JPH09227136A - 光学素子の成形方法 - Google Patents

光学素子の成形方法

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JPH09227136A
JPH09227136A JP3671596A JP3671596A JPH09227136A JP H09227136 A JPH09227136 A JP H09227136A JP 3671596 A JP3671596 A JP 3671596A JP 3671596 A JP3671596 A JP 3671596A JP H09227136 A JPH09227136 A JP H09227136A
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JP
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mold
molding
glass
molds
glass blank
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JP3671596A
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Futoshi Ishida
太 石田
Tomoko Miyaura
智子 宮浦
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B40/00Preventing adhesion between glass and glass or between glass and the means used to shape it, hold it or support it
    • C03B40/02Preventing adhesion between glass and glass or between glass and the means used to shape it, hold it or support it by lubrication; Use of materials as release or lubricating compositions
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/40Product characteristics
    • C03B2215/46Lenses, e.g. bi-convex
    • C03B2215/48Convex-concave
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/76Pressing whereby some glass overflows unrestrained beyond the press mould in a direction perpendicular to the press axis

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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 あらゆる硝種、形状を有する光学素子に対し
ても適用可能な成形方法を提供する。 【解決手段】 ガラスブランク5に離型のためのコーテ
ィング膜9を施した後に当該ガラスブランク5を金型
1,3に供給し、ガラスブランク5の外周部が加熱工
程、成形工程および冷却工程を通じて金型鏡面2,4と
接触しない状態で成形を終了させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の金型間で成
形用ガラス素材を加圧することにより、レンズやプリズ
ム等の高精度の光学素子をプレス成形する光学素子の成
形方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス光学素子の成形方法としては、従
来、成形用ガラス素材(ガラスブランク)を下型と上型
とを備えた金型に供給し、当該ガラスブランクを加熱軟
化させた後に前記金型でプレス成形し、金型材料が酸化
しない温度まで冷却されてから、成形品としてのガラス
光学素子を取り出すようにしたリヒートプレス方式が広
く知られている。
【0003】このリヒートプレス方式による光学素子成
形法においては、ガラスブランクとして溶融ガラスから
直接得られるゴブブランクを用いることが主流となって
きているが、ガラス流出時の粘性が低く、ゴブブランク
の製作が困難な硝種や、あるいは大口径のレンズなどに
対しては、研磨等の機械加工を施してガラスブランクを
製作することも多く行われている。
【0004】しかしながら、この機械加工されたガラス
ブランクは外周部にエッヂを有するためカケ等の欠陥を
有しており、プレス成形前にエッヂ部に対する酸洗浄処
理(特開平2−120243号公報)や加熱処理(特開
平4−187528号公報)等の煩雑な処理を施さなけ
れば、前記カケが原因となって金型の転写面等に損傷を
与えていた。金型の損傷を回避する対策としては、金型
より大きなガラスブランクを用いることにより、金型転
写面にガラスエッヂが原因となる損傷を与えないように
する手法がとられている。
【0005】さらに、このようなリヒートプレス方式に
おいては、プレス成形時に高温下で金型とガラスとが接
触するため、両者が融着するという問題があり、この問
題を解決するために多方面から検討が加えられている。
その有力な手法として、プレス成形の前工程において、
金型と反応しにくい材料をガラスブランク表面にコート
する処理を予め施しておき、プレス成形時の金型に対す
る融着を防止するという方法がある。
【0006】この種の方法には、例えば、フッ化マグネ
シウム(MgF2 )等の高融点材料からなる薄膜をガラ
スブランクにコートし、プレス成形後にMgF2 膜の除
去を行う方法(特開昭60−210534号公報)、炭
素膜をガラスブランクにコートし、プレス成形後に炭素
膜の除去を行う方法(特開昭62−207726号公
報)、反射防止膜を融着防止層としてブランクに予めコ
ートする方法(特開昭60−145920号公報)等が
ある。ガラスブランクへの成膜は、蒸着、スパッタリン
グ、CVD等の一般的なコーティング手法が用いられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
一般の成膜手法によるコーティングでは、成膜時にガラ
スブランクを保持する治具の構成によっては、ガラスブ
ランクの外周部にコート膜が施されない領域(以下、
「未コート領域」ともいう)が生じてしまうことがあ
る。このため、プレス成形時における高温下での金型と
の接触によって未コート領域で融着が発生し、この融着
により金型を劣化させ、金型の耐久性を著しく低下させ
ていた。
【0008】また、前述したように研磨等の機械加工に
よりガラスブランクを製作した際には、コーティングを
施さない場合でも、金型にキズをつけ易い要因である欠
け等がブランク外周部に存在しており、プレス成形時の
接触により金型を劣化させ、金型の耐久性を著しく低下
させていた。
【0009】金型の耐久性の低下を回避する対策として
は、ガラスブランクの未コート領域を生じさせないため
に、炭素系の膜を熱CVDでガラスブランクの全面に成
膜したり、あるいは、未コート領域が存在しても、金型
より大きなガラスブランクを準備し、金型より外側でガ
ラスブランクの未コート部を保持したりする等の対策が
ある。
【0010】ところが、前者の対策による場合には、コ
ーティング膜の材質は炭素等の熱CVDが可能な材質に
限られてしまうという制約が生じ、後者の対策による場
合には、コバ部が非常に薄いレンズを成形するためのブ
ランクを設計できない等、ガラスブランク形状等に制約
が生じ、両者とも必ずしも満足できる解決法ではなかっ
た。
【0011】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、あらゆる硝種、形状を
有する光学素子に対しても適用可能な成形方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る光学素子の成形方法は、一対の金型内に
ガラス素材を供給した後に加熱し、次いで前記金型でプ
レス成形し、冷却した後に成形品の取り出しを行う光学
素子の成形方法において、前記ガラス素材に離型のため
のコーティング膜を施した後に当該ガラス素材を前記金
型に供給し、前記ガラス素材の外周部が加熱工程、成形
工程および冷却工程を通じて前記金型と接触しない状態
で成形を終了させることを特徴としている。
【0013】本発明によれば、ガラス素材の外周部に加
熱工程、成形工程および冷却工程を通じて金型と接触し
ない領域を設けたので、ガラス素材の外周部が金型と接
触せず、コーティング膜が施されない領域である未コー
ト領域がガラス素材の外周部に存在していても、ガラス
素材と金型との間で融着を起こさず、高温下でのプレス
成形を良好に行い得る。これと同時に、ガラス素材の外
周部の欠け等による金型の損傷も防止でき、金型の耐久
性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光学素子の成
形方法を具現化した光学素子成形装置の実施の形態につ
いて説明する。光学素子成形装置は、金型とガラスブラ
ンクの外周部とが接触しない状態でプレス成形が終了す
る成形方法を実現する。
【0015】《実施の形態1》図3(a)(b)は、実
施の形態1に係る光学素子成形装置の要部を示す断面図
であり、プレス成形前の状態およびプレス成形後の状態
をそれぞれ示している。実施の形態1の成形装置は、成
形完了時に上下型21,23および胴型22,24によ
り規制された成形空間を形成するタイプの成形装置であ
る。
【0016】光学素子成形装置は、相対的に接近離反移
動自在な上型21およびと下型23(以下、総称して
「金型」ともいう。)を有し、これら上下型21,23
は軸ずれをなくす胴型22,24内にそれぞれ取り付け
られている。上下型21,23には成形品に転写すべき
鏡面21a,23aが形成されている。上下型21,2
3が閉じることにより、胴型22,24同士が接触し、
これら上下型21,23および胴型22,24により成
形空間が形成される。また、光学素子成形装置には、図
示省略するが、成形空間内に供給されたガラスブランク
25を加熱軟化させる加熱手段と、上下型21,23を
相対的に駆動してガラスブランク25を加圧する加圧手
段とが設けられている。
【0017】上下型21,23の金型材料としては、ガ
ラスブランク25と対向する鏡面21a,23aを気孔
等の欠陥がなく緻密に精密加工することができ、加熱お
よび加圧に対して所定の硬度および強度を有する等の型
としての一般的要件を備えていれば特に限定されるもの
ではなく、例えば、SiCなど一般的な材料を使用し得
る。
【0018】また、ガラスブランク25の素材として
は、ランタンクラウンガラス、重クラウンガラス、重フ
リントガラスなどの光学ガラスが用いられる。ガラスブ
ランク25には、離型のためのコーティング膜27が予
め施されている。
【0019】このコーティング膜27は、ガラスブラン
ク25の外周部を除いて成膜され、当該コーティング膜
27が存在する領域のみが、加熱工程、成形工程および
冷却工程を通じて金型21,23と接触するようになっ
ている。また、コーティング膜27は、金型鏡面21
a,23aとの融着を起こさない連続被覆を形成するこ
とができ、また、プレス成形時に変質する虞のない薄膜
を形成し得る材料からなり、Au、Cu、Pt、MgF
2 、Y2 3 や、炭素を含むものなどからなる。Au、
Cu、Ptのいずれかからなるコーティング膜にあって
は、膜厚10〜500オングストロームの極薄膜であ
り、MgF2 、Y2 3 のいずれかからなるコーティン
グ膜にあっては、膜厚50〜3000オングストローム
の極薄膜である。また、炭素を含むコーティング膜にあ
っては、膜厚10〜50オングストロームの極薄膜であ
る。これらコーティング膜は、スパッタ法や蒸着法にて
成膜される。
【0020】本実施の形態1の光学素子成形装置では、
コーティング膜27を予め成膜したガラスブランク25
が上下型21,23間に供給され、加熱手段を作動させ
てガラスブランク25が加熱軟化される。その後に、加
圧手段を作動させて上下型21,23を閉じて加圧し
て、上下型21,23および胴型22,24により規制
された成形空間内で、ガラスブランク25がプレス成形
される。
【0021】このタイプの成形装置においては、成形空
間よりも若干小さい容積のガラスブランク25を準備す
ることはもちろんであるが、金型鏡面21a(23a)
に接触しない領域がガラスブランク25の片面に集中
し、他方の面の全面が金型鏡面23a(21a)に転写
してしまうという状況を防ぐ必要が生じる。
【0022】そこで、本実施の形態1では、上下型2
1,23の型温度のバランスを調整することにより上記
課題を解決するようにしてある。具体的には、ガラスブ
ランク25の両面のうちガラスブランク形状が目的とす
るレンズ形状と大きく異なる一の面、つまり、プレス成
形による変形の程度が大きい面に対応する側の型温度
を、他方の型温度よりも高くすることにより、ガラスの
変形が上下面で概ね等しく進行するようにする。換言す
れば、ガラスブランク25の上下面ともほぼ同じ速度で
金型中心部から外周部へと成形が進み、上下で略等しい
口径で成形が終了するようにする。
【0023】例えば、図3(a)に示されるような略球
形形状のガラスブランク25から両凸レンズを成形する
場合には、上下型21,23の温度差は小さくてすむ
が、略球形形状のガラスブランク25からメニスカスレ
ンズを成形する場合には、凹面を形成する側の型、つま
り凸状の鏡面が形成された側の型の温度を、他方の型温
度よりも約10℃高めに設定する。
【0024】型温度を制御することにより、成形された
光学素子には各加工工程を通じて金型21,23と非接
触の部分ができ、ブランクエッヂ部のカケによる金型の
損傷や、ガラス外周部の未コート領域の金型鏡面21
a,23aへの融着がなくなり、金型21,23の耐久
性の向上を図ることができる。
【0025】さらに、ガラスブランク25の外周部にコ
ーティング未着部分があっても成形が可能となるため、
コーティング材料・コーティング手法を選ばず、その結
果、あらゆる形状のガラスブランク25に対して多様な
融着防止コーティングを施すことができ、成形可能な範
囲が大きく広がることになる。
【0026】《実施の形態2》図4(a)(b)は、実
施の形態2に係る光学素子成形装置の要部を示す断面図
であり、プレス成形前の状態およびプレス成形後の状態
をそれぞれ示している。実施の形態2の成形装置は、成
形完了時に上下型21,23および胴型22,24が規
制された成形空間を形成しないタイプの成形装置であ
る。
【0027】このタイプの光学素子成形装置は、上下型
21,23を閉じても胴型22,24同士を接触させな
いように構成されている点で、実施の形態1のものと異
なる。他の構成は実施の形態1と同様であるので説明は
省略する。
【0028】このタイプの光学素子成形装置では、加圧
によるガラスの変形を止めるタイミングが問題となる。
この実施の形態2でも、実施の形態1と同形状のガラス
ブランク25が用いられるが、金型21,23の位置を
検出しつつプレス成形が行われており、成形中のガラス
が所望の心厚になる直前の金型位置を検出した時点で金
型21,23の加熱を停止してガラスを固化させる方法
がとられる。なお、ガラスが所望の心厚になった際に、
図示しないストッパ手段で金型21,23の駆動を停止
するようにしてもよい。
【0029】金型位置を制御することにより、成形され
た光学素子には各加工工程を通じて金型21,23と非
接触の部分ができ、実施の形態1と同様に、金型21,
23の耐久性の向上を図ることができ、さらに、あらゆ
る形状のガラスブランク25に対して多様な融着防止コ
ーティングを施すことができ、成形可能な範囲が大きく
広がる。
【0030】《実施の形態3》図5(a)(b)は、実
施の形態3に係る光学素子成形装置の要部を示す断面図
であり、プレス成形前の状態およびプレス成形後の状態
をそれぞれ示している。実施の形態3の成形装置は、実
施の形態2と同様に、成形完了時に上下型21,23お
よび胴型22,24が規制された成形空間を形成しない
タイプの成形装置である。
【0031】この光学素子成形装置は、ガラスブランク
25よりも若干大きな開口を有する所定厚さのリング状
部材26がガラスブランク25の周囲を囲むように下型
23上に配置され、このままの状態でプレス成形を行う
ようになっている。リング状部材26の材質としては、
ガラスとの離型が容易なカーボン、グラッシーカーボン
等が望ましい。
【0032】そして、プレス成形終了時には、ガラスブ
ランク25が変形して横方向に伸びるが、コバ部がリン
グ状部材26の内周面に接触して固化することにより、
ガラスの外周部と金型鏡面21a,23aとが接触しな
いようにしてある。
【0033】リング状部材26に接触するガラスコバ部
が他の部位よりも先に冷やされることにより、成形され
た光学素子には各加工工程を通じて金型21,23と非
接触の部分ができ、実施の形態1、2と同様に、金型2
1,23の耐久性の向上を図ることができ、さらに、あ
らゆる形状のガラスブランク25に対して多様な融着防
止コーティングを施すことができ、成形可能な範囲が大
きく広がる。
【0034】上記いずれの実施の形態においても、所定
条件下での成形における転写径を把握した上で、未コー
ト領域のガラスがプレス成形時に金型鏡面21a,23
aに接触しないように、コート条件の設定や、ガラスブ
ランク形状の設計等を行う。このとき、転写径<コート
径<ブランク径となる。
【0035】さらに、金型鏡面21a,23aに対する
ガラス外周部の非接触な状態を確実なものとするために
は、金型の有効成形面より外方の面に「逃げ形状」を設
けることも有効な手段の一つとなる。つまり、凸状の鏡
面を有する型の場合には、有効成形面外方における曲率
半径を有効成形面における曲率半径(有効径)よりも小
さくし、凹状の鏡面を有する型の場合は、有効成形面外
方における曲率半径を有効径よりも大きくすればよい。
【0036】
【実施例】次ぎに、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0037】《実施例1》図1(a)〜(d)は、本発
明の実施例1を示す説明図であり、プレス成形前の状
態、プレス成形後の状態、プレス成形された光学素子、
および、薄膜を除去した光学素子をそれぞれ示してい
る。
【0038】図1(a)において、光学素子成形装置
は、上下動駆動自在な上型1と、固定された下型3とを
有し、上下型1,3のそれぞれは、図示しない加熱手段
を用いて所望の温度に加熱することができる。上下型
1,3には、成形レンズとして転写すべき鏡面2,4が
形成されている。この上下型1,3は必要に応じて非酸
化性ガス雰囲気にさらされるべく成形チャンバの内部に
配置される。
【0039】本実施例1では以下の構成の金型1,3、
ガラスブランク5を用い、凹メニスカスレンズ8を成形
する場合について説明する。 上型1 :外径φ18mm、凸型(曲率半径:R=20mm) 下型3 :外径φ18mm、凹型(曲率半径:R=50mm) ガラスブランク5:概略球形状のゴブブランク、外径約φ10mm 硝種 :ランタンクラウンガラス LaK8 (ガラス転移温度 Tg:650℃ 屈伏点温度 At:680℃ ) なお、金型1,3の材質はともにSiCである。
【0040】まず、図1(a)に示すように、下型3の
上の所定位置にガラスブランク5をセットした。ガラス
ブランク5には、その外周部を除いて、融着防止膜とし
ての炭素膜9(膜厚30オングストローム)を、蒸着法
にて予めコーティングしてある。
【0041】次いで、金型1,3周辺の雰囲気を大気か
ら非酸化性ガスに置換した後に、金型1,3およびガラ
スブランク5を700℃まで加熱し、3分間保持した。
【0042】そして、ガラスブランク5の温度が略均一
になったら、図1(b)に示すように、上型1を駆動し
て約70kg/cm2 でプレスを行い、ガラスと金型と
の転写径(接触径)が約φ15mmになった時点で上型
1の駆動を停止し、そのまま約10秒間保持した後に冷
却を行った。上型1の駆動停止のタイミングは、予め実
験により求めた停止位置において機械的ストッパを当接
させることにより行った。
【0043】そして、図1(c)に示すように、転写部
7が約φ15mmの凹メニスカスレンズ8を得た。成形
した凹メニスカスレンズ8は金型1,3と非接触の部分
6を有しており、上記と同じ成形を100ショット繰り
返して行ったところ、金型1,3にブランクエッヂ部の
カケによる損傷、および、融着防止膜の未着による金型
1,3への融着は全く発生しなかった。また、成形後の
凹メニスカスレンズ8には炭素膜9が残存しているが、
600℃での加熱処理または酸素プラズマによるアッシ
ング等により簡単に除去することができた(図1(d)
参照)。
【0044】なお、本実施例では上型1を駆動している
が、下型3を駆動させてもよいことはいうまでもない。
また、金型1,3としてSiCの上にPt,BN、Al
N、DLC等の保護膜をコーティングすることにより、
本実施の効果と相俟ってさらに良好な金型耐久性を得る
ことができる。さらに、この実施例では、金型駆動の停
止を機械的ストッパで行ったが、その他の方法、例え
ば、単にある一定のプレス時間の後に冷却を開始してり
ガラスを固化させ、変形を所定位置で終了させるように
種々の条件を設定することも可能である。
【0045】《実施例2》図2(a)〜(d)は、本発
明の実施例2、後述する実施例3および実施例4を示す
説明図であり、プレス成形前の状態、プレス成形後の状
態、プレス成形された光学素子、および、薄膜を除去し
た光学素子をそれぞれ示している。なお、成形装置の構
成は実施例1と同様であるので説明は省略する。
【0046】本実施例2では以下の構成の金型1,3、
ガラスブランク5を用い、両凹レンズ10を成形する場
合について説明する。 上型1 :外径φ18mm、凸型(R30mm) 下型3 :外径φ18mm、凸型(R50mm) ガラスブランク5:外径φ18mm、平行平板 硝種 :重クラウンガラス SK5 (Tg:660℃、At:705℃) なお、金型1,3の材質はともにSiCである。
【0047】まず、図2(a)に示すように、下型3の
上の所定位置にガラスブランク5をセットした。ガラス
ブランク5には、融着防止膜としてのAu膜9(膜厚4
0オングストローム)を、スパッタ法にて予めコーティ
ングしてある。このAu膜9は、成膜時にガラスブラン
ク5を保持する保持具のために、ガラスブランク5の全
面に亘ってコーティングすることができず、ガラスブラ
ンク外周部に未コート領域の部分を有している。有コー
ト領域は約φ16mmであった。
【0048】次いで、金型1,3周辺の雰囲気を大気か
ら非酸化性ガスに置換した後に、金型1,3およびガラ
スブランク5を715℃まで加熱し、3分間保持した。
【0049】そして、ガラスブランク5の温度が略均一
になったら、図2(b)に示すように、上型1を駆動し
て約100kg/cm2 でプレスを行い、ガラスと金型
の転写径(接触径)が約φ15mmになった時点で上型
1の駆動を停止し、そのまま約10秒間保持した後に冷
却を行った。上型1の駆動停止のタイミングは、予め実
験により求めた停止位置において機械的ストッパを当接
させることにより行った。
【0050】そして、図2(c)に示すように、転写部
7が約φ15mmの両凹レンズ10を得た。成形した両
凹レンズ10は金型1,3と非接触の部分6を有してお
り、上記と同じ成形を150ショット繰り返して行った
ところ、金型1,3にブランクエッヂ部のカケによる損
傷、および、融着防止膜の未着による金型1,3への融
着は全く発生しなかった。また、成形後の両凹レンズ1
0にはAu膜9が残存しているが、5倍希釈された王水
に30秒間浸漬させることにより簡単に除去することが
できた(図2(d)参照)。
【0051】《実施例3》前述した図2(a)〜(d)
は、本発明の実施例3をも示す説明図である。なお、成
形装置の構成は実施例1と同様であるので説明は省略す
る。
【0052】本実施例3では以下の構成の金型1,3、
ガラスブランク5を用い、両凹レンズ10を成形する場
合について説明する。 上型1 :外径φ18mm、凸型(R30mm) 下型3 :外径φ18mm、凸型(R50mm) ガラスブランク5:外径φ18mm、平行平板 硝種 :重フリントガラス SF6 (Tg:430℃、At:465℃) なお、金型1,3の材質はともにSiCである。
【0053】まず、図2(a)に示すように、下型3の
上の所定位置にガラスブランク5をセットした。ガラス
ブランク5には、融着防止膜としてのCu膜9(膜厚5
0オングストローム)を、スパッタ法にて予めコーティ
ングしてある。このCu膜9は、成膜時にガラスブラン
ク5を保持する保持具のために、ガラスブランク5の全
面に亘ってコーティングすることができず、ガラスブラ
ンク外周部に未コート領域の部分を有している。有コー
ト領域は約φ16mmであった。
【0054】次いで、金型1,3周辺の雰囲気を大気か
ら非酸化性ガスに置換した後に、金型1,3およびガラ
スブランク5を490℃まで加熱し、3分間保持した。
【0055】そして、ガラスブランク5の温度が略均一
になったら、図2(b)に示すように、上型1を駆動し
て約80kg/cm2 でプレスを行い、ガラスと金型の
転写径(接触径)が約φ15mmになった時点で上型1
の駆動を停止し、そのまま約10秒間保持した後に冷却
を行った。上型1の駆動停止のタイミングは、予め実験
により求めた停止位置において機械的ストッパを当接さ
せることにより行った。
【0056】そして、図2(c)に示すように、転写部
7が約φ15mmの両凹レンズ10を得た。成形した両
凹レンズ10は金型1,3と非接触の部分6を有してお
り、上記と同じ成形を100ショット繰り返して行った
ところ、金型1,3にブランクエッヂ部のカケによる損
傷、および、融着防止膜の未着による金型1,3への融
着は全く発生しなかった。また、成形後の両凹レンズ1
0にはCu膜9が残存しているが、塩化第二鉄の飽和溶
液に5分間浸漬させることにより簡単に除去することが
できた(図2(d)参照)。
【0057】《実施例4》前述した図2(a)〜(d)
は、本発明の実施例4をも示す説明図である。なお、成
形装置の構成は実施例1と同様であるので説明は省略す
る。
【0058】本実施例4では以下の構成の金型1,3、
ガラスブランク5を用い、両凹レンズ10を成形する場
合について説明する。 上型1 :外径φ18mm、凸型(R30mm) 下型3 :外径φ18mm、凸型(R50mm) ガラスブランク5:外径φ18mm、平行平板 硝種 :ランタンクラウンガラス LaK8 (Tg:650℃、At:680℃) なお、金型1,3の材質はともにSiCである。
【0059】まず、図2(a)に示すように、下型3の
上の所定位置にガラスブランク5をセットした。ガラス
ブランク5には、融着防止膜としてのMgF2 膜9(膜
厚300オングストローム)を、蒸着法にて予めコーテ
ィングしてある。このMgF2 膜9は、成膜時にガラス
ブランク5を保持する保持具のために、ガラスブランク
5の全面に亘ってコーティングすることができず、ガラ
スブランク外周部に未コート領域の部分を有している。
有コート領域は約φ16mmであった。
【0060】次いで、金型1,3周辺の雰囲気を大気か
ら非酸化性ガスに置換した後に、金型1,3およびガラ
スブランク5を700℃まで加熱し、3分間保持した。
【0061】そして、ガラスブランク5の温度が略均一
になったら、図2(b)に示すように、上型1を駆動し
て約100kg/cm2 でプレスを行い、ガラスと金型
の転写径(接触径)が約φ15mmになった時点で上型
1の駆動を停止し、そのまま約10秒間保持した後に冷
却を行った。上型1の駆動停止のタイミングは、予め実
験により求めた停止位置において機械的ストッパを当接
させることにより行った。
【0062】そして、図2(c)に示すように、転写部
7が約φ15mmの両凹レンズ10を得た。成形した両
凹レンズ10は金型1,3と非接触の部分6を有してお
り、上記と同じ成形を120ショット繰り返して行った
ところ、金型1,3にブランクエッヂ部のカケによる損
傷、および、融着防止膜の未着による金型1,3への融
着は全く発生しなかった。また、成形後の両凹レンズ1
0にはMgF2 膜9が残存しているが、そのまま反射防
止膜の一部として作用させることができる。
【0063】《比較例1》図6(a)〜(d)は、本発
明に対する比較例を示す説明図であり、プレス成形前の
状態、プレス成形後の状態、プレス成形された光学素
子、および、薄膜を除去した光学素子をそれぞれ示して
いる。なお、成形装置の構成は本発明の実施例1と同様
であるので説明は省略する。
【0064】本比較例では以下の構成の金型1,3、ガ
ラスブランク5を用い、両凹レンズ12を成形する場合
について説明する。 上型1 :外径φ18mm、凸型(R30mm) 下型3 :外径φ18mm、凸型(R50mm) ガラスブランク5:外径φ18mm、平行平板 硝種 :重クラウンガラス SK5 (Tg:660℃、At:705℃) なお、金型1,3の材質はともにSiCである。
【0065】まず、図6(a)に示すように、下型3の
上の所定位置にガラスブランク5をセットした。ガラス
ブランク5には、Au膜11(膜厚40オングストー
ム)を予めコーティングしてある。このAu膜11は、
成膜時の保持具のために、ガラスブランク5の中心部約
φ16mmの部分に存在する。
【0066】次いで、金型1,3周辺の雰囲気を大気か
ら非酸化性ガスに置換した後に、金型1,3およびガラ
スブランク5を715℃まで加熱し、3分間保持した。
【0067】そして、ガラスブランク5の温度が略均一
になったら、図6(b)に示すように、上型1を駆動し
て約100kg/cm2 でプレスを行い、ガラスと金型
の転写径(接触径)が約φ18mmになるまで全面転写
させ、そのまま約10秒間保持した後に冷却を行った。
【0068】そして、図6(c)に示すように、転写部
7が約φ18mmの両凹レンズ12を得た。この比較例
による10ショット成形後の金型1,3を観察したとこ
ろ、ガラスブランク5のエッヂ部に対応したキズが約φ
18mm付近の輪帯上に発生し、さらに、Au膜の未着
による金型1,3への融着も発生しており、充分な金型
耐久性が得られなかった。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、金型がガラス素材の外
周部と接触しないので、ガラス素材エッヂ部のカケ等に
よる金型損傷の発生を防ぐことができる。さらに、本発
明によりガラス素材の外周部にコーティング膜の未着部
分があっても成形が可能となるため、コーティング材料
やコーティング手法などが制限されず、その結果、あら
ゆる形状のガラス素材に対して多種多様な融着防止コー
ティングを施すことができ、成形可能な範囲が大きく広
がるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)〜(d)は、本発明の実施例1を
示す説明図であり、プレス成形前の状態、プレス成形後
の状態、プレス成形された光学素子、および、薄膜を除
去した光学素子をそれぞれ示している。
【図2】 図2(a)〜(d)は、本発明の実施例2、
実施例3および実施例4を示す説明図であり、プレス成
形前の状態、プレス成形後の状態、プレス成形された光
学素子、および、薄膜を除去した光学素子をそれぞれ示
している。
【図3】 図3(a)(b)は、実施の形態1の光学素
子成形装置の要部を示す断面図であり、プレス成形前の
状態およびプレス成形後の状態をそれぞれ示している。
【図4】 図4(a)(b)は、実施の形態2の光学素
子成形装置の要部を示す断面図であり、プレス成形前の
状態およびプレス成形後の状態をそれぞれ示している。
【図5】 図5(a)(b)は、実施の形態3の光学素
子成形装置の要部を示す断面図であり、プレス成形前の
状態およびプレス成形後の状態をそれぞれ示している。
【図6】 図6(a)〜(d)は、本発明に対する比較
例を示す説明図であり、プレス成形前の状態、プレス成
形後の状態、プレス成形された光学素子、および、薄膜
を除去した光学素子をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1…上型(金型) 2…鏡面 3…下型(金型) 4…鏡面 5…ガラスブランク(ガラス素材) 6…金型と非接触の部分 7…レンズに形成された転写部 8…凹メニスカスレンズ(光学素子) 9…炭素膜、Au膜、Cu膜、MgF2 膜(コーティン
グ膜) 10…両凹レンズ(光学素子)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の金型内にガラス素材を供給した後
    に加熱し、次いで前記金型でプレス成形し、冷却した後
    に成形品の取り出しを行う光学素子の成形方法におい
    て、 前記ガラス素材に離型のためのコーティング膜を施した
    後に当該ガラス素材を前記金型に供給し、前記ガラス素
    材の外周部が加熱工程、成形工程および冷却工程を通じ
    て前記金型と接触しない状態で成形を終了させることを
    特徴とする光学素子の成形方法。
JP3671596A 1996-02-23 1996-02-23 光学素子の成形方法 Withdrawn JPH09227136A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007041314A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Pentax Corp 対物レンズ及びその成形型、並びに対物レンズの製造方法
JP2012054270A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Toyoda Gosei Co Ltd 発光装置の製造方法

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