JP3603013B2 - 水素吸蔵合金及びニッケル水素二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵合金に関し、特に、ニッケル水素二次電池に用いられる負極用の水素吸蔵合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ニッケル水素二次電池において、負極に用いられる水素吸蔵合金として、従来からLa、Ce、Pr、Nd、Sm等の希土類元素の混合物であるミッシュメタル(以下、「Mm」という。)とニッケルの一部を種々の元素で置換したニッケル基合金が広く用いられている。
その中でコバルトを含有した合金は、水素吸蔵量が比較的多く、水素を吸蔵したときの微粉化がしにくく、アルカリ中での耐食性に優れ、ニッケル水素二次電池の負極に使用した場合に電池の寿命を長くする効果があることがわかっている。
一方、高率放電特性改善のためには、コバルト含有量が少ないほうがよいことがわかっている。この理由は、コバルト含有量が少なくなることによって、微粉化が促進し、重量あたりの表面積が増大しているためと考えられている。従って、コバルト含有量を低減すると微粉化が促進され、密閉電池としたときのサイクル寿命が低下する問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これら従来技術の課題を解決するもので、微粉化を抑制しながら高率放電特性を改善するとともに、コバルト含有量を低下させた場合でも従来と同程度以上のサイクル寿命特性を示し、しかも、高容量の水素吸蔵合金を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、La量が比較的多く、アルカリ土類金属Mg又はCaを不純物以上で比較的少ない量を合金中に含有させることで、高容量を維持したまま、微粉化を抑制したにもかかわらず高率放電特性を改善し、従来よりコバルト含有量を低下させたときでも微粉化が抑制されることを見いだしたことにある。
本発明は、具体的には、CaCu5型の結晶構造を主相に持つ水素吸蔵合金において、合金中のLa量が24〜33重量%であり、かつ、合金中のMg又はCa量が0.1〜1.0重量%であることを特徴とする水素吸蔵合金にある。
さらに、前記合金で、合金中のコバルト含有量を9重量%以下の水素吸蔵合金にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のAB5型水素吸蔵合金は、微粉化を抑制しながら高率放電特性を改善するため、合金中にMg又はCaを0.1〜1.0重量%含有させ、さらに、水素吸蔵量を増加させるためと水素平衡圧をコントロールするために、合金中のLa量を24〜33重量%とすることによって、従来の合金に比較して、高容量で、微粉化が抑制されて、しかも、高率放電特性を改善し、さらに、コバルト含有量が少ない水素吸蔵合金でも、耐微粉化性を向上させることができる。
また、本発明のAB5型水素吸蔵合金は、構成する残部を、A側ではLa以外の希土類、B側をNi、Co、Mn等の遷移金属及び/又はAl等から構成する。それらは一般的には下記の式で表されるが、これに限定されるものではない。
LauRvMgwNixCoyMz、 またはLauRvCawNixCoyMz
式中、RはLa以外の希土類元素、Mは、Mn、Al、Si、Sn、Fe、Cu、Ti、Zr、V等から選ばれる少なくとも一種以上を示し、Laは24〜33重量%、Rは15重量%以下、MgまたはCaは0.1〜1.0重量%、Niは50〜65重量%、Coは9重量%以下、Mは3〜10重量%の範囲が好ましい。ここで、各元素の構成比を原子比(u,v,w,x,y,z)で表し、この原子比は各元素の重量%を各原子量で割った(除した)それぞれの値をA側元素であるLaとRの構成比の和を1として規格し算出した値である。従って、u+v=1となる。但し、RはLa以外の希土類元素、Mは、Mn、Al、Si、Sn、Fe、Cu、Ti、Zr、V等から選ばれる少なくとも一種以上となるので、原子量としては重量の加重平均から算出した平均原子量を用いる。
微量添加であるMg及びCaと不可避不純物を除いて、A側の元素に対するB側の元素の比をB/A比とし、下記の式で算出する。
B/A比=(x+y+z)/(u+v)
B側とA側の比であるB/A比は、好ましく4〜7、より好ましくは5〜7、特に好ましくは5〜6である。
本発明で用いるAB5型水素吸蔵合金は、CaCu5型の結晶構造を主相に持つ水素吸蔵合金が好ましい。CaCu5型の結晶構造を主相に持つ水素吸蔵合金は、断面の組織観察では一部に偏析相を確認しながらも、XRDでの回折パターンでCaCu5型を示す合金相をいう。
【0006】
本発明の水素吸蔵合金は、Mg又はCa含有量を0.1〜1.0重量%にしたことに特徴をもつ。Mg又はCa含有量が、0.1重量%より少ない場合は微粉化抑制の効果が小さく、1.0重量%を超えると水素吸蔵量が低下しすぎてしまう。配合させるCoとしては本願は合金中に9重量%以下含有させるとよいが、好ましくは7重量%以下、更に好ましくは6重量%以下がよい。
【0007】
また、Coの含有量を低下させると、水素吸蔵放出時の平衡圧が上昇するので、水素平衡圧を従来合金と同程度にするため、および、高容量を維持向上するために、La含有量を24〜33重量%にした。本発明では、特にMgを添加することが好ましい。
【0008】
さらに、本発明は上記のように比較的少量のMg又はCaを含有させることにより、従来なし得なかったコバルト含有量9重量%以下での長寿命化を達成した。
このMg含有水素吸蔵合金は、Ti、Zr、及びVからなる一群から選ばれる一以上を少量添加することにより、さらに初期活性特性を向上させたりサイクル寿命特性を向上させることができる。添加量としては、Mg含有水素吸蔵合金に対して0.5重量%以下の微量が好ましい。
また、このMg含有水素吸蔵合金は、主相がCaCu5型の結晶構造であり、その格子定数におけるa軸(a軸=b軸)の長さが4.990〜5.050Å、c軸の長さが4.030〜4.070Åの範囲であることを特徴し、この格子定数の範囲内でMg添加前の水素吸蔵合金の格子定数と比較すると、Mg添加により格子定数が増加する傾向が見られた。特に、a軸の増加に比べc軸の増加が大きく、c軸とa軸の比であるc/a比がより大きくなることを見出した。
このc/a比が大きくなることで水素吸蔵放出時の微粉化が抑制され、電極として使用した場合、サイクル寿命の長い電池が構成されることがわかった。この理由としては、結晶の最密充填面であるc軸に垂直な面の面間隔が大きくなることで、水素吸蔵時の格子の伸びが小さく抑えられ、その結果、歪みが抑制されたり、クラックの進展距離が小さくなるためではないかと考えられる。従って、本発明のMgを0.1〜1.0重量%含有させた合金の微粉化抑制効果は、格子定数のc軸の長さがa軸の長さより伸びるため出現したものと考えられる。
さらに、La量は24〜33重量%、コバルト含有量を6〜9重量%にして、Mgを0.1〜1.0重量%添加し、B/A比を5.0〜5.25の範囲の合金とした場合には、サイクル寿命は従来と同様であるが、容量が340mAh/g以上と更なる高容量化が可能となることがわかった。ここで、B/A比とは、希土類元素(例えば、La、Ce、Pr、Nd)の原子比の和を1としたときの例えばNi、Co、Mn、Alの原子比の和を表し、Mg、Caなどの微量元素を除いて算出した値である。
【0009】
本発明の水素吸蔵合金は、アーク溶解、高周波溶解等の溶解法と、鋳型鋳込み法、テーブル鋳込み法、ロール急冷法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法、スピンカップ法などの組合せで作ることができる。
本発明の水素吸蔵合金は、以下のようにして得ることができる。
所定量の各元素を秤量し、高周波溶解炉にてArガス等の不活性ガス(200〜1500Torr)中で溶解する。このときMgやCaなどの蒸気圧の高い元素を入れる場合には、元素を直接用いても、又は合金を構成する他の元素との合金を用いてもよい。その場合、融点が650℃以上の合金を用いる。溶解時の溶解方法としては、添加成分の蒸発を防止したり、作業上の安全を確保する上で、少なくとも、ニッケル、コバルトなどの高融点金属が溶解した後、MgやCaを添加するとよい。溶解後、1300〜1600℃で鉄製鋳型などに鋳込みインゴットを作製したり、上記の他の方法で作製することができる。また特に必要な場合は、Arガス等の不活性雰囲気下(600〜1500Torr)で800〜1200℃で5〜20時間熱処理を行う。
上記方法で作製した水素吸蔵合金は、ジョークラッシャー、ロールミル、ハンマーミル、ピンミル、ボールミル、ジェットミル、ローラーミルなどを使用し、Ar等の不活性雰囲気下で、平均粒径4〜70μmになるよう粉砕したり、水素を吸蔵放出させることによって粉砕するいわゆる水素化粉砕の方法を用いて、本発明の水素吸蔵合金を得ることができる。
【0010】
このようにして得られた水素吸蔵合金粉末は、既知の方法、たとえば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等のセルロース類、PTFE、ポリエチレンオキサイド、高分子ラテックス等のバインダーを用いて混練させペースト化し、ニッケル発泡体、ニッケル繊維体等の三次元導電支持体、パンチングメタル等の二次元導電支持体に充填することによって電極とすることができる。該バインダーの使用量は、合金100重量%に対し、0.1〜20重量%をもちいるとよい。
更に必要により、カーボングラファイト、Ni、Cu粉末等の導電助剤を合金に対し0.1〜10重量%添加してもよい。
本発明の水素吸蔵合金を負極用電極として使用したアルカリ電池は、低コバルトであっても、サイクル寿命が長く、高率放電特性および低温時における放電特性が優れている。
【0011】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1、比較例1
Mm、または、La、Ce、Pr、Ndの各元素と、Ni、Co、Mn、Alの各元素、及び、Mgを表1の組成になるよう秤量した。このとき、Mgは、MgNi2合金(融点1100℃)を用いた。高周波溶解炉により加熱溶解し、鉄製鋳型に鋳造して各インゴットを得た。なお、Mgを含有しない合金については、Mg−Ni合金を使用せずに作製した。
そのインゴットをAr雰囲気下で1050℃において6時間熱処理をおこない、粉砕機にて平均粒径が33μmになるよう粉砕し、水素吸蔵合金粉末を得た。合金粉末をXRDで測定したところ、CaCu5型結晶構造を表していた(図1)。
【0012】
この粉末10gに対し3重量%のポリビニルアルコール(平均重合度2000、けん化度98モル%)の水溶液を2.5gの割合で混合してペースト状とし、このペーストを発泡状ニッケル金属多孔体内に30vol%充填、乾燥後、加圧成形して厚さ0.5〜1.0mmの極板を制作し、次いでリード線を取り付けて負極とした。
正極には焼結式電極を用いて、ポリプロピレン製セパレータを介して負極と張り合わせ、6N−KOH電解液に浸漬して電池を作製した。
【0013】
得られた電池についてまず、20℃にて負極容量に対し0.3C(90mA/g)で120%充電、30分休止後、0.2C(60mA/g)で電池電圧が0.8Vになるまで放電した。このサイクルを20回繰り返したときの最大の放電容量をその合金の「容量」とした。その後0.3Cで120%充電後、2.0C(600mA/g)で放電した容量を「高率放電容量」とした。その後、微粉化の進行具合を観測するために、電極を分解し、合金粉を水中で超音波ホーンにて集電体から分離し、充放電後の粒度分布をマイクロトラックにて測定し、平均粒径D50μmを得た。結果を表1に示す。なお、D50は、粒度分布を測定した場合に、個々の粒子径を検出したときの頻度累計において、小径粒子から累積加算した値が分布全体の50%にあたる粒子径をD50と定義するものである。
【0014】
【表1】
表1からわかる通り、Mg含有合金のほうが高率放電特性が高く、また、充電後の微粉化の進行を抑制していることがわかる。
【0015】
実施例2〜5、比較例2
つぎに、表2の組成にて、実施例1と同様な方法で合金粉を作製し、同様な方法で電極としての「容量」を測定し、マグネシウムが含有されている場合のLa量と容量の関係を確かめた。結果を表2に示す。表2からわかるとおり、高容量の合金にするためには、合金中のLa量は24重量%以上必要なことがわかる。
【0016】
【表2】
【0017】
実施例6〜8、比較例3
表3の組成にて実施例1と同様にして合金粉を作製し、実施例1と同様な、電極試験にて容量を得た。結果を表3に示す。表3からわかる通りMg量が1.0重量%以上では容量が低下しすぎることがわかる。
【0018】
【表3】
【0019】
実施例9〜12、比較例4〜7
次に、表4の合金組成にて実施例1と同様の電極試験を行い、その後、電極を分解し、合金粉を水中で超音波ホーンにて集電体から分離し、充放電後の粒度分布をマイクロトラックにて測定し、平均粒径D50μmを得た。その平均粒径をMgの含有されていない合金の粒径を基準にして、Mgを含有させた場合の効果を次式により、微粉化改善率R1(%)として算出した。
R1(%)=[(Mg含有合金のD50(μm))/(Mgなし合金のD50(μm))}×100(%)
このとき、微粉化はCo含有量により大きく変化するので、各Co量の場合の変化として示した。なお、D50は、粒度分布を測定した場合に、個々の粒子径を検出したときの頻度累計において、小径粒子から累積加算した値が分布全体の50%にあたる粒子径をD50と定義するものである。
【0020】
【表4】
【0021】
表4からわかるように、同程度のCo量のとき、Mgを含有させると微粉化が抑制され、低Co量になるほど効果があることがわかる。また、Mg量が少ない場合、たとえば、Mg含有量が0.1重量%以下の場合は、その微粉化改善効果が5%以下と小さいことがわかる。また、Co含有量が高い場合、例えば、Co量が9%を越える場合は、Mgの効果が小さくなっていることがわかる。通常、Co量は市販のニッケル水素二次電池の高容量電池では、9%以上含有されている。特に、本発明では、Co量が6%以下にて顕著な効果が見られていることがわかる。
【0022】
実施例14〜17、比較例8〜11
表5の合金組成にて、実施例1の添加物のMg−Ni合金の代わりにMg金属(融点650℃)を使用し、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムと希土類元素の一部を先に溶解し、溶解したのを確認した後、残りの希土類元素及びMg金属を添加する手順で溶解した以外は、実施例1と同様な方法で合金粉を作製した。なお、Mgを含有しない合金については、Mg金属を使用せずに溶解を行った。
【0023】
表5の容量は、重量比で水素吸蔵合金0.5とNi粉1.5を乾式混合後、φ20mm金型で成形して電極を得た。その電極をニッケルメッシュではさみ込み、ニッケルリードを取り付け、焼結式正極と対向させ、6N−KOHに浸漬し、試験電池とした。0.5C(150mA/g)で125%充電し、10分間休止した後、0.5C(150mA/g)で水銀参照極(Hg/HgO)との電位差が0.6Vになるまで放電し、これを10回繰り返した後の容量を示した(ペレット容量)。
【0024】
また、サイクル寿命は、前記のペースト電極を用いた評価電池において、20℃にて負極容量に対し0.3C(90mA/g)で120%充電、30分間休止後、0.2C(60mA/g)にて正極との電池電圧が0.8Vになるまで放電する充放電サイクルを200サイクル行い、放電容量の維持率(サイクル寿命)を下記の式より算出した。
維持率(%)={(200サイクル後の放電容量)/(20サイクル後の放電容量)}×100
【0025】
さらに、前記のペースト電極を用いた評価電池において、20℃にて負極容量に対し0.3C(90mA/g)で120%充電、30分間休止後、0.2C(60mA/g)で電池電圧が0.8Vになるまで放電した。このサイクルを20回繰り返した後、微粉化の進行具合を観測するために、電池を分解し、負極から合金粉を超音波ホーンを用いて、集電体から分離し、充放電後の粒度分布をマイクロトラックにて測定し、平均粒径D50(μm)を得た。そして微粉化改善率R1(%)を算出した。
【0026】
また、表5に記載の合金については、粉末X回折法にて回折パターンを測定し、その測定結果を最小二乗法にて格子定数を算出した。
【0027】
【表5】
【0028】
表5から、Mg添加前後の比較において、Mg添加後の容量、サイクル寿命、微粉化改善率ともに増大しているのがわかる。格子定数を比較してみると、Mg添加によりc軸がa軸に比べ顕著に増加する傾向があることがわかる。このことが、高容量でサイクル寿命を増加させる一因になっていると考えられる。また、実施例16と実施例17ではサイクル寿命はほどほどであるが、放電容量を特に増大させる効果があった。
【0029】
実施例18〜32、比較例12〜19
表6の合金組成にて、実施例1に記載のMgNi2(融点1100℃)を使用し、ニッケル、コバルト、マンガン、アルミニウムと希土類元素の一部を先に溶解し、溶解したのを確認した後、残りの希土類元素及びMg−Ni合金を添加する手順で溶解した以外は、実施例1と同様な方法で合金粉を作製した。なお、Mgを含有しない合金については、Mg−Ni合金を使用せずに溶解を行った。
【0030】
ペレット容量、放電容量の維持率(サイクル寿命)は、前記と同様にして求めた。平均粒径D50を前記と同様にして求めた後、その平均粒径を比較例16の合金の粒径を基準にして、他の合金の微粉化抑制効果を次式により、微粉化改善率R2(%)として算出した。
R2(%)={(Mg含有合金のD50(μm))/(比較例16合金のD50(μm))}×100
【0031】
【表6】
【0032】
表6からわかる通り、La量を24〜33重量%、コバルト含有量を6〜9重量%にして、Mgを0.1〜1.0重量%添加し、B/A比を5.0〜5.25の範囲の合金とした場合には、サイクル寿命は従来と同様であるが、容量が340mAh/g以上と更なる高容量化が可能となることがわかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明の水素吸蔵合金は、アルカリ蓄電池の負極として使用した場合、電池の高容量化を可能にし、また、高率放電特性を改善し、さらに、低コバルトにもかかわらず、微粉化を抑制できるので電池の低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の水素吸蔵合金のX線回折パターンを示す。
Claims (10)
- CaCu5型の結晶構造を主相に持つ水素吸蔵合金において、合金中にLaを24〜33重量%含み、かつ、合金中に0.1〜1.0重量%のMg又はCaを含むことを特徴とするニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金。
- さらに、合金中に9重量%以下のCoを含むことを特徴とする請求項1に記載のニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金。
- さらに、合金中に6重量%以下のCoを含むことを特徴とする請求項1に記載のニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金。
- さらに、Ti、Zr、Vからなる一群から選ばれる一以上を含むことを特徴とする請求項1に記載のニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金。
- CaCu5型の結晶構造を主相に持ち、Laを24〜33重量%含むニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金において、Mgを含み、CaCu5型の結晶構造の格子定数におけるa軸の長さが4.990〜5.050Å、c軸の長さが4.030〜4.070Åの範囲であることを特徴とするニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金。
- 上記CaCu5型の結晶構造の格子定数におけるa軸の長さが4.990〜5.050Å、c軸の長さが4.030〜4.070Åの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金。
- CaCu5型の結晶構造を主相に持ち、Laを24〜33重量%含むニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金の製造方法において、水素吸蔵合金の構成成分の溶解時にMg含有量が合金全体中の0.1〜1.0重量%となるようにMg供給材料を添加することを特徴とするニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金の製造方法。
- 少なくともNi及びCoを溶湯内で溶解した後に、該溶湯内にMg供給材料を添加することを特徴とする請求項7に記載のニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金の製造方法。
- 上記Mg供給材料が、Mg金属又は融点が650℃以上であるMg合金であることを特徴とする請求項7又は8に記載のニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のニッケル水素二次電池の電極用水素吸蔵合金を電極に用いたニッケル水素二次電池。
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