JP3101287B2 - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法 - Google Patents
アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法Info
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、金属−水素アルカリ蓄電池の負極として用
いられる、アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法に
関するものである。
いられる、アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法に
関するものである。
(ロ)従来の技術 水素吸蔵合金を密閉型アルカリ蓄電池の負極材料とし
て用いた場合、従来から用いられているニッケル−カド
ミウム蓄電池に比べて、 高エネルギー密度化が可能、 長寿命化が可能、 優れた耐過放電特性、 急速充放電が可能、 等の利点がある。したがって次世代のアルカリ蓄電池と
して、鋭意研究開発が進められている。
て用いた場合、従来から用いられているニッケル−カド
ミウム蓄電池に比べて、 高エネルギー密度化が可能、 長寿命化が可能、 優れた耐過放電特性、 急速充放電が可能、 等の利点がある。したがって次世代のアルカリ蓄電池と
して、鋭意研究開発が進められている。
特に、LaNi5に代表されるCaCu5型六方晶構造を有する
希土類系合金は、前記、の観点から有望視されてい
る。ここで高価なLaの代用として希土類混合物であるミ
ッシュメタル(Mm)を用いれば、低コスト化が可能とな
るため注目されている。
希土類系合金は、前記、の観点から有望視されてい
る。ここで高価なLaの代用として希土類混合物であるミ
ッシュメタル(Mm)を用いれば、低コスト化が可能とな
るため注目されている。
たとえば特開昭62-20245号公報には、組成式MmNix(C
oa・Mnb・Alc)yにおいて4.3<x+y<5.5であって、
Mm中のLaの含有量が25〜70重量%である水素吸蔵合金が
開示されている。
oa・Mnb・Alc)yにおいて4.3<x+y<5.5であって、
Mm中のLaの含有量が25〜70重量%である水素吸蔵合金が
開示されている。
前記合金を用い、密閉型蓄電池を作製した場合、前記
合金の水素吸蔵・放出の平衡圧力が高く、実用型電池と
しては不適当である。また、サイクル特性等の電池特性
においても更に向上させる必要がある。
合金の水素吸蔵・放出の平衡圧力が高く、実用型電池と
しては不適当である。また、サイクル特性等の電池特性
においても更に向上させる必要がある。
そこで本発明者は、この種のアルカリ蓄電池の研究を
進めるうちに、組成式AxBy(但しAはランタンを含む希
土類元素で且つランタンの含有量が全希土類元素の総量
に対して10〜18重量%の範囲であり、Bは主としてNi及
びCoよりなる)で表わされ、yの値を5.0とした場合、
xの値が1.05≦×≦1.30である非化学量論組成の水素吸
蔵合金を電極として用いた電池は、サイクル特性の向
上、充放電サイクル時の電池内圧上昇の抑制が計られ、
更には優れた放電率特性を示すことを見い出した(特願
昭63-218907号)。
進めるうちに、組成式AxBy(但しAはランタンを含む希
土類元素で且つランタンの含有量が全希土類元素の総量
に対して10〜18重量%の範囲であり、Bは主としてNi及
びCoよりなる)で表わされ、yの値を5.0とした場合、
xの値が1.05≦×≦1.30である非化学量論組成の水素吸
蔵合金を電極として用いた電池は、サイクル特性の向
上、充放電サイクル時の電池内圧上昇の抑制が計られ、
更には優れた放電率特性を示すことを見い出した(特願
昭63-218907号)。
しかしながら、特にxの値が1.3を越えると、電池容
量が低下し電池特性の劣化が観察された。これは、水素
吸蔵合金の水素吸蔵量が低下するためであり、このよう
な現象は、水素吸蔵合金の均質性が低下しアルカリ電解
液中で水素吸蔵合金が腐食され易くなること及び水素の
吸蔵放出の可逆性が悪いCe2Ni7型やPuNi3型結晶構造の
偏析が多量に生じることに起因する。
量が低下し電池特性の劣化が観察された。これは、水素
吸蔵合金の水素吸蔵量が低下するためであり、このよう
な現象は、水素吸蔵合金の均質性が低下しアルカリ電解
液中で水素吸蔵合金が腐食され易くなること及び水素の
吸蔵放出の可逆性が悪いCe2Ni7型やPuNi3型結晶構造の
偏析が多量に生じることに起因する。
(ハ)発明が解決しようとする課題 本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであっ
て、前記水素吸蔵合金AxByにおいてxの増加に伴う電極
容量の低下を抑制し、更には電極の高容量化が計れるア
ルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極の製造方法を提供しよ
うとするものである。
て、前記水素吸蔵合金AxByにおいてxの増加に伴う電極
容量の低下を抑制し、更には電極の高容量化が計れるア
ルカリ蓄電池用水素吸蔵合金電極の製造方法を提供しよ
うとするものである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、水素を発熱吸収する型の金属Aと、水素を
吸熱吸収する型の金属Bとを含む合金溶湯を、高速流動
する不活性ガス中に噴出させて非平衡状態の粉末状水素
吸蔵合金を得るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方
法であって、前記水素吸蔵合金が組成式AXB5で表わさ
れ、xが1.0<x≦2.0であることを特徴とする。
吸熱吸収する型の金属Bとを含む合金溶湯を、高速流動
する不活性ガス中に噴出させて非平衡状態の粉末状水素
吸蔵合金を得るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方
法であって、前記水素吸蔵合金が組成式AXB5で表わさ
れ、xが1.0<x≦2.0であることを特徴とする。
ここで前記金属Aは希土類元素であり、前記金属Bと
しては主としてNi及びCoとするのが好ましい。
しては主としてNi及びCoとするのが好ましい。
更に本発明では、前記組成式AXB5において、前記金属
Bを構成する主元素としてのNi及びCoは一部他の元素と
置換可能であり、前記他の元素としては、Cr、Mn、Fe、
Cu、Al、Si、In、Sn、Ga、Zn及びGeの中から選ばれた少
なくとも1つを用いるのが望ましい。
Bを構成する主元素としてのNi及びCoは一部他の元素と
置換可能であり、前記他の元素としては、Cr、Mn、Fe、
Cu、Al、Si、In、Sn、Ga、Zn及びGeの中から選ばれた少
なくとも1つを用いるのが望ましい。
また、前記組成式AXB5において、前記金属Aはランタ
ンを含む希土類元素で且つ前記ランタンの含有量が全希
土類元素の総量に対して10〜18重量%の範囲とするの
が、特に好ましい。
ンを含む希土類元素で且つ前記ランタンの含有量が全希
土類元素の総量に対して10〜18重量%の範囲とするの
が、特に好ましい。
(ホ)作用 本発明の如く、金属Aと金属Bを含む合金溶湯を、高
速流動する不活性ガス中に噴出させると急冷凝固され
て、微結晶、準結晶、非晶質、あるいは結晶の混合物で
ある非平衡状態の粉末状水素吸蔵合金が得られる。この
合金は、化学量論比がずれても、合金中の母相部分の減
少および不均質化現象を大幅に抑制でき、化学量論比増
大による水素吸収量増加効果を確保することが可能とな
る。
速流動する不活性ガス中に噴出させると急冷凝固され
て、微結晶、準結晶、非晶質、あるいは結晶の混合物で
ある非平衡状態の粉末状水素吸蔵合金が得られる。この
合金は、化学量論比がずれても、合金中の母相部分の減
少および不均質化現象を大幅に抑制でき、化学量論比増
大による水素吸収量増加効果を確保することが可能とな
る。
更に詳しく述べると、本発明の製造方法により作製し
た組成式AXB5(Aは希土類元素、Bは主としてNi及びCo
であり、xが1.0<x≦2.0である)で表わされる水素吸
蔵合金は、化学量論比x:yが1:5より大きくずれても、均
質な非平衡相の合金となる。したがって水素の吸蔵、放
出の可逆性の悪いCe2Ni7型や、PuNi3型結晶構造の析出
がほとんど生ぜず、且つ均質であるのでアルカリ電解液
中において腐食され難くなる。その結果、かかる合金を
用いることにより水素吸蔵量即ち電池容量の大きい、且
つサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
電極が得られる。
た組成式AXB5(Aは希土類元素、Bは主としてNi及びCo
であり、xが1.0<x≦2.0である)で表わされる水素吸
蔵合金は、化学量論比x:yが1:5より大きくずれても、均
質な非平衡相の合金となる。したがって水素の吸蔵、放
出の可逆性の悪いCe2Ni7型や、PuNi3型結晶構造の析出
がほとんど生ぜず、且つ均質であるのでアルカリ電解液
中において腐食され難くなる。その結果、かかる合金を
用いることにより水素吸蔵量即ち電池容量の大きい、且
つサイクル特性に優れたアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金
電極が得られる。
また、この水素吸蔵合金電極の製造方法は、前記組成
式AXB5である水素吸蔵合金粉末を結着剤と共に混練して
ペーストを得、集電体に支持させるものであり、このよ
うにすることで容量の大きな電極が得られる。
式AXB5である水素吸蔵合金粉末を結着剤と共に混練して
ペーストを得、集電体に支持させるものであり、このよ
うにすることで容量の大きな電極が得られる。
そしてここにおいて、前記金属Aを希土類元素とし、
前記組成式AXB5のBを構成する主元素としてのNi及びCo
は、一部他の元素と置換可能であり、前記他の元素とし
ては、Cr、Mn、Fe、Cu、Al、Si、In、Sn、Ga、Zn及びGe
の中から選ばれた少なくとも1つの元素を用いることが
できる。
前記組成式AXB5のBを構成する主元素としてのNi及びCo
は、一部他の元素と置換可能であり、前記他の元素とし
ては、Cr、Mn、Fe、Cu、Al、Si、In、Sn、Ga、Zn及びGe
の中から選ばれた少なくとも1つの元素を用いることが
できる。
更には、前記金属Aは希土類元素であって且つランタ
ンの含有量が全希土類元素の総量に対して10〜18重量%
の範囲とするのが好ましい。
ンの含有量が全希土類元素の総量に対して10〜18重量%
の範囲とするのが好ましい。
(ヘ)実施例 以下に、本発明の実施例を詳述し、比較例との対比に
言及する。
言及する。
[作製例] (粉末状水素吸蔵合金の製造方法) Mm(La含有量15重量%)、Ni、Co、Al及びMnの各市販
原料を使用し、アルゴン不活性雰囲気アーク炉を用い、
組成式Mm×Ni3.2CoAl0.2Mo0.6即ちAXB5においてxの値
を1.0〜2.0の範囲で変化させて、以下に述べる本発明製
造方法で水素吸蔵合金を作製した。ここで作製した合金
は、7種類であり、xの値はそれぞれ1.0、1.2、1.3、
1.4、1.6、1.8、2.0である。
原料を使用し、アルゴン不活性雰囲気アーク炉を用い、
組成式Mm×Ni3.2CoAl0.2Mo0.6即ちAXB5においてxの値
を1.0〜2.0の範囲で変化させて、以下に述べる本発明製
造方法で水素吸蔵合金を作製した。ここで作製した合金
は、7種類であり、xの値はそれぞれ1.0、1.2、1.3、
1.4、1.6、1.8、2.0である。
次に、本発明製造方法の要点である非平衡状態の粉末
状水素吸蔵合金の作製手順を述べる。前記7種類の合金
をそれぞれ5〜15mm角程度の小片に砕いた後に、カルシ
アノズル(ノズル穴:丸穴1.0mmφ)の中に入れ、高純
度アルゴンガス(99.99%以上)雰囲気下で高周波を加
えて加熱した。各合金が溶融した後、前記カルシアノズ
ル内をアルゴンガスで加圧し、アルゴンガス(99.99%
以上)が高速流動している雰囲気中に、前記合金の溶湯
を噴出させた。噴出された合金は急冷凝固され、30〜80
μmの均一な粒径をもつ微粉末状水素吸蔵合金となった
(7種類)。
状水素吸蔵合金の作製手順を述べる。前記7種類の合金
をそれぞれ5〜15mm角程度の小片に砕いた後に、カルシ
アノズル(ノズル穴:丸穴1.0mmφ)の中に入れ、高純
度アルゴンガス(99.99%以上)雰囲気下で高周波を加
えて加熱した。各合金が溶融した後、前記カルシアノズ
ル内をアルゴンガスで加圧し、アルゴンガス(99.99%
以上)が高速流動している雰囲気中に、前記合金の溶湯
を噴出させた。噴出された合金は急冷凝固され、30〜80
μmの均一な粒径をもつ微粉末状水素吸蔵合金となった
(7種類)。
ここでx=1.0の場合が参考例の合金であり、x=1.2
の場合が本発明製造方法による、本発明電池A-1に使用
される合金である。同様に、x=1.4の場合が本発明電
池A-2に使用される合金、x=1.6の場合が本発明電池A-
3に使用される合金、x=1.8の場合が本発明電池A-4に
使用される合金、x=2.0の場合が本発明電池A-5に使用
される合金である。
の場合が本発明製造方法による、本発明電池A-1に使用
される合金である。同様に、x=1.4の場合が本発明電
池A-2に使用される合金、x=1.6の場合が本発明電池A-
3に使用される合金、x=1.8の場合が本発明電池A-4に
使用される合金、x=2.0の場合が本発明電池A-5に使用
される合金である。
尚、前記急冷凝固時の冷却速度は104〜105℃/sec程度
であり、これ以上とするのが望ましい。このような合金
の製造方法はガス・アトマイズ法と呼ばれる。
であり、これ以上とするのが望ましい。このような合金
の製造方法はガス・アトマイズ法と呼ばれる。
(電極の製造方法) そして、各種組成(x=1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、
2.0の6種類)を有する粉末状水素吸蔵合金(参考例合
金と5種類の本発明合金)に、結着剤としてのポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)を粉末状水素吸蔵合金重量
に対し10重量%添加、混練し、ペースト状とした。この
ペーストをパンチングメタルからなる集電体に塗着し、
それぞれ6種類の水素吸蔵合金電極を得た。
2.0の6種類)を有する粉末状水素吸蔵合金(参考例合
金と5種類の本発明合金)に、結着剤としてのポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)を粉末状水素吸蔵合金重量
に対し10重量%添加、混練し、ペースト状とした。この
ペーストをパンチングメタルからなる集電体に塗着し、
それぞれ6種類の水素吸蔵合金電極を得た。
(電池の製造方法) 各水素吸蔵合金電極と、容量が1.2Ahの焼結式ニッケ
ル極とを組合せ、不織布からなるセパレータを介して捲
回して電極体を構成した。
ル極とを組合せ、不織布からなるセパレータを介して捲
回して電極体を構成した。
この電極体を電池缶に挿入後、30重量%のKOH水溶液
を注液し、密閉することにより、公称容量1.2Ahの密閉
型ニッケル−水素蓄電池(参考電池1、本発明電池A-
1、A-2、A-3、A-4、A-5)を作製した。
を注液し、密閉することにより、公称容量1.2Ahの密閉
型ニッケル−水素蓄電池(参考電池1、本発明電池A-
1、A-2、A-3、A-4、A-5)を作製した。
尚、本明細書において、本発明の製造方法による合金
を用いた電池及び試験用セルをそれぞれ「本発明電
池」、「本発明試験用セル」と呼ぶ場合や、これらの電
池及び試験用セルに使用される合金を「本発明合金」と
称呼することがある。
を用いた電池及び試験用セルをそれぞれ「本発明電
池」、「本発明試験用セル」と呼ぶ場合や、これらの電
池及び試験用セルに使用される合金を「本発明合金」と
称呼することがある。
(試験用セルの製造方法) 更に、前記各種の粉末状水素吸蔵合金と、PTFEからな
るペーストをニッケルメッシュで包み込み、1ton/cm2で
圧縮成型したペレット状水素吸蔵合金電極を作製した。
このペレット状水素吸蔵合金電極と、この電極よりも十
分大きな容量を有するニッケル極と、30重量%KOH水溶
液を用い、参考試験用セル及び本発明試験用セルとし、
各種合金の容量測定を行った。この電極で使用される粉
末状吸蔵合金重量は、1.0gであった。
るペーストをニッケルメッシュで包み込み、1ton/cm2で
圧縮成型したペレット状水素吸蔵合金電極を作製した。
このペレット状水素吸蔵合金電極と、この電極よりも十
分大きな容量を有するニッケル極と、30重量%KOH水溶
液を用い、参考試験用セル及び本発明試験用セルとし、
各種合金の容量測定を行った。この電極で使用される粉
末状吸蔵合金重量は、1.0gであった。
[比較例] 比較例として、アルゴン不活性雰囲気アーク炉を用
い、各種組成(xの価がそれぞれ、1.0、1.2、1.3、1.
4、1.6、1.8、2.0の7種類)の水素吸蔵合金を作製し、
これを粉砕してそのまま用いる(従来方法)以外は同様
にして、比較用水素吸蔵合金を得た。そして前記同様、
1種類(x=1.4)の比較用密閉型ニッケル−水素蓄電
池(比較電池X-3)及び7種類の比較試験用セルを得
た。
い、各種組成(xの価がそれぞれ、1.0、1.2、1.3、1.
4、1.6、1.8、2.0の7種類)の水素吸蔵合金を作製し、
これを粉砕してそのまま用いる(従来方法)以外は同様
にして、比較用水素吸蔵合金を得た。そして前記同様、
1種類(x=1.4)の比較用密閉型ニッケル−水素蓄電
池(比較電池X-3)及び7種類の比較試験用セルを得
た。
このようにして得た各試験用セルを用いて、各種ペレ
ット状水素吸蔵合金電極の容量測定を行った。この結果
を、第1図に示す。第1図の横軸は、組成式AXB5におけ
るxの値であり、縦軸はペレット状水素吸蔵合金電極の
電極容量である。第1図より本発明合金は比較合金に比
べて水素吸蔵量が大きいので、電極容量が増大している
ことがわかる。尚、x=1.6、1.8、2.0の水素吸蔵合金
は、電極容量が100より小さかった為、第1図には記載
されていない。
ット状水素吸蔵合金電極の容量測定を行った。この結果
を、第1図に示す。第1図の横軸は、組成式AXB5におけ
るxの値であり、縦軸はペレット状水素吸蔵合金電極の
電極容量である。第1図より本発明合金は比較合金に比
べて水素吸蔵量が大きいので、電極容量が増大している
ことがわかる。尚、x=1.6、1.8、2.0の水素吸蔵合金
は、電極容量が100より小さかった為、第1図には記載
されていない。
更に、比較合金においてはxの値が1.3を越えると急
激な容量低下が認められるが、本発明による合金におい
ては、xの値が1.3を越えても1.6迄、電極容量の増加が
観察される。そして本発明合金は1<x≦2.0の範囲に
おいて、比較合金よりも容量が大きいことが理解され
る。
激な容量低下が認められるが、本発明による合金におい
ては、xの値が1.3を越えても1.6迄、電極容量の増加が
観察される。そして本発明合金は1<x≦2.0の範囲に
おいて、比較合金よりも容量が大きいことが理解され
る。
この原因は、X線回折分析結果により考察することが
できる。第1表に本発明合金と比較合金において観察さ
れる合金相の結晶構造を比較する。
できる。第1表に本発明合金と比較合金において観察さ
れる合金相の結晶構造を比較する。
第1表により、5種類の本発明合金にはA2B7相の析出
がほとんど認められず、均一なAB5の合金相となってい
ることがわかる。
がほとんど認められず、均一なAB5の合金相となってい
ることがわかる。
次に、具体的なX線回折分析結果図を第2図(本発明
合金)、第3図(比較合金)に示す。ここにおいて用い
た水素吸蔵合金は、どちらもMm1.4Ni3.2CoAl0.2Mn0.6の
組成式で表わされるものである。
合金)、第3図(比較合金)に示す。ここにおいて用い
た水素吸蔵合金は、どちらもMm1.4Ni3.2CoAl0.2Mn0.6の
組成式で表わされるものである。
図中“○”はCaCu5型の結晶構造、“●”はCe2Ni7型
もしくはPuNi3型の結晶構造を示す。
もしくはPuNi3型の結晶構造を示す。
この結果により、比較合金には、本発明合金において
観察されるCaCu5(AB5)型結晶構造以外に、Ce2Ni7(A2
B7)型及びPuNi3型結晶構造が顕著に観察される。
観察されるCaCu5(AB5)型結晶構造以外に、Ce2Ni7(A2
B7)型及びPuNi3型結晶構造が顕著に観察される。
第3図に示す如く、従来の製造方法によればCaCu5型
結晶構造以外のものが顕著に観察される組成領域であっ
ても、即ち組成式においてxの値が1.3を越える範囲で
あっても、本発明合金は第2図の示す如く均質性を保っ
ていることが確認された。
結晶構造以外のものが顕著に観察される組成領域であっ
ても、即ち組成式においてxの値が1.3を越える範囲で
あっても、本発明合金は第2図の示す如く均質性を保っ
ていることが確認された。
よって本発明の製造方法により得られた水素吸蔵合金
は1.0<x≦2.0という範囲において均質であり、従来法
による合金に比べて電極容量の大幅な増加が可能とな
る。
は1.0<x≦2.0という範囲において均質であり、従来法
による合金に比べて電極容量の大幅な増加が可能とな
る。
次に、上述せる本発明電池A-2(x=1.4)、比較電池
X-3(x=1.4)を用い、電池の保存特性を比較した。ま
たこの時のテスト条件は、電池を満充電した後、45℃の
周囲温度にて放置するというものであり、電池の初期容
量に対する現容量を容量維持率とした。
X-3(x=1.4)を用い、電池の保存特性を比較した。ま
たこの時のテスト条件は、電池を満充電した後、45℃の
周囲温度にて放置するというものであり、電池の初期容
量に対する現容量を容量維持率とした。
この結果を、第4図に示す。第4図の横軸は保存日
数、縦軸は容量維持率をそれぞれ示す。第4図より、20
日間保存した場合、比較電池X-3の容量維持率は20%で
あるのに対し、本発明電池A-2の容量維持率は54%程度
であり、保存特性において優れたものであることがわか
る。
数、縦軸は容量維持率をそれぞれ示す。第4図より、20
日間保存した場合、比較電池X-3の容量維持率は20%で
あるのに対し、本発明電池A-2の容量維持率は54%程度
であり、保存特性において優れたものであることがわか
る。
次に参考例、本発明による粉末状水素吸蔵合金(参考
例:x=1.0、本発明:x=1.3、1.4)及びアルゴンアーク
炉で溶解を行った従来の製造方法による水素吸蔵合金
(比較例:x=1.0、1.3、1.4)を用い、試験用セルを組
み立て、電極の容量を比較した。
例:x=1.0、本発明:x=1.3、1.4)及びアルゴンアーク
炉で溶解を行った従来の製造方法による水素吸蔵合金
(比較例:x=1.0、1.3、1.4)を用い、試験用セルを組
み立て、電極の容量を比較した。
この結果を、第2表に示す。
第2表において、電極容量は、組成式においてx=1
とした時の比較例の試験用セルの容量を100として相対
的に示してある。第2表の結果により、本発明の粉末状
水素吸蔵合金を用いることにより、電極容量の増大が計
れることがわかる。ここでNi及びCoは一部を、Cr、Mn、
Fe、Cu、Al、Si、In、Ga、Zn、Geで置換した粉末状水素
吸蔵合金についても、同様の効果を得た。
とした時の比較例の試験用セルの容量を100として相対
的に示してある。第2表の結果により、本発明の粉末状
水素吸蔵合金を用いることにより、電極容量の増大が計
れることがわかる。ここでNi及びCoは一部を、Cr、Mn、
Fe、Cu、Al、Si、In、Ga、Zn、Geで置換した粉末状水素
吸蔵合金についても、同様の効果を得た。
(ヘ)発明の効果 本発明の製造方法によれば、合金溶湯を高速流動する
不活性ガス中に噴出させ非平衡状態の粉末状水素吸蔵合
金としているので、水素吸蔵合金電極の高容量化及び自
己放電の抑制が計れる。その結果、高エネルギー密度を
有し、保存特性に優れたアルカリ蓄電池が提供でき、そ
の工業的価値は極めて大きい。
不活性ガス中に噴出させ非平衡状態の粉末状水素吸蔵合
金としているので、水素吸蔵合金電極の高容量化及び自
己放電の抑制が計れる。その結果、高エネルギー密度を
有し、保存特性に優れたアルカリ蓄電池が提供でき、そ
の工業的価値は極めて大きい。
第1図は水素吸蔵合金の組成(xの値)と電極容量との
関係を示す図、第2図は本発明合金のX線回折分析結果
図、第3図は比較合金のX線回折分析結果図、第4図は
電池の保存特性図である。 A-2……本発明電池、X-3……比較電池。
関係を示す図、第2図は本発明合金のX線回折分析結果
図、第3図は比較合金のX線回折分析結果図、第4図は
電池の保存特性図である。 A-2……本発明電池、X-3……比較電池。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米津 育郎 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】水素を発熱吸収する型の金属Aと、水素を
吸熱吸収する型の金属Bとを含む合金溶湯を、高速流動
する不活性ガス中に噴出させて非平衡状態の粉末状水素
吸蔵合金を得るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方
法であって、 前記水素吸蔵合金が組成式AxB5 で表わされ、xが1.0<
x≦2.0であることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素
吸蔵合金の製造方法。 - 【請求項2】前記金属Aは希土類元素であり、前記金属
Bは主としてNi及びCoであることを特徴とする請求項
記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法。 - 【請求項3】前記組成式AXB5 において、前記Ni及びCoは
一部他の元素と置換可能であり、前記他の元素は、Cr、
Mn、Fe、Cu、Al、Si、In、Sn、Ga、Zn及びGeの中から選
ばれた少なくとも一つであることを特徴とする請求項
記載のアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金の製造方法。 - 【請求項4】前記組成式AxB5 において、前記金属Aはラ
ンタンを含む希土類元素で且つ前記ランタンの含有量が
全希土類元素の総量に対して10〜18重量%の範囲である
ことを特徴とする請求項記載のアルカリ蓄電池用水素
吸蔵合金の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH0647081A (ja) * | 1992-06-29 | 1994-02-22 | Misawa Homes Co Ltd | 浴槽の湯の循環噴射装置 |
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1990
- 1990-01-25 JP JP02015718A patent/JP3101287B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0647081A (ja) * | 1992-06-29 | 1994-02-22 | Misawa Homes Co Ltd | 浴槽の湯の循環噴射装置 |
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