JP2002145631A - ガラスレンズの成形方法 - Google Patents

ガラスレンズの成形方法

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JP2002145631A
JP2002145631A JP2001261780A JP2001261780A JP2002145631A JP 2002145631 A JP2002145631 A JP 2002145631A JP 2001261780 A JP2001261780 A JP 2001261780A JP 2001261780 A JP2001261780 A JP 2001261780A JP 2002145631 A JP2002145631 A JP 2002145631A
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Japan
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glass
optical element
temperature
cooling
mold
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JP2001261780A
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Hiroyuki Sawada
浩之 澤田
Nobutaka Goto
順孝 後藤
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一方または両方の面が凹形状のレンズであっ
て、中心肉厚aと周辺肉厚bとの比b/aが大きいレン
ズであっても、ガラス素材を加圧成形して高い面精度で
ガラスレンズ等のガラス光学素子を製造できる方法を提
供すること。 【解決手段】軟化したガラス素材を、成形型で加圧し
て、成形面をガラス素材に転写する工程、成形面を転写
されたガラスが所定粘度になるまで成形型を冷却する工
程、及び成形型から冷却されたガラスを取り出す工程を
含むガラス光学素子の製造方法。成形面を転写されたガ
ラスは、転写のための加圧に引続いて前記取り出し工程
まで、得られた転写面が成形面の形状に一致するよう
に、所定荷重で加圧され、かつ成形面を転写されたガラ
スは、冷却工程の途中で、冷却により生じたガラスの内
部歪みが緩和されるように所定温度範囲において一時的
に保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方または両方の
面が凹形状であるレンズであっても、高い面精度で、ガ
ラス素材を成形することによりガラス光学素子を製造で
きる方法に関する。特に本発明は、一方または両方の面
が凹形状であり、かつ中心肉厚aと周辺肉厚bとの比b
/aが1.5以上であるレンズであっても、高い面精度
でガラス素材を成形して、ガラス光学素子を製造するこ
とができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決すべき課題】軟化したガラ
スを製品形状または製品形状に近似する形状を有する成
形型を用いて加圧プレスして、研削や研磨をすることな
く直接レンズを製造する方法(高精度プレス法)が広く実
用化されている。高精度プレス法は、球面のみならず非
球面のレンズも大量に安価に製造できることから、デジ
タルカメラやビデオカメラなど、さまざまな光学機器製
品の光学系用レンズの製法として利用されている。近年
は、大型で成形が容易でない形状のレンズも高精度プレ
ス法で製造することが要求されている。
【0003】しかし、一方または両方の面が凹形状のレ
ンズや中心の肉厚とコバ(レンズ周縁部)の肉厚の差の
大きいようなレンズの場合には、プレス成形の過程で一
旦成形面を転写したとしても、冷却して成形型から取り
出すと、或いはさらにアニールをすると、該転写面が変
形して所望の面形状のレンズが得られないことが多かっ
た。特に、一方または両面が凹面でかつ中心の肉厚とコ
バの肉厚の差の大きいレンズの場合はそれが顕著であっ
た。
【0004】ここで、凹メニスカスレンズを成形する方
法として、特開平7−267658号には、軟化状態に
あるガラス素材をプレスしてガラス光学素子する際、冷
却工程中に、該ガラス素材をガラス転移点以上の一定温
度に所定時間保持する工程を行うことが記載されてい
る。しかしながら、この方法はガラス素材の内部に発生
した熱応力を短時間で除去可能にすることを主目的とす
るものであり、本発明のように、特に所望の面形状を出
すのが難しいレンズについての成形を可能にするもので
はなかった。
【0005】そこで本発明の目的は、一方または両方の
面が凹形状のレンズであって、中心肉厚aと周辺肉厚b
との比b/aが大きいレンズであっても、ガラス素材を
加圧成形して高い面精度でガラスレンズ等のガラス光学
素子を製造できる方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの検討の結
果、加圧成形後、成形型からの取り出しの間にある温度
域でレンズ形状の成形品に所定の圧力を加えることによ
り、上記課題を解決することを見出して本発明を完成し
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は以下のとおりである。 [請求項1]軟化したガラス素材を、該ガラス素材に光学
的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型
を含む成形型で加圧して、前記成形面を前記ガラス素材
に転写する工程(加圧転写工程)、成形面を転写された
ガラスが所定粘度になるまで上記成形型を冷却する工程
(冷却工程)、及び上記成形型から冷却されたガラスを
取り出す工程(取り出し工程)を含むガラス光学素子の
製造方法であって、前記成形面を転写されたガラスは、
前記転写のための加圧に引続いて前記取り出し工程ま
で、得られた転写面が前記成形面の形状に一致するよう
に、所定荷重で加圧され(後加圧)、かつ前記成形面を転
写されたガラスは、前記冷却工程の途中で、冷却により
生じたガラスの内部歪みが緩和されるように所定温度範
囲において一時的に保持されることを特徴とする前記製
造方法。 [請求項2]軟化したガラス素材を、該ガラス素材に光学
的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型
を含む成形型で加圧して、前記成形面を前記ガラス素材
に転写する工程(加圧転写工程)、成形面を転写された
ガラスが所定粘度になるまで上記成形型を冷却する工程
(冷却工程)、及び上記成形型から冷却されたガラスを
取り出す工程(取り出し工程)を含むガラス光学素子の
製造方法であって、前記加圧転写工程後、成形型からの
取り出しまでの間、前記成形面を転写されたガラスを加
圧し(後加圧)、前記成形面を転写するための加圧と後
加圧とは加圧が途切れることなく行い、かつ前記成形面
を転写されたガラスは、前記冷却工程の途中で、所定温
度範囲において一時的に保持されることを特徴とする前
記製造方法。 [請求項3]後加圧は、成形面を転写されたガラスが目的
とするガラス光学素子と略同じ肉厚になった時点で開始
する請求項1または2に記載の製造方法。 [請求項4]成形面転写のための加圧を294×104〜3432×
104Paの範囲の圧力で行い、かつ後加圧を、前記成形面
転写のための加圧より低く、かつ0.0098×104〜49×104
Paの範囲の圧力で行う請求項1〜3のいずれか1項に記
載の製造方法。 [請求項5]後加圧による成形面を転写されたガラスの肉
厚の変化は、得ようとするガラス光学素子の中心肉厚公
差内である請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方
法。 [請求項6]冷却工程の途中における温度保持は、前記成
形型から取り出されたガラス光学素子の光学的機能面に
おけるクセが0.8本以内になる条件で行う請求項1〜5の
いずれか1項に記載の製造方法。 [請求項7]冷却工程の途中における温度保持は、前記成
形型から取り出されたガラス光学素子の光学的機能面に
おけるクセが0.5本以内になる条件で行う請求項1〜
5のいずれか1項に記載の製造方法。 [請求項8]冷却工程の途中における保持の温度範囲が、
ガラス光学素子のガラス転移温度(Tg)より50℃低
い温度(Tg−50℃)〜Tgより30℃高い温度(T
g+30℃)の範囲である請求項1〜7のいずれか1項
に記載の製造方法。 [請求項9]冷却工程の途中における保持の温度範囲が、
ガラス光学素子のガラス転移温度(Tg)より50℃低
い温度(Tg−50℃)〜Tgの範囲である請求項1〜
7のいずれか1項に記載の製造方法。 [請求項10]冷却工程の途中における保持の温度範囲
が、ガラス光学素子のガラス転移温度(Tg)より20
℃低い温度(Tg−20℃)〜Tgの範囲である請求項
1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。 [請求項11]目的とするガラス光学素子が、一方または
両方の面が凹形状あるレンズである請求項1〜10のい
ずれか1項に記載の製造方法。 [請求項12]目的とするガラス光学素子が、一方の面が
凹形状であり、他方の面が凸形状であるレンズである請
求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。 [請求項13]凸形状の面が球面である請求項12に記載
の製造方法。 [請求項14]レンズが中心肉厚aと周辺肉厚bとの比b
/aが1.5以上である請求項11〜13のいずれか一
項に記載の製造方法。 [請求項15]レンズが中心肉厚aと周辺肉厚bとの比b
/aが2以上である請求項11〜13のいずれか一項に
記載の方法。 [請求項16]冷却工程の途中における保持時間t1は、
得ようとするガラス光学素子の中心肉厚をaとし、周辺
肉厚をbとしたときに、 1.5≦b/a<2.0のとき、0<t1≦120秒 2.0≦b/a<2.5のとき、60<t1≦180秒 2.5≦b/aのとき、120<t1(好ましくは12
0<t1≦350秒) である請求項14又は15に記載の製造方法。 [請求項17]2.5≦b/aのとき、120<t1≦3
50秒である請求項16に記載の製造方法。 [請求項18]ガラス素材が両凸形状のガラスプリフォー
ムである請求項1〜17のいずれか1項に記載の製造方
法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のガラス光学素子の製造方
法は、軟化したガラス素材を、該ガラス素材に光学的機
能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含
む成形型で加圧して、前記成形面を前記ガラス素材に転
写する工程である加圧転写工程、成形面を転写されたガ
ラスが所定粘度になるまで上記成形型を冷却する工程で
ある冷却工程、及び上記成形型から冷却されたガラスを
取り出す工程である取り出し工程を含む。さらに、本発
明の製造方法では、前記加圧転写工程後、成形型からの
取り出しまでの間、前記成形面を転写されたガラスを加
圧する後加圧が行われる。この後加圧は、前記成形面を
転写するための加圧から加圧が途切れることなく行われ
る。また、後加圧は、得られた転写面が成形面の形状に
一致するように所定荷重で行われる。さらに、本発明の
製造方法では、前記成形面を転写されたガラスが、前記
冷却工程の途中で、所定温度範囲において一時的に保持
される。この保持は、冷却により生じたガラスの内部歪
みが緩和されるように所定温度範囲において行われる。
【0009】以下、本発明の製造方法を図1に基づいて
説明する。まず第1に、軟化したガラス素材が成形型で
加圧され、成形面が転写される。ガラス素材は予め所定
形状に成型されたガラスプリフォームであっても、ガラ
スゴブであってもよい。ガラス素材は、例えば、両凸形
状のガラスプリフォームであることもできる。ガラス素
材は、加圧成形に適した温度に調整された(軟化した)
状態のものを使用する。ガラス素材は、溶融ガラスから
調製したガラスゴブ又はガラスプリフォームを室温に戻
すことなく、そのまま使用することも、また、室温に戻
したガラスプリフォームまたはガラスゴブを再度加熱軟
化したものを使用することもできる。成形型は、成形面
を有する上型及び下型を含むものであり、ガラス素材に
光学的機能面を形成する成形面を有する上型及び下型を
含む成形型であれば、特に制限はない。公知の成形型を
適宜使用することができる。
【0010】尚、本発明の製造方法で製造対象とする凹
メニスカスレンズ及び両凹レンズは、各種のレンズ系に
組み込むために光学機能面(光学的有効領域)を有するも
のである。光学機能面(光学的有効領域)は、例えば、図
2において41として示す凹面であり、実際には、この
凹面41の外側に光軸と直交する平面部43が設けられ
る。軟化したガラス素材の成形型での加圧条件(ガラス
素材及び成形型の温度、加圧温度及び時間等)は、成形
ガラスの形状等も考慮して適宜決定できる。
【0011】加圧転写後、成形型を成形面を転写された
ガラスが所定粘度になるまで冷却する。成形型の冷却
は、加圧転写開始と同時に、または加圧転写の途中で、
または加圧転写終了後のいずれから開始することもでき
る。成形型が所定温度に冷却された後、成形型から前記
成形ガラスを取り出す。
【0012】本発明の好ましい製造方法においては、加
圧転写工程後、成形型からの取り出しまでの間、前記成
形面を転写されたガラスに後加圧を適用する。後加圧
は、成形面を転写されたガラスが目的とするガラス光学
素子と略同じ肉厚になった時点で開始することが適当で
ある。略同じ肉厚とは、ガラス光学素子の肉厚の±0.
2mm以内であることを言う。さらに、冷却工程中に、
前記成形ガラスを所定温度範囲において一時的に所定時
間保持する。後加圧は、好ましくは、加圧転写のための
加圧から連続的に(加圧が途切れることなく)行う。即
ち、加圧転写後、加圧を完全に解除することなく後加圧
を開始する。また、所定温度範囲における所定時間行う
保持は、冷却工程中のいずれかの時期におこなう。この
状態を図1に基づいて説明する。
【0013】所定温度tを有する軟化したガラス素材
は、圧力Pで加圧されて成形面を転写される。Pの荷重
としては、ガラス素材の粘性や得ようとするレンズの形
状等により適宜選択できるが、たとえば、9.8×104〜29
4×104Pa、好ましくは、9.8×104〜196×104Paであるこ
とが挙げられる。
【0014】圧力Pでの加圧転写終了後、加圧を完全に
解除することなく圧力P1で加圧を続ける。圧力Pでの
加圧成形終了後、成形型は冷却される(1次冷却)。但
し、1次冷却は、加圧成形開始と同時に、または加圧成
形の途中で開始してもよい。1次冷却は、成形型内の成
形ガラスに内部歪みを生じる程度の比較的早い冷却速
度、例えば、10℃/分以上、より好ましくは10〜3
00℃/分、さらに好ましくは30〜200℃/分で行
うことができる。1次冷却により成形型が所定温度t1
になった時点で、所定圧力P2で加圧する。但し、成形
型の冷却は上述の通り、加圧転写開始と同時に、または
加圧転写の途中で開始してもよい。図1では圧力P1と
圧力P2とが異なる圧力となるように表記されている
が、同一の圧力であってもよい。また、所定圧力P2で
の加圧の間の温度は、t1で一定であっても、t1から
徐々に低下してもよい。所定圧力P2での加圧の間の温
度は、1次冷却で成形ガラスに生じた内部歪みを緩和す
るような条件とし、例えば、0〜5℃/分で冷却するこ
とができ、好ましくはほぼ0℃/分である。
【0015】保持の温度範囲は、成形されたガラスの温
度が、ガラス光学素子のガラス転移温度(Tg)より5
0℃低い温度(Tg−50℃)からTg+30℃の範囲
であることが、以下の観点から好ましい。一旦、成形面
を転写することによって得られた面形状を維持しつつ、
型から取り出した後のレンズの面形状悪化の原因となる
内部歪みを緩和することができる。また、かかる温度範
囲で内部歪みを緩和しておくことにより、その後取り出
し温度まで冷却する工程で、新たに生じる内部歪みを抑
制することもできる。
【0016】さらに前記保持の温度範囲は、(Tg−5
0℃)〜Tgの範囲であることがより好ましくは、(T
g−20℃)〜Tgの範囲であることがさらに好まし
い。特に、ガラス光学素子の温度がTg以下になった時
点で開始することが、最終製品の面形状を良くするとい
う観点から好ましい。所定時間保持した後、成形型はさ
らに冷却され、成型ガラスが所定粘度、例えば、室温ま
で冷却された後に、クセが0.8本以内の面精度を維持で
きる粘度、例えば、Tg-50℃以下になったところで、成
形面を転写されたガラスを成形型から取り出す。所定温
度範囲での保持から取り出しまでの間も圧力P3で後加
圧を続ける。圧力P3は、P1及びP2と同一または異
なってもよい。
【0017】後加圧P1、P2及びP3は、圧力Pによ
って成形型の成形面が転写されたガラスの転写面が、そ
のまま該成形面の形状に一致するような荷重であること
が適当である。具体的には、このときのガラスの粘性や
成形面の形状等によって適宜選択することができる。通
常は、P以下であることが、面形状を維持する点で好ま
しい。ただし、P1〜P3は、Pにより成形された成形
ガラスの肉厚をほとんど変えない程度であることが好ま
しい。具体的には、P1〜P3による肉厚の変化は、得
ようとするレンズの中心肉厚公差内、たとえば±0.0
3mm以内、特に0.001〜0.12mm程度である
ことが好ましい。
【0018】また、P2は、成形型の成形面が転写され
たガラスの転写面がそのまま該成形面の形状に一致する
ように加圧しながら、該ガラス中の内部歪みが緩和でき
る荷重で行う。具体的には、このときのガラスの粘性や
成形面の形状等によって適宜選択することができる。こ
こで、P2が小さすぎると、該形状に一致するような状
態での加圧がしにくくなり、その結果、部分的または全
体的にクセ等が発生しやすくなる。一方、P2の荷重が
大きすぎると、ガラス中の内部歪みが緩和しにくく、型
取り出し後のレンズの形状を維持する程度に緩和されな
い場合があり、その結果、成形ガラスの光学中心部付近
にクセが発生しやすくなる。
【0019】後加圧(圧力及び時間)及び保持(温度範
囲と時間)の条件は、成形ガラスに見られるクセが1本
以下、好ましくは0.5本以下、さらに好ましくは0.
3本以下になるように行うことが適当である。
【0020】冷却工程の途中における保持時間t1は、
得ようとするガラス光学素子の中心肉厚をaとし、周辺
肉厚をbとしたときに、以下の範囲であることが好まし
い。1.5≦b/a<2.0のとき、0<t1≦120
秒、好ましくは10<t1≦120秒、より好ましくは
20<t1≦120秒 2.0≦b/a<2.5のとき、20<t1≦180
秒、好ましくは60<t1≦180秒 2.5≦b/aのとき、120<t1 2.5≦b/aのときは、好ましくは120<t1≦3
50秒である
【0021】上記温度保持の後、成形型はさらに冷却
(2次冷却)され、成型ガラスがTg以下になったとこ
ろで、成形ガラスを成形型から取り出す。2次冷却の冷
却速度、例えば、10℃/分以上、より好ましくは10〜30
0℃/分、さらに好ましくは30〜200℃/分で行うことが
できる。2次冷却の間も圧力P3で後加圧を続ける。圧
力P3は、P1及びP2と同一または異なってもよい。
但し、P3は、成形型の成形面が転写されたガラスの転
写面がそのまま該成形面の形状に一致するように加圧し
ながら、ガラス中になるべく新たな内部歪みを発生させ
ないような荷重であることが好ましい。このような観点
から、P3はP1,P2よりも小さいことが好ましく、
たとえば0.0098×104〜49×104Paであることが好まし
く、さらに、0.0098×104〜4.9×104Paであることがよ
り好ましい。
【0022】本発明の製造方法で得られる成形ガラス
は、一方または両方の面が凹形状あるレンズであること
ができる。特に、成形ガラスは、一方の面が凹形状であ
り、他方の面の形状が凸形状(例えば、凸形状の面が球
面である)であるレンズであることができる。また本発
明の製造方法によれば、中心肉厚aと周辺肉厚bとの比
b/aが1.5以上、好ましくは2以上であるレンズを
製造することもできる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに説明す
る。以下の実施例1〜3では、図3に示す成形装置を用
いた。図3に示す成形装置は、函体21aによって密閉
された加熱成形室21内には、上型22と下型23が配
置され、この上型22と下型23は、それぞれ断熱ベー
ス29、30を介して上部固定軸24と下部可動軸25
の先端に固定されている。下部可動軸25は図示してい
ない加圧シリンダに連結され、加圧時に上昇駆動され
る。また、断熱ベース29及び30は、上型22及び下
型23を独立に冷却するための、冷却用ガスの吹き出し
口31及び32をそれぞれ有する。ガスの供給は上下独
立にコントロールすることが出来、上型22と下型23
の冷却スピードを変えることが出来る。冷却用のガス
は、不活性ガスである。
【0024】実施例1 図4に示す形状の一方が凹面(曲率半径R=4mm)で
あり、他方が凸面(曲率半径R=38mm)のガラスレ
ンズ(比b/a=3.5、偏平球レンズ)を製造した。
凹面を上型で形成し、凸面を下型で成形した。ガラス素
材としてはLaC13(Tg=520℃、Ts=560
℃)を用いた。成形の条件(温度、圧力、時間)は基本
的に図5に示すスキームに基づき、詳細な条件は表1に
示す。結果も表1に示す。尚、結果に示したアニール後
のランク分けは表2に示す。例1〜15が本発明の実施
例である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】実施例2 実施例1と同様の装置及びガラス素材を用いて、図6に
示す温度、圧力及び時間のスキームに従って、レンズを
製造方法により成形した。成形の条件及び結果を表3に
示す。尚、結果に示したアニール後のランク分けは表2
に示す。例2〜8が本発明の実施例である。
【0028】
【表3】
【0029】実施例3 実施例1と同様の装置及びガラス素材を用いて、実施例
の例1と同様の条件でコバ厚と中心厚及びレンズ外径が
異なるレンズを製造し、クセを0.5本以下とする為に
必要な保持時間を求めた。結果を図7に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法における温度と圧力の典型的
な経時変化を示す。
【図2】光学機能面外側の一方の側に光軸と直交する平
面部を設けた凹メニスカスレンズの説明図。
【図3】実施例1〜3に用いた成形装置の概略図。
【図4】実施例1〜2で製造したガラスレンズの説明
図。
【図5】実施例1における成形型の温度及び加圧圧力の
各経時変化。
【図6】実施例2における成形型の温度及び加圧圧力の
各経時変化。
【図7】実施例3において得られた、コバ厚と中心厚及
びレンズ外径が異なるレンズを製造した場合にクセを
0.5本以下とする為に必要な保持時間。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟化したガラス素材を、該ガラス素材に光
    学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下
    型を含む成形型で加圧して、前記成形面を前記ガラス素
    材に転写する工程(加圧転写工程)、成形面を転写され
    たガラスが所定粘度になるまで上記成形型を冷却する工
    程(冷却工程)、及び上記成形型から冷却されたガラス
    を取り出す工程(取り出し工程)を含むガラス光学素子
    の製造方法であって、前記成形面を転写されたガラス
    は、前記転写のための加圧に引続いて前記取り出し工程
    まで、得られた転写面が前記成形面の形状に一致するよ
    うに、所定荷重で加圧され(後加圧)、かつ前記成形面を
    転写されたガラスは、前記冷却工程の途中で、冷却によ
    り生じたガラスの内部歪みが緩和されるように所定温度
    範囲において一時的に保持されることを特徴とする前記
    製造方法。
  2. 【請求項2】軟化したガラス素材を、該ガラス素材に光
    学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下
    型を含む成形型で加圧して、前記成形面を前記ガラス素
    材に転写する工程(加圧転写工程)、成形面を転写され
    たガラスが所定粘度になるまで上記成形型を冷却する工
    程(冷却工程)、及び上記成形型から冷却されたガラス
    を取り出す工程(取り出し工程)を含むガラス光学素子
    の製造方法であって、前記加圧転写工程後、成形型から
    の取り出しまでの間、前記成形面を転写されたガラスを
    加圧し(後加圧)、前記成形面を転写するための加圧と
    後加圧とは加圧が途切れることなく行い、かつ前記成形
    面を転写されたガラスは、前記冷却工程の途中で、所定
    温度範囲において一時的に保持されることを特徴とする
    前記製造方法。
  3. 【請求項3】後加圧は、成形面を転写されたガラスが目
    的とするガラス光学素子と略同じ肉厚になった時点で開
    始する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】成形面転写のための加圧を294×104〜3432
    ×104Paの範囲の圧力で行い、かつ後加圧を、前記成形
    面転写のための加圧より低く、かつ0.0098×104〜49×1
    04Paの範囲の圧力で行う請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】後加圧による成形面を転写されたガラスの
    肉厚の変化は、得ようとするガラス光学素子の中心肉厚
    公差内である請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】冷却工程の途中における温度保持は、前記
    成形型から取り出されたガラス光学素子の光学的機能面
    におけるクセが0.8本以内になる条件で行う請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】冷却工程の途中における温度保持は、前記
    成形型から取り出されたガラス光学素子の光学的機能面
    におけるクセが0.5本以内になる条件で行う請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】冷却工程の途中における保持の温度範囲
    が、ガラス光学素子のガラス転移温度(Tg)より50
    ℃低い温度(Tg−50℃)〜Tgより30℃高い温度
    (Tg+30℃)の範囲である請求項1〜7のいずれか
    1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】冷却工程の途中における保持の温度範囲
    が、ガラス光学素子のガラス転移温度(Tg)より50
    ℃低い温度(Tg−50℃)〜Tgの範囲である請求項
    1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】冷却工程の途中における保持の温度範囲
    が、ガラス光学素子のガラス転移温度(Tg)より20
    ℃低い温度(Tg−20℃)〜Tgの範囲である請求項
    1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】目的とするガラス光学素子が、一方また
    は両方の面が凹形状あるレンズである請求項1〜10の
    いずれか1項に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】目的とするガラス光学素子が、一方の面
    が凹形状であり、他方の面が凸形状であるレンズである
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】凸形状の面が球面である請求項12に記
    載の製造方法。
  14. 【請求項14】レンズが中心肉厚aと周辺肉厚bとの比
    b/aが1.5以上である請求項11〜13のいずれか
    一項に記載の製造方法。
  15. 【請求項15】レンズが中心肉厚aと周辺肉厚bとの比
    b/aが2以上である請求項11〜13のいずれか一項
    に記載の方法。
  16. 【請求項16】冷却工程の途中における保持時間t
    1は、得ようとするガラス光学素子の中心肉厚をaと
    し、周辺肉厚をbとしたときに、 1.5≦b/a<2.0のとき、0<t1≦120秒 2.0≦b/a<2.5のとき、60<t1≦180秒 2.5≦b/aのとき、120<t1 である請求項14又は15に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】2.5≦b/aのとき、120<t1
    350秒である請求項16に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】ガラス素材が両凸形状のガラスプリフォ
    ームである請求項1〜17のいずれか1項に記載の製造
    方法。
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JP2013249242A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Canon Inc 光学素子の製造方法

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