JPH01144505A - 自己融着性絶縁電線 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、巻線用絶縁電線、特に自己融着性皮膜を打
する自己融着性絶縁電線に関する。

［従来の技術］ 従来より一般に、電気機器、通信機器等に使用されるコ
イル成形体として、絶縁電線を所定の形状に巻線した後
、ワニス含浸処理を行い、電線相互間を接着固化したも
のが用いられてきた。ところが、このようなコイル成形
体を得るにあたっては、上記のワニス含浸処理が環境衛
生上好ましくないこと、作業能率が低いことなどの問題
があり、このため最近では、加熱のみで電線相互を融着
できる自己融着性絶縁電線が開発され、多く用いられて
いる。

このような自己融着性絶縁電線においては、導体上に皮
膜されて絶縁層を構成する絶縁材料として、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、共重合ポ
リアミド樹脂、フェノキシ樹脂等の直鎖状高分子化合物
、あるいはこれにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、安定
化イソシアネートなどの硬化剤を配合して熱硬化型とし
たものが知られている。

［発明が解決しようとする問題点コ ところが、上述の直鎖状高分子化合物のみからなる絶縁
材料を溶剤に溶解せしめた塗料を塗布、焼付けてなる自
己融着性絶縁電線は、一般のエナメル線に比べて耐摩耗
性が低く、また巻線工程の巻線のスピードアップに伴い
、巻線機のノズル、プーリー等により傷の発生が増大す
る傾向にあり、これによってレヤーショート等が生じる
不都合があった。

また、この絶縁材料に上記硬化剤を配合した熱硬化型の
絶縁塗料を塗布、焼付けてなる絶縁電線の場合には、塗
料を通常Ｂステージ（半硬化）の状態に留めて融着性を
持たせるものであるために、前者の直鎖状高分子化合物
のみからなる塗料を使用した自己融着性絶縁電線に比べ
て、耐摩耗性はさらに一段と低く、また巻線機による傷
の発生やこれによって生じるレヤーショート等の問題も
一層深刻なものであった。

そこで、この発明は上述の問題点を解決し、巻線加工の
際に損傷を受けることがなく、かつ耐摩耗性の良好な自
己融着性絶縁電線を提供することを目的としている。

［問題点を解決するための手段］ この発明は、自己融着性絶縁層を、直鎖状高分子化合物
１００重量部に対し、平均粒子径１０μｍ以下でかつ分
子量２００００以下の低分子量ポリテトラフルオロエチ
レン粉末を０．１−１０重量部添加した塗料を塗布焼付
けて形成したことをその解決手段とする。

以下、この発明の詳細な説明する。

この発明が従来の自己融着性絶縁電線と異なる点は、主
に、この絶縁電線の絶縁層に使用される絶縁塗料中に、
低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末が配合された
ことである。このポリテトラフルオロエチレンは一般式
、 で表されるものであり、上記添字ｎは１５〜２００程度
が好ましく、分子量が２００００以下のものとされる。

ここで、分子量を上記の範囲に限定したのは、分子量が
２００００を越えると、高温における接着力が低下して
しまう不都合があるためである。

ここで、この低分子量ポリテトラフルオロエチレンの平
均粒子径を上記の範囲に限定したのは、平均粒子径が１
０μｍを越えると、この低分子量ポリテトラフルオロエ
チレンの分散性が不良となって、たとえいかなる配合量
によっても、絶縁電線の外観が悪化して商品価値の低い
ものしか得られない不都合があるためである。

また、この低分子量ポリテトラフルオルエチレンの配合
量を上記の範囲に限定したのは、直鎖状高分子化合物１
００重量部に対し、０．１重量部未満であると、耐摩耗
性を向上させる効果がほとんど見られず、また１０重量
部を越えると、高温における接着力が低下するとともに
、耐熱寿命特性が悪化する不都合があるためである。

ここで、さらに好ましくは、上記低分子量ポリテトラフ
ルオロエチレン粉末の平均粒子径が５μ鳳以下のものを
使用し、またさらにその配合量が菫、０〜４．０重量％
とされるのが、より一層効果的である。すなわちこの場
合には、上記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末
が絶縁塗料中により微細に分散されて、外観も良く、高
温接着力や耐熱寿命特性等の低下の度合も極めて小さく
、かつ耐摩耗性の充分な向上が望めるものである。

さらに、このような低分子ｍポリテトラフルオロエチレ
ン粉末が配合される塗料用樹脂としては、フェノキシ樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール
樹脂、共重合ポリアミド樹脂等の直鎖状高分子化合物の
単独あるいは２種以上の混合物などが好適に使用される
。また、この上うな直鎖状高分子化合物の単独あるいは
混合物を、エポキシ樹脂、安定化イソシアネート樹脂、
尿素・ホルムアルデヒド縮合物、メラミン・ホルムアル
デヒド縮合物、アセトグアナミン・ホルムアルデヒド縮
合物、アニリン・ホルムアルデヒド縮合物、ベンゾグア
ナミン・ホルムアルデヒド縮合物またはこれらをアルコ
ール変性したアミノ樹脂、フェノール、クレゾール、キ
シレノール等との混合物、ｐ−ビニルフェノール等のフ
ェノール樹脂等を単独あるいは２種以上組み合わせたも
のに配合し、可溶性溶剤に溶解してなるものなどが使用
されてもよい。この場合には、絶縁電線の加熱融着の際
に、それ自身が互いに化学結合を起こして熱的に安定な
接着塗膜を形成することができるようになるものである
。

このような自己融着性の絶縁塗料は、上記の直鎖状高分
子化合物中に、直接上記ポリテトラフルオロエチレン粉
末を所定量添加して、混合、分散させてもよいが、この
方法では上記ポリテトラフルオロエチレン粉末の分散性
が極めて不良となるため、好ましくは、まず所定量のポ
リテトラフルオロエチレン粉末を５０重量％程度以下の
高濃度となるように上記の直鎖状高分子化合物中に添加
し、これをボールミル等の粉砕機などにより充分分散さ
せた後、残りの量の直鎖状高分子化合物を混合させて、
分散性の良い所定濃度の絶縁塗料を製造する方法が良い
。または、所定量のポリテトラフルオロエチレン粉末を
予めキシレン、ナフサ等の溶剤中に分散させてスラリー
状とし、このスラリーを上記直鎖状高分子化合物中に混
合、分散させるなどといういう方法によっても、分散性
の良好な所定濃度の絶縁塗料を製造することができる。

このようにして製造された絶縁塗料は、銅などからなる
０、０２〜２ｍｌ１１程度の導体上に、直接あるいは他
の絶縁塗膜を介して塗布、焼付けされて、目的の絶縁層
が形成される。この際、通常のエナメル塗布焼付炉を用
いて行なわれ、焼付温度は２５０〜４５０℃程度とされ
る。また焼付後の塗膜厚さは、２〜４０μｍ程度とされ
る。また、上記の他の絶縁層を形成する樹脂としては、
いかなるものでもよく、例えばポリウレタン、ポリビニ
ルホルマール、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポ
リヒダントイン、ポリアミドイミド、ポリエステルアミ
ドイミド、ポリヒダントインエステル、ポリエステルア
ミドなどがある。

このような自己融着性絶縁電線にあっては、絶縁塗料中
に、直鎖状高分子化合物１００重量部に対して、平均粒
子径１０μｍ以下でかつ分子量２００００以下の低分子
量ポリテトラフルオロエチレン粉末が０．１−１０重爪
部配合されているので、高温接着力や耐熱寿命特性等を
低下させることなく、外観にも優れ、かつ耐摩耗性の良
い絶縁電線を得ることができる。

また特に、上記低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉
末として、その平均粒径が５μｍ以下のものを使用し、
またさらに、その配合量を１．０〜４．０重量％として
なる塗料を用いれば、この塗料は極めて分散性の良好な
ものであるので、得られろ自己融着性絶縁電線は、非常
に外観の優れたしのである上に、耐摩耗性等の特性も極
めて良好なしのとなる効果がある。

Ｅ実施例］ この発明の実施例（７例）および比較例（４例）を、そ
れぞれ以下のように作成した。

〔実施例１〕 直径０．５ｍｍの銅線上に皮膜厚０．０２Ｏｎ＋＋ｎの
ポリエステルイミドの塗布焼付皮膜を介してフェノキシ
樹脂２２重量部、アルコール変性メラミン・ホルムアル
デヒド縮合物の５０重爪形溶液Ｉ６重量部をシクロへキ
サノン６２重量部で溶解した中に、樹脂分に対して０．
５重量％、平均径４μｍで分子量５０００〜２００００
の低分子量ポリテトラフルオロエチレン（セントラル硝
子社製、商品名ＴＦＥオリゴマー）粉末を分散さ仕てな
る接着塗料を、皮膜厚が０．０１５＋ｎｍとなるように
塗布、焼付けて、この発明の実施例１の自己融着性絶縁
電線を得た。

〔実施例２〕 低分子ｍポリテトラフルオロエチレン粉末の含有量を、
樹脂分に対して１．０重債％とじた以外はすべて実施例
１と同様にして、この発明の実施例２を得た。

〔実施例３〕 低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末の含有量を、
樹脂分に対して２．０重量％とした以外はすべて実施例
１と同様にして、この発明の実施例３を得た。

〔実施例４〕 低分子１ポリテトラフルオロエチレン粉末の含有重を、
樹脂分に対して４．０重量％とした以外はすべて実施例
１と同様にして、この発明の実施例４を得た。

〔実施例５〕 低分子ｍポリテトラフルオロエチレン粉末の含有量を、
樹脂分に対してｌ０９０重量％とじた以外はすべて実施
例１と同様にして、この発明の実施例４を得た。

〔実施例６〕 実施例１と同じポリエステルイミド線の上に、フェノキ
シ樹脂３０重量部をシクロへキサノン６０重量部で溶解
し゛た中に、樹脂分に対して２，０重量％、平均粒径４
μｍで分子量５０００〜２００００の低分子量ポリテト
ラフルオロエチレン粉末を分散させてなる接着塗料を、
皮膜厚が０．０１５ｍ５となるように塗布、焼付けて、
この発明の実施例６を得た。

〔実施例７〕 実施例１と同じポリエステルイミド線の上にポリビニル
アセタール樹脂７１．４重量部、フェノキシ樹脂２８．
４重量部、アルコール変性メラミン・ホルムアルデヒド
縮合物の５０重量％溶液２１．４重量部、フルフラール
７１．７重量部とからなる絶縁塗料中に、樹脂分に対し
て２．０重量％の平均粒径４μｍ１分子量５０００〜２
００００の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末を
分散させてなる接着塗料を、皮膜厚か０．０１５ｍｍと
なるように塗布、焼付けて、この発明の実施例７を得た
。

〔比較例８〕 実施例！と同じポリエステルイミド線の上に低分子量ポ
リテトラフルオロエヂレン粉末を含まない以外は実施例
！と同じ接着塗料を皮膜厚が０．０１５ｍｍとなるよう
に塗布、焼付けて、比較例８の自己融着性絶縁電線とし
た。

〔比較例９〕 実施例１と同じポリエステルイミド線の上に低分子量ポ
リテトラフルオロエヂレン粉末を含まない以外は実施例
６と同じ接着塗料を、皮膜厚が０．０１５ｍ＋ｎとなる
ように塗布、焼付けて、比較例９とした。

〔比較例１０〕 実施例１と同じポリエステルイミド線の上に低分子ｍポ
リテトラフルオロエチレン粉末を含まない以外は実施例
７と同じ接着塗料を、皮膜厚が０．０１５ｍ＋ｎとなる
ように塗布、焼付けて、比較例１Ｏとした。

〔比較例ＩＩ） 直径０．５ｍｍの銅線に市販のポリエステルイミド塗料
を皮膜厚が０．０２０＋ｎｍとなるように塗布、焼付け
て、比較例１１とした。

以上のようにして製造した実施例（７例）および比較例
（４例）の自己融着性絶縁電線について、耐摩耗性、接
着性、可撓性、熱軟化温度、耐熱寿命特性などの各特性
をそれぞれ測定した。ここで、それぞれの試験に使用し
た試験片は、上記各実施例および比較例で得た絶縁電線
を直径５ｍｍのマンドレルに２０ターン巻付けて作製し
たコイルを、１８０℃、１５分間加熱して接着させたも
のである。表中の接着力は、この試験片を所定雰囲気下
で引剥した時の引剥し力を測定した値である。また表中
の熱軟化温度はＪＩＳ−Ｃ−３００３１０，１に従って
測定した値であり、往復摩耗はＪＩＳ−Ｃ−３００３１
３，１゜１に従って測定した値である。また寿命時間は
ｌ。

Ｅ、ＣＰｕｂ　１７２に従って測定した値である。これ
らの結果を比較して、第１表に示した。

（以下、余白） 第２表から明らかなように、この発明の実施例（７例）
の自己融着性絶縁電線は、いずれも極めて良好な耐摩耗
性を有するものであった。またその接着性も比較例と同
程度であり、２４０℃という高温での寿命時間も１００
０時間位保持されるなど、優れた性能を有するものであ
った。

［発明の効果コ 以上説明したように、この発明は、導体上に直接もしく
は他の絶縁塗膜を介して、直鎖状高分子化合物を主体と
してなる自己融着性絶縁層を設けた絶縁電線において、
前記自己融着性絶縁層が、直鎖状高分子化合物１００重
量部に対し、平均粒子径１０μｍ以下でかつ分子ｆｉ２
００００以下の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉
末を０゜１−１０重量部添加した塗料を塗布焼付けた石
からなるものであるので、高温接着性や耐熱寿命特性な
どを低下させることなく、外観にも優れ、かつ極めて良
好な耐摩耗性を有する自己融着性絶縁電線となるもので
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 　導体上に直接もしくは他の絶縁塗膜を介して、直鎖状
   高分子化合物を主体としてなる自己融着性絶縁層を設け
   た絶縁電線において、 前記自己融着性絶縁層が、直鎖状高分子化合物１００重
   量部に対し、平均粒子径１０μｍ以下でかつ分子量２０
   ０００以下の低分子量ポリテトラフルオロエチレン粉末
   を０．１〜１０重量部添加した塗料を塗布焼付けた層か
   らなることを特徴とする自己融着性絶縁電線。