JP3364007B2 - 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機 - Google Patents

自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機

Info

Publication number
JP3364007B2
JP3364007B2 JP14995094A JP14995094A JP3364007B2 JP 3364007 B2 JP3364007 B2 JP 3364007B2 JP 14995094 A JP14995094 A JP 14995094A JP 14995094 A JP14995094 A JP 14995094A JP 3364007 B2 JP3364007 B2 JP 3364007B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
self
electric wire
automobile
electric machine
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14995094A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0817252A (ja
Inventor
信夫 和知
正忠 福島
和夫 下平
久安 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP14995094A priority Critical patent/JP3364007B2/ja
Publication of JPH0817252A publication Critical patent/JPH0817252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3364007B2 publication Critical patent/JP3364007B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Insulating Materials (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性を向上させた自
己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より各種電気通信機器のコイル成形
品などに使用されている自己融着性絶縁電線は、コイル
巻加工後にワニス含浸処理を行うことなく線間を一体に
固着できることから、近年のコイル成形工程の合理化、
省力化要求にともない、ますますその需要が増大しつつ
ある。
【0003】この自己融着性絶縁電線は、電線の最外層
に熱可塑性樹脂を主体とする自己融着層を設けたもの
で、熱可塑性樹脂としては、従来、ポリビニルブチラー
ル樹脂、共重合ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ
ビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂などが用いられてきた。
【0004】しかして、近年、このような自己融着性絶
縁電線を、モータやトランスなどの高温で使用される機
器用コイルの用途に使用しようとする要求がある。しか
しながら、自己融着性絶縁電線は、上記したように、加
熱するだけで融着層が軟化して一体化するものであるた
め、本質的に耐熱性に乏しいという難点があった。すな
わち、従来の自己融着性絶縁電線の多くは、その融着層
の軟化温度が 100〜150 ℃程度と低く、このため、機器
内温度が上昇すると融着層が軟化して接着力が低下して
しまい、コイルの変形や電線端末のほつれなどを生ずる
という問題があった。
【0005】一方、かかる高温雰囲気下での接着力の低
下を防止したものとして、融着層に芳香族ポリエステル
樹脂を用いたものが開発されている。しかしながら、こ
のものは、コイル成形後に十分な接着力を得るためには
250℃以上の高温でかつ長時間加熱することが必要で、
作業性が悪いうえ、主絶縁層の劣化を招くおそれがあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、近年、高
温雰囲気下で使用可能な自己融着性絶縁電線の要求があ
るが、従来のものの多くは、高温雰囲気下で接着力が低
下するため、その使用は困難で、また、そのような高温
雰囲気下での接着力の低下を防止したものは、十分な初
期接着力を得るために、高温で長時間加熱する必要があ
り、作業性の低下や主絶縁層の劣化を招く難点があっ
た。
【0007】本発明はこのような従来の事情に対処して
なされたもので、低い温度の加熱で強固に接着でき、し
かも、その接着力が高温時にも保持される自己融着性絶
縁電線およびそれを用いた回転電機を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の自己融着性絶縁
電線は、導体上に直接または他の絶縁層を介して、
(イ)ポリエーテルスルホンと、(ロ)フェニレンビス
オキサゾリンとを有機溶剤に溶解してなる塗料、あるい
は(イ)ポリエーテルスルホンと、(ロ)フェニレンビ
スオキサゾリン、および(ハ)ビスマレイミド、ポリシ
アネート、芳香族ジアミンおよびエポキシ化合物の群よ
り選ばれた 1種以上とを有機溶剤に溶解してなる塗料を
塗布乾燥してなることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の回転電機は、コイル芯上
に、上記自己融着性絶縁電線を巻回し一体に熱融着して
なる絶縁コイルを具備したことを特徴とするものであ
る。
【0010】さらに、本発明の他の回転電機は、自動車
の内燃機関の主軸に直結されて自動車の電気制動および
補助加速を行なう回転電機であって、コイル芯上に、上
記自己融着性絶縁電線を巻回し一体に熱融着してなる絶
縁コイルを具備したことを特徴とするものである。
【0011】本発明で使用される(イ)の成分であるポ
リエーテルスルホンは、平均分子量が 10000以上の下記
一般式で示されるものである。
【0012】
【化1】 (但し、式中、nは正の整数である。) 市販品を例示すると、たとえば三井東圧化学社製のビク
トレックス PES、住友化学社製のビクトレックス PES、
米国I.C.I社製のビクトレックス PES 200P 、 PES
300P (以上、いずれも商品名)などがあげられる。
【0013】(ロ)の成分のフェニレンビスオキサゾリ
ンは、下記化学式で示されるものである。
【0014】
【化2】 市販品を例示すると、たとえば武田薬品工業社製の 1,3
-PBO(商品名)などがあげられる。
【0015】(ハ)の成分のビスマレイミドは、下記一
般式で示されるものであり、なかでも、xが -CH2 - 基
のものが好適する。
【0016】
【化3】 (但し、式中、xは-O-,-S-, -SO2 - または -CH2 - で
ある。) 市販品を例示すると、たとえば三井東圧化学社製の BMI
(商品名)などがあげられる。
【0017】また、ポリシアネートとしては、ビスフェ
ノールAジシアネートや、その三量体、五量体、七量体
などがあげられる。なかでもビスフェノールAジシアネ
ートが好適する。市販品を例示すると、たとえば上記の
ビスマレイミドとの混合物として三菱瓦斯化学社製の B
T レジン(商品名)などがあげられる。
【0018】また、芳香族ジアミンとしては、 4,4′-
ジアミノジフェニルメタン(DAM)、 4,4′- ジアミ
ノジフェニルプロパン、 4,4′- ジアミノジフェニルエ
ーテル、ベンチジン、 4,4′- ジアミノジフェニルスル
フィド、 3,3′- ジアミノジフェニルスルホン、 4,4′
- ジアミノジフェニルスルホン、m-トルイレンジアミ
ン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、
2,6- ジアミノピリジン、ビス(4-アミノフェニル)ジ
エチルシランなどがあげられ、なかでも 4,4′- ジアミ
ノジフェニルメタンが好適する。市販品を例示すると、
たとえば三井東圧化学社製の MDA-220(商品名)などが
あり、また、ビスマレイミドとDAMの混合物としてチ
バガイギー社製のケルイミド 601(商品名)などがあ
る。
【0019】さらに、エポキシ化合物としては、分子中
に少なくとも 2個以上のエポキシ基を有するものが好適
し、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂などが使
用される。市販品を例示すると、たとえばシェル社製の
エピコート1007(商品名)、東都化成社製のエピトート
YB-017 (商品名)などがあげられる。
【0020】これらの(ハ)の成分のビスマレイミド、
ポリシアネート、芳香族ジアミン、およびエポキシ化合
物は、それぞれを単独で使用してもよく、あるいは 2種
以上を混合して使用してもよい。
【0021】上記(ロ)のフェニレンビスオキサゾリン
は、融着のための加熱条件を緩和する効果を有する。す
なわち、(イ)のポリエーテルスルホンのみでは、高温
時の接着力に優れるものの、融着には高温での加熱を必
要とする。しかしながら、(ロ)のフェニレンビスオキ
サゾリンを配合することにより、低い加熱温度で融着す
ることが可能になり、しかも高温時の接着力を低下させ
ることもない。また、(ロ)のフェニレンビスオキサゾ
リンは、塗膜の可とう性を向上させる効果を併せ有す
る。すなわち、(イ)のポリエーテルスルホンに(ロ)
のフェニレンビスオキサゾリンを配合した塗料は、低い
加熱温度で融着可能で、しかも、耐熱性に優れ、かつ可
とう性にも優れた塗膜が形成される。さらに、このよう
な(イ)および(ロ)の成分に上記(ハ)の成分を配合
することにより、高温時の接着力をさらに高めることが
できる。なお、(ハ)の成分も、融着のための加熱条件
を緩和する効果を有し、(イ)のポリエーテルスルホン
に配合することにより、高温時の接着力を低下させるこ
となく、融着条件を緩和することができるが、塗膜の可
とう性がやや不十分となる。
【0022】上記効果を得るための(ロ)の成分のフェ
ニレンビスオキサゾリンの配合量は、(イ)の成分のポ
リエーテルスルホン 100重量部あたり、 2〜300 重量部
であり、より好ましくは 5〜200 重量部である。また、
(ハ)の成分を配合する場合は、(イ)の成分のポリエ
ーテルスルホン 100重量部あたり、(ロ)の成分のフェ
ニレンビスオキサゾリンと、(ハ)の成分のビスマレイ
ミドとポリシアネート、芳香族ジアミンおよびエポキシ
化合物の群より選ばれた 1種以上との合計量が2〜300
重量部であって、かつ(ロ)の成分と(ハ)の成分の配
合比が重量比で1:49 〜49 :1 の範囲である。より好ま
しくは(ロ)の成分と(ハ)の成分の合計量が(イ)の
成分 100重量部あたり 5〜200 重量部の範囲であって、
(ロ)の成分と(ハ)の成分の配合比が重量比で 1:19
〜19 :1 の範囲である。
【0023】なお、上記各成分を溶解または分散させる
有機溶剤としては、クレゾール、キシレノール、フェノ
ールなどのフェノール系溶剤、N-メチル-2- ピロリド
ン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホル
ムアミドなどの含窒素系溶剤、シクロヘキサノン、メチ
ルエチルケトン、メチルヘキサノン、アセトフェノンな
どのケトン系溶剤、メチルカルビトール、カルビトー
ル、メチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブ、
イソプロピルベンジルアルコールなどのアルコール系溶
剤、ベンゼン、キシレン、トルエン、ソルベントナフサ
などの炭化水素系溶剤などがあげられ、これらは 1種を
単独で使用してもよく、2 種以上を混合して使用しても
よい。
【0024】本発明の自己融着性絶縁電線は、上記有機
溶剤に前記(イ)および(ロ)の各成分、またはこれら
にさらに(ハ)の成分を溶解させた塗料を、導体上に直
接あるいは他の絶縁層を介して塗布し、加熱乾燥するこ
とにより得られる。加熱温度は、 250〜450 ℃程度が適
当で、(ロ)の成分、または(ロ)の成分と(ハ)の成
分が反応してこれらの低分子重合体が得られ、半硬化状
態の塗膜が形成される。
【0025】なお、他の絶縁層を介して設ける場合、他
の絶縁層は、絶縁電線用塗料を導体上に塗布し、これが
完全硬化するまで焼付けて形成する。絶縁電線用塗料と
しては、耐熱性に優れたものが好ましく、ホルマール樹
脂、エポキシウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエ
ステルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド
樹脂などの公知の塗料のほか、前記の融着層形成用の塗
料などが好適に使用される。
【0026】このようにして得られた本発明の自己融着
性絶縁電線は、コイル成形後、150〜240 ℃程度(通
常、150 〜200 ℃の温度範囲で十分である。)の温度で
20〜30分間加熱することにより表面が軟化し、十分な強
度をもって一体に融着する。そして、その接着力は、高
温時でも大きく低下することはない。
【0027】本発明の自己融着性絶縁電線は、このよう
に、比較的低い温度の加熱で強固に融着し、しかも、高
温時でも優れた接着力が保持されるため、耐熱性が要求
される用途、たとえばトランス用コイル、耐熱機器の回
転電機用コイルなどに有用で、自動車の電気制動および
補助加速を行なうための回転電機用コイルのように、極
めて過酷なヒートサイクルが負荷される用途にも適用可
能である。
【0028】
【作用】このように本発明の自己融着性絶縁電線におい
ては、融着層が、ポリエーテルスルホンと、フェニレン
ビスオキサゾリン、あるいは、ポリエーテルスルホン
と、フェニレンビスオキサゾリン、およびビスマレイミ
ド、ポリシアネート、芳香族ジアミンおよびエポキシ化
合物の群より選ばれた 1種以上とを主体とする塗料を塗
布乾燥して形成されたものであるため、比較的低い温度
の加熱で融着することができ、しかも、高温時の接着力
にも優れている。また、可とう性が良好であるため、巻
線性にも優れている。
【0029】また、本発明の回転電機は、上記自己融着
性絶縁電線が用いられているので、耐熱性に優れたもの
となり、過酷なヒートサイクルが負荷される自動車の電
気制動および補助加速を行う装置の回転電機としても、
十分に実用に耐えることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載する。 実施例1〜14 ポリエーテルスルホンのビクトレックス PESと、フェニ
レンビスオキサゾリンの 1,3-PBOと、ビスマレイミドの
BMIと、ビスマレイミドとポリシアネートのビスフェノ
ールAジシアネートとを混合した BT レジンと、ビスマ
レイミドと芳香族ジアミンのDAMとを混合したケルイ
ミド 601と、エポキシ化合物のエピコート1007、さらに
芳香族ジアミンのDAMおよび MDA-220を用い、これら
を有機溶剤DMACに溶解して表1に示す組成の各種塗
料を調製した。次いで、これらの各塗料を、 0.3mmφの
ポリエステルイミド線( 0.3mmφの銅線上にポリエステ
ルイミド塗料を20μm厚に塗布焼付けたもの)に塗布
し、炉長3mの焼付機を用いてDV値(線径×線速)18
〜21、温度 320〜370 ℃の条件で焼付けして、塗膜厚10
μmの自己融着性絶縁電線を得た。
【0031】次いで、得られた自己融着性絶縁電線の可
とう性と、常温および高温雰囲気下での接着力を測定し
た。可とう性は、JIS C 3003に準拠して行い、同一巻枠
から長さ35cmの試験片 3本を採取し、それぞれについて
標線距離 250mmとして 300mm/min以下の引張速さで伸ば
したときに自己融着層に亀裂を生じないかを15倍拡大鏡
で調べた。また、接着力の測定は、ASTM D-2519 に準拠
して行い、まず自己融着性絶縁電線を直径 5mmのマンド
レルに巻き付けて長さ約70mmのヘリカコイルを作成し、
160℃、 180℃、 200℃、 220℃の温度でそれぞれ30分
間加熱した試料について、常温で、支点間距離44.4mm、
速度20mm/minの条件で折り曲げ試験を行って、各融着条
件による常温での接着力を測定した。また、同様に作成
したヘリカコイルを 200℃の温度で30分間加熱した試料
について、 120℃、 140℃、 160℃、 180℃の温度雰囲
気で、常温の場合と同じ条件で折り曲げ試験を行い、そ
れぞれの温度雰囲気における接着力を測定した。これら
の結果を、表1および表2に示す。
【0032】なお、表2中、比較例として示したのは、
比較例1が、ポリエーテルスルホンのみをポリエステル
イミド線上に塗布焼付けた例、比較例2が、ポリエーテ
ルスルホンに BT レジンのみを配合し有機溶剤に溶解し
て調製した塗料をポリエステルイミド線上に塗布焼付け
た例、比較例3は、フェノキシ樹脂塗料 ISOPOXY 506K
(日触スケネクタディ社製 商品名)を単独で塗布焼付
けた自己融着性絶縁電線の例、比較例4は、共重合ポリ
アミド樹脂塗料 TCV-U2 (東特塗料社製 商品名)を単
独で塗布焼付けた自己融着性絶縁電線の例、さらに比較
例5は、芳香族ポリエステル樹脂塗料 U-100(ユニチカ
社製 商品名)を単独で塗布焼付けた自己融着性絶縁電
線の例で、いずれも本発明との比較のために示したもの
である。なお、比較例3〜5の接着力は、それぞれ 180
℃で10分間、 180℃で10分間、250℃で30分間加熱融着
させたものについて測定したものである。
【0033】
【表1】
【表2】 これらの表からも明らかなように、本発明の自己融着性
絶縁電線は、低い温度の融着条件でも、十分な接着力が
得られており、かつ、高温時の接着力にも優れている。
また、可とう性も良好である。
【0034】次に、得られた上記各実施例の自己融着性
絶縁電線を用いて回転電機を作製した。すなわち、磁性
鋼板を積層した鉄心上に、アラミド紙およびポリイミド
フィルムからなる所定のスロット絶縁を介して巻回し、
230℃で 2時間加熱して、線間を一体に融着させた。
【0035】続いて、このようにして作製した回転電機
を、自動車の電気制動および補助加速を行なう電気制動
および補助加速装置の回転電機として装着し、その性能
を試験したところ、実用に十分に耐えるものであること
が確認された。
【0036】また、自動車の内燃機関をモータで構成し
た模擬装置に、上記の回転電機を組み込んで、次のよう
な自動車の模擬走行試験を行った。すなわち、交流モー
タにより商用電源での周波数による回転数でモータを駆
動し、発電モードでコイル取付の熱電対の温度が 200℃
になるまで発電し、 200℃到達後は発電モードを切り、
常温まで冷却させた後、再度発電を繰り返すことによ
り、 200℃→常温→ 200℃のヒートサイクルを実際の自
動車のヒートサイクルの頻度で繰り返した。なお、この
用途では、一般にインバータで回転電機の制御を行うの
で通常の電圧の他にインバータより発生する転流サージ
電圧も加わり、絶縁皮膜にとって、実際にはさらに厳し
い条件となる。したがって、この模擬走行試験において
も、これら実際の条件を具現化するためインバータを使
用して行った。結果は、いずれの回転電機を用いたもの
であっても、この過酷な運転試験で絶縁の異常は見られ
ず、試験終了後の絶縁破壊試験においても、絶縁破壊電
圧は、線間、相間、対地間とも、運転時に加わる電圧の
4倍以上の強さがあった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低い温度で融着させることができるので、作業性に優
れ、かつ加工の際に主絶縁層の劣化を招くことがなく、
そのうえ、高温時の接着力にも優れた自己融着性絶縁電
線を提供することができる。また、したがって、自己融
着性絶縁電線を用いて、耐熱性や耐ヒートサイクル性が
要求される用途、たとえば自動車の電気制動および補助
加速装置に用いる回転電機を実現することが可能とな
る。
【0038】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 3/30 H01B 3/30 M H02K 15/12 H02K 15/12 C // H02K 3/32 3/32 (72)発明者 下平 和夫 神奈川県川崎市川崎区小田栄2丁目1番 1号 昭和電線電纜株式会社内 (72)発明者 三井 久安 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株 式会社東芝 京浜事業所内 (56)参考文献 特開 昭62−91556(JP,A) 特開 昭50−52580(JP,A) 特開 昭52−31393(JP,A) 特開 平7−122120(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/02 C09D 163/00 C09D 171/10 C09D 179/00 C09D 181/06 H01B 3/30 H02K 15/12 H02K 3/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上に直接または他の絶縁層を介し
    て、(イ)ポリエーテルスルホンと、(ロ)フェニレン
    ビスオキサゾリンとを有機溶剤に溶解してなる塗料を塗
    布乾燥してなることを特徴とする自己融着性絶縁電線。
  2. 【請求項2】 導体上に直接または他の絶縁層を介し
    て、(イ)ポリエーテルスルホンと、(ロ)フェニレン
    ビスオキサゾリン、および(ハ)ビスマレイミド、ポリ
    シアネート、芳香族ジアミンおよびエポキシ化合物の群
    より選ばれた 1種以上とを有機溶剤に溶解してなる塗料
    を塗布乾燥してなることを特徴とする自己融着性絶縁電
    線。
  3. 【請求項3】 コイル芯上に、請求項1記載の自己融着
    性絶縁電線を巻回し一体に熱融着してなる絶縁コイルを
    具備したことを特徴とする回転電機。
  4. 【請求項4】 コイル芯上に、請求項2記載の自己融着
    性絶縁電線を巻回し一体に熱融着してなる絶縁コイルを
    具備したことを特徴とする回転電機。
  5. 【請求項5】 自動車の内燃機関の主軸に直結されて自
    動車の電気制動および補助加速を行なう回転電機であっ
    て、コイル芯上に、請求項1記載の自己融着性絶縁電線
    を巻回し一体に熱融着してなる絶縁コイルを具備したこ
    とを特徴とする回転電機。
  6. 【請求項6】 自動車の内燃機関の主軸に直結されて自
    動車の電気制動および補助加速を行なう回転電機であっ
    て、コイル芯上に、請求項2記載の自己融着性絶縁電線
    を巻回し一体に熱融着してなる絶縁コイルを具備したこ
    とを特徴とする回転電機。
JP14995094A 1994-06-30 1994-06-30 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機 Expired - Fee Related JP3364007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14995094A JP3364007B2 (ja) 1994-06-30 1994-06-30 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14995094A JP3364007B2 (ja) 1994-06-30 1994-06-30 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0817252A JPH0817252A (ja) 1996-01-19
JP3364007B2 true JP3364007B2 (ja) 2003-01-08

Family

ID=15486134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14995094A Expired - Fee Related JP3364007B2 (ja) 1994-06-30 1994-06-30 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3364007B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0817252A (ja) 1996-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4537804A (en) Corona-resistant wire enamel compositions and conductors insulated therewith
US4546041A (en) Corona-resistant wire enamel compositions and conductors insulated therewith
US4493873A (en) Corona-resistant wire enamel compositions and conductors insulated therewith
JPH05130759A (ja) 回転電機巻線の絶縁方法
CN105048681A (zh) 一种核电机组用电机绝缘系统
JP5351011B2 (ja) 絶縁電線、電機コイル及びモータ
JP3164949B2 (ja) 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機
JP3364007B2 (ja) 自己融着性絶縁電線およびそれを用いた回転電機
JP3724922B2 (ja) ポリイミド系絶縁塗料及び絶縁電線
JPH0368490B2 (ja)
JP2011159578A (ja) 絶縁電線及びそれを用いた電機コイル、モータ
JP3325745B2 (ja) 自己融着性絶縁電線
JPH0473242B2 (ja)
JP2956218B2 (ja) 回転電機の絶縁構造
KR102060672B1 (ko) 경화성 에폭시수지와 고내열성 고분자를 이용한 코일용 셀프본딩성 탑코팅제 소재 및 이의 제조방법
JP2012097177A (ja) ポリアミドイミドワニス及びそれを用いた絶縁電線、電気コイル、モータ
JP2012048922A (ja) 絶縁電線及びそれを用いた電機コイル、モータ
JP3035154B2 (ja) 銅導体との密着性を強めたエナメル銅線
JP4794719B2 (ja) 自己融着性絶縁電線
JP2968641B2 (ja) 絶縁電線
JP2012051966A (ja) エポキシ変性ポリフェニレンエーテル及びそれを用いた絶縁電線、電機コイル、モータ
JP4360566B2 (ja) 絶縁電線及びそれを用いたコイルの製造方法
JPH0773746A (ja) 自己融着性絶縁電線
CA1208325A (en) Corona-resistant wire enamel compositions and conductors insulated therewith
JPH02270211A (ja) 自己融着性絶縁電線

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20021015

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees