JPH07315855A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

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JPH07315855A
JPH07315855A JP6109663A JP10966394A JPH07315855A JP H07315855 A JPH07315855 A JP H07315855A JP 6109663 A JP6109663 A JP 6109663A JP 10966394 A JP10966394 A JP 10966394A JP H07315855 A JPH07315855 A JP H07315855A
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JP
Japan
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optical element
molding
pressure
closed space
gas
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JP6109663A
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English (en)
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Kazuaki Takagi
一彰 高木
Kenji Yamaguchi
憲司 山口
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE69420659T priority patent/DE69420659T2/de
Priority to EP96116186A priority patent/EP0754653B1/en
Priority to EP94115875A priority patent/EP0648712B1/en
Publication of JPH07315855A publication Critical patent/JPH07315855A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/69Controlling the pressure applied to the glass via the dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/72Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type
    • C03B2215/73Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type with means to allow glass overflow in a direction perpendicular to the press axis

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 密閉空間を形成するようにして成形が行われ
る場合においても、密閉空間内のガスの影響を受けるこ
となく、常に良好な成形を可能とする。 【構成】 上型3と素材1とで密閉空間3bが形成され
た状態で、加圧ステージ6によって上型3を加圧して素
材1を成形するに際して、加圧ステージ6は、上型3へ
の加圧と非加圧を交互に繰り返す。そして加圧時におけ
る密閉空間内の圧力上昇が、素材1を変形させることな
く、かつ非加圧時に上型3と素材1との接触部から、密
閉されたガスを密閉空間外に流出させるに十分な圧力と
なるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学素子の成形方法に係
わり、特に形状精度及び面精度に優れ、安価で大量生産
に適した光学素子の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズ、プリズム等の光学素子
は、ガラスなどの光学素子用素材を研磨方法で製造する
代わりに、光学素子素材を一定の形状に予備加工してこ
れを型の間に供給し、この素材を加熱後、加圧成形して
得る方法が公知となっている(例えば、特開昭58ー8
4134号公報)。
【0003】また、光学素子素材の形状は、その加工面
からもコスト面からも、出来る限り簡単な形状が望まし
く、その代表例として円柱形状の素材を用いてこれを成
形する方法が提案されている(例えば、特開平3ー50
126公報)。
【0004】以下、図面を参照しながら従来例の成形方
法について説明する。図5において、成形装置は、上型
3と下型4、およびこれら上下型3、4の軸ずれをなく
し、かつ所定のレンズ厚になるように所望の高さに調整
した胴型5を有し、下型4及び胴型5で囲まれる空間に
は光学素子素材1が供給される。
【0005】図5の光学素子素材1は、図2に示すよう
な円柱体であり、対向する一対の端面は鏡面であり円筒
側面部分は粗面である。
【0006】この素材を、図5に示すように、鏡面の両
端面が上下型の転写面3a、4aに対向するように金型
内に供給する。6は加熱源を内蔵した加圧ステージであ
り、上型3を下方向に押圧するための加圧力は、この加
圧ステージ6を介して伝達される。
【0007】即ち、加圧ステージ6は、例えば油圧ポン
プ(図示せず)等により下方向に駆動されて、光学素子
素材1を加圧するための力を上型3に伝達する。
【0008】この場合、加圧ステージは、油圧ポンプに
よって、下方向の駆動のみならず、上方向の駆動も、あ
るいは移動途中における停止も自在に可能であり、また
上型3への押圧力も自在に可変できるように駆動制御さ
れる。
【0009】従って、上型3による素材1への加圧力
も、それに応じて、成形途中に任意の圧力に減圧したり
零に出来る。7は加熱源を内蔵した成形ステージであ
り、固定されている。
【0010】加圧ステージ6及び成形ステージ7に内臓
された加熱源によって上型3、下型4及び素材1は所望
の温度に制御される。
【0011】以上のように構成された成形装置を用いて
光学素子素材を成形する方法を説明する。
【0012】光学素子素材1を、下型4の転写面4aに
素材1の鏡面を有する端面が接するように供給し、その
後、上型3を胴型5に挿入し、光学素子素材1のもう一
方の端面に接触させる。
【0013】その後、加圧ステージ、成形ステージに内
臓された加熱源に通電して光学素子素材1の温度を所定
の温度まで加熱し、加圧ステージ6に圧力が供給され、
上型3が光学素子素材1を押圧しはじめる。
【0014】その加圧パターンは、図6に示す通り、一
定の値の加圧力を上型に加えると共に、1サイクル中に
数回、この上型への加圧力を零にするという加圧方法を
とる。これは加圧と非加圧を交互に繰り返すことによ
り、光学素子素材1と上型3、下型4との間のそれぞれ
の密閉空間3b、4b内に捕捉されたガスを、この密閉
空間の外へ排出するためである。
【0015】この様な加圧と非加圧を交互に繰り返しな
がら、上型3のフランジ部分が胴型5の端面に密着した
状態で素材1の加圧変形は終了し、以降は加熱源の通電
を止めて上下型3、4及び加圧成形された素材1等を冷
却し、上型への加圧力を零にする。そして加圧成形が完
了した成形型内の成形素材すなわち光学素子の温度が室
温になったところで成形型を開き、光学素子を取り出
す。
【0016】ここで密閉空間3b、4bのガスが、この
密閉空間の外へ排出されるメカニズムを図7を用いて説
明する。図7は、図5の光学素子素材1と上型3とその
間の密閉空間3bについて、これを部分的に拡大図示し
たものであり、この密閉空間3bに捕捉されたガスの排
出について説明する。光学素子素材1と下型4とその間
の密閉空間4bに捕捉されたガスの排出については、密
閉空間3bの場合と同様であるので省略する。
【0017】まず、加圧ステージ6による加圧操作時、
上型3が光学素子素材1を押圧し光学素子素材1を変形
させるため密閉空間3bの体積は小さくなる(図7
(a)、(b))。このため、この密閉空間3bのガス
は圧縮されるが、図7(b)に示す様に、上型3は押圧
され光学素子素材1の周縁部と密着しているため、密閉
空間内のガスが外へ排出されることはない。従って密閉
空間の体積は減少すると共に、この密閉空間内の捕捉ガ
スの圧力は高まっていく。この圧力がある値を越える
と、この圧力は素材表面を変形させることになる。
【0018】次に、加圧ステージ6を上方向に移動させ
て、上型3と加圧ステージ6を少し離間させ、加圧ステ
ージの上型3への加圧力を0(非加圧)とした時、この
捕捉ガスは、密閉空間3bの外に排出される。
【0019】加圧ステージの上型3への加圧力をこの様
に零とすることで、素材1には、上型の自重だけが加わ
っている状態となる。この状態では、光学素子素材1の
周縁部と上型3の成形面との間の密着状態は、上型3に
加圧ステージ6からの加圧力が加わっている場合に比べ
て緩いものとなり、空間3b内に捕捉されたガスの高圧
力の影響もあって、図7(c)に示す様に、両者の間に
は一部に非接触状態の気体通路が形成され、高圧状態の
捕捉ガスは、この気体通路を通じて空間3bの外部に瞬
時に流出するものと考えられる。
【0020】この様にして、加圧ステージ6の上型3へ
の加圧力を零とすることにより、密閉空間内のガスは素
早く外に流出し、空間3b内の圧力は瞬時に初期の常圧
に戻る。
【0021】次に、この状態から再び加圧を行い、光学
素子素材を更に変形させつつ、密閉空間内の捕捉ガスの
圧力が高まった段階において再び加圧力を0にして捕捉
ガスを排除する。
【0022】このように、光学素子素材の加圧変形を、
加圧、非加圧を交互に繰り返しながら行うことにより、
密閉空間3b内の捕捉ガスを排除しながら光学素子素材
の成形を行い、上型転写面3aの形状が光学素子素材1
に転写される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来にお
いては、加圧操作において、加圧と非加圧を交互に繰り
返して密閉空間内のガスを排除しながら成形を行ってい
たが、成形精度が不安定で歩留まりが悪く、更には、得
られる成形精度に限界が見られ、一定値以上の精度に到
達することが困難であると言う課題を有していた。
【0024】本願発明は、かかる課題を解決するもので
ある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明の光学素子の成形方法は、成形型の間に加
熱した光学素子素材を配置し、前記光学素子素材と前記
成形型の成形面で密閉空間が形成される状態で、前記光
学素子素材を加圧変形することにより前記光学素子素材
を所望の光学素子に成形する光学素子の成形方法であっ
て、前記加圧変形工程は、前記密閉空間にガスを捕捉し
た状態で前記光学素子素材を加圧して、前記密閉空間内
の捕捉ガスのガス圧力の上昇を伴いつつ前記光学素子素
材を前記成形型の成形面に密着させるべく加圧変形する
工程と、光学素子素材への加圧力を一旦減少させること
により、前記成形型と前記光学素子素材の接触状態を保
ちつつ前記密閉空間内のガスの排除を行うガス排除の工
程が交互に行われるものであり、更に、前記の捕捉ガス
のガス圧力の上昇を伴う加圧変形工程においては、前記
密閉空間に接する前記光学素子素材の表面に非定常な変
形が発生しないように、前記光学素子素材の粘度と前記
空間の圧力を維持しながら加圧変形を行なうことを特徴
とする光学素子の成形方法である。
【0026】
【作用】前述した関係を満たす光学素子の成形方法を用
いることにより、密閉空間内のガス圧の上昇による素材
の変形が確実に防止されると共に、密閉空間内のガス排
出が良好に行われ、その結果、変形終了時において光学
素子素材の転写面にクレータ状のくぼみ(いわゆるガス
溜まり)の発生のない、良好な成形が可能となるもので
ある。
【0027】
【実施例】具体的実施例の説明の前に、本願発明の原理
を説明しておく。
【0028】従来の成形方法において、光学素子素材の
加圧操作は、先程の図6に示す通り、1サイクル中に加
圧ステージの圧力を周期的に加圧と非加圧(加圧力零)
を交互に行い、各加圧時には素材の加圧変形を、各非加
圧時にはガスの排除を行うようになしている。そして、
各加圧時の加圧力は、図6に示す通り一定の力がかけら
れている。
【0029】このような方法では、各加圧変形時におい
ては、密閉空間内のガス圧力がそれぞれ異なったものと
なるのである。例えば凸レンズ成形の場合においては、
金型の形状が球面もしくは非球面形状であるから、加圧
方向(上型の下方向)の変形量に対して、密閉空間の体
積変化は一様にはならずに複雑に変化するためである。
【0030】従って、この密閉された空間内のガス圧力
が、一時的にせよ、光学素子素材の表面をその圧力によ
って変形可能な程度に高くなった場合には、この光学素
子素材の表面には、このガス圧により予期しない非定常
の変形が必然的に発生する。
【0031】この変形は、ガス圧によって、微小な範囲
に留まる場合もあれば、顕著に現れる場合もある。
【0032】微小な範囲に留まる場合は、光学素子素材
の表面強度とガス圧とが拮抗している場合であり、この
様な場合には、一見して明確な成形精度の劣化は見られ
ないものの、成形精度に限界があり、ある一定値以上の
成形精度を達成することが困難となる。
【0033】また、密閉空間内のガス圧が、光学素子素
材の表面強度よりも相当に高い場合は、成形された光学
素子の転写面にクレータ状のくぼみ、いわゆるガス溜ま
りをつくり転写不良の原因となるのである。
【0034】更に、密閉空間内のガス圧は、低すぎても
良くない。つまり、密閉空間内のガス圧が低すぎる場合
は、成形型と素材との密着部分に、ガスの流路となる非
接触部分を形成することができず、ガスは密閉空間に閉
じこめられたままとなる。
【0035】この状態で、次の加圧を受けると、この密
閉空間内のガス圧は更に高まり、ついには、光学素子表
面に有害な凹みを形成するにいたるのである。
【0036】従って、光学素子を加圧変形することによ
り形成される密閉空間内のガス圧は、光学素子素材を変
形させる程に高くてはならず、また光学素子素材と成形
型の接触部の一部に気体の流路を形成することが出来な
いほどに低くてはならない。
【0037】本願発明は、この新たに得られた知見に基
づきなされたものである。以下、本発明の光学素子の成
形方法の一実施例について図面を参照しながら説明す
る。
【0038】図1において、本発明の成形方法に係わる
成形装置は、上型3と下型4と、これら上下型3、4の
軸ずれをなくし、かつ所望の厚さの光学素子厚が得られ
るように高さが調整された胴型5を有している。
【0039】そして、上型3、下型4及び胴型5で囲ま
れる空間に供給される光学素子素材は、光学素子素材1
は図2に示すような円柱体であり、一対の両端面は鏡面
に形成されている。
【0040】この素材1を、その両端面が上下金型の転
写面それぞれ3a、4aに接するように金型内に供給す
る。6は加熱源を内蔵した加圧ステージである。7は加
熱源を内蔵した成形ステージであり、固定されている。
【0041】加圧ステージ6は、図示していないが、例
えば油圧ポンプ等により上下方向に駆動される。その下
方向の移動によって、成形に必要な加圧力を上型3に伝
えている。また、この加圧力は、成形途中に任意の圧力
に加減圧でき、あるいは零にできる。
【0042】以上のように構成された成形装置を用い
て、中心厚2.9mm、光学的有効面径6.86mmの光学
素子(平凸レンズ)を成形する方法を説明する。
【0043】光学素子素材1は直径6.88mm×厚さ
2.95mmの光学ガラスVC−79(ガラス転移点51
6℃、線膨張率は、100℃〜300℃の温度範囲にお
いて93×10ー7/℃)の円柱体であり、この素材を下
型4の転写面4aに供給し、その後、上型3を胴型5に
合わせて挿入し、転写面3aを光学素子素材1に接触さ
る。
【0044】この時、上型3と光学素子素材1との間の
密閉空間3bの体積は20.3mm3で、成形が完了する
までの上型3の下方向の移動量は1.059mmである。
【0045】成形操作は、次の通りである。加熱源に通
電して540℃、580℃、555℃の各設定温度でそ
れぞれ70秒間の加熱を行うことにより、素材を計3.
5分間加熱する。この加熱操作の最終時点で、素材の表
面の粘度は1010.2ポアズとなっている。
【0046】加熱源の温度を555℃に保ち従って素材
の表面の粘度を1010.2ポアズに保ったまま、加圧ステ
ージ6に285kgfの力を供給し、上型3で素材1を押
圧し始める。第1回目の加圧は5秒間行い、この加圧操
作によって、上型3は、胴型5に沿って下方向に530
μm移動し、この移動によって、上型3と光学素子素材
1との間の密閉空間3bの体積は、初期の20.3mm3
から5.08mm3へと、15.2mm3変化する。
【0047】この加圧操作時においては、素材1の端面
の周縁部と上型3とは常に密着しているから、密閉空間
3b内に捕捉されたガスは外部に逃げることができず、
この体積変化により密閉空間内に捕捉されたガスの圧力
は、約3.9kgf/cm2にまで高まる。
【0048】この後、加圧ステージ6による加圧力を0
とすべく、加圧ステージ6を上方に移動し、上型3と加
圧ステージ6とを非接触状態とする。
【0049】この時、上型3の自重33.2gのみが光
学素子素材1に加わった状態となるが、上記の通り、約
3.9kgf/cm2と高圧になった密閉空間3b内のガス圧
によって、上型3と光学素子素材1の周縁部の密着状態
は緩和されて、両者の接触部には、一部に非接触部分が
形成され、これが気体の流路となり、この気体流路を通
じて密閉空間内の捕捉ガスは密閉空間外へ瞬時に排出さ
れると共に、この密閉空間3b部内の圧力は常圧にもど
る。
【0050】この密閉空間内のガスの排出は瞬時に行わ
れ、気体流路となった成形型と成形素材の非接触部分も
すぐにお互いの接触状態を回復するので、成形精度が劣
化することはない。
【0051】この様にして、捕捉ガスの排除が行われた
後は、成形素材と成形型が密着状態となり、再び密閉空
間が形成される。しかしながら、この密閉空間の体積は
5.08mm3と前回の密閉空間によりも小さく、またそ
の内部の圧力は常圧となっている。
【0052】第2回目の加圧操作において、加圧ステー
ジ6にかける力を第1回目と同じく285kgfとし、上
型3が胴型5に沿って下方向に更に280μm変形する
まで、加圧を行った。
【0053】この加圧操作によって、密閉空間3bの体
積は3.81mm3変化して、1.27mm3にまで減少する
と共に、この体積変化によって、密閉空間内のガス圧力
は、第1回目の加圧時と同じく約3.9kgf/cm2とな
る。
【0054】その後、加圧ステージ6の圧力を上記と全
く同様に零とすると、密閉空間3bは、その内部の圧縮
ガスは外へ排出され、再び圧力は常圧にもどる。
【0055】なお、当然のことながら、この第2回目の
加圧操作によって、素材1は、第1回目の加圧操作終了
時に比べて、より最終製品に近い形状に加圧成形されて
いる。
【0056】第3回目以降第5回目までの加圧も第1回
目、第2回目と同様に密閉空間3bのガス圧力は最高で
約3.9kgf/cm2となるように、素材1の加圧変形を行
なう。
【0057】このように何回かの加圧操作と減圧操作を
繰り返すことにより、密閉空間3bのガスの殆どを外へ
排出しつつ素材1を最終製品により近い形状に成形して
いく。
【0058】そして、最終の加圧成形操作では、加圧力
を一定に保ちながら加圧ステージ6から上型3に圧力を
供給し、あらかじめ光学素子の所望の厚さになるように
厚さ調整された胴型5に上型3を密着させる。
【0059】この時点での型内の体積(上下型3、4と
胴型5で形成される空間の体積)は315.23mm3
あり、また光学素子2の体積は109.67mm3で、こ
れは前記型内の体積に対して34.8%の体積率であ
る。また、光学素子2の円周は胴型5の内径には接触し
ていない。圧力を供給し始めてから上型3が胴型5に密
着するまでに約42秒を要した。
【0060】次に加圧力を低減し、2分かけて480℃
まで冷却したところで圧力供給を停止し圧力を零にす
る。型内の光学素子2の温度が室温になったところで型
を開き取り出す。
【0061】こうして出来上がった光学素子2は中心厚
2.903mmで、転写精度はλ/4であり、図3に示す
様に外観上の欠陥も全く発生せず、良好な光学素子をプ
レス成形することができた。なお、図3におけるハッチ
ング部分は、図2における円筒側面部に対応する。上記
の通り、円筒側面部は粗面であり、従って図3のハッチ
ング部分も粗面となるが、この粗面部分は光学素子とし
ての機能面の外に位置するようになされているので問題
はない。
【0062】一方、次の様な比較実験を行った。使用し
た装置、金型、硝材はすべて同じである。光学素子素材
1を金型内にセットし、加熱源に通電して540℃、5
80℃、570℃の各設定温度でそれぞれ70秒間加熱
を行い、計3.5分間加熱する。この最終時点で、素材
の表面の粘度は109.1ポアズであり、上記の実施例に
比べて素材1の表面はより柔らかい状態になっている。
【0063】加熱源の温度を570℃に保ったまま加圧
ステージ6に285kgfの力を供給し、上型3で素材1
を押圧し始める。加圧方法は上記実施例と同様に5回行
い、各加圧は、密閉空間3bのガス圧力が上記実施例と
同一の3.9kgf/cm2となるように行ったが、成形終了
後の光学素子2の転写面3aには図4(a)に示すよう
な直径約150μmのクレータ状のガス溜りが残ってお
り、転写精度もλ/2であった。
【0064】この比較例からも分かるように、比較例で
は、実施例に比べて素材1の表面がより柔らかい状態に
まで加熱されており、その結果、密閉空間内のガス圧に
よって変形が生じたものである。
【0065】この変形は、素材1の表面に凹状に形成さ
れるため、以降の成形型による加圧変形によっても修正
できないため、得られた光学素子は不良品となる。
【0066】更に、このガス圧による変形は、成形型に
よる定常な変形とは異なり、非定常の変形であって、発
生するクレータ状の凹みも一定しない。
【0067】次に、本願発明の第2の実施例について説
明する。上記の比較例において、素材1の表面に凹みが
発生した原因は、素材1の表面の強度に比べてガス圧が
高すぎたためであり、もし比較例においてガス圧が低け
れば良品を成形できる筈である。
【0068】そこで、本実施例においては、光学素子素
材1の加熱条件は上記の比較例と同一とし、加圧変形時
の素材表面の粘度を109.1ポアズと、比較例と同一に
した。
【0069】加圧については、密閉空間3bのガス圧力
が約2.9kgf/cm2となるように行った結果、比較例の
ような凹みが発生することなく、上型3の転写面3aが
ガラス素子素材1に良好に転写され、光学素子の成形後
の転写精度はλ/4であった。
【0070】さて、上記の通り、密閉空間内のガス圧は
低すぎるのも良くない。実際、上記の第2の実施例にお
いて、加圧を、密閉空間3bのガス圧力が約2.4kgf/
cm2となるように行った結果、成形終了後の光学素子2
の転写面3aには図4(b)に示すような直径約3mmの
クレータ状のガス溜りが残っており、転写精度も約λ/
1近いものであった。
【0071】これは、密閉空間内のガス圧が低すぎたた
めに、成形素材と成形型の密着部分にガス流路を形成す
ることができず、成形素材への加圧力を零にしたにも係
わらず密閉空間内の捕捉ガスを排出できなかったためで
ある。
【0072】その結果、次の加圧は、密閉空間内に約
2.4kgf/cm2の高圧ガスが残ったまま行われ、従っ
て、この加圧によって密閉空間内のガス圧は、更に高ま
って成形素材に有害な凹みが発生する。
【0073】勿論、これだけ高圧の捕捉ガスは、次に加
圧力を零にした時点においては密閉空間より排出される
が、すでにその時には成形素材には凹みが発生している
ために、成形終了時においても、この凹みが残ったまま
となる。
【0074】なお、実際の量産にあたっては、密閉空間
内の捕捉ガスによって成形素材に有害な変形が発生しな
いように、成形素材の加圧変形時の粘度、1回の加圧に
おける密閉空間の体積の変化率(つまり密閉空間内のガ
スの圧力の上昇率)、成形型の自重等を、まず実験的に
定めておく。
【0075】なお、成形型と素材の密着性が非常に高
く、従って両者の接触部に気体流路を形成するためには
密閉空間に高い圧力を形成せねばならず、その結果この
高圧力によって素材に有害な凹みが発生することがある
場合は、成形型の材料には、成形素材との粘着性が悪い
材料を用いるか、またはその様な材料を成形面に被膜し
ておくか、または成形素材の温度を少し低めに設定する
などの対策が有効である。
【0076】逆に、成形型と素材の密着性が非常に悪い
ために、密閉空間内の高圧ガスの圧力によって、成形型
が素材から完全に離間して、その結果、成形精度に悪影
響が懸念される場合は、成形型の自重を重くするか、成
形型の材料を、成形素材に対して適度に粘着性を有する
材料とするか、またはその様な材料を成形面に被膜して
おくか、あるいは、成形素材の温度をやや高めに設定す
る等の対策が有効である。
【0077】そして、実際の量産においては、この実験
により定められた諸条件に基づき量産時を行うことによ
り、常に安定した成形が行える。なお、密閉空間内のガ
ス圧については、これを量産時において直接にモニタし
て管理することは困難であるので、上型3の変位量を制
御することによってこの圧力を管理する。また、成形素
材の粘度についても、これを直接にモニタするのは困難
であるが、これについても、加圧ステージや成形ステー
ジの温度を管理することで十分に対応は可能である。
【0078】また、以上の実施例では、光学素子が平凸
レンズの場合についての成形方法を述べたが両凸レンズ
やメニスカスレンズの場合についても同様の結果が得ら
れた。
【0079】以上の通りであって、上記実施例に限ら
ず、成形素材を加圧成形する際に、成形型と素子素材で
密閉空間が形成され、この密閉空間内のガス圧が、成形
素材に変形を及ぼし得る場合には、この密閉空間内の圧
力を上記の趣旨通りに制御することにより、このガス圧
による非定常な成形素材の変形が防止されて、成形素材
の成形型による定常な変形が保障され、常に安定した高
精度の光学素子が成形できることが確認された。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、密閉空間を形成するようにして成形が行われ
る場合において、密閉空間内のガスによって素材に有害
な変形をきたすことなく密閉空間内のガスを良好に排出
することができ、もって高精度の光学素子を常に安定に
製造できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形方法の一実施例で用いた成形装置
の断面図
【図2】同実施例方法で用いた光学素子素材の形状を示
す斜視図
【図3】同実施例で成形された光学素子の外観斜視図
【図4】光学素子の成形において発生したガス溜りの説
明図
【図5】従来の成形方法で使用される成形装置の断面図
【図6】従来の加圧成形時の圧力と時間の一般的なプロ
ファイル図
【図7】成形型と光学素子素材との間の密閉空間のガス
排除のメカニズムの説明図
【符号の説明】
1 光学素子素材 2 光学素子 3 上型 3a 上型転写面 3b 密閉空間 4 下型 4a 下型転写面 4b 密閉空間 5 胴型 6 加圧ステージ 7 成形ステージ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形型の間に加熱した光学素子素材を配置
    し、前記光学素子素材と前記成形型の成形面で密閉空間
    が形成される状態で、前記光学素子素材を加圧変形する
    ことにより前記光学素子素材を所望の光学素子に成形す
    る光学素子の成形方法であって、前記加圧変形工程は、 前記密閉空間にガスを捕捉した状態で前記光学素子素材
    を加圧して、前記密閉空間内の捕捉ガスの圧力上昇を伴
    いつつ前記光学素子素材を前記成形型の成形面に密着さ
    せるべく加圧変形させる、ガス捕捉を伴う加圧変形工程
    と、 前記成形型の光学素子素材への加圧力を一旦減少させる
    工程が交互に行われるものであって、 かつ前記ガス捕捉を伴う加圧変形工程において、前記密
    閉空間内のガス圧力は、前記密閉空間に接する前記光学
    素子素材の表面に非定常な変形を発生させることが無
    く、かつ前記加圧力を一旦減少させる工程において、密
    閉空間内のガスを排除するためのガスの流路を、前記成
    形面と前記光学素子素材との接触部に形成できる圧力と
    なるように上昇されていることを特徴とする光学素子の
    成形方法。
  2. 【請求項2】ガス捕捉を伴う加圧変形工程における密閉
    空間内のガス圧力は、光学素子素材の表面に、部分的な
    へこみとなるような非定常の変形を発生させない圧力で
    あることを特徴とする請求項1記載の光学素子の成形方
    法。
  3. 【請求項3】光学素子素材は、円柱体であり、成形型の
    成形面は凹面であり、前記光学素子素材の端面と成形面
    の凹面とで密閉空間が形成される請求項1記載の光学素
    子の成形方法。
  4. 【請求項4】ガス捕捉を伴う加圧変形工程における密閉
    空間内のガス圧力は、前記加圧変形工程における成形型
    の変位量を計測することにより管理されることを特徴と
    する請求項1記載の光学素子の成形方法。
  5. 【請求項5】成形型の光学素子素材への加圧力を一旦減
    少させる工程においては、成形型の自重のみが光学素子
    素材に加わっていることを特徴とする請求項1記載の光
    学素子の成形方法。
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