JP2768966B2 - 自己融着性絶縁電線 - Google Patents

自己融着性絶縁電線

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JP2768966B2
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宏明 中村
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昭和電線電纜株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は、自己潤滑性に優れる自己融着性絶縁電線に
関する。
(従来の技術) 従来から電気機器、通信機器のコイル成型工程におけ
る省力化、簡略化、あるいは機器等のワニス含浸処理工
程における安全衛生および環境汚染対策の見地から、導
体上に絶縁物層を介して熱融着性の塗膜を設けてなるい
わゆる自己融着性絶縁電線が使用されている。
この自己融着性絶縁電線の熱融着層としては、ポリビ
ニールブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹
脂等が多用されているが、このような熱可塑性樹脂は、
150℃までに軟化してしまうので、実際上コイルに過負
荷電流が流れた場合や、高温雰囲気中に置かれた場合に
融着強度が著るしく低下(例えば、80℃で半分以下)し
てしまうという難点があった。
また、アルコール可溶性ナイロン樹脂は高温におい
て、高い接着力を有しているが、実際の使用にあたって
その絶縁電線の温度に対する寿命である接着層の熱劣化
特性は105℃程度と低い。
さらに、ポリスルホン樹脂は高温における接着力は問
題ないがコイル成形時に十分な接着力を保持するために
は250℃以上の高温で長時間の作業を必要とし、作業性
が悪いという欠点を有している。
本出願人は、耐熱性、自己融着性に優れる組成物につ
いて研究を重ねた結果、ポリアリレート樹脂を用いたも
の(特開昭59−60906号)、および2・2′(1・3−
フェニレン)ビス(2−オキサゾリン)(以下PBOと略
す)を配合したもの(特開昭60−233947号)が優れた効
果を生むことを見い出している。しかしながら、これら
の組成物は自己潤滑性が充分でなく、得られる絶縁電線
の作業性、耐摩耗性に問題があった。
エナメル線等の巻線作業を迅速化させるため、近年で
は高速自動巻線機の使用が一般化している。このような
機械巻きにおいては、エナメル線の自己潤滑性が良好で
ないと、不要な張力等がかかり、得られる製品の電気特
性が著しく低下する。このため、絶縁電線に張力等に対
する良好な機械特性を付与する目的で、2重被覆層の外
層にナイロン樹脂を用いる方法がとられているが、この
方法では耐熱性が著しく低下してしまうという欠点があ
った。また、絶縁電線の被覆層にシリコーンオイルを添
加した組成物を用いる方法もあるが、シリコーンオイル
の添加量は得られる被覆層の外観が悪くなること等から
制限されるため、耐加工性は不充分であった。
(発明が解決しようとする課題) 以上の点に着目し、耐熱性、自己融着性が良好で、か
つ耐加工性、自己潤滑性に優れる自己融着性絶縁電線を
提供することを目的とした。
(課題を解決するための手段) 本発明は即ち、(イ)フェノキシ樹脂と、(ロ)2・
2′−(1・3−フェニレン)ビス(2−オキサゾリ
ン)あるいはその誘導体との混合物に、(ハ)エチレン
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体粉末および
(ニ)ポリエチレン粉末を配合した塗料からなる被覆層
を、導体上に直接あるいは他の絶縁層を介して設けてな
る自己融着性絶縁電線に関する。
本発明の自己融着性絶縁電線は、上記(イ)及び
(ロ)成分を用いることにより、耐熱性と自己融着性に
優れ、さらに(ハ)及び(ニ)の樹脂粉末を併用するこ
とにより、自己潤滑性を大巾に向上させ、巻線作業を容
易に行うことができる。
本発明に使用される(イ)のフェノキシ樹脂として
は、分子中に水酸基を含有する化合物であり、分子量2
0,000〜30,000の例えば、PKHH、PKHJ(米国ユニオンカ
ーバイド社製:商品名)等がある。
本発明に使用される(ロ)のPBOは、 の構造を有し、酸又は活性水素を有する化合物とオキサ
ゾリン環が開環反応を起し、副生物を生成することなく
エステルアミド結合で三次元架橋構造を形成する性質を
有している。
また、PBOの誘導体は、PBOと多価カルボン酸とを無溶
剤または溶媒中でトリフェニレンホスファイトを触媒と
して少くとも100℃以上の温度で反応させることにより
得られる。PBOと反応させる多価カルボン酸は、PBOとの
開環反応およびエポキシ樹脂との硬化反応に寄与するも
ので、本発明に使用するものとしては、テレフタル酸、
無水マレイン酸等の二塩基酸や二塩基酸無水物、トリメ
リット酸等の三塩基酸やその無水物、ピロメリット酸等
の四塩基酸やその無水物等がある。
本発明における前記(イ)及び(ロ)の配合割合は、
(イ)のフェノキシ樹脂100重量部に対し、(ロ)のPBO
が0.1〜50重量部が望ましく、この配合割合の範囲外で
は、熱軟化温度が低下したり融着力が低下したりする。
また、本発明においては前記(イ)及び(ロ)の樹脂
に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂の少
くとも1種を併用することにより、得られる塗料による
被覆層の熱軟化温度を向上させることができる。エポキ
シ樹脂、あるいはフェノール系樹脂および/又はメラミ
ン樹脂の配合割合は、(イ)のフェノキシ樹脂100重量
部に対して1〜100重量部が望ましい。使用できるエポ
キシ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上含有
する化合物であり、例えばビスフェノール型エポキシ樹
脂、ポリオール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、多価カルボン酸型エポキシ樹脂、トリアジン型エ
ポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、脂環型エ
ポキシ樹脂のいずれも使用することができる。使用でき
るフェノール系樹脂としては、フェノール−ホルムアル
デヒド樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、クレ
ゾール−フルフラール樹脂等が、メラミン樹脂として
は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミ
ン樹脂等がある。
本発明においては得られる自己融着性絶縁電線の自己
潤滑性の効果を大きくする目的で(ハ)のエチレン−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体粉末と(ニ)ポリ
エチレン粉末とを併用して配合する。(ハ)のみを単独
で添加しても充分な自己潤滑性が得られず、又(ニ)の
粉末のみを単独で添加すると塗料の安定性が悪くなる。
これらの樹脂粉末は平均粒径が20μm以下の公知のもの
を使用することができるが、特に(ハ)の酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体としては、ビニルアルコール
基0.5〜15モル%含有するものを配合すると、自己潤滑
性向上の効果はさらに好ましくなる。具体的には、
(ハ)として「デュミラン」D299、デュミランD251S、
デュミランC1590(武田薬品工業社製 商品名)、
(ニ)として「三井ハイワックス210P」(三井石油化学
工業製 商品名)等がある。(ハ)及び(ニ)の配合割
合は、前記(イ)と(ロ)、あるいはこれらにエポキシ
樹脂、フェノール系樹脂、メラミン樹脂を混合したも
の、の樹脂分100重量部に対して、(ハ)と(ニ)の合
計で0.1〜20重量部が望ましい。配合量が0.1重量部未満
では自己潤滑性の効果の向上が小さく、又20重量部を越
えると得られる電線の外観が悪くなり、耐熱性や塗料の
安定性が低下する。
なお、本発明において上述の各成分を混合する際に用
いる溶剤としては、クレゾール、ナフサ、シクロヘキサ
ノン等があり、これらは単独で、あるいは混合して使用
する。
本発明の自己融着性絶縁電線は、各成分を溶剤ととも
に混合して得た塗料を、導体上に直接もしくは他の絶縁
物を介して塗布し、通常の方法で焼付けることにより製
造する。
(実施例) 本発明の実施例について説明する。
実施例1〜4 表に示す配合で各成分を溶剤とともに混合し、充分撹
拌して塗料を得た。直径1.0mm導線上に0.04mmのポリエ
ステルイミド被覆を設けてなるエナメル線上に、得られ
た塗料を塗布し、炉温400℃、線速14m/分で焼付けた。
得られた自己融着性絶縁電線を用いて次のとおり試験を
行った。
融着力は、6.4mm直径のマンドレルに得られた自己融
着性絶縁電線を50回巻き付けたコイルを、240℃×30分
加熱して融着硬化させた後の融着力を室温及び80℃で測
定した。自己潤滑性は静摩擦試験機を用いて静摩擦係数
を測定した。
比較例1〜2 表に示す割合で、実施例1と同様にして塗料を製造
し、焼付けて絶縁電線を得、同様にして試験した。
結果を表に示す。
(発明の効果) 本発明の自己融着性絶縁電線は、融着性、耐熱性を低
下させることなく、自己潤滑性を大幅に向上させ、機械
巻作業等に充分耐え得る特性を持つ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)フェノキシ樹脂と、(ロ)2・2′
    −(1・3−フェニレン)ビス(2−オキサゾリン)あ
    るいはその誘導体との混合物に、(ハ)エチレン−酢酸
    ビニル−ビニルアルコール共重合体粉末および(ニ)ポ
    リエチレン粉末を配合した塗料からなる被覆層を、導体
    上に直接あるいは他の絶縁層を介して設けてなる自己融
    着性絶縁電線。
JP4897589A 1989-02-28 1989-02-28 自己融着性絶縁電線 Expired - Lifetime JP2768966B2 (ja)

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JP5384003B2 (ja) * 2007-12-14 2014-01-08 東特塗料株式会社 耐コロナ性電気絶縁電線

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