JP2002145630A5 - - Google Patents
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【0006】
即ち、本発明は、加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の一方は凹面を形成するものであり、他方は凸面または平面を形成するものである成形型により加圧成形して、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する工程(成形工程)、
前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する工程(冷却工程)、
冷却されたガラスを前記成形型から取り出す工程(取り出し工程)、を含む一方の光学的機能面が凹面であるガラス光学素子の製造方法であって、
前記冷却を、成形面が凸面または平面を形成するものである型の温度ta2が、成形面が凹面を形成するものである型の温度ta1より先に、前記Tgに達するように行うことを特徴とする前記製造方法(第1の製造方法)に関する。
即ち、本発明は、加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の一方は凹面を形成するものであり、他方は凸面または平面を形成するものである成形型により加圧成形して、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する工程(成形工程)、
前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する工程(冷却工程)、
冷却されたガラスを前記成形型から取り出す工程(取り出し工程)、を含む一方の光学的機能面が凹面であるガラス光学素子の製造方法であって、
前記冷却を、成形面が凸面または平面を形成するものである型の温度ta2が、成形面が凹面を形成するものである型の温度ta1より先に、前記Tgに達するように行うことを特徴とする前記製造方法(第1の製造方法)に関する。
【0007】
さらに本発明は、加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学素子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の両方が凹面を形成するものである成形型により加圧成形して、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する工程(以下、成形工程という)、
前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する工程(以下、冷却工程という)、
冷却されたガラスを前記成形型から取り出す工程(以下、取り出し工程という)、を含む両方の光学的機能面が凹面であるガラス光学素子の製造方法であって、
前記冷却を、曲率半径が大きい方の成形面を有する型の温度tb2が、曲率半径が小さい方の成形面を有する型の温度tb1より先に、前記Tgに達するように行うことを特徴とする前記製造方法(第2の製造方法)に関する。
さらに本発明は、加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学素子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の両方が凹面を形成するものである成形型により加圧成形して、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する工程(以下、成形工程という)、
前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する工程(以下、冷却工程という)、
冷却されたガラスを前記成形型から取り出す工程(以下、取り出し工程という)、を含む両方の光学的機能面が凹面であるガラス光学素子の製造方法であって、
前記冷却を、曲率半径が大きい方の成形面を有する型の温度tb2が、曲率半径が小さい方の成形面を有する型の温度tb1より先に、前記Tgに達するように行うことを特徴とする前記製造方法(第2の製造方法)に関する。
【0011】
本発明の第1の製造方法は、図1の(A)又は(B)に示すように、レンズの一方の面が平面又は凸面である場合が対象である。この場合、冷却工程における冷却を、成形面が凸面または平面を形成するものである型の温度ta2が、成形面が凹面を形成するものである型の温度ta1より先に、成形対象となっているガラスのガラス転移温度Tgに達するように行う。好ましくは温度ta2がTgに達したときに温度ta1は、温度ta2より5℃以上高くなるように冷却条件を設定する。特に好ましくは、温度ta2がTgに達したときに温度ta1は、温度ta2より好ましくは5℃〜40℃、より好ましくは5〜30℃、さらに好ましくは5〜20℃以上高くなるように冷却条件を設定する。
本発明の第1の製造方法は、図1の(A)又は(B)に示すように、レンズの一方の面が平面又は凸面である場合が対象である。この場合、冷却工程における冷却を、成形面が凸面または平面を形成するものである型の温度ta2が、成形面が凹面を形成するものである型の温度ta1より先に、成形対象となっているガラスのガラス転移温度Tgに達するように行う。好ましくは温度ta2がTgに達したときに温度ta1は、温度ta2より5℃以上高くなるように冷却条件を設定する。特に好ましくは、温度ta2がTgに達したときに温度ta1は、温度ta2より好ましくは5℃〜40℃、より好ましくは5〜30℃、さらに好ましくは5〜20℃以上高くなるように冷却条件を設定する。
【0014】
さらに、少なくとも成形工程終了時において、温度tb2は温度tb1より低いことが好ましく、より好ましくは、少なくとも成形工程終了時において、温度tb2は温度tb1より5℃以上低い。即ち、加圧終了時における成形型の温度を、Rの小さい方の凹面(S2)を成形する型の温度tb1が、曲率半径Rの大きい方の凹面(S1)を成形する型の温度tb2より5℃以上高く(tb1−tb2≧5℃)なるようにする。
さらに、成形工程の開始から終了時まで、終始、温度tb2は温度tb1より低いことが好ましい。
さらに、少なくとも成形工程終了時において、温度tb2は温度tb1より低いことが好ましく、より好ましくは、少なくとも成形工程終了時において、温度tb2は温度tb1より5℃以上低い。即ち、加圧終了時における成形型の温度を、Rの小さい方の凹面(S2)を成形する型の温度tb1が、曲率半径Rの大きい方の凹面(S1)を成形する型の温度tb2より5℃以上高く(tb1−tb2≧5℃)なるようにする。
さらに、成形工程の開始から終了時まで、終始、温度tb2は温度tb1より低いことが好ましい。
【0015】
本発明のガラス光学素子の製造方法は、(1)加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学素子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の一方は凹面を形成するものであり、他方は凸面または平面を形成するものである成形型により加圧成形する(第1の製造方法)か、または、前記成形面の両方が凹面を形成するものである成形型により加圧成形して(第2の製造方法)、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する成形工程、(2)前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する冷却工程、(3)冷却されたガラスを前記成形型から取り出す取り出し工程を含む。
本発明のガラス光学素子の製造方法は、(1)加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学素子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の一方は凹面を形成するものであり、他方は凸面または平面を形成するものである成形型により加圧成形する(第1の製造方法)か、または、前記成形面の両方が凹面を形成するものである成形型により加圧成形して(第2の製造方法)、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する成形工程、(2)前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する冷却工程、(3)冷却されたガラスを前記成形型から取り出す取り出し工程を含む。
【0018】
本発明の好ましい態様において、2つの型(上型、下型)の温度差(t1−t2)を5℃とするのは、少なくとも初期加圧終了時においてである。ここで、初期加圧とは、ガラスレンズ素材を成形型の成形面に対応した形状に成形するための加圧を意味する。本発明の製造方法では、初期加圧後に成形品に圧力(例えば、上型自重)をさらに加えることもできるが、初期加圧後に成形品に圧力を加えないで冷却することもできる。但し、ガラスを離型するまで成形品に圧力を加え続けることが好ましい。
本発明の好ましい態様において、2つの型(上型、下型)の温度差(t1−t2)を5℃とするのは、少なくとも初期加圧終了時においてである。ここで、初期加圧とは、ガラスレンズ素材を成形型の成形面に対応した形状に成形するための加圧を意味する。本発明の製造方法では、初期加圧後に成形品に圧力(例えば、上型自重)をさらに加えることもできるが、初期加圧後に成形品に圧力を加えないで冷却することもできる。但し、ガラスを離型するまで成形品に圧力を加え続けることが好ましい。
【0021】
本発明の方法においては、2つの成形型の温度差(t1−t2)は、平面又は凸面を成形する型または曲率半径Rの大きい方の凹面を成形する型の温度が少なくともTgになるまでは5℃以上になるように冷却することが、加圧プレス後、冷却工程で生じるガラス収縮の不均一さの低減及び歪みの量の減少をさせるという観点から好ましい。
本発明の方法においては、2つの成形型の温度差(t1−t2)は、平面又は凸面を成形する型または曲率半径Rの大きい方の凹面を成形する型の温度が少なくともTgになるまでは5℃以上になるように冷却することが、加圧プレス後、冷却工程で生じるガラス収縮の不均一さの低減及び歪みの量の減少をさせるという観点から好ましい。
【0024】
実施例1
図5に示す形状の一方が凹面(曲率半径R=4mm)であり、他方が凸面(曲率半径R=50mm)のガラスレンズ(比b/a=2.9、凹メニスカスレンズ)を製造した。凹面を上型で形成し、凸面を下型で成形した。ガラス素材としてはNbFD13(Tg=535℃、Ts=570℃)を用いた。成形の条件は表1に示す。
上型(凹面を形成する)の温度、下型(凸面を形成する)の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図8に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は610℃であり、下型の温度(ta2)は590℃であり、両者の温度差は20℃であった。加圧成形中、この温度は維持され、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)も610℃であり、下型の温度(ta2)も590℃であり、両者の温度差は20℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=535℃に達したときの上型の温度(ta1)は545℃であり、両者の温度差は10℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は4℃であった。
実施例1
図5に示す形状の一方が凹面(曲率半径R=4mm)であり、他方が凸面(曲率半径R=50mm)のガラスレンズ(比b/a=2.9、凹メニスカスレンズ)を製造した。凹面を上型で形成し、凸面を下型で成形した。ガラス素材としてはNbFD13(Tg=535℃、Ts=570℃)を用いた。成形の条件は表1に示す。
上型(凹面を形成する)の温度、下型(凸面を形成する)の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図8に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は610℃であり、下型の温度(ta2)は590℃であり、両者の温度差は20℃であった。加圧成形中、この温度は維持され、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)も610℃であり、下型の温度(ta2)も590℃であり、両者の温度差は20℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=535℃に達したときの上型の温度(ta1)は545℃であり、両者の温度差は10℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は4℃であった。
【0025】
実施例2
図6に示す形状の一方が凹面(曲率半径R=17mm)であり、他方が凸面(曲率半径R=23mm)のガラスレンズ(比b/a=2.5、凹メニスカスレンズ)を製造した。凹面を上型で形成し、凸面を下型で成形した。ガラス素材としてはLaC13(Tg=520℃、Ts=560℃)を用いた。成形の条件は表1に示す。
上型(凹面を形成する)の温度、下型(凸面を形成する)の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図9に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)は580℃であり、両者の温度差は20℃であった。加圧成形中、上型の温度を徐々に低くし、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)は590℃であり、下型の温度(ta2)は580℃であり、両者の温度差は10℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=520℃に達したときの上型の温度(ta1)は528℃であり、両者の温度差は8℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は1℃であった。
実施例2
図6に示す形状の一方が凹面(曲率半径R=17mm)であり、他方が凸面(曲率半径R=23mm)のガラスレンズ(比b/a=2.5、凹メニスカスレンズ)を製造した。凹面を上型で形成し、凸面を下型で成形した。ガラス素材としてはLaC13(Tg=520℃、Ts=560℃)を用いた。成形の条件は表1に示す。
上型(凹面を形成する)の温度、下型(凸面を形成する)の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図9に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)は580℃であり、両者の温度差は20℃であった。加圧成形中、上型の温度を徐々に低くし、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)は590℃であり、下型の温度(ta2)は580℃であり、両者の温度差は10℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=520℃に達したときの上型の温度(ta1)は528℃であり、両者の温度差は8℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は1℃であった。
【0026】
実施例3
図7に示す形状の一方が凹面(曲率半径R=38mm)であり、他方が凹面(曲率半径R=180mm)のガラスレンズ(比b/a=3.0、両凹レンズ)を製造した。Rの小さい凹面を上型で形成し、Rの大きい凹面を下型で成形した。ガラス素材としてはLaC13(Tg=520℃、Ts=560℃)を用いた。成形の条件は表1に示す。
上型(Rの小さい凹面を形成する)の温度、下型(Rの大きい凹面を形成する)の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図10に示す。加圧成形開始時の上型の温度(tb1)は600℃であり、下型の温度(tb2)は580℃であり、両者の温度差は20℃であった。加圧成形中、上型の温度(tb1)を徐々に低くし、初期加圧終了時の上型の温度(tb1)は595℃であり、下型の温度(tb2)は580℃であり、両者の温度差は15℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(tb2)がガラス素材のTg=520℃に達したときの上型の温度(tb1)は530℃であり、両者の温度差は10℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度と上型 (tb1)の温度差は2℃であった。
実施例3
図7に示す形状の一方が凹面(曲率半径R=38mm)であり、他方が凹面(曲率半径R=180mm)のガラスレンズ(比b/a=3.0、両凹レンズ)を製造した。Rの小さい凹面を上型で形成し、Rの大きい凹面を下型で成形した。ガラス素材としてはLaC13(Tg=520℃、Ts=560℃)を用いた。成形の条件は表1に示す。
上型(Rの小さい凹面を形成する)の温度、下型(Rの大きい凹面を形成する)の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図10に示す。加圧成形開始時の上型の温度(tb1)は600℃であり、下型の温度(tb2)は580℃であり、両者の温度差は20℃であった。加圧成形中、上型の温度(tb1)を徐々に低くし、初期加圧終了時の上型の温度(tb1)は595℃であり、下型の温度(tb2)は580℃であり、両者の温度差は15℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(tb2)がガラス素材のTg=520℃に達したときの上型の温度(tb1)は530℃であり、両者の温度差は10℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度と上型 (tb1)の温度差は2℃であった。
【0027】
比較例1
表1に示すように上型温度を下型温度と同一にした以外は、実施例1と同様にしてガラスレンズを成形した。上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図11に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)も600℃であり、両者の温度差は0℃であった。加圧成形中もこの温度を維持し、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)は600℃であり、両者の温度差は0℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=535℃に達したときの上型の温度(ta1)は535℃であり、両者の温度差は0℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は0℃であった。
比較例1
表1に示すように上型温度を下型温度と同一にした以外は、実施例1と同様にしてガラスレンズを成形した。上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図11に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)も600℃であり、両者の温度差は0℃であった。加圧成形中もこの温度を維持し、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)は600℃であり、両者の温度差は0℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=535℃に達したときの上型の温度(ta1)は535℃であり、両者の温度差は0℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は0℃であった。
【0028】
比較例2
表1に示すように上型温度を下型温度より低くした以外は、実施例1と同様にしてガラスレンズを成形した。上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図12に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は595℃であり、下型の温度(ta2)は605℃であり、両者の温度差は−10℃であった。加圧成形中、上型の温度(ta1)を徐々に高くし、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)は605℃であり、両者の温度差は−5℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=535℃に達したときの上型の温度(ta1)は533℃であり、両者の温度差は-2℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は0℃であった。
比較例2
表1に示すように上型温度を下型温度より低くした以外は、実施例1と同様にしてガラスレンズを成形した。上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化を図12に示す。加圧成形開始時の上型の温度(ta1)は595℃であり、下型の温度(ta2)は605℃であり、両者の温度差は−10℃であった。加圧成形中、上型の温度(ta1)を徐々に高くし、初期加圧終了時の上型の温度(ta1)は600℃であり、下型の温度(ta2)は605℃であり、両者の温度差は−5℃であった。さらに、冷却が進み、下型の温度(ta2)がガラス素材のTg=535℃に達したときの上型の温度(ta1)は533℃であり、両者の温度差は-2℃であった。さらに、2次加圧終了時の下型の温度(ta2)と上型 (ta1)の温度差は0℃であった。
【0031】
表1に示すように、初期加圧終了時点において、上型温度(凹面を形成する)を下型温度(凸面を形成する)より高くする(成形面が凸面または平面を形成するものである型の温度ta2が、成形面が凹面を形成するものである型の温度ta1より先に、Tgに達する)ことにより、一方または両方の面が凹形状であっても、良好な面精度を有するガラス光学素子を得ることができる。
表1に示すように、初期加圧終了時点において、上型温度(凹面を形成する)を下型温度(凸面を形成する)より高くする(成形面が凸面または平面を形成するものである型の温度ta2が、成形面が凹面を形成するものである型の温度ta1より先に、Tgに達する)ことにより、一方または両方の面が凹形状であっても、良好な面精度を有するガラス光学素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法において製造の対象となるガラス光学素子(A)、(B)及び(C)を示す。
【図2】光学機能面外側の一方の側に光軸と直交する平面部を設けた凹メニスカスレンズの説明図。
【図3】本発明の製造方法における2つの型(上型、下型)の温度の典型的な経時変化を示す。
【図4】実施例1〜3及び比較例1〜2に用いた成形装置の概略図。
【図5】実施例1で製造したガラスレンズの説明図。
【図6】実施例2で製造したガラスレンズの説明図。
【図7】実施例3で製造したガラスレンズの説明図。
【図8】実施例1における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図9】実施例2における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図10】実施例3における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図11】比較例1における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図12】比較例2における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図13】実施例1〜3及び比較例1〜2で得られたガラスレンズの面精度を示す。
【図1】本発明の製造方法において製造の対象となるガラス光学素子(A)、(B)及び(C)を示す。
【図2】光学機能面外側の一方の側に光軸と直交する平面部を設けた凹メニスカスレンズの説明図。
【図3】本発明の製造方法における2つの型(上型、下型)の温度の典型的な経時変化を示す。
【図4】実施例1〜3及び比較例1〜2に用いた成形装置の概略図。
【図5】実施例1で製造したガラスレンズの説明図。
【図6】実施例2で製造したガラスレンズの説明図。
【図7】実施例3で製造したガラスレンズの説明図。
【図8】実施例1における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図9】実施例2における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図10】実施例3における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図11】比較例1における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図12】比較例2における上型の温度、下型の温度、及び加圧圧力の各経時変化。
【図13】実施例1〜3及び比較例1〜2で得られたガラスレンズの面精度を示す。
Claims (12)
- 加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学素子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の一方は凹面を形成するものであり、他方は凸面または平面を形成するものである成形型により加圧成形して、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する工程(以下、成形工程という)、
前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する工程(以下、冷却工程という)、
冷却されたガラスを前記成形型から取り出す工程(以下、取り出し工程という)、を含む一方の光学的機能面が凹面であるガラス光学素子の製造方法であって、
前記冷却を、成形面が凸面または平面を形成するものである型の温度ta2が、成形面が凹面を形成するものである型の温度ta1より先に、前記Tgに達するように行うことを特徴とする前記製造方法。 - 温度ta2がTgに達したときに温度ta1は、温度ta2より5℃以上高い請求項1に記載の製造方法。
- 加熱軟化した被成形ガラス素材を、得ようとするガラス光学素子の光学的機能面を形成するための成形面を有する上型及び下型を含み、前記成形面の両方が凹面を形成するものである成形型により加圧成形して、前記被成形ガラス素材に前記成形面を転写する工程(成形工程)、
前記成形型を冷却することにより成形したガラスをこのガラスのガラス転移温度(Tg)以下になるように冷却する工程(冷却工程)、
冷却されたガラスを前記成形型から取り出す工程(取り出し工程)、を含む両方の光学的機能面が凹面であるガラス光学素子の製造方法であって、
前記冷却を、曲率半径が大きい方の成形面を有する型の温度tb2が、曲率半径が小さい方の成形面を有する型の温度tb1より先に、前記Tgに達するように行うことを特徴とする前記製造方法。 - 温度tb2がTgに達したときに温度tb1は、温度tb2より5℃以上高い請求項3に記載の製造方法。
- 少なくとも前記成形工程終了時において、温度ta2は温度ta1より低く、温度tb2は温度tb1より低い請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 少なくとも前記成形工程終了時において、温度ta2は温度ta1より5℃以上低く、温度tb2は温度tb1より5℃以上低い請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記成形工程の開始から終了時まで、終始、温度ta2は温度ta1より低く、温度tb2は温度tb1より低い請求項5又は6に記載の製造方法。
- 前記成形工程終了時から冷却工程終了時までの間、温度t b 1と温度tb2との差、及び温度ta1と温度t a 2との差はそれぞれ徐々に小さくなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記成形工程後、成形工程における加圧に引続き、成形工程における加圧力よりも小さい圧力で2次加圧を行う請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ガラス光学素子が、中心肉厚aと周辺肉厚bとの比b/aが1.5以上である請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ガラス光学素子が、凹メニスカスレンズである請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記ガラス素材が、ガラスプリフォームを再加熱したものである請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261775A JP3681114B2 (ja) | 2000-09-01 | 2001-08-30 | ガラス光学素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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