JPH0731868U - 織機の緯入れ装置 - Google Patents

織機の緯入れ装置

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JPH0731868U
JPH0731868U JP6050693U JP6050693U JPH0731868U JP H0731868 U JPH0731868 U JP H0731868U JP 6050693 U JP6050693 U JP 6050693U JP 6050693 U JP6050693 U JP 6050693U JP H0731868 U JPH0731868 U JP H0731868U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 測長貯留装置10上の緯糸を牽引用ローラ33,
35による牽引と姿勢制御ノズル71の噴射空気による牽引
とにより緯入れする場合に、緯入れ不安定を解消する。 【構成】 緯糸解舒センサ90は、測長貯留装置10のドラ
ム11から所定量の緯糸が解舒されたことを検出して、緯
糸解舒信号を出力する。制御装置100 は、この緯糸解舒
信号が得られたタイミングを目標タイミングと比較する
などして、これらが一致するように、モータ31を介し
て、牽引用ローラ33,35の回転数を制御する。又は、牽
引用ローラ33,35間への緯糸の出し入れを制御するトラ
バースレバー52の作動時期を制御する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、織機において、緯糸をローラによる牽引(送出し)と噴射流体によ る牽引(姿勢制御)とにより緯入れする装置に関する
【0002】
【従来の技術】
従来この種の装置としては、特開平4−136237号公報に示されるように 、緯糸の測長貯留装置と緯入れ用のノズル(以下姿勢制御ノズルと称す)との間 に、ローラ式牽引装置を設けて、ローラによる牽引と、ノズルの噴射流体による 牽引とにより、緯入れを行うようにしたものがある。
【0003】 具体的には、このローラ式牽引装置は、接離可能な一対のローラを備え、これ らのローラ間に緯糸を挟持した状態でのローラの回転により緯糸を牽引するもの である。 緯入れにあたっては、測長貯留装置の測長爪の抜き出しと共に姿勢制御ノズル の流体噴射を開始し、これと同時又はやや遅れて一対のローラを圧接して緯糸を 挟持すると共にローラの回転を開始して、緯糸を牽引することにより緯入れする 。そして、測長貯留装置から所定量の緯糸が解舒されたことを検出して緯糸解舒 信号を出力する緯糸解舒センサを用い、この緯糸解舒センサからの信号に基づい て、緯入れの途中で所定量の緯糸が解舒された時点で、一対のローラを離間する ことにより、ローラによる緯糸牽引作用を停止し、以降はノズルの噴射流体のみ で緯糸を牽引して緯入れを終了させる。
【0004】 以上のように、ローラによって緯糸を直接牽引する場合、噴射流体のみによる 緯糸牽引、すなわち流体と緯糸との摩擦により緯糸を牽引するものに比して、エ ネルギー損失が少ない。また、姿勢制御ノズルはローラにより牽引され送出され る緯糸の姿勢を制御するだけでよいので、流量を大幅に削減でき、トータル的に 大幅なエネルギー消費量の低減が図れる。
【0005】 また、ローラ式牽引装置として、常時回転するローラを用いると共に、これへ の緯糸の圧接状態を切換えてローラによる緯糸牽引作用をオンオフ的に制御する 切換装置を設けてなるものも試みられている。具体的には、トラバースレバーな どにより緯糸の経路を切換えて常時回転する一対のローラ間に出し入れするか、 常時回転する一対のローラを回転状態で圧接・離間するのである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報に記載の装置においては、緯糸解舒センサを用いて、 測長貯留装置から所定量の緯糸が解舒されたタイミングでローラによる緯糸牽引 作用を停止させているが、このような制御では、ローラ間でのスリップによる送 り量不足は解消するが、経時変化等によってローラ間の摩擦力が低下すると、当 然に解舒タイミングが遅れたり、ばらついてしまう。従来の制御では、解舒タイ ミングが遅れても、所定の送り量を確保するだけで、解舒タイミングの遅れやば らつきといった緯入れ不安定は解消できないといった問題点がある。
【0007】 本考案は、このような従来の問題点に鑑み、ローラ式牽引装置の作動条件を積 極的に制御することにより、解舒タイミングの遅れやばらつきといった緯入れ不 安定を解消することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本考案は、測長貯留装置上の緯糸を、ローラ式牽引装置による牽引 と、姿勢制御ノズルの噴射流体による牽引とにより、経糸開口内に緯入れする織 機の緯入れ装置において、前記測長貯留装置から所定量の緯糸が解舒されたこと を検出して緯糸解舒信号を出力する緯糸解舒センサと、この緯糸解舒信号に基づ いて検出された緯入れ状態と予め設定された目標緯入れ状態とを比較して、これ らが一致するように、前記ローラ式牽引装置による牽引速度と牽引期間とのうち 少なくとも一方を制御する制御手段とを設ける構成としたものである。
【0009】
【作用】
上記の構成においては、緯糸解舒センサにより、測長貯留装置から所定量の緯 糸が解舒されたことを検出して緯糸解舒信号を出力させ、制御手段により、この 緯糸解舒信号に基づいて検出された緯入れ状態と予め設定された目標緯入れ状態 とを比較して、これらが一致するように、ローラ式牽引装置による牽引速度及び /又は牽引期間を制御する。
【0010】 これにより、何らかの原因で緯入れ状態が変動して、解舒タイミングが遅れた り、ばらついても、ローラ式牽引装置の牽引速度や牽引期間の変更により、これ を一定に制御することができ、緯入れ不安定を解消できる。
【0011】
【実施例】
以下に本考案の実施例を説明する。 図1は本考案の一実施例を示す緯入れ装置のシステム図である。尚、この実施 例はA色とB色の緯入れ装置を備えているが、両緯入れ装置は同様の構成である ので、対応する部分に同一符号を付して、主としてA色の緯入れ装置について説 明する。
【0012】 本緯入れ装置は、給糸体1からテンサー2を介して供給される緯糸Yを測長し て貯留する測長貯留装置10と、ここからの緯糸Yを案内するヤーンガイド21,23 と、ヤーンガイド21と23との間で緯糸Yを挟持して牽引することのできる一対の 牽引用ローラ33,35と、ヤーンガイド21と牽引用ローラ33,35との間に設けられ て緯糸Yの経路を切換える切換装置50と、ヤーンガイド23からの緯糸Yに接離自 在で緯糸Yに走行抵抗を付与することのできるブレーキ装置60と、このブレーキ 装置60からの緯糸Yを空気噴射により緯糸Yの姿勢を制御しつつ飛走させる姿勢 制御ノズル(主ノズル)71と、この姿勢制御ノズル71からの緯糸Yの先端部を空 気噴射により次々と吹き送る補助ノズル群72と、姿勢制御ノズル71の先端部に近 接して設けられたカッター装置80と、これらの装置の作動を制御する制御装置10 0 とから構成されている。
【0013】 各装置につき詳述すると、測長貯留装置10は、ドラム11を有する本体12を備え ている。この本体12には巻付けアーム13が回転自在に支持されており、本体12内 のモータにより回転駆動される。緯糸Yは、この巻付けアーム13中を通り、巻付 けアーム13の回転により、静止状態に保持されているドラム11の周面に巻付けら れて貯留される。この貯留された緯糸Yはドラム11の周面の穴に突入した測長爪 14に係止されつつ、ヤーンガイド21の方に延在している。測長爪14は電磁駆動自 己復帰型のソレノイド15により駆動されるようになっていて、ソレノイド15への 通電により測長爪14が抜き出されて緯糸Yに対する係止が解除され、緯入れが行 われる。ここで、ソレノイド15は制御装置100 からの信号により制御される。
【0014】 ヤーンガイド21,23は、いずれも測長貯留装置10側が大径で緯糸Yの走行する 下流に向かって次第に小径になるように形成されており、下流側に設けた装置の 所定位置に緯糸Yを案内するようになっている。 一対の牽引用ローラ33,35のうち、大径のローラ33は、図2に示すように、固 定ベース26の縦壁27に固定されたモータ31の縦壁27を貫通して突出する駆動軸32 に取付けられており、制御装置100 からの信号によりモータ31で回転駆動されて 織機運転中ほぼ一定速度で回転するようになっている。そして、この大径のロー ラ33の上方に対をなす小径のローラ35が配置されている。この小径のローラ35は 、縦壁27に揺動可能に取付けられてスプリング39により付勢されたアーム36の自 由端に回転自在に取付けられていて、大径のローラ33側に押付けられている。そ して、両ローラ33,35間に挟持されることにより緯糸Yが牽引されるようになっ ている。
【0015】 図3は一対の牽引用ローラ33,35の動力伝達を示している。これらのローラ33 ,35は、大径のローラ33の周面と小径のローラ35の周面とが圧接することにより 、モータ31で回転駆動されるローラ33の駆動力がローラ35に伝達され、同一周速 度で互いに逆方向に回転されるようになっている。 尚、大径のローラ33は金属製であるが、小径のローラ35の少なくとも緯糸Yと 接触する部分の表面は、例えばウレタンゴムのような軟質ゴムで緯糸Yとの摩擦 力を高めるように構成してある。また、後述する切換装置50によりローラ33,35 間に緯糸Yが出し入れしやすいように、出し入れ側にはテーパを形成してある。 更に、本実施例では、A色とB色の2個のローラ33,33を1個のモータ31で駆動 するように構成したが、図1に鎖線で示すように、2個のモータを用いて別個に 回転駆動するように構成してもよい。
【0016】 切換装置50は、ロータリーソレノイド51を備えている。ロータリーソレノイド 51は、これへの通電により出力軸を一方向に回転駆動し、通電停止されるとばね により出力軸を逆方向に回動して自己復帰する電磁駆動自己復帰型になっており 、図2に示すように、固定ベース26の底壁28に取付けられている。そして、ロー タリーソレノイド51の上方に位置する出力軸にトラバースレバー52の基端部を固 定的に取付けてある。トラバースレバー52の先端部は一対の牽引用ローラ33,35 の接触面近傍に延設されており、この延長端部は上方に折曲げられていて、ここ に緯糸Yが挿通される導糸孔53が形成されている。
【0017】 図4には、切換装置50のトラバースレバー52の動作により、緯糸Yが一対の牽 引用ローラ33,35間に引き入れられたり、一対の牽引用ローラ33,35間から引き 抜かれたりする様子を示している。すなわち、切換装置50のトラバースレバー52 がロータリーソレノイド51のばねによる自己復帰により、実線示の位置に停止し ている場合には、緯糸Yは、ローラ33,35間の経路Y1から変位した経路Y2に あって、ローラ33,35間から引き抜かれている。ここで、ロータリーソレノイド 51は制御装置100 からの信号により制御される。尚、牽引用ローラ33,35と切換 装置50とによりローラ式牽引装置が構成される。
【0018】 ブレーキ装置60は、図2に示すように、ヤーンガイド23の下流側に近接して設 けられており、固定ベース26上に取付けられた電磁駆動自己復帰型のロータリー ソレノイド63と、このロータリーソレノイド63の出力軸に取付けられた棒状の作 動子64とから構成されている。ここにおいて、制御装置100 からの信号を受けな いとき、すなわちロータリーソレノイド63が電磁駆動されないときに、自己復帰 により、作動子64が緯糸Yを下方へ押圧して緯糸Yをヤーンガイド23の端縁に圧 接し、緯糸Yに走行抵抗を付与するようになっている。そして、制御装置100 か らの信号を受けると、ロータリーソレノイド63の出力軸が回動し、これにより作 動子64が緯糸Yから離間して、ブレーキ作用を解除するようになっている。
【0019】 姿勢制御ノズル71は、筬3を保持して揺動運動する筬保持体(図示せず)の緯 入れ側端部に取付けられていて、経糸開口を指向している。この姿勢制御ノズル 71への空気供給経路について説明すれば、加圧空気供給源74に調圧弁75を介して 接続された圧力タンク76を備えている。そして、圧力タンク76の吐出側は、電磁 駆動自己復帰型の開閉弁77を介して、姿勢制御ノズル71に接続されている。そし て、制御装置100 からの信号により開閉弁77が開閉し、空気の噴射、停止が行わ れる。この噴射により、牽引用ローラ33,35により牽引された緯糸Yが姿勢を制 御されながら反緯入れ側に飛走する。
【0020】 補助ノズル群72は、補助ノズルを例えば3本ずつブロック化したもので、筬3 に沿って複数設けられている。補助ノズル群72への空気供給経路については、図 示は省略するが、各空気供給経路に電磁駆動自己復帰型の開閉弁をそれぞれ設け てある。これらの開閉弁は、制御装置100 からの信号により、緯入れ側から反緯 入れ側へと所定の開期間をもって順次開弁する。これにより、複数の補助ノズル 群72が、緯糸Yの飛走先端部を追いかけるように加圧空気をリレー噴射し、この リレー噴射によって緯糸Yが筬3に形成された緯糸案内溝を通って経糸開口内を 飛走し、緯入れされる。
【0021】 カッター装置80は、織前側に固定して設けられて前後方向に延在して取付けら れたカッター81と、このカッター81の下刃を回転駆動するロータリーソレノイド 82とからなっており、緯入れ後に筬打された緯糸Yを姿勢制御ノズル71の先端部 にて切断する。 一方、測長貯留装置10のドラム11回りで測長爪14の近傍に、ドラム11回りを解 舒される緯糸Yの通過を検出して、1巻解舒されるごとに緯糸解舒信号を出力す る光電式の緯糸解舒センサ90を設けてある。ここで、緯入れ1回でドラム11から 4巻解舒するものとすれば、1回の緯入れで4個の緯糸解舒信号が得られる。そ して、緯糸解舒センサ90からの出力信号と、織機主軸5の回転角度を検出するア ングルセンサ6の出力信号とが、制御装置100 に入力されている。
【0022】 制御装置100 は、織機本体制御装置101 と、緯糸選択指令装置102 と、アクチ ュエータ駆動指令発生装置103 と、インバータ104 とから構成されている。織機 本体制御装置101 と、緯糸選択指令装置102 と、アクチュエータ駆動指令発生装 置103 とは、相互に電気的に接続されており、織機主軸5に取付けられたアング ルセンサ6の信号が直接、各装置101 〜103 に入力されるようになっているので 、これら各装置101 〜103 は、アングルセンサ6により検出される織機主軸5の 回転角度に従って独立して順次作動を行う。
【0023】 織機本体制御装置101 は、緯糸解舒センサ90やアングルセンサ6からの信号の 他、準備ボタン121 、起動ボタン122 、停止ボタン123 からの信号、更には織り 幅、織機回転数、糸種等の製織条件の入力器124 からの信号が入力されるように なっており、織機運転信号を発して織機メインモータ7の起動、停止を制御し、 また、ローラ回転指令信号(設定回転数信号を含む)を発して牽引用ローラ33駆 動用モータ31の起動、停止をインバータ104 を介して制御する他、各種アクチュ エータの作動時期を定めてアクチュエータ駆動指令発生装置103 へ設定作動時期 信号を出力する。
【0024】 特にローラ式牽引装置の牽引速度と牽引期間とを定める牽引用ローラ33の回転 数とトラバースレバー52の作動時期との設定については、入力器124 により、織 り幅、織機回転数、糸種等の製織条件を入力させ、これに基づいて、織機本体制 御装置101 内で、牽引用ローラ33の回転数とトラバースレバー52の作動時期(入 り角度及び抜き角度)とを演算して初期設定し、必要に応じ、後述する補正制御 を行って、最終的な設定を行い、牽引用ローラ33の設定回転数に見合ったインバ ータ周波数信号をインバータ104 へ出力すると共に、トラバースレバー52の設定 作動時期信号をアクチュエータ駆動指令発生装置103 へ出力する。
【0025】 尚、準備ボタン121 は織機運転に際し最初に押すもので、これにより例えば正 規の回転数に達するまでに時間を要するモータ31のインバータ104 の起動を指示 する。起動ボタン122 は、織機運転の準備完了の信号が出てから押すボタンで、 これにより織機メインモータ7を起動する。停止ボタン123 は、織機停止用で、 必要に応じて適時押すことができる。
【0026】 緯糸選択指令装置102 は、多色織りの際に予めプログラムされた順序に従って 、次の緯入れに用いる緯糸(A色又はB色)をアクチュエータ駆動指令発生装置 103 に指示するものである。この指示は織機主軸5の回転角度で前のサイクルの 約 300度あたりから出力される。 アクチュエータ駆動指令発生装置103 は、アングルセンサ6の信号によって検 出される織機主軸5の回転角度と各アクチュエータの設定作動時期とを比較して 、順次各アクチュエータをドライバを介して作動させるものである。主なドライ バを示すと、ドライバ15aはA色側の測長爪14のソレノイド15作動用であり、ド ライバ15bはB色側の測長爪14のソレノイド15作動用である。以下同様にして、 ドライバ51aはA色側のトラバースレバー52のロータリーソレノイド51作動用、 ドライバ51bはB色側のトラバースレバー52のロータリーソレノイド51作動用、 ドライバ77aはA色側の開閉弁77作動用、ドライバ77bはB色側の開閉弁77作動 用、ドライバ82aはカッター装置80のロータリーソレノイド82作動用である。
【0027】 次に、本実施例の作動につき、図5のタイムチャートを参照して説明する。 図5は、織機が通常運転を行っている場合の各アクチュエータの作動状態を示 すもので、A色とB色の緯糸を交互に緯入れする場合について示してある。但し 、A色とB色の作動は同様なので、A色についてのみ説明する。 織機主軸5の回転角度が0度の筬打時点に達するわずか手前の状態では、緯糸 Yの先端部はすでに反緯入れ側に到達しており、この状態では、測長貯留装置10 において測長爪14が緯糸Yを係止しており、また姿勢制御ノズル71は噴射してい ない。また、牽引用ローラ33,35は回転しているが、切換装置50のトラバースレ バー52により緯糸Yは変位経路Y2にあって牽引用ローラ33,35間から引き出さ れている。一方、ブレーキ装置60は作動している。そして、回転角度が0度を過 ぎたところで、カッター装置80が作動して姿勢制御ノズル71の先端部近傍にて緯 糸Yを切断する。
【0028】 織機主軸5の回転角度が例えば60度になると、姿勢制御ノズル71が空気噴射を 始め、緯糸Yに牽引力が作用するが、このときは未だ緯糸Yは測長爪14に係止さ れていて飛走しない。 織機主軸5の回転角度が例えば70度になると、測長貯留装置10においてドラム 11から測長爪14が抜き出されて、緯糸Yに対する係止が解除される結果、姿勢制 御ノズル71の噴射空気による牽引作用で緯糸Yがゆるやかに飛走を始める。これ と同時にブレーキ装置60にてブレーキ作用が解除される。このとき、緯糸Yには 噴射空気による牽引力が作用していたので、緯糸Yは急加速する。また、補助ノ ズル群72も緯入れ側のものからリレー噴射を開始する。
【0029】 織機主軸5の回転角度が例えば90度になると、切換装置50のトラバースレバー 52が作動して、緯糸Yは飛走経路Y1に移動され、回転している一対の牽引用ロ ーラ33,35間に挟持されて牽引され、所定の飛走速度で反緯入れ側に飛走する。 そして、緯糸Yは姿勢制御ノズル71及び補助ノズル群72の空気噴射により姿勢を 制御されながら反緯入れ側に送られる。
【0030】 このように、姿勢制御ノズル71の噴射開始後に測長貯留装置10の測長爪14を抜 き出し、これによって緯糸Yが助走した後に、切換装置50を作動させて一対の牽 引用ローラ33,35による緯糸牽引を開始させるので、緯糸が常時回転するローラ 33,35に挟持されて大きな牽引速度を受けるときには、すでに緯糸Yがある程度 助走していて、相対速度差がさほど大きくないので、スムーズな牽引が可能とな る。
【0031】 そして、緯入れの途中(例えば 140度)で姿勢制御ノズル71の空気噴射を停止 させ、以降は補助ノズル群72のリレー噴射のみにより緯糸Yの姿勢を制御する。 これにより、空気消費量を低減しつつ、反緯入れ側での緯糸Yの先端部の姿勢を 良好に保つことができる。 そして、緯入れ中に緯糸解舒センサ90からの緯糸解舒信号の発生を監視してい て、緯入れ1回でドラム11から4巻解舒するものとすると、3巻の解舒が検出さ れた時点で、測長爪14をドラム11の周面の穴に突入させる。
【0032】 織機主軸5の回転角度が例えば 200度になると、切換装置50のトラバースレバ ー52が緯糸Yを変位経路Y2に切換えて、牽引用ローラ33,35間から緯糸Yを引 き抜いて、牽引作用を実質的に停止させる。また、これとほぼ同時に、ブレーキ 装置60が作動状態に入る。 そして、前記した測長爪14の突入からほぼ1巻解舒後に、緯糸Yが実際に測長 爪14に係止されて緯入れが終了する(例えば 220度)。緯糸Yが実際に係止され ると、ピーク張力が発生するが、所定の飛走速度に対して最適に調整されたブレ ーキ装置60の作動により、このピーク張力は大幅に低い張力に抑えられ、緯糸Y の係止時の糸切れ防止効果が高まる。
【0033】 次に、牽引用ローラ33の回転数又はトラバースレバー52の作動時期(入り角度 及び抜き角度)の補正制御について説明する。 尚、この補正制御は織機本体制御装置101 内で行われ、したがって織機本体制 御装置101 が制御手段に相当する。 また、ここでは、緯入れ1回でドラム11から4巻解舒し、1回の緯入れで4個 の緯糸解舒信号が得られるものとし、これを織機本体制御装置101 内のカウンタ でカウントすることにより、1巻目〜4巻目の緯糸解舒信号CY1〜CY4を判 別できるものとする。
【0034】 更に、緯入れ期間を70度〜 220度とすれば、ほぼ図6に示すようなタイミング で1巻目〜4巻目の緯糸解舒信号CY1〜CY4が得られるものとする。 図7は補正制御の第1の実施例を示すフローチャートである。 ステップ1(図にはS1と記してある。以下同様)では、緯糸解舒センサ90か ら3巻目の緯糸解舒信号CY3が得られたか否かを判定し、3巻目の緯糸解舒信 号CY3が得られると、ステップ2へ進んで、そのときのアングルセンサ6の信 号を読込んで、3巻解舒時の織機主軸角度T3 を検出する。
【0035】 次にステップ3では、3巻解舒時の織機主軸角度T3 を目標角度(例えば 182 .5度)と比較して、その大小関係を判定する。 T3 >目標角度の場合は、解舒タイミングが遅すぎるので、ステップ4へ進ん で、牽引用ローラ33の回転数を現在の設定値に対し所定量増大させる。 T3 <目標角度の場合は、解舒タイミングが早すぎるので、ステップ5へ進ん で、牽引用ローラ33の回転数を現在の設定値に対し所定量減少させる。
【0036】 このような制御により、解舒タイミングを適正範囲内に制御して、緯入れ不安 定を防止することができる。 尚、本実施例では、3巻目の緯糸解舒信号CY3を用いたが、4巻目の緯糸解 舒号を用いて、4巻目解舒時の織機主軸角度T4 を目標角度(例えば 220度)と 比較して制御するなどしてもよい。
【0037】 図8は補正制御の第2の実施例を示すフローチャートである。 ステップ11では、緯糸解舒センサ90から2巻目の緯糸解舒信号CY2が得られ たか否かを判定し、2巻目の緯糸解舒信号CY2が得られると、ステップ12へ進 んで、そのときのアングルセンサ6の信号を読込んで、2巻解舒時の織機主軸角 度T2 を検出する。
【0038】 次にステップ13では、緯糸解舒センサ90から3巻目の緯糸解舒信号CY3が得 られたか否かを判定し、3巻目の緯糸解舒信号CY3が得られると、ステップ14 へ進んで、そのときのアングルセンサ6の信号を読込んで、3巻解舒時の織機主 軸角度T3 を検出する。 次にステップ15では、3巻解舒時の織機主軸角度T3 から2巻巻解舒時の織機 主軸角度T2 を減算して、緯入れ速度に相当する角度差(1巻解舒されるに要す る角度)ΔT=T3 −T2 を算出する。
【0039】 ステップ16では、緯入れ速度に相当する角度差ΔTと目標角度差(例えば37.5 度)とを比較して、その大小関係を判定する。 ΔT>目標角度差の場合は、緯入れ速度が遅すぎるので、ステップ17へ進んで 、牽引用ローラ33の回転数を現在の設定値に対し所定量増大させる。 ΔT<目標角度差の場合は、緯入れ速度が早すぎるので、ステップ18へ進んで 、牽引用ローラ33の回転数を現在の設定値に対し所定量減少させる。
【0040】 このような制御により、緯入れ速度を適正範囲内に制御して、緯入れ不安定を 防止することができる。 尚、本実施例では、2巻目の緯糸解舒信号CY2と3巻目の緯糸解舒信号CY 3とを用いたが、3巻目の緯糸解舒信号CY3と4巻目の緯糸解舒信号CY4と を用いて、4巻解舒時の織機主軸角度T4 と3巻巻解舒時の織機主軸角度T3 と の角度差ΔT=T4 −T3 を目標角度差と比較して制御するなどしてもよい。
【0041】 図9は補正制御の第3の実施例を示している。 ステップ21では、緯糸解舒センサ90から1巻目の緯糸解舒信号CY1が得られ たか否かを判定し、1巻目の緯糸解舒信号CY1が得られると、ステップ22へ進 んで、そのときのアングルセンサ6の信号を読込んで、1巻解舒時の織機主軸角 度T1 を検出する。
【0042】 次にステップ23では、1巻解舒時の織機主軸角度T1 を目標角度(例えば 107 .5度)と比較して、その大小関係を判定する。 T1 >目標角度の場合は、解舒タイミングが遅すぎるので、ステップ24へ進ん で、牽引用ローラ33,35による牽引開始時期を早くすべく、トラバースレバー52 の入り角度を現在の設定値(初期設定値は例えば90度)より所定角度早くするよ うにする。
【0043】 T1 <目標角度の場合は、解舒タイミングが早すぎるので、ステップ25へ進ん で、牽引用ローラ33,35による牽引開始時期を遅くすべく、トラバースレバー52 の入り角度を現在の設定値(初期設定値は例えば90度)より所定角度遅らせるよ うにする。 次にステップ26では、緯糸解舒センサ90から4巻目の緯糸解舒信号CY4が得 られたか否かを判定し、4巻目の緯糸解舒信号CY4が得られると、ステップ27 へ進んで、そのときのアングルセンサ6の信号を読込んで、4巻解舒時の織機主 軸角度T4 を検出する。
【0044】 次にステップ28では、4巻解舒時の織機主軸角度T4 を目標角度(例えば 220 度)と比較して、その大小関係を判定する。 T4 >目標角度の場合は、解舒タイミングが遅すぎるので、ステップ29へ進ん で、牽引用ローラ33,35による牽引終了時期を遅くすべく、トラバースレバー52 の抜き角度を現在の設定値(初期設定値は例えば 200度)より所定角度遅らせる ようにする。
【0045】 T4 <目標角度の場合は、解舒タイミングが早すぎるので、ステップ30へ進ん で、牽引用ローラ33,35による牽引開始時期を早くすべく、トラバースレバー52 の抜き角度を現在の設定値(初期設定値は例えば 200)より所定角度早くするよ うにする。 このような制御により、解舒タイミングを適正範囲内に制御して、緯入れ不安 定を防止することができる。
【0046】 尚、これらの実施例では、ローラ式牽引装置の牽引速度と牽引期間とのうちい ずれか一方を制御するようにしたが、両方を組合わせて同時に制御するようにし てもよい。
【0047】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、ローラ式牽引装置を用いて効率的な緯入 れを行うに際し、何らかの原因で緯入れ状態が変動しても、ローラ式牽引装置の 牽引速度や牽引期間の変更により、所望の安定した緯入れ性能を維持することが できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例を示す緯入れ装置のシステ
ム図
【図2】 同上実施例の要部斜視図
【図3】 同上実施例の要部側面図
【図4】 同上実施例の要部平面図
【図5】 織機運転中の各アクチュエータの作動タイム
チャート
【図6】 緯糸解舒信号の発生時期を示す図
【図7】 補正制御の第1の実施例を示すフローチャー
【図8】 補正制御の第2の実施例を示すフローチャー
【図9】 補正制御の第3の実施例を示すフローチャー
【符号の説明】
1 給糸体 10 測長貯留装置 11 ドラム 14 測長爪 21,23 ヤーンガイド 31 モータ 33,35 牽引用ローラ 50 切換装置 51 ロータリーソレノイド 52 トラバースレバー 60 ブレーキ装置 71 姿勢制御ノズル 72 補助ノズル群 90 緯糸解舒センサ 100 制御装置 101 織機本体制御装置 102 緯糸選択指令装置 103 アクチュエータ駆動指令発生装置 104 インバータ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】測長貯留装置上の緯糸を、ローラ式牽引装
    置による牽引と、姿勢制御ノズルの噴射流体による牽引
    とにより、経糸開口内に緯入れする織機の緯入れ装置に
    おいて、 前記測長貯留装置から所定量の緯糸が解舒されたことを
    検出して緯糸解舒信号を出力する緯糸解舒センサと、 この緯糸解舒信号に基づいて検出された緯入れ状態と予
    め設定された目標緯入れ状態とを比較して、これらが一
    致するように、前記ローラ式牽引装置による牽引速度と
    牽引期間とのうち少なくとも一方を制御する制御手段
    と、 を設けたことを特徴とする織機の緯入れ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI414656B (zh) * 2007-03-02 2013-11-11 Tsudakoma Ind Co Ltd The weft feeding device of the fluid jet loom
JP2017057516A (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 株式会社豊田自動織機 エアジェット織機における緯糸飛走状態監視方法

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