JPH062864Y2 - 自動車のサイドマッドガード - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ボデー底面からボデー側面に向けてＬ字形に
曲がったサイドマッドガードフロント及びリヤより構成
され、その一方の端部を階段状に形成して双方が同一面
になるように重ね合わせてボデーに固定される自動車の
サイドマッドガードに関するものである。

〔従来の技術〕

この種のサイドマッドガードは、第３図ａに示すよう
に、サイドマッドガードフロント１およびサイドマッド
ガードリヤ２より構成されて、両側のボデー下端部に固
定されている。そして、第３図ｂに示すように、サイド
マッドガードフロント１はフェンダ３に沿って延在し、
さらに内側への曲部1aを備えてフェンダライナ3aに接触
し、サイドマッドガードリヤ２はクォータパネル４に沿
って延在して内側への曲部2aを備え、その重ね合わせ部
分2bでは表面が同一面になるように階段状に形成されて
いる。

また、このようなボデー組み付けに際しては、双方のサ
イドマッドガード１、２を、第３図ｃに示すようなビー
ド状クリップ５で例えばボデーパネルロッカ６の横長の
係止穴6aに車体前後方向に位置調節しつつ仮止し、さら
に継目Ａの見切り幅を図示のように規定通りい小さくし
た状態で曲部2a、重ね合わせ部分1b、2b、サイドマッド
ガードフロント１の途中、曲部1aにおいてボデーパネル
ロッカ６の横長の穴で位置調節しつつねじ止する。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、ボデーの長さ寸法Ｌは組立時にばらつく
ために、重ね合わせ部分1b,2bの継目Ａでの見切り幅を
規定通りにした状態では、特に曲部1a,2aにたわみを生
じる可能性がある。また、この対策として、曲部1a,2a
の内面に弾性のプロテクタを介在させる方法も採られて
いるが、いずれにしても組付け時の位置調整作業が厄介
であった。

よって、本考案は、より能率的に見栄え良く組付けられ
自動車のサイドマッドガードを提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、この目的を達成するために、重ね合わせ部分
(11a,12a)の外側のサイドマッドガード(11)の側面(11b)
の下端部内面に正面視方形のリブ(20)を突設すると共
に、このリブ先端部分の車体前後方向面(22,22a)及び上
下方向面(21,21a)をそれぞれテーパ面として形成すると
共に、底面(11c)との間に溝(23)を形成し、内側のサイ
ドマッドガード(12)には、溝(23)に底面(12c)を部分的
(12d)に係入させる側面(12b)から底面(12c)に至る対応
形状の穴(24)を形成した。

〔作用〕

重ね合わせ部分(11a,12b)の外側のサイドマッドガード
(11)のリブ(20)を内側のサイドマッドガード(12)の穴(2
4)に押込むと、互の位置関係が整合していなくてもリブ
(20)のテーパ状の前後方向面(22、22a)のいずれか及び上
下方向面(21、21a)のいずれかに沿って摺動しつつ自動的
に溝(23)に穴(24)の周面(12d)が係入する。

これにより、外側のサイドマッドガード(11)が内側のサ
イドマッドガード(12)に、継目(A)の見切り幅を規定通
りに小さくした状態で保持され、クリップによる仮止及
びねじ止が能率的に行われる。

〔考案の実施例〕

第１図および第２図は本考案の一実施例によるサイドマ
ッドガードを示す。

第１図はサイドマッドガードフロント11及びサイドマッ
ドガードリヤ12を継なぐ重ね合わせ部分11a、12aを示す
もので、サイドマッドガードリヤ12はその継目Ａかか前
方端へ向けて板厚に対応した階段状に形成され、またこ
れらの図示しない部分は前述した第３図に対応して形成
されている。

重ね合わせ部分11a、12aの底面中央の凹部及び奥の平坦
面には、ねじ穴14、14a;15、15aがそれぞれ形成されると
共に、サイドマッドガードフロント11の側面11bの下端
部内面には正面視方形のリブ20が突設されている。この
リブの先端部分は、第２図ａに示すように、車体前後方
向面をテーパ面22、22aとし、上下面も同様にテーパ面2
1、21aとして形成されると共に、底面11cとの間に切欠状
に溝23が形成されている。

一方、重ね合わせ部分12aにおいて、その側面12bから底
面12cに至る曲部には、リブ20を嵌入させて底面12cを部
分的に係入させる穴24が形成されている。つまり、穴24
の横及び上下幅は、リブ20に相当し、サイドマッドガー
ドリヤ12にサイドマッドガードフロント11が対接した状
態で、溝23に穴24の奥行端の周面12dが係入するように
形成されている。

ボデーへの組付けに際しては、サイドマッドガードリヤ
12を対応するボデーパネルロッカ13に位置調節可能なク
リップで仮止した状態で、サイドマッドガードフロント
11はリブ20を穴24に嵌入させると共に、例えば２個所で
クリップにより前後方向に周知の方法で位置調節可能な
状態で仮止する。この際、リブ20を押込むと、穴24との
位置関係が整合していなくても、そのテーパ面21又は21
a並びにテーパ面22又は22aが穴24の周縁に当接して摺動
しつつ正規の見切り幅になって、自動的に溝23に周面12
dが係入して同一面状に重ね合わされる。さらに、サイ
ドマッドガードリヤ12をボデーパネルロッカ13に位置合
わせしてねじ止し、重ね合わせ部分11a、12a、サイドマ
ッドガードフロント11の曲部及び途中を位置合わせして
周知の方法でねじ止する。

第２図ｂは、このうちの重ね合わせ部分11a,12aでのね
じ止状態を示す。このような仮止或はねじ止作業中、サ
イドマッドガードフロント11はリブ20の穴24への嵌入に
より見切り幅は変動せず、溝２３の保持作用によりボデ
ーパネルロッカ13からの脱落も防止される。

尚、前述の実施例において、サイドマッドガードリヤ12
を上側に重ね合わせる場合には、リブ20と穴24は互に逆
のガードに形成する。

（考案の効果） 以上、本考案によれば、２分割式のサイドマッドガード
の一方へリブ及び他方へ係合溝付の穴を付加することに
より、組付け作業時いボデー寸法のバラツキの如何に拘
らず、容易かつ確実に見切り幅が規定通りに設定されて
クリップ止め或はねじ止め作業時に変動もせず、その保
持作用により外側のサイドマッドガードが脱落すること
もないので、組付け作業が能率良く行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるサイドマッドガードの
重ね合わせ部分の斜視図、第２図ａは同実施例のリブの
正面図、第２図ｂは組付け作業終了後の重ね合わせ部分
の断面図、第３図ａは従来のサイドマッドガードを組付
けられた車両の側面図、第３図ｂは第３図ａのＡ−Ａ線
断面図並びに第３図ｃはサイドマッドガードのボデーへ
のクリップ組付け状態を示す図である。 11b、12b…側面、11c、12c…底面、 11…サイドマッドガードフロント、12…サイドマッドガ
ードリヤ、20…リブ、21、21a、22、22a…テーパ面、23…
溝、24…穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボデー底面からボデー側面に向けてそれぞ
   れ曲がったサイドマッドガードフロント及びサイドマッ
   ドガードリヤより構成され、その一方の端部を階段状に
   形成して双方が同一面になるように重ね合わせてボデー
   に位置調整しつつクリップで仮止めした状態でねじ止め
   されるように成った自動車のサイドマッドガードにおい
   て、 重ね合わせ部分での外側のサイドマッドガードにおける
   側面の下端部内面に方形のリブを突設し、このリブ先端
   部分の車体前後方向面及び上下方向面をそれぞれテーパ
   面として形成すると共に、底面との間に溝を形成し、 前記重ね合わせ部分の内側のサイドマッドガードには、
   前記溝に底面を部分的に係入させるための側面から底面
   に至る対応形状の穴を形成したことを特徴とする自動車
   のサイドマッドガード。