔加熱融着〕 最適加熱融着温度・・・上記方法で作製したヘリカルコ
イルを種々の温度条件件で10分間加熱融着処理し、室
温まで冷却後に線間接着力を測定し、最大の接着力を示
す加熱融着温度を調べた。 最大融着力・・・上記の最適加熱融着温度で融着処理し
たものについての室温下での線間接着力。 半減温度・・・上記の最適加熱融着温度で処理して室温
で30分放置したのち、種々の雰囲気温度で線間接着力
を測定し、接着力が上記室温での接着力から半減する温
度を調べた。
【0021】〔長期安定性〕電線製造時からの常温放置
により融着特性が低下するまでの日数。 〔電線のベタツキ〕製造後の自己融着性絶縁電線が巻取
ホビンから自重で離れる減少の有無により判定した。
【0022】
【表1】
【0023】上表の結果から、本発明の自己融着性絶縁
電線(実施例1)は、210℃という比較的低温の熱融
着により大きな融着力を発揮でき、またアルコール融着
によっても大きな融着力が得られ、且つ両融着方式のい
ずれにおいても融着力の半減温度が高く優れた耐熱性を
具備し、また長期安定性に優れ、電線のベタツキもなく
作業性が良好であることが明らかである。これに対し、
従来のアルコール融着可能なポリアミドからなる融着層
を設けた絶縁電線(比較例1,3)では、融着力の半減
温度が低く耐熱性に劣る上、長期安定性に難があり、ま
た電線のベタツキにより作業性が悪いことが判る。また
従来の高融点樹脂からなる融着層を設けた絶縁電線(比
較例2)では、極めて高温での融着を必要とする上、ア
ルコール融着を行えず、しかも融着力の半減温度は高く
とも融着力自体が小さいため、耐熱性も充分とは言えな
いことが判る。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、自己融着性絶縁電線と
して、比較的低温の熱融着により大きな融着力を発揮で
き、もって製造における熱エネルギーコスト及び設備コ
ストが少なくて済むと共に、アルコール融着が可能であ
り、複雑なコイル形状を容易に構成でき用途的な制約が
少なく、しかも高温下でも融着力の低下が小さく近年の
高耐熱性の要望に充分に対処できる高い耐熱性を示す
上、長期間保存しても融着特性の劣化を生じにくく品質
の安定性に優れ、また融着層のベタツキもなく作業性が
良好なものが提供される。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【化1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【化2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【化3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】なお、上記構造式で示すポリアミド系ポリ
マーの好適な市販品としては、ドイツ国ダイナミッド・
ノーベル社製の商品名トロガミド(上記構造式で表され
る2種の異性体の混合物)がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田井 誠 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目19番1号 第一 電工株式会社技術部内 (72)発明者 渡部 潤一郎 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目19番1号 第一 電工株式会社技術部内 (72)発明者 矢野 嗣久 兵庫県尼崎市猪名寺2丁目19番1号 第一 電工株式会社技術部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁電線の絶縁層上に下記構造式で示さ
    れるポリマーからなる融着層が形成されてなる自己融着
    性絶縁電線。 【化1】
JP18424793A 1993-07-26 1993-07-26 自己融着性絶縁電線 Pending JPH0737436A (ja)

Priority Applications (1)

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JP18424793A JPH0737436A (ja) 1993-07-26 1993-07-26 自己融着性絶縁電線

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JP18424793A JPH0737436A (ja) 1993-07-26 1993-07-26 自己融着性絶縁電線

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JPH0737436A true JPH0737436A (ja) 1995-02-07

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ID=16149968

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JP18424793A Pending JPH0737436A (ja) 1993-07-26 1993-07-26 自己融着性絶縁電線

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003036665A1 (fr) * 2001-10-24 2003-05-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transformateur extra-plat et procede de fabrication
JP2009126986A (ja) * 2007-11-27 2009-06-11 Totoku Electric Co Ltd 高耐熱性自己融着塗料および高耐熱性自己融着絶縁電線

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50144089A (ja) * 1974-05-10 1975-11-19
JPH0389414A (ja) * 1989-09-01 1991-04-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 自己融着性絶縁電線及びそのコイル

Patent Citations (2)

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19960213