JPH07316146A - 新規な有機化合物 - Google Patents

新規な有機化合物

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JPH07316146A
JPH07316146A JP6240952A JP24095294A JPH07316146A JP H07316146 A JPH07316146 A JP H07316146A JP 6240952 A JP6240952 A JP 6240952A JP 24095294 A JP24095294 A JP 24095294A JP H07316146 A JPH07316146 A JP H07316146A
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    • C07D307/42Singly bound oxygen atoms
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    • C07D307/52Radicals substituted by nitrogen atoms not forming part of a nitro radical

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Abstract

(57)【要約】 【目的】ラニチジンの製造における出発物質として有用
である新規な有機化合物を提供することにある。 【構成】式 【化1】 で表わされるN−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチ
ル)−2−フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メ
チル−2−ニトロ−1,1−エテンジアミン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラニチジン又はその酸
付加塩の製造において、その中間体として有用である新
規な有機化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ラニチジンは、体系的命名法では、N−
〔2−〔〔〔5−〔(ジメチルアミノ)メチル〕−2−
フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル−2−
ニトロ−1,1−エテンジアミンと呼ばれ、次の構造式
(I)
【0003】
【化2】
【0004】を有する既知の化合物である。この化合物
は、選択的なヒスタミンH2 拮抗剤として強力な作用を
有し、特に、胃潰瘍及び十二指腸潰瘍に対する重要な薬
剤として知られている。かかるラニチジンに関する最初
の文献は英国特許第 1,565,966号明細書であつて、これ
はまた、ラニチジン及び関連化合物の多数の製造方法に
ついて記載している。それらは、容易に入手し得る原料
から一連の工程と煩瑣な精製方法を必要とし、しかも収
率が低い。
【0005】従つて、その後、ラニチジンの製造につい
て、幾つかの改善された方法が提案されている。これら
のなかで特に重要なものについて、以下に説明する。米
国特許第 4,497,961号明細書は、式(A)
【0006】
【化3】
【0007】で表わされるチオールを式(B)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、Lは脱離基であり、好ましくはハ
ロゲンである。)で表わされるアルキル化剤と反応させ
る方法を記載している。この方法において、上記チオー
ルに基づく収率は20〜30%程度とみられ、従つて、
容易に入手し得るフラン誘導体に基づく収率は非常に低
いものとみられる。米国特許第 4,440,938号明細書は、
前記チオール(A)と式(C)
【0010】
【化5】
【0011】で表わされるアジリジン化合物(エチレン
イミン化合物)との反応によるラニチジンの製造方法を
記載しており、また、英国特許第 2,075,980号明細書
も、前記(A)と(C)との反応によつてラニチジンを
製造する方法や、或いは(A)と(C)とにおいてメチ
ル基が結合している窒素原子が他の異なる基で置換され
ている類似の化合物を反応させることによつて、関連化
合物を製造する方法を記載している。この英国特許によ
れば、上記反応による収率は高く、ラニチジン製造の上
記最終反応工程における収率は、通常、80%以上であ
るとされている。
【0012】しかし、上記二つの出発物質がかなりによ
い収率にて得ることができるとされているとしても、上
記方法は、アジリジン化合物(C)を用いるので、工業
的な方法としては不適当である。アジリジン類は、一般
に、低濃度であつても突然変異的に発癌的に作用する極
めて有毒であり、且つ、非常に活性な物質である。工業
的にかかる物質を製造し、使用することは、非常に危険
であり、費用のかかる安全対策や管理対策を必要とす
る。
【0013】また、ヨーロツパ特許明細書第 55,626 B1
号によつて、化学構造式(D)
【0014】
【化6】
【0015】(式中、RはC1 〜C6 のアルキル基であ
る。)を有する化合物を高温にて大過剰のニトロメタン
と反応させることによるラニチジンの製造が既に知られ
ている。この方法は、チオールの生成が少ない点で有利
であるとされているが、明細書の実施例によれば、収率
は低く、精々20%である。更に、ニトロメタンの使用
は、かかる条件の下では爆発のおそれがあるので、上記
の方法は、工業的な方法としては適当ではない。
【0016】ヨーロツパ特許明細書第 59,082 A1号に
は、式(E)
【0017】
【化7】
【0018】を有する1−〔〔5−〔(ジメチルアミ
ノ)メチル〕−2−フラニルメチル〕チオ〕−N−メチ
ル−2−ニトロエタンアミンをアジリジンと反応させる
ことによるラニチジンの製造が記載されている。明細書
の実施例によれば、この方法による収率は、35〜45
%の範囲であるが、しかし、極めて有毒で発癌性のアジ
リジンを使用するので、この方法は、工業的に採用する
には不適当である。
【0019】更に、ヨーロツパ特許明細書第 64,869 A1
号には、5−〔(ジメチルアミノ)メチル〕−2−フラ
ンメタノールと下記式(F)
【0020】
【化8】
【0021】を有するジスルフイドとからのラニチジン
の製造が記載されている。この方法による利点は、低廉
で且つ容易に入手し得る出発物質を用いる点にあるとさ
れており、事実、シスタミンから誘導される上記構造式
(F)を有するジスルフイドは、純度の高い結晶として
容易に単離することができる。しかしながら、この利点
は、上記方法による収率が極めて低いことによつて、完
全に消し去られる。即ち、上記ヨーロツパ特許明細書に
おける実施例1の最終工程においては、3%(フラン誘
導体に基づく。)の収率にて固体物質を得、実施例2で
は12%の収率にて油状物質を得ている。
【0022】以上に述べた方法においては、出発物質と
して2−置換−5−〔(ジメチルアミノ)メチル〕フラ
ンが用いられており、その後の反応によつてニトロメチ
レン基が結合されている分子の一部が完成されるもので
ある。しかし、米国特許第 4,399,294号明細書には、式
(G)
【0023】
【化9】
【0024】で表わされるアルデヒドをジメチルアミン
及び Me2NCH2- 基を導入するための還元的アルキル化を
行ない得るアルキル化剤によつて処理することによるラ
ニチジンの製造が記載されている。しかし、上記アルデ
ヒド(G)は、複雑な反応工程を経て、構造式(H)
【0025】
【化10】
【0026】をもつ2−〔(アミノエチル)チオール〕
メチルフランから誘導されるものである。この方法によ
る利点がいずれにあるかは上記明細書に説明されていな
いが、いずれにしても、実施例から判断して、最終工程
における収率が非常に低く、しかも、出発物質である上
記アルデヒドは、化合物(H)からアミノ基をフタルイ
ミド基によつて保護しつつ、5工程を経て製造される。
従つて、上記方法は、商業的規模でラニチジンを製造す
るための方法としては不適当である。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】それ故に、容易に入手
し得る出発物質から技術的に簡単な反応工程にて高い収
率で且つ高い純度で、しかも複雑な精製工程を要せずし
て、ラニチジンを製造することができる工業的に採用し
得る方法が強く要請されている。本発明は、かかる要請
に応えるために、それ自体、容易に入手し得る出発物質
から簡単に製造することができ、しかも、それを出発物
質として用いることによつて、上記したように、ラニチ
ジンを工業的に有利に製造することができる新規な有機
化合物を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、式
(V)
【0029】
【化11】
【0030】で表わされる新規な有機化合物N−〔2−
〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フラニル〕メチ
ル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル−2−ニトロ−1,1−
エテンジアミンが提供される。
【0031】本発明によるかかる新規な有機化合物を出
発物質として用いて、前記式(I)で表わされるラニチ
ジン又はその酸付加塩を製造する方法について説明す
る。
【0032】その方法によれば、前記式(V)で表わさ
れるN−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−
フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル−2−
ニトロ−1,1−エテンジアミンを有機溶剤中、例えば、
ジメチルホルムアミド中にてジメチルアミンと一般式
(VI)
【0033】
【化12】
【0034】(式中、Hal は臭素又は塩素を示す。)で
表わされる N,N−(ジメチルアミノ)トリフエニルホス
ホニウムハライドと反応させてラニチジンを得ることが
できる。その後、必要に応じて、ラニチジンをその酸付
加塩に変換することができる。
【0035】上述したラニチジン又はその酸付加塩の製
造は、以下の反応スキームAに示される。この反応スキ
ームには、上述したラニチジン又はその酸付加塩の製造
に用いられる中間体であつて、従来、知られていない新
規化合物(IV)及び(V)の製造も併せて示す。
【0036】
【化13】
【0037】出発物質である5−〔〔(2−アミノエチ
ル)チオ〕メチル〕−2−フランメタノール(II)は、
米国特許第 4,233,302号明細書によつて既に知られてお
り、そこでは、この化合物は、2−〔〔5−(ヒドロキ
シメチル)−2−フラニルメチル〕チオ〕エタンアミン
と呼ばれている。この化合物は、従来、ラニチジンの製
造のために用いられたことがなく、物理的なデータは知
られていない。上記米国特許明細書中の実施例4Dによ
れば、上記化合物は、フルフリルメルカプタンから4工
程を経て低い収率(21%)にて製造される。しかし、
下記の反応スキームBに示すように、今や、その化合物
が、異なる方法によつて、商業的に入手し得る5−
〔(ジメチルアミノ)メチル〕−2−フランメタノール
から高い収率(81%)にて得ることができることが見
出された。
【0038】
【化14】
【0039】化合物(II)と商業的に入手し得る1,1−
ビス(メチルチオ)−2−ニトロエチレン(IIIa)との
反応は、有機溶剤中、好ましくは、低級脂肪族アルコー
ル若しくはアセトニトリルのような他の低沸点極性有機
溶剤中にて行なわれ、この反応によつて化合物(IV)が
70〜80%の収率にて得られる。この反応は、好まし
くは、室温から用いる有機溶剤の沸点の間の温度で行な
われる。
【0040】この後の化合物(IV)とメチルアミンとの
反応は、例えば、低級アルコールやニトリル等のような
有機溶剤中にて穏やかな温度条件下、好ましくは0〜1
00℃の温度にて進行する。特に、エタノール、メタノ
ール及びアセトニトリルが好適であることが見いだされ
た。化合物(V)は高収率(90%以上)にて得られ
る。この方法は、工業的な方法として好適である。
【0041】驚くべきことには、化合物(V)は、比較
的穏やかな条件(約90℃)下に有機溶剤(例えば、ジ
メチルホルムアミド)中にて、N,N −(ジメチルアミ
ノ)トリフエニルホスホニウム塩とジメチルアミンとで
処理することによつて、50〜70%の高収率にてラニ
チジン(I)に変換されることが見出された。かかる方
法によれば、ラニチジンは、高い純度にて遊離の塩基と
して得ることができ、また、所望の場合には、ラニチジ
ンは、酸によつて塩酸塩のような塩に変換される。
【0042】上述した方法において用いられる試薬又は
反応物(VI)は、トリフエニルホスフインを例えばジメ
チルホルムアミドのような有機溶剤に溶解した後、これ
に塩素又はより好ましくは臭素を加え、最後にジメチル
アミンを過剰量加えることによつて、その場で (in sit
u)、又は貯蔵し得る溶液として調製することができる。
先行する反応工程と同様に、反応工程(iii)も工業的製
造に適し、そして全反応工程は、化合物(II)に基づい
て、約50%の全収率にてラニチジンを製造することを
可能とする。
【0043】従来、ジメチルアミノトリフエニルホスホ
ニウム塩とジメチルアミンとを用いて、穏やかな加熱に
よつてアルコール類をジメチルアミノ化合物に変換する
ことは知られていないので、以上に述べたように、中間
体(V)を穏やかな反応条件下に高い収率にてラニチジ
ン(I)に変換し得ることは、非常に驚くべきことであ
る。
【0044】また、反応において、中間体がその水酸基
においてのみ反応し、予期される如くに、多数の活性な
基を有する分子の他の側鎖において反応しないことも、
驚くべきことである。上述したようなラニチジンの製造
における特に有利な点は、用いるすべての出発物質が低
廉であり、それらが最終化合物の一部を形成しない限り
は、それらが容易に再生されることである(例えば、ト
リフエニルホスフイン)。
【0045】本発明によれば、上述したようなラニチジ
ンの製造において、出発物質として有利に用いることが
できる新規な有機化合物、即ち、構造式(V)で表わさ
れる化合物、N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチ
ル)−2−フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メ
チル−2−ニトロ−1,1−エテンジアミンが提供され
る。
【0046】更にまた、本発明によれば、構造式(IV)
【0047】
【化15】
【0048】で表わされる新規化合物、N−〔2−
〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フラニル〕メチ
ル〕チオ〕エチル〕−1−メチルチオ−2−ニトロエテ
ンアミンも提供さる。この化合物は、化合物(V)のた
めの出発物質をなす。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、前記式(V)で表わさ
れる新規な有機化合物が提供される。この化合物(V)
を出発物質として用いることによつて、ラニチジンを工
業的に有利に製造することができる。即ち、上記化合物
(V)を例えばジメチルホルムアミドのような有機溶剤
中にてジメチルアミン及び式(VI)で表わされる N,N−
(ジメチルアミノ)トリフエニルホスホニウムハライド
と反応させることによつて、ラニチジンを製造すること
ができる。
【0050】前記一般式(V)で表わされる本発明によ
る新規な化合物は、既に知られており、且つ、容易に入
手し得る物質から短い反応工程にて高収率で得ることが
できる。従つて、本発明による新規な化合物を出発物質
として用いることによつて、容易に入手し得る原料物質
から工業的に簡単な反応工程にてラニチジンの全合成を
行なうことができ、しかも、複雑な精製工程の必要なし
に、高純度のラニチジンを高収率で製造することができ
る。ラニチジンは、必要に応じてその酸付加塩に変換さ
れる。
【0051】
【実施例】以下に本発明による化合物(V)の製造を実
施例として示すと共に、そのための中間体の製造及び本
発明による化合物(V)を用いるラニチジン又はその酸
付加塩の製造を参考例として示す。
【0052】参考例1 (5−(ヒドロキシメチル)−N,N,N −トリメチル−2
−フランメタンアミニウムブロミド(a)の製造) 臭化メチル(38g、400mmol)のアセトン(100
ml)溶液を5−〔(ジメチルアミノ)メチル〕−2−フ
ランメタノール(52.2g、336mmol)のアセトン
(300ml)溶液に30分を要して20〜30℃の温度
で滴下した。その後、25℃で更に1時間反応させた
後、生成した結晶を濾別し、アセトンにて洗浄した。6
0℃で乾燥して、標記化合物(a)81.4gを白色結晶
として得た(収率97%)。融点151〜153℃。 元素分析(C9 16BrNO2 として) 計算値 C 43.21, H 6.45, Br 31.95, N 5.60 測定値 C 43.11, H 6.45, Br 32.00, N 5.46%
【0053】(5−〔〔(2−アミノエチル)チオ〕メ
チル〕−2−フランメタノール(II)の製造) 5−(ヒドロキシメチル)−N,N,N −トリメチル−2−
フランメタンアミニウムブロミド(a)(100.0g、
400mmol)、システアミン(cysteamine、β−メルカ
プトエチルアミン)塩酸塩(48.0g、420mmol)及
び85%水酸化カリウム粉末(52.8g、800mmol)
を1−ブタノール/トルエン(混合比1:1)(600
ml)に懸濁させ、窒素下に18時間還流加熱した。25
℃に冷却後、懸濁液を(1)水(160ml)、(2)2
5%塩化ナトリウム水溶液(160ml)にて洗浄した。
有機相を水流ポンプを用いて蒸発させ、その後、残渣を
メタノール(150ml)に溶解させ、次いで、シユウ酸
二水和物(50.4g、400mmol)のメタノール(60
0ml)溶液に室温で溶解させた。生成した結晶を濾別
し、メタノールで洗浄し、乾燥して、化合物(II)のシ
ユウ酸塩をやや黄色がかつた白色の結晶性生成物として
収量91.5g(収率83%)で得た。純度(HLPC)
95%、融点137〜138℃(分解)。
【0054】メタノールから再結晶して、融点140〜
141℃の精製品を得た。 元素分析(C1015NO6 Sとして) 計算値 C 43.31, H 5.45, N 5.05, S 11.57 測定値 C 43.21, H 5.42, N 5.08, S 11.65%
【0055】(標記化合物(II)の遊離塩基としての単
離)上記(II)のシユウ酸塩(55.4g、200mmol)
を水(350ml)と1−ブタノール/トルエン(混合比
1/1)(250ml)に加え、これに粒状水酸化カリウ
ム(30g、450mmol)を加えた。生成した相を分離
させ、水性相を1−ブタノール/トルエン(混合比1/
1)(250ml)にて抽出した。有機相を合体し、水流
ポンプにて蒸発させ、これによつて化合物(II)37.4
gを薄いレモン色の油状物として得た。
【0056】参考例2 (N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フ
ラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−1−メチルチオ−2
−ニトロエテンアミン(IV)の製造) 化合物(II)(37.4g、200mmol)のアセトニトリ
ル(60ml)溶液を還流下に60分を要して、1,1−ビ
ス(メチルチオ)−2−ニトロエテン(IIIa)(33.0
g、200mmol)のアセトニトリル(300ml)溶液に
滴下した。4時間還流した後、180mlを留去した。室
温で一晩撹拌し、その後、氷浴上で2時間撹拌し、次い
で、濾過し、アセトニトリルで洗浄し、乾燥して、標記
化合物(IV)46.2g(収率76%)をレモン色の粉末
として得た。融点97〜100℃。 元素分析(C11162 4 2 として) 計算値 C 43.40, H 5.30, N 9.21, S 21.07 測定値 C 43.66, H 5.41, N 9.39, S 21.03% この生成物の 1HNMRスペクトルは、帰属される構造
と合致した。
【0057】参考例3 (N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フ
ラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−1−メチルチオ−2
−ニトロエテンアミン(IV)の製造) (化合物(a)から(II)の精製なしにて)5−(ヒド
ロキシメチル)−N,N,N −トリメチル−2−フランメタ
ンアミニウムブロミド(a)(25.0g、100mmo
l)、システアミン塩酸塩(12.0g、105mmol)及
び85%水酸化カリウム粉末(13.2g、100mmol)
を1−ブタノール/トルエン(混合比1:1)(150
ml)に懸濁させ、窒素下に18時間還流加熱した。25
℃に冷却した後、懸濁液を(1)水(40ml)、(2)
25%塩化ナトリウム水溶液(40ml)にて洗浄した。
有機相を水流ポンプを用いて蒸発させて、粗製の化合物
(II)18.5gを得た。これをアセトニトリル(60m
l)に溶解して、1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニト
ロエテン(IIIa)(16.5g、100mmol)のアセトニ
トリル(150ml)溶液に還流下に90分を要して滴下
した。更に、窒素下に5時間還流し、室温で一晩撹拌
し、氷浴中で4時間冷却し、濾過し、アセトニトリルで
洗浄し、乾燥して、標記化合物(IV)19.6g(化合物
(a)に基づく収率65%)をレモン色の粉末として得
た。融点97〜100℃。
【0058】参考例4 (N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フ
ラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−1−メチルチオ−2
−ニトロエテンアミン(IV)の製造) (化合物(a)から(II)の精製なしにて)ナトリウム
(9.20g、400mmol)をエタノール(300ml)に
溶解した。冷却した後、これにシステアミン塩酸塩(2
2.8g、200mmol)を加えた後、混合物を窒素下に1
時間撹拌した。5−(ヒドロキシメチル)−N,N,N −ト
リメチル−2−フランメタンアミニウムブロミド(a)
(50.0g、200mmol)を加えて、窒素下に20時間
還流した。150mlに蒸発濃縮した後、沈殿した塩を2
0℃で濾別した。濾液を1,1−ビス(メチルチオ)−2
−ニトロエテン(IIIa)(32.2g、195mmol)のエ
タノール(320ml)溶液に還流下に2時間を要して滴
下した。更に3時間還流した後、反応混合物を室温で一
晩撹拌し、0℃で1時間撹拌した。濾過し、エタノール
で洗浄し、乾燥して、標記化合物(IV)27.7g(化合
物(a)に基づく収率46%)を得た。融点96〜98
℃。
【0059】実施例1 (N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フ
ラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル−2−ニ
トロ−1,1−エテンジアミン(V)の製造) N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フラ
ニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−1−メチルチオ−2−
ニトロエテンアミン(IV)(39.5g、130mmol)を
33%のメチルアミンのエタノール(190ml)溶液に
加え、室温で20時間撹拌した。約60mlに蒸発濃縮
後、テトラヒドロフラン(400ml)を加えた。室温で
一晩撹拌した後、濾過し、テトラヒドロフランで洗浄
し、乾燥して、表記化合物(V)34.6g(収率93
%)を白色粉末として得た。融点105.5〜108℃。 元素分析(C11173 4 Sとして) 計算値 C 45.98, H 5.97, N 14.62, S 11.16 測定値 C 45.95, H 6.02, N 14.72, S 11.20% この生成物の 1HNMR及び13CNMRスペクトルは、
帰属される構造と合致した。
【0060】実施例2 (N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フ
ラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル−2−ニ
トロ−1,1−エテンジアミン(V)の製造) (化合物(II)から化合物(IV)の精製なしにて)5−
〔〔(2−アミノエチル)チオ〕メチル〕−2−フラン
メタノール(II)(9.35g、50mmol)のエタノール
(30ml)溶液を1,1−ビス(メチルチオ)−2−ニト
ロエテン(IIIa)(8.25g、50mmol)のエタノール
(150ml)溶液に窒素下、還流下に45分を要して加
えた。更に7時間還流した後、33%メチルアミンのメ
タノール(40ml)溶液を加え、この後、反応混合物を
室温で一晩撹拌した。蒸発させた後、生成した油状物質
にテトラヒドロフラン(100ml)を加え、室温で24
時間撹拌し、テトラヒドロフランで洗浄し、乾燥して、
標記化合物(V)9.80g(化合物(II)に基づく収率
68%)を得た。融点98〜104℃。HPLCによる
生成物の純度は95%であつた。
【0061】実施例3 (N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フ
ラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル−2−ニ
トロ−1,1−エテンジアミン(V)の製造) 5−〔〔(2−アミノエチル)チオ〕メチル〕−2−フ
ランメタノール(II)(2.8g、15mmol)と1−メチ
ルチオ−1−メチルアミノ−2−ニトロエテン(IIIb)
(2.2g、15mmol)をエタノール(25ml)中におい
て、窒素下に4時間還流加熱した。10mlに蒸発濃縮
し、テトラヒドロフラン(35ml)を加えた後、種晶を
加え、0℃に冷却した。濾過し、テトラヒドロフランで
洗浄し、乾燥して、標記化合物(V)1.7g(収率37
%)を白色生成物として得た。融点101〜105℃。
【0062】(ラニチジン又はその酸付加塩の製造) 参考例5 (N−〔2−〔〔〔5−〔(ジメチルアミノ)メチル〕
−2−フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル
−2−ニトロ−1,1−エテンジアミン塩酸塩(ラニチジ
ン塩酸塩)((I)塩酸塩)の製造) 臭素(13.9g、87mmol)をトリフエニルホスフイン
(23.6g、90mmol)のジメチルホルムアミド(65
ml)溶液に冷却しつつ、50分を要して加えた。得られ
た懸濁液に冷却下に20〜30℃の温度でジメチルアミ
ン(13.0g、290ml)を30分を要して加えた。得
られた溶液にN−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチ
ル)−2−フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メ
チル−2−ニトロ−1,1−エテンジアミン(V)(8.6
1g、30mmol)を加え、反応混合物を密閉容器中にて
90℃の温度で24時間加熱した。
【0063】冷却後、反応混合物を水流ポンプにて蒸発
させ、1−ブタノール/トルエン(混合比1:1)(1
00ml)、12%塩化ナトリウム水溶液(100ml)及
び濃塩酸(約0.2ml)を加えてpHを3.5とした。この
後、水性相を1−ブタノール/トルエン(混合比1:
1)(100ml)で洗浄し、次いで、室温で活性炭にて
処理した。濾液に1−ブタノール/トルエン(混合比
1:1)(100ml)を加え、11N水酸化ナトリウム
水溶液(約2.6ml)にてpHを9.0に調整した。水性相
を再び1−ブタノール/トルエン(混合比1:1)で洗
浄した。有機相は12%塩化ナトリウム水溶液(100
ml)で洗浄した。有機性の抽出物を合体し、水流ポンプ
にて蒸発させた後、2−プロパノールに溶解させた。得
られた溶液をシリカゲルの層(15g)を通して濾過
し、上記濾過層を2−プロパノールでリンスした。濾液
を110mlに蒸発濃縮し、8N塩酸(約3.0ml)を加え
て、pHを4.0にした。混合物を室温で一晩撹拌し、そ
の後、氷浴中で1時間撹拌した。生成した結晶を濾別
し、2−プロパノールで洗浄した。これを乾燥して、ラ
ニチジン塩酸塩7.02g(収率67%)をベージユ色の
生成物として得た。融点135〜139℃(分解)。
【0064】 元素分析(C1323ClN4 3 Sとして) 計算値 C 44.50, H 6.61, Cl 10.11, N 15.97, S 9.14 測定値 C 44.26, H 6.67, Cl 10.26, N 16.00, S 9.13
% ジメチルホルムアミド/酢酸エチルから再結晶した生成
物は、137〜138℃(分解)で融解した。また、 1
HNMR及びIRスペクトルは、生成物が標品ラニチジ
ン塩酸塩と同一であることを示した。
【0065】参考例6 (ラニチジン塩酸塩)実施例8において、臭素(13.9
g、87mmol)に代えて、塩素(6.2g、87mmol)を
用いた以外は、実施例8と同じ方法にてラニチジン塩酸
塩を得た(収率48%)。
【0066】参考例7 (ラニチジン塩酸塩) ((a)N,N−(ジメチルアミノ)トリフエニルホスホ
ニウムブロミド(VI)の製造) トリフエニルホスフイン(78.6g、300mmol)をジ
メチルホルムアミド(300ml)に溶解させ、これに臭
素(47.0g、294mmol)を10〜14℃の温度で4
0分を要して加えた。得られた懸濁液にジメチルアミン
(67g、1.5mol)を20〜30℃の温度で30分を要
して加えた。かくして得られた化合物(VI)(0.63mm
ol/g)の溶液を次の工程にそのまま用いた。 ((b)N−〔2−〔〔〔5−〔(ジメチルアミノ)メ
チル〕−2−フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−
メチル−2−ニトロ−1,1−エテンジアミン塩酸塩(ラ
ニチジン塩酸塩)((I)塩酸塩)の製造) N−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチル)−2−フラ
ニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メチル−2−ニト
ロ−1,1−エテンジアミン(V)(8.61g、30mmo
l)を上記化合物(VI)(98.0g、60mmol)の溶液
と共にオートクレーブ中で90℃の温度で20時間加熱
した。反応混合物を水流ポンプにて蒸発させた後、1−
ブタノール/トルエン(混合比1:1)(100ml)、
12%塩化ナトリウム水溶液(100ml)及び濃塩酸
(0.5ml)を加えてpHを4.0にした。撹拌した後、生
成した相を分離させ、水性相を1−ブタノール/トルエ
ン(混合比1:1)(2×100ml)で洗浄した。水性
相に1−ブタノール/トルエン(混合比1:1)(10
0ml)を加え、次いで、9N水酸化ナトリウム水溶液
(4ml)を加えてpHを9.7に調整した。水性相を1−
ブタノール/トルエン(混合比1:1)(100ml)で
抽出した。有機相を合体し、水流ポンプにて蒸発させた
後、2−プロパノール(80ml)を加えた。このように
して得られた溶液をシリカゲルの層(15g)を通して
濾過し、この濾過層を2−プロパノールでリンスした。
濾液を100mlに蒸発濃縮し、8N塩酸(3ml)を加え
て、pHを4.0にした。室温で一晩撹拌した後、濾過
し、2−プロパノールで洗浄した。これを乾燥して、ラ
ニチジン塩酸塩6.1g(収率58%)をベージユ色の生
成物として得た。HPLCによる純度は96%であつ
た。融点130〜134℃(分解)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で表わされるN−〔2−〔〔〔5−(ヒドロキシメチ
    ル)−2−フラニル〕メチル〕チオ〕エチル〕−N'−メ
    チル−2−ニトロ−1,1−エテンジアミン。
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