JP2003063832A - 光学素子成形用型 - Google Patents
光学素子成形用型Info
- Publication number
- JP2003063832A JP2003063832A JP2001258127A JP2001258127A JP2003063832A JP 2003063832 A JP2003063832 A JP 2003063832A JP 2001258127 A JP2001258127 A JP 2001258127A JP 2001258127 A JP2001258127 A JP 2001258127A JP 2003063832 A JP2003063832 A JP 2003063832A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- molding
- mold
- optical element
- die
- glass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/06—Construction of plunger or mould
- C03B11/08—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/06—Construction of plunger or mould
- C03B11/08—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
- C03B11/084—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/02—Press-mould materials
- C03B2215/05—Press-mould die materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/72—Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/72—Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type
- C03B2215/73—Barrel presses or equivalent, e.g. of the ring mould type with means to allow glass overflow in a direction perpendicular to the press axis
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い形状精度とバラツキがなく形成された成
形型を備えるとともに、成形された光学素子の良好な離
型性を確保した光学素子成形用型を提供する。 【解決手段】 上下一対の成形型(1、2)と胴型
(3)とを備えた成形用型のキャビティ内に加熱軟化し
た光学素材(10)を配置し、上下一対の成形型で加圧
することにより光学素子を成形する成形用型において、
ガラスからなる成形型用素材(1´)を加熱しながら成
形母型(4)で押圧成形し、前記成形型用素材(1´)
に成形母型(4)の転写面(4A)を転写させて成形し
た、転写面(1A)を有する下型(1)を備え、さらに
前記ガラスからなる成形型用素材(1´)の線膨張係数
を光学素材(10)の線膨張係数以下とするとともに、
光学素材(10)のガラス転移点(Tg)をT1、光学
素子成形時の成形加熱温度をT2、成形型用素材(1
´)のガラス転移点(Tg)をT3としたとき、T1<
T2<T3となるように設計した。
形型を備えるとともに、成形された光学素子の良好な離
型性を確保した光学素子成形用型を提供する。 【解決手段】 上下一対の成形型(1、2)と胴型
(3)とを備えた成形用型のキャビティ内に加熱軟化し
た光学素材(10)を配置し、上下一対の成形型で加圧
することにより光学素子を成形する成形用型において、
ガラスからなる成形型用素材(1´)を加熱しながら成
形母型(4)で押圧成形し、前記成形型用素材(1´)
に成形母型(4)の転写面(4A)を転写させて成形し
た、転写面(1A)を有する下型(1)を備え、さらに
前記ガラスからなる成形型用素材(1´)の線膨張係数
を光学素材(10)の線膨張係数以下とするとともに、
光学素材(10)のガラス転移点(Tg)をT1、光学
素子成形時の成形加熱温度をT2、成形型用素材(1
´)のガラス転移点(Tg)をT3としたとき、T1<
T2<T3となるように設計した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学素子を製造
するための光学素子成形用型に関する。
するための光学素子成形用型に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学素材(ないしはガラス素材)
を加熱炉内で加熱軟化した後、胴型3と上下一対の成形
型を備えた成形用型のキャビティ内に配置した光学素材
(ないしはガラス素材)10を上型2と下型1でプレス
し、光学素子(ないしはガラス成形品)を成形する成形
用型において、上下一対の成形型(上型2、下型1)の
少なくとも一方を、ガラスからなる成形型用素材で成形
した光学素子成形用型が用いられるようになった。
を加熱炉内で加熱軟化した後、胴型3と上下一対の成形
型を備えた成形用型のキャビティ内に配置した光学素材
(ないしはガラス素材)10を上型2と下型1でプレス
し、光学素子(ないしはガラス成形品)を成形する成形
用型において、上下一対の成形型(上型2、下型1)の
少なくとも一方を、ガラスからなる成形型用素材で成形
した光学素子成形用型が用いられるようになった。
【0003】例えば、光ピックアップ用非球面対物レン
ズなどの厳密な形状や表面品質が要求される光学素子を
製造するための成形用型においては、高い形状精度とバ
ラツキがなく成形された成形型を備えることが要求され
ており、硬質の金属部材を研削加工や研磨加工すること
によって製造された成形型には、加工形状に限界があっ
た。これに対して、ガラスからなる成形型用素材を加熱
しながら成形母型で押圧成形し、前記成形型用素材に成
形母型を転写させて成形した成形型は、加工形状の自由
度が広がり、かつバラツキがない。このように、成形型
をガラス成形によって製造する技術は、特開平2−26
7129、特開昭64−33022等によって知られて
いる。
ズなどの厳密な形状や表面品質が要求される光学素子を
製造するための成形用型においては、高い形状精度とバ
ラツキがなく成形された成形型を備えることが要求され
ており、硬質の金属部材を研削加工や研磨加工すること
によって製造された成形型には、加工形状に限界があっ
た。これに対して、ガラスからなる成形型用素材を加熱
しながら成形母型で押圧成形し、前記成形型用素材に成
形母型を転写させて成形した成形型は、加工形状の自由
度が広がり、かつバラツキがない。このように、成形型
をガラス成形によって製造する技術は、特開平2−26
7129、特開昭64−33022等によって知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術による、ガラスからなる成形型用素材で成形した成形
型を備えた成形用型によって光学素子を成形した場合、
成形型内で光学素材を加熱加圧した後、冷却して光学素
子を成形したときに、光学素子の離型性が悪くなり取出
しが困難となったり、成形した光学素子にワレが発生し
たりしていた。
術による、ガラスからなる成形型用素材で成形した成形
型を備えた成形用型によって光学素子を成形した場合、
成形型内で光学素材を加熱加圧した後、冷却して光学素
子を成形したときに、光学素子の離型性が悪くなり取出
しが困難となったり、成形した光学素子にワレが発生し
たりしていた。
【0005】そこでこの発明は、厳密な形状や表面品質
が要求される光学素子を成形するため、形状精度が高
く、かつバラツキがなく形成された成形型を備えた成形
用型であって、さらに光学素子成形時の冷却過程におけ
る、光学素子の離型性悪化や、光学素子のワレを防止し
た光学素子成形用型を提供するものである。
が要求される光学素子を成形するため、形状精度が高
く、かつバラツキがなく形成された成形型を備えた成形
用型であって、さらに光学素子成形時の冷却過程におけ
る、光学素子の離型性悪化や、光学素子のワレを防止し
た光学素子成形用型を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、この発明によれば、上下一対の成形型と胴型とを備
えた成形用型のキャビティ内に加熱軟化した光学素材を
配置し、上下一対の成形型で加圧することにより光学素
子を成形する成形用型において、ガラスからなる成形型
用素材を加熱しながら成形母型で押圧成形し、前記成形
型用素材に成形母型の転写面を転写させて成形した、転
写面を有する下型を備え、さらに前記ガラスからなる成
形型用素材の線膨張係数を光学素材の線膨張係数以下と
するとともに、光学素材のガラス転移点(Tg)を
T1、光学素子成形時の成形加熱温度をT2、成形型用
素材のガラス転移点(Tg)をT3としたとき、T1<
T2<T3となるように設計した。
め、この発明によれば、上下一対の成形型と胴型とを備
えた成形用型のキャビティ内に加熱軟化した光学素材を
配置し、上下一対の成形型で加圧することにより光学素
子を成形する成形用型において、ガラスからなる成形型
用素材を加熱しながら成形母型で押圧成形し、前記成形
型用素材に成形母型の転写面を転写させて成形した、転
写面を有する下型を備え、さらに前記ガラスからなる成
形型用素材の線膨張係数を光学素材の線膨張係数以下と
するとともに、光学素材のガラス転移点(Tg)を
T1、光学素子成形時の成形加熱温度をT2、成形型用
素材のガラス転移点(Tg)をT3としたとき、T1<
T2<T3となるように設計した。
【0007】以下にこの発明の好適な実施例を図面を参
照にして説明する。
照にして説明する。
【0008】この発明による光学素子成形用型では、少
なくとも下型1を、ガラスからなる成形型用素材1´で
成形する。図1は、ガラス製の下型1を備えた成形用型
の断面図を示すものであり、この実施例による光学素子
成形用型は、胴型3の孔31内に配置されたガラス製の
下型1の転写面1Aの上に加熱軟化した光学素材(ない
しはガラス素材)10を載置し、胴型3の孔31内を摺
動しながら昇降運動する上型2を降下させ、前記光学素
材(ないしはガラス素材)10を加熱しながら下型1と
上型2とで挟み込んで加圧することにより、光学素材
(ないしはガラス素材)10に下型1の転写面1Aと上
型2の転写面2Aを転写し、その後、加熱加圧によって
転写面1Aと2Aが転写された光学素材(ないしはガラ
ス素材)10を冷却し、光学素子(ないしはガラス成形
品)を成形するものである。なお、図1に示す光学素子
成形用型は超硬からなる上型2を備えるが、ガラスから
なる成形型用素材1´で成形した上型2を使用してもよ
い。
なくとも下型1を、ガラスからなる成形型用素材1´で
成形する。図1は、ガラス製の下型1を備えた成形用型
の断面図を示すものであり、この実施例による光学素子
成形用型は、胴型3の孔31内に配置されたガラス製の
下型1の転写面1Aの上に加熱軟化した光学素材(ない
しはガラス素材)10を載置し、胴型3の孔31内を摺
動しながら昇降運動する上型2を降下させ、前記光学素
材(ないしはガラス素材)10を加熱しながら下型1と
上型2とで挟み込んで加圧することにより、光学素材
(ないしはガラス素材)10に下型1の転写面1Aと上
型2の転写面2Aを転写し、その後、加熱加圧によって
転写面1Aと2Aが転写された光学素材(ないしはガラ
ス素材)10を冷却し、光学素子(ないしはガラス成形
品)を成形するものである。なお、図1に示す光学素子
成形用型は超硬からなる上型2を備えるが、ガラスから
なる成形型用素材1´で成形した上型2を使用してもよ
い。
【0009】図2は、ガラス製の下型1を成形するため
の下型成形用型の断面図を示すものであり、加熱軟化し
たガラスからなる成形型用素材1´を胴型3の孔31内
に配置し、胴型3の孔31内を摺動しながら昇降運動す
る成形母型4を降下させ、ガラスからなる成形型用素材
1´を加熱しながら成形母型4で押圧成形し、この成形
型用素材1´に成形母型4の転写面4Aを転写した後、
加熱加圧によって転写面4Aが転写された成形型用素材
1´を冷却し、転写面1Aを備えた下型1を成形するも
のである。なお図2に示す下型成形用型では、超硬から
なる成形母型4を使用している。
の下型成形用型の断面図を示すものであり、加熱軟化し
たガラスからなる成形型用素材1´を胴型3の孔31内
に配置し、胴型3の孔31内を摺動しながら昇降運動す
る成形母型4を降下させ、ガラスからなる成形型用素材
1´を加熱しながら成形母型4で押圧成形し、この成形
型用素材1´に成形母型4の転写面4Aを転写した後、
加熱加圧によって転写面4Aが転写された成形型用素材
1´を冷却し、転写面1Aを備えた下型1を成形するも
のである。なお図2に示す下型成形用型では、超硬から
なる成形母型4を使用している。
【0010】なおこの実施例では、図1に示す光学素子
成形用型と、図2に示す下型1の下型成形用型において
同一の胴型3を使用し、前記胴型3は、孔31を有する
第1部材3Aと、前記孔31の下方開口を閉鎖し、孔3
1内に配置される下型1を支持する第2部材3Bとから
構成される。また胴型3(第1部材3A及び第2部材3
B)は超硬からなり、さらに胴型3の外側には電気炉な
どの加熱手段を設けてある。加熱手段を備えた胴型3に
よって、下型1の成形時には、この熱を成形型用素材1
´に加え、ガラスからなる成形型用素材1´が軟化した
状態で、成形母型4を押圧成形し、転写面1Aが形成さ
れた下型1を成形する。また光学素子の成形時には、こ
の熱を光学素材10に加え、光学素材10が軟化した状
態で上下型1、2で加圧し、転写面1A、2Aを有する
光学素子を成形する。
成形用型と、図2に示す下型1の下型成形用型において
同一の胴型3を使用し、前記胴型3は、孔31を有する
第1部材3Aと、前記孔31の下方開口を閉鎖し、孔3
1内に配置される下型1を支持する第2部材3Bとから
構成される。また胴型3(第1部材3A及び第2部材3
B)は超硬からなり、さらに胴型3の外側には電気炉な
どの加熱手段を設けてある。加熱手段を備えた胴型3に
よって、下型1の成形時には、この熱を成形型用素材1
´に加え、ガラスからなる成形型用素材1´が軟化した
状態で、成形母型4を押圧成形し、転写面1Aが形成さ
れた下型1を成形する。また光学素子の成形時には、こ
の熱を光学素材10に加え、光学素材10が軟化した状
態で上下型1、2で加圧し、転写面1A、2Aを有する
光学素子を成形する。
【0011】つまり、この実施例では、胴型3の孔31
内に配置したガラスからなる成形型用素材1´に成形母
型4の転写面4Aを転写することにより、転写面1Aを
備えたガラス製の下型1を成形した後、この下型1と胴
型3を用いた(成形母型4を取除いた)成形用型を使用
し、胴型3の孔31内に配置に配置されているガラス製
の下型1の転写面1A上に光学素材10を配置し、転写
面2Aを有する上型2を孔31内を摺動させて前記光学
素材10を加圧して転写面1Aと2Aが転写された光学
素子(ないしはガラス成形品)を成形する。
内に配置したガラスからなる成形型用素材1´に成形母
型4の転写面4Aを転写することにより、転写面1Aを
備えたガラス製の下型1を成形した後、この下型1と胴
型3を用いた(成形母型4を取除いた)成形用型を使用
し、胴型3の孔31内に配置に配置されているガラス製
の下型1の転写面1A上に光学素材10を配置し、転写
面2Aを有する上型2を孔31内を摺動させて前記光学
素材10を加圧して転写面1Aと2Aが転写された光学
素子(ないしはガラス成形品)を成形する。
【0012】なお、この実施例では図1に示す光学素子
成形用型の上型2及び胴型3を超硬で形成したが、超硬
の代わりにセラミックスで形成してもよい。また図2に
示すガラス製の下型1を成形するための下型成形用型の
成形母型4及び胴型3も超硬で形成したが、超硬の代わ
りにセラミックスで形成してもよい。
成形用型の上型2及び胴型3を超硬で形成したが、超硬
の代わりにセラミックスで形成してもよい。また図2に
示すガラス製の下型1を成形するための下型成形用型の
成形母型4及び胴型3も超硬で形成したが、超硬の代わ
りにセラミックスで形成してもよい。
【0013】さらに、この実施例による光学素子成形用
型は、成形される光学素材10の線膨張係数以下の線膨
張係数であるガラスからなる成形型用素材1´で成形し
た下型1(ガラス製)を備え、かつ光学素材10のガラ
ス転移点(Tg)をT1、光学素子を成形するときの成
形加熱温度をT2、成形型用素材1´のガラス転移点
(Tg)をT3としたとき、T1<T2<T3となるよ
うに設計してある
型は、成形される光学素材10の線膨張係数以下の線膨
張係数であるガラスからなる成形型用素材1´で成形し
た下型1(ガラス製)を備え、かつ光学素材10のガラ
ス転移点(Tg)をT1、光学素子を成形するときの成
形加熱温度をT2、成形型用素材1´のガラス転移点
(Tg)をT3としたとき、T1<T2<T3となるよ
うに設計してある
【0014】なお、成形型用素材1´のガラス転移点
(Tg)であるT3が、光学素材10のガラス転移点
(Tg)であるT1よりも100℃以上高くなるよう
(T3−T 1≧100)に設計することが好ましい。
(Tg)であるT3が、光学素材10のガラス転移点
(Tg)であるT1よりも100℃以上高くなるよう
(T3−T 1≧100)に設計することが好ましい。
【0015】ガラスからなる成形型用素材1´として、
光学素材10の線膨張係数と同じか、もしくは光学素材
10の線膨張係数よりも小さい線膨張係数であるガラス
素材で成形した下型1を使用することによって、光学素
子成形時の冷却過程において、下型1の転写面1A内に
収容された光学素子が外周から下型1によって抱き込ま
れて締めつけられることなく、光学素子の離型性が確保
でき、また下型1による外周からの圧力によって光学素
子にワレが発生する心配もない。また、T1<T2<T
3となるように設計し、かつT3−T1≧100に設計
することによって、光学素子成形用型の下型1(ガラス
製)は、光学素子成形時に成形加熱によって軟化される
ことなく良好な硬度を保ち、光学素子の成形性に優れ、
形状精度が高く、表面品質の優れた光学素子を成形でき
る。
光学素材10の線膨張係数と同じか、もしくは光学素材
10の線膨張係数よりも小さい線膨張係数であるガラス
素材で成形した下型1を使用することによって、光学素
子成形時の冷却過程において、下型1の転写面1A内に
収容された光学素子が外周から下型1によって抱き込ま
れて締めつけられることなく、光学素子の離型性が確保
でき、また下型1による外周からの圧力によって光学素
子にワレが発生する心配もない。また、T1<T2<T
3となるように設計し、かつT3−T1≧100に設計
することによって、光学素子成形用型の下型1(ガラス
製)は、光学素子成形時に成形加熱によって軟化される
ことなく良好な硬度を保ち、光学素子の成形性に優れ、
形状精度が高く、表面品質の優れた光学素子を成形でき
る。
【0016】例えば、図1に示すガラス製の下型1を備
えた光学素子成形用型において、住田光学ガラス社製の
硝材PSK100(以下、硝材PSK100という)か
らなる光学素材10を使用し、成形温度430℃、成形
圧力50kgfにて加熱加圧し、光学素子を成形する場
合、住田光学ガラス社製の硝材PBK40(以下、硝材
PBK40という)からなる成形型用素材1´で成形し
た下型1を使用することが好ましい。
えた光学素子成形用型において、住田光学ガラス社製の
硝材PSK100(以下、硝材PSK100という)か
らなる光学素材10を使用し、成形温度430℃、成形
圧力50kgfにて加熱加圧し、光学素子を成形する場
合、住田光学ガラス社製の硝材PBK40(以下、硝材
PBK40という)からなる成形型用素材1´で成形し
た下型1を使用することが好ましい。
【0017】光学素材として使用した硝材PSK100
と、下型1の成形型用素材1´として使用した硝材PB
K40の線膨張係数とガラス転移点(Tg)について、
表1に示す。
と、下型1の成形型用素材1´として使用した硝材PB
K40の線膨張係数とガラス転移点(Tg)について、
表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】光学素材として硝材PSK100を使用
し、成形型用素材1´として硝材PBK40を使用した
場合、表1に示すように、成形型素材(硝材PBK4
0)は光学素材(硝材PSK100)よりも線膨張係数
が小さく、また光学素材(硝材PSK100)のガラス
転移点(T1)と、成形型用素材(硝材PBK40)の
ガラス転移点(T3)と、成形加熱温度(T2)とにつ
いて、T1<T2<T3の関係が満たされ、かつ硝材P
BK40のガラス点移転が硝材PSK100よりも10
0℃以上高いため(T3−T1≧100)、硝材PBK
40からなる下型1を備えた光学素子成形用型では、光
学素子の成形性が良好であり、かつ光学素子(硝材PS
K100)の冷却過程において、下型1の転写面1Aに
収容された光学素子が外周から下型1によって抱き込ま
れて締めつけれられることなく、光学素子の離型性が確
保できる。また、硝材PBK40からなる下型1を備え
た光学素子成形用型において、直径φ1.3μm、レン
ズ厚0.4μmの光学素子(硝材PSK100)を成形
したところ、成形した光学素子にワレ等の不具合は発生
せず、形状精度が高く、表面品質の優れた光学素子を成
形できた。
し、成形型用素材1´として硝材PBK40を使用した
場合、表1に示すように、成形型素材(硝材PBK4
0)は光学素材(硝材PSK100)よりも線膨張係数
が小さく、また光学素材(硝材PSK100)のガラス
転移点(T1)と、成形型用素材(硝材PBK40)の
ガラス転移点(T3)と、成形加熱温度(T2)とにつ
いて、T1<T2<T3の関係が満たされ、かつ硝材P
BK40のガラス点移転が硝材PSK100よりも10
0℃以上高いため(T3−T1≧100)、硝材PBK
40からなる下型1を備えた光学素子成形用型では、光
学素子の成形性が良好であり、かつ光学素子(硝材PS
K100)の冷却過程において、下型1の転写面1Aに
収容された光学素子が外周から下型1によって抱き込ま
れて締めつけれられることなく、光学素子の離型性が確
保できる。また、硝材PBK40からなる下型1を備え
た光学素子成形用型において、直径φ1.3μm、レン
ズ厚0.4μmの光学素子(硝材PSK100)を成形
したところ、成形した光学素子にワレ等の不具合は発生
せず、形状精度が高く、表面品質の優れた光学素子を成
形できた。
【0020】なお、硝材PSK100を光学素材として
使用して光学素子を成形する光学素子成形用型(図1)
において、表1に示す住田光学ガラス社製の硝材SFL
D21からなる成形型用素材1´で形成された下型1を
使用した場合(比較例)、下型1を構成する成形型用素
材1´の線膨張係数のほうが光学素材10の線膨張係数
よりも大きく、その結果、光学素子成形時の冷却過程に
おいて、下型1の転写面1A内に収容された光学素子が
外周から下型1に抱き込まれ、締めつけられる。また、
硝材SFLD21からなる下型1を備えた光学素子成形
用型(比較例)において、直径φ1.3μm、レンズ厚
0.4μmの光学素子(硝材PSK100)を成形した
ところ、成形した光学素子の9割にワレ等の不具合が発
生した。
使用して光学素子を成形する光学素子成形用型(図1)
において、表1に示す住田光学ガラス社製の硝材SFL
D21からなる成形型用素材1´で形成された下型1を
使用した場合(比較例)、下型1を構成する成形型用素
材1´の線膨張係数のほうが光学素材10の線膨張係数
よりも大きく、その結果、光学素子成形時の冷却過程に
おいて、下型1の転写面1A内に収容された光学素子が
外周から下型1に抱き込まれ、締めつけられる。また、
硝材SFLD21からなる下型1を備えた光学素子成形
用型(比較例)において、直径φ1.3μm、レンズ厚
0.4μmの光学素子(硝材PSK100)を成形した
ところ、成形した光学素子の9割にワレ等の不具合が発
生した。
【0021】すなわちこの発明では、上下一対の成形型
と胴型とを備えた成形用型のキャビティ内に加熱軟化し
た光学素材を配置し、上下一対の成形型で加圧すること
により光学素子を成形する成形用型において、ガラスか
らなる成形型用素材で成形した下型を備え、さらに前記
ガラスからなる成形型用素材の線膨張係数を光学素材の
線膨張係数以下とするとともに、光学素材のガラス転移
点をT1、光学素子を成形するときの成形加熱温度をT
2、成形型用素材のガラス転移点(Tg)をT 3とした
とき、T1<T2<T3となるように設計したことによ
って、光学素子の成形性が良好で、かつ光学素子成形時
の冷却過程において下型が光学素子を締めつけることが
なく、光学素子の離型性悪化や、光学素子のワレを防止
することができる。
と胴型とを備えた成形用型のキャビティ内に加熱軟化し
た光学素材を配置し、上下一対の成形型で加圧すること
により光学素子を成形する成形用型において、ガラスか
らなる成形型用素材で成形した下型を備え、さらに前記
ガラスからなる成形型用素材の線膨張係数を光学素材の
線膨張係数以下とするとともに、光学素材のガラス転移
点をT1、光学素子を成形するときの成形加熱温度をT
2、成形型用素材のガラス転移点(Tg)をT 3とした
とき、T1<T2<T3となるように設計したことによ
って、光学素子の成形性が良好で、かつ光学素子成形時
の冷却過程において下型が光学素子を締めつけることが
なく、光学素子の離型性悪化や、光学素子のワレを防止
することができる。
【図1】本発明による光学素子成形用型の断面図。
【図2】本発明による光学素子成形用型の下型を成形す
る下型成形用型の断面図。
る下型成形用型の断面図。
1 下型
1A 転写面
1´ 成形型用素材
2 上型
2A 転写面
3 胴型
31 孔
4 成形母型
4A 転写面
10 光学素材(ないしはガラス素材)
Claims (2)
- 【請求項1】 上下一対の成形型(1、2)と胴型
(3)とを備えた成形用型のキャビティ内に加熱軟化し
た光学素材(10)を配置し、上下一対の成形型で加圧
することにより光学素子を成形する成形用型において、 ガラスからなる成形型用素材(1´)を加熱しながら成
形母型(4)で押圧成形し、前記成形型用素材(1´)
に成形母型(4)の転写面(4A)を転写させて成形し
た、転写面(1A)を有する下型(1)を備え、 さらに前記ガラスからなる成形型用素材(1´)の線膨
張係数を光学素材(10)の線膨張係数以下とするとと
もに、光学素材(10)のガラス転移点(Tg)を
T1、光学素子成形時の成形加熱温度をT2、成形型用
素材(1´)のガラス転移点(Tg)をT3としたと
き、T1<T2<T3となるように設計したことを特徴
とする光学素子成形用型。 - 【請求項2】 T3−T1≧100℃となるように設計
したことを特徴とする請求項1に記載の光学素子成形用
型。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001258127A JP2003063832A (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 光学素子成形用型 |
US10/226,818 US20030046958A1 (en) | 2001-08-28 | 2002-08-23 | Optical element molding die |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001258127A JP2003063832A (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 光学素子成形用型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003063832A true JP2003063832A (ja) | 2003-03-05 |
Family
ID=19085700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001258127A Withdrawn JP2003063832A (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 光学素子成形用型 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20030046958A1 (ja) |
JP (1) | JP2003063832A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007185740A (ja) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Hitachi Computer Peripherals Co Ltd | 微小部品の研磨装置及び同研磨方法 |
US7348286B2 (en) | 2003-10-29 | 2008-03-25 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Ceramic composite material and method of its manufacture |
JP2012076975A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-19 | Olympus Corp | 光学素子の成形用型セット |
JP2019127425A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | Hoya株式会社 | ガラス製成形型 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4836838A (en) * | 1987-09-30 | 1989-06-06 | Hoya Corporation | Apparatus for molding glass articles |
US5250099A (en) * | 1990-03-29 | 1993-10-05 | Canon Kabushiki Kaisha | Glass molding process and molding apparatus for the same |
JP2815057B2 (ja) * | 1992-06-08 | 1998-10-27 | キヤノン株式会社 | 光学素子成形用型、その製造方法、光学素子及びレンズ |
US6392805B1 (en) * | 1998-03-23 | 2002-05-21 | Minolta Co., Ltd. | Diffractive optical element and an optical system having a diffractive optical element |
JP3898870B2 (ja) * | 2000-03-31 | 2007-03-28 | フジノン株式会社 | 光学素子成形方法 |
US6363747B1 (en) * | 2000-05-12 | 2002-04-02 | Eastman Kodak Company | Glass mold material for precision glass molding |
US20040050108A1 (en) * | 2002-08-29 | 2004-03-18 | Eastman Kodak Company | Mechanism to mold glass lenses using an implanted precision glass molding tool |
-
2001
- 2001-08-28 JP JP2001258127A patent/JP2003063832A/ja not_active Withdrawn
-
2002
- 2002-08-23 US US10/226,818 patent/US20030046958A1/en not_active Abandoned
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7348286B2 (en) | 2003-10-29 | 2008-03-25 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Ceramic composite material and method of its manufacture |
JP2007185740A (ja) * | 2006-01-12 | 2007-07-26 | Hitachi Computer Peripherals Co Ltd | 微小部品の研磨装置及び同研磨方法 |
JP2012076975A (ja) * | 2010-10-06 | 2012-04-19 | Olympus Corp | 光学素子の成形用型セット |
JP2019127425A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | Hoya株式会社 | ガラス製成形型 |
JP7125844B2 (ja) | 2018-01-26 | 2022-08-25 | Hoya株式会社 | ガラス製成形型 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20030046958A1 (en) | 2003-03-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6086954B2 (ja) | 光学用曲げガラス板及びその製造方法 | |
JP5458822B2 (ja) | 光学素子用成形型及び光学素子の成形方法 | |
CN112218832B (zh) | 玻璃透镜成型模具 | |
JP2003063832A (ja) | 光学素子成形用型 | |
JP7286836B2 (ja) | ガラスレンズ成形型 | |
JPH0352417B2 (ja) | ||
JP4559784B2 (ja) | 光学素子の製造方法 | |
JP2007230834A (ja) | 光学ガラス素子の成形方法 | |
JP5269477B2 (ja) | 光学素子の製造方法、光学素子の製造装置、及び光学素子 | |
JP2004010456A (ja) | 光学素子製造方法、および光学素子 | |
JP2001010831A (ja) | ガラス光学素子用成形型及び該成形型を用いたガラス光学素子の製造方法 | |
JP2621956B2 (ja) | 光学素子の成形方法 | |
JP2501588B2 (ja) | 光学ガラス素子のプレス成形用型及びその成形方法 | |
JPH02102136A (ja) | 光学素子の成形用型とその製造方法 | |
JPH07330347A (ja) | 光学素子成形方法 | |
JPH06271323A (ja) | 光学素子成形用金型 | |
JP2008056520A (ja) | プレス成形装置 | |
JP2004210550A (ja) | モールド成形金型 | |
JP3203402B2 (ja) | 光学素子成形型およびその製造方法および光学素子成形方法 | |
JP2000007355A (ja) | ガラス光学素子の成形方法及び該成形方法に用いる成形用枠体 | |
JP2005231933A (ja) | 光学素子用成形金型および光学素子の成形方法 | |
JP2003063835A (ja) | 光学素子成形型およびその製造方法 | |
JP2718451B2 (ja) | 光学ガラス部品の成形方法 | |
JP2005187216A (ja) | 光学素子成形用金型及び光学素子の製造方法 | |
JP2007137723A (ja) | 成形型組 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080529 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20081211 |