JP7013782B2 - 水素吸蔵合金粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粉末状の水素吸蔵合金を製造する方法である。
ニッケル金属水素化物電池用の負極活物質として、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金が知られている。この種の水素吸蔵合金は、希土類元素、Mg及びNiを含むものであり、A型の水素吸蔵合金、A19型の水素吸蔵合金、AB型の水素吸蔵合金と呼ばれるものの総称である。以下、特に説明のない場合には、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金又は単に水素吸蔵合金と言う場合、当該「希土類元素、Mg及びNiを含む希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金」を指すものとする。
ところで、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金をニッケル金属水素化物電池用の負極活物質として用いるためには、当該水素吸蔵合金を粉砕する必要がある。水素吸蔵合金の比表面積を大きくして、電池反応の速度を高めるためである。
しかしその一方で、水素吸蔵合金を粉砕し比表面積を大きくすることで水素吸蔵合金の酸化速度も高まる。水素吸蔵合金が急激に酸化すると、酸化反応による発熱が生じて、水素吸蔵合金の温度が急激に上昇する可能性がある。例えば粉砕された水素吸蔵合金つまり水素吸蔵合金粉末を大気に曝すと、当該水素吸蔵合金の急激な温度上昇が生じる場合がある。製品となった後の水素吸蔵合金粉末にこのような発熱が生じることを回避するため、従来は、水素吸蔵合金粉末の製造工程に水素吸蔵合金粉末を酸化させる工程を設ける等の対策がとられていた。しかしこの場合には、酸化が完了するまでの間水素吸蔵合金粉末を長時間放置する必要があるために、製造工程に比較的長い時間を要していた。
このような粉砕による水素吸蔵合金の発熱の問題を鑑みて、水素吸蔵合金粉末の製造時に水素吸蔵合金の表面に被膜を形成する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1には、AB型の水素吸蔵合金の一種であるTi-Mn系の水素吸蔵合金粉末を製造する際に、当該Ti-Mn系の水素吸蔵合金粉末を構成する水素吸蔵合金粒子の表面に2種類の被膜を形成する技術が提案されている。具体的には、特許文献1の方法によると、先ず、塊状又は粉砕片状のTi-Mn系水素吸蔵合金を、非酸化性雰囲気にて機械的に粉砕する。この粉砕工程により、当該Ti-Mn系の水素吸蔵合金が粉末状になるとともに、粉砕装置に由来する鉄等が、当該Ti-Mn系の水素吸蔵合金粒子の表面に島状の金属酸化物被膜を形成する。次いで、上記の粉砕工程後のTi-Mn系の水素吸蔵合金粉末を、酸素を含む雰囲気におく酸化工程を行う。この酸化工程によって、金属酸化物被膜が形成されたTi-Mn系の水素吸蔵合金粒子の最表面に、酸化被膜が形成される。
特許文献1では、このように2種類の酸化被膜が形成されたTi-Mn系の水素吸蔵合金は、水素の吸蔵及び放出を良好に行うことができ、かつ、大気に曝されても急激な酸化が生じないとしている。
しかし、このような水素吸蔵合金粉末の製造方法においても、水素吸蔵合金粉末を酸化させる酸化工程は必要である。特許文献1の実施例によると、当該酸化工程には24時間もの時間を要している。したがって、特許文献1に紹介されている水素吸蔵合金粉末の製造方法によっても、製造工程に比較的長い時間を要する問題は解消されていない。
したがって、従来の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、急激な酸化による発熱の抑制と、水素吸蔵合金粉末の容易な製造とを両立するとは言い難かった。
特開2004-217989号公報
本発明はかかる事情に鑑みて為されたものであり、水素吸蔵合金の急激な酸化による発熱の抑制と、水素吸蔵合金粉末の容易な製造と、を両立する水素吸蔵合金粉末の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、
希土類元素、Mg及びNiを含む希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金を粉砕して水素吸蔵合金粉末を得る粉砕工程を具備し、かつ、以下の要素(1)又は(2)を満たす、水素吸蔵合金粉末の製造方法である。
(1)水を含む液体中で前記粉砕工程を行う、
(2)不活性ガス雰囲気下で、前記粉砕工程を行いかつ粉砕後の前記水素吸蔵合金粉末を水を含む液体に入れる。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によると、急激な酸化による発熱を抑制しつつ水素吸蔵合金粉末を容易に製造し得る。
実施例1の負極の断面のSEM像である。
以下、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法について詳細に説明する。以下必要に応じて、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法で製造された水素吸蔵合金粉末を、本発明の水素吸蔵合金粉末と呼ぶ。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限x及び上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、並びに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで新たな数値範囲を構成し得る。更に、上記の何れかの数値範囲内から任意に選択した数値を新たな数値範囲の上限、下限の数値とすることができる。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、既述したように、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金を粉砕して水素吸蔵合金粉末を得る方法である。本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法で得られた水素吸蔵合金粉末は、ニッケル金属水素化物電池用の負極活物質として用いることができる。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、水素吸蔵合金を粉砕して水素吸蔵合金粉末を得る粉砕工程を具備する。そして本発明の製造方法は、以下の要素(1)又は(2)を満たすことにより、水素吸蔵合金の急激な酸化による発熱の抑制と、水素吸蔵合金粉末の容易な製造と、の両立を実現し得る。
(1)水を含む液体中で上記の粉砕工程を行う、
(2)不活性ガス雰囲気下で、上記の粉砕工程を行いかつ粉砕後の水素吸蔵合金粉末を水を含む液体に入れる。
つまり、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法が(1)を満たす場合には、水を含む液体中で水素吸蔵合金の粉砕を行うことにより、水素吸蔵合金粉末を構成する各水素吸蔵合金粒子の表面が水酸化されると推察される。したがって要素(1)を満たす本発明の水素吸蔵合金の製造方法によると、水素吸蔵合金粉末の急激な酸化による発熱は生じ難い。また、要素(1)を満たす本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によると、従来の水素吸蔵合金粉末の製造方法において長時間を要していた酸化工程が不要になるため、水素吸蔵合金粉末を容易に製造できる。
また、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法が(2)を満たす場合には、不活性ガス雰囲気下で粉砕工程を行うことで、粉砕工程中における水素吸蔵合金粉末の酸化を抑制できる。また、それに引き続き不活性ガス雰囲気下で粉砕後の水素吸蔵合金粉末を水を含む液体に入れることで、粉砕工程後においても水素吸蔵合金粉末の急激な酸化による発熱を抑制できる。更に、この場合にも長時間を要する酸化工程が不要であるため、水素吸蔵合金粉末を容易に製造できる。
このように、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法では、水を含む液体中で水素吸蔵合金を粉砕するか、或いは、不活性ガス雰囲気下で破砕した水素吸蔵合金を水を含む液体に入れる。つまり、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法では、ニッケル金属水素化物電池の負極活物質たる水素吸蔵合金粉末は、水に分散した状態の粉砕生成物として製造される。したがって、当該水素吸蔵合金粉末をニッケル金属水素化物電池の負極活物質として用いる場合には、水素吸蔵合金粉末を当該粉砕生成物の状態で次の工程(例えばアルカリ処理等の表面処理工程、めっき工程、コート工程又は電極製造のためのスラリー化工程等)に供すれば良い。このようにすれば、水素吸蔵合金を大気(つまり酸素)に曝さずに、安定な状態で、ニッケル金属水素化物電池用の負極及びニッケル金属水素化物電池を製造できる。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法において粉砕する対象である、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金について説明する。既述したように、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金は、希土類元素、Mg及びNiを含むものであり、A型の水素吸蔵合金、A19型の水素吸蔵合金及びAB型の水素吸蔵合金を包含する。なお、A型の水素吸蔵合金及びA19型の水素吸蔵合金は、何れも、AB型の水素吸蔵合金の結晶構造(所謂AB型サブユニット)及びAB型水素吸蔵合金の結晶構造(所謂AB型サブユニット)が積層された結晶構造を有する。
より具体的には、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金は、希土類元素、Mg及びNiを含有する合金であれば良く、その組成比や含有し得るその他の元素は特に問わない。また、希土類元素の一部又は全部がCa、Sr、Sc、Y、Ti、Zr及びHfの少なくとも一種で置換されていても良い。希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金としては、例えば、以下の一般式(1)で表されるものを選択することができる。
一般式(1):Ln1-xMgNiy-z(但し、Lnは、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ca、Sr、Sc、Y、Ti、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素、Tは、Mn、Co、Ti、V、Nb、W、Ta、Cr、Mo、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、In、Cu、Si、Li、P、S、及びBから選ばれる少なくとも1種の元素、x、y、zは、それぞれ、0<x<0.3、2.8≦y≦3.8、0≦z≦0.5を満たす。)
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法において、粉砕工程は、水を含む液体中か、又は、不活性ガス雰囲気下で行う。以下、必要に応じて、水を含む液体中で行う粉砕工程を湿式の粉砕工程といい、水を含む液体を水系液体といい、不活性ガス雰囲気下で行う粉砕工程を乾式の粉砕工程という。本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法が要素(1)を具備する場合には湿式の粉砕工程を行い、要素(2)を具備する場合には乾式の粉砕工程を行う。
粉砕工程に用いる粉砕機としては、目的とする水素吸蔵合金粉末における水素吸蔵合金粒子の粒子径に応じて、既知のものを使用すれば良い。以下、必要に応じて、水素吸蔵合金粉末における水素吸蔵合金粒子の粒子径を、単に、水素吸蔵合金粉末の粒子径と略する。又、本明細書で単に平均粒子径と言う場合には、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で試料を測定した場合におけるD50を意味する。後述する最大粒子径及び最小粒子径についても同様に、一般的なレーザー回折式粒度分布測定装置で試料を測定した場合におけるDmax及びDminを意味する。
粉砕機としては、例えば、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー、カッターミル、ローラーミル、ハンマーミル、ピンミル、遊星ミル、ジェットミル、ビーズミル等を挙げることができる。要素(1)を具備する本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法においては、これらに代表される粉砕機を用いて湿式の粉砕工程を行えば良い。又、要素(2)を備える本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法においては、これらに代表される粉砕機を用いて乾式の粉砕工程を行えば良い。
何れの場合にも、粉砕工程は、粉砕機を通過した水素吸蔵合金粉末を再度粉砕機に供給し粉砕する、循環型の粉砕機を用いて行うのが好ましい。当該循環型の粉砕機によると、粉砕機に新たな試料(本発明においては水素吸蔵合金)を連続的に供給する、連続型の粉砕機に比べて、粒径の均一な水素吸蔵合金粉末が得られる。
湿式の粉砕工程を行う場合、粉砕工程に用いる水系液体は、水のみであっても良いし、水と他の材料との混合物であっても良いし、水に他の材料が溶解した水溶液であっても良い。他の材料としては、例えば、酢酸等の酸、KOH、NaOH等のアルカリ、Ni、Li、F、S、P等の元素を含有する化合物、水溶性の有機化合物系分散剤等が挙げられる。更に、当該他の材料として、ニッケル金属水素化物電池用の負極に配合される負極用材料を選択しても良い。当該負極用材料としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコール等のバインダとして用いられるポリマー、カーボン等の導電助剤等が挙げられる。これらの各材料は単独で水に混合し又は溶解させても良いし、複数を混合し又は溶解させても良い。
水素吸蔵合金に対する水系液体の量は特に問わないが、粉砕工程中の及び粉砕工程後において水素吸蔵合金粉末の全体が水系液体で濡れるのが好ましい。例えば、1質量部の水素吸蔵合金に対して、0.1質量部以上の水系液体を用いるのが好ましく、0.5質量部以上の水系液体を用いるのがより好ましく、1.0質量部以上の水系液体を用いるのが更に好ましく、2.0質量部以上の水系液体を用いるのが特に好ましい。
粉砕工程で用いる水系液体の量の上限値は特にないが、当該上限値を強いて設定するとすれば、粉砕工程のコストを考慮して、100質量部以下であるのが好ましい。
乾式の粉砕工程を行う場合、粉砕工程に用いる不活性ガスとしては、窒素やアルゴン等の一般的な不活性ガスを用い得る。乾式の粉砕工程を行う場合、粉砕後に、当該不活性ガス中で水素吸蔵合金粉末を水系液体に入れれば良い。水素吸蔵合金粉末に対する当該水系液体の量は特に問わないが、水素吸蔵合金粉末の全体が水系液体で濡れるのが好ましい。例えば、1質量部の水素吸蔵合金粉末に対して、水系液体を0.1質量部以上用いるのが好ましく、0.5質量部以上用いるのがより好ましく、1.0質量部以上用いるのが更に好ましく、2.0質量部以上用いるのが特に好ましい。
粉砕工程で用いる水系液体の量の上限値は特にない。当該上限値を強いて設定するとすれば、粉砕工程のコストを考慮して、100質量部以下であるのが好ましい。
なお、本明細書において、水系液体とは、水を含みかつ液体であれば良く、水のみであっても良いし、水と他の材料との混合物であっても良いし、水に他の材料が溶解した水溶液であっても良い。他の材料としては、例えば、酢酸等の酸、KOH、NaOH等のアルカリ、Ni、Li、F、S、P等の元素を含有する化合物が挙げられる。更に、当該他の材料として、ニッケル金属水素化物電池用の負極に配合される負極用材料を選択しても良い。当該負極用材料としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコール等のバインダとして用いられるポリマー、カーボン等の導電助剤等が挙げられる。これらの各材料は単独で水に混合し又は溶解させても良いし、複数を水に混合し又は溶解させても良い。
粉砕工程における水素吸蔵合金の粉砕の程度は特に問わないが、ニッケル金属水素化物電池の出力を高めるためには、粒子径の小さな水素吸蔵合金粉末を製造するのが好ましい。本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によると、上述したように、水素吸蔵合金粉末の急激な酸化による発熱を抑制できるため、粒子径の小さな水素吸蔵合金粉末を製造する方法として好ましく使用できる。
粉砕工程で製造される水素吸蔵合金粉末の平均粒子径は、27μm以下であるのが好ましく、20μm以下であるのがより好ましく、15μm以下であるのがさらに好ましく、10μm以下であるのが特に好ましい。また、ニッケル金属水素化物電池を安定して高出力とするためには、水素吸蔵合金粉末の粒子径はなるべく均一であるのが好ましい。ニッケル金属水素化物電池の構造を安定的に維持するためには、水素吸蔵合金粉末の最大粒子径は小さい方が良く、セパレータの厚さ以下であるのが好ましい。具体的には、粉砕工程で製造される水素吸蔵合金粉末の最大粒子径は120μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましく、60μm以下であるのがより好ましく、25μm以下であるのが特に好ましい。また、水素吸蔵合金粉末の酸化を抑制するためには、粉砕工程で製造される水素吸蔵合金粉末の最小粒子径は大きい方が良い。具体的には、水素吸蔵合金粉末の最小粒子径は0.05μm以上であるのが好ましく、0.75μm以上であるのがより好ましく、0.1μm以上であるのが更に好ましく、0.2μm以上であるのが特に好ましい。変動変数(CV値)の好ましい範囲としては、70.0%以下、65%以下、63%以下、60%以下、58.0%以下、56.0%以下、55.0%以下、及び54.5%以下を挙げ得る。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、粉砕工程を具備すれば良く、当該粉砕工程前及び/又は粉砕工程後に、その他の工程を具備しても良い。例えば、粉砕工程前に水素吸蔵合金を製造する水素吸蔵合金製造工程を具備しても良い。或いは、粉砕工程後に脱水工程や乾燥工程を具備しても良い。本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法で製造された水素吸蔵合金粉末は、脱水及び乾燥しても、発熱し難い。
水素吸蔵合金製造工程は、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金を製造できれば良く、既知の方法で行うことができる。当該既知の方法としては、例えば、アーク炉、誘導炉、電子ビーム炉等を用いる真空溶解法に代表される方法にて、水素吸蔵合金の材料を溶解し合金化する方法を挙げることができる。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法においては、水素吸蔵合金製造工程で得られた水素吸蔵合金のインゴットを直接粉砕工程に供しても良いが、必要に応じて、粉砕工程前に粗粉砕工程を行っても良い。粗粉砕工程は、水素吸蔵合金を粉砕して、粉砕工程で目的とする粒子径よりも粒子径の大きな水素吸蔵合金粉末を製造する工程である。粗粉砕工程と粉砕工程との2段階で水素吸蔵合金を粉砕することで、粒子径の小さなかつ粒子径の均一な水素吸蔵合金粉末を効率良く製造できる。
粗粉砕工程は、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー、ローラーミル等の既知の粗粉砕装置を用いて行うことができる。以下、必要に応じて、粗粉砕工程で得られる粉末を粗粉末と呼び、粉砕工程で得られる粉末を細粉末と呼んで両者を区別する。
粗粉砕工程により得られる粗粉末の粒子径は、粉砕工程の作業効率を考慮して設定すれば良い。例えば、粗粉末の粒子径は細粉末の粒子径の1000倍以下であるのが好ましく、500倍以下であるのがより好ましく、100倍以下であるのが更に好ましい。細粉末の粒子径に対する粗粉末の粒子径の下限については特に問わないが、作業効率を考慮すると、粗粉末の粒子径は細粉末の粒子径の10倍以上であるのが好ましい。
粗粉砕工程は湿式で行っても良いし、乾式で行っても良い。湿式の粗粉砕工程とは、液体中で水素吸蔵合金の粉砕を行うことを指し、当該液体は水を含んでも良いし、水を含まなくても良い。粗粉砕工程で得られた粗粉末を粉砕工程に供することを考慮すると、湿式の粗粉砕工程で用いる液体は、水を含むのが好ましい。
乾式の粗粉砕工程とは、気体中で水素吸蔵合金の粉砕を行うことを指す。乾式の粗粉砕工程を行う場合、気体として不活性ガスを選択するのが好ましいが、粗粉末の粒子径によっては大気中で水素吸蔵合金の粉砕を行っても良い。水素吸蔵合金の粉末の粒子径が比較的大きければ、水素吸蔵合金の粉末の比表面積は比較的小さく、水素吸蔵合金の粉末を大気に曝しても急激な温度上昇が生じ難いためである。例えば、平均粒子径150μm以上と比較的粒子径の大きな粗粉末を得る粗粉砕工程であれば、当該粗粉砕工程を大気中で行うことができる。
ところで、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法において、上記した要素(1)及び要素(2)は、少なくとも粉砕工程後の或る時点において、水素吸蔵合金粉末が水系液体中にある点で一致する。本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法で得られた本発明の水素吸蔵合金粉末は、濾過や乾燥等して水系液体から分離しても良いが、水系液体中に入れたままで保存することも可能である。
水素吸蔵合金に粉砕工程を行うことで得られた水素吸蔵合金粉末は、多数の微細な水素吸蔵合金粒子で構成される。このような水素吸蔵合金粉末を水系液体中で保存する場合には、多数の微細な水素吸蔵合金粒子が水系液体中に分散した状態となる。
ところが、本発明の発明者が、水素吸蔵合金粉末を水系液体で保存する保存試験を種々の水素吸蔵合金粉末について実際に行ったところ、特定の水素吸蔵合金粉末について、長期の保存に伴って水素吸蔵合金粒子が凝集する現象がみられた。水素吸蔵合金粒子の凝集が進行すると、多数の水素吸蔵合金粒子が強固に一体化した、粗大な水素吸蔵合金凝集体が生じる。当該水素吸蔵合金凝集体は簡単には解砕されないために、水素吸蔵合金粉末として使用する為には、再度粉砕工程を行う必要があり、好ましくない。
本発明の発明者がこの現象について詳細に検証したところ、粉砕工程の対象となる水素吸蔵合金がLaの含有量の多いものである場合に、当該現象が生じることがわかった。そして、本発明の発明者は、Laの含有量の多い水素吸蔵合金について上記の現象が生じる理由を、以下のように推測した。
以下、必要に応じて、Laの含有量の多い水素吸蔵合金をLa系水素吸蔵合金と称する。また、当該La系水素吸蔵合金を本発明の粉砕工程に用いて得られた水素吸蔵合金粉末を、La系水素吸蔵合金粉末と称する。また、当該La系水素吸蔵合金粉末を構成する水素吸蔵合金粒子をLa系水素吸蔵合金粒子と称する。
La系水素吸蔵合金に粉砕工程を行うことで得られたLa系水素吸蔵合金粉末を、水系液体に入れたままで保存すると、La系水素吸蔵合金粒子の表面にあるLaが酸化して、水酸化Laが生じると考えられる。そしてこのとき、La系水素吸蔵合金粒子の表面には水酸化Laの層が形成されると考えられる。この状態で、La系水素吸蔵合金粉末を水系液体中に更におくと、La系水素吸蔵合金粒子が沈降し、上記の水酸化Laの層が成長するとともに隣り合うLa系水素吸蔵合金粒子の水酸化Laの層が一体化して、複数のLa系水素吸蔵合金が強固に一体化した水素吸蔵合金凝集体が生じると考えられる。
本発明の発明者は、この現象の発生を抑制すべく鋭意研究を重ねた。その結果、水素吸蔵合金粉末を保存する水系液体中に有機化合物系分散剤を添加することで、水素吸蔵合金粒子の強固な一体化を抑制しつつ、La系水素吸蔵合金粉末を水系液体中で保存し得ることに到達した。
これは、水系液体中のLa系水素吸蔵合金粒子が、有機化合物系分散剤に由来するコート層によってコートされた状態となることに起因すると考えられる。
具体的には、有機化合物系分散剤に由来するコート層がLa系水素吸蔵合金粒子を覆うことにより、La系水素吸蔵合金粒子の表面が水系液体から遮蔽される。このため、La系水素吸蔵合金粒子表面の酸化が抑制されて、水酸化Laの生成や水酸化Laの層の成長もまた抑制され、ひいては、当該水酸化Laの層に由来するLa系水素吸蔵合金粒子同士の凝集及び強固な一体化が抑制されると考えられる。コート層で覆われた水素吸蔵合金粒子は、比較的小径の粒子として分散した状態で、水系液体中に存在すると考えられる。
上記した有機化合物系分散剤による水素吸蔵合金粒子のコートは、上記した要素(1)の場合にも要素(2)の場合にも、水系液体に有機化合物系分散剤を配合することで行い得る。つまり、水系液体への有機化合物系分散剤の添加は、要素(1)及び要素(2)の双方において、La系水素吸蔵合金粒子の凝集抑制に有効である。勿論、Laを含まない水素吸蔵合金粉末の製造方法においても、水系液体に有機化合物系分散剤を配合できる。
有機化合物系分散剤は、一般的に分散剤として用いられるポリマー又は当該ポリマーを形成し得るモノマーであれば良い。有機化合物系分散剤は、水系液体中で用いる以上、水溶性又は親水性であるのが好ましい。有機化合物系分散剤としては、特に水溶性ポリマー又は水溶性モノマーが好ましい。
当該ポリマーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ジアセチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スチレン-マレイン酸共重合体、非架橋ポリアクリルアミド等が挙げられる。既述したように、これらポリマーを構成し得るモノマーもまた好ましく用いられる。又、その他の化合物としては、ラウリル硫酸ナトリウム、オクチルフェノールエトキシレート等を挙げることができる。
水溶性に優れる点や価格の点を考慮すると、有機化合物系分散剤としてポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンを用いるのが特に好ましい。
例えばポリビニルアルコールであれば、重合度1000~5000、ケン化度90%以上のものを好ましく用いることができ、重合度2000~3000、ケン化度95%以上のものをより好ましく用いることができる。
なお、必要に応じて、要素(1)つまり湿式の粉砕工程で得られた水素吸蔵合金粉末や、要素(2)つまり乾式の粉砕工程で得られ水系液体に入れられた水素吸蔵合金粉末を、一旦乾燥させ、改めて有機化合物系分散剤とともに水系液体中で保存しても良い。
有機化合物系分散剤は、La系水素吸蔵合金粉末100質量部に対し、0.005~30質量部となる量添加するのが好ましく、0.05~10質量部となる量添加するのがより好ましく、0.1~5質量部となる量添加するのが更に好ましく、0.2~1質量部となる量添加するのが特に好ましい。
また、有機化合物系分散剤は、水系液体中に0.001~5質量%含まれるのが好ましく、0.005~1質量%含まれるのがより好ましく、0.01~0.5質量%含まれるのがより好ましく、0.02~0.1質量%含まれるのが更に好ましい。
La系水素吸蔵合金は、Laを比較的多く含有するものを意味する。具体的には、Laの含有量が10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、又は25質量%以上の水素吸蔵合金をLa系水素吸蔵合金という。当該La系水素吸蔵合金を原料とするLa系水素吸蔵合金粉末を水系液体中で保存する際には、有機化合物系分散剤を水系液体に配合するのが良い。なお、当該Laの含有量は、誘導結合プラズマ分析(ICP)により測定できる。
更に、上記した粉砕工程後、水系液体中での保存の前に、La系水素吸蔵合金粒子の表面からLaを除去するアルカリ処理工程を行うことも有効である。なお、アルカリ処理工程は、La系水素吸蔵合金粒子に限らず、La含有量の少ない、又はLaを含有しない水素吸蔵合金粉末に行うこともできる。
アルカリ処理工程として、具体的には、下記のa)工程を挙げ得る。好ましくは、当該a)工程後に下記のb)工程を行うのが良い。
a)水素吸蔵合金粉末を、アルカリ金属の水酸化物を溶解した第1アルカリ水溶液で処理する工程。
b)a)工程後、第1アルカリ水溶液から水素吸蔵合金粉末を分離し、アルカリ金属の水酸化物を溶解した第2アルカリ水溶液で処理する工程。
まず、a)工程について説明する。
既述したように、本発明において粉砕の対象となる希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金は、希土類元素、Mg及びNiを含むものであり、A型の水素吸蔵合金、A19型の水素吸蔵合金及びAB型の水素吸蔵合金を包含する。
a)工程にて、この種の水素吸蔵合金の粉末をアルカリ金属の水酸化物を溶解した第1アルカリ水溶液で処理すると、アルカリ水溶液に対して溶解性の高い希土類元素が水素吸蔵合金の表面から溶出することになる。つまり、当該a)工程で、水素吸蔵合金粒子の表面に存在するLaが除去される。水素吸蔵合金粒子の表面からLa自体を除去することで、水酸化Laの生成、当該水酸化Laに起因する水素吸蔵合金粒子の凝集、及び、水素吸蔵合金凝集体の生成を抑制し得る。
ここで、希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金に含まれるNiはアルカリ水溶液に対して溶解性が低いため、結果的に、水素吸蔵合金の表面のNi濃度は、水素吸蔵合金の内部と比較して高くなる。以下、水素吸蔵合金において、Ni濃度が内部と比較して高い部分を、Ni濃縮層という。Ni濃縮層の存在に因り、負極活物質の性能が向上すると考えられる。
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを例示でき、中でも、水酸化ナトリウムが好ましい。第1アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いることで、第1アルカリ水溶液として水酸化リチウムや水酸化カリウムを用いる場合と比較して、本発明のニッケル金属水素化物電池の電池特性が好適化する場合がある。
第1アルカリ水溶液としては強塩基のものが好ましい。第1アルカリ水溶液におけるアルカリ金属の水酸化物の濃度として、10~60質量%、20~55質量%、30~50質量%、40~50質量%を例示できる。
a)工程は、粉砕工程後の水素吸蔵合金粉末を第1アルカリ水溶液に浸ける方法で行うのが好ましい。その際には、撹拌条件下で行うのが好ましく、また、加熱条件下で行うのが好ましい。加熱温度の範囲としては、50~150℃、70~140℃、90~130℃を例示できる。加熱時間は、第1アルカリ水溶液の濃度や加熱温度に応じて適宜決定すればよいが、0.1~10時間、0.2~5時間、0.5~3時間を例示できる。
水素吸蔵合金粉末と第1アルカリ水溶液の量の関係は、質量比で1:0.5~1:10が好ましく、1:0.7~1:5がより好ましく、1:0.9~1:3がさらに好ましい。第1アルカリ水溶液の量が過少であれば、水素吸蔵合金粒子の表面にNi濃縮層が十分に形成されない場合があり、他方、第1アルカリ水溶液の量が過多であれば、コスト面で不利になる。
次に、b)工程について説明する。b)工程においては、a)工程後、第1アルカリ水溶液から水素吸蔵合金粉末を分離し、アルカリ金属の水酸化物を溶解した第2アルカリ水溶液で処理する。
a)工程が終了した時点における第1アルカリ水溶液には、水素吸蔵合金粉末から溶出した、La等の希土類元素が存在する。そして、当該希土類元素は、第1アルカリ水溶液と水素吸蔵合金粉末の分離時に、水素吸蔵合金粒子の表面に、希土類元素の水酸化物として付着し得る。
b)工程は、第1アルカリ水溶液から分離した水素吸蔵合金粒子の表面に付着した、希土類元素の水酸化物、例えば水酸化Laを、第2アルカリ水溶液で除去する工程であるといえる。希土類元素の水酸化物は中性条件下においては析出するものの、塩基性水溶液には溶解しやすいという性質を示す。b)工程は、この性質を利用したものである。
第1アルカリ水溶液から水素吸蔵合金粉末を分離する方法としては、濾過や遠心分離が好ましく、特に吸引濾過が好ましい。水素吸蔵合金粉末を第2アルカリ水溶液で処理する方法としては、水素吸蔵合金粉末を第2アルカリ水溶液に浸ける方法、第2アルカリ水溶液を水素吸蔵合金粉末に浴びせる又は注ぐ方法を例示できる。上述した濾過に引き続き又は濾過を行いつつ、第2アルカリ水溶液を水素吸蔵合金粉末に浴びせる又は注ぐ方法を選択するのが合理的である。
第2アルカリ水溶液に溶解したアルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを例示でき、中でも、水酸化ナトリウムが好ましい。
また、第1アルカリ水溶液のアルカリ金属の水酸化物の濃度Cと、第2アルカリ水溶液のアルカリ金属の水酸化物の濃度Cの関係が、C>Cを満足する条件でb)工程を行うのが好ましい。濃度が低いアルカリ水溶液は粘度が低いため、C>Cを満足する条件においては、b)工程の作業が円滑に進行する。第2アルカリ水溶液におけるアルカリ金属の水酸化物の濃度として、0.01~10質量%、0.03~5質量%、0.05~1質量%、0.1~0.5質量%を例示できる。
製造コストなどの観点から、b)工程はa)工程よりも低温条件下で行うのが好ましい。b)工程の温度範囲としては、0~100℃、10~70℃、20~50℃を例示できる。b)工程の温度は、水素吸蔵合金の温度で規定してもよいし、第2アルカリ水溶液の温度で規定してもよい。
水素吸蔵合金と第2アルカリ水溶液の量の関係は、質量比で1:0.5~1:50が好ましく、1:1~1:30がより好ましく、1:1.5~1:10がさらに好ましい。第2アルカリ水溶液の量が過少であれば、希土類元素の水酸化物の除去が不十分となる場合があり、他方、第2アルカリ水溶液の量が過多であれば、コスト面で不利になる。
b)工程においては、第2アルカリ水溶液での処理に引き続き、水素吸蔵合金粉末に対する水での洗浄を行ってもよい。水での洗浄を行うことで水素吸蔵合金粒子の表面に付着する第2アルカリ水溶液を除去できる。水での洗浄時における水素吸蔵合金粉末と水の量の関係は、質量比で1:1~1:50が好ましく、1:2~1:30がより好ましく、1:3~1:10がさらに好ましい。
さらに、c)b)工程後の水素吸蔵合金粒子の表面を酸化する工程(以下、単に「c)工程」という。)を実施してもよい。敢えてc)工程を実施することで、それ以降の工程における水素吸蔵合金粒子の急激な表面酸化による発熱を防止することができる。
c)工程としては、水素吸蔵合金を過酸化水素などの酸化物と接触させて酸化させる方法を用いても良いし、場合によっては、空気中に水素吸蔵合金を曝して、空気中の酸素で酸化させる方法を用いても良い。ただし、いずれの方法においても、水素吸蔵合金の過剰な発熱を抑制するために、水素吸蔵合金を冷却しながら実施するのが好ましい。具体的には、水素吸蔵合金に水を浴びせて水素吸蔵合金を冷却しながら実施するか、水中に水素吸蔵合金を配置した上で、又は、過酸化水素などの酸化物の水溶液中に水素吸蔵合金を配置した上で実施するのが好ましい。上述したb)工程における第2アルカリ水溶液での処理後に実施され得る水素吸蔵合金に対する水での洗浄を、大気下で実施することで、c)工程としてもよい。
なお、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法において、粉砕工程中又は粉砕工程後に、水素吸蔵合金粉末は水系液体に入れられる。このとき、水素吸蔵合金粉末は水系液体中で穏やかに酸化される。アルカリ処理工程は粉砕工程後に行われるため、c)工程による水素吸蔵合金粉末表面の酸化は、水系液体中での水素吸蔵合金粉末の穏やかな酸化の後に行われる。このため、c)工程を行う場合にも、水素吸蔵合金粉末の急激な酸化及び発熱は抑制される。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法で製造される水素吸蔵合金粉末は、既述したようにニッケル金属水素化物電池用の負極活物質として使用できる。したがって、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法は、ニッケル金属水素化物電池用負極の製造方法の一工程として行うことができる。以下、必要に応じて、本発明のニッケル金属水素化物電池用負極の製造方法を、必要に応じて、単に本発明の負極の製造方法と呼ぶ。
本発明の負極の製造方法は、本発明の水素吸蔵合金粉末に各種の処理を行う処理工程を具備し得る。当該処理工程としては、上記したアルカリ処理工程以外にも、公知のニッケルめっき工程、各種のコート工程等を挙げることができる。
本発明の負極の製造方法では、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によって製造された水素吸蔵合金粉末を如何なる状態で用いても良い。つまり、水と水素吸蔵合金粉末との混合物の状態で用いても良いし、或いは、当該混合物を濾過及び/又は乾燥した水素吸蔵合金粉末を用いても良い。何れの場合にも、水素吸蔵合金粉末を製造する際の酸化工程が不要であるために製造コストを低減でき、かつ、水素吸蔵合金粉末の急激な酸化による発熱を抑制できる点では同じである。
なお、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によって製造された水素吸蔵合金粉末を、水と水素吸蔵合金粉末との混合物の状態で本発明の負極の製造方法に用いる場合、及び、濾過等を経たとしても水の残存する状態で本発明の負極の製造方法に用いる場合には、特に、以下のような利点がある。
一般的な負極の製造方法は、負極活物質粉末、溶剤、及び、必要に応じてその他の負極構成補助材を混合して、負極合材スラリーを調製するスラリー調製工程を有する。そして、スラリー調製工程で調製された負極合材スラリーは、ニッケル金属水素化物電池の負極における負極活物質層の材料となる。
本発明の負極の製造方法は、スラリー調製工程前に、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法により水素吸蔵合金粉末を製造する工程を有する。当該工程で得られる粉砕生成物には、負極活物質粉末としての水素吸蔵合金粉末と、水と、が含まれる。水は負極合材スラリーにおける溶剤として機能し得る。したがって、本発明の負極の製造方法では、負極活物質粉末と溶剤との混合物である粉砕生成物を直接スラリーに持ち込んで負極を製造することで、スラリー調製工程前に水素吸蔵合金粉末を濾過及び乾燥する工程等が不要になるか、或いは当該濾過及び乾燥する工程を大幅に短縮できる利点がある。つまりこの場合の本発明の負極の製造方法は、コスト面で非常に有利である。また、粉砕生成物、つまり、水と水素吸蔵合金粉末との混合物を、そのままスラリー調製工程に持ち込むことで、水素吸蔵合金粉末の急激な酸化による発熱を回避しつつ、容易に負極を製造できる利点もある。
上記した粉砕生成物に必要に応じて溶剤や添加剤を加えて、得られた水素吸蔵合金粉末スラリーに、直接めっき等の表面処理を施して、ニッケル金属水素化物電池用負極材料を製造しても良い。この場合にも、当該表面処理前の乾燥工程等は不要であるためコスト面で有利であり、又、粉砕生成物をそのまま表面処理工程に持ち込むことで、水素吸蔵合金粉末の急激な酸化による発熱を回避しつつ、容易に負極材料を製造できる利点がある。
以上、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
(実施例1)
(粉砕生成物製造工程)
希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金として、(Nd0.88La0.01Zr0.01Mg0.101.0(Ni0.95Al0.053.5で表されるA型水素吸蔵合金を用いた。
<粗粉砕工程>
熱処理した水素吸蔵合金のインゴットを、窒素雰囲気中で機械的に粉砕して、水素吸蔵合金の粗粉末を得た。この粗粉末の平均粒子径は100~1000μmであった。
<細粉砕工程>
水系液体として、ポリビニルアルコールを含む蒸留水を準備した。当該水系液体を入れた混合機に、固形分濃度が10質量%となるように、上記の粗粉砕工程で得られた水素吸蔵合金の粗粉末を入れて5分間混合した。この混合物を大気中でビーズミルに移し、当該ビーズミル中で10分間混合して水と水素吸蔵合金の細粉末とを含む粉砕生成物を得た。ビーズとしてはジルコニア製のものを用いた。ビーズミルから排出された水素吸蔵合金及び水は、循環用配管を経由して混合機に輸送され、再度ビーズミルに戻された。つまり、水素吸蔵合金及び水はビーズミルと混合機との間を循環し、水素吸蔵合金は繰り返しビーズミルにより粉砕された。以上の工程により得られた粉砕生成物は、水と、実施例1の水素吸蔵合金粉末と、を含む。実施例1の水素吸蔵合金粉末の平均粒子径は8μmであった。この粉砕生成物を濾別して、実施例1の水素吸蔵合金粉末と少量の水とを含む実施例1の粉砕濾過生成物を得た。当該実施例1の粉砕濾過生成物を以下のスラリー調製工程に供した。
(スラリー調製工程)
実施例1の粉砕濾過生成物、結着剤としてアクリル系樹脂エマルション(ジョンクリルPDX7341、BASF社製)、及び結着剤としてカルボキシメチルセルロース、及び水を含有する負極合材スラリーを製造した。実施例1の粉砕濾過生成物に含まれる実施例1の水素吸蔵合金粉末は、この負極合材スラリーにおける負極活物質である。
具体的には、実施例1の粉砕濾過生成物を固形分(つまり水素吸蔵合金粉末)として96.9質量部、導電助剤としてカーボンブラックを0.4質量部、アクリル系樹脂エマルションを固形分として2質量部、及びカルボキシメチルセルロース0.7質量部を混合し、この混合物を適量のイオン交換水に分散させて、負極合材スラリーを製造した。
(負極形成工程)
負極用集電体として厚み10μmのニッケル箔を準備した。このニッケル箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記負極合材スラリーを膜状に塗布した。負極合材スラリーが塗布されたニッケル箔を乾燥して水を除去し、その後、ニッケル箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を乾燥機で70℃、1時間加熱乾燥して、負極活物質層が形成されたニッケル箔を得た。これをニッケル金属水素化物電池用の負極とした。
(ニッケル金属水素化物電池製造工程)
正極活物質として水酸化ニッケル粉末、結着剤としてアクリル系樹脂エマルション(ジョンクリルPDX7341、BASF(株)製)、結着剤としてカルボキシメチルセルロース、導電助剤としてコバルト粉末、及び、添加剤として酸化イットリウムを含む正極合材スラリーを製造した。
具体的には、水酸化ニッケル粉末88.8質量部、アクリル系樹脂エマルションを固形分として5質量部、カルボキシメチルセルロース0.7質量部、コバルト粉末5質量部、及び酸化イットリウム0.5質量部を混合した。この混合物を適量のイオン交換水に分散させて、正極合材スラリーとした。
正極用集電体として厚み10μmのニッケル箔を準備した。このニッケル箔の表面に、ドクターブレードを用いて、上記正極合材スラリーを膜状に塗布した。正極合材スラリーが塗布されたニッケル箔を乾燥して水を除去し、その後、ニッケル箔をプレスし、接合物を得た。得られた接合物を乾燥機で70℃、1時間加熱乾燥して、正極活物質層が形成されたニッケル箔を得た。これをニッケル金属水素化物電池用の正極とした。
セパレータとして、厚さ120μmのスルホン化処理が施されたポリプロピレン繊維製不織布を準備した。上記の正極と負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を樹脂製の筐体に入れ、電解液として7mol/Lの水酸化カリウム水溶液を注入し、密閉することで、実施例1のニッケル金属水素化物電池を製造した。
(実施例2)
実施例1の粉砕工程後にめっき処理を行う処理工程を具備すること以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2のニッケル金属水素化物電池を製造した。具体的には、処理工程においては、NiCo無電解めっき処理を行った。詳細を以下に示す。
<めっき溶液調製工程>
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、ジカルボン酸及び水を用いてめっき溶液を調製した。
先ず、NiSO・6HOを1.5g、CoSO・7HOを1.5g、ジカルボン酸を1.5gずつ計り取り、75gの蒸留水を加えた。これを90℃に加熱して溶液とし、更にこの溶液を80℃に保ちつつpH5となるようにNaOHを添加して、めっき溶液を得た。
<めっき工程>
還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを1.0g計り取り、100mlになるまで蒸留水を加えて、還元剤溶液を得た。
容積1Lのガラス製反応槽に、実施例1の粉砕濾過生成物を固形分として60g添加し、0.03gのポリビニルピロリドンを添加し、反応槽内の液量が400mlになるように蒸留水を加えて、スラリー状の水素吸蔵合金粒子分散液とした。
パドル型撹拌羽根を用いて反応槽内の水素吸蔵合金粒子分散液を撹拌した。この反応槽に先ずめっき溶液を滴下し、次いで還元剤溶液を滴下した。このめっき混合液を一時間程度攪拌した。この工程により、水素吸蔵合金の表面にめっき層が形成された負極材料を得た。
その後速やかに、負極材料を濾別し、濾別した固形分、つまり負極材料を純水で洗浄した。洗浄後の負極材料を真空乾燥し、乾燥後の負極材料を、乳鉢を用いて大気中で解砕し、100メッシュの篩で分級し、分級後の粉末を実施例2の水素吸蔵合金粉末とした。なお、実施例2の水素吸蔵合金粉末は、NiCoめっき層を有する。
(比較例1)
(粉砕生成物製造工程)
実施例1で用いたものと同じ水素吸蔵合金のインゴットを、窒素雰囲気中で機械的に粉砕し、平均粒子径が16μmの比較例1の水素吸蔵合金粉末を得た。比較例1の水素吸蔵合金粉末を大気に曝し、徐々に発熱させた。発熱が完了し、常温となった比較例1の水素吸蔵合金粉末を負極活物質として用い、実施例1と同様の方法で、比較例1のニッケル金属水素化物電池を製造した。
(比較例2)
実施例1で用いたものと同じ水素吸蔵合金のインゴットを、窒素雰囲気中で機械的に粉砕し、平均粒子径が28μmの比較例2の水素吸蔵合金粉末を得た。比較例2の水素吸蔵合金粉末を比較例1と同様に発熱させた。発熱後の比較例2の水素吸蔵合金粉末を負極活物質として用い、実施例1と同様の方法で、比較例2のニッケル金属水素化物電池を製造した。
(評価1)
実施例1、比較例1及び比較例2の水素吸蔵合金粉末を、製造直後に大気暴露した。比較例1及び比較例2の水素吸蔵合金粉末については、水素吸蔵合金粉末を直接大気に晒し、実施例1の水素吸蔵合金粉末については、実施例1の粉砕生成物を大気中で濾別し、固形分つまり実施例1の水素吸蔵合金粉末を大気に晒した。
その結果、比較例1及び比較例2の水素吸蔵合金粉末は発熱したが、実施例1の水素吸蔵合金粉末は発熱しなかった。
この結果から、水と水素吸蔵合金粉末とを共存させる本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によると、水素吸蔵合金粉末の発熱を抑制し得ることがわかる。また、実施例1の水素吸蔵合金粉末は製造直後であるにも拘わらず発熱しなかったため、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によると、長時間を要する酸化工程を行わなくても発熱し難い水素吸蔵合金粉末を製造できることがわかる。
(評価2)
レーザー回折式粒度分布測定装置により、実施例1、比較例1及び比較例2の水素吸蔵合金粉末の平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径及びCV値を測定した。CV値は変動係数を指し、相対的なばらつきを表す。実施例1、比較例1及び比較例2の水素吸蔵合金粉末の各測定値を表1に示す。
Figure 0007013782000001
表1に示すように、実施例1の水素吸蔵合金粉末は、平均粒子径が15μm以下、最小粒子径が0.1μm以上、かつ、最大粒子径が100μm以下、という3つの条件を全て満たすが、比較例1及び比較例2の水素吸蔵合金粉末は当該3つの条件の何れかを欠いた。
(評価3)
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2のニッケル金属水素化物電池につき、以下の試験を行った。
各ニッケル金属水素化物電池につき、電圧1.39VとなるSOC60%の状態に調整し、0℃で電圧0.8Vまで一定出力にて放電させ、このときの放電時間を測定した。得られた結果から、各ニッケル金属水素化物電池につき、1.39Vから0.8Vまでの放電時間が10秒間となる一定出力(W)を算出した。更に、各温度における比較例2のニッケル金属水素化物電池における当該一定出力値をそれぞれ100%とし、該当温度における実施例1及び実施例2及び比較例1の当該一定出力値の百分率を算出した。以上の結果を表2に示す。
Figure 0007013782000002
表2に示すように、実施例1及び実施例2のニッケル金属水素化物電池は比較例1及び比較例2のニッケル金属水素化物電池に比べて出力が大きかった。この結果から、実施例1及び実施例2の水素吸蔵合金粉末がニッケル金属水素化物電池の負極活物質として優れていることがわかる。これは、主として粒子径に起因するものと考えられる。つまり、実施例1及び実施例2の水素吸蔵合金粉末は比較例1及び比較例2の水素吸蔵合金粉末に比べて平均粒子径が小さいために、実施例1及び実施例2のニッケル金属水素化物電池は比較例1及び比較例2のニッケル金属水素化物電池に比べて、負極における電池反応が進行し易いため、反応抵抗が低減しかつ出力が増大したものと考えられる。
また、実施例1、比較例1及び比較例2のニッケル金属水素化物電池の複素インピーダンス平面プロットに観察された円弧の大きさを基に、各ニッケル金属水素化物電池の純抵抗、反応抵抗、及び拡散抵抗を解析したところ、反応抵抗は実施例1では0.35Ω、比較例1では0.50Ω、比較例2では0.59Ωであった。この結果は、粒子径の小さな実施例1の水素吸蔵合金粉末は、ニッケル金属水素化物電池用の負極活物質として非常に有用であることを裏付ける。
なお、比較例1のニッケル金属水素化物電池については上記の評価1で発熱したものの、比較例2のニッケル金属水素化物電池よりも優れた出力を示した。このため、比較例1の水素吸蔵合金粉末については、製造時に発熱するものの、その粒子径等においてはニッケル金属水素化物電池用の負極活物質として好ましい性状であるとみなし得る。
(評価4)
走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて、実施例1の負極の断面を観察した。実施例1の負極の断面のSEM像を図1に示す。
(評価5)
X線光電子分光法を用いて、以下の条件で、実施例1、実施例2及び比較例2の水素吸蔵合金粉末を分析した。
装置:アルバックファイ社 PHI5000 VersaProbeII
X線源:単色AlKα線、電圧15kV、電流10mA
実施例1、実施例2及び比較例2の水素吸蔵合金粉末の分析結果を基に算出した、NdとLaの合計値に対するNiの元素比率Ni/(Nd+La)は、実施例1の水素吸蔵合金粉末では4.5、実施例2の水素吸蔵合金粉末では7.7、比較例2の水素吸蔵合金粉末では2.1であった。
この結果から、本発明の方法で粉砕された水素吸蔵合金粉末は、従来の方法で粉砕された水素吸蔵合金粉末とは表面の組成が異なり、新規な負極材料となり得ると考えられる。上記した元素比率Ni/(Nd+La)としては、本発明の方法で粉砕された実施例1及び2の水素吸蔵合金粉末においては2.2以上、2.5以上、3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.2以上という範囲を挙げることができる。上限は特にないが、一例として、めっきの無い場合には10を挙げることができる。
(実施例3)
(粉砕生成物製造工程)
希土類-Mg-Ni系の水素吸蔵合金として、La含有量が26.0質量%、Ni含有量が63.7質量%であるA型水素吸蔵合金を用いた。この水素吸蔵合金は、La、Sm、Mg、Ni及びAlを含有する。これらの元素の含有量比は、モル比で、(La+Sm+Mg):(Ni+Al)=1:3.7である。
<粗粉砕工程>
熱処理した水素吸蔵合金のインゴットを、窒素雰囲気中で機械的に粉砕して、水素吸蔵合金の粗粉末を得た。この粗粉末の平均粒子径は500~1000μmであった。
<細粉砕工程>
ポリビニルアルコールを蒸留水に溶解させて水系液体とした。この水系液体と上記の粗粉砕工程で得られた水素吸蔵合金の粗粉末とを混合機に入れた。混合機中の水系液体と水素吸蔵合金の粗粉末との混合物は、水素吸蔵合金の粗粉末を固形分濃度で10質量%と、当該水素吸蔵合金の粗粉末100質量%に対して0.5質量%となるポリビニルアルコールと、を含む。細粉砕工程で用いたポリビニルアルコールは、重合度2300、ケン化度97%であった。
この混合物を大気中でビーズミルに移し、実施例1と同様に粉砕生成物を得た。以上の細粉砕工程により得られた粉砕生成物は、水と、水素吸蔵合金粉末と、を含む。当該水素吸蔵合金粉末の平均粒子径は8μmであった。この粉砕生成物を濾別して、水素吸蔵合金粉末と少量の水とを含む実施例3の粉砕濾過生成物を得た。当該粉砕濾過生成物を以下のアルカリ処理工程に供した。
<アルカリ処理工程>
〔a)工程〕
第1アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムを48質量%で含有する水酸化ナトリウム水溶液を準備した。大気中で攪拌しつつ、第1アルカリ水溶液50質量部に上記細粉砕工程後の粉砕濾過生成物を固形分で50質量部となる量加えて懸濁液とした。この懸濁液を110℃に加熱して1時間保持し、その後室温にまで冷却した。
〔b)工程〕
第2アルカリ水溶液として、水酸化ナトリウムを0.4質量%で含有する水酸化ナトリウム水溶液を準備した。a)工程終了後の懸濁液を吸引濾過して、第1アルカリ水溶液から固形分すなわち水素吸蔵合金粉末を分離した。吸引濾過を継続した状態で、水素吸蔵合金粉末の上から第2アルカリ水溶液50質量部を注ぎ、水素吸蔵合金粉末を洗浄した。
〔c)工程〕
b)工程の吸引濾過を維持した状態で、水素吸蔵合金粉末の上から水300質量部を注ぎ、水素吸蔵合金粉末を水洗した。
〔d)工程〕
大気中にて、c)工程で得た濾過物全量に、5質量%の過酸化水素水50質量部を加えて20分間攪拌した。その後に吸引濾過を行い、水素吸蔵合金粉末の上から、水300質量部を注ぎ、水素吸蔵合金粉末を水洗した。d)工程で得た濾過物を、実施例3の水素吸蔵合金粉末とした。
(スラリー調製工程)
実施例3の水素吸蔵合金粉末を97.8質量部、結着剤としてアクリル系樹脂エマルションを固形分として1.5質量部、結着剤としてカルボキシメチルセルロース0.7質量部、及び適量のイオン交換水を混合して、負極合材スラリーを製造した。
(負極形成工程)
負極用集電体として厚み20μmのニッケル箔を準備した。このニッケル箔の表面に、上記負極合材スラリーを膜状に塗布し、負極合材スラリーが塗布されたニッケル箔を乾燥して水を除去し、その後、ニッケル箔をプレスして、集電体上に負極活物質層が形成された実施例3のニッケル金属水素化物電池用負極を得た。
(ニッケル金属水素化物電池製造工程)
正極活物質として水酸化ニッケル粉末を88.8質量部、導電助剤としてコバルト粉末を5質量部、結着剤としてアクリル系樹脂エマルションを固形分として5質量部、結着剤としてカルボキシメチルセルロースを0.7質量部、正極添加剤として酸化イットリウム0.5質量部、及び適量のイオン交換水を混合して、正極合材スラリーを製造した。
正極用集電体として厚み20μmのニッケル箔を準備した。このニッケル箔の表面に、上記正極合材スラリーを膜状に塗布した。正極合材スラリーが塗布されたニッケル箔を乾燥して水を除去し、その後、ニッケル箔をプレスし、集電体上に正極活物質層が形成された正極を得た。
セパレータとして、厚さ120μmのスルホン化処理が施されたポリプロピレン繊維製不織布を準備した。上記の正極と負極とでセパレータを挟持し、極板群とした。この極板群を樹脂製の筐体に入れ、電解液として水酸化カリウムの濃度が5.5mol/L、水酸化ナトリウムの濃度が0.5mol/L、かつ水酸化リチウムの濃度が0.5mol/Lの水溶液にLiClを溶解させて、LiClを0.05mol/Lで含有する水溶液を注入し、密閉することで、実施例3のニッケル金属水素化物電池を製造した。
(実施例4)
細粉砕工程でポリビニルアルコールを含まない水系液体を用いたこと以外は、実施例3と同様に、実施例4の粉砕濾過生成物、水素吸蔵合金粉末、ニッケル金属水素化物電池用負極及びニッケル金属水素化物電池を製造した。
(実施例5)
実施例3で用いたものと同じ水素吸蔵合金のインゴットを、窒素雰囲気中でハンマーミルを用いて機械的に粉砕し、平均粒子径が24μmの水素吸蔵合金粉末を得た。当該水素吸蔵合金粉末に実施例3と同様のアルカリ処理〔a)~d)工程〕を行って、実施例5の水素吸蔵合金粉末とした。実施例5の水素吸蔵合金粉末を用い、実施例3と同様に、実施例5のニッケル金属水素化物電池用負極及びニッケル金属水素化物電池を製造した。
(実施例6)
実施例1で用いたものと同じ水素吸蔵合金のインゴットを用い、実施例4と同様の方法で、実施例6の粉砕濾過生成物、水素吸蔵合金粉末、ニッケル金属水素化物電池用負極及びニッケル金属水素化物電池を製造した。
(評価6 凝集評価)
実施例3、実施例4及び実施例6の粉砕濾過生成物、つまり、アルカリ処理工程前の実施例3、実施例4及び実施例6の水素吸蔵合金粉末を、ポリプロピレン製の容器に入れ、25℃で静置した。実施例4の水素吸蔵合金粉末については1週間が経過した時点で水素吸蔵合金粒子の凝集が生じた。これに対し、実施例3の水素吸蔵合金粉末では、2週間が経過した時点でも水素吸蔵合金粒子の凝集は生じなかった。実施例6の水素吸蔵合金粉末についてもまた、2週間が経過した時点でも水素吸蔵合金粒子の凝集は生じなかった。
凝集した実施例4の水素吸蔵合金粒子の表面には白色の微粒子が多く存在していた。X線光電子分光法(XPS)により組成分析を行ったところ、この微粒子は主としてLaの水酸化物と酸化物で構成されていることがわかった。
評価6に用いた実施例3の粉砕濾過生成物及び実施例4の粉砕濾過生成物は、それぞれ、細破砕工程で用いた水系液体を含有する。実施例3の粉砕濾過生成物に含有される水系液体は、有機化合物系分散剤であるポリビニルアルコールを含むのに対し、実施例4の粉砕濾過生成物に含有される水系液体は、有機化合物系分散剤を含まない。
このため評価6においては、実質的に、実施例4の水素吸蔵合金粉末が有機化合物系分散剤を含まない水系液体中で保存されたのに対し、実施例3の水素吸蔵合金粉末は有機化合物系分散剤が添加された水系液体中で保存されたといえる。そしてその結果、実施例4の水素吸蔵合金粉末においては保存開始後1週間で凝集が生じたのに対し、実施例3の水素吸蔵合金粉末では保存開始後2週間が経過しても凝集が生じなかったといえる。
以上の結果から、水素吸蔵合金粉末を保存する水系液体中に有機化合物系分散剤を添加することで、水素吸蔵合金粒子の凝集を抑制できることがわかる。
また、実施例4の粉砕濾過生成物と実施例6の粉砕濾過生成物とは、水素吸蔵合金粉末の原料となる水素吸蔵合金の組成以外は同じ方法で製造されたものである。具体的には、実施例6の粉砕濾過生成物の原料が0.43質量%のLaを含むのに対し、実施例4の粉砕濾過生成物の原料が26.0質量%のLaを含むため、実施例6の粉砕濾過生成物は実施例4の粉砕濾過生成物に比べてLa含有量が少ないといえる。なお、このLaの値はICPの測定結果に基づく。
評価6において、La含有量の少ない実施例6の水素吸蔵合金粉末は水系液体中で保存しても凝集しなかったところ、La含有量の多い実施例4の水素吸蔵合金粉末は水系液体中で保存すると凝集した。この結果は、La含有量の少ない水素吸蔵合金を原料とする水素吸蔵合金粉末であれば、有機化合物系分散剤を添加しなくても、水系液体中で凝集を抑制しつつ保存できることを裏付ける。また、La含有量の多い水素吸蔵合金、つまり、La系水素吸蔵合金を原料とする水素吸蔵合金粉末は、そのままでは水系液体中での保存に適さないことを裏付ける。更に、La系水素吸蔵合金を原料とする水素吸蔵合金粉末は、そのままでは水系液体中での保存に適さないが、有機化合物系分散剤を添加すれば、水系液体中で凝集を抑制しつつ保存できるといえる。更には、Laの含有量が0.42質量%である水素吸蔵合金を原料として用いる場合には、有機化合物系分散剤の非存在下においても、水系液体中での凝集が抑制され水系液体中での保存に適する水素吸蔵合金粉末が得られるといえる。
なお、有機化合物系分散剤の非存在下における水系液体中での凝集の抑制を考慮すると、水素吸蔵合金粒子の原料である水素吸蔵合金は、La含有量が5質量%以下であるのが好ましく、2質量%以下であるのがより好ましく、1質量%以下であるのが更に好ましく、0.5質量%以下であるのが特に好ましいといえる。
(評価7 25℃放電抵抗値)
実施例3、実施例4及び実施例5のニッケル金属水素化物電池をSOC60%に調整し、25℃の温度下、1Cレートで5秒間放電させた。放電前後の電圧変化量及び放電時の電流値から、オームの法則に基づいて各ニッケル金属水素化物電池の放電抵抗値を算出した。当該放電抵抗値を25℃放電抵抗値と称する。評価7の結果を、後述する評価8~9の結果とともに表3に示す。なお、表3には実施例3、実施例4及び実施例5の水素吸蔵合金粉末の平均粒子径、並びに、実施例3及び実施例4の水素吸蔵合金粉末の最大粒子径、最小粒子径及びCVを併記した。
Figure 0007013782000003
表3に示すように、25℃放電抵抗値はアルカリ処理工程前の水素吸蔵合金粒子の平均粒子径に関係する。具体的には、アルカリ処理工程前の水素吸蔵合金粒子の平均粒子径が小さい実施例3及び実施例4のニッケル金属水素化物電池は、アルカリ処理工程前の水素吸蔵合金粒子の平均粒子径が大きい実施例5のニッケル金属水素化物電池に比べて、25℃放電抵抗値が小さかった。
(評価8 0℃放電抵抗値)
実施例3及び実施例4のニッケル金属水素化物電池をSOC60%に調整し、0℃の温度下、1Cレートで5秒間放電させた。放電前後の電圧変化量及び放電時の電流値から、オームの法則に基づいて各ニッケル金属水素化物電池の放電抵抗値を算出した。当該放電抵抗値を0℃放電抵抗と称する。評価8の結果を表3に示す。
表3に示すように、0℃放電抵抗値は水素吸蔵合金粒子のコート層の有無に関係する。
実施例3のニッケル金属水素化物電池に用いた実施例3の水素吸蔵合金粉末は、有機化合物系分散剤を含む水系液体中で細粉砕工程を行うことで得られ、有機化合物系分散剤に由来するコート層を有する。一方、実施例4のニッケル金属水素化物電池に用いた実施例4の水素吸蔵合金粉末は、有機化合物系分散剤を含まない水系液体中で細粉砕工程を行うことで得られ、上記のコート層を有さない。コート層を有する水素吸蔵合金粒子を用いた実施例3のニッケル金属水素化物電池は、コート層を有さない水素吸蔵合金粒子を用いた実施例4のニッケル金属水素化物電池に比べて、0℃放電抵抗値が小さく、優れた出力特性を示し得ると考えられる。
(評価9 0℃出力率)
実施例3及び実施例4のニッケル金属水素化物電池につき、電圧1.39VとなるSOC60%の状態に調整し、0℃で電圧0.8Vまで一定出力にて放電させ、このときの放電時間を測定した。得られた結果から、各ニッケル金属水素化物電池につき、1.39Vから0.8Vまでの放電時間が10秒間となる一定出力(W)を算出した。更に、実施例4のニッケル金属水素化物電池における当該一定出力値を100%とし、実施例3のニッケル金属水素化物電池における当該一定出力値の百分率を算出した。当該一定出力値の百分率を0℃出力率と称する。結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例3のニッケル金属水素化物電池の0℃出力率は121%と大きい値であり、有機化合物系分散剤の存在下で湿式の粉砕工程を行うことの優位性が裏付けられた。この結果から、有機化合物系分散剤は、水系液体中での保存時における水素吸蔵合金粒子の凝集を抑制し得るだけでなく、ニッケル金属水素化物電池の出力特性の向上に効果があるということがわかる。有機化合物系分散剤の存在下で湿式の粉砕工程を行うことで、有機化合物系分散剤に由来するコート層が水素吸蔵合金粒子の表面に形成され、水素吸蔵合金粒子の酸化が抑制され、その結果、ニッケル金属水素化物電池の0℃出力率が向上したと推測される。

Claims (7)

  1. 希土類元素、Mg及びNiを含む希土類-Mg-Ni系でありかつLaを10質量%以上含む水素吸蔵合金を粉砕して水素吸蔵合金粉末を得る粉砕工程を具備し、かつ、以下の要素(1)又は(2)を満たす、水素吸蔵合金粉末の製造方法。
    (1)水およびポリビニルアルコールを含む液体中で前記粉砕工程を行い、更に、濾過又は乾燥により前記水素吸蔵合金粉末を前記液体から分離する
    (2)不活性ガス雰囲気下で前記粉砕工程を行い、かつ、不活性ガス雰囲気下で粉砕後の前記水素吸蔵合金粉末を水およびポリビニルアルコールを含む液体に入れ、更に、濾過又は乾燥により前記水素吸蔵合金粉末を前記液体から分離する。
  2. 要素(1)を満たし、
    前記水素吸蔵合金粉末における水素吸蔵合金粒子の平均粒子径は15μm以下であり、
    最大粒子径は100μm以下であり、最小粒子径は0.1μm以上である、請求項1に記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  3. 前記ポリビニルアルコールは、前記水およびポリビニルアルコールを含む液体中に0.001~5質量%含まれる、請求項1または請求項2に記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  4. 前記ポリビニルアルコールは、前記水素吸蔵合金粉末100質量部に対し、0.005~30質量部添加される、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  5. 前記ポリビニルアルコールは、重合度1000~5000、ケン化度90%以上である、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法。
  6. 請求項1~5の何れか一項に記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法を具備する、ニッケル金属水素化物電池用負極材料の製造方法。
  7. 請求項1~5の何れか一項に記載の水素吸蔵合金粉末の製造方法を具備する、ニッケル金属水素化物電池用負極の製造方法。
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