JP3890548B2 - 医薬組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬組成物に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、抗血栓作用及び血管内膜肥厚抑制作用の両作用を有し、血栓性疾患や動脈硬化性疾患の治療及び予防剤として有用な医薬組成物を提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明の医薬組成物の有効成分であるカルボスチリル誘導体は、文献未記載の新規化合物であって、下記一般式(1)で表される。
【0004】
【化2】
【0005】
〔式中、Aは低級アルキレン基を示す。R1及びR2は、同一又は異なって、置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基、置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基或いは置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基を示す。R3は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基又は水酸基置換低級アルキル基を示す。Rは水素原子、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示す。但し、R3及びRが水素原子を示す場合、R1及びR2は、置換基を有しない低級アルキル基又は置換基を有しないシクロアルキル基であってはならない。カルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は一重結合又は二重結合を示す。〕
(1)本発明によれば、上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0006】
(2)本発明によれば、R及びR3が水素原子である上記(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0007】
(3)本発明によれば、Rが水素原子であり、R3が低級アルキル基、低級アルケニル基又は水酸基置換低級アルキル基である上記(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0008】
(4)本発明によれば、Rがハロゲン原子又は低級アルコキシ基であり、R3が水素原子である上記(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0009】
(5)本発明によれば、Rがハロゲン原子又は低級アルコキシ基であり、R3が低級アルキル基、低級アルケニル基又は水酸基置換低級アルキル基である上記(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0010】
(6)本発明によれば、R1及びR2が同一で、置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基、置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(2)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0011】
(7)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(2)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0012】
(8)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(2)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0013】
(9)本発明によれば、R1及びR2が同一で、置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基、置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(3)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0014】
(10)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(3)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0015】
(11)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(3)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0016】
(12)本発明によれば、R1及びR2が同一で、置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基、置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(4)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0017】
(13)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(4)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0018】
(14)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(4)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0019】
(15)本発明によれば、R1及びR2が同一で、置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基、置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(5)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0020】
(16)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又有しないシクロアルキル基、置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(5)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0021】
(17)本発明によれば、R1が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基、もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基である上記(5)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0022】
(18)本発明によれば、カルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合が一重結合である上記(6)〜(17)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0023】
(19)本発明によれば、カルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合が二重結合である上記(6)〜(17)のカルボスチリル誘導体又はその塩が提供される。
【0024】
血栓症や動脈硬化症等の虚血性疾患は、血流成分の変化、血流の異常及び血管壁の障害の三者の複雑な相互作用により発症、進展する。血栓症の発生要因は多様であるが、主に粥状動脈硬化時の様な血管内皮細胞の障害、それに引き続いて血小板が活性化され、粘着、凝集を起こし発症する。
【0025】
また動脈硬化症は前記三者の複雑な相互作用の結果、血管平滑筋細胞が増殖し、血管内膜が肥厚し、発症する。
【0026】
従って、血栓症、動脈硬化症の様な虚血性疾患の治療剤及び予防剤は、抗血栓作用及び血管内膜肥厚抑制作用の両作用を有することが極めて重要である。
【0027】
本発明者らの研究によれば、上記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体又はその塩は、インビボ(invivo)での強い抗血栓作用及び血管内膜肥厚抑制作用の両作用を有する物質であり、血小板凝集抑制作用、血小板塊解離作用、脳及び末梢血流増加作用等をも有している。
【0028】
本発明化合物は、上記作用の持続時間が長い上に、心拍数増加作用、血圧降下作用等の循環作用は非常に弱く、毒性(特に心臓に対する毒性)は低い。また本発明化合物は、消化管での吸収はよく血中移行性が優れている。
【0029】
従って、本発明化合物は、血栓性疾患や動脈硬化性疾患の治療、予防に有用である。臨床適用としては、脳粥状硬化、脳梗塞、一過性脳虚血発作(TIA)、回復型虚血性神経脱落症(RIND)等の脳疾患、心筋梗塞、狭心症等の心疾患、バージャー病、閉塞性動脈硬化症、間欠性跛行等の慢性動脈閉塞症、糖尿病性神経症、糖尿病性皮膚潰瘍、糖尿病性腎症等の糖尿病合併症、PTCA、DCAやステントのインターベンション処置後の再狭窄防止、人工血管等の人工臓器や腎等の移植処置後の再閉塞の防止、また手術後、人工腎透析等の体外循環時の血栓、塞栓の発生防止等の虚血性疾患に広く使用できる。
【0030】
また本発明化合物は、Molecular Pharmacology,第46巻,第399頁〜第405頁(1994年)に記載されているホスホジエステラーゼ(以下「PDE」と省略する)の分類方法でPED3(cyclic-GMP inhibited cyclic-AMP PDE)に対して強い阻害活性を有している。
【0031】
このcyclic-AMP(サイクリックアデノシン一リン酸)は生体内における代表的なセカンドメッセンジャーであり、このcyclic-AMP分解酵素であるPDEに対して阻害活性を示す物質はcyclic-AMPの代謝異常によりその低下の認められる各種疾病の予防又は治療に有用な物質となり得る。
【0032】
従ってPDE阻害作用を有する本発明化合物は、Pharmacology&Therapeutics,第51巻,第13頁〜第33頁(1991年)、Trends in Pharmacological Science,第11巻,第150頁〜第155頁(1990年)、Trends in Pharmacological Science,第12巻,第19頁〜第27頁(1991年)等に記載されているように、上記の抗血栓作用及び血管内膜肥厚抑制作用に基づく臨床適応を含め、脂質代謝の促進による肥満の予防及び治療、炎症時のケミカルメディエーターの遊離を抑制することによるアレルギー性疾患及び気管支喘息の治療等にも有用である。
【0033】
本発明によれば、上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする抗血栓剤が提供される。
【0034】
本発明によれば、上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする血管内膜肥厚抑制剤が提供される。
【0035】
本発明によれば、上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする血小板凝集抑制剤が提供される。
【0036】
本発明によれば、上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする血小板塊解離剤が提供される。
【0037】
本発明によれば、上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分とする脳及び末梢血流増加剤が提供される。
【0038】
【発明の実施の形態】
上記一般式(1)において示される各基は、各々次の通りである。
【0039】
低級アルキレン基としては、例えばメチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、2−エチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキレン基を挙げることができる。
【0040】
低級アルカノイルオキシ基としては、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、tert−ブチルカルボニルオキシ、ヘキサノイルオキシ基等の炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルカノイルオキシ基を挙げることができる。
【0041】
置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシペンチル、3−ヒドロキシペンチル、4−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシヘキシル、4−ヒドロキシヘキシル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2,2−ジヒドロキシエチル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1,2,3−トリヒドロキシプロピル、1,4−ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、1,2−ジヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、1,3−ジヒドロキシブチル、2,2−ジヒドロキシブチル、1,2,3−トリヒドロキシブチル、2,3,4−トリヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシペンチル、3,4−ジヒドロキシペンチル、3,5−ジヒドロキシペンチル、2,3,4−トリヒドロキシペンチル、3,4,5−トリヒドロキシペンチル、2,4,5−トリヒドロキシペンチル、2,3−ジヒドロキシヘキシル、2,5−ジヒドロキシヘキシル、2,6−ジヒドロキシヘキシル、3,4−ジヒドロキシヘキシル、4,5−ジヒドロキシヘキシル、4,6−ジヒドロキシヘキシル、5,6−ジヒドロキシヘキシル、2,3,4−トリヒドロキシヘキシル、3,4,5−トリヒドロキシヘキシル、4,5,6−トリヒドロキシヘキシル、3,4−ジアセチルオキシ−5−ヒドロキシヘキシル、アセチルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、2−アセチルオキシブチル、5−プロパノイルオキシペンチル、6−ブチリルオキシヘキシル、ペンタノイルオキシメチル、4−ヘキサノイルオキシブチル、3,4,5−トリアセチルオキシヘキシル、2,3−ジアセチルオキシプロピル、2−エトキシプロピル、2−ベンジルオキシプロピル、2−エトキシブチル、2−ベンジルオキシブチル、2−メトキシエチル、4−プロポキシブチル、2−ブトキシブチル、3−ペンチルオキシブチル、5−ヘキシルオキシペンチル、2−エトキシペンチル、3−メトキシペンチル、4−エトキシペンチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシヘキシル、3−エトキシヘキシル、4−メトキシヘキシル、1−メチル−2−エトキシエチル、1,1−ジメチル−2−エトキシエチル、2,3−ジエトキシプロピル、2−(2−フェニルエトキシ)エチル、4−(1−フェニルエトキシ)ブチル、2−(3−フェニルプロポキシ)ブチル、3−(4−フェニルブトキシ)ブチル、5−(5−フェニルペンチルオキシ)ペンチル、2−(6−フェニルヘキシルオキシ)ペンチル、3−ベンジルオキシペンチル、4−ベンジルオキシペンチル、6−(2−フェニルエトキシ)ヘキシル、2−(1−フェニルエトキシ)ヘキシル、3−ベンジルオキシヘキシル、4−ベンジルオキシヘキシル、1−メチル−2−ベンジルオキシエチル、1,1−ジメチル−2−(2−フェニルエトキシ)エチル、2,3−ジベンジルオキシプロピル基等の置換基として水酸基、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状アルコキシ基、アルコキシ基部分の炭素数が1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状アルコキシ基であるフェニルアルコキシ基又は炭素数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖状アルカノイルオキシ基を1〜3個有し或いは有しない炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0042】
置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−ヒドロキシシクロヘキシル、2−ヒドロキシシクロプロピル、3−ヒドロキシシクロブチル、2−ヒドロキシシクロペンチル、4−ヒドロキシシクロヘプチル、3−ヒドロキシシクロオクチル、3−ヒドロキシシクロヘキシル、4−ヒドロキシシクロヘキシル、2,3−ジヒドロキシシクロヘキシル、3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル、2,4,6−トリヒドロキシシクロヘキシル、2−プロピオニルオキシシクロプロピル、2−ブチリルオキシシクロブチル、3−ペンタノイルオキシシクロペンチル、3−アセチルオキシシクロヘキシル、4−アセチルオキシシクロヘキシル、3−ヘキサノイルオキシシクロヘプチル、5−アセチルオキシシクロオクチル、2,4−ジアセチルオキシシクロヘキシル、2,3,4−トリアセチルオキシシクロヘキシル、2−ヒドロキシ−4−アセチルオキシシクロヘキシル、2−(3−ヒドロキシプロポキシ)シクロヘキシル、2−ヒドロキシメトキシシクロプロピル、3−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロブチル、2−(1−ヒドロキシエトキシ)ペンチル、4−(3−ヒドロキシプロポキシ)シクロヘプチル、3−(4−ヒドロキシブトキシ)シクロオクチル、3−(5−ヒドロキシペンチルオキシ)シクロヘキシル、4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル、2,3−ジヒドロキシメトキシシクロヘキシル、2,3,4−トリヒドロキシメトキシシクロヘキシル基等の置換基として水酸基、水酸基を1〜3個有する炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状アルコキシ基又は炭素数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖状アルカノイルオキシ基を1〜3個有し或いは有しない炭素数3〜8のシクロアルキル基を例示できる。
【0043】
低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。
【0044】
低級アルケニル基としては、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチルアリル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル基等の炭素数2〜6の直鎖又は分枝鎖状アルケニル基を挙げることができる。
【0045】
低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシ基を例示できる。
【0046】
フェニル低級アルコキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ、1−フェニルエトキシ、2−フェニルエトキシ、3−フェニルプロポキシ、4−フェニルブトキシ、5−フェニルペンチルオキシ、6−フェニルヘキシルオキシ、1,1−ジメチル−2−フェニルエトキシ、2−メチル−3−フェニルプロポキシ基等のアルコキシ部分の炭素数が1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコキシであるフェニルアルコキシ基を例示できる。
【0047】
水酸基置換低級アルキル基としては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、2−ヒドロキシペンチル、3−ヒドロキシペンチル、4−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−ヒドロキシヘキシル、3−ヒドロキシヘキシル、4−ヒドロキシヘキシル、1−メチル−2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2,2−ジヒドロキシエチル、1,3−ジヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1,2,3−トリヒドロキシプロピル、1,4−ジヒドロキシブチル、2,4−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル、1,2−ジヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、1,3−ジヒドロキシブチル、2,2−ジヒドロキシブチル、1,2,3−トリヒドロキシブチル、2,3,4−トリヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシペンチル、3,4−ジヒドロキシペンチル、3,5−ジヒドロキシペンチル、2,3,4−トリヒドロキシペンチル、3,4,5−トリヒドロキシペンチル、2,4,5−トリヒドロキシペンチル、2,3−ジヒドロキシヘキシル、2,5−ジヒドロキシヘキシル、2,6−ジヒドロキシヘキシル、3,4−ジヒドロキシヘキシル、4,5−ジヒドロキシヘキシル、4,6−ジヒドロキシヘキシル、5,6−ジヒドロキシヘキシル、2,3,4−トリヒドロキシヘキシル、3,4,5−トリヒドロキシヘキシル、4,5,6−トリヒドロキシヘキシル基等の水酸基を1〜3個有する炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を例示できる。
【0048】
ハロゲン原子としては、例えば弗素原子、塩素原子、臭素原子及び沃素原子が挙げられる
置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基としては、例えばアミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、N−エチル−N−プロピルアミノ、N−メチル−N−ブチルアミノ、N−メチル−N−ヘキシルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプチルアミノ、シクロオクチルアミノ、N−シクロプロピル−N−シクロヘキシルアミノ、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ、N−メチル−N−シクロオクチルアミノ基等の置換基として炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状アルキル基又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を1〜2個有することのあるアミノ基を挙げることができる。
【0049】
本発明の化合物には、以下の化合物が包含される。
【0050】
(1)R1及びR2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が水素原子であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0051】
(2)R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が水素原子であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0052】
(3)R1及びR2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0053】
(4)R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0054】
(5)R1及びR2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が低級アルケニル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0055】
(6)R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が低級アルケニル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0056】
(7)R1及びR2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が水素原子であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0057】
(8)R1及びR2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0058】
(9)R1及びR2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が低級アルケニル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0059】
(10)R1及びR2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が水酸基置換低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0060】
(11)R1が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が水酸基置換低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0061】
(12)R1及びR2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が水酸基置換低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0062】
(13)R1及びR2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R3が水素原子であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0063】
(14)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が水素原子であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0064】
(15)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基で有り、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が水素原子であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0065】
(16)R1及びR2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R3が低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0066】
(17)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0067】
(18)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0068】
(19)R1及びR2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R3が低級アルケニル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0069】
(20)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が低級アルケニル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0070】
(21)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が低級アルケニル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0071】
(22)R1及びR2が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R3が水酸基置換低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0072】
(23)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R2が置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基であり、R3が水酸基置換低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0073】
(24)R1が置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有することのあるアミノ基であり、R2が置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基であり、R3が水酸基置換低級アルキル基であり、Aが低級アルキレン基である一般式(1)のカルボスチリル誘導体又はその塩。
【0074】
(25)6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル。
【0075】
(26)(S,S)−(+)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル。
【0076】
(27)(R,R)−(−)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル。
【0077】
(28)6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロブチル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル。
【0078】
上記一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体は、種々の方法により製造され得るが、その一例を示せば下記反応式で示される方法に従い容易に製造される。
【0079】
【化3】
【0080】
〔式中、R、R1、R2、R3、A並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。Xはハロゲン原子、低級アルカンスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基又はアラルキルスルホニルオキシ基を示す。〕
一般式(2)の化合物と一般式(3)の化合物との反応は、適当な溶媒中、好ましくは塩基性化合物を脱ハロゲン化水素剤とし、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃の温度条件下、1〜75時間程度で行なわれる。上記において適当な溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等を例示できる。また脱ハロゲン化水素剤として利用できる塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイド、カリウムエトキサイド、水素化ナトリウム、金属カリウム、ナトリウムアミド等の無機塩基、ピリジン、キノリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の有機塩基等を例示できる。該反応においては、反応促進剤として沃化カリウム、沃化ナトリウム等の沃化アルカリ金属化合物を反応系内に添加することもできる。一般式(3)の化合物の使用量は、特に制限はないが、一般式(2)の化合物に対して通常等モル〜5倍モル量、好ましくは等モル〜3倍モル量とするのがよい。
【0081】
前記反応式−1において、Xで示されるハロゲン原子としては、具体的には弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を例示でき、低級アルカンスルホニルオキシ基としては、具体的にはメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、イソプロパンスルホニルオキシ、プロパンスルホニルオキシ、ブタンスルホニルオキシ、tert−ブタンスルホニルオキシ、ペンタンスルホニルオキシ、ヘキサンスルホニルオキシ基等を例示でき、アリールスルホニルオキシ基としては、具体的にはフェニルスルホニルオキシ、4−メチルフェニルスルホニルオキシ、2−メチルフェニルスルホニルオキシ、4−ニトロフェニルスルホニルオキシ、4−メトキシフェニルスルホニルオキシ、3−クロルフェニルスルホニルオキシ、α−ナフチルフェニルスルホニルオキシ基等の置換もしくは未置換のアリールスルホニルオキシ基を例示でき、またアラルキルスルホニルオキシ基としては、具体的にはベンジルスルホニルオキシ、2−フェニルエチルスルホニルオキシ、4−フェニルブチルスルホニルオキシ、4−メチルベンジルスルホニルオキシ、2−メチルベンジルスルホニルオキシ、4−ニトロベンジルスルホニルオキシ、4−メトキシベンジルスルホニルオキシ、3−クロルベンジルスルホニルオキシ、α−ナフチルメチルスルホニルオキシ基等の置換もしくは未置換のアラルキルスルホニルオキシ基を例示できる。
【0082】
【化4】
【0083】
〔式中、R、R1、R2、R3、A、X並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。X1はハロゲン原子を示す。〕
一般式(4)の化合物と一般式(5)の化合物との反応は、無溶媒又は適当な溶媒中、塩基性化合物の存在又は非存在下に行なわれる。該反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃にて行なわれ、一般に1〜30時間程度にて終了する。ここで使用される溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ピリジン、アセトン、アセトニトリル等の極性溶媒又はこれらの混合溶媒等を例示できる。また使用される塩基性化合物としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ナトリウムアミド、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジン、キノリン等の有機塩基等を例示できる。該反応の反応系内には、沃化カリウム、沃化ナトリウム等のアルカリ金属沃化物等を添加すれば、上記反応は有利に進行する。一般式(5)の化合物は、一般式(4)の化合物に対して通常少なくとも等モル量、好ましくは大過剰量使用するのがよい。一般式(5)の化合物が気体の場合には、該反応は封管中で行ってもよい。
【0084】
前記反応式−2において、X1で示されるハロゲン原子としては、具体的には弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を例示できる。
【0085】
一般式(6)の化合物と一般式(7)の化合物との反応は、前記反応式−1における一般式(2)と一般式(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0086】
【化5】
【0087】
〔式中、R、R1、R2、A、X1並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。R3'は低級アルキル基、低級アルケニル基又は水酸基置換低級アルキル基を示す。〕
一般式(8)の化合物と一般式(9)の化合物との反応は、適当な溶媒中イミダゾールの存在下で行われる。ここで溶媒としては、前記反応式−2における化合物(4)と化合物(5)との反応で用いられる溶媒をいずれも使用することができる。一般式(9)の化合物の使用量は、一般式(8)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜1.5倍モル量とするのがよい。またイミダゾールの使用量は、一般式(8)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜4倍モル量とするのがよい。該反応は、通常−20〜150℃、好ましくは−20〜100℃付近にて行なわれ、一般に1〜30時間程度にて終了する。
【0088】
一般式(10)の化合物と一般式(11)の化合物との反応は、適当な溶媒中で行われる。ここで溶媒としては、前記反応式−2における化合物(4)と化合物(5)との反応で用いられる溶媒をいずれも使用することができる。一般式(11)の化合物の使用量は、一般式(10)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜1.5倍モル量とするのがよい。該反応は、通常室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃付近にて行なわれ、一般に1〜15時間程度にて終了する。
【0089】
一般式(1a)の化合物と一般式(12)の化合物との反応は、一般式(12)の化合物の使用量を一般式(1a)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜5倍モル量とする以外は、前記反応式−1における一般式(2)と一般式(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0090】
【化6】
【0091】
〔式中、R、R1、R2、R3'、A及びXは前記に同じ。X2はハロゲン原子を示す。〕
一般式(13)の化合物と一般式(9)の化合物との反応は、前記反応式−3における一般式(8)と一般式(9)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0092】
一般式(14)の化合物と一般式(11)の化合物との反応は、前記反応式−3における一般式(10)と一般式(11)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0093】
一般式(15)の化合物と一般式(12)の化合物との反応は、前記反応式−3における一般式(1a)と一般式(12)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0094】
一般式(16)の化合物を一般式(1b)の化合物に導く反応及び一般式(15)の化合物を一般式(1a)の化合物に導く反応は、一般式(16)の化合物又は一般式(15)の化合物を例えば塩酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸類、硫酸、リン酸等の無機酸類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等の無機アルカリ化合物、酢酸等の有機酸等の存在下に、通常50〜150℃、好ましくは70〜120℃にて、0.5〜24時間程度加熱することにより行われる。
【0095】
【化7】
【0096】
〔式中、R、R1、R2、R3、A、X1並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。〕
一般式(1c)の化合物と一般式(17)の化合物との反応及び一般式(1d)の化合物と一般式(18)の化合物との反応は、いずれも前記反応式−3における一般式(1a)と一般式(12)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0097】
【化8】
【0098】
〔式中、R、R2、R3、A、X1並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。R1aは置換基として水酸基を有する低級アルキル基を示す。R1bは置換基として低級アルカノイルオキシ基を有する低級アルキル基を示す。R1cは置換基として水酸基を有するシクロアルキル基を示す。R1dは置換基として低級アルカノイルオキシ基を有するシクロアルキル基を示す。R4は低級アルカノイル基を示す。〕
一般式(1e)の化合物と一般式(19)の化合物との反応及び一般式(1g)の化合物と一般式(19)の化合物との反応は、一般に適当な不活性溶媒中、塩基性化合物の存在下又は非存在下にて行なわれる。用いられる不活性溶媒としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール等の低級アルコール類、酢酸、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。また塩基性化合物としては例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、カリウム、ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラート、ピリジン、N−エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)等の有機塩基等を挙げることができる。一般式(1e)の化合物と一般式(19)の化合物との使用割合及び一般式(1g)の化合物と一般式(19)の化合物との使用割合としては、特に限定がなく広い範囲で適宜選択すればよいが、前者に対して後者を少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜10倍モル量程度用いるのがよい。該反応は通常0〜200℃程度、好ましくは0〜100℃程度にて行なわれ、一般に30分〜75時間程度で反応は終了する。該反応系内には沃化ナトリウム、沃化カリウム等のアルカリ金属ハロゲン化合物、銅粉等を添加してもよい。
【0099】
一般式(1e)の化合物と一般式(20)の化合物との反応及び一般式(1g)の化合物と一般式(20)の化合物との反応は、無溶媒又は適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下もしくは非存在下、好ましくは存在下に行なわれる。ここで適当な溶媒としては例えば前述した芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の他、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン、ピリジン等を使用できる。塩基性化合物としては例えばトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、等の有機塩基、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等やこれらの混合物を例示できる。上記反応はまた酢酸等の溶媒中、硫酸等の鉱酸の存在下に実施することもできる。化合物(20)の使用割合は出発原料に対して等モル量〜大過剰量とすればよく、反応は通常0〜200℃程度、好ましくは0〜150℃程度下に、0.5〜20時間程度で完結する。
【0100】
一般式(1f)の化合物及び一般式(1h)の化合物の加水分解反応は、適当な溶媒中又は無溶媒で、酸又は塩基性化合物の存在下に実施することができる。用いられる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸、ギ酸等の脂肪酸類、之等の混合溶媒等を挙げることができる。酸としては例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸やギ酸、酢酸、芳香族スルホン酸等の有機酸等を挙げることができ、また塩基性化合物としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の金属炭酸塩や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物等を挙げることができる。該反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃程度にて好適に進行し、一般に10分〜25時間程度で終了する。
【0101】
上記各反応式において出発原料として用いられる一般式(3)の化合物、一般式(7)の化合物、一般式(8)の化合物、一般式(11)の化合物及び一般式(13)の化合物は、例えば下記反応式に示す方法により容易に製造される。
【0102】
【化9】
【0103】
〔式中、R、A、X1、X2並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を示す。〕
一般式(2)の化合物と一般式(21)の化合物との反応及び一般式(2)の化合物と一般式(23)の化合物との反応は、いずれも前記反応式−1における一般式(2)と一般式(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0104】
一般式(24)の化合物と一般式(25)の化合物との反応は、適当な溶媒中、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃の温度条件下、1〜15時間程度で行われる。ここで溶媒としては、前記反応式−1における化合物(2)と化合物(3)との反応で用いられる溶媒をいずれも使用することができる。一般式(25)の化合物の使用量は、一般式(24)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。該反応においては、反応系内に反応促進剤として沃化ナトリウム、沃化カリウム等の沃化アルカリ金属化合物、銅粉等を添加してもよい。
【0105】
一般式(24)の化合物と一般式(26)の化合物との反応は、いずれも前記一般式(24)と一般式(25)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0106】
一般式(22)の化合物を一般式(8)の化合物に導く反応は、適当な溶媒中で一般式(22)の化合物にヒドラジンを反応させるか、又は一般式(22)の化合物を加水分解することにより行われる。
【0107】
一般式(22)の化合物にヒドラジンを反応させる際に使用される溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、水、酢酸、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等を挙げることができる。ヒドラジンの使用量は、一般式(22)の化合物に対して通常少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜5倍モル量とするのがよい。該反応は、通常室温〜120℃、好ましくは0〜100℃付近にて行なわれ、一般に0.5〜15時間程度にて終了する。
【0108】
一般式(22)の化合物の加水分解は、前記反応式−6における一般式(1f)の加水分解と同様の反応条件下に行われる。
【0109】
一般式(27)の化合物を一般式(8)の化合物に導く反応は、例えば適当な溶媒中接触還元触媒を用いて一般式(27)の化合物を還元することにより行なわれる。使用される溶媒としては、例えば水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等やこれらの混合溶媒等が挙げられる。使用される接触還元触媒としては、例えばパラジウム、パラジウム黒、パラジウム炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネ−ニッケル等が用いられる。触媒の使用量としては、化合物(27)に対して0.02〜1倍重量とするのがよい。反応は、通常−20〜100℃付近、好ましくは0〜80℃付近、水素圧は1〜10気圧で行なわれ、反応は0.5〜20時間程度で終了する。
【0110】
また 一般式(27)の化合物を一般式(8)の化合物に導くには、水素化還元剤を用いる還元法も適用される。用いられる水素化還元剤としては、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化硼素リチウム、水素化硼素ナトリウム、ジボラン等が挙げられ、その使用量は一般式(27)の化合物に対して少なくとも等モル、好ましくは等モル〜10倍モルの範囲である。この還元反応は、通常適当な溶媒、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム等のエーテル類やこれらの混合溶媒等を用い、通常約−60〜150℃、好ましくは−30℃〜室温程度にて、約10分間〜5時間程度で行なわれる。尚、還元剤として水素化アルミニウムリチウムやジボランを用いた場合は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム等の無水の溶媒を用いるのがよい。
【0111】
【化10】
【0112】
〔式中、A、X1及びX2は前記に同じ。〕
一般式(2)の化合物を一般式(28)の化合物に導く反応は、適当な不活性溶媒中又は無溶媒下、一般式(2)の化合物にハロゲン化剤を作用させることにより行い得る。用いられるハロゲン化剤としては、例えばN,N−ジエチル−1,2,2−トリクロルビニルアミド、五塩化リン、五臭化リン、オキシ塩化リン、チオニルクロリド等が挙げられる。不活性溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。一般式(2)の化合物とハロゲン化剤との使用割合は、前者に対して後者を少なくとも等モル、通常は過剰量とするのがよい。該反応は、通常室温〜150℃、好ましくは室温〜120℃付近にて行なわれ、一般に1〜6時間程度にて終了する。
【0113】
一般式(28)の化合物と一般式(21)の化合物との反応は、前記反応式−1における一般式(2)と一般式(3)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0114】
一般式(29)の化合物を一般式(13)の化合物に導く反応は、前記反応式−7における一般式(22)の化合物を一般式(8)の化合物に導く反応と同様の反応条件下に行われる。
【0115】
【化11】
【0116】
〔式中、R1、R2及びX1は前記に同じ。〕
一般式(11)の化合物を一般式(7)の化合物に導く反応は、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下に一般式(11)の化合物とカルボニル化剤とを反応させることにより実施される。ここで使用される溶媒としては例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、p−クロロベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等のアルコール類、水、アセトン、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。また塩基性化合物としては例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、水素化カリウム等の無機塩基、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、N−メチルモルホリン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABCO)等の有機塩基等を挙げることができる。使用されるカルボニル化剤としては、ホスゲン、ダイホスゲン、トリホスゲン等を例示できる。カルボニル化剤の使用量は、化合物(11)に対して、通常0.05〜10倍モル、好ましくは0.1〜等モル量とするのがよい。該反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近にて、1〜10時間程度にて終了する。
【0117】
【化12】
【0118】
〔式中、R1及びR2は前記に同じ。R1e及びR2aは、それぞれ置換基として水酸基、低級アルコキシ基、フェニル低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しない低級アルキル基を示す。R5は水素原子を示す。またR1e及びR5並びにR2a及びR5は、これらが結合する基−CO−を介して、置換基として水酸基、水酸基置換低級アルコキシ基もしくは低級アルカノイルオキシ基を有し又は有しないシクロアルキル基を形成してもよい。〕
一般式(30)の化合物と一般式(31)の化合物との反応及び一般式(33)の化合物と一般式(34)の化合物との反応は、無溶媒又は適当な溶媒中、脱水剤の不存在下又は存在下に行なわれる。ここで使用される溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。脱水剤としては、例えばモレキュラーシーブ等の通常の溶媒の脱水に用いられる乾燥剤、塩酸、硫酸、三弗化硼素等の鉱酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等を挙げることができる。該反応は、通常室温〜200℃程度、好ましくは室温〜150℃程度にて行なわれ、一般に1〜48時間程度で終了する。一般式(31)の化合物又は一般式(34)の化合物の使用量は、特に限定されないが、通常一般式(30)の化合物又は一般式(33)の化合物に対して少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜15倍モル量程度とするのがよい。また脱水剤の使用量は、乾燥剤の場合には通常大過剰量、酸を用いる場合には触媒量とするのがよい。斯くして得られた一般式(32)の化合物又は一般式(35)の化合物は、単離されることなく、次の還元反応に供される。
【0119】
一般式(32)の化合物又は一般式(35)の化合物の還元反応には、種々の方法が適用できるが、例えば水素化還元剤を用いる還元法が好適に利用される。用いられる水素化還元剤としては、例えば水素化アルミニウムリチウム、水素化硼素ナトリウム、ジボラン等を挙げることができる。還元剤の使用量は、一般式(32)の化合物又は一般式(35)の化合物に対して少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜10倍モル量程度とするのがよい。この還元反応は、通常適当な溶媒、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジグライム等のエーテル類等を用い、通常−60〜50℃程度、好ましくは−30℃〜室温程度にて、10分〜5時間程度で行なわれる。尚、還元剤として水素化アルミニウムリチウムやジボランを使用する場合には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等の無水の溶媒を使用するのがよい。
【0120】
一般式(32)の化合物又は一般式(35)の化合物の還元は、適当な溶媒中触媒の存在下、接触水素添加することによっても行なうことができる。使用される溶媒としては、例えば水、酢酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。また使用される触媒としては、例えばパラジウム、パラジウム−黒、パラジウム−炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネーニッケル等を挙げることができる。触媒の使用量は、一般式(32)の化合物又は一般式(35)の化合物に対して、一般に0.02〜1倍量程度とするのがよい。該反応の反応温度は通常−20〜150℃付近、好ましくは0〜100℃付近、水素圧は通常1〜10気圧程度とするのがよく、該反応は一般に0.5〜10時間程度で完結する。
【0121】
【化13】
【0122】
〔式中、R1は前記に同じ。nは1〜6の整数を示す。R6は低級アルキル基を示す。〕
一般式(36)の化合物と一般式(34)の化合物との反応及び一般式(37)の化合物と一般式(34)の化合物との反応は、適当な溶媒中で行われる。ここで溶媒としては、前記反応式−1における化合物(2)と化合物(3)との反応で用いられる溶媒をいずれも使用することができる。一般式(34)の化合物の使用量は、一般式(36)の化合物又は一般式(37)の化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜1.5倍モル量とするのがよい。該反応は、通常室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃付近にて行なわれ、一般に1〜10時間程度にて終了する。
【0123】
【化14】
【0124】
〔式中、R1、R2及びX1は前記に同じ。〕
一般式(34)の化合物と一般式(18)の化合物及び一般式(31)の化合物と一般式(17)の化合物との反応は、各々前記反応式−2における一般式(4)と一般式(5)の化合物との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0125】
【化15】
【0126】
〔式中、R1、R2、X及びAは前記に同じ。〕
一般式(38)の化合物と一般式(11)の化合物との反応は、前記反応式−2における化合物(4)と化合物(5)との反応で用いられる溶媒と同様の溶媒中、通常室温〜100℃、好ましくは室温〜70℃付近にて行なわれ、一般に0.5〜5時間程度で該反応は完結する。一般式(11)の化合物の使用量は、一般式(38)の化合物に対して通常等モル〜2倍モル量、好ましくは等モル〜1.5倍モル量とするのがよい。
【0127】
一般式(11)の化合物において、R1及びR2の少なくとも一つが置換基として水酸基を有する低級アルキル基又は置換基として水酸基を有するシクロアルキル基を示す化合物は、適当な溶媒中、酸の存在下に光学活性化合物を反応させ、一般式(11)の化合物の水酸基と光学活性体との付加体とし、得られた光学活性な化合物を加水分解するか、又は適当な溶媒中、光学活性化合物と反応させ光学分割することにより、光学活性化合物(11)に誘導され得る。ここで溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム等のエーテル類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等の極性溶媒又はこれらの混合溶媒等を挙げることができる。酸としては、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等の鉱酸や蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を挙げることができる。また光学活性化合物としては、例えば(+)及び(−)の酒石酸、(+)及び(−)のジパラトルオイル酒石酸、(+)及び(−)のリンゴ酸、(+)及び(−)のマンデル酸、D及びLのカンファー−10−スルホン酸等の光学活性な酸を挙げることができる。光学活性化合物の使用量は、原料化合物に対して通常少なくとも等モル、好ましくは等モル〜1.5倍モル量とするのがよい。該反応は、通常室温〜200℃、好ましくは室温〜150℃付近にて行なわれ、一般に1〜10時間程度にて終了する。引き続き行われる加水分解反応は、前記反応式−6における一般式(1f)の化合物の加水分解反応と同様の反応条件下に行われる。
【0128】
光学分割は、例えば適当な溶媒中、該化合物に光学活性化合物を反応させて一般式(11)の化合物の塩を形成させ、これを分別結晶後、得られた光学活性な一般式(11)の化合物の塩を脱塩化することにより行われる。
【0129】
塩形成反応で使用される光学活性化合物は、一般式(11)の化合物と塩を形成し得る化合物である限り公知のものを広く使用でき、例えば前記光学活性化合物を例示できる。
【0130】
塩形成反応で使用される溶媒としては、通常の光学分割において使用される溶媒がいずれも使用可能であり、前記化合物(11)の水酸基と光学活性体との付加体との反応で用いた溶媒をいずれも使用可能である。
【0131】
一般式(11)の化合物に対する光学活性化合物の使用量としては、通常0.3〜3倍モル程度、好ましくは0.5倍モル〜等モル程度とするのがよい。該反応は、通常1〜100℃程度、好ましくは室温〜50℃付近にて好適に進行する。
【0132】
上記で形成された一般式(11)の化合物の塩を分別結晶する方法としては、従来公知の方法をいずれも適用でき、斯くして光学活性な一般式(11)の塩を単離することができる。
【0133】
引続き行なわれる光学活性な一般式(11)の塩の脱塩化反応は、塩基性化合物の存在下、適当な溶媒中で行われる。ここで使用される溶媒としては、水に加えて前記塩形成反応で使用される溶媒をいずれも使用することができる。また塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等を挙げることができる。斯かる塩基性化合物は、通常大過剰量使用するのがよい。
【0134】
【化16】
【0135】
〔式中、R、R1、R2、R3、及びAは前記に同じ。〕
一般式(1i)の化合物の還元には、通常の接触還元条件が適用される。用いられる触媒としてはパラジウム、パラジウム−炭素、プラチナ、ラネ−ニッケル等の金属を例示でき、かかる金属は通常の触媒量で用いられる。また用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類、酢酸等の脂肪酸を挙げることができる。該還元反応は常圧及び加圧下のいずれでも行うことができるが、通常常圧〜20kg/cm2程度、好ましくは常圧〜10kg/cm2にて行うのがよい。また反応温度は通常0〜150℃程度、好ましくは室温〜100℃程度とするのがよい。
【0136】
また一般式(1j)の化合物の脱水素反応は、適当な溶媒中、酸化剤を使用して行われる。用いられる酸化剤としては例えば2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、クロラニル(2,3,5,6−テトラクロロベンゾキノン)等のベンゾキノン類、N−ブロモコハク酸イミド、N−クロロコハク酸イミド、臭素等のハロゲン化剤、二酸化セレン、パラジウム−炭素、パラジウム−黒、酸化パラジウム、ラネ−ニッケル等の水素化触媒等を挙げることができる。ハロゲン化剤の使用量としては特に限定されず広い範囲から適宜選択すればよいが、通常一般式(1j)の化合物に対して通常1〜15倍モル量程度、好ましくは1〜10倍モル量程度使用するのがよい。また水素化触媒を用いる場合には、通常の触媒量とするのがよい。溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシエタノール、ジメトキシエタン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール等のアルコール類、酢酸等の極性プロトン溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の極性非プロトン溶媒類等を例示できる。該反応は通常室温〜300℃程度、好ましくは室温〜200℃程度にて行われ、一般に1〜40時間で完結する。
【0137】
【化17】
【0138】
〔式中、R、R1、R2、X1及びAは前記に同じ。〕
化合物(8)と化合物(39)との反応は、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下に行われる。ここで溶媒及び塩基性化合物としては、前記反応式−2における化合物(4)と化合物(5)との反応で用いられる溶媒及び塩基性化合物をいずれも使用することができる。該反応は、通常−20〜50℃、好ましくは−20〜室温付近にて行われ、一般に30分〜5時間程度にて終了する。化合物(39)の使用量は、化合物(8)に対して通常少なくとも等モル量、好ましくは等モル〜2倍モル量とするのがよい。
【0139】
化合物(40)と化合物(11)との反応は、前記反応式−3における化合物(10)と化合物(11)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0140】
【化18】
【0141】
〔式中、R、R2、R3、R1c、A、X1並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。R1fは置換基としてテトラヒドロピラニルオキシ低級アルコキシ基を有するシクロアルキル基を示す。R7はテトラヒドロピラニルオキシ低級アルキル基を示す。R1gは水酸基置換低級アルコキシ基を有するシクロアルキル基を示す。〕
化合物(1k)と化合物(41)との反応は、前記反応式−6における化合物(1g)と化合物(19)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0142】
化合物(42)を化合物(1l)に導く反応は、前記反応式−6における化合物(1h)の加水分解反応と同様の反応条件下に行われる。該反応は、酸の存在下行うのがよい。
【0143】
【化19】
【0144】
〔式中、R、R2、R3、R1c、A、R1f、X1、X2及びR1gは前記に同じ。R8は低級アルコキシ低級アルキル基を示す。〕
化合物(1k)と化合物(43)との反応は、前記反応式−6における化合物(1g)と化合物(19)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0145】
化合物(44)と化合物(41)との反応は、前記反応式−6における化合物(1g)と化合物(19)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0146】
化合物(45)を化合物(1l)に導く反応は、前記反応式−16における化合物(42)を化合物(1l)に導く反応と同様の反応条件下に行なわれる。
【0147】
【化20】
【0148】
〔式中、R、R2、R3、R1a、X1、A並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。R1hは低級アルコキシ基もしくはフェニル低級アルコキシ基を有する低級アルキル基を示す。R9は低級アルキル基又はフェニル低級アルキル基を示す。〕
化合物(1m)と化合物(46)との反応は、前記反応式−6における化合物(1e)と化合物(19)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0149】
【化21】
【0150】
〔式中、R、R1、R2、A並びにカルボスチリル骨格の3位及び4位の炭素間結合は前記に同じ。R3aは低級アルケニル基を示す。R3bは低級アルキル基を示す。〕
化合物(1o)の還元反応は、前記反応式−7における化合物(27)を化合物(8)に導くときの接触還元触媒を用いる反応と同様の反応条件下に行われる。
【0151】
【化22】
【0152】
〔式中、R1a、R2、R1h、R9及びX1は前記に同じ。〕
化合物(47)と化合物(46)との反応は前記反応式−6における化合物(1e)と化合物(19)との反応と同様の反応条件下に行われる。
【0153】
【化23】
【0154】
〔式中、R10は置換基として低級アルキル基又はシクロアルキル基を有するアミノ基を示す。〕
化合物(49)を化合物(1e)に導く反応は、第1に、水等の適当な溶媒中、酸の存在下、亜硝酸ナトリウムや亜硝酸カリウム等の亜硝酸金属類と反応させた後、第2に、適当な溶媒中、塩基性化合物の存在下ホルムアミジンスルフィン酸と反応させることにより行われる。
【0155】
第1の反応で使用される酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸等の酸を例示できる。該反応は、通常室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃付近にて行われ、一般に1〜5時間程度で終了する。亜硝酸金属の使用量は、化合物(49)に対して通常1〜5倍モル、好ましくは1〜3倍モル程度とするのがよい。
【0156】
第2の反応で使用される溶媒及び塩基性化合物としては、前記反応式−2における化合物(4)と化合物(5)との反応で使用した溶媒及び塩基性化合物をいずれも使用することができる。該反応は、通常室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃付近にて行われ、一般に1〜5時間程度にて終了する。ホルムアミジンスルフィン酸の使用量は、化合物(49)に対して通常1〜5倍モル、好ましくは1〜3倍モル程度とするのがよい。
【0157】
本発明の一般式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体のうち酸性基を有する化合物は、医薬的に許容される塩基性化合物を作用させることにより容易に塩を形成させることができる。該塩基性化合物としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。
【0158】
斯くして得られる各々の工程での目的化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製することができる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、稀釈法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラテイブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
【0159】
尚本発明は幾何異性体、光学異性体も当然に包含するものである。
【0160】
一般式(1)の化合物は通常、一般的な医薬製剤の形態で用いられる。製剤は通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、潤沢剤等の稀釈剤或いは賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠或いは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用でき、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げられる。注射剤として調製される場合には液剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ましく、これら液剤、丸剤及び懸濁剤の形態に成形するのに際しては、稀釈剤としてこの分野において慣用されているものを全て使用でき、例えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を挙げられる。尚、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖或いはグリセリンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を該製剤中に含有せしめてもよい。
【0161】
本発明の医薬製剤中に含有されるべき一般式(1)の化合物の量は特に限定されず広範囲に選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%である。
【0162】
本発明の医薬製剤の投与方法には特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投与される。また注射剤の場合には単独で或いはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与される。
【0163】
本発明の医薬製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分である一般式(1)の化合物の量は1日当り体重1kg当り約0.1〜10mgとするのがよい。また、投与単位形態中に有効成分を1〜200mg含有するのがよい。
【0164】
【実施例】
以下に製剤例、参考例、実施例及び薬理試験例を掲げる。
【0165】
上記本発明の化合物、乳糖、コーンスターチ及び結晶セルローズを充分混合し、メチルセルローズの5%水溶液で顆粒化し、200メッシュの篩に通して注意深く乾燥し、これを常法により打錠して錠剤1000錠を調製する。
【0166】
上記成分を細かく粉末にし、均一な混合物になるように充分撹拌したのち所望の寸法を有する経口投与用のゼラチンカプセルに充填し、カプセル1000個を調製する。
【0167】
上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウムを撹拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水に溶解し、その溶液を40℃まで冷却し、本発明の化合物、ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートをその溶液中に溶解し、その溶液に注射用蒸留水を加えて最終の容量に調製し、適当なフィルターペーパーを用いて滅菌濾過することにより滅菌して注射剤を調製する。
【0168】
参考例1
6−ヒドロキシカルボスチリル300g及び炭酸カリウム308gのジメチルホルムアミド懸濁液2リットルを70〜80℃で1時間加熱撹拌する。この懸濁液にN−(3−ブロモプロピル)フタルイミド498gを加え、更に同温度にて9時間撹拌する。反応液を氷水にあけ、得られた結晶を濾取し、水、エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄後、乾燥し、410gの6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0169】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.00−2.18(2H,m),3.78(2H,t,J=6Hz),4.04(2H,t,J=6Hz),6.47(1H,d,J=9.5Hz),6.97(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.10(1H,d,J=2.5Hz),7.18(1H,d,J=9Hz),7.78(1H,d,J=9.5Hz),7.75−7.94(5H,m),12.08(1H,brs)。
【0170】
参考例2
6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリル300gのエタノール懸濁液3リットルにヒドラジン1水和物46gを加え8時間加熱還流する。放冷後、析出晶を濾取し、更に水に懸濁させ濃塩酸で酸性にし、1時間撹拌する。不溶物を濾去し、濾液を減圧下留去する。残渣に15%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH=7になるよう中和する。析出晶を濾取し、エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄後、乾燥し、140gの6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0171】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.02−2.20(2H,m),2.88−3.08(2H,m),4.12(2H,t,J=6Hz),6.52(1H,d,J=9.5Hz),7.18(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.24(1H,d,J=2.5Hz),7.32(1H,d,J=9Hz),7.86(1H,d,J=9.5Hz),8.15−8.50(3H,m),11.75(1H,brs)。
【0172】
参考例3
N,N−カルボニルジイミダゾール139g及びイミダゾール117gのジメチルスルホキシド2リットル溶液に氷冷撹拌下、6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリル200gを少量ずつ添加する。更に室温にて1日撹拌後、氷水にあけ析出晶を濾取、水洗する。エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄後、乾燥し、162gの6−〔3−(1−イミダゾリル)カルボニルアミノプロポキシ〕カルボスチリルを得る。
【0173】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.94−2.18(2H,m),3.30−3.63(2H,m),4.09(2H,t,J=6Hz),6.51(1H,d,J=9.5Hz),7.05(1H,s),7.15(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.22(1H,d,J=2.5Hz),7.26(1H,d,J=9Hz),7.69(1H,s),7.84(1H,d,J=9.5Hz),8.26(1H,s),8.61(1H,t,J=5.3Hz),11.68(1H,brs)。
【0174】
参考例4
6−ヒドロキシカルボスチリル50g及び1−ブロモ−3−クロロプロパン120mlのジメチルホルムアミド懸濁液600mlに室温で炭酸カリウム65gを少量ずつ添加する。室温で3日間撹拌後、不溶物を濾取し、n−ヘキサンにて洗浄する。得られた結晶を更に水、アセトン、n−ヘキサンの順に洗浄後、乾燥して50.7gの6−(3−クロロプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0175】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.19(2H,quint,J=6Hz),3.81(2H,t,J=6Hz),4.11(2H,t,J=6Hz),6.50(1H,d,J=9.5Hz),7.16(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.20−7.32(2H,m),7.84(1H,d,J=9.5Hz),11.60(1H,br)。
【0176】
参考例5
6−(3−クロロプロポキシ)カルボスチリル170g及び沃化ナトリウム129.5gのジメチルホルムアミド1.7リットル懸濁液を60℃で1時間加熱撹拌する。更にフタルイミドカリウム159gを加え、70℃で6時間加熱撹拌する。放冷後、析出晶を濾取、水洗する。エタノール、ジエチルエーテルの順に洗浄後、乾燥し、222gの6−(3−フタルイミドプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0177】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.00−2.18(2H,m),3.78(2H,t,J=6Hz),4.04(2H,t,J=6Hz),6.47(1H,d,J=9.5Hz),6.97(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.10(1H,d,J=2.5Hz),7.18(1H,d,J=9Hz),7.78(1H,d,J=9.5Hz),7.75−7.94(5H,m),12.08(1H,brs)。
【0178】
参考例6
6−(3−クロロプロポキシ)カルボスチリル100g及びアジ化ナトリウム33gのジメチルホルムアミド懸濁液を80℃で4時間加熱還流する。放冷後、氷水を加え析出晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して100gの6−(3−アジドプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0179】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.00(2H,quint,J=6Hz),3.53(2H,t,J=6Hz),4.06(2H,t,J=6Hz),6.51(1H,d,J=9.5Hz),7.12−7.35(3H,m),7.85(1H,d,J=9.5Hz),11.69(1H,s)。
【0180】
参考例7
6−(3−アジドプロポキシ)カルボスチリル17.5gの酢酸エチル−メタノール(1:1)混液700mlの溶液に10%パラジウム−炭素1.75gを加え室温、常圧にて水素を吸収させる。反応終了後、触媒を濾去し溶媒を留去する。得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄し、14.7gの 6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0181】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.02−2.20(2H,m),2.88−3.08(2H,m),4.12(2H,t,J=6Hz),6.52(1H,d,J=9.5Hz),7.18(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.24(1H,d,J=2.5Hz),7.32(1H,d,J=9Hz),7.86(1H,d,J=9.5Hz),8.15−8.50(3H,m),11.75(1H,brs)。
【0182】
参考例8
水素化アルミニウムリチウム1.9gの無水テトラヒドロフラン50ml懸濁液に6−(3−アジドプロポキシ)カルボスチリル10gの無水テトラヒドロフラン200mlの溶液を氷冷撹拌下、滴下する。室温にて更に1時間撹拌後、水2ml、15%水酸化ナトリウム2ml及び水6mlを滴下する。不溶物を濾取し、クロロホルム−メタノール(8:1)混合溶媒に加え加熱し、冷後不溶物を濾去する。溶媒を留去し残渣にジエチルエーテルを加え、析出晶を濾取し、6.2gの6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0183】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.02−2.20(2H,m),2.88−3.08(2H,m),4.12(2H,t,J=6Hz),6.52(1H,d,J=9.5Hz),7.18(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.24(1H,d,J=2.5Hz),7.32(1H,d,J=9Hz),7.86(1H,d,J=9.5Hz),8.15−8.50(3H,m),11.75(1H,brs)。
【0184】
参考例9
シクロヘキセンオキシド143ml及びシクロプロピルアミン82gをメタノール1リットルに溶解し5時間加熱還流する。溶媒を留去し、減圧蒸留し、126gのトランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミンを得る。
【0185】
無色油状、沸点:79−85℃/0.5−1mmHg。
【0186】
参考例10
トランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミン150g、(R)−(−)−マンデル酸147g及びp−トルエンスルホン酸・1水和物203gをトルエン1.5リットルに加えディーンスタークの装置で水を抜きながら6時間、加熱還流する。氷水にあけ炭酸水素ナトリウム98gの水溶液を加え1時間撹拌する。トルエン層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜1/1)で精製後、酢酸エチル−n−ヘキサン(1:1)で結晶化させる。酢酸エチル−n−ヘキサン(1:2)で再結晶し、25gの(S,S)−(+)−トランス−N−(2−マンデロイルオキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミンを得る。
【0187】
無色柱状、融点:102−103℃。
【0188】
参考例11
(S)−(+)−マンデル酸を用い、参考例10と同様にして、(R,R)−(−)−トランス−N−(2−マンデロイルオキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミンを得る。
【0189】
酢酸エチル−n−ヘキサン(1:2)で再結晶、無色柱状、融点:101−103℃。
【0190】
参考例12
(S,S)−(+)−トランス−N−(2−マンデロイルオキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミン25gのメタノール250ml懸濁液に3N−水酸化カリウム溶液87mlを室温撹拌下、滴下する。更に室温下、0.5時間撹拌後、塩化メチレンで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を留去し、減圧蒸留して13.4gの(S,S)−(+)−トランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミンを得る。
【0191】
無色油状、沸点:87℃/2mmHg
放置後、結晶化。無色柱状、融点:43−45℃
〔α〕D 24=+59.4°(c=1.0,メタノール)。
【0192】
参考例13
(R,R)−(−)−N−トランス−(2−マンデロイルオキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミンを用い、参考例12と同様にして、(R,R)−(−)−トランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミンを得る。
【0193】
無色油状、沸点:79℃/0.5mmHg
放置後、結晶化。無色柱状、融点:43−45℃
〔α〕D 24=−59.3°(c=1.0,メタノール)。
【0194】
参考例14
1−アミノ−2−ブタノール120gを室温下、シクロヘキサノン132gのエタノール600mlの溶液に滴下し、同温度で1日撹拌する。その後、反応液に10%パラジウム−炭素6gを加え60℃、4気圧の水素圧で接触水素添加する。触媒を濾去し、溶媒を留去し、減圧蒸留して223gのN−(2−ヒドロキシブチル)−N−シクロヘキシルアミンを得る。
【0195】
無色油状、沸点:87−93℃/0.35−0.4mmHg。
【0196】
参考例15
1,2−エポキシブタン72.2g、シクロヘキシルアミン99.2gをメタノール200mlに加え6時間加熱還流する。溶媒を留去し減圧蒸留して105gのN−(2−ヒドロキシブチル)−N−シクロヘキシルアミンを得る。
【0197】
無色油状、沸点:87−93℃/0.35−0.4mmHg。
【0198】
参考例16
トリフォスゲン4.35gのトルエン70ml溶液にN−メチルシクロヘキシルアミン5gを滴下する。次いでピリジン3.5gを滴下し4時間加熱還流する。放冷後、有機層を0.1N塩酸で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒留去し、7.62gのN−メチル−N−シクロヘキシルアミノカルボニルクロリドを得る。
【0199】
無色油状
1H−NMR(CDCl3)δppm;1.00−2.00(10H,m),2.9及び3.1(全3H,各s),4.10(1H,m)。
【0200】
参考例17
6−(3−クロロプロポキシ)カルボスチリル20gを40%メチルアミンのメタノール溶液200mlに加え封管中、100℃で終夜加熱撹拌する。溶媒を留去後、析出晶をクロロホルム/ジエチルエーテルの混合溶媒で洗浄する。次いでシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン/メタノール/アンモニア水=50/10/1)で精製し、クロロホルム−ジエチルエーテルより再結晶し、15.4gの6−(3−メチルアミノプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0201】
融点:160−161.5℃。
【0202】
参考例18
適当な出発原料を用い、参考例17と同様にして以下の化合物を得る。
【0203】
(1)6−(3−エチルアミノプロポキシ)カルボスチリル
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.08(3H,t,J=7Hz),1.85−2.05(2H,m),2.72(2H,q,J=7Hz),2.83(2H,t,J=7Hz),4.06(2H,t,J=6Hz),6.50(1H,d,J=9.5Hz),7.10−7.30(3H,m),7.84(1H,d,J=9.5Hz)。
【0204】
(2)6−(3−アリルアミノプロポキシ)カルボスチリル
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.15−2.20(2H,m),3.03(2H,t,J=7Hz),3.59(2H,d,J=6.5Hz),4.09(2H,t,J=6Hz),5.35−5.55(2H,m),5.85−6.05(1H,m),6.50(1H,d,J=9.5Hz),7.10−7.30(3H,m),7.84(1H,d,J=9.5Hz)。
【0205】
参考例19
6−ヒドロキシカルボスチリル100gをオキシ塩化リン500mlに加え5時間、加熱還流する。オキシ塩化リンを留去後、残渣を少量のクロロホルムに溶解させ氷水にあける。析出晶を濾取、水、アセトン、n−ヘキサンの順に洗浄後、乾燥し、127gの2−クロロ−6−ヒドロキシキノリン・塩酸塩を得る。
【0206】
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;7.50−7.70(2H,m),7.78(1H,s),7.95(1H,d,J=9Hz),8.43(1H,d,J=9Hz)。
【0207】
参考例20
2−クロロ−6−ヒドロキシカルボスチリル・塩酸塩25g及び炭酸カリウム38gのジメチルホルムアミド懸濁液600mlにN−(3−ブロモプロピル)フタルイミド31gを加え60℃にて終夜、加熱撹拌する。反応液を氷水にあけ、得られた結晶を濾取し、水で洗浄、乾燥し、19.3gの2−クロロ−6−(3−フタルイミドプロポキシ)キノリンを得る。
【0208】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.10−2.25(2H,m),3.82(2H,t,J=7Hz),4.17(2H,t,J=6Hz),7.23(1H,dd,J=3Hz,J=9Hz),7.36(1H,d,J=3Hz),7.52(1H,d,J=9Hz),7.80(1H,d,J=9Hz),7.85(4H,s),8.28(1H,d,J=9Hz)。
【0209】
参考例21
2−クロロ−6−(3−フタルイミドプロポキシ)キノリン9.0gのエタノール懸濁液250mlにヒドラジン・1水和物1.4gを加え7.5時間加熱還流する。放冷後、析出晶を濾取し、更に水に懸濁させ濃塩酸で酸性にし、1時間撹拌する。10%水酸化カリウム水溶液を加えてアルカリ性にし、クロロホルムで抽出する。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、4.7gの2−クロロ−6−(3−アミノプロポキシ)キノリンを得る。
【0210】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.80−1.95(2H,m),2.74(2H,t,J=7Hz),4.18(2H,t,J=6Hz),7.40−7.50(2H,m),7.53(1H,d,J=9Hz),7.86(1H,d,J=10Hz),8.32(1H,d,J=9Hz)。
【0211】
参考例22
N,N−カルボニルジイミダゾール2.1g及びイミダゾール1.9gのクロロホルム100ml溶液に−10℃で撹拌下、2−クロロ−6−(3−アミノプロポキシ)キノリン3gのクロロホルム溶液40mlを滴下する。更に室温にて終夜撹拌後、N−(2−ヒドロキシブチル)−N−シクロヘキシルアミン2.9gのクロロホルム溶液10mlを滴下する。室温で1時間撹拌後、2.5時間加熱還流する。放冷後、クロロホルム溶液を希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水の順に洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し、6.8gの2−クロロ−6−{3−〔3−シクロヘキシル−3−(2−ヒドロキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}キノリンを得る。
【0212】
無色油状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;0.87(3H,t,J=7Hz),0.90−1.85(11H,m),1.90−2.05(2H,m),2.95−3.10(2H,m),3.15−3.30(2H,m),3.35−3.50(1H,m),3.65−3.90(1H,m),4.14(2H,t,J=6Hz),5.49(1H,d,J=4Hz),6.76(1H,t,J=5Hz),7.40−7.60(3H,m),7.86(1H,d,J=9Hz),8.31(1H,d,J=9Hz)。
【0213】
参考例23
2−クロロ−6−{3−〔3−シクロヘキシル−3−(2−ヒドロキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}キノリン6.3g、4−ジメチルアミノピリジン0.1g及びトリエチルアミン2.3gの塩化メチレン80ml溶液に無水酢酸1.8gを室温撹拌下、滴下する。塩化メチレン層を希塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去し、6.7gの2−クロロ−6−{3−〔3−シクロヘキシル−3−(2−アセチルオキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}キノリンを得る。
【0214】
無色油状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;0.81(3H,t,J=7Hz),0.90−1.80(11H,m),1.80−2.10(5H,m),3.00−3.45(4H,m),3.55−3.70(1H,m),4.13(2H,t,J=6Hz),4.35−5.00(1H,m),6.34(1H,t,J=5Hz),7.35−7.60(3H,m),7.86(1H,d,J=9Hz),8.31(1H,d,J=9Hz)。
【0215】
参考例24
2−クロロ−6−{3−〔3−シクロヘキシル−3−(2−アセチルオキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}キノリン5.6gのジメチルホルムアミド80ml溶液に水素化ナトリウム(60%油状)0.8gを加え室温で1時間撹拌する。反応液に沃化メチル1.1mlを加え1時間撹拌する。更に沃化メチル2mlを加え室温で終夜撹拌する。反応液を水にあけ酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を水で洗浄し、無水酢酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン/メタノール=20/1)で精製し、5.5gの2−クロロ−6−{3−〔1−メチル−3−シクロヘキシル−3−(2−アセチルオキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}キノリンを得る。
【0216】
無色油状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;0.79(3H,t,J=7Hz),0.90−1.85(11H,m),1.90−2.15(5H,m),2.75(3H,s),2.80−2.95(1H,m),3.00−3.45(5H,m),4.10(2H,t,J=6Hz),4.65−4.80(1H,m),7.35−7.50(2H,m),7.53(1H,d,J=9Hz),7.87(1H,d,J=10Hz),8.30(1H,d,J=9Hz)。
【0217】
参考例25
(R,R)−(−)−6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル10g及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン5.66gを無水塩化メチレン200mlに溶解させ、氷冷撹拌下にクロロメチルメチルエーテル2.28gを滴下し、氷冷下1時間撹拌後、室温で終夜撹拌する。反応液に飽和重曹水を加え塩化メチレンで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン:メタノール=50:1〜30:1)で精製後、ジエチルエーテル−石油エーテルで再結晶し、3.33gの(R,R)−(−)−6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}−2−メトキシメトキシキノリンを得る。
【0218】
白色粉末状
1H−NMR(CDCl3)δppm;0.67−1.02(4H,m),1.15−1.40(3H,m),1.63−1.95(4H,m),2.05−2.18(3H,m),2.35−2.48(1H,m),3.39−3.83(8H,m,3.58(s)),4.14(2H,t,J=6Hz),5.66(2H,s),5.71(1H,t,J=5.5Hz),6.94(1H,d,J=8.5Hz),7.06(1H,d,J=2.5Hz),7.25(1H,dd,J=2.5Hz,J=9Hz),7.75(1H,d,J=9Hz),7.94(1H,d,J=8.5Hz)。
【0219】
参考例26
(R,R)−(−)−6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}−2−メトキシメトキシキノリン2.83gをジメチルホルムアミド50mlに溶解させ、アルゴン気流下、室温にて水素化ナトリウム(60%油性)0.383gを加え、室温にて1時間撹拌する。1−ブロモ−3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)プロパン2.14gを加え70〜90℃で5時間加熱撹拌する。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)で精製し、1.7gの(R,R)−(−)−6−{3−〔3−{トランス−2−〔3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)プロポキシ〕シクロヘキシル}−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}−2−メトキシメトキシキノリンを得る
白色粉末状
1H−NMR(CDCl3)δppm;0.60−0.95(4H,m),1.02−1.47(2H,m),1.48−1.95(14H,m),2.02−2.26(5H,m),2.49−2.63(1H,m),3.33−3.52(6H,m),3.58(3H,s),3.60−3.96(4H,m),4.12(2H,t,J=5Hz),4.45−4.60(1H,m),5.52−5.60(1H,m),5.67(2H,s),6.93(1H,d,J=9Hz),7.06(1H,d,J=2.5Hz),7.20−7.45(1H,m),7.74(1H,d,J=9Hz),7.94(1H,d,J=9Hz)。
【0220】
参考例27
適当な出発原料を用い、参考例9と同様にして以下の化合物を得る。
【0221】
(1)トランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロヘプチルアミン
無色油状、沸点:140℃/3mmHg。
【0222】
(2)トランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロオクチルアミン
白色結晶、沸点:150℃/1mmHg。
【0223】
参考例28
N−シクロヘキシル−N−(2−ヒドロキシブチル)アミン3gをテトラヒドロフラン50mlに溶かし、氷冷下撹拌しながら水素化ナトリウム(60%油性)2.1gを加え、60℃にて1時間加熱撹拌する。次にこの溶液を氷冷下撹拌しながら臭化エチル2.1gを滴下し、室温にて4時間撹拌後、反応液に水を加えて酢酸エチルで抽出する。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=100:10:1)にて精製し、1.6gのN−シクロヘキシル−N−(2−エトキシブチル)アミンを得る。
【0224】
無色油状
1H−NMR(CDCl3)δppm;0.90(3H,t,J=7.5Hz),1.00−1.95(11H,m),2.35−2.45(1H,m),2.54−2.74(2H,m),3.30−3.40(1H,m),3.44−3.64(2H,m)。
【0225】
参考例29
N−シクロヘキシル−N−(2−ヒドロキシブチル)アミン49.2gのテトラヒドロフラン1リットル溶液に、0℃撹拌下、水素化ナトリウム(60%油性)12.6gを少しづつ加える。同温で1時間撹拌後、ベンジルブロマイド34mlを滴下する。室温で終夜撹拌後、溶媒を減圧留去し、残渣に水を加え、クロロホルムで抽出する。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=200:10:1)で精製し、25.8gのN−シクロヘキシル−N−(2−ベンジルオキシブチル)アミンを得る。
【0226】
無色油状
1H−NMR(CDCl3)δppm;0.94(3H,t,J=7.5Hz),1.00−1.35(5H,m),1.50−1.95(8H,m),2.30−2.45(1H,m),2.60−2.80(2H,m),3.45−3.60(1H,m),4.50(1H,d,J=11.5Hz),4.61(1H,d,J=11.5Hz),7.25−7.40(5H,m)。
【0227】
参考例30
6−(3−クロロプロポキシ)カルボスチリル5g及び1−アミノ−2−プロパノール24mlを2−プロパノール100mlに溶かし、4時間加熱還流する。放冷後、析出晶を濾取し、エタノールで洗浄、乾燥して3.1gの6−〔3−(2−ヒドロキシプロピル)アミノプロポキシ〕カルボスチリルを得る。
【0228】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.03(3H,d,J=6Hz),1.80−1.90(2H,m),2.40−2.43(2H,m),2.66(2H,t,J=6.5Hz),3.60−3.70(1H,m),4.04(2H,t,J=6.5Hz),4.40−4.50(1H,m),6.48(1H,d,J=9.5Hz),7.11−7.25(3H,m),7.83(1H,d,J=9.5Hz)。
【0229】
参考例31
6−(3−クロロプロポキシ)カルボスチリル5.0g及び3−アミノ−1−プロパノール24mlのメタノール25ml溶液をオートクレーブ中、100℃で4時間加熱する。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン:メタノール:アンモニア水=70:10:1)で精製し、メタノール−ジエチルエーテルより再結晶し、4.4gの6−〔3−(3−ヒドロキシプロピル)アミノプロポキシ〕カルボスチリルを得る。
【0230】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.45−1.65(2H,m),1.80−1.95(2H,m),2.40−2.75(4H,m),3.46(2H,t,J=6.5Hz),4.03(2H,t,J=6.5Hz),6.48(1H,d,J=9.5Hz),7.10−7.30(3H,m),7.83(1H,d,J=9.5Hz)。
【0231】
参考例32
適当な出発原料を用い、参考例1と同様にして以下の化合物を得る。
【0232】
(1)6−(3−フタルイミドプロポキシ)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロカルボスチリル
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.03(2H,quint,J=6Hz),2.36−2.48(2H,m),2.70−2.90(2H,m),3.75(2H,t,J=6.5Hz),3.97(2H,t,J=6Hz),6.47(1H,brs)、6.55(1H,dd,J=2.5Hz,J=12Hz),7.74−7.96(4H,m),9.91(1H,s)。
【0233】
(2)6−(3−フタルイミドプロポキシ)−8−メトキシカルボスチリル
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.02−2.15(2H,m),3.77(3H,s),3.79(2H,t,J=6.5Hz),4.04(2H,t,J=5.5Hz),6.48(1H,s),6.49(1H,d,J=9.5Hz),6.69(1H,d,J=2Hz),7.77(1H,d,J=9.5Hz),7.85−7.86(5H,m),7.80−7.90(5H,m)。
【0234】
参考例33
適当な出発原料を用い、参考例3と同様にして以下の化合物を得る。
【0235】
(1)6−〔3−(1−イミダゾリル)カルボニルアミノプロポキシ〕−8−フルオロ−3,4−ジヒドロカルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.97(2H,quint,J=6Hz),2.38−2.51(2H,m),2.82−2.96(2H,m),3.33−3.47(2H,m),4.01(2H,t,J=6.5Hz),6.66(1H,s),6.71(1H,dd,J=2.5Hz,J=12.5Hz),7.03(1H,s),7.66(1H,s),8.23(1H,s),8.57(1H,t,J=5.5Hz),9.93(1H,s)。
【0236】
(2)6−〔3−(1−イミダゾリル)カルボニルアミノプロポキシ〕−8−フルオロカルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.02(2H,quint,J=6Hz),3.35−3.50(2H,m),4.10(2H,t,J=6Hz),6.57(1H,d,J=9.5Hz),7.03(1H,s),7.05−7.23(2H,m),7.67(1H,s),7.85(1H,dd,J=1.5Hz,J=10Hz),8.24(1H,s),8.59(1H,t,J=5.5Hz),11.67(1H,brs)。
【0237】
(3)6−〔3−(1−イミダゾリル)カルボニルアミノプロポキシ〕−8−メトキシカルボスチリル
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.00−2.05(2H,m),3.44(2H,t,J=6Hz),3.86(3H,s),4.08(2H,t,J=6Hz),6.50(1H,d,J=9.5Hz),6.74(1H,d,J=2Hz),6.78(1H,d,J=2Hz),7.03(1H,s),7.67(1H,s),7.79(1H,d,J=9.5Hz),8.24(1H,s),8.55−8.65(1H,m)。
【0238】
(4)6−〔2−(1−イミダゾリル)カルボニルアミノエトキシ〕カルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;3.60−3.72(2H,m),4.17(2H,t,J=5.5Hz),6.49(1H,d,J=9.5Hz),7.03(1H,s),7.15−7.30(3H,m),7.69(1H,s),7.82(1H,d,J=9.5Hz),8.26(1H,s),8.70−8.85(1H,m)。
【0239】
(5)6−〔4−(1−イミダゾリル)カルボニルアミノブトキシ〕カルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.62−1.90(4H,m),3.25−3.50(2H,m),4.03(2H,t,J=6Hz),6.49(1H,d,J=9.5Hz),7.03(1H,s),7.10−7.30(3H,m),7.67(1H,s),7.82(1H,d,J=9.5Hz),8.24(1H,s),8.48−8.60(1H,m),11.65(1H,brs)。
【0240】
参考例34
適当な出発原料を用い、参考例4と同様にして以下の化合物を得る。
【0241】
(1)6−(3−クロロプロポキシ)−8−フルオロ−3,4−ジヒドロカルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.22(2H,quint,J=6Hz),2.64(2H,t,J=6Hz),2.97(2H,t,J=6Hz),3.73(2H,t,J=6Hz),4.06(2H,t,J=6Hz),6.50−6.63(2H,m),7.67(1H,brs)。
【0242】
(2)6−(3−クロロプロポキシ)−8−フルオロカルボスチリル
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.18(2H,quint,J=6Hz),3.80(2H,t,J=6.5Hz),4.13(2H,t,J=6Hz),6.57(1H,d,J=10Hz),7.07−7.23(2H,m),7.87(1H,dd,J=1.5Hz,J=10Hz),11.65(1H,brs)。
【0243】
(3)6−(2−ブロモエトキシ)カルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;3.81(2H,t,J=5.5Hz),4.34(2H,t,J=5.5Hz),6.49(1H,d,J=9.5Hz),7.14−7.30(3H,m),7.82(1H,d,J=9.5Hz),11.61(1H,brs)。
【0244】
(4)6−(4−ブロモブトキシ)カルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.75−2.10(4H,m),3.62(2H,t,J=6.5Hz),4.02(2H,t,J=6Hz),6.50(1H,d,J=9.5Hz),7.10−7.35(3H,m),7.84(1H,d,J=9.5Hz),11.66(1H,brs)。
【0245】
参考例35
適当な出発原料を用い、参考例5と同様にして以下の化合物を得る。
【0246】
(1)6−(3−フタルイミドプロポキシ)−8−フルオロカルボスチリル
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.08(2H,quint,J=6Hz),3.78(2H,t,J=6.5Hz),4.06(2H,t,J=6Hz),6.55(1H,d,J=9.5Hz),6.91(1H,dd,J=2.5Hz,J=12Hz),6.98(1H,brs),7.76−7.96(4H,m),11.60(1H,brs)。
【0247】
(2)6−(2−フタルイミドエトキシ)カルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;3.99(2H,t,J=5.5Hz),4.25(2H,t,J=5.5Hz),6.47(1H,d,J=10Hz),7.10−7.30(3H,m),7.75−7.79(5H,m)。
【0248】
(3)6−(4−フタルイミドブトキシ)カルボスチリル
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.67−1.90(4H,m),3.55−3.76(2H,m),3.91−4.16(2H,m),6.48(1H,d,J=9.5Hz),7.08−7.32(3H,m),7.76−7.95(5H,m)。
【0249】
参考例36
適当な出発原料を用い、参考例2と同様にして以下の化合物を得る。
【0250】
(1)6−(3−アミノプロポキシ)−8−フルオロカルボスチリル塩酸塩
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.06(2H,quint,J=6Hz),2.87−3.10(2H,m),4.12(2H,t,J=6Hz),6.57(1H,d,J=9.5Hz),7.07−7.26(2H,m),8.88(1H,br−d,J=10Hz),8.05−8.45(3H,m),11.40−11.88(1H,m)。
【0251】
(2)6−(3−アミノプロポキシ)−8−メトキシカルボスチリル塩酸塩
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.04−2.10(2H,m),2.96(2H,t,J=6.5Hz),4.10(2H,t,J=6Hz),6.55(1H,d,J=9.5Hz),6.81−6.84(2H,m),7.85(1H,d,J=9.5Hz),8.10−8.35(3H,m)。
【0252】
(3)6−(2−アミノエトキシ)カルボスチリル
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;2.88(2H,t,J=5.5Hz),3.93(2H,t,J=5.5Hz),6.48(1H,d,J=9.5Hz),7.11−7.25(3H,m),7.83(1H,d,J=9.5Hz)。
【0253】
(4)6−(4−アミノブトキシ)カルボスチリル
淡黄色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.67−1.97(4H,m),2.83(2H,t,J=6.5Hz),4.01(2H,t,J=6Hz),6.50(1H,d,J=9.5Hz),7.10−7.37(3H,m),7.84(1H,d,J=9.5Hz)。
【0254】
参考例37
N−メチルシクロヘキシルアミン17gの6N塩酸水溶液90mlに60℃で亜硝酸ナトリウム20.7gの水溶液60mlを滴下する。同温で2時間撹拌後、メタノール300mlで希釈し、水酸化ナトリウム45gの水溶液100ml及び、ホルムアミジンスルフィン酸39gを加える。2時間加熱還流後、水400mlで希釈し、塩化メチレンで3回抽出する。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣を減圧蒸留して10gの1−メチル−1−シクロヘキシルヒドラジンを得る。
【0255】
無色油状、沸点:76−78℃/19mmHg。
【0256】
適当な出発原料を用い、参考例37と同様にして以下の化合物を得る。
【0257】
1−シクロプロピル−1−シクロヘキシルヒドラジン
淡黄色油状
1H−NMR(CDCl3)δppm;0.46−0.60(4H,m),1.01−1.43(5H,m),1.56−1.70(1H,m),1.73−1.85(2H,m),1.81−2.08(3H,m),2.43−2.58(1H,m),3.06(2H,brs)。
【0258】
参考例38
N−(トランス−2−ヒドロキンシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミン20gのメチルエチルケトン260ml溶液に、室温撹拌下、D−ジパラトルオイル酒石酸49.8gのメチルエチルケトン200ml溶液を加える。更に室温で1.5時間撹拌後、析出晶を濾取しメチルエチルケトン、アセトンの順に洗浄する。メタノール−アセトニトリルで再結晶し、22.0gの(R,R)−(−)−トランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミン−D−ジパラトルオイル酒石酸塩を得る。
【0259】
白色粉末状、融点:165℃。
【0260】
参考例39
水酸化ナトリウム4gの水溶液80mlに、室温撹拌下、(R,R)−(−)−N−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミン−D−ジパラトルオイル酒石酸塩20gを加える。更に室温で0.5時間撹拌後、酢酸エチル40mlで2回抽出する。水層に水40ml加えた後、更に塩化メチレン20mlで3回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を減圧留去し5.2gの(R,R)−(−)−トランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミンを得る。
【0261】
無色柱状、融点:43−45℃
〔α〕D 24=−59.3°(c=1.0,メタノール)。
【0262】
参考例40
6−(3−アミノプロポキシ)カルボスチリル塩酸塩5.0g及び炭酸カリウム3.4gを、水50mlとアセトニトリル50mlとの混液に室温で加える。更に室温で2時間撹拌後、−5℃に冷却し、クロル炭酸フェニル3.9gを0℃を越えないように滴下する。同温で1時間撹拌後、水100ml加え更に0.5時間撹拌する。析出晶を濾取し、水、アセトンの順に洗浄して、6.0gの6−(3−フェノキシカルボニルアミノプロポキシ)カルボスチリルを得る。
【0263】
白色粉末状
1H−NMR(DMSO−d6)δppm;1.95(2H,quint,J=6.5Hz),3.20−3.35(2H,m),4.06(2H,t,J=6.0Hz),6.50(1H,d,J=9.5Hz),7.05−7.40(8H,m),7.75−7.95(2H,m),11.65(1H,brs)。
【0264】
実施例1
6−〔3−(1−イミダゾリル)カルボニルアミノプロポキシ〕カルボスチリル100g及びトランス−N−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミン49.6gをクロロホルム1リットルに懸濁し10時間加熱還流する。不溶物をセライトで濾去し濾液を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去する。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン/酢酸エチル/メタノール=10/10/1)で精製後、エタノールより再結晶して83gの6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリルを得る。
【0265】
白色粉末状、融点:163.5−164.5℃。
【0266】
適当な出発原料を用い、実施例1と同様にして後記実施例7〜31の化合物を得る。
【0267】
実施例2
6−{3−〔N−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミノ〕カルボニルアミノプロポキシ}カルボスチリル5g、トリエチルアミン4.2ml及び4−ジメチルアミノピリジン0.48gの塩化メチレン100ml溶液に室温撹拌下、無水酢酸3.17mlを滴下する。室温で更に2時間撹拌後、25%アンモニア水20ml加え1時間撹拌する。有機層を分取し水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン/メタノール=20/1)で精製しエタノール−ジエチルエーテルより再結晶し、4.28gの6−{3−〔3−(トランス−2−アセチルオキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリルを得る。
【0268】
白色粉末状、融点:180−183℃。
【0269】
適当な出発原料を用い、実施例2と同様にして後記実施例11及び14の化合物を得る。
【0270】
実施例3
6−(3−メチルアミノプロポキシ)カルボスチリル3gをジメチルホルムアミド150mlに溶解し、N−メチル−N−シクロヘキシルアミノカルボニルクロリド2.3g及び炭酸カリウム2gを加え終夜、室温で撹拌する。更に80℃で2時間加熱撹拌後、反応液を水にあけ酢酸エチルで抽出する。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン/メタノール=30/1)で精製し酢酸エチルより再結晶し、2.3gの6−〔3−(1,3−ジメチル−3−シクロヘキシルウレイド)プロポキシ〕カルボスチリルを得る。
【0271】
白色粉末状、融点:113−114℃。
【0272】
実施例4
2−クロロ−6−{3−〔1−メチル−3−シクロヘキシル−3−(2−アセチルオキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}キノリン5.5gを酢酸100mlに加え、4時間加熱還流する。酢酸を留去後、残渣を塩化メチレンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノール=20/1)で精製し、塩化メチレン−ジエチルエーテルより再結晶し、2.7gの6−{3−〔1−メチル−3−シクロヘキシル−3−(2−アセチルオキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}カルボスチリルを得る。
【0273】
白色粉末状、融点:164−166℃。
【0274】
実施例5
6−{3−〔1−メチル−3−シクロヘキシル−3−(2−アセチルオキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル1.63gをメタノール10mlに加え、10%水酸化カリウム10mlを滴下する。室温で終夜撹拌後、メタノールを減圧下留去し、残渣を水にあけクロロホルムで抽出する。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン/メタノール=20/1)で精製し、塩化メチレン−ジエチルエーテルより再結晶し、0.6gの6−{3−〔1−メチル−3−シクロヘキシル−3−(2−ヒドロキシブチル)ウレイド〕プロポキシ}カルボスチリルを得る。
【0275】
白色粉末状、融点:173−175℃。
【0276】
適当な出発原料を用い、実施例5と同様にして後記実施例6及び8〜10の化合物を得る。
【0277】
適当な出発原料を用い、前記実施例3又は4と同様にして下記表1〜表7に示す各化合物を得る。
【0278】
【表1】
【0279】
【表2】
【0280】
【表3】
【0281】
【表4】
【0282】
【表5】
【0283】
【表6】
【0284】
【表7】
【0285】
実施例32
(R,R)−(−)−6−〔3−{トランス−2−〔3−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)プロポキシ〕シクロヘキシル}−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}−2−メトキシメトキシキノリン1.7gをエタノール17mlに溶解させ、室温撹拌下、2N−塩酸17mlを滴下する。室温で2時間撹拌後、減圧下にエタノールを留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)で精製し、塩化メチレン−ジエチルエーテルより再結晶して1.2gの(R,R)−(−)−6−{3−〔3−{トランス−2−(3−ヒドロキシプロポキシ)シクロヘキシル}−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリルを得る。
【0286】
白色粉末状、融点:105−108℃
〔α〕D 21=−21.9°(c=1.00,メタノール)。
【0287】
実施例33
6−〔3−(3−シクロヘキシル−3−メチル−1−アリルウレイド)プロポキシ〕カルボスチリル3.0gをエタノール90mlに溶解し、10%Pd−C0.3gを加え常温、1気圧の水素雰囲気下、接触水素添加を行う。反応終了後、触媒を濾去し、減圧下濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン:メタノール=20:1)で精製し、エタノール−ジエチルエーテルより再結晶して2.1gの6−〔3−(3−シクロヘキシル−3−メチル−1−プロピルウレイド)プロポキシ〕カルボスチリルを得る。
【0288】
無色リン片状、融点:119−119.5℃。
【0289】
適当な出発原料を用い、実施例33と同様にして、前記実施物15の化合物を得る。
【0290】
実施例34
6−(3−フェノキシカルボニルアミノプロポキシ)カルボスチリル5.0g及び(R,R)−(−)−N−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−N−シクロプロピルアミン2.4gをジメチルホルムアミド45ml及び水5mlの混液に加え、85℃で6時間加熱撹拌する。80℃で水80mlを加え終夜撹拌しながら放冷する。析出晶を濾取し水で洗浄する。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;塩化メチレン:メタノール:酢酸エチル=5:1:5)で精製し、エタノールより再結晶し2.9gの(R,R)−(−)−6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリルを得る。
【0291】
白色粉末状、融点:158.5−160℃
〔α〕D 24=−1.3°(c=1.0,メタノール)。
【0292】
適当な出発原料を用い、実施例34と同様にして、前記実施例6〜8及び10〜31の化合物を得る。
【0293】
薬理試験1(血小板凝集抑制作用)
(1)多血小板血漿(PRP)の調製
無麻酔下にて、雄性ウサギ(NZW種,体重2〜3kg)の頚動脈からクエン酸採血を行い、クエン酸と血液とのボリューム比が1対9になるように調製した。この抗凝固血をプラスチック試験管に約7mlずつ分注し、室温にて低速遠心(900rpm,15分)後、その白濁した上清を多血小板血漿(PRP)とした。乏血小板血漿(PPP)はPRP採取後の残渣を3000rpmで10分遠心し、その上清を用いた。PRPは5×105cells/μlになるようにPPPにて希釈し、凝集能の測定に用いた。
【0294】
(2)凝集測定方法
血小板の凝集は、Bornの比濁法を用いて測定した。ジメチルホルムアミドに溶解した薬物溶剤1μlをキュベットに入れ、更に200μlのPRPを添加後、直ちに血小板凝集能測定装置PAM−8T(メバニクス社)に入れ、37℃で保温した。正確に3分間後、生理食塩水に溶解したADP(PAテストADP「MCM」MCメディカル社)又はコラーゲン溶液(コラーゲンリエージエントホルム,MCメディカル社)を20μl添加した。ADP溶液又はコラーゲン溶液の最終濃度は、それぞれ7.5μM、20μg/mlであった。
【0295】
また、最大凝集率、凝集抑制率の算出は以下の式に従った。
【0296】
【数1】
【0297】
【数2】
【0298】
IC50は薬物濃度の異なる2点間の凝集抑制率から求めた。結果を下記表8に示す。
【0299】
【表8】
【0300】
薬理試験2(抗血栓作用)
抗血栓作用は、マウスにコラーゲンを静脈内投与して誘発される肺塞栓致死に対して薬物(経口投与)による抑制作用(肺塞栓抑制作用)で判定した。
【0301】
雄性ICR系マウス(5週齢、体重約25g)を1夜絶食し、群分け及びナンバリングを行った(各群15匹)。1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910TC−5(HPMC,信越化学工業株式会社)に懸濁した薬物溶液を経口投与した後、10分後に尾静脈より一定速度でコラーゲン溶液(調製、用量は後記)を注入した。その後1時間以内に死亡した個体数より致死率を計算した。薬物の評価はこのマウスの致死率の抑制%で行った。コラーゲン溶液は、コラーゲン(シグマケミカル社製、タイプIII)を2mM塩化カルシウム及び5%グルコースを含む0.05M酢酸溶液に2.5mg/mlになるように4℃にて溶解しておき、使用する前日に水酸化ナトリウムでpHを7.4に合わせた。37℃にて撹拌しながら2時間加温し、その後、室温にて更に一夜撹拌した。使用する直前に再度pHを7.4に合わせて実験に供した。尾静脈注するコラーゲン溶液の量は、肺塞栓による致死率が約75%になるように予備実験を行って決定した。結果を下記表9に示す。
【0302】
【表9】
【0303】
薬理試験3(血管内膜肥厚抑制作用)
雄性SD系ラット(6週齢)を群分け(各群8匹)及びナンバリング後、1%ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910TC−5(HPMC,信越化学工業株式会社)に懸濁した薬物溶液を経口投与した。またコントロール群には1%HPMCを経口投与した。1〜2時間後に2フレンチバルーンカテーテル(バクスタートラベノール社)を左総頚動脈に挿入し、5回擦過することによるバルーン傷害を行い、この日をDay0とした。次の日(Day1)に朝夕2回薬物を経口投与した。Day2に薬物投与約1時間後、バルーン傷害後の時間が各個体間で正確に一定になるように、1.48MBq/mlの3H−チミジン(NENリサーチプロダクツ社製)を体重1kg当たり5ml尾静脈注射した。正確に3H−チミジン尾静脈注射後45分に総頚動脈を摘出した。尚、薬物投与群はバルーン傷害した左総頚動脈のみ、コントロール群は左右の総頚動脈を摘出した。摘出した総頚動脈は、正確に1cmにカットし、外膜及び神経等不要物をきれいに除去した。総頚動脈をガラスのバイアル瓶に移し、0.5N水酸化ナトリウム0.5mlを添加し、37℃にて一夜加温し、可溶化を行った。5N塩酸を0.05ml加え中和し、更に過酸化水素水を0.1ml添加した。10mlのアクアゾール2(デュポン社製)を添加し、よく撹拌後30分静置し、次いで液体シンチレーションカウンターにてトリチウムのカウントを測定した。肥厚抑制作用を、以下の式に従い調べた。
【0304】
【数3】
【0305】
結果を下記表10に示す。
【0306】
【表10】
【0307】
薬理試験4(PDE3活性阻害作用)
本発明化合物のPDE3活性阻害作用を、バイオキミカ・エ・バイオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophysica Acta),第429巻,第485頁〜第497頁(1976年)及びバイオケミカル・メディスン(Biochemical Medicine),第10巻,第301頁〜第311頁(1974年)に記載の方法に準じて測定した。
PDE酵素はPDE3のcDNA3よりバキュロウィルスエクスプレッションシステムで昆虫細胞Sf9に発現させ調製したリコンビナント酵素を使用した(Diabetes, 1995,44:67)。使用したcDNAはヒト心筋のサイクリックGMP抑制PDE(hcGIP2, Proc. Natl. Acad. Sci., USA,1992,89:3721,GenBank M91667)である。
【0308】
PDE活性の測定は、50mM Tris−HCl pH8.0,0.5mMMgCl2,2mM EGTA,0.1mg/ml BSA,0.4μM〔8−3H〕cAMP,PDE酵素及び試験化合物を含む反応液(200μl)で行った。30℃、15分間のインキュベーションにより酵素を反応させた後、100℃、6分間のインキュベーションで反応を停止、PDE酵素を失活させた。反応液を冷却後、ヘビの毒物を終濃度0.1mg/mlになるよう添加し、30℃、10分間のインキュベーションにより〔8−3H〕アデノシンを生成させた。陽イオン交換カラムにより〔8−3H〕アデノシンを回収し、その放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。
【0309】
試験化合物は全てDMFに溶解し、反応液に対して終濃度0.5%になるように添加した。測定結果より、各濃度での試験化合物のPDE活性値(Vs)を求め、コントロール(試験化合物を含まないDMFを添加したもの)の活性値(Vc)から、次式によってPDE活性阻害率(%)を算出した。50%阻害する濃度をIC50値として求め、結果を表11に示す。
【0310】
【数4】
【0311】
【表11】
Claims (12)
- 一般式
- 請求項1に記載のカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する抗血栓用医薬組成物。
- 請求項1に記載のカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する血管内膜肥厚抑制用医薬組成物。
- 請求項1に記載のカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する血小板凝集抑制用医薬組成物。
- 請求項1に記載のカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する血小板塊解離用医薬組成物。
- 請求項1に記載のカルボスチリル誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する脳及び末梢血流増加用医薬組成物。
- カルボスチリル誘導体が、
(a) 6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(b) (S,S)−(+)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(c) (R,R)−(−)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、または
(d) 6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロブチル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル
のいずれかである請求項1に記載の医薬組成物。 - カルボスチリル誘導体が、
(a) 6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(b) (S,S)−(+)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(c) (R,R)−(−)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、または
(d) 6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロブチル)−3−シクロプロピルウレイド〕 プロポキシ}カルボスチリル
のいずれかである請求項2に記載の抗血栓用医薬組成物。 - カルボスチリル誘導体が、
(a) 6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(b) (S,S)−(+)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(c) (R,R)−(−)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、または
(d) 6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロブチル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル
のいずれかである請求項3に記載の血管内膜肥厚抑制用医薬組成物。 - カルボスチリル誘導体が、
(a) 6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(b) (S,S)−(+)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(c) (R,R)−(−)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、または
(d) 6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロブチル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル
のいずれかである請求項4に記載の血小板凝集抑制用医薬組成物。 - カルボスチリル誘導体が、
(a) 6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(b) (S,S)−(+)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(c) (R,R)−(−)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、または
(d) 6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロブチル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル
のいずれかである請求項5に記載の血小板塊解離用医薬組成物。 - カルボスチリル誘導体が、
(a) 6−{3−〔3−(トランス−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(b) (S,S)−(+)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、
(c) (R,R)−(−)−6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル、または
(d) 6−{3−〔3−(2−ヒドロキシシクロブチル)−3−シクロプロピルウレイド〕プロポキシ}カルボスチリル
のいずれかである請求項6に記載の脳及び末梢血流増加用医薬組成物。
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