JPH0732356Y2 - フロントバランスパネルの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の前端部でフロントバンパの背面に設置
されるフロントバランスパネルの取付構造に関するもの
である。

（従来の技術） 第４図に示すように、従来のフロントバランスパネルａ
はその両端部ｂを後方に屈曲させ、フェンダｃの前端部
ｄに当接するように配置されているのが一般である。

（考案が解決しようとする課題） ところが上記従来例によると、フロントバランスパネル
ａとフェンダｃとの見切り線が車体側面にくるため、フ
ロントバランスパネルａの車幅方向の位置決めが困難と
なり、組付け作業の能率が低下するという問題がある。

又フェンダｃ及びフロントバランスパネルａは板金製の
ものであるので、組付け時に金属接触して、いずれか一
方に傷が付き易い（この結果錆が生じ易くなる。）とい
う問題もある。

なお、実開昭60−178283号公報には、センタパネルとサ
イドパネルとに分割されたフロントバランスパネルにお
いて、センタパネルとサイドパネルとの間の見切り線を
車体前面にもってくる技術が開示されているが、フェン
ダとの関係に言及されていないばかりでなく、金属接触
による傷付き問題についての解決手段を提示するもので
もない。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するため、前端部が車幅方向内
方に折り曲げられたフェンダの内端面と、外端面にプロ
テクト板が固着されたフロントバランスパネルの外端面
とを、前記プロテクト板を介して当接させた状態で、フ
ロントバランスパネルをその外端部において車体に固定
し、且つ前記プロテクト板の外端面に当接してフロント
バランスパネルの車幅方向の位置決めを行うガイド板を
重体側に設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、すでに位置決めされているフェンダに
対し、フロントバランスパネルを組付ければ良く、その
際フェンダとフロントバランスパネルとの間の見切り線
は車体前面に形成されているので、フロントバランスパ
ネルの外端面に固着したプロテクト板をフェンダの内端
面及びガイド板に当接させることによりフロントバラン
スパネルの車幅方向の位置決めを容易に行うことができ
る結果、フロントバランスパネルの組付作業の能率アッ
プを図ることができる。

又、フロントバランスパネルとフェンダとの当接箇所に
プロテクト板が介在され、両者の直接接触（金属接触）
を避けることができる結果、傷付き問題を解決すること
ができる。

（実施例） 第１図ないし第３図に示す実施例につき、以下説明す
る。

第２図は自動車の車体前端部を示し、１はフェンダ、２
はエンドパネル、３はフロントバランスパネルで、いず
れも板金製のものである。エンドパネル２及びフロント
バランスパネル３の前方にはフロントバンパ（図示せ
ず。）が取付けられる。４は車体に固定したフェンダ取
付用ブラケットであって、フェンダ１の前部を支持する
と共に、フロントバランスパネル３の車幅方向の位置決
めを行うガイド板５及びフロントバランスパネル３の外
端部６を固定するためのネジ孔７を備えている。

フェンダ１はその前端部８が車幅方向内方に折り曲げら
れ、ヘッドランプ用凹部を挟んでその上部8aがエンドパ
ネル２に、その下部8bがフロントバランスパネル３に夫
々接続するようになっている。下部8bは断面コ字状の基
本形状を有し、その内端面９は第１図、第２図に示すよ
うに上辺、下辺、縦辺の先端部が折返されて形成されて
いる。

フロントバランスパネル３は車幅方向に略ストレートに
延び、その両端部６は第２図に示すように上部がヘッド
ランプ用空間を形成するため抉られて細幅になってい
る。この端部６は断面コ字状の基本形状を有し、その外
端面10は、第１図、第３図に示すように、上辺、下辺、
縦辺の先端部が折返されて形成されている。又、前記外
端面10には合成樹脂又はゴム製のプロテクト板11が接着
剤、加硫接着などの手段を用いて固着されている。この
プロテクト板11は後方に延びて、フロントバランスパネ
ル３の組付時に、その外側面12が前記ガイド板５に接触
するようになっている。更に前記端部６にはネジ挿通孔
16を備えた取付片14が設けられている。

前記ガイド板５の側面13と、フェンダ８の内端面９とは
同一平面上にあるように形成されている。従って、フロ
ントバランスパネル３の組付時には、その外端面10に固
着したプロテクト板11の外側面12を、前記フェンダ８の
内端面８及びガイド板５の側面13に当接させた状態で押
し込めばよく、その際車幅方向の位置決めが自動的にな
される。次いでネジ15を用いて前記取付片14をフェンダ
取付用ブラケット４に固定すればよい。なお、プロテク
ト板11がフェンダ１とフロントバランスパネル３との直
接接触を防ぐことができ、どちらか一方に傷が付くとい
う従来の問題点の解決することができる。

本考案は上記実施例に示す外、種々の態様に構成するこ
とができる。例えば、上記実施例ではフロントバランス
パネル３の外端部６をフェンダ取付用ブラケット４に固
定しているが、これを他の車体部分に固定することも可
能である。

（考案の効果） 本考案によれば、フロントバランスパネルの組付作業を
能率良く行うことができると共に、金属接触による傷付
きを防止することができるという効果が生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例における要部の縦断平面図、第
２図は全体の分解斜視図、（Ｆは車体前方、Ｒは車体右
側方を示す。）、第３図フロントバランスパネルの端部
を示す横断面、第４図は従来例の分解斜視図である。 １……フェンダ、３……フロントバランスパネル ４……フェンダ取付用ブラケット ５……ガイド板 ６……フロントバランスパネルの外端部 ９……フェンダの内端面 10……フロントバランスパネルの外端面 11……プロテクト板 12……プロテクト板の外側面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前端部が車幅方向内方に折り曲げられたフ
   ェンダの内端面と、外端面にプロテクト板が固着された
   フロントバランスパネルの外端面とを、前記プロテクト
   板を介して当接させた状態で、フロントバランスパネル
   をその外端部において車体に固定し、且つ前記プロテク
   ト板の外端面に当接してフロントバランスパネルの車幅
   方向の位置決めを行うガイド板を重体側に設けたことを
   特徴とするフロントバランスパネルの取付構造。