JP2004307330A - レンズの製造方法 - Google Patents

レンズの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004307330A
JP2004307330A JP2004084030A JP2004084030A JP2004307330A JP 2004307330 A JP2004307330 A JP 2004307330A JP 2004084030 A JP2004084030 A JP 2004084030A JP 2004084030 A JP2004084030 A JP 2004084030A JP 2004307330 A JP2004307330 A JP 2004307330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
temperature
corrected
molding
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004084030A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sakai
裕之 坂井
Shinichiro Hirota
慎一郎 広田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hoya Corp filed Critical Hoya Corp
Priority to JP2004084030A priority Critical patent/JP2004307330A/ja
Publication of JP2004307330A publication Critical patent/JP2004307330A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Landscapes

  • Lenses (AREA)

Abstract

【課題】良好な面精度を有する凹メニスカスガラスレンズを製造できる方法を提供すること。
【解決手段】成形型により加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凹メニスカスレンズを製造する方法。予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、上下型を冷却して暫定レンズを得、得られた暫定レンズの一方の面にクセがある場合、ガラス素材の温度、上型及び/又は下型の温度、上型及び/又は下型の冷却速度を補正して修正レンズを成形する。暫定レンズのプレス成形を、第一加圧及び第二加圧で行い、暫定レンズの一方の面にクセがある場合、第二加圧の荷重を補正して修正レンズを成形する。得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで、補正を繰り返す。
【選択図】

Description

本発明は、高精度なガラス光学素子を、研削研磨等の後加工なしに得る精密プレスの製造方法に係わり、特にメニスカスレンズを成形するのに好適な成形方法に関する。
本発明の属する、精密プレスの分野では、所定形状に精密に鏡面加工した成形型によって、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形し、その成形面をガラス素材に転写することによって、所定の面精度をもった光学素子を成形する。しかしながら、プレス成形によって成形面形状を転写したガラス素材は、その後離型に至るまでの冷却工程において、体積の収縮により、更には加圧時にかけられた物理的な力と冷却に起因して残留する応力の作用により、変形を生じる。変形を生じると、得られた光学素子は、クセなどが許容量を超えてしまう場合、所望の光学性能を満たさなくなる。
近年、デジタルカメラ及びビデオカメラの小型化・高性能化により精度の高い非球面レンズを大量に生産する必要性が高くなっている。特に、凹メニスカスレンズに対する要求が高い。しかしこれらのレンズの精密プレス成形は、両凸レンズなどに比べて難度が高く、良好な面精度を有するレンズを得ることができるプレス条件を見出すことが困難な場合が多く、所望の光学性能を満たすレンズの成形には大きな困難があった。
比較的口径の大きなレンズや凹面を有するレンズのプレス方法に関しては、例えば、特許文献1(特開平5−24857号公報)では、ガラスを変形可能な温度まで加熱軟化して、プレスした後、冷却を行い、冷却中に再度加圧を行う事により、冷却中に生ずる面精度の悪化を防止している。
また、特許文献2(特開平6−72726号公報)や特許文献3(特開平8−337426号公報)には、要求される面精度を達成するために、一定のクセが形成される成形条件を設定し、クセをキャンセルするような形状に加工された成形型を用いることが記載されている。
特開平5−24857号公報 特開平6−72726号公報 特開平8−337426号公報
しかしながら、凹メニスカスレンズのプレス成形の場合、特許文献1に記載のように冷却中に再度加圧をするだけでは、面精度が良好なレンズを得ることができない場合が多い。また、クセが形成される条件に応じて成形型を加工する場合、クセをキャンセルするような形状に成形型を加工するには、工数とコストが嵩み、生産性を下げることになり、好ましくない。
精密プレス成形法におけるガラスレンズの面精度の悪化が、プレス後の冷却中に生ずる変形に起因することは、上記従来例においても把握されていることである。しかし、凹メニスカスレンズについて、面精度の良いレンズをプレス成形するために、プレス成形から離型までの間に生じるガラスの変形をどのように制御すれば良いかは全く知られていない。例えば、図1のように、レンズの設計値(設計形状)に対して、成形されたレンズ(暫定レンズ形状)の曲率半径が、その径方向に変化することによってクセが生じ、所望の面精度が得られないことがある。その結果、従来例の手段を用いただけでは、面精度の良い凹メニスカスレンズを、思い通りに得ることはできなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、凹メニスカスレンズであっても、ガラス素材を型内でプレス成形した後、成形品の離型までの過程で生ずる面精度の悪化を制御して、良好な面精度を有するガラスレンズを製造できる方法を提供することにある。
本発明者は、メニスカスレンズのプレス成形に際し、種々の成形条件と、レンズの面精度の間の関係について、多角的に検討した。その結果、幾つかの成形条件とレンズの面精度、特に光軸を中心とした対称性の面精度異常(クセ)の間に密接な相関があり、この相関を利用することで、クセの発生を抑制して面精度を制御したレンズの作製が可能であることを見出し、本発明を完成した。
尚、本発明において「クセ」とは、上記のように「光軸を中心とした対称性の面精度異常」を意味する。
具体的には、レンズの面精度の1つであるクセを支配する成形条件として、
(1)ガラス素材加熱温度
(2)成形型加熱温度
(3)上下成形型間の温度差
(4)上下成形型間の冷却速度差
(5)2段階以上の加圧(第一加圧、第二加圧)を行う場合の、第二加圧荷重
の5つのパラメータが大きな影響をもたらすことを見出した。
高温でプレス成形されたレンズが冷却の過程で変形する際に、支配的な要素としては、熱収縮、及び応力があると考えられる。特に、ほぼ等方的に収縮がおきる両凸レンズなどとは異なり、凹メニスカスレンズにおいては、その形状に起因して熱収縮の生じ方は複雑である。
こうしたことに鑑み、本発明者らは、以下の1)〜3)がプレス後のレンズのクセの発生に支配的な要素であると考えた。
1)ガラス素材とそれが供給される成形型の温度との相互関係(特に型外でガラス素材を加熱する場合)
2)成形されたレンズの上下の冷却のバランス
3)成形形状を決定する、荷重のかかり方
上記要素に関連して、種々の成形条件について検討した結果、前記(1)〜(5)がレンズの面精度の1つであるクセを支配する条件であり、これらの条件を適宜コントロールすることで、凹メニスカスレンズであっても、面精度の高いレンズが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1) 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することにより、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
予熱した上下成形型の成形面間に、所定温度に加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、ガラス素材の温度を、前記所定温度よりも低く補正し、補正したガラス素材の温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、ガラス素材の温度を、前記所定温度よりも高く補正し、補正したガラス素材の温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正したガラス素材の温度を適用した条件で、本レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記ガラス素材の温度補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記製造方法(本発明の第1の態様)。
(2) 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
所定温度に予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、上下成形型の予熱温度を前記所定温度よりも低く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、上下成形型の予熱温度を前記所定温度よりも高く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記成形型温度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法(本発明の第2の態様)。
(3) 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
それぞれ所定温度に予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の予熱温度を低く補正し、又は第1面を成型する型の予熱温度を高く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の予熱温度を高く補正し、または第1面を成型する型の予熱温度を低く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記成形型温度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法(本発明の第3の態様)。
(4) 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、上下型をそれぞれ所定の冷却速度で冷却して暫定レンズを得、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の冷却速度を大きくする補正をし、又は第1面を成型する型の冷却速度を小さくする補正をし、補正した冷却速度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の冷却速度を小さくする補正をし、又は第1面を成型する型の冷却速度を大きくする補正をし、補正した冷却速度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した冷却速度を適用した条件で、本レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記冷却速度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法(本発明の第4の態様)。
(5) 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給して直ちに所定荷重の第一加圧を行い、冷却開始後に、第一加圧より小さな所定荷重によって第二加圧を行うことを含むプレス成形を行うことによって暫定レンズを得、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第二加圧の荷重を上記所定荷重に対して大きくする補正をし、補正した荷重を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第二加圧の荷重を上記所定荷重に対して小さくする補正をし、補正した荷重を適用した条件で、修正レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した荷重を適用した条件で、本レンズを成形し、
得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記荷重の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法(本発明の第5の態様)。
(6)凹メニスカスレンズの第1面に球面を有し、かつ得られた暫定レンズの第1面のクセを把握することにより、成形条件の補正を行うことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)前記凹メニスカスレンズが、第1面、又は第2面に非球面を有することを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の補正をひとつ、又は組み合わせて行うことにより、プレス成形の条件を適切に修正し、レンズのクセを修正することができる。これにより、面精度の良好な(例えばクセ1本以内の)レンズを得ることができる。また、最適なプレス条件に、多くの試行錯誤をすることなく、到達することができる。
特に、凹メニスカスレンズをいわゆる非等温プレスによって成形する際、本発明の補正と面精度の改善の相関が顕著であり、従って、成形した暫定レンズの形状のクセを把握することにより、本発明の補正条件をひとつ又は組み合わせて適用することによって、迅速に所望のレンズを成形する条件を知ることができる。結果として、生産効率高く、成形難度の高い形状のレンズを生産できる。
本発明の製造方法は、いずれも、対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法である。本発明の製造方法は、より具体的には、後述するように、(a)成形型予熱工程、(b)ガラス素材供給工程、(c)プレス成形工程、 (d)冷却・離型工程、及び(e)取り出し工程を含む。以下に、本発明の製造方法の5つの態様に共通する上記(a)〜(e)の各工程についてまず説明する。尚、本発明の製造方法は、下記のような成形工程に限定されるものではないが、(a)〜(e)の各工程を経るいわゆる非等温プレスにおいて、本発明の効果は顕著に現れる。
[工程の説明]
本発明においては、例えば以下のような成形工程を繰り返すことにより、連続的にガラスレンズなどの光学素子を成形する。
尚、後述するように、本発明の製造方法では、暫定レンズ、修正レンズ、及び本レンズ(本来の目的物であるガラス光学素子)の製造工程があるが、いずれの製造方法においても、条件の違いはあるが、以下の(a)〜(e)の各工程を経てレンズが製造される。
(a)成形型予熱工程
上下成形型を、加熱手段、例えば高周波誘導コイルなどにより、所定温度に予熱する。先立って行われたサイクルの(e)取り出し工程(後述)が行われた上下成形型は、レンズを離型して取出すために適した温度に冷却されているため、予熱工程において、プレス成形に適した所定温度まで加熱する。成形型の予熱温度は、例えば、ガラスの粘度に換算して108〜1012dPaS相当が好ましい。型の温度に関しても、過度に高温ではガラスの成形面への融着の問題があり、低温ではガラス素材の破壊の問題があるため、上記温度範囲であることが好ましい。このとき、上下成形型の温度設定値は、同一としてもよく、また成形されるレンズの形状や径などによっては温度差を設けてもよい。上下成形型温度の差に関しては、上下成形型間の温度差が大きくなりすぎると、上下面での収縮量の差が大きすぎ、他のパラメータによる修正が効かなくなるばかりでなく、上下型の膨張差により、プレス動作に支障をきたことがある。そのため、上下成形型の間に温度差を設ける場合には、60℃以内の差とすることが好ましい。
(b)ガラス素材供給工程
予熱された上下成形型間に、搬送されたガラス素材が供給され、下型上に配置される。ガラス素材は、予め適切な重量の所定形状に予備成形されたガラス素材(プリフォーム)を用い、成形に適した粘度まで軟化したものを供給することができる。あるいは、成形に適した粘度に相当する温度より低温のガラス素材を上下型間に供給し、上下型間で更に、成形に適した粘度まで加熱することもできる。予め、型の設定温度よりも高温に加熱し、軟化した状態のガラス素材を供給する場合に、本発明の効果がより顕著に得られる傾向がある。成形型に供給されるときのガラス素材の温度は、粘度で105.5〜1012dPaS相当であることが好ましい。これより低粘度(高温)では、冷却過程でのガラスの収縮量が大きく、良好な面精度を有するガラス成形品が得られなくばかりでなく、ガラス素材と型材との反応により融着が生じてしまうことがあるためである。逆にこれより高粘度(低温)では、プレスによるガラス素材の変形が困難となり、所定の肉厚までプレスできなくなるばかりか、ガラスや型が破壊してしまう場合がある。成形型に供給されるときのガラス素材の温度は、より好ましくは105.5〜108.5dPaS相当とすることができる。
軟化したガラス素材を搬送して下型上に配置するときに、ガラス素材が搬送部材に接触して、表面に欠陥が起きると、成形される光学素子の面形状に影響する。そのため、軟化したガラス素材は、例えば、気体により浮上させた状態で搬送し、下型成形面上にガラス素材を落下供給させる治具を用いることが好ましい。
(c)プレス成形工程
上下成形型とガラス素材がそれぞれ所定の温度範囲にあり、ガラス素材が加熱軟化した状態で、下型を上昇(又は上型を降下)させて加圧し、上下成形型の成形面を転写することによって、所定面形状をもった光学素子を成形する。下型の上昇は、駆動手段(例えばサーボモータ)を作動さることにより行い、下型を所定ストローク上昇させることでガラス素材を加圧する。予め加熱軟化したガラス素材が供給される場合には、供給後直ちに加圧が行われる。加圧のための下型のストロークは予め、成形する光学素子の肉厚から設定された値とし、冷却工程においてガラスが熱収縮する分を見込んで定めた量とすることが適当である。加圧のスケジュールは、成形する光学素子の形状や大きさに応じて任意に設定することができる。
本発明において、メニスカスレンズを成形する場合には、加圧スケジュールを2段以上の多段プレスとし、かつ加圧途中から冷却を開始することが、良好な面精度を得る上でより好ましい。例えば、上下型間にガラス素材を供給後直ちに所定荷重によって第一加圧した後、または第一加圧と同時に冷却を開始することができる。その後、第一加圧より小さい荷重による第二加圧を行っても良く、また、第一加圧の後、いったん荷重を減少し、又は開放し、所定の温度まで降温した後に再度加圧(第二加圧)を行うことができる。
第一加圧の荷重は、30〜300Kg/cm2であることがガラスの粘性および変形時の破壊防止の点から好ましい。第二加圧の荷重は、第一加圧より小さいことが好ましく、例えば、第一加圧荷重の10%〜80%であることができ、また第二加圧荷重は、 20〜150Kg/cm2である事が好ましい。この範囲とすることで、第二加圧の効果が良好に得られ、かつレンズが破壊する可能性もなく、好ましい。
第一加圧及び第二加圧は、例えば、以下のように行うことができる。
成形型にガラス素材を供給後、直ちにプレス荷重をかけて第一加圧を行い、ガラスを大きく変形させるとともに、所定の肉厚位置で型を停止させる。プレス開始と同時もしくは所定の肉厚位置に達した時点で冷却を開始し、所定の温度まで降温した時点まで型位置を維持する。これにより、ガラスにかかる荷重は実質的に減じられる。所定温度に到達したら、再度プレス荷重を上げ、第二加圧を行う。
(d)冷却・離型工程
上記のように適切な加圧スケジュールを施すとともに、成形された光学素子と成形型の密着を保ちつつ、ガラスの粘度で1012dPaS相当の温度になるまで冷却した後、プレス成形品を離型する。離型温度は、1012.5〜1013.5dPaS相当で行うことが好ましい。
成形型の冷却速度は、例えば、10〜400℃/minとすることができる。冷却速度が小さすぎると冷却時間が長くなりすぎ、製造効率を低下させ、冷却速度が大きすぎると、面精度の悪化およびカンワレを生ずる傾向がある。
また、上下成形型を異なる冷却速度で冷却することもでき、上下成形型間の冷却速度比は、例えば、1:4〜4:1の範囲内とすることが好ましい。冷却速度の比が4より大きくなると離型時の上下面の温度差が大きくなるため、レンズ内部に大きな歪を残し、離型後あるいは芯取加工時に破壊を生ずる可能性がある。更に好ましくは上下成形型間の冷却速度比は、1:1.5〜1.5:1であることが好ましい。
(e)取り出し工程
離型した後、下型成形面上のプレス成形品(光学素子)を、例えば、吸着部材を備えた取り出しアーム等により、自動取り出しを行うことができる。
以下に、本発明の製造方法の特徴である、面精度を制御するための方法について説明する。
(1)ガラス素材加熱温度の制御(第1の態様)
本発明の製造方法の第1の態様では、予熱した上下成形型の成形面間に、所定温度に加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得る。暫定レンズの製造は、上記(a)〜(e)の各工程を経て行われる。そして、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、ガラス素材の温度を、前記所定温度よりも低く補正し、補正したガラス素材の温度を適用した条件で、修正レンズを成形する。
尚、前述のように、本発明において「クセ」とは、「光軸を中心とした対称性の面精度異常」を意味するので、上記「周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセ」とは、中心部の曲率半径が周辺部の曲率半径よりも小さい、光軸を中心とした対称性の面精度異常」を意味する。
尚、本発明において、レンズの中心部とは、レンズの光軸近傍を意味し、レンズの周辺部とは、レンズの光学有効半径をrとしたとき、中心からr/3より外側で光学有効半径rの内側の部分とする。
本発明において、暫定レンズの、中心部および周辺部の曲率半径とは、以下のように求めることができる。まず、暫定レンズの球面および非球面の形状を測定する。測定は触針式形状測定器等を用いて行うことができる。
非球面形状は下記の非球面式で表すことができる。
X=(Y^2/R)/[1+[1-(1+K)(Y/R)^2]^0.5]+BY^4+CY^6+DY^8+EY^10
( K=B=C=D=E=0の場合は、球面となる場合である。)
一般に、上記式の各定数を定めることにより非球面式を規定することができる。レンズ設計時には、設計非球面式を規定する。
暫定レンズにつき、形状測定器での測定値を上記周辺領域と中心領域に分け、各々につきベストフィット非球面式、すなわち測定形状に近似する非球面式を求める。ここで、ベストフィット非球面式は、設計非球面式のR(近軸曲率半径)のみを変数として測定形状との差(例えば差のP-V値)が最小となるように近軸曲率半径(R0)を求めることにより得られる。このようにして中心領域で得られたベストフィット近軸曲率半径(R01)を中心部の曲率半径とし、また周辺領域で得られたベストフィット近軸曲率半径(R02)を周辺部の曲率半径と定義する。
ここで中心部と周辺部の曲率半径が有効径内で等しい場合にはクセは生じず、差がある場合にはクセとして現れることになる。従って中心部と周辺部の曲率半径の差を小さくすることは、クセを小さくすることと同義となる。
すなわち、本発明においては、このようにして得た中心部の曲率半径と、周辺部の曲率半径の関係を調べ、その大小関係に応じて、成形条件を補正するのである。
尚、本発明においては、暫定レンズの形状から上記手法で求まる中心部の曲率半径と、周辺部の曲率半径の関係が、所定の関係になっていたとき、即ち所定のクセを生じたときに、各々請求項で規定した成形条件の補正を行えばよい。換言すると、本発明は、成形条件の補正にあたって、上記手法によるR01、R02を求める工程を必須とするものではない。
また、球面レンズの場合には、上記のように触針式形状測定器を用いなくても、参照球面との間に生ずる干渉縞を用いることによって容易にクセの有無および中心部と周辺部の曲率半径の関係を調べることができる。すなわちフィゾー干渉計等を用いてレンズ中心部の干渉縞を平行直線状にした場合の読み値(曲率半径)と周辺部の干渉縞を平行直線状にした場合の読み値(曲率半径)を比較することで可能となる。
また、中心部と周辺部の曲率半径の関係と干渉縞で見られるクセの関係を図6に示す。
また、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、ガラス素材の温度を、前記所定温度よりも高く補正し、補正したガラス素材の温度を適用した条件で、修正レンズを成形する。
ガラス素材の温度の補正の程度は、暫定レンズのクセの程度により適宜決定できる。例えば、暫定レンズの第1面のクセを把握し、その本数に応じて、ガラス素材の温度の補正を行うことが好ましい。
このようにして得られた修正レンズのクセが、許容範囲内にある場合は、以後、前記補正したガラス素材の温度を適用した条件で、本レンズを成形する。しかし、第2面(又は第1面)のクセが許容範囲外の場合には、第2面の型形状の補正など付加的な補正を施すこともできる。
「クセが許容範囲内にある」とは、製造する凹メニスカスレンズのスペックに従って適宜決定されることであるが、例えば、「クセが許容範囲内にある」とは、修正レンズに観察されるクセがフィゾー干渉計によるニュートン1本以内であることができる。以下の態様においても、これらの点は同様である。
また、非球面の場合にはクセの大きさの指標としてベストフィットした非球面式と暫定レンズの測定形状との差の大きさ(例えばP-V値)を用い、許容範囲を設定することができる。
一方、得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記ガラス素材の温度補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返し、修正レンズのクセが許容範囲内になった場合に、それ以後、補正したガラス素材の温度を適用した条件で、本レンズを成形する。
尚、本明細書において本レンズとは、目的とする製品であるガラス光学素子であり、暫定レンズ及び修正レンズの成形を経て本レンズが得られる条件に達した後は、その条件で本レンズを繰り返し製造する。
暫定レンズ及び修正レンズの成形を経て本レンズが得られる条件に到達する方法は、発明者らが、プレス成形工程によってガラスレンズ等を製造する際、プレス開始時のガラス素材の設定温度が、成形される光学素子の面精度と強い相関をもつことを見出したことに基づく。
例えば、第1面、第2面ともに球面を有する凹メニスカスレンズの場合、いずれの面ともに、有効径内において曲率半径がレンズ中心から周辺部にわたって一定でなければならない。しかしながら、暫定的な成形条件によって成形されたレンズの、レンズ周辺部の曲率半径が、レンズ中心付近の曲率半径に比べて、小さいクセを生じることがある。このような場合に、ガラス素材の加熱温度を低くする補正をすることによって、均一な曲率半径を有するレンズを得ることができること、及び、逆に、暫定的レンズの、レンズ周辺部の曲率半径が、レンズ中心付近に比べて大きいクセを生じる場合には、ガラス素材の加熱温度を低い側に補正して、本レンズの成形条件を得ることができることを、本発明者らは見出した。具体的には、後述する実施例において示す。
こうした効果が得られる理由は、以下のように考えられる。プレス開始時のガラス素材の温度が高いと、プレス後の体積収縮率が大きくなる。レンズ中心付近に比べて周辺の方が肉厚である凹レンズでは、光軸方向の収縮量がレンズ中心より周辺部において大きいため、上下型からの圧力は中心部の方が周辺部より大きい。このため、周辺部は比較的自由に変形を生じることができ、レンズ周辺が中心に向かって収縮し変形することから、周辺部の曲率半径が小さくなる傾向があると考えられる。
(2)成形型加熱温度(第2の態様)
本発明の製造方法の第2の態様では、所定温度に予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得る。暫定レンズの製造は、上記(a)〜(e)の各工程を経て行われる。そして、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、上下成形型の予熱温度を前記所定温度よりも低く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形する。また、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、上下成形型の予熱温度を前記所定温度よりも高く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形する。
上下成形型の予熱温度の補正の程度は、暫定レンズのクセの程度により適宜決定できる。例えば、暫定レンズの第1面のクセを把握することにより、クセの本数に応じて、上下成形型の予熱温度の補正を行うことが好ましい。
このようにして得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形する。
一方、得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記成形型温度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返し、修正レンズのクセが許容範囲内になった場合に、それ以後、補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形する。
第1、第2面に球面をもつ凹メニスカスレンズでは、暫定的な成形条件によって成形された球面レンズ周辺部の曲率半径が、レンズの中心付近の曲率半径に比べて、小さいクセを生じる場合に、上下型の予熱温度を低い側に補正することによって、均一な曲率半径を有する本レンズを成形する条件を得ることができること、及び、逆に、暫定レンズの、レンズ周辺部の曲率半径が、中心付近に比べて大きいクセを生じる場合には、成形型温度を高い側に補正すればよいことを、本発明者らは見出した。具体的には、後述する実施例において示す。このような補正が可能な理由は、上記(1)の理由と同様にガラス素材の温度が高くなり収縮量が大きくなるためと考えられる。
(3)上下成形型間の温度差(第3の態様)
本発明の製造方法の第3の態様では、それぞれ所定温度に予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得る。暫定レンズの製造は、上記(a)〜(e)の各工程を経て行われる。そして、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の予熱温度を低く、又は第1面を成型する型の予熱温度を高く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形する。また、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の予熱温度を高く補正し、または第1面を成型する型の予熱温度を低く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形する。
成形型温度の補正の程度は、暫定レンズのクセの程度により適宜決定できる。例えば、暫定レンズの第1面のクセを把握することにより、クセの本数に応じて、成形型温度の補正を行うことができる。
このようにして得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形する。
一方、得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記成形型温度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返し、修正レンズのクセが許容範囲内になった場合に、それ以後、補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形する。
第1、第2面に球面をもつ凹メニスカスレンズでは、暫定的な成形条件によって成形されたレンズのレンズ周辺部の曲率半径が中心付近の曲率半径に比べて小さいクセを生じる場合に、第2面を成型する型の予熱温度を低い側に補正するか、又は第1面を成型する型の予熱温度を高い側に補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、面精度の良好な本レンズを成形することができること、及び、暫定レンズの、レンズ周辺部の曲率半径が、中心付近に比べて大きいクセを生じる場合には、上記と逆の補正をすればよいことを、本発明者らは見出した。具体的には、後述する実施例において示す。
上下型の温度設定については、相対的に温度の低い側からガラスが速く冷却されるため、早期に収縮が起き、流動性を失う。従って、例えば下型の温度が低いと、ガラスの下面(すなわち凸面)がまず流動性を失い、その後上面側の収縮が進行する。すると、下面周辺部には上方への引張り応力が生じ、周辺部の曲率半径が小さくなると考えられる。
(4)上下成形型間の冷却速度差(第4の態様)
本発明の第4の態様においては、予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、上下型をそれぞれ所定の冷却速度で冷却して暫定レンズを得る。暫定レンズの製造は、上記(a)〜(e)の各工程を経て行われる。
得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径より小さなクセが生じていたときには、第2面を成型する型の冷却速度を大きくする補正をし、又は第1面を成型する型の冷却速度を小さくする補正をし、補正した冷却速度を適用した条件で、修正レンズを成形する。上型の冷却速度及び下型の冷却速度の補正を同時に行うこともできる。
また、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の冷却速度を小さくする補正をし、又は第1面を成型する型の冷却速度を大きくする補正をし、補正した冷却速度を適用した条件で、修正レンズを成形する。この場合も、第2面を成型する型の冷却速度及び第1面を成型する型の冷却速度の補正を同時に行うこともできる。
冷却速度の補正の程度は、暫定レンズのクセの程度により適宜決定できる。例えば、暫定レンズの第1面のクセを把握することにより、クセの本数に応じて、冷却速度の補正を行うことができる。
このようにして得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した冷却速度を適用した条件で、本レンズを成形する。
一方、得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記冷却速度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返し、修正レンズのクセが許容範囲内になった場合に、それ以後、補正した冷却速度を適用した条件で、本レンズを成形する。
第1、第2面に球面をもつ凹メニスカスレンズでは、暫定的な成形条件によって成形されたレンズの周辺部の曲率半径がレンズの中心付近の曲率半径に比べて、小さいクセを生じる場合に、第2面を成型する型の冷却速度を大きい側に補正するか、又は、第1面を成型する型の冷却速度を小さい側に補正することによって、良好な本レンズを成形することができる。暫定レンズの、レンズ周辺部の曲率半径が、中心付近に比べて大きいクセを生じる場合には、上記と逆の補正をすればよいことを本発明者らは見出した。具体的には、後述する実施例において示す。
例えば、下型側の冷却速度を大きくすると、下型側のガラスの固化が先行し、その後上型側の収縮によって周辺部に引っ張り応力が生じ、周辺部の曲率半径が小さい側にシフトするために、上記曲率半径の修正が可能になるものと考えられる。
(5)2段階以上の加圧(第一加圧、第二加圧)を行う場合の、第二加圧荷重(第5の態様)
本発明の製造方法の第5の態様においては、予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給して直ちに所定荷重の第一加圧を行い、冷却開始後に、第一加圧より小さな所定荷重によって第二加圧を行うことを含むプレス成形を行うことによって暫定レンズを得る。暫定レンズの製造は、上記(a)〜(e)の各工程を経て行われる。
得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第二加圧の荷重を上記所定荷重に対して大きくする補正をし、補正した荷重を適用した条件で、修正レンズを成形する。また、得られた暫定レンズの第1面若しくは第2面の周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第二加圧の荷重を上記所定荷重に対して小さくする補正をし、補正した荷重を適用した条件で、修正レンズを成形する。
第二加圧の荷重の補正の程度は、暫定レンズのクセの程度により適宜決定できる。例えば、暫定レンズの第1面のクセを把握することにより、クセの本数に応じて、第二加圧の荷重の補正を行うことができる。
尚、荷重をかける時間は一定(変化させない)で、第二加圧の荷重を補正するのみで、補正することができる。
得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した第二加圧の荷重を適用した条件で、本レンズを成形する。また、得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記荷重の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返し、修正レンズのクセが許容範囲内になった場合に、それ以後、補正した荷重を適用した条件で、本レンズを成形する。
第1、第2面に球面をもつ凹メニスカスレンズでは、上記のような2段階プレスによって成形する場合、(即ち、予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給して直ちに所定荷重の第一加圧を行い、冷却を開始するとともに、型位置を保持することによって実質的に減圧したのち、第一加圧より小さな所定荷重によって第二加圧を行うことを含むプレス成形を行う場合)、得られた暫定レンズの周辺部の曲率半径がレンズ中心付近の曲率半径に比べて小さいクセを生じる場合に、第二加圧の荷重を上記所定荷重に対して大きい側に補正し、補正した荷重を適用した条件で、本レンズを成形することができること、及び暫定レンズの、レンズ周辺部の曲率半径が、レンズ中心付近に比べて大きいクセを生じる場合には、上記と逆の補正をすればよいことを、本発明者らは見出した。具体的には、後述する実施例において示す。
第一加圧の後、所定の降温を経た後に第二加圧を行うことは、プレス後のレンズの変形(反り)を修正する効果があり、特に、ガラスの熱膨張率が大きく減少するTg近くまで冷却されるまでに第二加圧を行うことは、レンズの面精度を向上させる大きな効果がある。このとき、第二加圧の荷重が小さいと、この効果が小さいために、レンズ周辺部の曲率半径が小さくなり、荷重を大きくすると、この曲率半径が大きくなる方向にシフトする。
以上で、第1面、第2面が球面であるレンズを例に説明したが、非球面レンズにおいても同様の傾向となるため、第1面及び第2面の一方または両方が非球面のレンズの場合も本発明の製造方法を適用して本レンズ(ガラス光学素子)を得ることができる。
第1面及び第2面の一方または両方が非球面のレンズの場合、例えば、暫定レンズの形状を触針式の形状測定装置によって測定し、この形状をもとに、設計形状を参照して補正方法を求めることができる。球面レンズの場合にも、形状測定装置による測定結果に基づいて補正方法を求めることができることはもちろんである。
すなわち、(1)において記載したのと同様、(2)〜(5)の態様においても、非球面レンズの中心部、及び周辺部の曲率半径が所定の関係にあることを把握することができる。すなわち、非球面レンズにおいては、設計非球面式中の近軸曲率半径(R)だけを変数として、非球面式による非球面形状と暫定レンズ(又は修正レンズ)形状との差(例えば差のP-V値)が最小となる近軸曲率半径(R0)を有するベストフィット非球面式を中心部および周辺部についてそれぞれ求め、中心部について得られたR01を中心部の曲率半径とし、周辺部について得られたR02を周辺部の曲率半径として中心部と周辺部の比較を行うことで、球面レンズと同様の手段を用いることによりクセの修正が可能となる。
尚、必要に応じて、本発明の方法を繰り返すことにより、最適なプレス条件を決定することができる。本発明の製造方法の第1〜第5の態様で示した、条件の2つ以上を組み合わせて補正することによっても、プレス成形の条件を適切に修正し、レンズのクセを修正することもできる。本発明の製造方法によれば、具体的には、クセ1本以内のレンズを成形することができる。
成形する所望のレンズの第1面、第2面の両方が球面の場合には、いずれかの面のクセは、フィゾー干渉計により干渉縞を得て、把握することができ、それにより成形条件を補正することができる。非球面においては、上記のように触針式の形状測定装置によって面形状を把握することができる。一方が球面であって、他方が非球面であるレンズの場合には、球面側のクセを把握し、そのクセが良化する補正を反映した成形条件を求めることが好ましい。非球面側のクセを把握し、そのクセが良化する補正を行っても良いが、その際に球面側のクセが悪化する場合に、球面側を型補正することによって非球面とする必要が生じるからである。
また、本発明の適用にあたって、クセを把握する面は、第1面、第2面のいずれでも良いが、第1面(凸面側)によって行う方が好ましい。凹面に比べて曲率半径が大きいためクセが比較的顕著に観察されるからである。
特に、レンズの第1面に球面を有する凹メニスカスレンズの場合、得られた暫定レンズの第1面のクセを把握することにより、成形条件の補正を行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
[実施例1] (ガラス素材温度によるクセの変化)
直径11mm 中心肉厚1.2mmの、第1、第2面が球面の凹メニスカスレンズを成形した。燐酸塩系ガラス素材(Tg:450 Ts:490℃)を直径10mm、体積420mm3の扁平球形状に予備成形しプリフォームとした。これを粘度が107〜109dPaSとなる種々の温度(550〜510℃)で加熱した後、ガラス粘度で109dPaSに相当する温度(510℃)およびガラス粘度で1010dPaSに相当する温度(490℃)に加熱した上下型間に供給し、ただちに下型を上昇させる事により上下型間でプリフォームをプレスした。プレス時の初期圧力は150Kg/cm2とし、プレス開始直後に冷却(上下型ともに冷却速度100℃/min)を開始した。加圧代を100μm残した位置で下型を停止させ維持することにより、ガラスへの荷重を実質的に減少させた。Tg+15℃まで降温したときに、第二加圧を行い、Tg-20℃にて離型した。第二加圧は80Kg/cm2とした。
図2に各温度で得られたレンズの球面形状(凸面側)を干渉計で評価した結果を示す。これより、プリフォーム温度が高い場合には面形状は周辺部の曲率半径が中心部に比べて小さくなり、逆に温度が低くなるに従って周辺部の曲率半径が大きくなる方向へ変化した。
図2において、Case A(型温度:510℃)の場合は、プリフォームの予熱温度を下げると共に、レンズの面精度が良化し、Case B(型温度:470℃)においては、プリフォームの予熱温度を上げると共に、レンズの面精度が良化していることがわかる。尚、図6に代表的なクセのタイプの干渉計写真と中心部に対する周辺部の曲率半径の大小関係を参考として示す。
[実施例2] (型温度によるクセの変化)
実施例1と同様のプリフォームおよび成形型を用い、ガラスの粘度が107dPaSとなる温度(550℃)でプリフォームを加熱した後、ガラス粘度として109〜1011dPaSに相当する温度(470〜510℃)に加熱した下型に供給し、直ちに下型を上昇させる事により上下型間でプリフォームをプレスした。プレス圧、プレススケジュールは実施例1と同様にした。尚、上下型温度は同一とし、冷却速度は、上下型ともに100℃/min、第2加圧は460℃とした。図3に示した様に、型温度が高い場合には面形状は周辺部の曲率半径が中心部に比べて小さくなり、逆に温度が低くなるに従って周辺部の曲率半径が大きくなる方向へ変化した。
[実施例3] (上下型温度差および冷却速度差によるクセの変化)
実施例1と同様のプリフォームおよび成形型を用い、プリフォームをガラス粘度で107dPaS相当の温度(550℃)で加熱した後、ガラス粘度として109〜1011dPaSに相当する温度(490〜505℃)に加熱した下型(第1面を成型する型)に供給し、すぐに下型を上昇させる事により490℃に加熱した上型(第2面を成型する型)との間でプリフォームをプレスした。プレススケジュールは実施例1と同様としたが、プレス後の冷却速度は上型を80℃/minとし、下型は75〜105℃/minとして変化させた。
図4に示した様に、プレス開始時の下型温度を上型に対して相対的に低下させると面形状は周辺部の曲率半径が中心部に比べて小さく、逆に温度が高くなるに従って周辺部の曲率半径が大きくなる傾向が見られる。また、下型冷却速度を低下させると面形状は周辺部の曲率半径が中心部に比べて大きく、逆に冷却速度が大きくなるに従って周辺部の曲率半径が小さくなる方向へ変化した。
2つのパラメータを変化させた場合、良好な面が得られる条件は1つではなく、その組み合わせによって複数存在する。
また、下型の温度および下型の冷却速度を固定し、上型の温度および上型の冷却速度を変化させた場合には、上型温度を低下させると面形状は周辺部の曲率半径が中心部に比べて大きく、逆に温度が低くなるに従って周辺部の曲率半径が小さくなる傾向が見られ、上型冷却速度を低下させると面形状は周辺部の曲率半径が中心部に比べて小さく、逆に冷却速度が大きくなるに従って周辺部の曲率半径が大きくなる方向へ変化する。
[実施例4] (第二加圧荷重によるクセの変化)
実施例1と同様のプリフォームおよび成形型を用い、ガラスの粘度が107dPaSとなる温度(550℃)でプリフォームを加熱した後、硝子の粘度として1010dPaSに相当する温度(490℃)に加熱した下型(第1面を成型する型)に供給し、すぐに下型を上昇させる事により495℃に加熱した上型(第2面を成型する型)との間でプリフォームをプレスした。第二加圧は、470℃において図5に示す荷重にて行った。
図5に示した様に、第二加圧の荷重が大きくなるに従って面形状は中心部に比べて周辺部の曲率半径が大きくなる傾向が見られる。また、第二加圧の荷重を低下させると周辺部の曲率半径が小さくなる方向へ変化した。
[実施例5]
バリウムホウ珪酸ガラス素材(Tg:514℃、Ts:545℃)を615℃に加熱した後590℃に加熱した下型(第1面成形用球面型)に落下供給し、同温度に加熱した上型(第2面成型用非球面型)との間でプレス成型を行った。プレスと同時に冷却を開始し540℃で第二加圧を行い、495℃にてプレスを終了してレンズを取り出した。この際、冷却時の上下型の冷却速度を変化させた。このようにして得たレンズの第2面の中心部と周辺部の近軸曲率半径をベストフィットにより求め、非球面のクセを調べた結果を表1に示す。これより下型の冷却速度を速くすることにより第2面のクセは周辺部の曲率半径が相対的に小さくなる方向に変化し、上型の冷却速度を速くする事により、周辺部の曲率半径が大きくなることが確認された。
また有効径全域でのベストフィットを行った場合のP-V値より、中心部と周辺部のRの差が小さくなるに従ってクセは小さくなっていることが確認された。
Figure 2004307330
非球面レンズにおける、設計曲面に対する実際のレンズ曲面の変位の関係の説明図。 ガラス素材温度の変化によるレンズのクセの変化を示すフィゾー干渉計の干渉縞の写真。 型温度の変化によるレンズのクセの変化を示すフィゾー干渉計の干渉縞の写真。 上下型温度差および冷却速度差型温度の変化によるレンズのクセの変化を示すフィゾー干渉計の干渉縞の写真。 第二加圧荷重の変化によるレンズのクセの変化を示すフィゾー干渉計の干渉縞の写真。 代表的なクセのタイプを示す。

Claims (7)

  1. 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することにより、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
    予熱した上下成形型の成形面間に、所定温度に加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、ガラス素材の温度を、前記所定温度よりも低く補正し、補正したガラス素材の温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、ガラス素材の温度を、前記所定温度よりも高く補正し、補正したガラス素材の温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正したガラス素材の温度を適用した条件で、本レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記ガラス素材の温度補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記製造方法。
  2. 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
    所定温度に予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、上下成形型の予熱温度を前記所定温度よりも低く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、上下成形型の予熱温度を前記所定温度よりも高く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記成形型温度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法。
  3. 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
    それぞれ所定温度に予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、暫定レンズを得、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の予熱温度を低く補正し、又は第1面を成型する型の予熱温度を高く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の予熱温度を高く補正し、または第1面を成型する型の予熱温度を低く補正し、補正した成形型温度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した成形型温度を適用した条件で、本レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記成形型温度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法。
  4. 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
    予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給してプレス成形し、上下型をそれぞれ所定の冷却速度で冷却して暫定レンズを得、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の冷却速度を大きくする補正をし、又は第1面を成型する型の冷却速度を小さくする補正をし、補正した冷却速度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第2面を成型する型の冷却速度を小さくする補正をし、又は第1面を成型する型の冷却速度を大きくする補正をし、補正した冷却速度を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した冷却速度を適用した条件で、本レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記冷却速度の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法。
  5. 対向する成形面を有する上下一対の成形型により、加熱軟化した状態のガラス素材をプレス成形することを含む、凸面形状を含む第1面及び凹面形状を含む第2面を有する、凹メニスカスレンズを製造する方法であって、
    予熱した上下成形型の成形面間に、加熱したガラス素材を供給して直ちに所定荷重の第一加圧を行い、冷却開始後に、第一加圧より小さな所定荷重によって第二加圧を行うことを含むプレス成形を行うことによって暫定レンズを得、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも小さいクセが生じていたときには、第二加圧の荷重を上記所定荷重に対して大きくする補正をし、補正した荷重を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた前記暫定レンズの第1面若しくは第2面の、周辺部の曲率半径が、中心部の曲率半径よりも大きいクセが生じていたときには、第二加圧の荷重を上記所定荷重に対して小さくする補正をし、補正した荷重を適用した条件で、修正レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲内にある場合は、以後、前記補正した荷重を適用した条件で、本レンズを成形し、
    得られた修正レンズのクセが許容範囲外にある場合は、前記荷重の補正と修正レンズの成形とを、得られた修正レンズのクセが許容範囲内になるまで繰り返すことを特徴とする、前記方法。
  6. 凹メニスカスレンズの第1面に球面を有し、かつ得られた暫定レンズの第1面のクセを把握することにより、成形条件の補正を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記凹メニスカスレンズが、第1面、又は第2面に非球面を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
JP2004084030A 2003-03-26 2004-03-23 レンズの製造方法 Pending JP2004307330A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004084030A JP2004307330A (ja) 2003-03-26 2004-03-23 レンズの製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003085350 2003-03-26
JP2004084030A JP2004307330A (ja) 2003-03-26 2004-03-23 レンズの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004307330A true JP2004307330A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33478296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004084030A Pending JP2004307330A (ja) 2003-03-26 2004-03-23 レンズの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004307330A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009046362A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Fujinon Corp 光学素子成形方法および光学素子
JP2010241614A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Konica Minolta Opto Inc ガラス成形体の製造方法
WO2016068297A1 (ja) * 2014-10-30 2016-05-06 住友電気工業株式会社 レンズおよび光学部品
CN114772905A (zh) * 2022-04-29 2022-07-22 安徽光智科技有限公司 非球面精密模压镜片面型的调节方法
CN115504656A (zh) * 2022-10-28 2022-12-23 上海毫米星光光学有限公司 一种低成本压型模具的制备方法及透镜的制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009046362A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Fujinon Corp 光学素子成形方法および光学素子
JP2010241614A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Konica Minolta Opto Inc ガラス成形体の製造方法
WO2016068297A1 (ja) * 2014-10-30 2016-05-06 住友電気工業株式会社 レンズおよび光学部品
JPWO2016068297A1 (ja) * 2014-10-30 2017-08-17 住友電気工業株式会社 レンズおよび光学部品
CN107111005A (zh) * 2014-10-30 2017-08-29 住友电气工业株式会社 透镜和光学部件
CN114772905A (zh) * 2022-04-29 2022-07-22 安徽光智科技有限公司 非球面精密模压镜片面型的调节方法
CN114772905B (zh) * 2022-04-29 2023-09-01 安徽光智科技有限公司 非球面精密模压镜片面型的调节方法
CN115504656A (zh) * 2022-10-28 2022-12-23 上海毫米星光光学有限公司 一种低成本压型模具的制备方法及透镜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4677279B2 (ja) 成形体の製造方法
US20050011227A1 (en) Method of preparation of lens
JP2004307330A (ja) レンズの製造方法
CN112218832B (zh) 玻璃透镜成型模具
JP2011105559A (ja) 光学素子用成形型及び光学素子の成形方法
JP4559784B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP4223967B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
JPH09249424A (ja) 光学素子の成形法
JP2000095532A (ja) プレス成形光学素子とその製造方法と光学素子プレス成形用型および光学素子プレス成形装置
US6766661B2 (en) Method of manufacturing glass optical elements
JP3825978B2 (ja) 光学素子の成形方法
JP4473692B2 (ja) 成形品の製造方法
JP3681114B2 (ja) ガラス光学素子の製造方法
JP2005281053A (ja) モールドプレス用成形装置、光学素子の製造方法及び光学素子
JP3155395B2 (ja) 光学ガラス素子の成形方法および成形装置
JP5100790B2 (ja) 光学素子の製造方法
JP2016124767A (ja) 光学素子の製造方法
JPH0455134B2 (ja)
JP2002145631A (ja) ガラスレンズの成形方法
JP5867260B2 (ja) 光学素子用成形型及び光学素子の成形方法
JP2005001966A (ja) 光学素子の成形方法
JP2005320243A (ja) ガラス光学素子の製造方法
CN115259635A (zh) 一种玻璃透镜模压成形方法
JP2011184249A (ja) 光学素子用成形型及び光学素子の成形方法
JP2007031222A (ja) モールドプレス成形装置、及び成形体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071219

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20071228

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20080208