JP4677279B2 - 成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学ガラス等の成形材料からプレス成形により成形体を得る成形体の製造方法、および前記製造方法に使用され得る成形中間体の製造方法に関する。特に、本発明は、精密加工を施した成形型を用いてプレス成形し、プレス成形後に被転写面の研磨等の後加工を必要とせず、光学素子等の成形体を製造する製造方法に関する。特に、凹面を有する光学素子の製造方法に関する。
ガラス成形素材からプレス成形により成形体を得る方法として、例えば、特許文献1〜4に記載の方法が知られている。
特許文献1には、溶融ガラスを、凹面状の第1型(受け型)で受け、ガラス塊を中心に位置付けてから、第2型(上型)でプレスし、中間成形体を成形し、更に、中間成形体を第2型に付着させた状態で中間成形体を第1型から離型させ、第2型に付着した中間成形体を第3型(下型)との間でプレス成形する、光学素子の成形方法が開示されている。
特許文献2には、押圧成形後の光学部品の体積と同一量の塊状部材を、流動状態から滴下することによって作製し、これを平面型によって略円盤状に押圧成形する、光学素材の製造方法が開示されている。
特許文献3には、溶融ガラスを自然滴下させ、気体を噴出する下型を降下させながらこれを受け、成形型に受けたガラス塊の上面を所定形状の上型で加圧し、精密プレスレンズ形状に近似した予備成形体を成形する方法が開示されている。
特許文献4には、レンズを成形する場合のガラスゴブの変形量が大きいことによる型の耐久性の低減や、型の中心部のダメージを解決することを目的とし、溶融ガラスを受け型で受け、受け型に堆積されたガラスゴブの一面に、最終成形品の凹型または凸形状の窪みまたは隆起を形成する方法が記載されている。
特開平7−69650号公報 特開2000−281360号公報 特開平9−52720号公報 特開平9−12318号公報
前述のように、特許文献1に記載された製造方法では、溶融ガラスを、凹面状の第1型(受け型)で受け、第2型(上型)でプレスして中間成形体を成形した後、中間成形体を第2型に付着させた状態で第1型を退避させ、第3型を用いてプレス成形している。特許文献1には、この方法によれば、溶融ガラスが中心から外れた位置に落下しても、偏肉しにくいと記載されている。
しかしながら、溶融ガラスを受け型に落下する際には、落下距離を非常に大きくするなど落下途中のガラスの急速な降温を工夫しない限り、溶融ガラスを予備成形に適切な粘度に調整できない。即ち落下直後に粘度の低い溶融ガラスが受け型内に広がり、または融着し、成形中間体としての所望の形状に予備成形され得ない。
更に、特許文献1に記載の方法では、溶融ガラスを受け型上に流出し、受け型を下降させて溶融ガラス塊を得ている。このサイクルはプレス成形と同期していなければ実機での生産においては不都合である。しかし、本発明者らの知見によれば、ガラス塊の体積を一定にするためには溶融ガラスの流出速度には限度があり、過度に遅くすることは困難である。特許文献1に記載の方法では、プレス成形には複数工程(第2の型によるプレス、第2の型の搬出、第3の型を用いたプレス、冷却等)を要するため、プレス成形との同期は困難である。
また、通常、成形型表面はガラスとの融着を防止するために、離型性のよいコーティング等を施すことが有利である。しかし、特許文献1に記載の方法では、ガラスを第2型に安定に付着させるために、離型性を高めることができず、高温の溶融ガラスとの密着による融着を防止できない。
また、特許文献2に記載の方法でも、流動状態のガラスを滴下する際、上述のように、所望の予備成形形状になりにくいという問題がある。また、特許文献2には、平面型によって成形素材を略円盤状にし、または、両凹レンズ状の形状に押圧成形して成形素材としても良いとの記載がある。しかし、後者の場合、凸曲面に覆われた塊状光学素材に対し、凸型で押圧成形しようとすれば、塊状光学素材が成形面上から逃げてしまい、素材の正確な位置に形状を転写することはきわめて困難である。
特許文献3には、特許文献3に記載の方法によれば、精密ガラス成形によって成形される最終形状に近い形状の予備成形体が得られると記載されている。しかしながら、この方法では、気体を噴出する下型上でガラス塊を加圧するため、加圧時にガラス塊が気体の層上に浮上した状態で移動しやすく、芯出しがしにくい、つまり、加圧位置が中心に対して不正確になりやすい。
特許文献4に記載された方法でも、溶融ガラスを坩堝から滴下し、所定量のガラスを受けた段階で分離し、その後押し型でプレス成形し、所望形状のガラスゴブを得ている。しかし、この方法も、上記と同様、所望形状の成形品を得ることは困難であり、またその後プレス成形型にプレス成形を行うこととの同期も問題となる。
ところで、精密モールドプレスによってガラス光学素子等の成形体をプレス成形する際には、成形時の成形型、および被成形体(ノズルから滴下されたガラス塊や所定体積に予備成形された予備成形体等)の温度を極めて精緻に管理する必要がある。これは、個々の硝材、および個々の所望形状に適合したプレス荷重を、被成形体が適切な粘度域にあるとき、均一に与える必要があるためである。例えば被成形体が成形型中心からずれた位置にあるときに荷重を受けると偏肉によって、得られる成形体の外観不良が生じる。更に、偏肉した状態で荷重を与えると、部位による荷重の不均一によって面精度が劣化するという問題が生じる。特に、メニスカスレンズや両凹レンズなど、凹面を有する成形体を得る場合には、荷重不均一による面精度の劣化(球面成形後に干渉計で評価することができる)が極めて敏感に生じる。
ところが、例えば凸曲面に覆われた被成形体に対し、凸面型を有する上型を接近させ、接触させると、凸面同士が当たり、滑りによって被成形体が接触した成形面から逃げてしまうことがある。これにより、被成形体が成形型内で偏在したままプレス成形され、上記のような偏肉および面精度劣化が生じることとなる。
本発明者らの検討によると、軟化した状態の被成形体(例えばガラス粘度で106〜108.5dPa・sの範囲内であるガラスプリフォーム)を、該被成形体温度より若干低温に加熱した成形型に供給し、直ちにプレス成形を行った後、成形型と成形体の密着を維持して冷却すると、成形サイクルタイムが短縮できるとともに、良好な肉厚精度、面精度が得られやすい。以下、この方法を、成形方法Aという。
または、被成形体を収容した状態の成形型を、プレス成形温度(例えば被成形体の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度)に加熱して、プレス成形を行い、成形型と成形体の密着を維持して冷却すると、良好な肉厚精度、面精度が得られやすい。以下、この方法を、成形方法Bという。
しかしながら、本発明者らの更なる検討によると、近年要求される成形難度の高い面形状の成形体を得るためには、上記方法は必ずしも十分ではない。特に、高屈折硝材の開発によって小型光学機器に実用化可能となった、肉厚の小さいレンズ(例えば中心肉厚1mm以下の凹メニスカスレンズ、両凹レンズ)においては、プレス成形時の上下型温度が比較的高いと、面精度の劣化が敏感に現われることが判明した。むしろ、プレス成形時の上下型温度を、被成形素材の粘度が107.5〜1011dPa・s程度となる温度とすると、より高い面精度が得られやすい、すなわち、不規則な面形状の変位がなく、設計値からの曲率の変動が小さい(アス、クセが抑制できる)ことが判明した。
しかし、プレス成形時の上下型温度を上記範囲に設定しても、得ようとする成形体形状によっては、被成形素材の凸曲面と凸形状の上型成形面との間の滑りが生じやすく、被成形体の逃げ、偏肉を防止することが困難な場合がある。
そこで、被成形体と上型成形面が当接したときに、被成形体が逃げないように上下の型温度を上げた(例えば被成形体の粘度が106〜108.5dPa・sになる温度に上下型を昇温した)ところ、偏肉は生じなかった。しかし、成形された凹メニスカスレンズ、および両凹レンズの面精度は十分ではなかった。すなわち、上型成形面と被成形体の形状によっては、偏肉を生じさせない温度域と、面精度が得られる温度域が互いに異なる場合がある。
一方、プレス成形によって両凹レンズを得るにあたっては、凸成形面を有する下型面上に被成形体を配置する必要がある。しかし、このときにも下型成形面と、被成形体の中心位置がずれやすく、偏肉が生じることによって、成形体の外観不良、面精度不良が生じやすい。
また、主として、上記成形方法Bにおいて、型内に配置した被成形体が、急激な搬送や停止によって、型の搬送途中において、型の中心位置からずれる場合があり、そのようなときには、やはり偏肉、面精度不良が避けられない。
かかる状況下、本発明は、良好な面精度を有する成形体、特に光学素子を得るための手段を提供することを目的としてなされたものである。特に、本発明は、面精度が良好なメニスカスレンズ(特に成形難度の高い凹メニスカスレンズ)および両凹レンズを得るための手段を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段は、以下の通りである。
[1] 成形材料を予備成形することにより得られた予備成形体を、加熱により軟化した後に、第一上型と第一下型とを有する第一の成形型内で予備加圧することにより成形中間体を得、得られた成形中間体を、前記第一の上型とは異なる第二上型と前記第一の下型とは異なる第二下型とを有する第二の成形型内で本加圧することにより所望の形状の成形体を得る成形体の製造方法において、
前記第一上型は、凸面を含む成形面を有し、
前記第二上型は、前記第一上型の成形面の曲率半径よりも小さな曲率半径をもつ凸面または前記第一上型の成形面の近軸曲率半径よりも小さな近軸曲率半径をもつ凸面を含む成形面を有し、
前記予備加圧は、前記軟化された予備成形体を前記第一下型上に配置した後、第一温度に加熱された前記第一上型の成形面を、前記予備成形体に接触させて加圧することにより行われ、該予備加圧により、前記成形面の凸面形状の少なくとも一部が表面に転写された凹形状を有する成形中間体を得、かつ、
前記本加圧は、前記第一温度より低い第二温度にある第二上型と前記第二下型によって、前記第二下型上の成形中間体の凹形状部分に前記第二上型の成形面を押圧してプレス成形することにより行われることを特徴とする成形体の製造方法。
[2] 前記第一温度は、前記成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度であることを特徴とする[1]に記載の成形体の製造方法。
[3] 前記第二温度は、前記成形材料の粘度が107.5〜1011dPa・sとなる温度であることを特徴とする[1]または[2]に記載の成形体の製造方法。
[4] 前記軟化された予備成形体の粘度は、106〜108.5dPa・sの範囲であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[5] 前記予備加圧は、前記成形中間体の中心肉厚が、所望の成形体形状の中心肉厚の110%以上であるときに終了することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[6] 前記予備加圧時における第一下型の下型温度は、前記成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[7] 前記本加圧は、第二上型および第二下型の温度が、前記成形材料の粘度が107.5〜1011dPa・sとなる温度であるときに行う第一加圧を含むことを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の成形体の製造方法。
[8] 前記第一加圧開始後に、第二上型および第二下型の温度を、前記成形材料の粘度が1011〜1013dPa・sになる温度に降温し、次いで第一加圧より小さい荷重を適用した第二加圧を行うことを特徴とする[7]に記載の成形体の製造方法
9] 前記予備成形体の第一上型と接触する面は凸曲面である[1]〜[]のいずれかに記載の成形体の製造方法
本発明によれば、面精度が良好なメニスカスレンズ(特に成形難度の高い凹メニスカスレンズ)および両凹レンズを得ることができる。
以下、本発明について更に詳細に説明する。

[成形体の製造方法I]
本発明の第一の成形体の製造方法は、
成形材料を予備成形することにより得られた予備成形体を、加熱により軟化した後に、第一上型と下型とを有する成形型内で予備加圧することにより成形中間体を得、得られた成形中間体を、第二上型と前記下型とを有する成形型内で本加圧することにより所望の形状の成形体を得る成形体の製造方法において、
前記第一上型および第二上型は、凸面を含む成形面を有し、
前記予備加圧は、前記軟化された予備成形体を下型上に配置した後、第一温度に加熱された第一上型の成形面を、前記予備成形体に接触させて加圧することにより行われ、該予備加圧により、前記成形面の凸面形状の少なくとも一部が表面に転写された成形中間体を得、かつ、
前記本加圧は、前記第一温度より低い第二温度にある第二上型と前記下型によって、前記下型上の成形中間体をプレス成形することにより行われることを特徴とする成形体の製造方法
である。以下、上記方法を、方法Iともいう。
方法Iでは、成形材料を予備成形して予備成形体を得、この予備成形体を加熱により軟化した後に、予備加圧、次いで本加圧を行うことにより、所望の形状の成形体を得る。以下、上記予備成形体、予備加圧、本加圧について順次説明する。なお、本発明において、所定温度における成形材料(ガラス等)の粘度、予備成形体の粘度、成形中間体の粘度は、同一とみなすものとする。
予備成形体
方法Iでは、成形材料を予備成形して予備成形体を得、次いで、この予備成形体を加熱により軟化した後に、予備加圧を行う。前記成形材料は、例えば光学ガラスからなるものであることができる。前記成形材料がガラスからなるものである場合、その硝種は、特に限定されないが、方法Iは、高屈折率硝材から薄肉レンズを製造する際に好適に用いることができる。前述のように、特に、高屈折率硝材により薄肉レンズの適用範囲が広がったが、これらを製造する際には、高い面精度を達成することが困難である。それに対し、方法Iによれば、後述のように予備加圧を行い成形中間体を経て成形体を得ることにより、高屈折率硝材からであっても、高い面精度を有する薄肉レンズを製造することができる。
方法Iに好適な硝種としては、以下のものを例示できる。
(1)必須成分として、P25、Nb25、WO3、TiO2、Bi23、Li2O、Na2Oを含有し、Nb25、WO3、TiO2、Bi23の合計量が25〜45モル%のもの;
(2)上記(1)であって、かつP25が16〜30モル%のもの;
(3)上記(1)または(2)であって、屈折率ndが1.75〜2.0、アッベ数νdが18〜30であるもの;
(4)必須成分として、P25、SiO2、およびアルカリ金属酸化物を含み、屈折率ndが1.8以上、アッベ数νdが30以下のもの;
(5)必須成分として、B23が25〜45モル%、SiO2が2〜20モル%、La23が5〜22モル%、ZnOが15〜29モル%であるもの;
(6)上記(5)であって、屈折率ndが1.75〜1.85、アッベ数νdが18〜30であるもの;
(7)必須成分として、B23、La23、Gd23、ZnOを含み、屈折率ndが1.82超、アッベ数νdが40未満であるもの。
方法Iでは、前記成形材料を予め所定体積に予備成形して予備成形体を得る。前記予備成形体としては、特に制限はなく、例えば、溶融固化、または研磨によって予備成形したガラスプリフォームを用いることができる。特に、溶融ガラスを滴下、または流下して、適切な曲率の受け型に受け、予備成形して冷却固化したものを用いることができる。受け型との接触による融着や変形を防ぎ、所望の予備成形形状とするためにガラス粘度を調整し、受け型の受け面から気流を噴出し、実質的に、受けたガラス塊が非接触状態で冷却される予備成形装置を用いることがより好ましい。予備成形体の形状としては、球、または両凸曲面形状など、凸曲面に覆われた形状を挙げることができる。上記形状は、欠陥のない曲面を有するため、後に行われるプレス成形において面精度の高い成形体を形成することができるとともに、生産性が高く、有利である。尚、こうした平滑な曲面に覆われた高精度な予備成形体(例えばガラスプリフォーム)では、本発明の課題である、滑り、偏肉が生じやすいのであるが、本発明によってこの課題が解決される。
次いで、こうして得られた予備成形体を、加熱により軟化する。方法Iでは、溶融状態から滴下したガラス塊をそのまま用いるのではなく、予め所定体積に成形した予備成形体を再加熱(リヒート)して用いる。これは、滴下したガラス塊を用いて成形中間体を作製する場合に比べ、後述する適切な粘度域への調整が自由に簡便に行える点で有利である。予備成体形状や、得ようとする光学素子形状によって適切な粘度は後述の粘度範囲内で相違するが、そのような粘度調整を、溶融ガラスの落下距離を変動させるなどの煩雑な操作なしに、的確に行うことができる。更に、滴下とマーキング(以下、上型の成形面形状の少なくとも一部を予備成形体表面に転写することをマーキングという)のタイミングの同期を計る必要がなく、また、リヒートされた予備成形体は、溶融状態から滴下されたものとは異なり、表面温度が内部より高いので、表面へのマーキングがしやすい上に、冷却時にはマーキングされた表面部分から降温、固化するために、形状が迅速に得られ、好都合である。
前記加熱は、後述する予備加圧に用いる成形型内に予備成形体を配置し、該成形型を加熱することにより行うことができる。また、予備加圧用成形型の外で予備成形体を加熱、軟化した後、軟化された予備成形体を予備加圧用成形型に配置してもよい。前記加熱は、成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sになるように行うことが好ましく、107〜108dPa・sになるように行うことがより好ましい。上記範囲の粘度を有する予備成形体は、搬送治具上で変形しやすく、また、搬送治具との接触面での融着を起こしやすい。よって、予備加圧用成形型外で予備成形体の加熱、軟化を行う場合には、気流を噴出する浮上皿状の搬送治具によって搬送し、治具を下型上方位置に移送した状態で開閉作業をするなどして、軟化された予備成形体を、治具と実質的に非接触状態のまま、下型に落下供給することが好ましい。
予備成形体が球形状であれば、下型成形面の形状によっては、下型上に配置されたガラス素材は、自動的に中心位置に移動することができる。しかしながら、下型中心位置に予備成形体を確実に配置するためには、下型に置かれた予備成形体の位置修正を行うことが好ましい。例えば、下型上の予備成形体を開閉可能なガイド部材によって、中心位置に位置修正することが有効である。そのような位置修正手段の具体例を、図1に示す。図1に示す位置修正手段は、開閉可能な位置決めブロック11、12を含む。位置決めブロック11、12は、当接すると菱形の開口部10が形成され、その開口部10内周面において、下型に供給された予備成形体の外周に接する構造になっている。この位置修正手段を開放状態で下型上に配置し、下型に予備成形体が供給された後に、位置決めブロックの接近、離間を行う(例えば数回繰り返す)ことにより、予備成形体を下型中心位置に確実に配置することができる。特に、予備成形体が、扁平な両凸曲面形状である場合、下型が平面、または曲率半径の大きい凹面である場合などには、このような位置修正を行うことが好ましい。位置修正手段の詳細については、特開2003−104741号公報を参照することができる。
予備加圧
方法Iでは、前述のように加熱軟化された予備成形体に対して予備加圧を行う。予備加圧において使用される成形型は、第一上型と下型を有し、前記第一上型は、凸面を含む成形面を有する。前記下型は、第一上型の成形面と対向する成形面を有する。
予備加圧は、下型中心に予備成形体を配置した後、直ちに上型を下降させ(または下型を上昇させ)、第一温度に加熱された第一上型の成形面を予備成形体に接触させて加圧することにより行うことができる。これにより、前記第一上型の成形面の凸面形状の少なくとも一部が表面に転写された成形中間体が得られる。後述するように、方法Iでは、この成形中間体を、凸面を含む成形面を有する第二上型を用いる本加圧に付すことにより、所望の形状の成形体を得る。前述のように、成形中間体の表面には第一上型の凸面形状の少なくとも一部が転写され、凹形状(マーキング)が形成されている。凸面を含む成形面を有する第二上型によって加圧する際に、この凹形状によって中心の位置決めを行うことができるため、成形中間体の滑りを防止することができ、肉厚精度、面精度が良好な成形体を得ることができる。特に、前記第一上型と接触する面が凸曲面である予備成形体は滑りや偏肉を生じやすいため、方法Iの適用が有効である。
なお、予備加圧時には、前記予備成形体は、下型上に接触状態で配置されることが好ましい。浮上状態で下型上に受けると(例えば特開平9−52720号公報参照)、予備成形体の動きによってマーキング位置が正確に中央になりにくい。
前記第一温度は、成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度であることが好ましく、107〜108dPa・sとなる温度であることが更に好ましい。また、前述のように、予備加圧に付す予備成形体は、106〜108.5dPa・sの粘度に加熱軟化されていることが好ましく、107〜108dPa・sの粘度に加熱軟化されていることがより好ましい。予備成形体の粘度が106dPa・s以上であれば、下型上で所望の予備成形形状に容易に成形することができ、また、108.5dPa・s以下であれば、予備成形体と上型成形面との間に滑りが生じにくく中心部分へのマーキングが容易である。このように、予備成形体の粘度が適切な範囲であり、また第一上型温度(第一温度)が適切な範囲であることにより、予備成形体表面、特に凸面形状の予備成形体表面と、第一上型成形面の凸曲面の間に滑りを生じずに、予備成形体に第一上型成形面凸部の頂点付近の形状を転写することができる。その結果、予備成形体表面に、凹形状のマーキングが付される。
前記予備加圧時の下型温度は、成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度であることが好ましく、該粘度が107〜108dPa・sとなる温度であることがより好ましい。
前記予備加圧に付される予備成形体の中心肉厚は、所望の成形体形状の中心肉厚よりも大きく、好ましくは、所望の成形体形状の中心肉厚の120〜500%、より好ましくは150〜400%である。そして、前記予備加圧は、前記成形中間体の中心肉厚が、所望の成形体形状の中心肉厚よりも大きい段階で終了される。好ましくは、前記予備加圧は、前記成形中間体の中心肉厚が、所望の成形体形状の中心肉厚の110%以上、より好ましくは120〜300%であるときに終了する。また、前記予備加圧は、成形中間体の肉厚が、予備成形体の中心肉厚の95%以下、好ましくは30〜60%となるように行うことができる。また、前記予備加圧時のプレス圧は、予備成形体の形状、肉厚等に応じて適宜設定することができ、例えば100〜300kgw/cm2とすることができる。
本加圧
前述の予備加圧によって得られた成形中間体は、凸面を含む成形面を有する第二上型を用いる本加圧に付される。本加圧は、前記第二上型と、第二上型の成形面と対向する成形面を有する下型を含む成形型内で行われる。前記第二上型は、前記第一上型と同一の型であっても異なる型であってもよいが、良好な面精度の成形体を得るためには、同一の型であることが好ましい。以下、特に断らない限り、第一上型と第二上型が同一の型である態様について説明する。
前述の予備加圧終了後、上型を一旦成形中間体から離型してもよく、上型成形面が成形中間体と接触した状態に維持してもよい。好ましくは、上型成形面と成形中間体との接触を維持した状態で、上型を第二温度に降温する。このとき、同時に下型も降温することが好ましい。前述の予備加圧の開始時点から、上型と下型の降温を同時に開始することがより好ましい。なお、第一上型と異なる型を第二上型として使用する場合には、第二上型を、第二温度に加熱して用いることができる。成形型の冷却は、成形型の加熱手段を断電することによるほか、ガスの噴きつけや、成形型への冷却媒体の循環など、強制的冷却手段を用いても良い。そして、上型温度が、第一温度より低い第二温度域内にあるとき、下型上の成形中間体をプレス成形し、所望の形状の成形体を得る。
前記第二温度は、前述の第一温度よりも低い温度であって、成形材料の粘度が107.5〜1011dPa・sとなる温度であることが好ましく、該粘度が108.5〜1010.5dPa・sとなる温度であることがより好ましい。
前記本加圧は、第二上型の温度が、成形材料の粘度が107.5〜1011dPa・sとなる温度域にあるときに行う第一加圧を含むことができる。この第一加圧は、成形中間体を大きく変形させ、予め設定された所望の中心肉厚まで成形する工程であることができる。尚、所定の中心肉厚とは、この後の冷却による熱収縮を考慮した上で、最終的に所望の肉厚の成形体が得られるように、予め設定される中心肉厚である。このとき、下型温度は、上型温度と必ずしも一致していなくても良いが、同様の温度域(成形材料の粘度で、107.5〜1011dPa・s)にあることが好ましい。更には、上型、下型ともに、成形材料の粘度で、108.5〜1011dPa・sに相当する温度域にあることがより好ましい。上記第一加圧に際しては十分な荷重(例えば、50〜200kgw/cm2)を適用し、所定の中心肉厚になるように成形することができる。
方法Iが特に有効に適用される、凹メニスカスレンズ、両凹レンズにおいては、冷却時の熱収縮後、またはその後のアニール工程(必要に応じて行う)の過程で、面精度不良(いわゆるアス、クセと称される曲率変動等)が発生しやすい。従って優良な面精度を得るためには、上記第一加圧に次いで、更に第一加圧における温度より低温での第二加圧を行うことが好ましい。
第二加圧は、更に上下型をともに、成形材料の粘度が1011〜1013dPa・sとなる温度に降温し(必ずしも上下型の温度が同一である必要はない)、次いで第一加圧より小さい荷重を適用して行う。これによって、成形体の中心肉厚を、例えば、更に5〜200μm程度変位させ、最終形状とすることができる。
第一加圧と第二加圧の間では、成形体と上下の成形面の密着は解かないことが好ましい。すなわち、第一加圧を行いながら、上下型を更に降温し、上下型の温度が、上記温度域にあるときに荷重を下げ、第二加圧とすることができる。第二加圧時の適用荷重は、例えば25〜100kgw/cm2であって、第1加圧時より小さいことが好ましい。
この後、更に、成形面と成形体の密着を維持したまま上下型を冷却し、例えば、成形材料の粘度で1013dPa・s以下となったときに、上下型を離間し、成形体を取り出す。これにより、肉厚精度、面精度とも良好な成形体を得ることができる。
方法Iにおいて使用される第二上型、および下型は、得ようとする成形体形状を基に、精密な形状加工を施したものであることができる。但し、前述のように、予備加圧に用いる第一上型は、第二上型とは別の予備加圧専用のものであってもよい。その際には、予備加圧専用の第一上型の凸面形状は、本加圧に用いる第二上型の凸面形状より曲率半径の大きな凸面のものであることが好ましい。これは、プレス成形時に上型と、予備加圧後の成形中間体との間に雰囲気気体が閉じ込められて、成形体形状を悪化させることを避ける為である。第一又は第二上型の凸面形状が非球面である場合には、近軸曲率半径の相互関係によって、同様に、上記の雰囲気気体の閉じ込めを生じさせない形状を選択することが好ましい。
[成形中間体の製造方法]
本発明の成形中間体の製造方法(参考態様)は、
成形体を得るために使用される成形中間体の製造方法において、
成形材料を予備成形することにより得られた予備成形体を、該成形材料の粘度 が106〜108.5dPa・sとなる温度に加熱、軟化し、
前記軟化した予備成形体を、凹面または平面を有する受け型上に載置し、
前記成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度に加熱された凸面または平面を有する中間体成形用上型の成形面を、前記軟化した予備成形体に接触させて加圧することにより、前記中間体成形用上型成形面の凸面または平面形状の少なくとも一部を予備成形体に転写し、冷却して成形中間体を得ることを特徴とする成形中間体の製造方法
である。
本発明の成形中間体の製造方法は、前述の成形方法Aおよび成形方法B、即ち、軟化した状態の被成形体(成形中間体)を、それより若干低温に加熱した成形型に供給し、直ちにプレス成形を行った後、成形型と成形体の密着を維持して冷却する方法(成形方法A)、被成形体(成形中間体)を収容した状態の成形型を、プレス成形温度に加熱して、プレス成形を行い、成形型と成形体の密着を維持して冷却する方法(成形方法B)に対して、有利に使用できる成形中間体を提供するものである。中間体成形用上型は、成形中間体に対して行われる加圧(以下、単にプレス成形ともいう)時に使用する上型と同じものでもよく、異なるものでもよい。また、前記受け型は、プレス成形時に使用する下型と同じものであることができる。上型として、中間体成形専用の上型を用いる場合には、プレス成形に用いる上型と同一、またはそれより大きな曲率半径(非球面の場合は近軸曲率半径など、相互の形状関係を選択する)をもつ凸成形面、又は平成形面を備えているものを用いることが好ましい。この凸面または平面を有する中間体成形用上型が、成形材料の粘度で106〜108.5dPa・sとなる温度に加熱された状態で、予備成形体上面に接触し、平面または凹面形状のマーキングが形成される。予備成形体は、成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度に加熱、軟化されているため、その表面は充分な低粘度となっており、凸面形状、または平面形状の中間体成形用上型と接触しても逃げが生じず、所望の位置(中心位置)にマーキングを行うことができる。この後、直ちに成形型から成形中間体を取り出すことができるが、Tg+50℃程度まで降温してから取り出してもよい。取り出したマーキング付成形中間体は、随時、成形方法Aまたは成形方法Bに供することができる。
中間体成形用上型の曲率半径が、プレス成形用上型(所望の成形体形状に精密加工されたもの)の曲率半径より小さい凸曲面だと、プレス成形の際に、成形中間体の凹部にプレス成形用上型の凸部が接触できず、雰囲気ガスがその隙間に残留して、成形体の面精度を阻害するおそれがある。従って、プレス成形の際に、プレス成形上型の凸面中心が、成形素材のマーキング部中心に、まず確実に接触できるように、中間体成形用上型の形状を工夫することが好ましい。
その他、本発明の成形中間体の製造方法の詳細は、先に方法Iについて述べた通りである。
尚、本発明では、前述のマーキングを予備成形体の両面に順次形成し、両凹形状の成形中間体を作成してもよい。これは、前述の成形方法A、2のいずれに適用しても、両凹レンズを成形する上で非常に有用である。
[成形体の製造方法II]
本発明の第二の成形体の製造方法は、
前述の本発明の成形中間体の製造方法によって得られた成形中間体を、上型と下型を有する成形型内に供給して加圧成形することにより所望の形状の成形体を得る成形体の製造方法
である。以下、上記方法を、方法IIともいう。
方法IIでは、本発明の中間体の製造方法によって得られた成形中間体を、所望の形状の成形体にプレス成形する。このように、マーキングが付された中間成形体を用いることにより、滑りや偏肉を生じずにプレス成形を行うことができ、肉厚精度および面精度が良好な成形体を得ることができる。
方法IIでは、凸面を含む成形面を有する下型を用いるともに、前記中間体成形用上型の凸面形状の少なくとも一部を転写して形成された凹面形状を有する成形中間体を、前記凹面形状を有する面を下型側として前記成形型に供給することができる。このように、成形中間体の凹面形状と下型の凸面形状を対向させることにより、プレス成形を安定に行うことができるという利点がある。
方法IIでは、前記成形中間体、上型および下型が、前記成形中間体の粘度で107.5〜1011dPa・sに相当する温度にあるときに行う加圧成形を含むことが好ましい。その他、方法IIの詳細は、先に方法Iについて述べた通りである。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。

参考例1(凹メニスカスレンズ(中心肉厚1mm)の製造)
図2に示す成形型1を用いて、成形中間体を成形した。
高屈折率、高分散の燐酸系光学ガラスA(組成はモル%表示で22P25−19Nb25−8WO3−5TiO2−4Bi23−20Li2O−11Na2O−2K2O−4B23−3BaO−2ZnO、熱的物性は、転移点温度Tg=454℃、屈伏点温度Ts=508℃、光学恒数は、nd=1.87427、νd=22.37)を、予め所定の体積に成形した予備成形体(扁平な両凸曲面形状、中心肉厚5mm)を加熱して107.5dPa・sの粘度(565℃)に軟化した後、図2に示す下型(凹面形状)3上に配置して150kgw/cm2の圧力でプレス(予備加圧)して、上型2の凸面形状の一部が転写され、表面に凹形状が形成された成形中間体を得た。予備加圧には、ガラス素材の粘度が107.5dPa・sとなる温度に加熱した上型と、該ガラス素材の粘度が107.5dPa・sとなる温度に加熱した下型3を用いた。なお、実施例、比較例におけるプレス圧は、プレス機の設定値である。このとき、成形中間体の中心肉厚は、2mmとした。
次いで、成形中間体と型との密着を維持したまま、上型2および下型3の温度を、ガラス素材の粘度が109.5dPa・sとなる温度(515℃)に降温した後、150kgw/cm2の圧力でプレス(第一加圧)した。第一加圧は、上下型が接近したときの距離が、得ようとするレンズ肉厚に対し、10μm大きな数値となるように設定して行った。
その後、密着を維持したまま、上型2および下型3の温度を、前記ガラス素材の粘度が1012dPa・sとなる温度(470℃)に降温した後、再度、100kgw/cm2の圧力でプレス(第二加圧)した。更に、成形型の成形面と成形体の密着を維持したまま上下型2,3を冷却し、前記ガラス素材の粘度が1013dPa・s以下となる温度となったときに、上下型を離間し、成形体(凹メニスカスレンズ)を取り出した。こうして得られた成形体の面精度を、フィゾー干渉計による干渉縞で確認したところ、肉厚精度とともに、十分な面精度が得られた。干渉縞を図3に示す。
実施例2(凹メニスカスレンズの製造)
参考例1と同様の方法で成形した成形中間体を成形型内で急冷した後、上型を離型して取り出した。なお、この成形中間体は、必要に応じて室温で保管することもできる。
次いで、図4に示す成形型5を用いて、以下のように凹メニスカスレンズをプレス成形した。
図4に示す成形型5を分解し、得られた成形中間体8を内部に配置した。具体的には、成形型5の胴型9を固定したまま下型7を下降させ、下型成形面(凹面形状)7aに、成形中間体8のマーキング面(凹形状面)8aを上型6側にして配置した。成形中間体8の搬送、配置は、公知の搬送手段(吸着パット付のロボットアーム等)を用いて行うことができる。成形中間体8を下型成形面7a上に配置したら、下型7を上昇させ、胴型9内に再び納めた。このとき、成形中間体8の厚みによって、上型が胴型上面よりやや持ち上がった状態となった。
この状態の成形型を移送しつつ、図5に示す成形装置によってプレス成形した。図5に示す成形装置では、成形型を回転式のテーブルに載せて、独立して温度制御することができる各処理室に順次間歇的に回転移動させ、各処理室において所定の処理を施すことができる。
具体的には、加熱室において、成形中間体を収容した成形型を、ガラス素材の粘度で 109.5dPa・sに相当する温度(515℃)に加熱した後、第一プレス室に移送して 150kgw/cm2の荷重をかけてプレス(第一加圧)し、次いで、第二プレス室へ移送し、ガラス素材の粘度で 1012dPa・sに相当する温度(470℃)に冷却した後、100kgw/cm2の荷重をかけて再度プレス(第二加圧)した。こうして得られた成形体(凹メニスカスレンズ)の面精度を、フィゾー干渉計による干渉縞で確認したところ、図3と同様で十分な面精度が得られた。
比較例1
前述の予備加圧を行わない以外は実施例2と同様の方法でプレス成形を行ったところ、偏肉した状態の成形体が得られた。得られた成形体のフィゾー干渉計による干渉縞を図6に示す。図6に示すように、アスが発生し、良好な面精度の成形体を得ることができなかった。これは、予備成形体を収容した成形型がプレス成形位置に移送される段階で、位置ずれが生じ、位置ずれした状態でプレス成形が行われたことによるものと考えられる。
比較例2
図2に示す成形型1を用いて、以下の条件でプレス成形を行い成形体を得た。
前述の燐酸系光学ガラスAを予め所定の体積に成形した予備成形体(扁平な両凸曲面形状、中心肉厚5mm)を加熱して107.5dPa・sの粘度(565℃)に軟化した後、図2に示す下型(凹面形状)3上に配置してガラス素材の粘度が109.5dPa・sとなる温度(515℃)に加熱した上型2と、該ガラス素材の粘度が109.5dPa・sとなる温度に加熱した下型3を用いて、150kgw/cm2の圧力でプレス(第一加圧)後、上型2および下型3の温度を、前記ガラス素材の粘度が1012dPa・sとなる温度(470℃)に降温した後、再度、100kgw/cm2の圧力でプレス(第二加圧)した。更に、成形型1の成形面と成形体の密着を維持したまま上下型を冷却し、前記ガラス素材の粘度が1013dPa・s以下となる温度となったときに、上下型を離間し、成形体(凹メニスカスレンズ)を取り出した。得られた成形体のフィゾー干渉計による干渉縞は、図6と同様であった。得られたレンズにはアスが発生しており、偏肉が生じたことがわかった。
比較例3
図2に示す成形型1を用いて、以下の条件でプレス成形を行い成形体を得た。
前述の燐酸系光学ガラスAを予め所定の体積に成形した予備成形体(扁平な両凸曲面形状、中心肉厚5mm)を加熱して107.5dPa・sの粘度(565℃)に軟化した後、図2に示す下型(凹面形状)3上に配置してガラス素材の粘度が107.5dPa・sとなる温度(565℃)に加熱した上型2と、該ガラス素材の粘度が107.5dPa・sとなる温度に加熱した下型3を用いて、150kgw/cm2の圧力でプレス(第一加圧)後、上型2および下型3の温度を、前記ガラス素材の粘度が1012dPa・sとなる温度(470℃)に降温した後、再度、100kgw/cm2の圧力でプレス(第二加圧)した。更に、成形型1の成形面と成形体の密着を維持したまま上下型を冷却し、前記ガラス素材の粘度が1013dPa・s以下となる温度となったときに、上下型を離間し、成形体(凹メニスカスレンズ)を取り出した。
得られた成形体のフィゾー干渉計による干渉縞を図7に示す。得られたレンズには、偏肉を示すアスは見られなかったが、不規則な、面形状不良が観測された。予備成形体が横に逃げることなくプレス成形が行われたが、上記の面形状不良は、最終レンズ肉厚近傍まで低粘性の状態でプレスされたために生じた、冷却時の部分的離型によるものとみられ、これは第ニ加圧を行っても修正不能であったことが観測された。
実施例3(両凹レンズの製造)
図8に示す成形型15を用いて、以下のように両凹レンズを製造した。
参考例1と同様の予備加圧を、平面形状の成形面を持つ下型と、凸面形状の成形面を有する上型を備えた成形型を用いて行った。予備加圧後に冷却して取り出した成形中間体を、図8に示す下型17上に配置し、実施例2で使用した成形装置中を移送させて実施例2と同様の条件でプレス成形を行った。本実施例では、図8に示すように、凸面形状の成形面17aを有する下型17と凸面形状の成形面16aを有する上型16を用いた。ここで、成形中間体のマーキング面(凹面形状)を下型17側として、成形中間体を成形型15内に配置した。得られた成形体(両凹レンズ)18を、フィゾー干渉計による干渉縞によって評価したところ、参考例1、実施例2と同様に十分な面精度を備えていた。
比較例4
予備成形を行わない以外は実施例3と同様の方法によって成形体を得た。得られた成形体のフィゾー干渉計による干渉縞は、図6と同様であった。比較例4では、成形中間体を経ずにプレス成形を行ったため、横すべりによる偏肉が発生した。そのため、アスが発生し、良好な面精度を有する成形体を得ることはできなかった。
本発明によって製造される成形体は、レンズ等の光学素子であることが好ましい。本発明は、特に、両凹レンズ、またはメニスカスレンズの製造に好適である。メニスカスレンズとしては、凹メニスカスレンズの成形において特に顕著な効果が得られる。これは、メニスカスレンズの凹面成形に用いる型形状は、曲率が比較的小さく、成形素材の凸曲面との滑りによる偏肉が生じやすい上、わずかな偏肉が生じたときの面精度の劣化が大きい(偏肉による荷重不均一に対する、面精度の変動感度が高い)為である。本発明の効果は、特に、薄肉(中心肉厚が1mm以下の両凹、又は凹メニスカス)レンズにおいて、顕著である。
位置修正手段の具体例を示す。 参考例1および実施例2において成形中間体および/または成形体の製造に用いた成形型を示す。 参考例1で得られた成形体の干渉縞を示す。 実施例2において成形体の製造に用いた成形型を示す。 実施例2において用いた成形装置を示す。 比較例1で得られた成形体の干渉縞を示す。 比較例3で得られた成形体の干渉縞を示す。 実施例3において使用した成形型を示す。
符号の説明
1、5、15 成形型
2、6、16 上型
3、7、17 下型
7a、17a 下型成形面
8 成形中間体
8a マーキング面
9 胴型
18 成形体

Claims (9)

  1. 成形材料を予備成形することにより得られた予備成形体を、加熱により軟化した後に、第一上型と第一下型とを有する第一の成形型内で予備加圧することにより成形中間体を得、得られた成形中間体を、前記第一の上型とは異なる第二上型と前記第一の下型とは異なる第二下型とを有する第二の成形型内で本加圧することにより所望の形状の成形体を得る成形体の製造方法において、
    前記第一上型は、凸面を含む成形面を有し、
    前記第二上型は、前記第一上型の成形面の曲率半径よりも小さな曲率半径をもつ凸面または前記第一上型の成形面の近軸曲率半径よりも小さな近軸曲率半径をもつ凸面を含む成形面を有し、
    前記予備加圧は、前記軟化された予備成形体を前記第一下型上に配置した後、第一温度に加熱された前記第一上型の成形面を、前記予備成形体に接触させて加圧することにより行われ、該予備加圧により、前記成形面の凸面形状の少なくとも一部が表面に転写された凹形状を有する成形中間体を得、かつ、
    前記本加圧は、前記第一温度より低い第二温度にある第二上型と前記第二下型によって、前記第二下型上の成形中間体の凹形状部分に前記第二上型の成形面を押圧してプレス成形することにより行われることを特徴とする成形体の製造方法。
  2. 前記第一温度は、前記成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度であることを特徴とする請求項1に記載の成形体の製造方法。
  3. 前記第二温度は、前記成形材料の粘度が107.5〜1011dPa・sとなる温度であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造方法。
  4. 前記軟化された予備成形体の粘度は、106〜108.5dPa・sの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  5. 前記予備加圧は、前記成形中間体の中心肉厚が、所望の成形体形状の中心肉厚の110%以上であるときに終了することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  6. 前記予備加圧時における第一下型の下型温度は、前記成形材料の粘度が106〜108.5dPa・sとなる温度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  7. 前記本加圧は、第二上型および第二下型の温度が、前記成形材料の粘度が107.5〜1011dPa・sとなる温度であるときに行う第一加圧を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
  8. 前記第一加圧開始後に、第二上型および第二下型の温度を、前記成形材料の粘度が1011〜1013dPa・sになる温度に降温し、次いで第一加圧より小さい荷重を適用した第二加圧を行うことを特徴とする請求項7に記載の成形体の製造方法。
  9. 前記予備成形体の第一上型と接触する面は凸曲面である請求項1〜のいずれか1項に記載の成形体の製造方法。
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