JPH03241608A

JPH03241608A - 自己融着性絶縁電線

Info

Publication number: JPH03241608A
Application number: JP3668890A
Authority: JP
Inventors: Toshiki Maezono; 利樹前園; Shigeharu Suzuki; 重治鈴木; Masakazu Mesaki; 目崎　正和
Original assignee: Furukawa Electric Co Ltd
Current assignee: Furukawa Electric Co Ltd
Priority date: 1990-02-17
Filing date: 1990-02-17
Publication date: 1991-10-28

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、自己融着性絶縁電線に関するもので、更に詳
しくは、モータ、トランス等の電気機器に好適に使用で
きる自己融着性絶縁電線に関するものである。

（従来の技術）自己融着性絶縁電線は、コイル巻工程の後、加熱又は巻
線に溶剤塗布することにより各巻線の絶縁層の上に被着
している融着層を相互に融着させ、コイル巻線間の固着
を可能とする電線である。自己融着性絶縁電線を使用し
た場合の作業能率は高く、かつコイル成形及び形状の保
持が非常に簡単に行えるので、小型モータ、トランス等
に広く使用されている。自己融着性絶縁電線はこのよう
な利点を有しているので、上記電気機器分野での使用に
止まらず、汎用モータ、コンプレシザーモータ等の種々
の電気機器で自己融着性絶縁電線を使用する試みがなさ
れてきた。

（発明が解決しようとする課題）従来型自己融着性絶縁電線の使用が上記小型モータ、ト
ランス等の分野に限定されいた最大の理由は、自己融着
性絶縁電線の融着層の耐熱性にある。従来、殆どの自己
融着性絶縁電線の融着層には熱可塑性樹脂、特に比較的
低温で融着する軟化温度の低い熱可塑性樹脂、例えばポ
リビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ
樹脂等を使用していた。

しかし、これらの熱可塑性樹脂は軟化点が低いため、１
００°Ｃ程度の温度で融着層が軟化し、コイルがバラケ
ル等の欠点があった。これらの理由で使用温度が高く、
しかも機械的負荷（回転振動）のかかる機器には、自己
融着性絶縁電線が使用できなかった。

そこで、これらの点を解決して用途を拡大するため、耐
熱性の優れた自己融着層を有する自己融着性絶縁電線の
研究が近年盛んに行われるようになった。

その解決手段として最も有効と思われる手法は、自己融
着層のセミキュア焼付けによる方法である。

この手法は、自己融着層として硬化性樹脂を使用し、融
着層の形成時には架橋反応をできるだけ抑制し、コイル
巻工程での加熱により融着と硬化反応を同時に行わしめ
るものである。

しかし、この手法の問題点は、自己融着層をセミキュア
の段階に止めて製線することが極めて難しく、また可撓
性の良好なセミキュア皮膜を得ることも困難なことであ
る。更に、保管中に常温で架橋反応が進行し、接着力が
低下し易い等の欠点がある。

今までに種々の提案がなされているが、以上の問題を解
決して実用化するまでには至っていない。

本発明の目的は、上記の事情に鑑み、耐熱性に優れ、か
つ従来のセミキュア型自己融着性絶縁電線の上記欠点を
克服した自己融着性絶縁電線を提供することである。

（課題を解決するだめの手段）本発明者は、鋭意研究の結果、本発明に係る次の特徴を
有する構成により上記目的を達成した。

その構成は、平均分子量１００００以上を有するビスフ
ェノールＳ共重合ポリヒドロキシポリエーテル樹脂の１
００重量部、又は該ビスフェノールＳ共重合ポリヒドロ
キシポリエーテル樹脂と分子量１００００以下のエポキ
シ樹脂との混合物の合計量１００重量部に対して、下記
構造式（１）を有する末端アミンオリゴマを２〜５０重
１部配合した組成物を自己融着層として有することを特
徴とする自己融着性絶縁電線である。

・　・　・　（１）（式中、Ａｒ＋及びＡｒｚはそれぞれ芳香族残基を表し
、並びにＲ，及びＲ２はそれぞれ水素、アルキル基、ア
ルコキシ基、及び水酸基からなる群から選ばれた基を表
し、更に、ｎは０〜８０の整数である）本発明で用いる平均分子量１ｏｏｏｏ以上のビスフェノ
ールＳ共重合ポリヒドロキシポリエーテル樹脂とは下記
構造式（２）で表されるものである。ここでビスフェノ
ールＳ共重合ポリヒドロキシポリエーテル樹脂の平均分
子量を１００００以上と限定した理由は、１００００未
満であると得られる自己融着性絶縁電線の可撓性が低下
するためである一６− ・　・　・　（２）（式中、ｍ及びｎはそれぞれ正の整数である）本発明の
実施に使用できるビスフェノールＳ共重合ポリヒドロキ
シポリエーテル樹脂には、市販品として例えば東部化成
社製商品名ＹＰＳ−００７がある。

一方、本発明で使用する分子量１００００以下のエポキ
シ樹脂は自己融着層の軟化温度を調整するために配合さ
れる。これを配合する場合には可撓性を損なわない範囲
で配合すべきで、好適な配合量は、ビスフェノールＳ共
重合ポリヒドロキシポリエーテル樹脂１００重量部に対
して３〜２０重量部である。

また、本発明の実施に使用できる前記構造式（１）で示
される末端アミンを有するオリゴマには、市販品として
例えば住人化学社製商品名ベストレックスＳＭ２０があ
る。

ビスフェノールＳ共重合ポリヒドロキシポリエーテル樹
脂１００重量部又はビスフェノールＳ共重合ポリヒドロ
キシポリエーテル樹脂とエポキシ樹脂との混合物１００
重量部に対して、上記末端アミンを有するオリゴマの配
合量を２〜５０重量部と限定した理由は、２重量部未満
では得られる塗膜の架橋による硬化が乏しく、５０重量
部を越えての配合では塗膜の可撓性に乏しくなると共に
接着強度も低下するためである。

また、以上の配合に対して、少量のフェノールホルムア
ルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、安定化
イソシアネート、有機チタン化合物などの改質剤を配合
して自己融着層の特性を若干変化させることもでき、こ
れらについても本発明の範囲に含まれるものである。

一（実施例）実施例−１第１図は、本発明に係る自己融着性絶縁電線１を示す。

直径０　、５ｍｍの銅線２上にポリエステルイミドワニ
ス（口触スケネクタデイ社製商品名アイソミツド）を塗
布焼付けて厚さ２５μの絶縁皮膜３を形成した。一方、
ビスフェノールＳ共重合ポリヒドロキシポリエーテル樹
脂（東部化成社製商品名ＹＰＳ−００７）１００重量部
、及び前述の末端アミンを有するオリゴマ（住人化学社
製商品名ベストレックス５Ｍ２０）２０重量部をクレゾ
ール及びソルベントナフサに溶解し濃度２０％溶液に調
整して自己融着性塗料を調製した。上記絶縁皮膜の上に
この自己融着性塗料を塗布し、炉温度３００″Ｃの炉長
３ｍの焼付炉中を１５ｍ１分の速度で通過させて焼付け
を行う塗布焼付は工程を３回繰り返し施して、厚さ１２
μの融着層４を有する本発明に係る自己融着性絶縁電線
を得た。

実施例−２〜５実施例−１と異なる配合割合の本発明に係る別の実施例
を示すため、第１表に示した配合割合で実施例−１と同
様にそれぞれ自己融着性塗料を調製し、同様に０．５　
ｎ＋ｍの銅線上に２５μのポリエステルイミドの絶縁皮
膜を設けた絶縁電線上に塗布焼付けて１２μの自己融着
層を設けた本発明に係る自己融着性絶縁電線の別の実施
例−２〜５を得た。

比較例−１〜３本発明に係る実施例との比較のため、自己融着性塗料の
配合割合を変えた比較例−１〜３の自己融着性絶縁電線
を用意した。即ち、第１表に示した配合割合で実施例−
１と同様に自己融着性塗料を調製し、同様に０．５　ｍ
ｍの銅線上に２５μのポリエステルイミドの絶縁皮膜を
設けた絶縁電線上に塗布焼付けて１２μの自己融着層を
設けた自己融着性絶縁電線である。

０ −１３比較例−４本発明に係る自己融着性絶縁電線の実施例と通常のコイ
ル含浸ワニスによる自己融着性絶縁電線との比較のため
、銅線径が０．５　ｍｍ径のポリエステルイミド銅線（
実施例に用いたポリエステルイミド塗料を塗布焼付けし
た絶縁皮膜２５μのもの）を５ｍｍ径のヘリカルコイル
に形成し、エポキシフェノール系コイル含浸ワニス（口
触スケネクタディ社製商品名アイツボキシ４３３）に含
浸し、１５０°Ｃで３時間加熱し硬化させたものを用意
した。

実施例−１〜５及び比較例−１〜４で得られた自己融着
性絶縁電線の特性を確認するため、次の２種類の試験を
行った。

各側の自己融着性絶縁電線を直径５ｍｍのヘリカルコイ
ルにそれぞれ形成し、１８０°Ｃで３０分加熱融着させ
た後、ＡＳＴＭ−Ｄ−２５１９に基づいて常温及び１５
０°Ｃでの接着強度を測定し、その結果を第２表に示し
た。

更に、各側の自己融着性絶縁電線の可撓性を調べるため
、１倍径に巻付は皮膜に亀裂発生の有無を検査し、その
結果も併せて第２表に示した。

２第２表に示される通り、本発明に係る実施例の自己融着
性絶縁電線の接着強度は、従来例（比較例−４）に比較
して常温ではほぼ同じであるにもかかわらず１５０°Ｃ
で従来例の２．５倍から３．５倍に増加し、耐熱性の顕
著な向上を示している。更に、可撓性も良好な結果を示
している。

（発明の効果）以上の実施例及び比較例から明らかなように、本発明品
は、従来品に比較して耐熱温度が遥かに高く、かつ可撓
性がより良好であり、従って、高温で機械的負荷がかか
るため、従来自己融着性絶縁電線の利用が制限されてい
た汎用モータ、コンプレッサーモータ、トランス等にお
いても好適に使用できるので、工業上その利用価値の高
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る自己融着性絶縁電線の断面図であ
る。１・・・自己融着性絶縁電線２・・・導体　　　　　　　３・・・絶縁層４・・・自
己融着層１４

Claims

【特許請求の範囲】

１．自己融着層を備える自己融着性絶縁電線において、
前記自己融着層が、平均分子量１００００以上を有する
下記構造式（Ａ）のビスフェノールＳ共重合ポリヒドロ
キシポリエーテル樹脂の１００重量部又は該ビスフェノ
ールＳ共重合ポリヒドロキシポリエーテル樹脂と分子量
１００００以下のエポキシ樹脂との混合物の合計量１０
０重量部に対して下記構造式（Ｂ）を有する末端アミン
オリゴマを２〜５０重量部配合した組成物からなること
を特徴とする自己融着性絶縁電線。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・（Ａ）（式中、ｍ及びｎはそれぞれ正の整数である）▲数式、
化学式、表等があります▼・・・（Ｂ）（式中、Ａｒ＿１及びＡｒ＿２はそれぞれ芳香族残基を
表し、並びにＲ＿１及びＲ＿２はそれぞれ水素、アルキ
ル基、アルコキシ基、及び水酸基からなる群から選ばれ
た基を表し、更に、ｎは０〜８０の整数である）