JPH07304715A - ベンジルアミン誘導体 - Google Patents

ベンジルアミン誘導体

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JPH07304715A
JPH07304715A JP20406894A JP20406894A JPH07304715A JP H07304715 A JPH07304715 A JP H07304715A JP 20406894 A JP20406894 A JP 20406894A JP 20406894 A JP20406894 A JP 20406894A JP H07304715 A JPH07304715 A JP H07304715A
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伸幸 倉橋
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毅 廣瀬
Takashi Miwa
貴志 三輪
Atsushi Mori
厚詞 森
Takao Nishi
孝夫 西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、抗うつ作用及び抗不安作用を併有
するベンジルアミン誘導体を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明のベンジルアミン誘導体は、一般式 【化1】 〔式中R1 は低級アルキル基を示す。R2 はシクロアル
キル基を示す。R3 はハロゲン原子を示す。〕で表わさ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なベンジルアミン誘
導体又はその塩に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】現代社会の社会構造及びその機
構は複雑化の一途を辿り、人は様々なストレスにさらさ
れる場面が増加している。こうした社会情勢の変化の中
でストレス性の精神障害、特にうつ病、不安神経症に陥
る人々の数も増加し、大きな社会問題となっている。
【0003】過去の典型的なうつ病と違って現代の多数
のうつ病は、比較的軽症で、経過が長引く傾向にある。
このうつ病は神経症との鑑別が困難なことが多く、慢性
化し易い。そして、慢性化した患者は、大多数神経症化
しており、近年ますます増加する傾向にある(臨床精神
医学、第21巻、第4号、第691〜695頁、199
2年)。
【0004】このように社会の複雑化に伴い、精神障害
の病像は複雑化してきている。最近の特徴的な変化とし
て、以下の2点が指摘されている。
【0005】(1)神経症の中には主として抑うつ症候
群を示し、うつ病と区別がつき難いものが増加してい
る。
【0006】(2)過去に神経症と診断されていたもの
の中には、軽症のうつ病が含まれている。特に、不安発
作や予期恐怖を伴い、神経症とされていたものの中に
は、軽症のうつ病患者がかなりの比率を占める(臨床精
神医学、第21巻、第4号、第691〜695頁、19
92年)。
【0007】具体的な臨床研究によると、大うつ病と診
断された患者の症状を分析したところ、中等度の取り越
し苦労(worry) が72%、精神的不安が62%、身体的
不安(自律神経系、筋肉系の症状)が42%、恐怖発作
が29%、恐怖症状が19%、脅迫症状が1.2%であ
ったと報告されており(Racagni, G., Smeraldi 編「An
xious Depression」,ラベンスプレス,ニューヨーク,
1987年)、また、うつ病患者の中には不安症状を示
すものが高率で存在する。
【0008】こうした複雑且つ多様な病態をもつ精神障
害の治療は、現在、症状に応じた抗うつ薬、抗不安薬の
使い分けや、あるいは両者の併用により行なわれること
が多い。この治療法は有効な場合もあるが、大部分は不
充分であると指摘されている。特に、現存する抗うつ薬
は内因性うつ病には有効であるが、性格因性や神経症性
色彩の濃いうつ病には有効性が低く(神経精神薬理、第
9巻、第4号、第279〜285頁、1987年)、背
後にうつ病相の存在があるにもかかわらず、不安症状が
前面に出ている患者に抗不安薬を使用すると、うつ病を
遷延化させる場合がある(臨床精神医学、第21巻、第
4号、第691〜695頁、1992年)。精神科以外
の診療科における安易な抗うつ病薬の使用により自殺念
慮の見過ごしや、うつ病の遷延化を誘発する(神経精神
薬理、第9巻、第4号、第279〜285頁、1987
年)等の問題も出てきている。
【0009】更に、既存の抗うつ薬には、(1)即効性
がなく、2週間以上の連続投与を必要とする、(2)抗
コリン作用等の不愉快な副作用がある、(3)無効例が
存在する(有効率65%)といった問題点が存在する
(神経精神薬理、第11巻、第10号、第753〜76
1頁、1989年)、また抗不安薬では(1)過度の鎮
静、傾眠、筋弛緩等の副作用がある。(2)依存性、禁
断症状、記憶障害のような重篤な有害症状も多数出現す
るとの問題点がある(神経精神薬理、第11巻、第9
号、第709〜719頁、1989年)。
【0010】このような副作用あるいは有害作用を多く
持ち、加えて精神障害の中核症状には無効とされる抗う
つ薬や抗不安薬を患者に使用(単剤又は併用)すること
は治療面で多くの二律背反性を生じさせることが推測さ
れる。従って、一剤で病態の根幹に関与して、抗うつ・
抗不安の両作用を発揮する薬剤が開発されれば、上述し
た現治療上の問題点が解決されることが考えられる。
【0011】斯かる知見に基づき、本発明者らは鋭意研
究を重ねるうちに、前記一般式(1)で示されるベンジ
ルアミン誘導体及びその塩が、抗うつ・抗不安の両作用
を併せ持つ優れた抗うつ・抗不安薬として有効であるこ
とを見い出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のベンジルアミン
誘導体は、文献未載の新規化合物であって、一般式
【0013】
【化2】
【0014】〔式中R1 は低級アルキル基を示す。R2
はシクロアルキル基を示す。R3 はハロゲン原子を示
す。〕で表わされる。
【0015】本発明のベンジルアミン誘導体又はその塩
は抗うつ・抗不安の両作用を併せ持つ特徴を有してお
り、斯業界の要望に合致する優れた抗うつ・抗不安薬と
して有効である 特に、本発明の化合物は、中枢神経賦活作用及び意識障
害改善作用を有し、頭部外傷、脳出血、脳梗塞、クモ膜
下出血、薬物中毒、酸素欠乏症、酸欠事故、脳手術及び
心臓バイパス手術後の意識障害、更には之等の後遺症で
ある精神発育遅滞、注意力低下、言語障害、認知障害、
学習障害、動作性障害、意欲低下、情緒障害等の治療薬
として有用であり、また老人性痴呆症のうつ状態、譫
妄、言語障害、認知障害、学習障害、動作障害、注意力
低下、加齢に伴う記憶障害等の諸症状の改善剤としても
有用である。更に、本発明の化合物は、シグマ受容体作
動作用を有し、うつ病、不安・神経症、心身症等のスト
レス性精神疾患、神経性性食思不振症、下垂体機能低下
症、高プロラクチン血症、血管性痴呆、多動症候群、痴
呆・健忘症、パーキンソン病等の治療薬としても有用で
あり、抗うつ剤、抗不安剤、心身症及びパーキンソン病
の治療剤としても利用できる。
【0016】また本発明化合物は、経口投与において
も、抗うつ・抗不安作用、中枢神経賦活作用、意識障害
改善作用及びシグマ受容体作動作用を有する特徴があ
る。
【0017】更に、複雑な現代社会は周りの環境から受
けるストレス(環境ストレス)により多くの人々が精神
障害(強迫神経症等)を受けているが、本発明化合物は
このような強迫神経症の治療剤として有用である。
【0018】本発明化合物と構造が類似する化合物は、
例えばWO90/14334公報(1990年11月2
9日公開)、WO91/09594公報(1991年7
月11日公開)、WO93/00313公報(1993
年1月7日公開)及びWO93/07113公報(19
93年4月15日公開)に開示されている。特に、WO
91/09594公報及びWO93/00313公報に
は、一般式
【0019】
【化3】
【0020】〔式中Arはアリール基又はヘテロアリー
ル基を示す。このアリール基及びヘテロアリール基は、
塩素原子、弗素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン
原子、トリフルオロメチル基、C1 〜C6 のアルコキシ
基、C2 〜C6 のジアルコキシメチル基、C1 〜C6
アルキル基、シアノ基、C3 〜C15のジアルキルアミノ
アルキル基、カルボキシ基、カルボキサミド基、C1
6 のハロアルキル基、C1 〜C6 のハロアルキルチオ
基、アリル基、アラルキル基、C3 〜C6 のシクロアル
キル基、アロイル基、アラルコキシ基、C2 〜C6 のア
シル基、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール
基、置換ヘテロアリール基、置換ベンゼン環と縮合した
アリール基、ベンゼン環と縮合した置換アリール基、ベ
ンゼン環と縮合したヘテロアリール基、ベンゼン環と縮
合した置換ヘテロアリール基、C3〜C6 ヘテロシクロ
アルキル基、ベンゼン環と縮合したC3 〜C6 ヘテロシ
クロアルキル基、C1 〜C6 のアルキルチオ基、C1
6 のアルキルスルホニル基、C1 〜C6 のハロアルキ
ルスルホニル基、C1 〜C6 のアルキルスルフィニル
基、C1 〜C6 のハロアルキルスルフィニル基、アリー
ルチオ基、C1 〜C6 のハロアルコキシ基、アミノ基、
1 〜C6 のアルキルアミノ基、C2 〜C15のジアルキ
ルアミノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、C1 〜C
6 のN−アルキルカルバモイル基、C2 〜C15のN,N
−ジアルキルカルバモイル基、ニトロ基又はC2 〜C15
のジアルキルスルファモイル基で置換されていてもよ
い。
【0021】Ra は水素原子又はC1 〜C6 のアルキル
基を示す。
【0022】Rb は異なって、水素原子、C1 〜C6
アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1 〜C6 のア
ルキルアミノ基又は=Oを示す。
【0023】Ra 及びRb は、一緒になってモルホリノ
環を形成してもよい。
【0024】nは0又は1〜5の整数を示す。
【0025】Wは−(CH2 )p−(pは1〜3の整
数)又は−H H−を示す。
【0026】Vは−(CH2 )q−(qは1〜6の整
数)、−(CH2 )r−C≡C−(CH2 )r−(rは
異なって0又は1〜3の整数)、−(CH2 )r−CH
=CH−(CH2 )r−、−(CH2 )r−C(=O)
−(CH2 )r−、−(CH2)r−Y−(CH2 )r
−(YはO又はS)又はC1 〜C6 のアルキル基を示
す。
【0027】Zは水素原子、アリール基、アリール置換
カルボキシル基、ヘテロアリール基又はシクロアルキル
基を示す。このアリール基、ヘテロアリール基及びシク
ロアルキル基は、塩素原子、弗素原子、臭素原子、沃素
原子等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基、C1
6 のアルコキシ基、C2 〜C6 のジアルコキシメチル
基、C1 〜C6 のアルキル基、シアノ基、C3 〜C15
ジアルキルアミノアルキル基、カルボキシ基、カルボキ
サミド基、C1 〜C6 のハロアルキル基、C1〜C6
ハロアルキルチオ基、アリル基、アラルキル基、C3
6 のシクロアルキル基、アロイル基、アラルコキシ
基、C2 〜C6 のカルボキシアシル基、アリール基、置
換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール
基、C3 〜C6 ヘテロシクロアルキル基、C1 〜C6
アルキルチオ基、C1 〜C6 のアルキルスルホニル基、
1 〜C6 のハロアルキルスルホニル基、C1 〜C6
アルキルスルフィニル基、C1 〜C6 のハロアルキルス
ルフィニル基、アリールチオ基、C1 〜C6 のハロアル
コキシ基、アミノ基、C1 〜C6 のアルキルアミノ基、
2 〜C15のジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、カル
バモイル基、C1 〜C6 のN−アルキルカルバモイル
基、C2 〜C15のN,N−ジアルキルカルバモイル基、
ニトロ基、C2 〜C15のジアルキルスルファモイル基又
はオルトメチレンジオキシ基で置換されていてもよ
い。〕で表わされる化合物が開示されており、更に該化
合物がシグマ受容体リーガントとして有用であり、精神
分裂病薬や他の精神用薬、中枢神経系疾患、薬物乱用、
胃腸疾患、高血圧、偏頭痛、偏桃周囲炎、うつ病等の処
置に使用できることが教示されている。
【0028】しかしながら、上記各公報には、本発明化
合物について開示はなされていない。しかも本発明化合
物は、抗うつ・抗不安の両作用を併有するという特徴を
備えている。更に本発明化合物は、意識障害改善作用及
び強迫神経症の治療に有効であるという特徴をも有して
いる。
【0029】上記一般式(1)において定義される各基
は、より具体的にはそれぞれ以下の通りである。
【0030】低級アルキル基としては、例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖
又は分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。
【0031】シクロアルキル基としては、シクロプロピ
ル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル基等の炭素数3〜8の
シクロアルキル基を例示できる。
【0032】ハロゲン原子としては、例えば、弗素原
子、塩素原子、臭素原子及び沃素原子等が挙げられる。
【0033】本発明の化合物の内では、特に、R1 がメ
チル基、エチル基、R2 がシクロプロピル基、シクロブ
チル基、R3 が塩素原子である化合物が好ましく、R1
がメチル基、R2 がシクロプロピル基、R3 が塩素原子
である化合物が特に好ましい。
【0034】本発明の化合物には、以下の化合物が包含
される。
【0035】R1 がメチル基又はエチル基である一般式
(1)の化合物又はその塩 R1 がメチル基である一般式(1)の化合物又はその塩 R2 がシクロプロピル基又はシクロブチル基である一般
式(1)の化合物又はその塩 R2 がシクロプロピル基である一般式(1)の化合物又
はその塩 R3 が塩素原子である一般式(1)の化合物又はその塩 R1 がメチル基又はエチル基、R2 がシクロプロピル基
又はシクロブチル基、R3 が塩素原子である一般式
(1)の化合物又はその塩 R3 が塩素原子であり、R3 の置換位置がベンゼン環上
の4位である一般式(1)の化合物又はその塩 R1 がメチル基又はエチル基、R2 がシクロプロピル基
又はシクロブチル基、R3 が塩素原子であり、R3 の置
換位置がベンゼン環上の4位である一般式(1)の化合
物又はその塩 3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピ
ル−N−メチルベンジルアミン 4−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピ
ル−N−メチルベンジルアミン 2−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピ
ル−N−メチルベンジルアミン 上記一般式(1)で表わされる本発明の化合物は、種々
の方法により製造されるが、その好ましい一例を挙げれ
ば、例えば下記に示す方法により製造される。
【0036】
【化4】
【0037】〔式中R1 ,R2 及びR3 は、前記に同
じ。〕 反応式−1における化合物(2)と化合物の(3)の反
応は、無溶媒又は適当な溶媒中、脱水剤の非存在下又は
存在下に行なわれる。ここで使用される溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等の
アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル
ピロリドン等の非プロトン性極性溶媒又はこれらの混合
溶媒等が挙げられる。脱水剤としては、例えばモレキユ
ラーシーブ等の通常の溶媒の脱水に用いられる乾燥剤、
塩酸、硫酸、三弗化ホウ素等の鉱酸、p−トルエンスル
ホン酸等の有機酸等を挙げることができる。該反応は、
通常室温〜150℃、好ましくは室温〜100℃程度に
て行なわれ、一般に5分〜10時間程度で反応は終了す
る。一般式(3)の化合物の使用量としては、特に制限
されないが、通常一般式(2)の化合物に対して少なく
とも等モル量、好ましくは等モル〜2倍モル量使用する
のがよい。また脱水剤の使用量としては、乾燥剤の場合
には通常大過剰量、酸を用いる場合には触媒量用いるの
がよい。斯くして得られた一般式
【0038】
【化5】
【0039】〔R1 ,R2 ,及びR3 は前記に同じ。〕
の化合物は、単離されることなく、次の還元反応に供さ
れる。
【0040】一般式(A)の化合物の還元反応には、種
々の方法が適用でき、例えば後記一般式(9)の化合物
の接触水素添加の条件を利用できるが、好ましくは水素
化還元剤を用いる還元法が好適に利用される。用いられ
る水素化還元剤としては、例えば水素化アルミニウムリ
チウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等が挙げら
れ、その使用量は、通常化合物(2)に対して少なくと
も等モル、好ましくは等モル〜10倍モルの範囲であ
る。この還元反応は、通常適当な溶媒、例えば水、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコ
ール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジグ
ライム等のエーテル類等を用い、通常約−60〜50
℃、好ましくは−30℃〜室温にて、約10分間〜5時
間程度で行なわれる。なお、還元剤として水素化アルミ
ニウムリチウムやジボランを用いた場合には、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等の無水の
溶媒を用いるのがよい。
【0041】
【化6】
【0042】〔式中R1 ,R2 及びR3 は前記に同じ。
Xはハロゲン原子を示す。R4 及びR5 は、それぞれ水
素原子又は低級アルキル基を示す。〕 化合物(4)と化合物(5)との反応及び化合物(7)
と化合物(10)との反応は、一般に適当な不活性溶媒
中、塩基性化合物の存在下又は非存在下にて行なわれ
る。用いられる不活性溶媒としては例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、酢
酸、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリ
ン酸トリアミド等又はこれらの混合溶媒等を挙げること
ができる。また塩基性化合物としては例えば炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の金属水酸化物、水素化ナトリウム、カリウム、ナト
リウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメチラート、ナ
トリウムエチラート等の金属アルコラート、ピリジン、
N−エチルジイソプロピルアミン、ジメチルアミノピリ
ジン、トリエチルアミン、1,5−ジアザビシクロ
〔4.3.0〕ノネン−5(DBN)、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7(DBU)、
1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DA
BCO)等の有機塩基等を挙げることができる。化合物
(4)と化合物(5)との使用割合及び化合物(7)と
化合物(10)との使用割合としては、特に限定がなく
広い範囲で適宜選択すればよいが、前者に対して後者を
少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜5倍モル
量程度用いるのがよい。該反応は通常0〜200℃程
度、好ましくは0〜170℃程度にて行なわれ、一般に
30分〜30時間程度で反応は終了する。尚、これらの
反応系内には沃化ナトリウム、沃化カリウム等のアルカ
リ金属ハロゲン化合物等を添加してもよい。
【0043】化合物(4)と化合物(6)との反応は、
無溶媒又は適当な溶媒中、還元剤の存在下に行なわれ
る。ここで使用される溶媒としては例えば水、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、
アセトニトリル、ギ酸、酢酸、ジオキサン、ジエチルエ
ーテル、ジグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、又は之等の混合溶媒を例示できる。還元剤としては
例えばギ酸、ギ酸ナトリウム等の脂肪酸アルカリ金属
塩、水素化硼素ナトリウム、水素化シアノ硼素ナトリウ
ム、水素化アルミニウムリチウム等の水素化還元剤、パ
ラジウム−黒、パラジウム−炭素、酸化白金、白金黒、
ラネーニッケル等の接触還元剤等を例示できる。
【0044】還元剤としてギ酸を使用する場合、反応温
度は通常室温〜200℃程度、好ましくは50〜150
℃程度付近が適当であり、反応は1〜10時間程度にて
終了する。ギ酸の使用量は化合物(4)に対して大過剰
量使用するのがよい。
【0045】また水素化還元剤を使用する場合、反応温
度は通常−30〜100℃程度、好ましくは0〜70℃
程度が適当であり、30分〜15時間程度で反応は完結
する。還元剤の使用量は、化合物(4)に対して通常等
モル〜20倍モル量程度、好ましくは1〜6倍モル量程
度とするのがよい。特に還元剤として水素化アルミニウ
ムリチウムを使用する場合、溶媒としてジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム等の
エーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素類を使用するのが好ましい。
【0046】更に接触還元剤を用いる場合は、通常常圧
〜20気圧程度、好ましくは常圧〜10気圧程度の水素
雰囲気中で、又はギ酸、ギ酸アンモニウム、シクロヘキ
セン、抱水ヒドラジン等の水素供与剤の存在下で、通常
−30〜100℃程度、好ましくは0〜60℃程度の温
度で反応を行なうのがよく、通常1〜12時間程度で反
応は終了する。接触還元剤の使用量としては化合物
(4)に対して通常0.1〜40重量%、好ましくは1
〜20重量%程度とするのがよい。
【0047】また化合物(6)の使用量としては化合物
(4)に対して通常少なくとも等モル量、好ましくは等
モル〜大過剰量とするのがよい。
【0048】化合物(7)と化合物(8)との反応は、
通常のアミド結合生成反応に従って実施される。アミド
結成生成反応は、公知の各種方法、例えば(イ)混合酸
無水物法、例えばカルボン酸(8)にハロカルボン酸ア
ルキルエステルを反応させて混合酸無水物とし、これに
アミン(7)を反応させる方法;(ロ)活性エステル
法、例えばカルボン酸(8)をp−ニトロフェニルエス
テル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾールエステル等の活性エステル
とし、これにアミン(7)を反応させる方法;(ハ)カ
ルボジイミド法;即ちカルボン酸(8)にアミン(7)
をジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミ
ダゾール等の活性剤の存在下に縮合させる方法;(ニ)
その他の方法、例えばカルボン酸(8)を無水酢酸等の
脱水剤により、カルボン酸無水物とし、これにアミン
(7)を反応させる方法、カルボン酸(8)と低級アル
コールとのエステルにアミン(7)を反応させる方法、
カルボン酸(8)の酸ハロゲン化物、即ちカルボン酸ハ
ライドにアミン(7)を反応させる方法等により実施す
ることができる。またカルボン酸(8)をトリフェニル
ホスフィンやジエチルクロロホスファート等のリン化合
物で活性化し、これにアミン(7)を反応させる方法、
更にカルボン酸(8)をホスゲン又はクロロ蟻酸トリク
ロロメチルエステル等によりN−カルボキシアミノ酸無
水物とした後、これとアミン(7)とを反応させる方法
等によることもできる。また更にカルボン酸(8)をト
リメチルシリルエトキシアセチレン等のアセチレン化合
物で活性化し、これにアミン(7)を反応させる方法等
によることもできる。
【0049】上記(イ)に示す混合酸無水物法におい
て、使用される混合酸無水物は通常のショッテン−バウ
マン反応により得られ、これを通常単離することなくア
ミン(7)と反応させることにより、一般式(9)の化
合物が製造される。ショッテン−バウマン反応は塩基性
化合物の存在下に行なわれる。用いられる塩基性化合物
としては、ショッテン−バウマン反応に慣用の化合物が
用いられ、例えばトリエチルアミン、トリメチルアミ
ン、ピリジン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホリ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、DBN、DBU、D
ABCO等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩
基等を例示できる。該反応は、約−20〜100℃、好
ましくは0〜50℃において約5分〜10時間、好まし
くは5分〜2時間程度で行なわれる。得られた混合酸無
水物とアミン(7)との反応は、約−20〜150℃、
好ましくは10〜50℃において約5分〜10時間、好
ましくは約5分〜5時間程度を要して行なわれる。また
上記混合酸無水物は、一般にこの種混合酸無水物法に慣
用の溶媒、具体的には塩化メチレン、クロロホルム、ジ
クロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエー
テル、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、酢酸メ
チル、酢酸エチル等のエステル類、1,1,3,3−テ
トラメチルウレア、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等
の非プロトン性極性溶媒等の適当な溶媒もしくは混合溶
媒中又は非存在下で行なわれる。尚、上記混合酸無水物
の製造において使用されるハロカルボン酸アルキルエス
テルとしては、クロロ蟻酸メチル、ブロモ蟻酸メチル、
クロロ蟻酸エチル、ブロモ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソ
ブチル等を例示できる。ハロカルボン酸アルキルエステ
ルは通常アミン(7)に対し少なくとも等モル量、好ま
しくは約1〜1.5倍モル量用いられる。またカルボン
酸(8)の使用量は、通常アミン(7)に対して少なく
とも等モル量、好ましくは約1〜1.5倍モルとするの
が好ましい。
【0050】上記(ロ)に示す活性エステル法は、例え
ばN−ヒドロキシコハク酸イミドエステルを用いる場合
を例にとれば、反応に影響を与えない適当な溶媒中塩基
性化合物の存在下又は非存在下に行なわれる。また該反
応の反応系内にはジシクロヘキシルカルボジイミド、カ
ルボニルジイミダゾール、1−エチル−3−(3′−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド等の縮合剤を添
加してもよい。ここで塩基性化合物としては、前記ショ
ッテン−バウマン反応に用いられる塩基性化合物をいず
れも使用可能であり、それらに加えて酢酸ナトリウム、
安息香酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酢酸カリウム、
安息香酸リチウム、酢酸セシウム等のカルボン酸アルカ
リ金属塩、フッ化カリウム、フッ化セシウム等のハロゲ
ン化アルカリ金属塩等をも使用可能である。また溶媒と
しては、具体的には塩化メチレン、クロロホルム、ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水類、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタ
ン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン
性極性溶媒等又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。反
応は、0〜150℃、好ましくは10〜100℃で、5
〜30時間で終了する。N−ヒドロキシコハク酸イミド
エステルの使用量は、アミン(7)に対して通常少なく
とも等モル、好ましくは等モル〜2倍モルとするのが望
ましい。
【0051】またアミン(7)とカルボン酸(8)と
を、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン
−2,2′−ジピリジルジスルフィド、ジエチルクロロ
ホスファート、ジフェニルホスフィニルクロリド、フェ
ニル N−フェニルホスホラミドクロリテート、シアノ
リン酸ジエチル、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジ
ニル)ホスフィニッククロリド等のリン化合物の縮合剤
の存在下に反応させることによっても、化合物(9)を
得ることができる。ここで使用される塩基性化合物とし
ては、公知のものを広く使用でき、例えば前記ショッテ
ン−バウマン反応に用いられる塩基性化合物の他に水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができ
る。溶媒としては、前記混合酸無水物法に用いられる溶
媒の他、例えばピリジン、アセトン、アセトニトリル等
又は上記溶媒の二種以上の混合溶媒等を挙げることがで
きる。該反応は、通常−20〜150℃程度、好ましく
は0〜100℃付近にて行なわれ、一般に5分〜30時
間にて反応は終了する。縮合剤及びカルボン酸(8)の
使用量は、アミン(7)に対して、それぞれ少なくとも
等モル程度、好ましくは等モル〜2倍モル程度とするの
がよい。
【0052】またアミン(7)とカルボン酸(8)とを
縮合剤の存在下に反応させることによっても化合物
(9)を得ることができる。該反応は、適当な溶媒中、
触媒の存在下又は非存在下に行なわれる。ここで使用さ
れる溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、
アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等を例示でき
る。使用される触媒としては、ジメチルアミノピリジ
ン、4−ピペリジノピリジン等の有機塩基、ピリジニウ
ムトシラート等の塩、カンファースルホン酸、酸化水銀
等を例示できる。縮合剤としては、例えばトリメチルシ
リルエトキシアセチレン等のアセチレン化合物が挙げら
れる。縮合剤は、アミン(7)に対して通常等モル〜1
0倍モル量、好ましくは2〜6倍モル量用いるのがよ
い。またカルボン酸(8)は、アミン(7)に対して通
常少なくとも等モル程度、好ましくは等モル〜2倍モル
程度用いるのがよい。該反応は、通常0〜150℃程
度、好ましくは室温〜100℃付近にて行なわれ、一般
には1〜10時間程度にて反応は終了する。
【0053】上記(ニ)に示す、カルボン酸ハライドに
アミン(7)を反応させる方法を採用する場合、該反応
は脱ハロゲン化水素剤の存在下適当な溶媒中で行なわれ
る。この脱ハロゲン化水素剤としては通常の塩基性化合
物が用いられる。塩基性化合物としては公知のものを広
く使用でき、例えばショッテン−バウマン反応に用いら
れる塩基性化合物の他に、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等を挙げる
ことができる。溶媒としては前記混合酸無水物法に用い
られる溶媒の他、例えばメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノー
ル、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等のアルコー
ル類、ピリジン、アセトン、アセトニトリル等又は上記
溶媒の二つ以上の混合溶媒等を挙げることができる。ア
ミン(7)とカルボン酸ハライドとの使用割合は特に限
定されず広範囲内で適宜選択されるが、通常前者に対し
て後者を少なくとも等モル量程度、好ましくは等モル〜
5倍モル量程度用いるのがよい。該反応は、通常−20
〜180℃程度、好ましくは約0〜150℃で行なわ
れ、一般に約5分〜30時間で反応は完結する。
【0054】上記においてカルボン酸ハライドは、例え
ばカルボン酸(8)とハロゲン化剤と無溶媒下又は溶媒
の存在下に反応させることにより製造される。溶媒とし
ては、反応に悪影響を与えないものであれば使用でき、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。ハロゲ
ン化剤としては、カルボキシ基の水酸基をハロゲンに変
える、通常のハロゲン化剤を使用でき、例えば塩化チオ
ニル、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、五塩化リン、
五臭化リン等が例示される。カルボン酸(8)とハロゲ
ン化剤との使用割合は特に限定されず適宜選択される
が、無溶媒下で反応を行なう場合には、通常前者に対し
て、後者を大過剰量、また溶媒中で反応を行なう場合に
は、通常前者に対して後者を少なくとも等モル量程度、
好ましくは2〜4倍モル量を用いる。その反応温度(及
び反応時間)も特に限定されないが、通常室温〜100
℃程度、好ましくは50〜80℃にて、30分間〜6時
間程度で行なわれる。
【0055】化合物(9)を還元して化合物(1)に導
く反応には、種々の方法が適用でき、例えば適当な溶
媒中触媒の存在下、接触水素添加することにより行なう
ことができる。使用される溶媒としては、例えば水、酢
酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素
類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテ
ル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチ
ルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒又はこれらの
混合溶媒等が挙げられる。また使用される溶媒として
は、例えばパラジウム、バラジウム−黒、パラジウム−
炭素、白金、酸化白金、亜クロム酸銅、ラネ−ニッケル
等が用いられる。触媒の使用量としては、一般式(9)
の化合物に対して一般に0.02〜1倍量程度用いるの
がよい。反応温度は通常−20〜100℃付近、好まし
くは0〜70℃付近、水素圧は通常1〜10気圧とする
のがよく、該反応は一般に0.5〜20時間程度で終了
する。
【0056】上記の還元条件も利用できるが、好ましく
は水素化還元剤を用いる還元法が好適に利用される。
用いられる水素化還元剤としては、例えば水素化アルミ
ニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、ジボラン等
が挙げられ、その使用量は通常化合物(9)に対して少
なくとも等モル、好ましくは等モル〜10倍モルの範囲
である。この還元反応は、通常適当な溶媒、例えば水、
メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級ア
ルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、
ジグライム等のエーテル類、酢酸等を用い、通常約0〜
200℃、好ましくは0〜170℃にて、約10分間〜
10時間程度で行なわれる。尚、還元剤として水素化ア
ルミニウムリチウムやジボランを用いた場合には、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグライム等の無
水の溶媒を用いるのがよい。
【0057】
【化7】
【0058】〔式中R1 ,R2 及びR3 は前記に同
じ。〕 化合物(11)と化合物(3)の反応は、前記反応式−
2の化合物(7)と化合物(8)の反応と同様の条件下
に行なわれることができるが、化合物の使用量は、反応
式−2の如くアミン(3)に対してではなく、カルボン
酸(11)に対する量とするのがよい。
【0059】化合物(12)の還元反応は、前記反応式
−2の化合物(9)の還元反応と同様の条件下に行なわ
れることができる。化合物(12)は、例えば下記反応
式−4に示す方法で製造することができる。
【0060】
【化8】
【0061】〔式中R3 及びXは前記に同じ。R6 及び
7 は、それぞれ前記基R1 又は基−CH2 2 を示
す。但し、R6 が基R1 を示すとき、R7 は基−CH2
2 を示し、R6 が基−CH2 2 を示すときは、R7
は基R1 を示すものとする。〕 化合物(11)と化合物(13)との反応は、前記反応
式−3における化合物(11)と化合物(3)の反応と
同様の条件下に行なわれる。化合物(14)と化合物
(15)の反応は、前記反応式−2における化合物
(4)と化合物(5)の反応と同様の条件下に行なわれ
る。
【0062】前記反応式−2における原料化合物(4)
又は(7)は例えば、下記反応式−5の方法に従って製
造することができる。
【0063】
【化9】
【0064】〔式中R3 及びR6 は前記に同じ。〕 上記反応式−5において、R6 が基R1 を示す化合物
(16)が化合物(7)であり、R6 が基−CH2 2
を示す化合物(16)が化合物(4)である。化合物
(2)と化合物(13)は、前記反応式−1における化
合物(2)と化合物(3)の反応と同様の条件下に行な
われる。
【0065】上記反応式−1における原料化合物(2)
及び反応式−3や反応式−4における原料化合物(1
1)は例えば下記反応式−6に示す方法に従って製造す
ることができる。
【0066】
【化10】
【0067】〔式中R3 及びXは前記に同じ。〕 化合物(17)と化合物(19)との反応及び化合物
(18)と化合物(19)との反応は、前記反応式−2
における化合物(4)と化合物(5)との反応と同様の
条件下に行なわれる。
【0068】一般式(1)で表わされる本発明化合物の
うち、塩基性基を有する化合物は、医薬的に許容される
酸を作用させることにより容易に酸付加塩とすることが
できる。該酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、臭
化水素酸等の無機酸、シュウ酸、酢酸、コハク酸、マロ
ン酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、フマール酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げ
ることができる。
【0069】このようにして得られる各々の行程の目的
化合物は、通常の分離手段により容易に単離精製するこ
とができる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、
希釈法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパ
ラティブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。
【0070】一般式(1)の化合物は通常、一般的な医
薬製剤の形態で用いられる。製剤は通常使用される充填
剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑
沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。こ
の医薬製剤としては各種の形態が治療目的に応じて選択
でき、この代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤
(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。錠剤の形態に成形
するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のもの
を広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、
ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリ
ン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノー
ル、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン
液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラ
ック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニル
ピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナト
リウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン
酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、
ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制
剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム
等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デ
ンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケ
イ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸
末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示でき
る。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例
えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコー
ティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができ
る。丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの
分野で従来公知なるものを広く使用でき、例えばブドウ
糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリ
ン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント
末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカン
テン等の崩壊剤等が例示できる。坐剤の形態に成形する
に際しては、担体として従来公知のものを広く使用で
き、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級ア
ルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド
等を挙げることができる。注射剤として調製される場合
には、液剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であ
るのが好ましく、これら液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に
成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣
用されているものを全て使用でき、例えば水、エチルア
ルコール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステ
アリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類
等を挙げることができる。尚、この場合等張性の溶液を
調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリ
ンを医薬製剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解
補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必
要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や
他の医薬品を医薬製剤中に含有せしめてもよい。
【0071】本発明の一般式(1)の化合物又はその塩
を医薬製剤中に含有させるべき量は、特に限定されず広
範囲内から適宜選択されるが、通常医薬製剤中に1〜7
0重量%とするのがよい。
【0072】上記医薬製剤の投与方法は特に制限はな
く、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾
患の程度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸
剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合
には経口投与される。また注射剤の場合には単独である
いはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈
内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮
下もしくは腹腔内投与される。坐剤は直腸内投与され
る。
【0073】上記医薬製剤の投与量は用法、患者の年
齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択さ
れるが、通常有効成分である一般式(1)の化合物又は
その塩の量は1日当り体重1kg当り約0.2〜200
mg程度とするのがよい。
【0074】
【実施例】以下に製剤例、参考例、実施例及び薬理試験
結果を掲げる。
【0075】製剤例1 4−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピルメチル− N−メチルベンジルアミン 5mg デンプン 132mg マグネシウムステアレート 18mg 乳糖 45mg 計 200mg 常法により1錠中、上記組成物の錠剤を製造した。
【0076】製剤例2 2−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピルメチル− N−メチルベンジルアミン 150mg アビセル(商標名、旭化成(株)製) 40g コーンスターチ 30g ステアリン酸マグネシウム 2g ヒドロキシプロピルメチルセルロース 10g ポリエチレングリコール−6000 3g ヒマシ油 40g メタノール 40g 本発明化合物、アビセル、コーンスターチ及びステアリ
ン酸マグネシウムを混合研摩後、糖衣R10mmのキネ
で打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピルメチル
セルロース、ポリエチレングリコール−6000、ヒマ
シ油及びメタノールからなるフィルムコーティング剤で
被覆を行ないフィルムコーティング錠を製造する。
【0077】参考例1 3−ヒドロキシベンズアルデヒド1.2gのN,N−ジ
メチルホルムアミド50ml溶液に4−クロロベンジル
クロリド2.4g及び炭酸カリウム2.1gを加え、6
0℃で3時間撹拌した。冷却後、この溶液を酢酸エチル
−水で分液し、酢酸エチル層を分取した。水洗、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出
液:n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製し
て、1.9gの3−(4−クロロベンジルオキシ)ベン
ズアルデヒドを得た。
【0078】無色針状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;5.10(2
H,s)、7.21〜7.25(1H,m)、7.38
(4H,s)、7.43〜7.49(3H,m)、9.
98(1H,s)。
【0079】参考例2 4−ヒドロキシ安息香酸10gのN,N−ジメチルホル
ムアミド100ml溶液に、4−クロロベンジルクロリ
ド29.1g及び炭酸カリウム25gを加え、60℃で
3時間撹拌した。冷却後、この溶液を酢酸エチル−水で
分液し、酢酸エチル層を分取した。水洗、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残
渣をn−ヘキサンで洗浄、濾取後、エタノール50ml
に懸濁させた。2N水酸化ナトリウム水100mlを加
え、4日間室温で撹拌後、濃塩酸で中和した。析出した
結晶を濾取、クロロホルムより再結晶して、4−(4−
クロロベンジルオキシ)安息香酸16.7gを得た。
【0080】無色鱗片状1 H−NMR(DMSO−d6 )δppm;5.14
(2H,s)、6.95(2H,d,J=8.5H
z)、7.47(2H,d,J=11Hz)、7.52
(2H,d,J=11Hz)、7.87(2H,d,J
=8.5Hz)。
【0081】参考例3 2−ヒドロキシ安息香酸を出発原料として、参考例2と
同様にして、2−(4−クロロベンジルオキシ)安息香
酸を得た。
【0082】黄色プリズム状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;5.26(2
H,s)、7.07〜7,17(2H,m)、7.39
(4H,s)、7.51〜7.58(1H,m)、8.
16(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.0H
z)。
【0083】参考例4 3−ヒドロキシベンズアルデヒドを出発原料として、参
考例1と同様にして、以下の化合物を得た。
【0084】3−(2−クロロベンジルオキシ)ベンズ
アルデヒド 無色粒状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;5.21(2
H,s)、7.24〜7.31(3H,m)、7.39
〜7.57(5H,m)、9.98(1H,s)。
【0085】3−(3−クロロベンジルオキシ)ベンズ
アルデヒド 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;5.10(2
H,s)、7.22〜7.33(4H,m)、7.43
〜7.52(4H,m)、9.98(1H,s)。
【0086】3−(4−フルオロベンジルオキシ)ベン
ズアルデヒド 桃色粉末状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;5.08(2
H,s)、7.09(2H,dd,J=8.5Hz,J
=8.5Hz)、7.22〜7.26(1H,m)、
7.39〜7.50(5H,m)、9.98(1H,
s)。
【0087】3−(4−ブロモベンジルオキシ)ベンズ
アルデヒド 白色粉末状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;5.07(2
H,s)、7.20〜7.26(1H,m)、7.30
〜7.34(2H,m)、7.42〜7.55(5H,
m)、9.97(1H,s)。
【0088】参考例5 3−(4−クロロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド6
2g及びシクロプロピルメチルアミン20gのメタノー
ル750ml溶液を室温にて、15分間撹拌した。この
溶液に氷冷下水素化ホウ素ナトリウム12gを徐々に加
えた。添加終了後、同温度にて1時間撹拌した。反応液
をクロロホルム1リットルに溶解後、水洗し、硫酸マグ
ネシウムにて乾燥した。減圧下に溶媒を留去して、81
gの3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプ
ロピルメチルベンジルアミンを得た。
【0089】黄色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.06〜0.
12(2H,m)、0.44〜0.51(2H,m)、
0.92〜1.00(1H,m)、1.55(1H,
m)、2.47(2H,d,J=7Hz)、3.79
(2H,s)、5.04(2H,s)、6.81〜6.
96(3H,m)、7.24(1H,dd,J=8H
z,J=8Hz)、7.36(4H,s)。
【0090】参考例6 適当な出発原料を用い、参考例5と同様にして、3−
(4−クロロベンジルオキシ)−N−メチルベンジルア
ミンを得た。
【0091】黄色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;1.40(1
H,bs)、2.45(3H,s)、3.73(2H,
s)、5.03(2H,s)、6.82〜6.95(3
H,m)、7.24(1H,dd,J=8.0Hz,J
=8.0Hz)、7.36(4H,s)。
【0092】参考例7 3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−メチルベンジ
ルアミン2.1g及びトリエチルアミン3.4mlのジ
クロロメタン50ml溶液に氷冷下シクロブチルカルボ
ニルクロリド1.0mlを滴下した。室温にて1時間攪
拌後、反応液を水洗し、硫酸マグネシウムにて乾燥し
た。減圧下に溶媒を留去して、3.1gの3−(4−ク
ロロベンジルオキシ)−N−シクロブチルカルボニル−
N−メチルベンジルアミンを得た。
【0093】黄色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;1.81〜2.
53(6H,m)、2.80,2.90(計3H,
s)、3.20〜3.48(1H,m)、4.40,
4.54(計2H,s)、5.01(2H,S)、6.
70〜6.93(3H,m)、7.19〜7.33(1
H,m)、7.35(4H,s)。
【0094】参考例8 4−(4−クロロベンジルオキシ)安息香酸5gを塩化
チオニル80mlに溶解し、1時間加熱還流後、減圧下
塩化チオニルを留去した。得られた残渣をジクロロメタ
ン30mlに溶解し、この溶液を氷冷下シクロプロピル
メチルアミン2.2g及びトリエチルアミン10mlの
ジクロロメタン100ml溶液中に滴下した。室温で1
時間攪拌後、この反応液を2N塩酸及び水で洗浄後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去して、
4.2gの4−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シ
クロプロピルメチルベンズアミドを得た。
【0095】白色粉末状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.23〜0.
30(2H,m)、0.51〜0.59(2H,m)、
1.00〜1.15(1H,m)、3.30(2H,d
d,J=5.5Hz,J=7.0Hz)、5.07(2
H,s)、6.09〜6.21(1H,m)、6.95
〜7.00(2H,m)、7.36(4H,s)、7.
72〜7.77(2H,m)。
【0096】参考例9 2−(4−クロロベンジルオキシ)安息香酸を出発原料
として用い、参考例8と同様にして、2−(4−クロロ
ベンジルオキシ)−N−シクロプロピルメチルベンズア
ミドを得た。
【0097】白色粉末状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.02〜0.
08(2H,m)、0.29〜0.37(2H,m)、
0.77〜0.85(1H,m)、3.22(2H,d
d,J=5.0Hz,J=7.0Hz)、5.14(2
H,s)、7.03〜7.15(2H,m)、7.38
〜7.48(1H,m)、7.41(4H,s)、7.
72〜7.98(1H,m)、8.24(1H,dd,
J=2.0Hz,J=8.0Hz)。
【0098】参考例10 4−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピ
ルメチルベンズアミド1.5gをN,N−ジメチルホル
ムアミド30mlに溶解し、水素化ナトリウム0.25
gを加え30分間室温にて攪拌後、60℃に加温して、
更に30分間攪拌した。氷冷後、この溶液にヨウ化メチ
ル0.5mlを加え、室温にて1晩攪拌した。反応液を
酢酸エチル−水で分液し、酢酸エチル層を分取し、水洗
後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を留去し
て得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(溶出液;
ジクロロメタン:アセトン=50:1)にて精製して、
1.4gの4−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シ
クロプロピルメチル−N−メチルベンズアミドを得た。
【0099】無色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.00〜0.
40(2H,m)、0.51〜0.63(2H,m)、
0.88〜1.11(1H,m)、2.95〜3.50
(5H,m)、5.05(2H,s)、6.93〜6.
97(2H,m)、7.26〜7.40(2H,m)、
7.37(4H,s)。
【0100】参考例11 2−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピ
ルメチルベンズアミドを出発原料として用い、参考例1
0と同様にして、2−(4−クロロベンジルオキシ)−
N−シクロプロピルメチル−N−メチルベンズアミドを
得た。
【0101】微黄色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;−0.05〜
0.10,0.23〜0.37,0.37〜0.55
(計4H,m)、0.75〜0.92,0.92〜1.
08(計1H,m)、2.88〜3.25(5H,
m)、5.07〜5.14(2H,m)、6.89〜
7.14(2H,m)、7.25〜7.45(6H,
m)。
【0102】参考例12 適当な出発原料を用い、参考例5と同様にして以下の化
合物を得た。
【0103】3−(2−クロロベンジルオキシ)−N−
シクロプロピルメチルベンジルアミン 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.07〜0.
13(2H,m)、0.44〜0.51(2H,m)、
0.92〜1.10(1H,m)、1.35〜1.61
(1H,m)、2.48(2H,d,J=7.0H
z)、3.80(2H,s)、5.17(2H,s)、
6.85〜6.99(3H,m)、7.25〜7.32
(3H,m)、7.38−7.42(1H,m)、7.
55〜7.59(1H,m)。
【0104】3−(3−クロロベンジルオキシ)−N−
シクロプロピルメチルベンジルアミン 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.07〜0.
12(2H,m)、0.44〜0.51(2H,m)、
0.50〜1.08(1H,m)、1.35〜1.52
(1H,m)、2.48(2H,d,J=7.0H
z)、3.80(2H,s)、5.04(2H,s)、
6.82〜6.97(3H,m)、7.21〜7.30
(4H,m)、7.44〜7.45(1H,m)。
【0105】3−(4−フルオロベンジルオキシ)−N
−シクロプロピルメチルベンジルアミン 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.07〜0.
13(2H,m)、0.44〜0.51(2H,m)、
0.92〜1.08(1H,m)、1.40〜1.70
(1H,m)、2.47(2H,d,J=7.0H
z)、3.80(2H,s)、5.03(2H,s)、
6.83〜6.97(3H,m)、7.04〜7.10
(2H,m)、7.26(1H,dd,J=8.0H
z,J=8.0Hz)、7.38〜7.44(2H,
m)。
【0106】3−(4−ブロモベンジルオキシ)−N−
シクロプロピルメチルベンジルアミン 無色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.06〜0.
12(2H,m)、0.44〜0.51(2H,m)、
0.91〜1.06(1H,m)、1.34〜1.60
(1H,m)、2.47(2H,d,J=7.0H
z)、3.79(2H,s)、5.02(2H,s)、
6.81〜6.95(3H,m)、7.20〜7.33
(3H,m)、7.49〜7.52(2H,m)。
【0107】参考例13 適当な出発原料を用い、参考例8と同様にして以下の化
合物を得た。
【0108】3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−
シクロヘキシルメチルベンズアミド 白色粉末状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.95〜1.
11(2H,m)、1.11〜1.36(3H,m)、
1.56〜1.90(6H,m)、3.29(2H,d
d,J=6.5Hz,J=6.5Hz)、5.06(2
H,s)、6.18〜6.29(1H,m)、7.04
−7.09(1H,m)、7.26〜7.43(3H,
m)、7.36(4H,s)。
【0109】3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−
シクロプロピルメチル−N−プロピルベンズアミド 白色粉末状1 H−NMR(CDCl3 )δppm;−0.01〜
1.82(10H,m)、3.00〜3.63(4H,
m)、5.05(2H,s)、6.91〜6.99(3
H,m)、7.30(1H,dd,J=8.0Hz,J
=8.0Hz)、7.35(4H,s)。
【0110】参考例14 3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロヘキシ
ルメチルベンズアミドを出発原料として、参考例10と
同様にして、3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−
シクロヘキシルメチル−N−メチルベンズアミドを得
た。
【0111】無色油状物1 H−NMR(CDCl3 )δppm;0.55〜0.
72,0.95〜1.37,1.52〜1.85(計1
1H,m)、2.89,3.04(計3H,s)、3.
06,3.37(計2H,s)、5.05(2H,
s)、6.92〜6.99(3H,m)、7.30(1
H,dd,J=8.5Hz,J=8.5Hz)、7.3
6(4H,s)。
【0112】実施例1 3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピ
ルメチルベンジルアミン80gをギ酸150ml及び3
7%ホルムアルデヒド150mlの混合物に溶解し、3
時間加熱還流した。室温まで冷却後、この溶液に濃塩酸
150mlを加え、減圧下に溶媒を留去した。得られた
残渣をクロロホルム−水酸化ナトリウム水で分液後、ク
ロロホルム層を分取し、水洗し、次いで無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下にクロロホルムを留去して、茶
色油状物の3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シ
クロプロピルメチル−N−メチルベンジルアミン86g
を得た。
【0113】このうち3gを塩酸塩とし、酢酸エチルよ
り再結晶して、2.1gの3−(4−クロロベンジルオ
キシ)−N−シクロプロピルメチル−N−メチルベンジ
ルアミン塩酸塩を得た。
【0114】無色針状 m.p.119.0〜121.0℃。
【0115】適当な出発原料を用い、実施例1と同様に
して表1に示す化合物を得た。
【0116】
【表1】
【0117】実施例11 4−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロプロピ
ルメチル−N−メチルベンズアミド1.4gのテトラヒ
ドロフラン50ml溶液に水素化アルミニウムリチウム
0.5gを加えて3時間加熱還流した。冷却後、水2m
lを加え14時間室温にて攪拌した。反応液を濾過し、
濾液を水−ジエチルエーテルで分液して、ジエチルエー
テル層を水洗、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶
媒を減圧下留去して、得られた残渣を蓚酸塩とし、エタ
ノールより再結晶して、4−(4−クロロベンジルオキ
シ)−N−シクロプロピルメチル−N−メチルベンジル
アミン・蓚酸塩1.3gを得た。
【0118】白色粉末状 m.p.154.0〜154.5℃。
【0119】適当な出発原料を用い、実施例11と同様
にして前記実施例1及び3〜10の化合物を得た。
【0120】実施例12 4−(4−クロロベンジルオキシ)ベンズアルデヒド6
2g及びN−シクロプロピルメチル−N−メチルアミン
24gのメタノール750ml溶液に氷冷下、水素化ホ
ウ素ナトリウム12gを徐々に加え、添加終了後1時間
同温度にて攪拌した。反応液をクロロホルム1リットル
に溶解し、水洗後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し
た。減圧下溶媒を留去後、得られた残渣を蓚酸塩とし、
エタノールより再結晶して、84gの4−(4−クロロ
ベンジルオキシ)−N−シクロプロピルメチル−N−メ
チルベンジルアミン・蓚酸塩を得た。
【0121】白色粉末状 m.p.154.0〜154.5℃ 適当な出発原料を用い、実施例12と同様にして前記実
施例1及び3〜10の化合物を得た。
【0122】実施例13 3−(4−クロロベンジルオキシ)−N−シクロブチル
カルボニル−N−メチルベンジルアミン2.8gのテト
ラヒドロフラン50ml溶液に水素化アルミニウムリチ
ウム0.92gを加え、3時間加熱還流した。反応液を
冷却後、水2mlを加え14時間攪拌した。濾過後、濾
液を水−ジエチルエーテルで分液し、ジエチルエーテル
層を水洗、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。溶媒を
減圧下留去し、マレイン酸塩とし、エタノールより再結
晶して、1.9gの3−(4−クロロベンジルオキシ)
−N−シクロブチルメチル−N−メチルベンジルアミン
・マレイン酸塩を得た。
【0123】白色粉末状 m.p.102.5〜103.0℃。
【0124】適当な出発原料を用い、実施例13と同様
にして前記実施例1〜3及び5〜10の化合物を得た。
【0125】薬理試験 (1)強制水泳テスト 「Nature、第266巻、第730〜732頁(1
977)」及び「European Journal
of Pharmacology、第47巻、第379
〜391頁(1978)」に記載の方法を改変して実験
を行なった。即ち、透明アクリル製円筒水槽(内径2
9.5cm、高さ25cm)に水道水(水温:約25
℃)を水深11.3cm迄満たし、7〜8週齢の雄性マ
ウス(体重:30〜35g)を6分間自由に水泳させ、
その水泳量を計測した。水泳量の計測は赤外線ビームと
それを検知するセンサーによって自動的に計測され、そ
のカウント数をもって動物のうつ状態を示す指標とし
た。即ち、このカウント数が高ければ高い程、抗うつ作
用が強いことを示す。
【0126】マウスは水泳を開始する16〜18時間前
に絶食させ、実験開始1時間前に供試化合物及び溶媒を
経口投与した。用いた溶媒は5%アラビアゴム生理食塩
水で、供試化合物をこれに懸濁又は溶解して使用に供し
た。対照のマウスには5%アラビアゴム生理食塩水のみ
を投与した。
【0127】結果を表2に示す。表2中の水泳量(%)
の数値は、コントロールを100%とした時の値であ
る。
【0128】
【表2】
【0129】(2)高架式十字迷路試験 「Pharmacology Biochemistr
y & Behavior、第24巻、第525〜52
9頁(1986)」及び「Psychopharmac
ology、第92巻、第180〜185頁(198
7)」に記載の方法に準じて試験を行なった。装置は対
面する2本オープンアーム(25×5cm;周囲に壁が
ない)とクローズドアーム(25×5cm;三方に高さ
15cmの透明アクリルの壁がある)が、5×5cmの
プラットフォームを中心として十字に交差したアクリル
製の迷路を用いた。この4本のアームは床面から38c
mの高さに支持される。この装置のプラットフォームの
部分に16〜18時間絶食させた4〜5週齢の雄性マウ
ス(体重:20〜24g)をオープンアームに頭を向け
て置き、その時点から5分間この装置内のマウスの行動
を観察した。観察項目はオープンアームに入った回数及
びクローズドアームに入った回数の2項目とした。抗不
安作用の指標となるパラメーターは、オープンアームに
入った頻度(%)=オープンアームに入った回数/(オ
ープンアームに入った回数+クローズドアームに入った
回数)×100を用いた。即ち、この数値が高い程、抗
不安作用が強いことを示す。
【0130】供試化合物は5%アラビアゴム生理食塩水
に懸濁又は溶解させ、装置に入れる1時間前に経口投与
した。対照のマウスには5%アラビアゴム生理食塩水の
みを投与した。
【0131】結果を表3に示す。表3中の頻度(%)の
数値は、コントロールを100%とした時の値である。
【0132】
【表3】
【0133】(3)頭部外傷昏睡モデルでの意識障害改
善作用の評価 「日災医誌,第25巻,第202頁(1977年)」及
び「医学の歩み,第102巻,第867〜869頁(1
977年)」に記載の方法に準じて試験を行なった。即
ち、4〜5週齢雄性マウス(体重20〜29g)を18
〜20時間絶食させた後その頭部を発泡スチロール製の
枕に固定し、アクリル製の円柱棒を透明プラスチックチ
ューブに沿わせてマウスの頭頂部に落下させ衝撃を与え
た。意識障害の観察は次の2点を観察することにより行
なった。即ち、衝撃後の昏睡から正向反射を回復するま
での時間(RR時間)及び自発運動が回復するまでの時
間(SM時間)の2点である。供試化合物は5%アラビ
アゴム生理食塩水に懸濁又は溶解させ、麻酔負荷1時間
前に経口投与した。対照のマウスには5%アラビアゴム
生理食塩水のみを投与した。供試化合物の意識障害改善
作用は対照マウスのRR時間又はSM時間に対する供試
化合物投与マウスのRR時間又はSM時間の比(%コン
トロール)で評価した。その結果、本発明化合物は有意
な意識障害改善作用を有していることが判明した。
【0134】(4)マウス行動量の条件抑制試験 この試験には、ddy系雄性マウス(7〜8週齢,体重
30〜35g)を使用した。第1日目に30×30×2
9cmの床がグリッドからなる透明アクリル製の実験箱
にマウスを入れ、電気ショック(AC100V×3A,
200mse,0.1Hz)を床グリッドより6分間与
えた。第2日目にマウスを再び同一装置内に戻し、電気
ショックを与えずに、装置を囲んだ光電式運動量測定装
置により行動量のみを測定した(条件抑制群)。尚、対
照群のマウスには第1日目に電気ショックを与えない以
外は条件抑制群と同様の処置を施した。供試化合物は5
%アラビアゴム−生理食塩液に懸濁又は生理食塩液のみ
に溶解し、第2日目の行動量測定30分乃至1時間前に
経口投与し、各溶媒のみを投与した群(溶媒対照群)の
パラメーターと比較した。この試験のパラメーターは第
2日目の行動量(測定装置のカウント数)がそれに相当
する。
【0135】上記試験において、電気ショックを経験し
たマウスを再び電気ショックを受けた時と同じ場所に戻
すと、マウスはその環境を記憶しており、これがストレ
スとなり運動量が著しく減少する。本発明化合物は、こ
の減少する運動量を回復させるのに有効であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 厚詞 徳島県徳島市住吉4丁目9番3号第5三宅 ビル605号室 (72)発明者 西 孝夫 徳島県板野郡北島町太郎八須字外開2番地 の28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 〔式中R1 は低級アルキル基を示す。R2 はシクロアル
    キル基を示す。R3 はハロゲン原子を示す。〕で表わさ
    れるベンジルアミン誘導体又はその塩。
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