JPH0733765A - カルボスチリル誘導体 - Google Patents

カルボスチリル誘導体

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JPH0733765A
JPH0733765A JP6103973A JP10397394A JPH0733765A JP H0733765 A JPH0733765 A JP H0733765A JP 6103973 A JP6103973 A JP 6103973A JP 10397394 A JP10397394 A JP 10397394A JP H0733765 A JPH0733765 A JP H0733765A
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哲之 宇野
Yoshio Shu
吉男 朱
Katsumi Tamura
克己 田村
Minoru Okada
岡田  稔
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    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は、血小板粘着抑制剤として有用なカ
ルボスチリル誘導体を提供することを目的とする。 【構成】 一般式(1)で示されるカルボスチリル誘導
体又はその塩および当該化合物又はその塩を含む血小板
粘着抑制剤。 〔式中、R1 は水素原子、弗素原子、又はメチル基を示
す。Rは基 (R2 はメチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基
を示す。)又は基 (R3 は弗素原子を示す。pは2又は3を示す。)を示
す。nは2又は3を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なカルボスチリル誘
導体に関する。
【0002】
【発明の開示】本発明のカルボスチリル誘導体は、下記
一般式(1)で表わされる。
【0003】
【化8】
【0004】〔式中、R1 は水素原子、弗素原子、又は
メチル基を示す。Rは基
【0005】
【化9】
【0006】(R2 はメチル基、トリフルオロメチル基
又はニトロ基を示す。)又は基
【0007】
【化10】
【0008】(R3 は弗素原子を示す。pは2又は3を
示す。)を示す。nは2又は3を示す。〕本発明のカル
ボスチリル誘導体は、強い血小板粘着抑制作用を有し、
また心循環作用等の副作用が少ない特徴を有しており、
動脈硬化性疾患及び血栓性疾患の治療、予防に有用であ
る。
【0009】動脈硬化は動脈壁の肥厚、硬化、改築を伴
う動脈の病変であり、血栓症を合併することが多く、動
脈内腔の狭搾、閉塞により脳、心臓、末梢等の各種臓器
組織に虚血性病変をもたらす。動脈硬化の発生、進展に
おいて、血小板が大きく関与していることはよく知られ
ている(例えば、Russell Rossら,Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,71巻,1
207頁,1974年、Russell Rossら,
New Engl.J.Med.314巻,488頁,
1986年)。動脈硬化発生の第一段階は高血圧、高脂
血症、喫煙、ホルモン、細菌やセロトニン、スロンボキ
サンA2 等の障害因子により内皮細胞が剥離され障害さ
れた血管壁に血小板が粘着することである。またこの血
小板粘着は血栓形成の初期反応でもある。粘着した血小
板はフィブリノーゲンを介して他の血小板と凝集し、続
いて凝集した血小板内の顆粒よりスロンボキサンA2
セロトニン、ADPやPDGF(血小板由来増殖因子、
Platelet derived growth f
actor)等の生理活性物質が細胞外に放出される。
放出されたスロンボキサンA2 、セロトニンやADPは
内膜を障害し、またPDGFは中膜平滑筋細胞の内膜へ
の遊走、増殖を起こし、内膜を肥厚させて動脈硬化へと
進展させる。従って、血小板粘着抑制作用物質は動脈内
膜の肥厚を抑制、また血小板凝集を抑制することによ
り、動脈硬化性及び血栓症の虚血性疾患の治療、予防に
有用である。
【0010】現在、虚血性疾患治療剤として多くの抗血
小板剤が開発されているが、血小板の凝集を抑制する物
質であり、流血中の血栓形成は阻害するが、動脈内膜の
肥厚は抑制しない。本発明のカルボスチリル誘導体は、
血栓形成と動脈内膜の肥厚の両方を抑制し、血流の維持
改善をするものである。臨床適用としては、脳梗塞、一
過性脳虚血発作、脳動脈硬化症等の脳疾患、心筋梗塞、
狭心症等の心疾患、慢性動脈硬化症、バージャー病等の
末梢疾患、糸球体腎炎、腎性高血圧等の腎疾患等の治
療、予防に有用である。また人工血管移植術等の血行再
建術、PTA、PTCA、PTCR等の経皮的血管形成
術の再狭搾の予防や、人工透析時や人工臓器埋め込み
時、間欠性跛行、膠原病、糖尿病、振動病等における循
環改善、神経症状の改善にも使用できる。
【0011】特開昭63−45220号公報には、一般
【0012】
【化11】
【0013】〔式中Ra は窒素原子、酸素原子及び硫黄
原子からなる群から選ばれたヘテロ原子を1〜4個有す
る不飽和複素環残基を示す。該複素環上には、オキソ
基;チオ基;フェニル基;フェニル環上に低級アルキル
基、ハロ低級アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アミ
ノ基、低級アルキルアミノ基、カルボキシ基及び低級ア
ルコキシ基なる群から選ばれた置換基を1〜3個有する
フェニル基;シクロアルキル基;フェニルチオ基;低級
アルキル基;アミノ基、低級アルキルアミノ基及びカル
ボキシル基なる群から選ばれた置換基を1〜2個有する
低級アルキル基;アミノ基;水酸基;シアノ基;カルボ
キシル基;低級アルコキシカルボニル基;フェニル環上
に置換基として水酸基を有することのあるフェニル低級
アルキル基;フェニル環上に置換基として低級アルキル
基を有することのあるフェニルスルホニル基;低級アル
コキシ置換フェニル低級アルキル基;低級アルキルチオ
基;低級アルケニル基;低級アルコキシ基及びピリジル
基からなる群から選ばれた置換基を1〜3個有していて
もよい。Rb は水素原子、低級アルキル基又はフェニル
低級アルキル基を示す。Rc は水素原子、ハロゲン原
子、低級アルキルスルホニルオキシ基、低級アルコキシ
基又は水酸基を示す。Zは酸素原子、硫黄原子、基−C
O−、基−C(N−OH)−、基−C(ORd )−(R
d は水素原子又は低級アルキル基)又は基−NH−を示
す。Aは低級アルキレン基を示す。Yは酸素原子、硫黄
原子、基−SO−又は基−SO2 −を示す。mは0又は
1を示す。カルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間
結合は一重結合又は二重結合を示す。〕で表わされるカ
ルボスチリル誘導体又はその塩が血小板粘着抑制作用を
有し、動脈硬化症、虚血性心疾患、慢性動脈閉塞症、急
性又は慢性の腎炎等の治療及び予防薬として、或いは人
工透析時や人工臓器埋め込み時等に使用され得ることが
開示されている。
【0014】本発明の上記一般式(1)で表わされるカ
ルボスチリル誘導体には、上記公報に記載の化合物と化
学構造上類似している化合物が含まれているが、該公報
には本発明の化合物につき開示はなされていない。更に
本発明の化合物の血小板粘着抑制作用は、上記公報に記
載のカルボスチリル誘導体のうち本発明の化合物に最も
類似していると考えられる化合物のそれに比し、格段に
強いものである(後記薬理試験参照)。
【0015】本発明の化合物には、下記の化合物が包含
される。
【0016】(1) R1 が水素原子、Rが上記〔化9〕
で示される基である化合物 (2) R1 が水素原子、Rが上記〔化10〕で示される
基である化合物 (3) R1 が弗素原子、Rが上記〔化9〕で示される基
である化合物 (4) R1 が弗素原子、Rが上記〔化10〕で示される
基である化合物 (5) R1 がメチル基、Rが上記〔化9〕で示される基
である化合物 (6) R1 がメチル基、Rが上記〔化10〕で示される
基である化合物。
【0017】上記一般式(1)において、R1 としては
水素原子が特に好ましい。上記〔化9〕で示される基と
しては、2−メチルフェニル基、2−ニトロフェニル基
及び2−トリフルオロメチルフェニル基が特に好まし
い。上記〔化10〕で示される基としては、2,3,4
−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロ
フェニル基、2,4,5−トリフルオロフェニル基及び
2,4−ジフルオロフェニル基が特に好ましい。nは3
が特に好ましい。更に本発明の化合物には、ラセミ体、
S−(+)−体及びR−(−)−体が包含されている
が、S−(+)−体が特に好ましい。
【0018】上記一般式(1)で表わされるカルボスチ
リル誘導体は、種々の方法により製造され得るが、その
一例を示せば、例えば下記反応式で示される方法に従い
製造される。
【0019】
【化12】
【0020】〔式中R、R1 、及びnは前記に同じ。X
はハロゲン原子、低級アルカンスルホニルオキシ基、ア
リールスルホニルオキシ基又はアラルキルスルホニルオ
キシ基を示す。〕Xで示される低級アルカンスルホニル
オキシ基としては、具体的にはメタンスルホニルオキ
シ、エタンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキ
シ、イソプロパンスルホニルオキシ、ブタンスルホニル
オキシ、tert−ブタンスルホニルオキシ、ペンタン
スルホニルオキシ、ヘキサンスルホニルオキシ基等を例
示でき、アリールスルホニルオキシ基としては、具体的
にはフェニルスルホニルオキシ、4−メチルフェニルス
ルホニルオキシ、2−メチルフェニルスルホニルオキ
シ、4−ニトロフェニルスルホニルオキシ、4−メトキ
シフェニルスルホニルオキシ、3−クロロフェニルスル
ホニルオキシ、α−ナフチルスルホニルオキシ基等を例
示でき、またアラルキルスルホニルオキシ基としては、
具体的にはベンジルスルホニルオキシ、2−フェニルエ
チルスルホニルオキシ、4−フェニルブチルスルホニル
オキシ、4−メチルベンジルスルホニルオキシ、2−メ
チルベンジルスルホニルオキシ、4−ニトロベンジルス
ルホニルオキシ、4−メトキシベンジルスルホニルオキ
シ、3−クロロベンジルスルホニルオキシ、α−ナフチ
ルメチルスルホニルオキシ基等を例示でき、ハロゲン原
子としては、具体的には弗素原子、塩素原子、臭素原
子、沃素原子を例示できる。
【0021】一般式(2)の化合物と一般式(3)の化
合物との反応は、適当な溶媒中又は無溶媒下、塩基性化
合物の存在下に行なうことができる。塩基性化合物とし
ては、従来公知のものを広く使用でき、例えば水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸銀
等の無機塩基、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カ
リウム t−ブトキシド等のアルコラート、トリエチル
アミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミン、N−メチ
ルモルホリン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−
ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5(DBN)、
1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7
(DBU)、1,4−ジアザビシクロ〔2,2,2〕オ
クタン(DABCO)等の有機塩基を挙げることができ
る。また溶媒としては、反応に悪影響を与えない不活性
のものをいずれも使用でき、例えばメタノール、エタノ
ール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、
エチレングリコール等のアルコール類、ジメチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライム、
ジグライム等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル類のエステ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸ト
リアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒等が挙
げられる。また該反応は、沃化ナトリウム、沃化カリウ
ム等の金属沃化物の存在下に行なってもよい。上記反応
における化合物(2)と化合物(3)と化合物との使用
割合としては、特に制限がなく広い範囲から適宜選択し
得るが、通常前者に対して後者を等モル〜5倍モル程
度、好ましくは等モル〜3倍モル程度使用するのがよ
い。上記反応の反応温度も特に限定されないが、通常室
温〜200℃程度、好ましくは50〜150℃程度で行
なわれ、一般に5分〜30時間程度にて該反応は完結す
る。
【0022】化合物(4)の酸化反応は、酸化剤の存在
下適当な溶媒中にて行なわれる。ここで使用される酸化
剤としては、スルフィド基をスルホキシド基に酸化し得
るものである限り従来公知のものをいずれも使用でき、
例えば過蟻酸、過酢酸、過トリフルオロ酢酸、過安息香
酸、m−クロロ過安息香酸、o−カルボニル過安息香酸
等の過酸類、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、クメンヒドロペルオキシド等のアルキルヒドロペル
オキシド類とチタニウムテトライソプロポキシド等のチ
タニウムテトラアルコキシド類との組み合せ、重クロム
酸、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウム等の重
クロム酸塩、過マンガン酸、過マンガン酸ナトリウム、
過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩等を例示でき
る。また溶媒としては、水、蟻酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸等の有機酸、メタノール、エタノール等のアルコー
ル類、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン
等のハロゲン化炭化水素類やこれらの混合溶媒等を挙げ
ることができる。上記反応は、通常−20〜40℃、好
ましくは−20℃〜室温付近にて好適に進行し、一般に
0.5〜70時間程度で完了する。酸化剤の使用量は、
化合物(4)に対して通常少なくとも等モル、好ましく
は等モル〜1.5倍モル量程度とするのがよい。酸化剤
としてアルキルヒドロペルオキシド類及びチタニウムテ
トラアルコキシド類を用いる場合には、好ましくは等モ
ル〜5倍モル量程度使用するのがよい。
【0023】上記反応においては、反応系内にD−
(−)酒石酸ジエチル、L−(+)酒石酸ジエチル等の
光学活性な酒石酸ジアルキル類、バイナフトール等のナ
フトール類等の不斉誘導剤を添加することにより光学活
性な化合物(1)を高収率、高純度で得ることができ
る。光学活性な化合物(1)は、常法に従い何回も再結
晶を繰り返すことにより更に高純度の化合物(1)に導
かれ得る。上記不斉誘導剤の使用量は、化合物(4)に
対して等モル〜5倍モル程度とするのがよい。光学活性
な化合物(1)を得る時の酸化剤としては、特にアルキ
ルヒドロペルオキシド類とチタニウムテトラアルコキシ
ド類との組合わせを用いるのが好ましい。また、該酸化
剤を用いる時、モレキュラーシーブ又は水を化合物
(4)に対して0.1〜1当量添加すると、反応は有利
に進行する。
【0024】
【化13】
【0025】〔式中R1 、R2 、n及びXは前記に同
じ。R4 は塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示す。〕
化合物(2)と化合物(5)との反応及び化合物(6)
の酸化反応は、それぞれ前記反応式−1における化合物
(2)と化合物(3)との反応及び化合物(4)の酸化
反応と同様の条件下に行なわれる得る。
【0026】化合物(7)を化合物(1a)に導く反応
には、接触還元法を適用することができる。還元触媒と
しては、例えば酸化白金、白金、白金黒、パラジウム、
パラジウム黒、パラジウム炭素、ラネーニッケル等の通
常用いられる接触還元用触媒が用いられる。使用される
触媒の量は、化合物(7)に対して通常約0.02〜等
倍重量とするのがよい。この接触還元は、例えば水、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アル
コール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の
エーテル類等の溶媒中、通常1〜20気圧、好ましくは
1〜10気圧の水素雰囲気中でよく振り混ぜることによ
り行なわれる。該還元は、通常−30℃〜溶媒の沸点範
囲、好ましくは0〜100℃付近にて行なわれ、一般に
0.5〜20時間程度で終了する。該反応系内には、ト
リエチルアミン等の塩基性化合物を添加することにより
反応は有利に進行する。
【0027】化合物(7)は、化合物(1)を合成する
ための中間体として有用であり、例えば、光学活性な化
合物(7)を中間体として用いた場合には、好収率、好
純度で光学活性な化合物(1)を得ることができる。
【0028】
【化14】
【0029】〔式中R、R1 、n及びXは前記に同じ。
5 は水素原子又はナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属類を示す。〕化合物(8)と化合物(9)との反応
及び化合物(8)と化合物(10)の反応は、化合物
(8)の使用量を化合物(9)又は化合物(10)に対
して通常等モル〜5倍モル程度、好ましくは等モル〜2
倍モル程度とする以外は、前記反応式−1における化合
物(2)と化合物(3)との反応と同様の条件下に行な
われる。また化合物(4)の酸化反応については、前記
反応式−1において既に説明した通りである。
【0030】
【化15】
【0031】〔式中R、R1 及びnは前記に同じ。X1
はハロゲン原子又はアリールスルホニルオキシ基を示
す。R6 及びR7 はそれぞれ低級アルキル基を示す。〕
化合物(11)と化合物(12)との反応は、溶媒の存
在下に行なうことができる。使用される溶媒としては、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の
低級アルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン
(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル等のエーテル類、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド等
の極性溶剤を挙げることができる。上記反応は、より有
利には塩基性化合物を脱酸剤として用いて行なってもよ
い。該塩基性化合物としては、例えば炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン等の第三級アミン、ピリジ
ン、キノリン等を例示できる。化合物(11)の使用量
は化合物(12)に対して通常少なくとも等モル、好ま
しくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。反応温度は
通常常温〜150℃、好ましくは室温〜100℃とする
のがよく、一般に1.5〜15時間程度で反応は終了す
る。
【0032】引続き行なわれる加水分解反応は、例えば
水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等
のエーテル類等の溶媒中、塩酸、硫酸等の鉱酸の存在下
に、反応温度室温〜溶媒の沸点温度にて、30分〜15
時間処理することにより行なわれる。
【0033】化合物(13)とマロン酸(14)との反
応は、適当な溶媒中塩基性化合物の存在下に行なわれ
る。使用される溶媒としては、前記化合物(11)と化
合物(12)との反応で使用される溶媒を全て使用で
き、それに加えて、ピリジン等の極性溶媒も使用でき
る。該塩基性化合物としては、例えば炭酸カリウム、炭
酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ピペリジン、ピリジン、
キノリン等の有機塩基等を例示できる。化合物(13)
とマロン酸(14)の使用割合としては、前者に対して
後者を少なくとも等モル、通常2〜7倍モルとするのが
よい。反応は通常0〜200℃、好ましくは70〜15
0℃程度にて行なわれ、1〜10時間程度で反応は終了
する。
【0034】化合物(15)を化合物(1)に導く反応
は、例えば適当な溶媒中接触還元触媒を用いて還元する
ことにより行なわれる。使用される溶媒としては、例え
ば水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭
化水素類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の
エーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、
N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶
媒等が挙げられる。使用される接触還元触媒としては、
例えばパラジウム、パラジウム黒、パラジウム炭素、白
金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネ−ニッケル等が用い
られる。触媒の使用量としては、化合物(15)に対し
て0.02〜1倍重量とするのがよい。反応は、通常室
温〜200℃付近、好ましくは50〜150℃付近、水
素圧は1〜10気圧で行なわれ、反応は0.5〜10時
間程度で終了する。該反応系内にトリエチルアミン等の
塩基性化合物を添加すると反応は有利に進行する。
【0035】前記反応式−3及び−4において、化合物
(10)又は化合物(12)として光学活性な化合物を
用いると光学活性な化合物(1)に導くことができる。
【0036】上記核反応式において、出発原料として用
いられる化合物(3)、(5)、(9)、(10)及び
(12)はそれぞれ例えば以下に示す方法により製造さ
れる。
【0037】
【化16】
【0038】〔式中R、R2 、R4 、R6 及びR7 は前
記に同じ。〕化合物(16)を化合物(17)に導く反
応及び化合物(18)を化合物(19)に導く反応は、
適当な溶媒中チオホスゲンと反応させるか、適当な
溶媒中、塩基性化合物の存在下、二硫化炭素と反応させ
た後、引続き適当な溶媒中、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド、カルボニルイミダゾール等の脱水剤の存在下に
反応させることにより行なうことができる。
【0039】の方法で使用される溶媒としては、反応
に影響を与えないものであればいずれも使用可能であ
り、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール
等のアルコール類、クロロホルム、ジクロロメタン、四
塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオキサン、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルスル
ホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の極性溶媒
等を例示できる。該反応は、通常室温〜150℃、好ま
しくは室温〜100℃付近にて行なわれ、1〜10時間
程度で終了する。化合物(16)又は(18)の使用量
は、チオホスゲンに対して少なくとも等モル、好ましく
は等モル〜3倍モル量とするのがよい。
【0040】の方法で使用される溶媒としては、前記
で使用した溶媒をいずれも使用可能であるが、それに
加えて、ピリジン等の溶媒も使用可能である。また塩基
性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、水素化ナトリウム、金属ナトリウ
ム、金属カリウム、ナトリウムアミド等の無機塩基、
N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、ト
リエチルアミン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の有
機塩基等を例示できる。該反応は通常0〜100℃、好
ましくは0〜70℃にて行なわれ、一般に1〜15時間
程度で終了する。二硫化炭素の使用量としては、化合物
(16)又は(18)に対して通常等モル〜20倍モ
ル、好ましくは等モル〜10倍モル量とするのがよい。
【0041】引続き行なわれる脱水剤との反応で使用さ
れる溶媒としては、前記二硫化炭素と化合物(16)又
は(18)の反応で使用した溶媒をいずれも使用するこ
とができる。該反応は、通常0〜100℃、好ましくは
0〜70℃にて行なわれ、一般に1〜15時間程度で終
了する。脱水剤の使用量は、化合物(16)又は(1
8)に対して少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2
倍モル量とするのがよい。
【0042】化合物(17)と化合物(20)との反応
及び化合物(19)と化合物(20)との反応は、適当
な溶媒中又は無溶媒下に行なわれる。ここで使用される
溶媒としては、前記化合物(16)又は(18)を化合
物(17)又は(19)に導く反応での方法で例示さ
れた溶媒をいずれも使用可能である。該反応は、通常0
〜200℃、好ましくは、0〜150℃付近にて行なわ
れ、一般に5分〜5時間程度にて終了する。化合物(2
0)の使用量は、化合物(17)又は(19)に対して
少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量とす
るのがよい。
【0043】続く脱アルコール反応は、適当な溶媒中又
は無溶媒下、塩酸、硫酸等の鉱酸の存在下に、反応温度
室温〜150℃、好ましくは室温〜120℃付近で、1
0分〜10時間程度にて終了する。使用される溶媒とし
ては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール
等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類等又はこれらの混合溶媒等を例示で
きる。
【0044】
【化17】
【0045】〔式中R、n、X1 及びXは前記に同
じ。〕化合物(3)と化合物(21)の反応は、前記反
応式−1における化合物(2)と化合物(3)の反応と
同様の条件下に行なわれる。化合物(22)の酸化反応
は、前記反応式−1における化合物(4)の酸化反応と
同様の条件下に行なわれる。
【0046】化合物(22)を化合物(9)に導く反応
及び化合物(12)を化合物(10)に導く反応は、次
の通りである。例えば化合物(9)及び化合物(10)
においてXがハロゲン原子を示す場合は、ハロゲン化剤
の存在下、適当な溶媒中又は無溶媒下にて行なわれる。
ハロゲン化剤としては、塩酸、臭化水素酸等のハロゲン
化水素酸、N,N−ジエチル−1,2,2−トリクロロ
ビニルアミド、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リ
ン、チオニルクロリド等を例示できる。斯かるハロゲン
化剤の使用量としては、化合物(22)又は(12)に
対して少なくとも等モル、通常大過剰量とするのがよ
い。溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、クロロホル
ム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
類等を例示できる。上記反応は、通常−20〜150
℃、好ましくは−20〜80℃にて好適に進行し、一般
に10分〜6時間程度で完了する。
【0047】化合物(9)又は化合物(10)において
Xが低級アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホ
ニルオキシ基又はアラルキルスルホニルオキシ基を示す
場合には、化合物(22)又は化合物(12)と一般式
8 1 (23)(R8 は低級アルカンスルホニル
基、アリールスルホニル基又はアラルキルスルホニル基
を示す。X1 は前記に同じ。)で表わされる化合物とを
適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下に反応させること
により行なわれる。ここで使用される溶媒及び塩基性化
合物としては前記反応式−1における化合物(2)及び
(3)の反応で例示した溶媒及び塩基性化合物をいずれ
も使用することができる。この反応は、通常0〜200
℃、好ましくは0〜100℃付近にて行なわれ、一般に
5分〜10時間程度にて終了する。上記化合物(23)
の使用量は、化合物(22)又は(12)に対して少な
くとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量とするの
がよい。
【0048】斯くして得られる各々の行程での目的化合
物は、通常の分離手段により容易に単離精製することが
できる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、希釈
法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラテ
ィブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
【0049】本発明の化合物は、当然に光学異性体、立
体異性体を含有するものである。
【0050】本発明の化合物は通常、一般的な医薬製剤
の形態で用いられる。製剤は通常使用される充填剤、増
量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等
の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。この医薬
製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、
その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁
剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、
懸濁剤等)等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに際
しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使
用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ
糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶
セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロ
パノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラ
チン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メ
チルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリド
ン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、
カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグ
リセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリ
ン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級
アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促
進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸
着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ
チレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤
は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、
ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あ
るいは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形態
に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知
のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプ
ン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形
剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノ
ール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例
示できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体とし
て従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレン
グリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコー
ルのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙
げることができる。注射剤として調製される場合には、
液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であ
るのが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に
成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣
用されているものを全て使用でき、例えば水、乳酸水溶
液、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキ
シ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステ
アリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル類等を挙げることができる。なお、この場合
等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あ
るいはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、
また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加して
もよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味
剤、甘味剤等や他の医薬品を医薬製剤中に含有せしめて
もよい。ペースト、クリーム及びゲルの形態に成形する
に際しては、希釈剤として例えば白色ワセリン、パラフ
ィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレング
リコール、シリコン、ベントナイト等を使用できる。
【0051】本発明の医薬製剤中に含有されるべき一般
式(1)の化合物又はその塩の量は、特に限定されず広
範囲に適宜選択されるが、通常全組成物中1〜70重量
%とするのがよい。
【0052】本発明の医薬製剤の投与方法は特に制限は
なく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、
疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、
丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場
合には経口投与される。また注射剤の場合には単独であ
るいはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静
脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮
内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直
腸内投与される。
【0053】本発明の医薬製剤の投与量は用法、患者の
年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択
されるが、通常有効成分である一般式(1)の化合物又
はその塩の量は1日当り体重1kg当り約0.06〜1
00mgとするのがよく、該製剤は1日に2〜4回に分
けて投与することができる。
【0054】
【実施例】以下に製剤例、参考例、実施例及び薬理試験
を揚げる。
【0055】製剤例1 上記本発明の化合物、乳糖、コーンスターチ及び結晶セ
ルローズを充分混合し、メチルセルローズの5%水溶液
で顆粒化し、200メッシュの篩に通して注意深く乾燥
し、これを常法により打錠して錠剤1000錠を調製す
る。
【0056】製剤例2 上記成分を細かく粉末にし、均一な混合物になるように
充分攪拌したのち所望の寸法を有する経口投与用のゼラ
チンカプセルに充填し、カプセル1000個を調製す
る。
【0057】製剤例3 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナト
リウムを攪拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水に
溶解し、その溶液を40℃まで冷却し、本発明の化合
物、ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレエートをその溶液中に溶解し、その溶
液に注射用蒸留水を加えて最終の容量に調製し、適当な
フィルターペーパーを用いて滅菌濾過することにより滅
菌して注射剤を調製する。
【0058】参考例1 2−ニトロアニリン22g及びチオホスゲン6.6ml
をベンゼン200mlに加え2時間加熱還流する。冷
後、析出晶を濾去、母液を濃縮する。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチ
ル:n−ヘキサン=0:1→1:10)にて精製して
8.0gの2−ニトロフェニルイソチオシアネートを得
る。
【0059】1 H−NMR(CDCl3 )δppm;
7.35−7.50(2H,m)、7.63(1H,
m)、8.09(1H,d,J=8Hz)。
【0060】参考例2 ピリジン800mlに二硫化炭素275ml及びトリエ
チルアミン93mlを溶かし、この溶液に4−ブロモ−
2−メチルアニリン125gを加え、室温にて一晩攪拌
した。次に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)138.5gを加え、さらに一晩攪拌の後、
ピリジンを留去して、n−ヘキサンを加えた。析出した
DC−チオウレアを濾去し、濾液を濃縮してシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン)に
より精製して138gの4−ブロモ−2−メチルフェニ
ルイソチオシアネートを得た。
【0061】白色針状晶、m.p.43〜45℃。
【0062】参考例3 参考例2と同様にして2,4−ジフルオロアニリン10
0ml、トリエチルアミン138ml、二硫化炭素40
0ml、ピリジン500ml及びDCC206gを用い
て、2,4−ジフルオロフェニルイソチオシアネート1
47gを得た。
【0063】無色油状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;6.8−7.0
(2H,m)、7.17(1H,m)。
【0064】参考例4 4−ブロモ−2−メチルフェニルイソチオシアネート1
38gに2,2−ジエトキシエチルアミン105.5m
lを氷冷下滴下した。10分間攪拌の後、更に100℃
で10分間加熱攪拌した。放冷の後、8N塩酸500m
lを加え、2時間還流した。析出晶を濾取して、十分水
洗をした後、乾燥して、1−(4−ブロモ−2−メチル
フェニル)−2−メルカプトイミダゾール110gを得
た。
【0065】白色柱状晶、m.p.241℃(分解)。
【0066】参考例5 2,4−ジフルオロフェニルイソチオシアネート147
g、2,2−ジエトキシエチルアミン150ml及び6
N塩酸150mlを用いて、参考例4と同様にして、1
−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−メルカプトイ
ミダゾール118gを得た。
【0067】白色粉末状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;6.91(1
H,s)、6.94(1H,s)、7.0−7.2(2
H,m)、7.7(1H,m)。
【0068】参考例6 2−ニトロフェニルイソチオシアネート6g、2,2−
ジエトキシエチルアミン5.8ml及び6N塩酸100
mlを用いて、参考例4と同様にして、1−(2−ニト
ロフェニル)−2−メルカブトイミダゾール2.5gを
得た。
【0069】1 H−NMR(DMSO−d6 )δpp
m;7.12(1H,s)、7.32(1H,s)、
7.61(1H,d,J=7Hz)、7.74(1H,
dd,J=7,8Hz)、7.90(1H,dd,J=
7,8Hz)、8.16(1H,d,J=8Hz)。
【0070】参考例7 6−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロカル
ボスチリル89gと1−(4−ブロモ−2−メチルフェ
ニル)−2−メルカプトイミダゾール110gをジメチ
ルホルムアミド300mlに溶かし、この溶液に室温に
て炭酸カリウム66.7gを徐々に加えた。80℃にて
2時間加熱攪拌し、反応終了後、酢酸エチルにて抽出し
た。油層を十分水洗した後、飽和食塩水で洗浄、油層を
硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を留去した。得られ
た褐色のオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液;クロロホルム:メタノール=50:1)にて
精製し、得られた粗結晶をエタノールにて再結晶して6
−{3−〔1−(2−メチル−4−ブロモフェニル)−
2−イミダゾリルチオ〕プロポキシ}−3,4−ジヒド
ロカルボスチリル118gを得た。
【0071】無色柱状晶、m.p.117〜120℃。
【0072】参考例8 6−(3−クロロプロポキシ)−3,4−ジヒドロカル
ボスチリル40g、1−(2,4−ジフルオロフェニ
ル)−2−メルカプトイミダゾール42.6g、DBU
36ml及びイソプロパノール600mlを用いて、参
考例7と同様にして6−{3−(2,4−ジフルオロフ
ェニル)−2−イミダゾリルチオ〕プロポキシ−3,4
−ジヒドロカルボスチリル42.4gを得た。
【0073】白色柱状晶(エタノール−n−ヘキサンよ
り再結晶)、m.p.133〜134℃。
【0074】参考例9 モレキュラーシーヴで十分乾燥したジクロロエタン80
0mlにチタニウムテトライソプロポキシド52.5m
l、D−(−)−酒石酸ジエチル119.2mlを加
え、30分攪拌した。6−{3−〔1−(2−メチル−
4−ブロモフェニル)−2−イミダゾリルチオ〕プロポ
キシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル82gを上記
溶液に溶かし、水0.78mlを加え、更に30分攪拌
した。次に反応容器を十分に窒素置換し、メタノール−
氷で冷却した後、クメンヒドロペルオキシド103.8
mlを加えた。5℃まで昇温させ、64時間攪拌した。
反応終了後、反応溶液をそのままシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液;ジクロロメタン:酢酸エチ
ル:メタノール=30:10:1)にて精製し後、3回
エタノールにて再結晶することにより、(S)−(+)
−6−{3−〔1−(2−メチル−4−ブロモフェニ
ル)−2−イミダゾリルスルフィニル〕プロポキシ}−
3,4−ジヒドロカルボスチリル24.5gを得た。
【0075】無色柱状晶、光学純度:ほぼ100%e.
e.、〔α〕D 24=19.6°(c=1.0,メタノー
ル)、m.p.156〜158℃ 尚、光学純度測定のHPLC条件は以下の通りである。
カラム:DAICELCHIRALCEL OJ 4.
6mm×250mm(ダイセル化学工業社製)、移動
相:n−ヘキサン:イソプロパノール:ジエチルアミン
=400:600:1、流量:0.6ml/分、UV:
254nm、リテンションタイム:34.5分。
【0076】参考例10 1−(2−メチルフェニル)−2−メルカプトイミダゾ
ール380g、炭酸カリウム300g及び3−クロロプ
ロパノール400gをジメチルホルムアミド5リットル
に混合し、60℃で5時間攪拌する。濾過後、濾液を減
圧留去して得られた残渣を酢酸エチルに溶かし、飽和食
塩水で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去して得られた残渣をジエチルエーテルとn−ヘキサン
との混合物(前者:後者==1:2)1リットルに溶か
し、氷浴で放置して、3−〔1−(2−メチルフェニ
ル)−2−イミダゾリルチオ〕プロパノール430gを
得た。
【0077】無色針状晶、m.p.47−48℃(ジエ
チルエーテル−n−ペンタンより再結晶)1 H−NMR(CDCl3 )δppm;1.7−1.9
5(2H,m)、2.09(3H,s)、3.32(2
H,t,J=7Hz)、3.74(2H,t,J=7H
z)、5.83(1H,brs)、6.96(1H,
d,J=2Hz)、7.12(1H,d,J=2H
z)、7.21(1H,d,J=7Hz)、7.27−
7.45(3H,m)。
【0078】参考例11 3−〔1−(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリル
チオ〕プロパノール123g、L−(+)−酒石酸ジエ
チル414g及びモレキュラーシーヴ4A粉末120g
をジクロロエタン3リットルに入れ、室温で2日間攪拌
する。チタニウムテトライソプロポキシド142gを加
え、室温で30分間攪拌する。次にクメンヒドロペルオ
キシド91gを加え、5℃で24時間攪拌する。反応溶
液をそのままシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液;
ジクロロメタン:メタノール=50:1)にて精製後、
メチルエチルケトンから再結晶を繰り返し(S)−
(+)−3−〔1−(2−メチルフェニル)−2−イミ
ダゾリルスルフィニル〕プロパノール50gを得た。
【0079】無色針状晶、光学純度:100%e.
e.、〔α〕D 24=67.5°(c=1.0,メタノー
ル)、m.p.111〜111.5℃1 H−NMR(CDCl3 )δppm;1.95−2.
25(5H,m)、2.88(1H,m)、3.40−
3.80(4H,m)、7.15(1H,d,J=2H
z)、7.28−7.55(5H,m) 尚、光学純度測定のHPLC条件は以下の通りである。
カラム:DAICELCHIRALCEL OJ 4.
6mm×250mm(ダイセル化学工業社製)、移動
相:n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン=80
0:200:1、流量:1.0ml/分、UV:254
nm、リテンションタイム:18.5分。
【0080】参考例12 3−〔1−(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリル
スルフィニル〕プロパノール2.9g及び5−クロロ−
2−ニトロ−ベンズアルデヒドジメチルアセタール3.
4gをジメチルホルムアミド50mlに加え攪拌下、6
0%水素化ナトリウム0.75gを徐々に加える。その
後60℃にて一夜攪拌する。飽和塩化アンモニウム水溶
液を加えた後、反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルで抽
出する。水、飽和食塩水洗浄の後、硫酸マグネシウムで
乾燥する。酢酸エチルを留去し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液;ジクロロメタン:メタ
ノール=1:0→50:1)にて精製して、淡黄色油状
の1−(2−メチルフェニル)−2−〔3−(3−ジメ
トキシメチル−4−ニトロフェノキシ)プロピルスルフ
ィニル〕イミダゾール3.3gを得る。
【0081】1 H−NMR(CDCl3 )δppm;
2.11(3H,brs)、2.2−2.4(2H,
m)、3.43(6H,s)、3.50(1H,m)、
3.70(1H,m)、4.1−4.3(2H,m)、
6.00(1H,s)、6.85(1H,dd,J=3
Hz,9Hz)、7.18(1H,s)、7.2−7.
5(5H,m)、7.25(1H,d,J=3Hz)、
7.95(1H,d,J=9Hz)。
【0082】参考例13 1−(2−メチルフェニル)−2−〔3−(3−ジメト
キシメチル−4−ニトロフェノキシ)プロピルスルフィ
ニル〕イミダゾール3.3gをテトラヒドロフラン10
0ml及び4N塩酸10mlに加え、一夜攪拌する。酢
酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄後、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、次いで濃縮して、淡黄色油状の1
−(2−メチルフェニル)−2−〔3−(3−ホルミル
−4−ニトロフェノキシ)プロピルスルフィニル〕イミ
ダゾール2.8gを得る。
【0083】1 H−NMR(CDCl3 )δppm;
2.11(3H,brs)、2.2−2.45(2H,
m)、3.47(1H,m)、3.75(1H,m)、
4.2−4.35(2H,m)、7.10(1H,d
d,J=3Hz,9Hz)、7.15−7.5(7H,
m)、8.15(1H,d,J=9Hz)、10.47
(1H,s)。
【0084】参考例14 1−(2−メチルフェニル)−2−〔3−(3−ホルミ
ル−4−ニトロフェノキシ)プロピルスルフィニル〕イ
ミダゾール5.0g、マロン酸2.0g及びピペリジン
2mlをピリジン100mlに加え、2.5時間還流す
る。ピリジンを留去し、残渣を炭酸カリウム水溶液にて
アルカリ性とする。炭酸カリウム水溶液を酢酸エチルに
て洗浄した後、ジクロロメタンで抽出する。塩化メチレ
ン層を硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、エタノール
から再結晶して1.7gの2−ニトロ−5−{3−〔1
−(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリル)スルフ
ィニル〕プロポキシ}ケイ皮酸を得た。
【0085】1 H−NMR(CDCl3 )δppm;
1.9−2.2(5H,m)、3.4(1H,m)、
3.55(1H,m)、4.2−4.6(2H,m)、
6.53(1H,s,J=16Hz)、7.14(1
H,d,J=9Hz)、7.29(1H,s)、7.3
−7.55(5H,m)、7.67(1H,s)、7.
96(1H,d,J=16Hz)、8.11(1H,
d,J=9Hz)、12.71(1H,brs)。
【0086】実施例1 6−{3−〔1−(2−メチル−4−ブロモフェニル)
−2−イミダゾリルスルフィニル〕プロポキシ}−3,
4−ジヒドロカルボスチリルを12g耐圧ガラス反応容
器に入れ、エタノールに溶かし、トリエチルアミン18
ml、10%−パラジウム炭素粉末6gを加えた。この
反応容器を水素ガスで置換した後、3kg/cm2 の圧
力下、70℃にて16時間反応した。同じスケールでこ
の反応を再度行ない、この2回の反応より得られた反応
溶液から触媒を濾去し、反応溶液をクロロホルムにて抽
出した。1N塩酸水溶液で十分洗浄し、飽和食塩水で洗
浄、油層を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を留去し
た。得られた白色のオイルをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液;ジクロロメタン:酢酸エチル:メ
タノール=30:10:1)にて精製し、粗結晶を得
た。得られた粗結晶をエタノールにて再結晶して、
(S)−(+)−6−{3−〔1−(2−メチルフェニ
ル)−2−イミダゾリルスルフィニル〕プロポキシ}−
3,4−ジヒドロカルボスチリル13.2gを得た。
【0087】白色粉末晶、光学純度:99.4%e.
e.、〔α〕D 24=17.2°(c=1.0,メタノー
ル)、m.p.124.5〜126.5℃ 尚、光学純度測定のHPLC条件は以下の通りである。
カラム:ULTRONES−OVM 4.6mm×15
0mm(信和化工(株)製)、移動相:アセトニトリ
ル:20mMKH2 PO4 aq=8:92、流量:0.
8ml/分、UV:254nm、リテンションタイム:
16.5分。以下の実施例2及び実施例5においても同
じである。
【0088】実施例2 (S)−(+)−3−〔1−(2−メチルフェニル)−
2−イミダゾリルスルフィニル〕プロパノール3.97
g及びトリエチルアミン2.72mlを酢酸エチル80
mlに混合し、室温でメタンスルホニルクロリド1.5
1mlを加え10分間攪拌する。炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥し、溶媒留去後ジメチルスルホキシド20mlに溶解
した。この溶液を「A溶液」という。
【0089】6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロカルボ
スチリルのナトリウム塩8.35gをジメチルスルホキ
シド80mlに混合し、60℃でA溶液を加え、そのま
ま0.5時間攪拌する。反応液を酢酸エチルに溶解し、
飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。溶
媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液;ジクロロメタン:メタノール=40:1)で精製
後、エタノールより再結晶して、(S)−(+)−6−
{3−〔1−(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリ
ルスルフィニル〕プロポキシ}−3,4−ジヒドロカル
ボスチリル4.5gを得た。
【0090】白色粉末状、光学純度:99.7%e.
e.、〔α〕D 24=17.2°(c=1.0,メタノー
ル)、m.p.124.5〜126.5℃。
【0091】実施例3 2−ニトロ−5−{3−〔1−(2−メチルフェニル)
−2−イミダゾリルスルフィニル〕プロポキシ}ケイ皮
酸300mg、10%パラジウム炭素100mg及びト
リエチルアミン0.6mlをエタノール50mlに加
え、4気圧60℃にて3時間水素添加する。室温に戻
し、触媒濾去し、新たに10%パラジウム炭素200m
gを加え、4気圧60℃で6時間水素添加する。エタノ
ールを留去し、塩酸を加えて酸性とした後、塩化メチレ
ンで抽出する。飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム
で乾燥し、次に溶媒留去する。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液;ジクロロメタン:メタノ
ール=50:1〜20:1)にて精製後、エタノール−
n−ヘキサンで再結晶して70mgの6−{3−〔1−
(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリルスルフィニ
ル〕プロポキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリルを
得る。
【0092】白色粉末状、m.p.141.5〜14
2.5℃。
【0093】実施例4 6−{3−〔1−(2−メチルフェニル)−2−イミダ
ゾリルチオ〕プロポキシ}−3,4−ジヒドロカルボス
チリル67gをジクロロメタン1リットルに溶解し、氷
冷下m−クロロ過安息香酸32.6gを加え一夜攪拌す
る。反応終了後、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液にて5回洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒
を留去する。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶出液;ジクロロメタン:酢酸エチル:メ
タノール=30:10:1)にて精製後、エタノール−
n−ヘキサンより再結晶して39.5gの6−{3−
〔1−(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリルスル
フィニル〕プロポキシ〕−3,4−ジヒドロカルボスチ
リルを得る。
【0094】白色粉末状、m.p.141.5〜14
2.5℃。
【0095】実施例5 1,2−ジクロロエタン1リットルにチタニウムテトラ
イソプロポキシド56.8g、D−(−)−酒石酸ジエ
チル168g、水0.91ml及び6−{3−〔1−
(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリルチオ〕プロ
ポキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル80gを加
え攪拌する。−5℃に冷却後、クメンヒドロペルオキシ
ド124gを徐々に添加する。添加終了後、5℃にて1
8時間攪拌する。同様の反応を2回行なう。2回の反応
液を合せて、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出液;ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=3:
1:0→30:10:1)にて精製する。エタノール−
酢酸エチルより再結晶して、母液の方を濃縮して結晶を
得る。この操作を14回行ない、得られた結晶をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;ジクロロメタ
ン:酢酸エチル:メタノール=30:10:1)にて精
製後、エタノールより再結晶して、2.7gの(S)−
(+)−6−{3−〔1−(2−メチルフェニル)−2
−イミダゾリルスルフィニル〕プロポキシ}−3,4−
ジヒドロカルボスチリルを得る。
【0096】白色粉末状、光学純度:97.9%e.
e.、〔α〕D 24=+17.2°(c=1.0,メタノ
ール)、m.p.124.5〜126.5℃。
【0097】実施例6 ジクロロエタン600ml、チタニウムテトライソプロ
ポキシド38.2ml、L−(+)−酒石酸ジエチル8
6.5ml、6−{3−〔1−(2−メチルフェニル)
−2−イミダゾリルチオ〕プロポキシ}−3,4−ジヒ
ドロカルボスチリル50g、クメンヒドロペルオキシド
75ml及び水0.57mlを用いて前記実施例5と同
様にして、7.5gの(R)−(−)−6−{3−〔1
−(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリルスルフィ
ニル〕プロポキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル
を得た。
【0098】白色粉末状(酢酸エチルより再結晶)、光
学純度:96.6%e.e.、〔α〕D 24=−16.6
°(c=1.0,メタノール)、m.p.124〜12
6℃ 尚、光学純度測定のHPLC条件は以下の通りである。
カラム:ULTRONES−OVM 4.6mm×15
0mm(信和化工(株)製)、移動相:アセトニトリ
ル:20mMKH2 PO4 aq=8:92、流量:0.
8ml/分、UV:254nm、リテンションタイム:
24.5分。
【0099】適当な出発原料を用い、実施例1〜4と同
様にして、表1及び表2に記載の化合物を得る。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】上記表1における実施例10の化合物は、
(S)−(+)−体であり、〔α〕D 24=17.2°
(c=1.0,メタノール)である。また実施例11の
化合物は、(R)−(−)−体であり、〔α〕D 24=−
16.6°(c=1.0,メタノール)である。
【0103】薬理試験 <方法> ペントバルビタールにより麻酔したウィスタ
ー系雄性ラット(生後6週齢,体重約200g)の胸部
大動脈内腔へバルーンカテーテル(Fogarty,2
F)を挿入・拡張し内膜を擦過傷害した後、そのまま1
0分間(麻酔下で)室温に置き、10%ホルマリン中性
緩衝液で心臓より全身灌流(約100mmH2 O圧力下
で約1〜2分)した。注意深く大動脈を分離し再固定し
た後、輪切り方向に薄切染色切片(HE)を作成した。
各大動脈輪切り切片を以下の基準に従って検鏡観察する
ことにより傷害血管壁への血小板粘着密度を計測評価し
た。供試化合物は5%アラビアゴム懸濁液とし、30m
g/kgの投与量で経口投与後約1〜2時間の時点で試
験を行なった。
【0104】比較のために、特開昭63−45220号
公報の実施例35に記載の化合物、即ち6−{3−〔1
−(2−メチルフェニル)−2−イミダゾリル〕チオプ
ロポキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル(以下
「化合物A」という)を30mg/kg又は100mg
/kgの投与量で経口投与した場合についても、上記と
同様にして試験を行なった。
【0105】<評価基準> 大動脈輪切り切片の内腔全
周上に粘着して存在する血小板の密度を複数の観測者に
よって目視評価した。評価は4段階で行なった。−:血
小板が互いに連続してほぼ全周上に認められる。+:血
小板同志の間隔に余裕が認められる。++:血小板が連
続して存在する部分と存在しない部分がある。+++:
血小板が全周にわたってわずかに散在する。
【0106】
【表3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 233:00) (72)発明者 田村 克己 徳島県板野郡北島町新喜来字二分1番地の 126 (72)発明者 岡田 稔 徳島県板野郡松茂町広島字2番越5

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中、R1 は水素原子、弗素原子、又はメチル基を示
    す。Rは基 【化2】 (R2 はメチル基、トリフルオロメチル基又はニトロ基
    を示す。)又は基 【化3】 (R3 は弗素原子を示す。pは2又は3を示す。)を示
    す。nは2又は3を示す。〕で表わされるカルボスチリ
    ル誘導体又はその塩。
  2. 【請求項2】 R1 が水素原子である請求項1に記載の
    カルボスチリル誘導体又はその塩。
  3. 【請求項3】 R1 が弗素原子又はメチル基である請求
    項1に記載のカルボスチリル誘導体又はその塩。
  4. 【請求項4】 Rが基 【化4】 (R2 は前記に同じ)である請求項2に記載のカルボス
    チリル誘導体又はその塩。
  5. 【請求項5】 Rが基 【化5】 (R3 及びpは前記に同じ)である請求項2に記載のカ
    ルボスチリル誘導体又はその塩。
  6. 【請求項6】 Rが基 【化6】 (R2 は前記に同じ)である請求項3に記載のカルボス
    チリル誘導体又はその塩。
  7. 【請求項7】 Rが基 【化7】 (R3 及びpは前記に同じ)である請求項3に記載のカ
    ルボスチリル誘導体又はその塩。
  8. 【請求項8】 R2 がメチル基である請求項4又は請求
    項6に記載のカルボスチリル誘導体又はその塩。
  9. 【請求項9】 R2 がトリフルオロメチル基又はニトロ
    基である請求項4又は請求項6に記載のカルボスチリル
    誘導体又はその塩。
  10. 【請求項10】 (S)−(+)−6−{3−〔1−
    (2−メチルフェニル)−2−イミダゾリルスルフィニ
    ル〕プロポキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル。
  11. 【請求項11】 (R)−(−)−6−{3−〔1−
    (2−メチルフェニル)−2−イミダゾリルスルフィニ
    ル〕プロポキシ}−3,4−ジヒドロカルボスチリル。
  12. 【請求項12】 6−{3−〔1−(2−メチルフェニ
    ル)−2−イミダゾリルスルフィニル〕プロポキシ}−
    3,4−ジヒドロカルボスチリル。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のカルボスチリル誘導
    体及びその塩の少なくとも1種を有効成分として含有す
    る血小板粘着抑制剤。
  14. 【請求項14】 請求項10、請求項11又は請求項1
    2に記載のカルボスチリル誘導体を有効成分として含有
    する血小板粘着抑制剤。
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