JPH0731869U - 織機の緯入れ装置 - Google Patents
織機の緯入れ装置Info
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- JPH0731869U JPH0731869U JP6051093U JP6051093U JPH0731869U JP H0731869 U JPH0731869 U JP H0731869U JP 6051093 U JP6051093 U JP 6051093U JP 6051093 U JP6051093 U JP 6051093U JP H0731869 U JPH0731869 U JP H0731869U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ローラ式牽引装置を用いる場合に作動条件の
設定を容易化すると共に、糸種等の緯糸条件の変化に対
応可能とする。 【構成】 入力器124 により、織機主軸回転数及び織り
幅等の製織条件と、糸種等の緯糸条件とを入力させる。
そして、作動条件演算設定手段131,133 により、製織条
件に基づいて、所定の演算式により、ローラ式牽引装置
の作動条件と姿勢制御ノズルの作動条件とをぞれぞれ演
算して設定する。この演算設定に際しては、補正値設定
手段132,134 により、緯糸条件に基づいて補正値を設定
して、作動条件の補正を行う。
設定を容易化すると共に、糸種等の緯糸条件の変化に対
応可能とする。 【構成】 入力器124 により、織機主軸回転数及び織り
幅等の製織条件と、糸種等の緯糸条件とを入力させる。
そして、作動条件演算設定手段131,133 により、製織条
件に基づいて、所定の演算式により、ローラ式牽引装置
の作動条件と姿勢制御ノズルの作動条件とをぞれぞれ演
算して設定する。この演算設定に際しては、補正値設定
手段132,134 により、緯糸条件に基づいて補正値を設定
して、作動条件の補正を行う。
Description
【0001】
本考案は、織機において、緯糸をローラによる牽引(送出し)と噴射流体によ る牽引(姿勢制御)とにより緯入れする装置に関する
【0002】
従来この種の装置としては、特開平4−136237号公報に示されるように 、緯糸の測長貯留装置と緯入れ用のノズル(以下姿勢制御ノズルと称す)との間 に、ローラ式牽引装置を設けて、ローラによる牽引と、ノズルの噴射流体による 牽引とにより、緯入れを行うようにしたものがある。
【0003】 具体的には、このローラ式牽引装置は、接離可能な一対のローラを備え、これ らのローラ間に緯糸を挟持した状態でのローラの回転により緯糸を牽引するもの である。 緯入れにあたっては、測長貯留装置の測長爪の抜き出しと共に姿勢制御ノズル の流体噴射を開始し、これと同時又はやや遅れて一対のローラを圧接して緯糸を 挟持すると共にローラの回転を開始して、緯糸を牽引することにより緯入れする 。ローラはサーボモータにより駆動して、緯入れ毎に回転数制御を行う。そして 、測長貯留装置から所定量の緯糸が解舒されたことを検出して緯糸解舒信号を出 力する緯糸解舒センサを用い、この緯糸解舒センサからの信号に基づいて、緯入 れの途中で所定量の緯糸が解舒された時点で、一対のローラを離間することによ り、ローラによる緯糸牽引作用を停止し、以降はノズルの噴射流体のみで緯糸を 牽引して緯入れを終了させる。
【0004】 以上のように、ローラによって緯糸を直接牽引する場合、噴射流体のみによる 緯糸牽引、すなわち流体と緯糸との摩擦により緯糸を牽引するものに比して、エ ネルギー損失が少ない。また、姿勢制御ノズルはローラにより牽引され送出され る緯糸の姿勢を制御するだけでよいので、流量を大幅に削減でき、トータル的に 大幅なエネルギー消費量の低減が図れる。
【0005】 また、ローラ式牽引装置として、常時回転するローラを用いると共に、これへ の緯糸の圧接状態を切換えてローラによる緯糸牽引作用をオンオフ的に制御する 切換装置を設けてなるものも試みられている。具体的には、トラバースレバーな どにより緯糸の経路を切換えて常時回転する一対のローラ間に出し入れするか、 常時回転する一対のローラを回転状態で圧接・離間するのである。
【0006】
しかしながら、前記公報に記載の装置のように、緯入れ毎にローラ式牽引装置 の作動条件(ローラによる牽引期間及び牽引速度)を制御するのでは、高度な制 御装置が必要で、織機を高速化する際に、追従性の面で実用化が困難な場合があ る。
【0007】 そこで、作動条件の設定を容易にするため、織機主軸回転数と織り幅とから、 ローラ式牽引装置の作動条件(ローラによる牽引期間及び牽引速度)や、姿勢制 御ノズルの作動条件(噴射時期及び噴射圧力)を演算して設定することを試みた 。 ところが、糸種を変更した際に、姿勢制御ノズルによる緯糸牽引速度が緯糸と 流体との摩擦による牽引のため大幅に変化すると、ローラによる緯糸牽引速度は さほど変化せず、両者の相対関係が異なってしまうことから、ローラ牽引初期な どに緯糸にたるみが生じて、布疵や緯入れ不良が発生する恐れがあることがわか った。
【0008】 本考案は、このような実情に鑑み、ローラ式牽引装置や姿勢制御ノズルの作動 条件の設定を容易にすると共に、糸種等の緯糸条件が変わっても、適正な作動条 件を得ることができるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】 このため、本考案は、ローラ式牽引装置による牽引と、姿勢制御ノズルの噴射 流体による牽引とにより、緯糸を経糸開口内に緯入れする織機の緯入れ装置にお いて、前記ローラ式牽引装置の作動条件を所定の演算式に基づいて演算して設定 する手段と、前記姿勢制御ノズルの作動条件を所定の演算式に基づいて演算して 設定する手段とを設けると共に、前記ローラ式牽引装置の作動条件と前記姿勢制 御ノズルの作動条件のうち少なくとも前記姿勢制御ノズルの作動条件を演算設定 する際に緯糸条件に基づいて補正値を設定する手段を設ける構成としたものであ る。
【0010】
上記の構成においては、ローラ式牽引装置の作動条件と姿勢制御ノズルの作動 条件とをそれぞれ所定の演算式に基づいて演算して設定することにより、これら の作動条件の設定を容易化することができる一方、ローラ式牽引装置の作動条件 と姿勢制御ノズルの作動条件のうち、糸種等の緯糸条件による変化の大きい姿勢 制御ノズルの作動条件については、緯糸条件に基づいて補正することにより、緯 糸条件が変化しても、適正な作動条件を得ることができる。
【0011】
以下に本考案の実施例を説明する。 図1は本考案の一実施例を示す緯入れ装置のシステム図である。尚、この実施 例はA色とB色の緯入れ装置を備えているが、両緯入れ装置は同様の構成である ので、対応する部分に同一符号を付して、主としてA色の緯入れ装置について説 明する。
【0012】 本緯入れ装置は、給糸体1からテンサー2を介して供給される緯糸Yを測長し て貯留する測長貯留装置10と、ここからの緯糸Yを案内するヤーンガイド21,23 と、ヤーンガイド21と23との間で緯糸Yを挟持して牽引することのできる一対の 牽引用ローラ33,35と、ヤーンガイド21と牽引用ローラ33,35との間に設けられ て緯糸Yの経路を切換える切換装置50と、ヤーンガイド23からの緯糸Yに接離自 在で緯糸Yに走行抵抗を付与することのできるブレーキ装置60と、このブレーキ 装置60からの緯糸Yを空気噴射により緯糸Yの姿勢を制御しつつ飛走させる姿勢 制御ノズル(主ノズル)71と、この姿勢制御ノズル71からの緯糸Yの先端部を空 気噴射により次々と吹き送る補助ノズル群72と、姿勢制御ノズル71の先端部に近 接して設けられたカッター装置80と、これらの装置の作動を制御する制御装置10 0 とから構成されている。
【0013】 各装置につき詳述すると、測長貯留装置10は、ドラム11を有する本体12を備え ている。この本体12には巻付けアーム13が回転自在に支持されており、本体12内 のモータにより回転駆動される。緯糸Yは、この巻付けアーム13中を通り、巻付 けアーム13の回転により、静止状態に保持されているドラム11の周面に巻付けら れて貯留される。この貯留された緯糸Yはドラム11の周面の穴に突入した測長爪 14に係止されつつ、ヤーンガイド21の方に延在している。測長爪14は電磁駆動自 己復帰型のソレノイド15により駆動されるようになっていて、ソレノイド15への 通電により測長爪14が抜き出されて緯糸Yに対する係止が解除され、緯入れが行 われる。ここで、ソレノイド15は制御装置100 からの信号により制御される。
【0014】 ヤーンガイド21,23は、いずれも測長貯留装置10側が大径で緯糸Yの走行する 下流に向かって次第に小径になるように形成されており、下流側に設けた装置の 所定位置に緯糸Yを案内するようになっている。 一対の牽引用ローラ33,35のうち、大径のローラ33は、図2に示すように、固 定ベース26の縦壁27に固定されたモータ31の縦壁27を貫通して突出する駆動軸32 に取付けられており、制御装置100 からの信号によりモータ31で回転駆動されて 織機運転中ほぼ一定速度で回転するようになっている。そして、この大径のロー ラ33の上方に対をなす小径のローラ35が配置されている。この小径のローラ35は 、縦壁27に揺動可能に取付けられてスプリング39により付勢されたアーム36の自 由端に回転自在に取付けられていて、大径のローラ33側に押付けられている。そ して、両ローラ33,35間に挟持されることにより緯糸Yが牽引されるようになっ ている。
【0015】 図3は一対の牽引用ローラ33,35の動力伝達を示している。これらのローラ33 ,35は、大径のローラ33の周面と小径のローラ35の周面とが圧接することにより 、モータ31で回転駆動されるローラ33の駆動力がローラ35に伝達され、同一周速 度で互いに逆方向に回転されるようになっている。 尚、大径のローラ33は金属製であるが、小径のローラ35の少なくとも緯糸Yと 接触する部分の表面は、例えばウレタンゴムのような軟質ゴムで緯糸Yとの摩擦 力を高めるように構成してある。また、後述する切換装置50によりローラ33,35 間に緯糸Yが出し入れしやすいように、出し入れ側にはテーパを形成してある。 更に、本実施例では、A色とB色の2個のローラ33,33を1個のモータ31で駆動 するように構成したが、図1に鎖線で示すように、2個のモータを用いて別個に 回転駆動するように構成してもよい。
【0016】 切換装置50は、ロータリーソレノイド51を備えている。ロータリーソレノイド 51は、これへの通電により出力軸を一方向に回転駆動し、通電停止されるとばね により出力軸を逆方向に回動して自己復帰する電磁駆動自己復帰型になっており 、図2に示すように、固定ベース26の底壁28に取付けられている。そして、ロー タリーソレノイド51の上方に位置する出力軸にトラバースレバー52の基端部を固 定的に取付けてある。トラバースレバー52の先端部は一対の牽引用ローラ33,35 の接触面近傍に延設されており、この延長端部は上方に折曲げられていて、ここ に緯糸Yが挿通される導糸孔53が形成されている。
【0017】 図4には、切換装置50のトラバースレバー52の動作により、緯糸Yが一対の牽 引用ローラ33,35間に引き入れられたり、一対の牽引用ローラ33,35間から引き 抜かれたりする様子を示している。すなわち、切換装置50のトラバースレバー52 がロータリーソレノイド51のばねによる自己復帰により、実線示の位置に停止し ている場合には、緯糸Yは、ローラ33,35間の経路Y1から変位した経路Y2に あって、ローラ33,35間から引き抜かれている。ここで、ロータリーソレノイド 51は制御装置100 からの信号により制御される。尚、牽引用ローラ33,35と切換 装置50とによりローラ式牽引装置が構成される。
【0018】 ブレーキ装置60は、図2に示すように、ヤーンガイド23の下流側に近接して設 けられており、固定ベース26上に取付けられた電磁駆動自己復帰型のロータリー ソレノイド63と、このロータリーソレノイド63の出力軸に取付けられた棒状の作 動子64とから構成されている。ここにおいて、制御装置100 からの信号を受けな いとき、すなわちロータリーソレノイド63が電磁駆動されないときに、自己復帰 により、作動子64が緯糸Yを下方へ押圧して緯糸Yをヤーンガイド23の端縁に圧 接し、緯糸Yに走行抵抗を付与するようになっている。そして、制御装置100 か らの信号を受けると、ロータリーソレノイド63の出力軸が回動し、これにより作 動子64が緯糸Yから離間して、ブレーキ作用を解除するようになっている。
【0019】 姿勢制御ノズル71は、筬3を保持して揺動運動する筬保持体(図示せず)の緯 入れ側端部に取付けられていて、経糸開口を指向している。この姿勢制御ノズル 71への空気供給経路について説明すれば、加圧空気供給源74に電磁駆動式の調圧 弁75を介して接続された圧力タンク76を備えている。そして、圧力タンク76の吐 出側は、電磁駆動自己復帰型の開閉弁77を介して、姿勢制御ノズル71に接続され ている。そして、制御装置100 からの信号により開閉弁77が開閉し、空気の噴射 、停止が行われる。この噴射により、牽引用ローラ33,35により牽引された緯糸 Yが姿勢を制御されながら反緯入れ側に飛走する。
【0020】 補助ノズル群72は、補助ノズルを例えば3〜5本ずつブロック化したもので、 筬3に沿って複数設けられている。補助ノズル群72への空気供給経路については 、図示は省略するが、各空気供給経路に電磁駆動自己復帰型の開閉弁をそれぞれ 設けてある。これらの開閉弁は、制御装置100 からの信号により、緯入れ側から 反緯入れ側へと所定の開期間をもって順次開弁する。これにより、複数の補助ノ ズル群72が、緯糸Yの飛走先端部を追いかけるように加圧空気をリレー噴射し、 このリレー噴射によって緯糸Yが筬3に形成された緯糸案内溝を通って経糸開口 内を飛走し、緯入れされる。
【0021】 カッター装置80は、織前側に固定して設けられて前後方向に延在して取付けら れたカッター81と、このカッター81の下刃を回転駆動するロータリーソレノイド 82とからなっており、緯入れ後に筬打された緯糸Yを姿勢制御ノズル71の先端部 にて切断する。 制御装置100 は、織機本体制御装置101 と、緯糸選択指令装置102 と、アクチ ュエータ駆動指令発生装置103 と、インバータ104 とから構成されている。織機 本体制御装置101 と、緯糸選択指令装置102 と、アクチュエータ駆動指令発生装 置103 とは、相互に電気的に接続されており、織機主軸5に取付けられたアング ルセンサ6の信号が直接、各装置101 〜103 に入力されるようになっているので 、これら各装置101 〜103 は、アングルセンサ6により検出される織機主軸5の 回転角度に従って独立して順次作動を行う。
【0022】 織機本体制御装置101 は、アングルセンサ6からの信号の他、準備ボタン121 、起動ボタン122 、停止ボタン123 からの信号、更には織機主軸回転数、織り幅 等の製織条件や糸種等の緯糸条件の入力器124 からの信号が入力されるようにな っており、織機運転信号を発して織機メインモータ7の起動、停止を制御し、ま た、ローラ回転指令信号(設定回転数信号を含む)を発して牽引用ローラ33駆動 用モータ31の起動、停止をインバータ104 を介して制御し、また、噴射圧力設定 信号を発して姿勢制御ノズル71の噴射圧力を調圧弁75を介して制御する他、各種 アクチュエータの作動時期を定めてアクチュエータ駆動指令発生装置103 へ設定 作動時期信号を出力する。
【0023】 特に、ローラ式牽引装置の作動条件(ローラによる牽引期間及び牽引速度)を 定めるトラバースレバー52の作動時期と牽引用ローラ33の回転数との設定につい ては、図5に示すように、入力器124 により、織機主軸回転数、織り幅等の製織 条件と、糸種等の緯糸条件とを入力させ、織機本体制御装置101 内の作動条件演 算設定手段131 により、製織条件に基づいて、トラバースレバー52の作動時期( 入りタイミング及び抜きタイミング)と牽引用ローラ33の回転数とをそれぞれ所 定の演算式により演算して設定するが、この演算設定に際して、補正値設定手段 132 により、緯糸条件に基づいて補正値を設定して、補正するようにしており、 この演算設定結果に基づき、トラバースレバー52の設定作動時期信号をアクチュ エータ駆動指令発生装置103 へ出力すると共に、牽引用ローラ33の設定回転数に 見合ったインバータ周波数信号をインバータ104 へ出力する。
【0024】 また、姿勢制御ノズル71の作動条件、すなわち姿勢制御ノズル71の噴射時期と 噴射圧力との設定については、同様に、織機本体制御装置101 内の作動条件演算 設定手段133 により、製織条件に基づいて、姿勢制御ノズル71の噴射時期(噴射 開始タイミング及び噴射終了タイミング)と噴射圧力とを所定の演算式により演 算して設定するが、この演算設定に際して、補正値設定手段134 により、緯糸条 件に基づいて補正値を設定して、補正するようにしており、この演算設定結果に 基づき、開閉弁77の設定作動時期信号をアクチュエータ駆動指令発生装置103 へ 出力すると共に、姿勢制御ノズル71の設定噴射圧力に見合った信号を調圧弁75へ 出力する。
【0025】 尚、準備ボタン121 は織機運転に際し最初に押すもので、これにより例えば正 規の回転数に達するまでに時間を要するモータ31のインバータ104 の起動を指示 する。起動ボタン122 は、織機運転の準備完了の信号が出てから押すボタンで、 これにより織機メインモータ7を起動する。停止ボタン123 は、織機停止用で、 必要に応じて適時押すことができる。
【0026】 緯糸選択指令装置102 は、多色織りの際に予めプログラムされた順序に従って 、次の緯入れに用いる緯糸(A色又はB色)をアクチュエータ駆動指令発生装置 103 に指示するものである。この指示は織機主軸5の回転角度で前のサイクルの 約 300度あたりから出力される。 アクチュエータ駆動指令発生装置103 は、アングルセンサ6の信号によって検 出される織機主軸5の回転角度と各アクチュエータの設定作動時期とを比較して 、順次各アクチュエータをドライバを介して作動させるものである。主なドライ バを示すと、ドライバ15aはA色側の測長爪14のソレノイド15作動用であり、ド ライバ15bはB色側の測長爪14のソレノイド15作動用である。以下同様にして、 ドライバ51aはA色側のトラバースレバー52のロータリーソレノイド51作動用、 ドライバ51bはB色側のトラバースレバー52のロータリーソレノイド51作動用、 ドライバ77aはA色側の開閉弁77作動用、ドライバ77bはB色側の開閉弁77作動 用、ドライバ82aはカッター装置80のロータリーソレノイド82作動用である。
【0027】 次に、本実施例の作動につき、図6のタイムチャートを参照して説明する。 図6は、織機が通常運転を行っている場合の各アクチュエータの作動状態を示 すもので、A色とB色の緯糸を交互に緯入れする場合について示してある。但し 、A色とB色の作動は同様なので、A色についてのみ説明する。 織機主軸5の回転角度が0度の筬打時点に達するわずか手前の状態では、緯糸 Yの先端部はすでに反緯入れ側に到達しており、この状態では、測長貯留装置10 において測長爪14が緯糸Yを係止しており、また姿勢制御ノズル71は噴射してい ない。また、牽引用ローラ33,35は回転しているが、切換装置50のトラバースレ バー52により緯糸Yは変位経路Y2にあって牽引用ローラ33,35間から引き出さ れている。一方、ブレーキ装置60は作動している。そして、回転角度が0度を過 ぎたところで、カッター装置80が作動して姿勢制御ノズル71の先端部近傍にて緯 糸Yを切断する。
【0028】 織機主軸5の回転角度が例えば60度になると、姿勢制御ノズル71が空気噴射を 始め、緯糸Yに牽引力が作用するが、このときは未だ緯糸Yは測長爪14に係止さ れていて飛走しない。 織機主軸5の回転角度が例えば70度になると、測長貯留装置10においてドラム 11から測長爪14が抜き出されて、緯糸Yに対する係止が解除される結果、姿勢制 御ノズル71の噴射空気による牽引作用で緯糸Yがゆるやかに飛走を始める。これ と同時にブレーキ装置60にてブレーキ作用が解除される。このとき、緯糸Yには 噴射空気による牽引力が作用していたので、緯糸Yは急加速する。また、補助ノ ズル群72も緯入れ側のものからリレー噴射を開始する。
【0029】 織機主軸5の回転角度が例えば80度になると、切換装置50のトラバースレバー 52が作動して、緯糸Yは飛走経路Y1に移動され、回転している一対の牽引用ロ ーラ33,35間に挟持されて牽引され、所定の飛走速度で反緯入れ側に飛走する。 そして、緯糸Yは姿勢制御ノズル71及び補助ノズル群72の空気噴射により姿勢を 制御されながら反緯入れ側に送られる。
【0030】 このように、姿勢制御ノズル71の噴射開始後に測長貯留装置10の測長爪14を抜 き出し、これによって緯糸Yが助走した後に、切換装置50を作動させて一対の牽 引用ローラ33,35による緯糸牽引を開始させるので、緯糸が常時回転するローラ 33,35に挟持されて大きな牽引速度を受けるときには、すでに緯糸Yがある程度 助走していて、相対速度差がさほど大きくないので、スムーズな牽引が可能とな る。
【0031】 織機主軸5の回転角度が例えば 160度になると、姿勢制御ノズル71の空気噴射 を停止させ、以降は補助ノズル群72のリレー噴射のみにより緯糸Yの姿勢を制御 する。これにより、空気消費量を低減しつつ、反緯入れ側での緯糸Yの先端部の 姿勢を良好に保つことができる。 織機主軸5の回転角度が例えば 180度になると、切換装置50のトラバースレバ ー52が緯糸Yを変位経路Y2に切換えて、牽引用ローラ33,35間から緯糸Yを引 き抜いて、牽引作用を実質的に停止させる。また、これとほぼ同時に、ブレーキ 装置60が作動状態に入る。
【0032】 そして、緯入れ中に測長爪14の近傍に設けられた緯糸解舒センサ(図示せず) がドラム11からの緯糸Yの所定の解舒巻数(緯入れ1回でドラム11から4巻解舒 するものとすると、3巻)を検出すると、測長爪14がドラム11の周面の穴に突入 する。 この測長爪14の突入からほぼ1巻解舒後に、緯糸Yが実際に測長爪14に係止さ れて緯入れが終了する(例えば 230度)。緯糸Yが実際に係止されると、ピーク 張力が発生するが、所定の飛走速度に対して最適に調整されたブレーキ装置60の 作動により、このピーク張力は大幅に低い張力に抑えられ、緯糸Yの係止時の糸 切れ防止効果が高まる。
【0033】 次に、入力器124 から入力される製織条件及び緯糸条件に基づいて、織機本体 制御装置101 内の作動条件演算設定手段131 ,133 と補正値設定手段132 ,134 とにより行われるローラ式牽引装置の作動条件(トラバースレバー52の作動時期 及び牽引用ローラ33の回転数)や姿勢制御ノズル71の作動条件(噴射時期及び噴 射圧力)の設定について説明する。
【0034】 (1)入力設定項目 入力設定項目は以下の通りとする。 ・織機主軸回転数 (rpm) N (例えばN=800rpm) ・織り幅 (mm) L (例えばL=1800mm) ・緯入れ開始タイミング (deg) Thout(例えばThout=70deg ) ・到達タイミング (deg) Tf (例えばTf= 230deg ) ・糸種(分類番号) Ya (例えばYa=1) ・糸種繊度(番手/デニール) Ba (例えばBa=40) 尚、糸種及び糸種繊度は、A色とB色の緯入れ装置を備える場合、A色とB色 ごとに入力するが、ここでは一方についてのみ示す。また、糸種の分類番号は、 例えば、1:コットン、2:レーヨン、3:デニム、4:ウール、5:ポリエス テル、・・・とする。
【0035】 (2)緯糸平均速度(飛走線)の算出(図7参照) 先ず単位角度当たりの時間Tdeg (msec/deg)を次式より算出する。 Tdeg =〔60/( 360・N)〕・1000 従って、N=800rpmとすれば、Tdeg =0.2083msecとなる。 次に緯入れ可能時間Te (msec) を次式より算出する。
【0036】 Te=Tdeg ・(Tf−Thout) 従って、Tdeg =0.2083msec、Tf= 230deg 、Thout=70deg とすれば、T e=33.33msec となる。 次に緯糸平均速度Vs (m/sec)を次式より算出する。 Vs=L/Te 従って、L=1800mm、Te=33.33msec とすれば、Vs=54m/sec となる。
【0037】 (3)トラバースレバー入りタイミングの算出 トラバースレバー入りタイミングTtrvin (deg) は、次式より算出する。 Ttrvin =Thout+OFFSET+K1 ここで、OFFSETは固定値 (deg)であり、図8に示すように測長爪動作バラツキ (遅れ側バラツキ)とトラバースレバー動作バラツキ(進み側バラツキ)とから 決定される両者の限界時間間隔にマージン分を加えて設定され、例えば10deg と する。
【0038】 K1はトラバースレバー入りタイミング補正項 (deg)であり、図9に示すよう に、番手Ba(又は番手Baと緯糸平均速度Vs)をパラメータとするマップを 糸種Ya毎に複数備え、糸種Yaに応じて選択したマップから、番手Ba(又は 番手Baと緯糸平均速度Vs)に従って検索する。このK1により、例えば弱い 糸の場合にはトラバースレバー入りタイミングTtrvin を遅らせるように補正す る。従って、この部分が補正値設定手段に相当する。
【0039】 ここでは、Ttrvin =70+10+0=80deg とする。 (4)トラバースレバー抜きタイミングの仮決め トラバースレバー抜きタイミングTrvout (deg) は、予め設定した固定値に仮 決めする。 Trvout =180deg(固定値、仮決め) (5)ローラ周速度、回転数の算出(図10参照) 先ずローラ周速度Vrol (m/sec) を次式より算出する。
【0040】 Vrol =Krol ・(0.75・L)/〔( 190−Ttrvin )・Tdeg 〕 ここで、Krol はローラ周速度補正係数で、例えば1.1 (固定値)とする。 また、0.75、190 という数値は、190degまでに織り幅Lの約75%(緯入れ1回 で4巻解舒して緯入れする場合の3巻/4巻)を牽引することを想定した値であ る。
【0041】 従って、Krol =1.1 、L=1800mm、Ttrvin =80deg 、Tdeg =0.2083msec とすると、Vrol =64.9m/sec となる。 次にローラ回転数(周波数)frol (Hz)を次式より算出する。 frol =Vrol /πD ここで、Dは駆動側ローラの直径で、例えば0.19mとする。
【0042】 従って、frol =108.7Hz となる。 (6)姿勢制御ノズルの噴射開始タイミングの算出 姿勢制御ノズルの噴射開始タイミングTmon (deg) は、次式より算出する。 Tmon =Thout−10+Ktmon ここで、Ktmonは姿勢制御ノズル噴射開始タイミング補正項 (deg)であり、図 11に示すように、番手Ba(又は番手Baと緯糸平均速度Vs)をパラメータと するマップを糸種Ya毎に複数備え、糸種Yaに応じて選択したマップから、番 手Ba(又は番手Baと緯糸平均速度Vs)に従って検索する。このKtmonによ り、噴射開始タイミングTmon を補正する。従って、この部分が補正値設定手段 に相当する。
【0043】 ここでは、Tmon =70−10+0=60deg とする。 (7)姿勢制御ノズルの噴射終了タイミングの算出 姿勢制御ノズルの噴射終了タイミングTmoff (deg)は、次式より算出する。 Tmoff=Thout+90+Ktmoff ここで、Ktmoff は姿勢制御ノズル噴射終了タイミング補正項 (deg)であり、 図12に示すように、番手Ba(又は番手Baと緯糸平均速度Vs)をパラメータ とするマップを糸種Ya毎に複数備え、糸種Yaに応じて選択したマップから、 番手Ba(又は番手Baと緯糸平均速度Vs)に従って検索する。このKtmoff により、噴射終了タイミングTmoffを補正する。従って、この部分が補正値設定 手段に相当する。
【0044】 ここでは、Tmoff=70+90+0=160degとする。 (8)補助ノズルの噴射開始タイミングの算出(図13参照) 先ず補助ノズルのブロック数SVNを算出する。ここでは、5本単位でブロッ ク化するものとして、次式により補助ノズルのブロック数SVNを算出する。 SVN=INT〔L/(NP・5)〕+1 ここで、NPはノズルピッチであり、標準糸の場合は75mm、デニムの場合は飛 びにくいため70mmとする。尚、INTは整数化(切捨て)関数である。
【0045】 従って、NP=75mmとすると、SVN=5となり、第1〜第5の補助ノズル群 を使用することになる。 次に第1の補助ノズル群の噴射開始タイミングSV1onを算出するが、これは 次式のごとく、緯入れ開始タイミングThoutとする。 SV1on=Thout 従って、SV1on=70deg となる。
【0046】 次に第2〜第5の補助ノズル群の噴射開始タイミングSV?on(?=2〜5) を次式により算出する。 SV?on=〔NP・5・(?−1)〕/(Vrol ・Tdeg )+Ttrvin 従って、SV2on〜SV5onは以下の通りとなる。 SV2on=〔75・5・(2−1)〕/(64.9・0.2083)+70=107.7deg SV3on=〔75・5・(3−1)〕/(64.9・0.2083)+70=135.5deg SV4on=〔75・5・(4−1)〕/(64.9・0.2083)+70=163.2deg SV5on=〔75・5・(5−1)〕/(64.9・0.2083)+70=190.0deg そして、小数点以下を切捨てて、SV2on=107deg、SV3on=135deg、SV 4on=163deg、SV5on=190degとする。
【0047】 (9)補助ノズルの噴射終了タイミングの算出(図13参照) 第1〜第5の補助ノズル群の噴射開始タイミングSV?off (?=1〜5)は 、次式により算出する。 SV?off =SV?on+70+Ksv?off ここで、Ksv?off は補助ノズル噴射終了時期補正項 (deg)であり、番手Ba (又は番手Baと緯糸平均速度Vs)をパラメータとするマップを糸種Ya毎に 複数備え、糸種Yaに応じて選択したマップから、番手Ba(又は番手Baと緯 糸平均速度Vs)に従って検索する。
【0048】 従って、SV1off 〜SV5off は例えば以下の通りとなる。 SV1off = 70 +70+0=140deg SV2off =107 +70+0=177deg SV3off =135 +70+0=205deg SV4off =163 +70+0=233deg SV5off =190 +70+0=260deg (10)姿勢制御ノズルの噴射圧力の算出 姿勢制御ノズルの噴射圧力Pm ( kg/cm2 ) は、次式により算出する。
【0049】 Pm=m1・X−b1 (X≦100000のとき) Pm=m2・X−b2 (X>100000のとき) ここで、m1=3.383 ×10-5、b1=0.12326 、m2=6.834 ×10-5、b2= 3.6219である。 また、X値は、次式により算出する。
【0050】 X=(M・Vrol2)/(4・C・K1・Lmax ) ここで、Mは緯糸運動質量 (kg) であり、次式により算出する。 M=(0.4536・L’)/(768.1 ・Ba/SD) ここで、L’は運動部糸長(m)であり、固定値で、例えばL’= 0.798mと する。Baは番手であり、入力値で、例えばBa=40とする。SDは単糸/双糸 値であり、入力値で、単糸のときSD=1、双糸のときSD=2とする。また、 式中の0.4536、768.1 という数値は、標準重量と単位長さとを定め、標準重量で の単位長さの倍数をその糸の番手とする方式(恒重式)において、1番手= 840 ヤード/1ポンド= 768.1m/ 453.6gを基礎とするものである。尚、1ヤード =0.9144m、1ポンド=0.4536Kgである。
【0051】 従って、M=(0.4536×0.798 )/(768.1 ×40/1)=1.178 ×10-5kgとな る。 また、Cは係数であり、固定値で、C=0.68とする。 また、K1は緯糸係数であり、次式により算出する。 K1=(1/2)・Cf・π・d・L" ここで、Cfは空気摩擦係数であり、図14に示すように、緯糸平均速度Vsを パラメータとするマップを糸種Ya毎に複数備え、糸種Yaに応じて選択したマ ップから緯糸平均速度Vsに従って検索する。このCfにより終極的には噴射圧 力Pmを補正する。従って、この部分も補正値設定手段に相当する。
【0052】 ここでは、例えばCf=0.02とする。 dは糸直径(mm)であり、次式により算出する。 d=25.4/〔25.8・(Ba/SD)1/2 〕 従って、d=25.4/〔25.8・(40)1/2 〕=0.155663mmとなる。 L" は牽引力作用糸長(mm)であり、固定値で、例えばL" =263mm とする。
【0053】 従って、K1=0.5 ・0.02・π・0.156 ・263 =1.29×10-6となる。 Lmax は弛み量限界値(m)であり、牽引用ローラから送出された緯糸を姿勢 制御ノズルの入口側で弛ませて待機させ得る最大の糸長で、織機のレイアウト上 の制約から定まり、ここではLmax =0.15mとする。 これらにより、X値は、次のように算出される。
【0054】 X= 1.178×10-5・64.92 /(4・0.68・1.29×10-6・0.15)=85702 従って、姿勢制御ノズルの噴射圧力Pmは、次のように算出される。 Pm=3.383 ・10-5・85702 −0.12326 =2.776kg/cm2 〔姿勢制御ノズル噴射圧力算出の理論〕 上記の姿勢制御ノズル噴射圧力算出の理論について説明する。
【0055】 1)姿勢制御ノズルによって牽引される緯糸の運動方程式 ローラ式牽引装置を備える場合は、姿勢制御ノズル後方の抗力は無視できるも のと仮定する。 空気力学より、糸に作用する力Fは、次式となる。 F=(1/2)・Cf・ρ・(V−v)2 ・π・d・L" ここで、Cfは空気摩擦係数、ρは空気密度、Vは空気速度、vは糸速度、d は糸直径、L" は作用糸長である。
【0056】 運動方程式より、 Mα=F =(1/2)・Cf・ρ・(V−v)2 ・π・d・L" =K1・ρ・(V−v)2 尚、K1=(1/2)・Cf・π・d・L" とおく。
【0057】 これにより、 α=dv/dt=(K1/M)・ρ・(V−v)2 糸速度で積分し、更に時間で積分すると、下記のごとく(1)式が得られる。 ∫0 v dv/(V−v)2 =∫0 t (K1/M)・ρ・dt 1/(V−v)−1/V=(K1/M)・ρ・t v=V−〔1/((K1/M)・ρ・t+1/V)〕 =V・〔1−(1/((K1/M)・ρ・t・V+1))〕 dx/dt=V・〔1−(1/((K1/M)・ρ・t・V+1))〕 ∫0 L dx =∫0 t V・〔1−(1/((K1/M)・ρ・t・V+1))〕・dt L=V・t−〔V/((K1/M)・ρ・V)〕 ・ln(1+(K1/M)・ρ・V・t) =Vt−〔M/(K1・ρ)〕・Ln〔1+(K1/M)・ρ・V・t〕 ・・・(1) ここで、ln(1+x)=x−(x2 /2)+(x3 /3)−… (−1<x≦1) に展開できるので、3次以降の微小項を無視すると、(1)式は次式となる。
【0058】 L=V・t−〔M/(K1・ρ)〕・〔(K1/M)・ρ・V・t −((K1/M)・ρ・V・t)2 /2〕 従って、 L=〔(ρ・V2 ・K1)/2M〕・t2 ・・・(2) このように糸の運動方程式から(2)式が得られる。
【0059】 (2)式は、姿勢制御ノズルによって送出される緯糸の、時刻tにおける移動 長さLを示すものである。 (2)式は3次項以降の微小項を無視したことにより、(1)式と若干ズレを 生ずる。よって、補正係数Cを乗ずることで補正したのが(3)式である。 L=C・〔(ρ・V2 ・K1)/2M〕・t2 ・・・(3) 2)牽引用ローラと姿勢制御ノズルによる糸の動き ローラの周速度をVrol とすると、時間tでローラにより送出される緯糸長さ Lrol は、等速であるから、 Lrol =Vrol ・t ・・・(4) となる。
【0060】 一方、同じ時間tで姿勢制御ノズルにより送出される緯糸長さLnoz は、(3 )式となる。 時刻tでのローラ〜姿勢制御ノズル間の緯糸弛み量は、(3),(4)式より 、以下の関数f(t) で表される(図15参照)。 f(t) =Lrol −Lnoz =Vrol ・t−a・t2 ・・・(5) 尚、a=C・(K1/2M)・ρ・V2 である。
【0061】 弛み量関数f(t) より、弛み量の最大値はf(t)'=0のときである。(5)式 より、 f(t)'=Vrol −2a・t=0 よって、 t=Vrol /2a=(Vrol ・M)/(C・K1・ρ・V2 ) 最大弛み量をLmax とすると、 Lmax =f(Vrol /2a) =Vrol ・(Vrol /2a)−a・(Vrol /2a)2 =Vrol2/4a =Vrol2/〔4・(C・K1/2M)・ρ・V2 〕 =M・Vrol2/(2C・K1・ρ・V2 ) よって、 Lmax =M・Vrol2/(2C・K1・ρ・V2 ) ・・・(6) 最大弛み量Lmax は機械構成上、幾何学的に求まる既知な値であるから、(6 )式より、 (1/2)・ρ・V2 =M・Vrol2/(4・C・K1・Lmax )・・(7) となる。
【0062】 これがX値である。 3)姿勢制御ノズル圧力と姿勢制御ノズル内空気密度、流速の関係 姿勢制御ノズル内の空気流れを、圧縮性流体で等エントロピー流れとすると、 ベルヌーイの運動方程式から次式が与えられる。 (1/2)u2 +〔k/(k−1)〕・(P/ρ) =〔k/(k−1)〕・(P0 /ρ0 ) uは流速、kは比熱比、Pは圧力、ρは密度、P0 はよどみ圧、ρ0 は密度で ある。
【0063】 姿勢制御ノズルの入口損失、合流損失を合わせて、αとおくと、 α・(1/2)・ρ・u2 +〔k/(k−1)〕・P =〔k/(k−1)〕・(P/ρ0 )・P0 ・・・(8) となる。 (8)式から、X=α・(1/2)・ρ・V2 と、P0 とを、グラフにプロッ トすると、図16に示すごとくとなる。
【0064】 このの関係を表したのが、次式となる。 P0 =m1・X−b1 (X≦100000のとき) P0 =m2・X−b2 (X>100000のとき)・・・(9) ここで、m1=3.383 ×10-5、b1=0.12326 、m2=6.834 ×10-5、b2= 3.6219である。
【0065】 X=α・(1/2)・ρ・V2 =(M・Vrol2)/(4・C・K1・Lmax ) ・・・(10) 故に(7),(9),(10)式より、姿勢制御ノズルの圧力P0 を求めること ができる。 従って、P0 =Pmとすれば、 姿勢制御ノズルの噴射圧力Pm ( kg/cm2 ) は、前述の通り、次式により算出 することができる。
【0066】 Pm=m1・X−b1 (X≦100000のとき) Pm=m2・X−b2 (X>100000のとき) m1=3.383 ×10-5、b1=0.12326 m2=6.834 ×10-5、b2=3.6219 X=(M・Vrol2)/(4・C・K1・Lmax )
【0067】
以上説明したように本考案によれば、ローラ式牽引装置の作動条件と姿勢制御 ノズルの作動条件とをそれぞれ所定の演算式に基づいて演算して設定することに より、これらの作動条件の設定を容易化することができると共に、少なくとも姿 勢制御ノズルの作動条件については、糸種等の緯糸条件による変化が大きいこと から、緯糸条件に基づいて補正することにより、緯糸条件が変化しても、適正な 作動条件を得ることができるという効果が得られる。
【図1】 本考案の一実施例を示す緯入れ装置のシステ
ム図
ム図
【図2】 同上実施例の要部斜視図
【図3】 同上実施例の要部側面図
【図4】 同上実施例の要部平面図
【図5】 作動条件演算設定部のブロック図
【図6】 織機運転中の各アクチュエータの作動タイム
チャート
チャート
【図7】 飛走線図を示す図
【図8】 オフセット値の説明図
【図9】 トラバースレバー入りタイミング補正項のマ
ップを示す図
ップを示す図
【図10】 ローラ回転数設定の説明図
【図11】 噴射開始タイミング補正項のマップを示す図
【図12】 噴射終了タイミング補正項のマップを示す図
【図13】 補助ノズルの噴射時期算出の説明図
【図14】 空気摩擦係数のマップを示す図
【図15】 弛み量関数の説明図
【図16】 ノズル圧力とX値との関係を示す図
1 給糸体 10 測長貯留装置 11 ドラム 14 測長爪 21,23 ヤーンガイド 31 モータ 33,35 牽引用ローラ 50 切換装置 51 ロータリーソレノイド 52 トラバースレバー 60 ブレーキ装置 71 姿勢制御ノズル 72 補助ノズル群 75 調圧弁 77 開閉弁 100 制御装置 101 織機本体制御装置 102 緯糸選択指令装置 103 アクチュエータ駆動指令発生装置 104 インバータ 124 入力器 131 ローラ式牽引装置の作動条件演算設定手段 132 補正値設定手段 133 姿勢制御ノズルの作動条件演算設定手段 134 補正値設定手段
Claims (1)
- 【請求項1】ローラ式牽引装置による牽引と、姿勢制御
ノズルの噴射流体による牽引とにより、緯糸を経糸開口
内に緯入れする織機の緯入れ装置において、 前記ローラ式牽引装置の作動条件を所定の演算式に基づ
いて演算して設定する手段と、前記姿勢制御ノズルの作
動条件を所定の演算式に基づいて演算して設定する手段
とを設けると共に、前記ローラ式牽引装置の作動条件と
前記姿勢制御ノズルの作動条件のうち少なくとも前記姿
勢制御ノズルの作動条件を演算する際に緯糸条件に基づ
いて補正値を設定する手段を設けたことを特徴とする織
機の緯入れ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6051093U JPH0731869U (ja) | 1993-11-10 | 1993-11-10 | 織機の緯入れ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6051093U JPH0731869U (ja) | 1993-11-10 | 1993-11-10 | 織機の緯入れ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0731869U true JPH0731869U (ja) | 1995-06-16 |
Family
ID=13144387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6051093U Pending JPH0731869U (ja) | 1993-11-10 | 1993-11-10 | 織機の緯入れ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0731869U (ja) |
-
1993
- 1993-11-10 JP JP6051093U patent/JPH0731869U/ja active Pending
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