JP6879181B2 - ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス成形体の製造方法に関する。
近年、デジタルカメラ用レンズ、DVD等の光ピックアップレンズ、携帯電話用カメラレンズ、光通信用のカップリングレンズ等として、ガラス製の光学素子が広範にわたって利用されている。このようなガラス製の光学素子として、ガラス素材を成形型で加圧成形して製造したガラス成形体が広く用いられている。
このようなガラス成形体の製造方法として、下型に溶融ガラスを供給し、供給した溶融ガラスが固化する前に、下型と上型とで加圧成形してガラス成形体を得る方法が知られている。この方法は、溶融ガラスから直接ガラス成形体を製造することができるため、1回の成形に要する時間を非常に短くできることから注目されている。
また、近年は、光学デバイスの高精度化や低コスト化の要求が高まり、対向する上下2つの成形面に加え、ガラス成形体を光学系に組み込む際や、ガラス成形体に後加工(切断加工等)を行う際に位置決め基準面として用いるための外径規制面を有するガラス成形体が求められるようになってきた。
外径規制面を成形する面は下型に構成することもできるが、特許文献1には、下型、上型のほか、外径規制面を成形する外径規制型を用い、外径規制型を、加圧成形されたガラス成形体と共に回収する製造方法が記載されている。これによれば、ガラス成形体を外径規制型と共に回収して離型工程に回す一方、新たな外径規制型を下型に設置して次の成形サイクルに入ることができるから、ガラス成形体の回収や離型が容易であるとともに、成形サイクルタイムを短くし効率良く製造することができる。
特開2010−100499号公報
しかしながら、以上の従来技術にあっても次のような課題がある。
特許文献1に記載の製造方法にあっては、型開き後、外径規制型及びガラス成形体を下型から吸着装置等で取り上げて取り去ると、外径規制型及びガラス成形体を下型から取り去る前に、新たな外径規制型を下型に設置して次の成形サイクルに入ることはできない。
外径規制型及びガラス成形体を回収するために、吸着装置等を用いて下型から引き剥がす必要がある。下型からのガラス成形体の離型のために、下型の冷却時間を設けると、その冷却時間後に成形時の設定時間へ加熱する時間も要するから成形サイクルタイムを長期化させる。
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、下型、上型のほか外径規制面を形成する外径規制型を用いて溶融ガラスを加圧成形し、相対する2つの成形面と、外径規制面とを有するガラス成形体を製造するにあたり、ガラス成形体の回収、離型をより容易にするとともに、成形サイクルタイムをより短くし効率良く製造することを課題とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、溶融ガラスを加圧成形して、相対する第1成形面及び第2成形面と、外径規制面とを有するガラス成形体を製造するにあたり、
外径規制型が設置された下型に溶融ガラスを供給し、前記下型と上型とで供給された溶融ガラスを加圧して、前記下型により前記第1成形面を、前記上型により前記第2成形面を、前記外径規制型により前記外径規制面を成形する成形工程と、
前記成形工程の後、前記上型に前記第2成形面を貼り付かせ前記外径規制型に前記外径規制面を貼り付かせた状態で前記上型と前記下型を型開きすることで、前記上型に前記ガラス成形体及び前記外径規制型を保持しつつ、前記ガラス成形体及び前記外径規制型を前記下型から離す型開き工程と、
前記型開き工程の後、前記第2成形面を前記上型から離して前記ガラス成形体及び前記外径規制型を回収する成形体回収工程と、
前記型開き工程の後、前記下型に前記外径規制型を設置する外径規制型設置工程と、を備え、
前記成形体回収工程と前記外径規制型設置工程とを並行して実行するガラス成形体の製造方法である。
請求項2記載の発明は、前記成形体回収工程で前記第2成形面が前記上型から離れる時点までに、前記外径規制型設置工程で前記下型に前記外径規制型を設置する請求項1に記載のガラス成形体の製造方法である。
請求項3記載の発明は、前記成形体回収工程は、前記上型の下方領域に回収アームを侵入させ、当該回収アームで前記ガラス成形体及び前記外径規制型を受け取り、当該回収アームとともに前記ガラス成形体及び前記外径規制型を前記上型の下方領域から退避させて行い、
前記外径規制型設置工程は、前記外径規制型を供給アームで保持して前記下型の上方領域に侵入させ、当該供給アームから前記外径規制型を離して前記下型に前記外径規制型を設置し、当該供給アームを前記下型の上方領域から退避させて行う請求項1又は請求項2に記載のガラス成形体の製造方法である。
請求項4記載の発明は、前記成形体回収工程において、前記上型と前記外径規制型との間に露出した前記ガラス成形体に向けて冷却エアを吹き付けることで、前記第2成形面の前記上型からの離脱を促進する請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法である。
請求項5記載の発明は、前記成形体回収工程の後、前記ガラス成形体を前記外径規制型から取り出す成形体取出工程を備え、
前記成形体取出工程において、相対的に前記ガラス成形体を収縮させ前記外径規制型を膨張させるように、前記ガラス成形体の冷却及び/又は前記外径規制型の加熱を行う請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法である。
請求項6記載の発明は、前記成形工程において、前記上型の温度を前記溶融ガラスのガラス転移温度Tg−60℃からTg−20℃とし、前記下型及び前記外径規制型の温度をTg−10℃からTg+30℃の範囲で前記上型の温度より高く設定する請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法である。
請求項7記載の発明は、前記上型及び前記下型として、前記上型の前記第2成形面を成形する面の表面粗さが前記下型の前記第1成形面を成形する面の表面粗さより粗い組合せのものを用いる請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法である。
本発明によれば、下型、上型のほか外径規制面を形成する外径規制型を用いて溶融ガラスを加圧成形し、相対する2つの成形面と、外径規制面とを有するガラス成形体を製造するにあたり、ガラス成形体の回収、離型をより容易にするとともに、成形サイクルタイムをより短くし効率良く製造することができる。
本発明の一実施形態に係るガラス成形体の製造方法の工程を示す成形装置主要部の縦断面図である。 図1に続く工程を示す成形装置主要部の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るガラス成形体の側面図である。 本発明の一実施形態に係る成形体回収工程を示す成形装置主要部の縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る成形体取出工程を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るガラス成形体の製造方法の流れを示すフローチャートである。
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
本実施形態は、図1、図2に示すような下型11と上型12と外径規制型13とを有する成形型を用いて溶融ガラス19を加圧成形しガラス成形体20を製造する方法である。ガラス成形体20はレンズを例としている。図3に示すようにガラス成形体20は、第1成形面21と、第2成形面22と、外径規制面23とを有する。
第1成形面21と、第2成形面22とは、ガラス成形体20において互いに相対する面(対面)である。ガラス成形体20は、相対する面に有効径の比較的大きいレンズ面(第1成形面21)と、有効径の比較的小さいレンズ面22aとを有する。
第1成形面21は有効径の比較的大きいレンズ面を形成しており、下型11によって成形される。第2成形面22の中心部は有効径の比較的小さいレンズ面22aであり、その周囲部はフラット面22bであり、これらは上型12によって成形される。
フラット面22bを上型12によって成形することで、型開き時、上型12にガラス成形体20が貼り付きやすくなる。両面にフラット面がある場合は、面積の大きい方を上型12により成形する。
なお、本実施形態に拘わらず、上型12によって成形される面を比較的大きいレンズ面とし、下型11によって成形される面を有効径の比較的小さいレンズ面として実施してもよい。
第1成形面21と、第2成形面22がともに凸のレンズ面を有しているが、ガラス成形体はそのような形状に限られるものではない。例えば、第1成形面21、第2成形面22の何れか一方、あるいは両方が凹面、平面等であってもよい。第1成形面21や第2成形面22の少なくとも一部を光学機能面として用いることで、ガラス成形体20を、種々の光学素子として用いることができる。
外径規制面23は、ガラス成形体20の外周面であり、レンズ面(第1成形面21)、レンズ面22aの光軸に対して所定の公差の半径位置に形成され、外径規制型13によって成形される。特に、外径規制型13により外径規制面23を成形することにより、後の芯取加工が不要となるように外径規制型13を所定の公差内に成形する。これにより、外径規制面23を、ガラス成形体20を光学系に組み込む際や、ガラス成形体20に後加工(研磨加工、切断加工等)を行う際に位置決め基準面として用いることができる。外径の形状(外径規制面23の、中心軸24に垂直な断面形状)は、円形に限られず、多角形や楕円形など、種々の形状とすることができる。
下型11は、溶融ガラス19を受け、ガラス成形体20の第1成形面21を成形するための第1型面(下型面)11Sと、外径規制型13を下型面11Sに位置決めするための凹状に形成された規制型位置決め部11aとを有する。外径規制型13と下型11との位置決め構造は特に限定されるものではない。規制型位置決め部11aの内周面と外径規制型13の外周面とが接し、規制型位置決め部11aが外径規制型13を径方向に位置決めする面の形状は、外径規制型13を取り出す方向に向かって径が広がるテーパ形状とすることが好ましい。テーパ形状とすることにより、外径規制型13の取り出しをより容易に行うことができる。また、下型11に外径規制型13を載置する際、外径規制型13の外径における径方向の中心と規制型位置決め部11aの内径における径方向の中心、ひいては、下型11の下型面11Sの中心とをより容易に合わせることができる。もちろん、当該位置決めする面をテーパ形状にせずに垂直面として実施してもよく、その場合でも外径規制型13の位置決めと取出しは可能である。
上型12は、第2の成形面22を成形するための第2型面(上型面)12Sを有する。
外径規制型13は、外径規制面23を成形するための規制型面13Sを有する。
製造方法の要点としては、図1(c)(d)に示すように外径規制型13が設置された下型11に溶融ガラス19を供給し、下型11と上型12とで供給された溶融ガラスを加圧して、下型11により第1成形面21を、上型12により第2成形面22を、外径規制型13により外径規制面23を成形する(成形工程)。より具体的には、外径規制型13が下型11に載置されることで規制型面13Sと組み合わされた第1型面11Sの上に、滴下ノズル等から溶融ガラス19を滴下した後、第1型面11Sと第2型面12Sとを相対的に接近させ、溶融ガラス19を加圧(プレス)してガラス成形体20を得る。
成形工程の後、図2(a)に示すように上型12に第2成形面22を貼り付かせ外径規制型13に外径規制面23を貼り付かせた状態で上型12と下型11を型開きすることで、上型12にガラス成形体20及び外径規制型13を保持しつつ、ガラス成形体20及び外径規制型13を下型11から離す(型開き工程)。これよって、ガラス成形体20及び外径規制型13の下型11からの取出しを行う。
次に、図2(b)に示すように成形体回収工程と外径規制型設置工程とを並行して実行する。
成形体回収工程は、型開き工程の後、第2成形面22を上型12から離してガラス成形体20及び外径規制型13を回収する工程である。
外径規制型設置工程は、型開き工程の後、下型11に外径規制型13を設置する工程である。
また、成形体回収工程を、上型12の下方領域に回収アーム15を侵入させ、回収アーム15の保持部15aにガラス成形体20及び外径規制型13を受け取り、回収アーム15とともにガラス成形体20及び外径規制型13を上型12の下方領域から退避させて行う。
また、外径規制型設置工程は、別の外径規制型13Nを供給アーム16の保持部16aで保持して下型11の規制型位置決め部11aの上方領域に侵入させ、供給アーム16から外径規制型13Nを離して下型11の規制型位置決め部11aに外径規制型13Nを設置し、供給アーム16を下型11の上方領域から退避させて行う。回収アーム15の保持部15a及び供給アーム16の保持部16aには、エア吸着装置が組み込まれている。保持部16aによる吸着を解除することで、外径規制型13Nを離す。
成形体回収工程と外径規制型設置工程とを並行して実行するので、成形サイクルタイムをより短くすることができる。
成形サイクルタイムの短縮のためには、成形体回収工程で第2成形面22が上型12から離れる時点までに、外径規制型設置工程で下型11に外径規制型13を設置することが好ましい。
成形体回収工程においては、図4に示すように上型12と外径規制型13との間に露出したガラス成形体20に向けて冷却エア17を吹き付けることで、第2成形面22の上型12からの離脱を促進する。上型12は、下型11と異なり外径規制型13に接触して閉める必要は無く、外径規制型13との間に隙間を有するので、その隙間を介して冷却エア17をガラス成形体20に送ることができるので、ガラス成形体20を効率よく冷却できる。
第2成形面22が上型12から離脱すると、ガラス成形体20及び外径規制型13が自重落下するので、これを保持部15aで受け取る。又は、第2成形面22が上型12から離脱する前から、保持部15aを外径規制型13に付けてエア吸着を稼働し、第2成形面22の上型12からの離脱を補助してもよい。
ガラス成形体20を自重によって上型12から離脱させることにより、第2成形面22に過度な負荷を与えずに回収することができ、精度よく第2成形面22を形成できる。
成形体回収工程の後は、ガラス成形体20を外径規制型13から取り出す成形体取出工程を実施する。
成形体取出工程において、相対的にガラス成形体20を収縮させ外径規制型13を膨張させるように、ガラス成形体20の冷却及び/又は外径規制型13の加熱を行うことが有効である。例えば、図5(a)に示すようにヒータ18により外径規制型13の加熱を行う。又は、図5(b)に示すようにヒータ18により外径規制型13の加熱を行うとともに、冷却エア17によりガラス成形体20の冷却を行う。
また、冷却エア17によるガラス成形体20の冷却は、図4に示すように成形体回収工程において第2成形面22の上型12からの離脱前にも行っているので、保持部15aにおいて成形体取出工程を実行してもよい。そのためには、第2成形面22の上型12からの離脱後も、ガラス成形体20が外径規制型13から離脱するまではできるだけ冷却エア17によるガラス成形体20の冷却を継続する、図5に示したヒータ18を保持部15aに設ける、保持部15aに外径規制型13から抜け落ちるガラス成形体20を受け取る穴部などを設けておく、などの手段を講じるとよい。
上記型開き工程において、上型12にガラス成形体20を貼り付かせるためには、以下の条件で実施することが好ましいい。
一つは、成形工程において、上型12の温度を溶融ガラス19のガラス転移温度Tg−60℃からTg−20℃とし、下型11及び外径規制型13の温度をTg−10℃からTg+30℃の範囲で上型12の温度より高く設定することである。上型12を比較的低温とすることで、型開き時に上型12にガラス成形体20が貼り付きやすいという効果が得られる。
他の一つは、上型12及び下型11として、上型12の第2成形面22を成形する第2型面(上型面)12Sの表面粗さが下型11の第1成形面21を成形する第1型面(下型面)11Sの表面粗さより粗い組合せのものを用いることである。ガラス成形体20の上型12の方への食い付きを比較的よくすることで、型開き時に上型12にガラス成形体20が貼り付きやすいという効果が得られる。
(ガラス成形体の製造方法の流れ)
図6のフローチャートを加えて参照し、改めてガラス成形体20の製造方法の流れに沿って説明する。
下型11と外径規制型13は、組み合わされた状態で、溶融ガラス19を受けるための位置(滴下位置)と、受けた溶融ガラス19を加圧するための位置(加圧位置)との間で移動できるように構成しておく。また、上型12は、図示しない駆動手段により、下型11との間で溶融ガラス19を加圧する方向(図1、図2における上下方向)に移動できるように構成しておく。
先ず、規制型位置決め部11aを備えた下型11に外径規制型13を載置し(外径規制型設置工程S11)、成形型の各部材を予め所定温度に加熱しておく(工程S12)。所定温度とは、加圧成形によってガラス成形体に良好な成形面を転写できる温度を適宜選択すればよい。下型11、上型12及び外径規制型13の加熱温度は同じであってもよいし、異なっていてもよいが、上述したように上型12を比較的低温に設定することを実施してもよい。実際には、使用するガラスの種類や、ガラス成形体の形状、大きさ、成形型の各部材の材料、大きさ等種々の条件によって適正な温度が異なるため、実験的に適正な温度を求めておくことが好ましい。通常は、使用するガラスのガラス転移温度をTgとすると、Tg−100℃からTg+100℃程度の温度に設定することが好ましい。
次に、下型11と外径規制型13を滴下位置に配置(工程S13)した後、規制型面13Sと組み合わされた第1型面11Sの上に溶融ガラス19を滴下する(工程S14)(図1(c)参照)。
なお、 使用できるガラスの種類に特に制限はなく、公知のガラスを用途に応じて選択して用いることができる。例えば、ホウケイ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、ランタン系ガラス等の光学ガラスが挙げられる。
次に、下型11と外径規制型13を加圧位置に配置し(工程S15)、上型12を下方に移動して、溶融ガラス19を加圧する(工程S16)(図1(d)参照)。溶融ガラス19は、加圧されている間に、接触している第1型面11S、第2型面12S及び規制型面13Sからの放熱などによって冷却され、固化してガラス成形体20となる。ガラス成形体20が所定の温度まで冷却された後、加圧を解除する。ガラスの種類や、ガラス成形体20の大きさや形状、必要な精度等によるが、通常はガラスのTg近傍の温度まで冷却されていればよい。
溶融ガラス19を加圧するために負荷する荷重は、常に一定であってもよいし、時間的に変化させてもよい。負荷する荷重の大きさは、製造するガラス成形体20のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。また、上型12を上下移動させる駆動手段に特に制限はなく、エアシリンダ、油圧シリンダ、サーボモータを用いた電動シリンダ等の公知の駆動手段を適宜選択して用いることができる。上型12を下方に移動する代わりに、下型11と外径規制型13を上方に移動して加圧してもよい。また、上型12を下方に移動すると同時に、下型11と外径規制型13を上方に移動して溶融ガラス19を加圧してもよい。
次に、上型12を上方に移動して退避させて上述したようにガラス成形体20を上型12に貼り付かせて型開きし(型開き工程S17)(図2(a)参照)、回収アーム15によりガラス成形体20を外径規制型13と共に上型12から受け取って回収する(成形体回収工程S18)(図2(b)参照)。
型開き工程後は、製造を終了する場合(判断ステップS19でYES)を除き、成形体回収工程S18と並行して、次サイクルの外径規制型設置工程S11に移行し(図2(b)参照)、サイクル(S11−S17(S18))を繰り返す。
外径規制型13をガラス成形体20と共に上型12側に退避させるため、型開き直後に外径規制型設置工程S11を実行でき、外径規制型13を複数個準備することにより、直ちに次のサイクル(工程S11)に移行することができる。
外径規制型13と共に回収したガラス成形体20は、上述したサイクル(S11−S17(S18))とは別の工程(図6(b)参照)として、外径規制型13より取り外し(成形体取出工程S101)、ガラス成形体20を外径規制型13から分離した状態で単独回収し(工程S102)、外径規制型13をガラス成形体20から分離した状態で単独回収する(工程S103)。
なお、成形体回収工程S18と成形体取出工程S101との間に他の工程を実施してもよい。例えば、成形体回収工程S18で回収された外形規制型付きガラス成形体20に、反射防止膜等を付与する蒸着工程を施す場合があり、同工程を経てから成形体取出工程S101を実施してガラス成形体20及び外径規制型13をそれぞれ単独回収してもよい。
単独回収された外径規制型13は外径規制型設置工程S11に再び供給され、単独回収されたガラス成形体20は成形された光学面に反射防止膜を設ける等の次工程に供給される。
(まとめ、その他)
以上のようにして、ガラス成形体20を外径規制型13と共に上型12に保持して型開きし回収することにより、ガラス成形体20を十分に冷却して外径規制型13から取り出す時間はもちろん、下型11及び上型12の両者から離脱させる時間を待つことなく、型開き直後に直ぐに次の外径規制型設置工程S11に移ることができる。また、外径規制型13と共に回収したガラス成形体20は、成形サイクルに影響を与えることなく十分に冷却することができ、容易に取り外すことができる。よって、良好なガラス成形体を効率良く製造することができる。
上記実施形態によれば、ガラス成形体20及び外径規制型13を上型12に保持して型開きするので、外径規制型13が下型11の規制型位置決め部11aから離脱して露出し、ガラス成形体20の第1成形面21も露出するので、冷却が促進される。
上記実施形態によれば、型開き時にガラス成形体20及び外径規制型13が下型11に残っていないので、型開き後のガラス成形体20の冷却のための下型11の冷却工程は無く、下型を成形工程時の設定温度に短時間に復帰しやすく、成形サイクルタイムを短縮できる。
下型11に水平移動機構を設けることで、上型12には水平移動機構はなく精度よく垂直(Z方向)に上下する一軸直動機構を構成できる。これにより型開き工程において上型12を偏芯することなく垂直に引き上げることで、外径規制型13が傾くことなく下型11の規制型位置決め部11aから抜き取りやすい。さらに上型12のZ軸は固定であるため成形体回収工程において回収アーム15の保持部15aを外径規制型13と同じ軸上に精度よく位置合わせすることが容易である。そのために外径規制型13を傾かせることなくスムーズに上型から離脱させ保持部15aに受け取ることができる。
下型11に溶融ガラスを滴下した時点から下型11及び上型12によるプレスまでの時間は、0.4秒以上10秒以下の待機時間を設けることが好ましい。早すぎると形状がヒケやすく成形型との接触面積が減り付き難くなる。
下型11と上型12は、型開き時にガラス成形体20が下型11から離れやすく、上型12に貼り付きやすくなるように、異なる材料を選択することができる。ガラス成形体20が付きやすいのは、熱伝導率が高い材質、超鋼に限ればバインダレスが付きやすい傾向にあるので、これらを上型12の構成材料として適用する。
また、外径規制型13の材料の熱膨張係数は規制型位置決め部11aの側壁構成材料の熱膨張係数以上であることが好ましい。この関係を以下の条件式(1)に示す。両者の熱膨張係数は、ガラス成形体の材料のTgにおける熱膨張係数とする。
規制型位置決め部11aの側壁構成材料の熱膨張係数 ≦ 外径規制型の材料の熱膨張係数 ・・・(1)
規制型位置決め部11aと外径規制型13とが互いに接するテーパ面が嵌合するように加工されている場合、規制型位置決め部11aを有する下型11に外径規制型13を載置し、加熱すると、条件式(1)を満足することにより、規制型位置決め部11aと外径規制型13とが接する箇所に隙間が生じ難くなり、外径規制型13は、規制型位置決め部11aにより確実に位置決めされる。また冷却に伴い離れ易くなり、型開き時に下型11にから外径規制型13が離れ易い。
ガラス成形体20の成形後において、外径規制型13は、規制型位置決め部11aを備えた下型11より取り出しが容易であることが好ましく、また、ガラス成形体20は、外径規制型13より取り外しが容易であることが好ましい。これより、上述した条件式(1)に加え、外径規制型13の材料の熱膨張係数は、ガラス成形体の材料の熱膨張係数未満であることが好ましい。この関係を以下の条件式(2)に示す。両者の熱膨張係数は、ガラス成形体の材料のTgと室温との平均温度における熱膨張係数とする。
外径規制型の材料の熱膨張係数 < ガラス成形体材料の熱膨張係数 (2)
上記の条件式(2)を満足していることにより、下型11から取り出されたガラス成形体20を有した外径規制型13を、例えば取り扱いが容易な40℃から50℃以下に冷却することにより、ガラス成形体20を外径規制型13からより容易に取り外することができる。よって、条件式(1)、(2)を満足することにより、ガラス成形体20の製造をより効率良く行うことができる。
なお、本実施形態においては、ここで説明した以外の別の工程を含んでいてもよい。例えば、外径規制型13と共にガラス成形体20を回収した後に下型11及び上型12をクリーニングする工程、ガラス成形体20が取り外された外径規制型13をクリーニングする工程、外径規制型13を下型11に設置する前に外径規制型13を加熱する工程等を設けてもよい。外径規制型13を下型11に設置する前に外径規制型13の加熱時間(予熱時間)を設けることで、外径規制型13を下型11に設置した後の成形型の加熱時間を短くすることができ、これにより成形サイクルタイムを短縮することができる。
また、下型への溶融ガラスの供給は、滴下に限らず、液状の溶融ガラスの供給としてもよく、得られるガラス成形体20は、そのまま光学素子としても良いし、再加熱成形用の5プリフォームとしても良い。
11 下型
12 上型
13 外径規制型
15 回収アーム
16 供給アーム
17 冷却エア
18 ヒータ
19 溶融ガラス
20 ガラス成形体
21 第1成形面
22 第2成形面
22a レンズ面
22b フラット面
23 外径規制面

Claims (7)

  1. 溶融ガラスを加圧成形して、相対する第1成形面及び第2成形面と、外径規制面とを有するガラス成形体を製造するにあたり、
    外径規制型が設置された下型に溶融ガラスを供給し、前記下型と上型とで供給された溶融ガラスを加圧して、前記下型により前記第1成形面を、前記上型により前記第2成形面を、前記外径規制型により前記外径規制面を成形する成形工程と、
    前記成形工程の後、前記上型に前記第2成形面を貼り付かせ前記外径規制型に前記外径規制面を貼り付かせた状態で前記上型と前記下型を型開きすることで、前記上型に前記ガラス成形体及び前記外径規制型を保持しつつ、前記ガラス成形体及び前記外径規制型を前記下型から離す型開き工程と、
    前記型開き工程の後、前記第2成形面を前記上型から離して前記ガラス成形体及び前記外径規制型を回収する成形体回収工程と、
    前記型開き工程の後、前記下型に前記外径規制型を設置する外径規制型設置工程と、を備え、
    前記成形体回収工程と前記外径規制型設置工程とを並行して実行するガラス成形体の製造方法。
  2. 前記成形体回収工程で前記第2成形面が前記上型から離れる時点までに、前記外径規制型設置工程で前記下型に前記外径規制型を設置する請求項1に記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 前記成形体回収工程は、前記上型の下方領域に回収アームを侵入させ、当該回収アームで前記ガラス成形体及び前記外径規制型を受け取り、当該回収アームとともに前記ガラス成形体及び前記外径規制型を前記上型の下方領域から退避させて行い、
    前記外径規制型設置工程は、前記外径規制型を供給アームで保持して前記下型の上方領域に侵入させ、当該供給アームから前記外径規制型を離して前記下型に前記外径規制型を設置し、当該供給アームを前記下型の上方領域から退避させて行う請求項1又は請求項2に記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 前記成形体回収工程において、前記上型と前記外径規制型との間に露出した前記ガラス成形体に向けて冷却エアを吹き付けることで、前記第2成形面の前記上型からの離脱を促進する請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法。
  5. 前記成形体回収工程の後、前記ガラス成形体を前記外径規制型から取り出す成形体取出工程を備え、
    前記成形体取出工程において、相対的に前記ガラス成形体を収縮させ前記外径規制型を膨張させるように、前記ガラス成形体の冷却及び/又は前記外径規制型の加熱を行う請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記成形工程において、前記上型の温度を前記溶融ガラスのガラス転移温度Tg−60℃からTg−20℃とし、前記下型及び前記外径規制型の温度をTg−10℃からTg+30℃の範囲で前記上型の温度より高く設定する請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法。
  7. 前記上型及び前記下型として、前記上型の前記第2成形面を成形する面の表面粗さが前記下型の前記第1成形面を成形する面の表面粗さより粗い組合せのものを用いる請求項1から請求項6のうちいずれか一に記載のガラス成形体の製造方法。
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