JPH07320730A - 金属−水素化物アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極 - Google Patents

金属−水素化物アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極

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JPH07320730A
JPH07320730A JP6131426A JP13142694A JPH07320730A JP H07320730 A JPH07320730 A JP H07320730A JP 6131426 A JP6131426 A JP 6131426A JP 13142694 A JP13142694 A JP 13142694A JP H07320730 A JPH07320730 A JP H07320730A
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hydrogen storage
alloy
storage alloy
electrode
cave
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JP6131426A
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Takahiro Isono
隆博 礒野
Hiroshi Watanabe
浩志 渡辺
Shin Fujitani
伸 藤谷
Ikuro Yonezu
育郎 米津
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【構成】A成分としてTi及び/又はZrを含み、B成
分としてNi、V及びMnを含むAB2 (A:水素吸収
時発熱型元素;B:水素吸収時吸熱型元素)型の水素吸
蔵合金を電極材料とする金属−水素化物アルカリ二次電
池用の水素吸蔵合金電極において、前記水素吸蔵合金の
電子線マイクロ分析(EPMA)により求めた母相中の
Mnの最小濃度Cmin.(重量%)と全合金中のMnの平
均濃度Cave.(重量%)との比の値Cmin./Cave.が
0.5以上である。 【効果】Cmin./Cave.が0.5以上に規制された、比
較的均一なMnの組成分布を有するAB2 型の水素吸蔵
合金が電極材料として使用されているので、電解液中で
のMnの溶出、及び、Mn酸化物又はMn水酸化物の生
成が抑制される。このため、本発明に係る水素吸蔵合金
電極を負極に使用することにより、高容量で、しかもサ
イクル寿命の長い金属−水素化物アルカリ蓄電池を得る
ことが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属−水素化物アルカ
リ蓄電池用の負極として用いられる水素吸蔵合金電極に
係わり、詳しくは、サイクル特性に優れ、しかも高容量
のアルカリ蓄電池を得ることを可能にする水素吸蔵合金
電極を提供することを目的とした、電極材料としての水
素吸蔵合金の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
水素を可逆的に吸蔵及び放出することが可能な水素吸蔵
合金の開発が盛んに行われており、斯かる水素吸蔵合金
を負極材料として用いたアルカリ蓄電池(金属−水素化
物アルカリ蓄電池)は、従来汎用されている鉛蓄電池及
びニッケル−カドミウム蓄電池に比し、軽量で、しかも
高容量化の可能性があるなどの理由から、次世代のアル
カリ蓄電池の主流を占めるものとして有望視されてい
る。
【0003】現在既に実用化されている水素吸蔵合金の
主なものは、LaNi5 又はMmNi5 を基本構造とす
るCaCu5 型(AB5 型)の合金であるが、Lave
s相構造を有するAB2 型の合金についても高容量化の
可能性があるため、その実用化のための研究が種々なさ
れている。
【0004】ところで、これらの水素吸蔵合金がアルカ
リ蓄電池の負極材料として実用可能なものであるために
は、サイクル寿命の向上と高容量化とを同時に達成し得
るものでなければならない。従来提案されている合金成
分のMnによる一部置換は、高容量化に関しては大きな
効果をもたらすが、サイクル寿命の短命化を招くという
欠点があった。例えば、特開平2−194140号公報
にはTi0.74Zr0.26Ni2.980.33Mn0.55Fe
0.004 Al0.004 合金が、特開平3−253530号公
報にはTi0.38Zr0.62Ni0.670.16Mn0.27Cu
0.09Fe0.002 Al0.003 合金が、また特開昭60−2
41652号公報にはTi0.3 Zr0.7 Ni1.7 Mn
0.2 Cr0.1 合金がそれぞれ示されているが、いずれの
合金も高容量である反面、容量維持率が低く、サイクル
寿命の点では問題があった。
【0005】そこで、鋭意研究した結果、本発明者ら
は、水素吸蔵合金の組織的及び組成的な均質性、特にM
nの組成分布とサイクル寿命との間に密接な関係が存在
することを見出した。
【0006】本発明は、かかる知見に基づきなされたも
のであって、その目的とするところは、高容量で、しか
もサイクル寿命の長い金属−水素化物アルカリ蓄電池を
得ることを可能にする水素吸蔵合金電極を提供するにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る金属−水素化物アルカリ蓄電池用の水素
吸蔵合金電極(以下、「本発明電極」と称する。)は、
A成分としてTi及び/又はZrを含み、B成分として
Ni、V及びMnを含むAB2 (A:水素吸収時発熱型
元素;B:水素吸収時吸熱型元素)型の水素吸蔵合金を
電極材料とする金属−水素化物アルカリ蓄電池用の水素
吸蔵合金電極において、前記水素吸蔵合金の電子線マイ
クロ分析(EPMA)により求めた母相中のMnの最小
濃度Cmin.(重量%)と全合金中のMnの平均濃度Cav
e.(重量%)との比の値Cmin./Cave.が0.5以上で
あるものである。Cmin./Cave.は、Mnの偏析に伴う
母相中のMnの濃度分布のバラツキ度合いを示す指標で
あり、これによりMnの組成分布の不均一性を定量的に
評価することができる。
【0008】図1(A)は、本発明における水素吸蔵合
金のMnの組成分布の模式図であり(図示のものはCmi
n./Cave.=0.8のものである。)、図1(B)は、
従来の水素吸蔵合金のMnの組成分布の模式図である
(図示のものはCmin./Cave.=0.4のものであ
る。)。因みに、先に挙げた従来の水素吸蔵合金Ti
0.74Zr0.26Ni2.980.33Mn0.55Fe0.004 Al
0.004 、Ti0.38Zr0.62Ni0.670.16Mn0.27Cu
0.09Fe0.002 Al0.003 、Ti0.3 Zr0.7 Ni1.7
Mn0.2 Cr0.1 のCmin./Cave.は、それぞれ約0.
45、0.3、0.2であり、後述する実施例に示すよ
うに、高容量ではあるが、容量維持率が低い金属−水素
化物アルカリ蓄電池しか得られないものである。
【0009】Cmin./Cave.0.5以上の本発明におけ
るAB2 型の水素吸蔵合金は、例えば所定の合金溶湯を
単ロール法によりロール周速度5×102 cm/秒以上
の条件で急冷凝固させることにより得ることができる。
【0010】本発明において、AB2 型の水素吸蔵合金
のCmin./Cave.が0.5以上に規制されるのは、充放
電サイクルの進行に伴う、水素吸蔵合金表面の偏析相と
Mn濃度の高い母相との間の粒界部分からのMnの溶
出、及び、Mn酸化物又はMn水酸化物の生成を抑制す
るためである。
【0011】本発明は、高容量で、しかもサイクル寿命
の長い金属−水素化物アルカリ蓄電池を得ることを可能
にする水素吸蔵合金電極を提供するべく、MnのCmin.
/Cave.が0.5以上のAB2 型の水素吸蔵合金を電極
材料として使用した点に特徴を有する。それゆえ、本発
明電極を作製する際に使用する、結着剤や、必要に応じ
て添加する導電剤など、他の電極材料については、水素
吸蔵合金電極用として従来実用され、或いは提案されて
いる種々の電極材料を制限なく使用することが可能であ
る。
【0012】
【作用】本発明におけるAB2 型の水素吸蔵合金は、従
来のこの種の水素吸蔵合金と比べて、Mnの組成分布の
均一性の指標たるCmin./Cave.が0.5以上と大きい
ために、腐食の原因となる偏析相と母相との間の粒界部
分のMn濃度が小さいか、又は、偏析相そのものが存在
しない。このため、充放電サイクルを繰り返しても、偏
析相と母相との粒界部分からMnが溶出しにくく、また
Mn酸化物又はMn水酸化物が生成しにくい。すなわ
ち、本発明電極では、充放電サイクルの繰り返しに伴う
水素吸蔵合金の劣化が起こりにくい。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、下記実施例に示す合金組織、冷却条件な
どは本発明を何ら限定する性質のものではなく、本発明
はその趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更して実施
することが可能なものである。
【0014】(実施例1) 〔水素吸蔵合金の作製〕Zr(純度98%)、Ni、V
及びMn(いずれも純度99.9%)の各金属単体をモ
ル比1.0:1.4:0.3:0.3で混合し、アルゴ
ン雰囲気のアーク溶解炉で溶融させた後、自然放冷し
て、組成式ZrNi1.4 0.3 Mn0.3 で表される水素
吸蔵合金a1(以下、このように自然放冷して得た水素
吸蔵合金を「アーク溶解合金」と称する。)を作製し、
EPMAによりこのアーク溶解合金a1のCmin./Cav
e.を求めたところ、0.32であった。
【0015】また、上記と同じ組成の合金溶湯を単ロー
ル法(直径30cmの銅製ロール使用)によりロール周
速度1×102 、5×102 、3×103 cm/秒で急
冷凝固させて、Mnの組成分布が互いに異なる3種類の
水素吸蔵合金a2〜a4(以下、このように急冷凝固さ
せて得た水素吸蔵合金を「急冷合金」と称する。)を作
製した。これらの急冷合金a2〜a4のCmin./Cave.
は、順に0.45、0.66、0.79であった。
【0016】さらに、Zr(純度98%)、Ti、N
i、V及びMn(いずれも純度99.9%)をモル比
0.8:0.2:1.4:0.3:0.3で混合したこ
と以外は上記と同様にして、組成式Ti0.2 Zr0.8
1.4 0.3 Mn0.3 で表されるアーク溶解合金b1及
び3種類の急冷合金b2〜b4を作製した。EPMAに
よりこれらの水素吸蔵合金のCmin./Cave.を求める
と、順に0.40(アーク溶解合金b1)、0.47
(急冷合金b2)、0.62(急冷合金b3)、0.8
5(急冷合金b3)であった。
【0017】〔水素吸蔵合金電極の作製〕各水素吸蔵合
金を平均粒径80μm程度に粉砕し、次いでこれらの水
素吸蔵合金粉末1重量部に対して、導電剤としてのニッ
ケル粉末1.2重量部と結着剤としてのポリテトラフル
オロエチレン0.2重量部とを混合し、圧延して、合金
ペーストを得た。この合金ペーストの所定量をニッケル
メッシュで包み、プレス加工して、直径20mmの円板
状の水素吸蔵合金電極A1〜A4及びB1〜B4を作製
した。
【0018】〔試験セルの組立〕各水素吸蔵合金電極を
試験電極(負極)とし、この試験電極に対して充分大き
な電気化学容量を持つ円筒状の焼結式ニッケル極を対極
とし、板状の焼結式ニッケル極を参照極として、試験セ
ルを組み立てた。なお、電解液として、30重量%水酸
化カリウム水溶液を用いた。
【0019】図2は、組み立てた試験セルの模式的斜視
図であり、図示の試験セル1は、円板状のペースト電極
(試験電極)2、試験電極よりも充分大きな電気化学容
量を持つ円筒状の焼結式ニッケル極(対極)3、板状の
焼結式ニッケル極(参照極)11、絶縁性の密閉容器
(ポリプロピレン製)4などからなる。
【0020】焼結式ニッケル極3は、密閉容器4の上面
6に接続された正極リード5により保持されており、ま
たペースト電極2は焼結式ニッケル極3の円筒内略中央
に垂直に位置するように、密閉容器4の上面6に接続さ
れた負極リード7により保持されている。
【0021】正極リード5及び負極リード7の各端部
は、密閉容器4の上面6を貫通して外部に露出し、それ
ぞれ正極端子5a及び負極端子7aに接続されている。
【0022】ペースト電極2及び焼結式ニッケル極3は
密閉容器4に入れられたアルカリ電解液(30重量%水
酸化カリウム水溶液;図示せず)中に浸漬されており、
アルカリ電解液の上方空間部にはチッ素ガスが充填され
てペースト電極2に所定の圧力がかかるようにされてい
る。
【0023】また、密閉容器4の上面6の中央部には、
密閉容器4の内圧が所定圧以上に上昇するのを防止する
ために、圧力計8及びリリーフバルブ(逃し弁)9を備
えるリリーフ管10が装着されている。
【0024】〔充放電サイクル試験〕各試験セルについ
て、常温下、60mA/gで8時間充電し、1時間休止
した後、60mA/gで1.0Vまで放電して1時間休
止する工程を1サイクルとする充放電サイクル試験を行
い、各試験セルの50サイクル目の容量維持率(%)及
び最大放電容量(mAh/g)を調べた。ここに、容量
維持率とは、最大容量(100%)に対する比率であ
る。
【0025】〔冷却速度と容量維持率の関係〕表1及び
表2に、それぞれZrNi1.4 0.3 Mn0.3 合金及び
Ti0.2 Zr0.8 Ni1.4 0.3Mn 0.3合金作製時の
ロール周速度、Cmin./Cave.、50サイクル目の容量
維持率及び放電容量(電極の活性化終了後の最大放電容
量)を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】図3及び図4は、各水素吸蔵合金のCmin.
/Cave.と50サイクル目の容量維持率の関係を、縦軸
に50サイクル目の容量維持率を、また横軸にCmin./
Cave.をとって示したグラフである。
【0029】表1、2及び図3、4より、合金作製時の
冷却速度を概ね5×102 cm/秒以上として作製した
Cmin./Cave.0.5以上の水素吸蔵合金を用いた試験
セルは容量維持率が高く、サイクル寿命が極めて長いこ
とがわかる。なお、これらの合金の放電容量は、合金組
成が同じものであればCmin./Cave.の相違によらず殆
ど一定である。この傾向は以下の実施例に示す他の合金
種についても同様であった。
【0030】(実施例2) 〔水素吸蔵合金の作製〕Zr(純度98%)、Ni、
V、Mn、Co、Fe、Cu及びAl(いずれも純度9
9.9%)を所定のモル比で混合し、アルゴン雰囲気の
アーク溶解炉で溶融させた後、自然放冷して、組成式Z
rNi1.4-X X0.3 Mn0.3 (但し、M=Co、F
e、Cu又はAl;X=0.1、0.2、0.3又は
0.4)で表される16種の水素吸蔵合金c1〜c16
を作製し、EPMAによりこれらの水素吸蔵合金のCmi
n./Cave.を求めた。各水素吸蔵合金のCmin./Cave.
を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】また、Zr(純度98%)、Ti、Ni、
V、Mn、Co、Fe、Cu及びAl(いずれも純度9
9.9%)を所定のモル比で混合したこと以外は上記と
同様にして、組成式Ti0.2 Zr0.8 Ni1.4-X X
0.3 Mn0.3 (但し、M=Co、Fe、Cu又はAl;
X=0.1、0.2、0.3又は0.4)で表される1
6種の水素吸蔵合金d1〜d16を作製し、EPMAに
よりこれらの水素吸蔵合金のCmin./Cave.を求めた。
各水素吸蔵合金のCmin./Cave.を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】〔水素吸蔵合金電極の作製〕水素吸蔵合金
として上記の各ZrNi1.4-X X0.3 Mn0.3 合金
又はTi0.2 Zr0.8 Ni1.4-X X0.3 Mn0.3
金(M=Co、Fe、Cu、Al及びX=0.1、0.
2、0.3、0.4)を用いたこと以外は実施例1と同
様にして、直径20mmの円板状の水素吸蔵合金電極C
1〜C16及びD1〜D16を作製した。
【0035】〔充放電サイクル試験〕水素吸蔵合金電極
として、上記の各水素吸蔵合金電極を用いたこと以外は
実施例1と同様にして試験セルを組み立て、充放電サイ
クル試験を行い、各試験セルの50サイクル目の容量維
持率(%)及び最大放電容量(mAh/g)を調べた。
【0036】〔元素置換量と容量維持率の関係〕先の表
3及び表4に、それぞれZrNi1.4-X X0.3 Mn
0.3 合金及びTi0.2 Zr0.8 Ni1.4-X X0.3
0.3 合金の置換元素M及び置換量x、Cmin./Cav
e.、50サイクル目の容量維持率及び放電容量(最大放
電容量)を示す。
【0037】図5及び図6は、各水素吸蔵合金の置換量
xとCmin./Cave.の関係を、縦軸にCmin./Cave.
を、また横軸に置換量xをとって示したグラフであり、
また図7及び図8は、各水素吸蔵合金のCmin./Cave.
と50サイクル目の容量維持率との関係を、縦軸に容量
維持率を、また横軸にCmin./Cave.をとって示したグ
ラフである。表3、4及び図5〜図8より、AB2 型の
水素吸蔵合金のB成分の一部をCo、Fe、Cu及びA
lよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で置換
することにより得たCmin./Cave.が0.5以上の水素
吸蔵合金を用いた試験セルは容量維持率が高く、サイク
ル寿命が極めて長いことがわかる。
【0038】(実施例3) 〔水素吸蔵合金の作製〕組成式ZrNi1.1 Co0.3
0.3 Mn0.3 で表される水素吸蔵合金の合金溶湯を単ロ
ール法によりロール周速度1×102 、5×102 又は
3×103 cm/秒で急冷凝固させ、Mnの組成分布が
異なる3種の急冷合金e2〜e4を作製した。これらの
各急冷合金のCmin./Cave.は、順に0.92、0.9
4、0.95であった。
【0039】また、組成式Ti0.2 Zr0.8 Ni1.1
0.3 0.3 Mn0.3 で表される水素吸蔵合金の合金溶
湯を単ロール法によりロール周速度1×102 、5×1
2又は3×103 cm/秒で急冷凝固させ、Mnの組
成分布が異なる3種の急冷合金f2〜f4を作製した。
これらの各急冷合金のCmin./Cave.は、順に0.8
5、0.87、0.90であった。
【0040】〔水素吸蔵合金電極の作製〕水素吸蔵合金
として、ZrNi1.1 Co0.3 0.3 Mn0.3 のアーク
溶解合金e1及びその3種の急冷合金e2〜e4、並び
に、Ti0.2 Zr0.8 Ni1.1 Fe0.3 0.3 Mn0.3
のアーク溶解合金f1及びその3種の急冷合金f2〜f
4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、直径20
mmの円板状の水素吸蔵合金電極E1〜E4及びF1〜
F4を作製した。
【0041】〔充放電サイクル試験〕上記の各水素吸蔵
合金電極を用いたこと以外は実施例1と同様にして試験
セルを組み立て、充放電サイクル試験を行い、各試験セ
ルの50サイクル目の容量維持率(%)及び最大放電容
量(mAh/g)を調べた。
【0042】〔冷却速度と容量維持率の関係〕表5及び
表6に、それぞれZrNi1.1 Co0.3 0.3 Mn0.3
合金及びTi0.2 Zr0.8 Ni1.1 Fe0.3 0.3 Mn
0.3 合金作製時のロール周速度、Cmin./Cave.、50
サイクル目の容量維持率及び放電容量(最大放電容量)
を示す。
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】図9及び図10は、水素吸蔵合金のCmin.
/Cave.と50サイクル目の容量維持率との関係を、縦
軸に容量維持率を、また横軸にCmin./Cave.をとって
示したグラフである。
【0046】表5、6及び図9、10より、AB2 型の
水素吸蔵合金のB成分の一部をCo、Fe、Cu及びA
lよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素で置換
して得た水素吸蔵合金を電極材料とする試験セルの容量
維持率が、合金作製時の冷却速度を大きくすることによ
り一層向上することが分かる。
【0047】上記実施例では、本発明電極をニッケル−
水素化物アルカリ蓄電池に適用する場合について説明し
たが、本発明電極は広く金属−水素化物アルカリ蓄電池
の負極に適用し得るものである。
【0048】また、実施例で示したロール周速度は、冷
却装置や合金組成によって適宜変更すべきものであり、
また単ロール法による急冷法以外の方法、例えばガスア
トマイズ法等を用いることも可能である。
【0049】
【発明の効果】Cmin./Cave.が0.5以上に規制され
た、比較的均一なMnの組成分布を有するAB2 型の水
素吸蔵合金が電極材料として使用されているので、電解
液中でのMnの溶出、及び、Mn酸化物又はMn水酸化
物の生成が抑制される。このため、本発明に係る水素吸
蔵合金電極を負極に使用することにより、高容量で、し
かもサイクル寿命の長い金属−水素化物アルカリ蓄電池
を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水素吸蔵合金のMnの組成分布図であり、図1
(A)は本発明における水素吸蔵合金のMnの組成分布
図、図1(B)は従来の水素吸蔵合金のMnの組成分布
図である。
【図2】実施例で組み立てた試験セルの斜視図である。
【図3】AB2 型の水素吸蔵合金ZrNi1.4 0.3
0.3 のCmin./Cave.と容量維持率の関係を示したグ
ラフである。
【図4】AB2 型の水素吸蔵合金Ti0.2 Zr0.8 Ni
1.4 0.3Mn 0.3のCmin./Cave.と容量維持率の関
係を示したグラフである。
【図5】AB2 型の水素吸蔵合金ZrNi1.4-X X
0.3 Mn0.3 の置換量xとCmin./Cave.の関係を示し
たグラフである。
【図6】AB2 型の水素吸蔵合金Ti0.2 Zr0.8 Ni
1.4-X X0.3 Mn0.3 の置換量xとCmin./Cave.
の関係を示したグラフである。
【図7】AB2 型の水素吸蔵合金ZrNi1.4-X X
0.3 Mn0.3 のCmin./Cave.と容量維持率の関係を示
したグラフである。
【図8】AB2 型の水素吸蔵合金Ti0.2 Zr0.8 Ni
1.4-X X0.3 Mn0.3 のCmin./Cave.と容量維持
率の関係を示したグラフである。
【図9】AB2 型の水素吸蔵合金ZrNi1.1 Co0.3
0.3 Mn0.3 のCmin./Cave.と容量維持率の関係を
示したグラフである。
【図10】AB2 型の水素吸蔵合金Ti0.2 Zr0.8
1.1 Fe0.3 0.3 Mn0.3 のCmin./Cave.と容量
維持率の関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A成分としてTi及び/又はZrを含み、
    B成分としてNi、V及びMnを含むAB2 (A:水素
    吸収時発熱型元素;B:水素吸収時吸熱型元素)型の水
    素吸蔵合金を電極材料とする金属−水素化物アルカリ蓄
    電池用の水素吸蔵合金電極において、前記水素吸蔵合金
    の電子線マイクロ分析(EPMA)により求めた母相中
    のMnの最小濃度Cmin.(重量%)と全合金中のMnの
    平均濃度Cave.(重量%)との比の値Cmin./Cave.が
    0.5以上であることを特徴とする金属−水素化物アル
    カリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】前記水素吸蔵合金が、B成分として、さら
    にCo、Fe、Cu及びAlよりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の元素を含有する請求項1記載の金属−水
    素化物アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】前記水素吸蔵合金が、合金溶湯を急冷凝固
    させて得られたものである請求項1記載の金属−水素化
    物アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極。
  4. 【請求項4】前記水素吸蔵合金が、B成分として、さら
    にCo、Fe、Cu及びAlよりなる群から選ばれた少
    なくとも1種の元素を含有し、且つ合金溶湯を急冷凝固
    させて得られたものである請求項1記載の金属−水素化
    物アルカリ蓄電池用の水素吸蔵合金電極。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016157672A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 パナソニックIpマネジメント株式会社 電極用合金粉末、それを用いたニッケル水素蓄電池用負極およびニッケル水素蓄電池

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